【実施例1】
【0077】
実施例1:
カチオン性両親媒性物質1の合成(スキーム1、X、n=13)
ステップ(i):固形HOBt(0.28g、2mmol)及びEDCI(0.4g、2mmol)を連続的に、5mLのドライDCM/ドライDMF(9:1、v/v)中のN
α−Z−N
ε−BOC−L−リシン(0.76g、2mmol)の氷冷撹拌溶液に窒素雰囲気下で添加した。30分後、ドライDCMに溶解させたN−2アミノエチル−N,N−ジ−n−ヘキサデシルアミン(0.8g、1.5mmol)を反応混合物に添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、過剰量のDCMで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(約2x50mL)及び水(約2x50mL)で連続的に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(60〜120メッシュシリカゲル、溶離液としてジクロロメタン中の1〜1.5%メタノール(v/v)を使用)、1.1g(収率80%)の純粋な中間体IIIが得られた(R
f=0.5、ジクロロメタン中の5%メタノール、v/v)。
【0078】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,C
H3−(CH
2)
13−];1.2−1.9[m,54H,−C
H2(C
H2)
13−;9H,CO−O−C(C
H3)
3;6H,LysC
γH2,LysC
δH2,LysC
βH2];2.4−2.7[m,4H,−N(−C
H2−CH
2−)
2;2H,−N−C
H2−CH
2−NH−CO]3.0−3.1[m,2H,LysC
ωH2];3.3−3.4[m,2H,−N−CH
2−C
H2−NH−CO];4.0[m,1H,BOC−N
H];4.5[m,1H,LysC
αH];5.0[d,2H,−O−C
H2−C
6H
5];5.5[m,1H,−N
H−Z];7.2−7.5[m,5H,O−CH
2−C
6H5]
【0079】
ステップ(ii):上のステップで調製した中間体III(1.1g、1.2mmol)を8mLのメタノール及び2滴の2N塩酸に溶解させた。Pd(OH)
2/C(0.3g)を反応混合物に添加し、空気を除去した。得られた反応混合物を室温で14時間にわたって水素雰囲気下(2気圧)で撹拌した。反応混合物をセライトを使用して濾過し、濾液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾液の溶媒を回転蒸発により除去すると0.9g(収率90%)の純粋な中間体IVが得られた(R
f=約0.4、10%メタノール−クロロホルム、v/v)。
【0080】
ステップ(iii):固形HOBt(0.1g、1.4mmol)及びEDCI(0.15g、1.4mmol)を連続的に、5mLのドライDCM/ドライDMF(9:1、v/v)中の3,4,5−トリアセトキシシクロヘキシ−1−エンカルボン酸(0.23g、1.4mmol)の氷冷撹拌溶液に添加した。30分後、上のステップで調製した中間体IV(0.4g、0.54mmol)を4mLのドライDCM(0.4mLのトリエチレンアミンで中和)に溶解させ、反応混合物に添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、過剰量のDCMで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(約2x40mL)及び水(約2x40mL)で連続的に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(60〜120メッシュシリカゲル、溶離液としてジクロロメタン中の1.5〜2%メタノール(v/v)を使用)、0.4g(収率72%)の純粋な中間体Vが得られた(R
f=0.5、ジクロロメタン中の5%メタノール、v/v)。
【0081】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,C
H3−(C
H2)
13−];1.2−1.5[m,54H,2x−C
H2(CH
2)
13−;9H,CO−O−C(C
H3)
3];1.6−1.9[m,6H,LysC
γH2,LysC
δH2,LysC
βH2];2.0−2.1[3s,9H,3x−COC
H3];2.2−2.4[dd,2H,shik6−H,H'];2.7−3.2[m,4H,−N(−C
H2−CH
2−)
2;2H,−N−C
H2−CH
2−NH−CO;2H,LysC
ωH2];3.4−3.5[m,2H,−N−CH
2−C
H2−NH−CO];4.3−4.4[m,1H,LysC
αH];4.7[m,1H,BOC−N
H];5.1−5.3[m,2H,shik−4−H,shik−5−H];5.6−5.7[m,1H,shik−3−H];6.4[d,1H,shik−2−H];7.1[m,1H,CO−N
H]
ES−MS:m/z=C
58H
106N
4O
10の場合、1020[M+1]
+
【0082】
ステップ(IV):上のステップで調製した中間体V(0.5g、0.5mmol)をドライDCM(4mL)に溶解させ、TFA(2mL)を0℃で添加した。得られた溶液を0℃で3時間にわたって撹拌することで完全に脱保護した。過剰量のTFAを窒素フラッシングにより除去した。得られた化合物をクロロホルム(80mL)に溶解させ、水性飽和NaHCO
3(3x90mL)、ブライン(1x70mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発により除去すると、0.41g(収率91%)の遊離アミンが中間体VIとして得られた。
【0083】
ステップ(V):塩化第二水銀(0.28g、1.0mmol)を、ドライN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、2mL)、トリエチルアミン(1mL)及びドライジクロロメタン(DCM、5mL)に溶解させた中間体VI(ステップIVで調製。0.4g、0.4mmol)、ビス−N−Boc−チオウレア(0.2g、0.7mmol)の混合物に0℃で、継続的に撹拌しながら添加した。得られた混合物を0℃、窒素下で40分間にわたって撹拌し、エチルアセテート(20mL)で希釈し、セライトのパッドで濾過した。濾液を水(2x50mL)及びブライン溶液(2x50mL)で連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発により除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(60〜120メッシュシリカゲル、溶離液として2〜2.5%のメタノール/ジクロロメタン(v/v)を使用)、0.41gの純粋な中間体VIIが得られた(71%、Rf−0.5、5%メタノール/ジクロロメタン、v/v)。
【0084】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,C
H3−(CH
2)
13−];1.2−1.5[m,54H,2x−C
H2(C
H2)
13−;18H,CO−O−C(C
H3)
3];1.6−1.9[m,6H,LysC
γH2,LysC
δH2,LysC
βH2];2.0−2.1[3s,9H,3x−COC
H3];2.2−2.4[dd,2H,shik6−H,H'];2.7−3.2[m,4H,−N(−C
H2−CH
2−)
2;2H,−N−C
H2−CH
2−NH−CO;2H,LysC
ωH2];3.4−3.5[m,2H,−N−CH
2−C
H2−NH−CO];4.3−4.4[m,1H,LysC
αH];4.7[m,1H,BOC−N
H];5.1−5.3[m,2H,shik−4−H,shik−5−H];5.6−5.7[m,1H,shik−3−H];6.4[d,1H,shik−2−H];7.1[m,1H,CO−N
H]
ES−MS:m/z=C
64H
117N
6O
12の場合、1162[M+1]
+
【0085】
ステップ(vi):上のステップで調製した中間体VII(0.4g、0.35mmol)を2mLのクロロホルム/メタノール(1:1、v/v)に溶解させ、5mLのヨウ化メチルを溶液に添加した。反応混合物を室温で6時間にわたって撹拌し、溶媒をロータリーエバポレータで除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(シリカゲル、60〜120メッシュサイズ、溶離液としてジクロロメタン中の2〜2.5%メタノール(v/v)を使用)、0.35g(収率82%)の純粋な中間体VIIIが得られた(R
f=0.45、ジクロロメタン中の5%メタノール、v/v)。
【0086】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,C
H3−(CH
2)
13−];1.2−1.6[m,52H,2x−(C
H2)
13−,4H,LysC
γH2,18H,CO−O−C(C
H3)
3].];1.65−2.0[m,4H,−N
+(−CH
2−C
H2−)
2,4H,Lys
δC
H2,LysC
βH2];2.0−2.15[3s,9H,3x−COC
H3];2.3−2.5[dd,1H,shik6−H,H'];3.0−3.1[m,2H,LysC
ωH2];3.3[s,3H,−N
+C
H3];3.4−3.5[m,4H,−N
+(−C
H2−CH
2−)
2];3.7−3.8[m,4H,−N
+−C
H2−C
H2−NH−CO];4.4[m,1H,LysC
αH];4.8[m,1H,BOC−N
H]5.1−5.3[m,2H,shik−4−H,shik−5−H];5.7[t,1H,shik−3−H];6.5−6.6[d,1H,shik−2−H]
ES−MS:m/z=C
65H
120N
6O
12の場合、1177M
+
【0087】
ステップ(vii):上のステップで調製した中間体VIII(0.35g、0.3mmol)を2mLのメタノールに溶解させ、K
2CO
3(0.2g、1.5mmol)を反応混合物に添加することでpHを約9に上昇させた。反応混合物を室温で30分間にわたって撹拌し、Amberlite IR120(H
+)で中和し、濾過し、濾液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ロータリーエバポレータ上で濃縮すると0.25g(収率80%)の中間体IXが得られた(R
f=約0.6、20%メタノール−クロロホルム、v/v)。
【0088】
ステップ(viii):上のステップで調製した中間体IX(0.25g、0.27mmol)を2mLのドライDCMに溶解させた氷冷溶液に、0.6mlのTFAを添加し、混合物を3〜4時間にわたって撹拌した。TFAを窒素の適用により除去し、続いて塩化物イオン交換クロマトグラフィ(amberlyst A−26塩化物イオン交換樹脂を使用)を行った。最終的な化合物をMeOH及びアセトンを使用して再結晶化すると0.15g(収率67%)の純粋なターゲット化合物X(脂質1)が白色の固形物として得られた(R
f=約0.3、10%メタノール−クロロホルム、v/v)。
【0089】
1H NMR:(600MHz,CD
3OD+CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,2xC
H3−(CH
2)
13−];1.2−1.5[m,52H,2x−CH
2(C
H2)
13−];1.6−2.0[m,6H,LysC
γH2,LysC
δH2,LysC
βH2,4H,−N
+(−CH
2−C
H2−)
2,2H,];2.2[dd,1H,shik6−H];2.8[dd,1H,shik−6−H'];2.9−3.2[m,2H,LysC
ωH2,4H,−N
+(−C
H2−CH
2−)
2];3.3−3.5[m,3H,−N
+C
H3;2H,−N
+−C
H2−CH
2−NH−CO];3.5−3.7[m,1H,shik4−H,2H,−N
+−CH
2−C
H2−NH−CO];4.0−4.1[m,1H,shik−5−H];4.3−4.5[m,1H,LysC
αH,1H,shik3−H];6.5[s,1H,shik2−H]
ES−MS:m/z=C
49H
98N
6O
5の場合、850[M]
+及び425[M/2]
+.
【0090】
実施例2:
カチオン性両親媒性物質2の合成(スキーム2、Y、n=13)
ステップ(i):固形HOBt(0.09g、0.67mmol)及びEDCI(0.13g、0.67mmol)を、5mLのドライDCM/ドライDMF(9:1、v/v)中の1,3,4,5−テトラアセトキシシクロヘキサンカルボン酸(0.24g、0.67mmol)の氷冷撹拌溶液に窒素雰囲気下、連続的に添加した。30分後、スキーム1通りに調製した中間体IV(0.38g、0.51mmol)をドライDCMに溶解させ、反応混合物に添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、過剰量のDCMで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(約3x50mL)及び水(約3x50mL)で連続的に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発により除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(60〜120メッシュシリカゲル、溶離液としてジクロロメタン中の1.5〜2%メタノール(v/v)を使用)、0.31g(収率56%)の純粋な中間体Vが得られた(R
f=0.5、ジクロロメタン中の5%メタノール、v/v)。
【0091】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,2xC
H3−(CH
2)
13−];1.2−1.7[m,56H,2x−C
H2(C
H2)
13−;9H,CO−O−C(C
H3)
3;4H,LysC
γH2,LysC
δH2];1.8−2.2[m,2H,LysC
βH2;12H,4xC
H3];2.3−2.8[m,4H,qui6−H,H',qui2−H,H',4H,−N(−C
H2−CH
2−)
2,2H,−N−C
H2−CH
2−NHCO];3.0−3.3[m,2H,LysC
ωH2,2H,−N−C
H2−CH
2−NH−CO];4.4[m,1H,LysC
αH];4.7[m,1H,BOC−N
H]];4.9−5.1[dd,1H,qui4−H];5.3−5.45[ddd,1H,qui5−H];5.5−5.6[m,1H,qui3−H]
ES−MS:m/z:C
60H
110N
4O
12の場合、1080[M+1]
+
【0092】
ステップ(II):上のステップで調製した中間体V(0.5g、0.5mmol)をドライDCM(4mL)に溶解させ、TFA(2mL)を0℃で添加した。得られた溶液を0℃で3時間にわたって撹拌することで完全に脱保護した。過剰量のTFAを窒素フラッシングにより除去した。得られた化合物をクロロホルム(80mL)に溶解させ、水性飽和NaHCO
3(3x90mL)、ブライン(1x70mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発により除去すると、0.41g(収率91%)の遊離アミンが中間体VIとして得られた。
【0093】
ステップ(III):塩化第二水銀(0.28g、1.0mmol)を、ドライN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、2mL)、トリエチルアミン(1mL)及びドライジクロロメタン(DCM、5mL)に溶解させた中間体VI(ステップIIで調製。0.4g、0.4mmol)、ビス−N−Boc−チオウレア(0.2g、0.7mmol)の混合物に0℃で継続的に撹拌しながら添加した。得られた混合物を0℃、窒素下で40分間にわたって撹拌し、エチルアセテート(20mL)で希釈し、セライトのパッドで濾過した。濾液を水(2x50mL)及びブライン溶液(2x50mL)で連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発により除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(60〜120メッシュシリカゲル、溶離液として2〜2.5%メタノール/ジクロロメタン(v/v)を使用)、0.41gの純粋な中間体VIIが得られた(71%、Rf−0.5、5%メタノール/ジクロロメタン、v/v)。
【0094】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,2xC
H3−(C
H2)
13−];1.2−1.7[m,56H,2x−C
H2(CH
2)
13−;18H,CO−O−C(C
H3)
3;4H,LysC
γH2,LysC
δH2];1.8−2.2[m,2H,LysC
βH2;12H,4xC
H3];2.3−2.8[m,4H,qui6−H,H',qui2−H,H',4H,−N(−C
H2−CH
2−)
2,2H,−N−C
H2−CH
2−NHCO];3.0−3.3[m,2H,LysC
ωH2,2H,−N−CH
2−C
H2−NH−CO];4.4[m,1H,Lys
αC
H];4.7[m,1H,BOC−N
H]];4.9−5.1[dd,1H,qui4−H];5.3−5.45[ddd,1H,qui5−H];5.5−5.6[m,1H,qui3−H]
ES−MS:m/z=C
66H
121N
6O
13の場合、1221[M+1]
+
【0095】
ステップ(iv):上のステップで調製した中間体VII(0.3g、0.29mmol)を2mLのクロロホルム/メタノール(1:1、v/v)に溶解させ、5mLのヨウ化メチルを溶液に添加した。反応混合物を室温で6時間にわたって撹拌し、溶媒をロータリーエバポレータで除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(シリカゲル、60〜120メッシュサイズ、溶離液としてジクロロメタン中の2〜2.5%メタノール(v/v)を使用)、0.18g(収率58%)の純粋な中間体VIIIが得られた(R
f=0.45、ジクロロメタン中の5%メタノール、v/v)。
【0096】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,2xC
H3−(C
H2)
13−];1.2−1.5[m,52H,2x−CH
2(C
H2)
13−;18H,CO−O−C(C
H3)
3];1.6−1.9[4H,−N(−CH
2−C
H2−)
2;6H,LysC
γH2,LysC
δH2,LysC
βH2];2.0−2.3[4s,12H,4xCH
3];2.4−2.7[dd,2H,qui6−H,H';dd,2H,qui2−H,H'];3.1[d,2H,LysC
ωH2];3.2[s,3H,N
+CH
3];3.3−3.4[m,4H,−N
+(−C
H2−CH
2−)
2];3.6−3.8[m,4H,−N
+−C
H2−C
H2−NHCO];4.3−4.4[m,1H,LysC
αH];4.9−5.1[m,1H,BOC−N
H;1H,qui4−H];5.3−5.45[ddd,1H,qui5−H];5.5−5.6[d,1H,qui3−H]
ES−MS:m/z:C
67H
124N
6O
13の場合、1236[M]
+
【0097】
ステップ(v):上のステップで調製した中間体VIII(0.18g、0.2mmol)を2mLのメタノールに溶解させ、K
2CO
3(0.1g、1.5mmol)を反応混合物に添加することでpHを約9に上昇させた。反応混合物を室温で30分間にわたって撹拌し、Amberlite IR120(H
+)で中和し、濾過し、濾液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒をロータリーエバポレータで除去すると、0.11g(収率72%)の中間体IXが得られた(R
f=約0.6、20%メタノール−クロロホルム、v/v)。
【0098】
ステップ(vi)、(vii):2mLのドライDCMに溶解させた上のステップで調製した中間体IX(0.1g、0.06mmol)の氷冷溶液に、0.6mlのTFAを添加し、混合物を3〜4時間にわたって撹拌した。TFAを窒素の適用により除去し、続いて塩化物イオン交換クロマトグラフィを行った(amberlyst A−26塩化物イオン交換樹脂を使用)。最終的な化合物をMeOH及びアセトンを使用して再結晶化すると0.08g(収率75%)の純粋なターゲット化合物Yが白色の固形物として得られた(R
f=約0.3、10%メタノール−クロロホルム、v/v)。
【0099】
1H NMR:(600MHz,CD
3OD+CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,C
H3−(CH
2)
13−];1.2−1.5[m,52H,{−CH
2(C
H2)
13−}
2;2H,LysC
δH2];1.65−2.2[m,4H,−N
+(−CH
2−C
H2−)
2;2H,LysC
βH2,LysC
γH2;2H,qui6−H,H';2H,qui2−H,H'];2.9−3.7[m,4H,−N
+(−C
H2−CH
2−)
2;3H,−N
+CH
3;2H,LysC
ωH2;4H,−N
+−C
H2−C
H2−NH−CO;1H,qui4−H];4.0−4.2[m,2H,qui−3H,qui−5H];4.4[m,1H,LysC
αH]
ES−MS:m/z:C
49H
100N
6O
6の場合、868[M]
+ 434[M/2]
+
【0100】
実施例3:
コントロール用マンノシル化脂質3の合成(スキーム3):
ステップ(i):固形HOBt(0.36g、2.3mmol)及びEDCI(0.45g、2.3mmol)を、5mLのドライDCM/ドライDMF(9:1、v/v)中の2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)酢酸(0.74g、2.3mmol)の氷冷撹拌溶液に窒素雰囲気下、連続的に添加した。30分後、中間体N−2−[(N
ε−Z−L−リシル)]アミノエチル−N,N−ジ−n−ヘキサデシルアミン(1.2g、1.5mmol。Pramanik,D.et al.J Med Chem.2008;51:7298−7302に記載される通りに調製)をドライDCMに溶解させ、反応混合物に添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、過剰量のクロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(約3x50mL)及び水(約3x50mL)で連続的に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発により除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(60〜120メッシュシリカゲル、溶離液としてクロロホルム中の1〜1.5%メタノール(v/v)を使用)、1.6g(収率73%)の純粋な中間体IIIが得られた(R
f=0.5、ジクロロメタン中の5%メタノール、v/v)。
【0101】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,2xC
H3−(CH
2)
13−];1.0−1.1[m,9H,−C(C
H3)
3];1.2−1.5[m,52H,2x−(C
H2)
13;4H,−N(−CH
2−C
H2−)
2;4H,LysC
γH2,LysC
δH2];1.8−1.9[m,2H,LysC
βH2];2.4−2.5[t,4H,−N(−C
H2−CH
2−)
2];2.5−2.6[t,2H,−N−C
H2−CH
2−NH−CO];3.0−3.2[m,2H,LysC
ωH2];3.25−3.4[m,2H,−N−CH
2−C
H2−NH−CO];4.0−4.1[s,2H,−C
H2−O−Si−];4.3−4.4[m,1H,LysC
αH];4.9−5.0[m,−C
H2−C
6H
5;−C
H2−O−Si−];7.2−7.7[m,15H,−(C
6H5)
3
ES−MS:m/z:C
66H
110N
4O
5Siの場合、1069[M+2]
+
【0102】
ステップ(ii):上のステップで調製した中間体III(1.2g、1.5mmol)をドライTHFに溶解させ、三級ブチルアンモニウムフルオリド(0.6g、2.3mmol)をゆっくりと0℃で添加した。得られた溶液を室温で2時間にわたって撹拌し、過剰量のクロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(約3x50mL)及び水(約3x50mL)で連続的に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発により除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(60〜120メッシュシリカゲル、溶離液としてクロロホルム中の1.5〜2%メタノール(v/v)を使用)、1g(収率80%)の純粋な中間体IVが得られた(R
f=0.3、クロロホルム中の5%メタノール、v/v)。
【0103】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,C
H3−(CH
2)
11−];1.0−2.0[m,52H,−(C
H2)
13;4H,−N(−CH
2−C
H2−)
2;6H,LysC
γH2,LysC
δH2,LysC
βH2];2.9−3.1[m,4H,−N(−C
H2−CH
2−)
2;2H,LysC
ωH2;2H,−N−C
H2−CH
2−NH−CO];3.4−3.6[m,2H,−N−CH
2−C
H2−NH−CO];3.9−4.3[m,2H,−C
H2−O−Si−;1H,LysC
αH];5.0−5.2[m,−C
H2−C
6H
5;−N
HZ];7.2−7.7[m,15H,−(C
6H5)
3]
ES−MS:m/z:C
50H
92N
4O
5の場合、830[M+1]
+
【0104】
ステップ(iii):上のステップで調製した中間体IV(0.9g、0.93mmol)及びマンノースから調製した中間体(0.7g、1.4mmol。Srinivas,R.et al J.Med.Chem.2010;317:992−999の通りに調製)をドライDCMに窒素雰囲気下で溶解させ、ホウ素トリフルオリドエチルエーテラート(0.2g、1.4mmol)を−20℃で添加した。得られた溶液を−20℃で2時間にわたって撹拌し、過剰量のクロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(約3x50mL)及び水(約3x50mL)で連続的に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発により除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(100〜200メッシュシリカゲル、溶離液としてクロロホルム中の1〜1.5%メタノール(v/v)を使用)、0.5g(収率51%)の純粋な中間体Vが得られた(R
f=0.5、クロロホルム中の5%メタノール、v/v)。
【0105】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,(C
H3−(CH
2)
13−)
2];1.2−1.9[m,52H,−(C
H2)
13;4H,−N(−CH
2−C
H2−)
2;6H,LysC
δH2,LysC
βH2,LysC
γH2];2.0−2.2[4s,12H,4x−CO−C
H3];2.5−2.8[m,4H,−N(−C
H2−CH
2−)
2;2H,−N−C
H2−CH
2−NH−CO];3.1−3.4[m,2H,LysC
ωH2;2H,−N−CH
2−C
H2−NH−CO;3H,5−H];4.0−4.4[m,2H,−NH−CO−C
H2−O−;2H,−C
H2−OCOCH
3,1H,LysC
αH];4.8[s,1H,1−H];5.0[s,−C
H2−C
6H
5];5.2−5.4[m,3H,2−H,3−H,4−H];7.2−7.7[m,5H,−(C
6H5)]
ES−MS:m/z:C
64H
110N
4O
14の場合、1160[M+1]
+
【0106】
ステップ(iv):上のステップで調製した中間体V(0.5g、0.4mmol)を8mLのメタノール及び2滴の2N塩酸に溶解させた。Pd(OH)
2/C(0.2g)を反応混合物に添加し、空気を除去した。得られた反応混合物を室温で14時間にわたって水素雰囲気(2気圧)下で撹拌した。反応混合物をセライトを使用して濾過し、濾液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾液の溶媒を回転蒸発により除去すると0.4g(収率90%)の純粋な中間体VIが得られた(R
f=約0.4、10%メタノール−クロロホルム、v/v)。
【0107】
ステップ(V):塩化第二水銀(0.28g、1.0mmol)を、ドライN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、2mL)、トリエチルアミン(1mL)及びドライジクロロメタン(DCM、5mL)に溶解させた中間体VI(ステップIVで調製。0.4g、0.45mmol)、ビス−N−Boc−チオウレア(0.2g、0.7mmol)の混合物に0℃で継続的に撹拌しながら添加した。得られた混合物を0℃、窒素下で40分間にわたって撹拌し、エチルアセテート(20mL)で希釈し、セライトのパッドで濾過した。濾液を水(2x50mL)及びブライン溶液(2x50mL)で連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濾液の溶媒を回転蒸発により除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(60〜120メッシュシリカゲル、溶離液として2〜2.5%のメタノール/ジクロロメタン(v/v)を使用)、0.41gの純粋な中間体VII(71%、Rf=0.5、5%メタノール/ジクロロメタン、v/v)が得られた。
【0108】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,(C
H3−(CH
2)
13−)
2];1.2−1.9[m,52H,−(C
H2)
13;4H,−N(−CH
2−C
H2−)
2;6H,LysC
δH2,LysC
βH2,LysC
γH2;18H,CO−O−C(C
H3)
3];2.0−2.2[4s,12H,4x−CO−C
H3];2.5−2.8[m,4H,−N(−C
H2−CH
2−)
2;2H,−N−C
H2−CH
2−NH−CO];3.1−3.4[m,2H,LysC
ωH2;2H,−N−CH
2−C
H2−NH−CO;3H,5−H];4.0−4.4[m,2H,−NH−CO−C
H2−O−;2H,−C
H2−OCOC
H3,1H,LysC
αH];4.8[s,1H,1−H];5.2−5.4[m,3H,2−H,3−H,4−H]
ES−MS:m/z:C
67H
123N
6O
16の場合、1267[M+1]
+
【0109】
ステップ(vi):上のステップで調製した中間体VII(0.2g、0.15mmol)を3mLのクロロホルムに溶解させ、10mLのヨウ化メチルを溶液に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒をロータリーエバポレータで除去した。残留物をカラムクロマトグラフィで精製すると(シリカゲル、60〜120メッシュサイズ、溶離液としてクロロホルム中の2〜2.5%メタノール(v/v)を使用)、0.15g(収率82%)の純粋な中間体VIIIが得られた(R
f=0.4、クロロホルム中の5%メタノール、v/v)。
【0110】
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ/ppm=0.9[t,6H,2xC
H3−(CH
2)
13−];1.2−1.5[m,52H,2x−(C
H2)
13;2H,LysC
γH2];1.7−1.9[m,4H,−N
+(−CH
2−C
H2−)
2;2H,LysC
βH2,2H,LysC
δH2;18H,CO−O−C(C
H3)
3];2.0−2.2[4s,12H,4x−CO−C
H3];3.1−3.5[m,3H,−N
+−C
H3;2H,LysC
ωH2;4H−N
+(−C
H2−CH
2−)
2;1H,5−H];3.6−3.8[m,4H,−N
+−C
H2−C
H2−NH−CO−];4.0−4.4[m,2H,−NH−CO−C
H2−O−;2H,−C
H2−OCOCH
3];4.5[dd,1H,LysC
αH];4.8[s,1H,1−H];5.2−5.4[m,3H,2−H,3−H,4−H]
ESI−MS:m/z:C
68H
126N
6O
16の場合、1282[M]
+
【0111】
ステップ(vii):上のステップで調製した中間体VIII(0.15g、0.2mmol)を2mLのメタノールに溶解させ、K
2CO
3(0.1g、1.5mmol)を反応混合物に添加することでpHを約9まで上昇させた。反応混合物を室温で30分間にわたって撹拌し、Amberlite IR120(H
+)で中和し、濾過し、濾液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒をロータリーエバポレータで除去すると0.1g(収率75%)の中間体IXが得られた(R
f=約0.6、20%メタノール−クロロホルム、v/v)。
【0112】
ステップ(viii):2mLのドライDCMに溶解させた上のステップで調製した中間体IX(0.1g、0.06mmol)の氷冷溶液に0.6mlのTFAを添加し、混合物を3〜4時間にわたって撹拌した。TFAを窒素の適用により除去し、続いて塩化物イオン交換クロマトグラフィを行った(amberlyst A−26塩化物イオン交換樹脂を使用)。最終的な化合物をMeOH及びアセトンを使用して再結晶化すると0.08g(収率75%)の純粋なターゲット化合物3が白色の固形物として得られた(R
f=約0.2、20%メタノール−クロロホルム、v/v)。
【0113】
1H NMR:(600MHz,CDCl
3+CD
3OD):δ/ppm=0.9[t,6H,2xC
H3−(CH
2)
13−];1.2−1.5[m,52H,2x−(C
H2)
13];1.5−1.9[4H,−N
+(−CH
2−C
H2−)
2;6H,LysC
βH2,LysC
γH2,LysC
δH2];2.9−3.1[m,2H,LysC
ωH2;3H,−N
+−C
H3;4H−N
+(−C
H2−CH
2−)
2;2H,−N
+−C
H2−CH
2−NH−CO−];3.5−4.0[4H,2−H,3−H,4−H,5−H;2H,−C
H2−OH;2H,−N
+−CH
2−C
H2−NH−CO−];4.0−4.4[m,2H,−NH−CO−C
H2−O−;1H,LysC
αH];4.9[s,1H,1−H]
ES−MS:m/z:C
50H
103N
6O
8の場合、954[M]
+ 457[M/2]
+
【0114】
実施例4:
樹状細胞におけるカチオン性両親媒性物質1〜3のマンノース受容体特異的遺伝子導入有効性の評価
プラスミドDNAの調製。pCMV−SPORT−β−gal、p−CMV−チロシナーゼ及びp−CMV−gp100をRAS Life Sciences(ハイデラバード、インド)から購入した。プラスミドを、過去に記載されたように、大腸菌(Escherichia coli)のDH5α株で増幅し、アルカリ溶解法で単離し、最後にPEG−8000沈殿により精製した(Karmali PP,et al.J Med Chem.2004;47:2123−2132)。プラスミドの純度をA
260/A
280比(約1.9)及び1%アガロースゲル電気泳動によりチェックした。
【0115】
リポソームの調製。リポソームを慣用の方法により調製した。簡単に説明すると、適当なモル比の脂質及び共脂質(コレステロール、DOPE、DOPC)をクロロホルムに溶解させた。次に、溶媒を薄い窒素ガス流下で蒸発させ、8時間にわたって真空乾燥させ、脱イオン水中で一晩水和させると、インビトロ実験用の1mM又はインビボ実験用の5mMの最終脂質濃度が得られた。水和させた脂質膜をまず30秒間にわたってボルテックスし、次に清澄になるまでBranson 450 sonifierをデューティサイクル100%、出力25Wで使用して超音波処理した。得られた清澄なリポソーム水溶液をリポプレックスの調製に使用した。
【0116】
樹状細胞の単離。初代mbmDCを過去に記載の手順を用いて単離した(Inaba K,et al.J Exp Med 1992;176:1693−1702)。簡単に説明すると、オスのC57BL/6マウスの脛骨及び腓骨から採取した骨髄をナイロンメッシュに通して骨及びデブリを除去し、完全DC培地(10%のFBS、50μMのβ−メルカプトエタノール、2mMのグルタミン、1%のNEAA、20ng/mLのGM−CSF及び10ng/mLのIL−4、1%の抗生物質溶液を含有するRPMI−1640)に再懸濁させた。2日毎に細胞に新鮮なDC培地を補充した。6日後、凝集した細胞を、RPMIを接着性ストローマ細胞上にやさしくピペッティングすることで移動させた。移動させた細胞をまとめて取りだし、280gで10分間にわたって室温で遠心分離した。上清を廃棄した。まずペレットを完全DC培地に1x10
6細胞/mLで再懸濁させ、最後に100mm細胞培養ペトリ皿に1x10
7細胞/皿で置いた(1皿あたり培地は10mL)。24時間後、ペトリ皿をやさしく回し揺らすことで非接着性細胞を回収し、トランスフェクション及びフローサイトメトリ実験に使用した。培養物を、5%CO
2の加湿雰囲気中、37℃で維持した。
【0117】
DC−トランスフェクション。まず、脂質1、2、3のトランスフェクション効率をマウス骨髄由来樹状細胞において評価した。これを目的として、上記のプロトコルにしたがって、GM−CSF及びIL−4と共に培養することで、未熟樹状細胞をC57BL/6Jマウスの骨髄から単離した。未熟樹状細胞を、MHCクラスII、CD86、CD11c、CD40及びマンノース受容体を含めた標準的なDCマーカーに関して、DCを、これらのDCマーカー用のFITC/PE抱合型モノクローナル抗体で処理することで特徴付けした。DCマーカーのプロファイルをフローサイトメトリでモニタした。フローサイトメトリでの発見は、高細胞内レベルのMHCクラスII分子、低CD86、高レベルのCD11c、CD40及びマンノース受容体を有する未熟DCの特徴を裏付けた(
図1)。単離したDCの表面上でこれらの期待されるDCマーカーの存在を確認した後、カチオン性両親媒性物質1,2、3のトランスフェクション効率をmbmDCで評価した。単離したDCを6ウェルプレートに1x10
6細胞/ウェルで播種した。緑色蛍光タンパク質をコードしている3μgのプラスミドDNA(pα5GFP)及び8nmolのカチオン性両親媒性物質1、2、3を含有するリポプレックスを細胞に添加し、5%CO
2の無血清培地において4時間にわたって37℃でインキュベートした。4時間のインキュベーション後、培地を完全DC培地と交換し、18時間にわたって37℃、5%CO
2の存在下でインキュベートした。カチオン性両親媒性物質1、2、3のトランスフェクション効率をフローサイトメトリ分析により測定した。
図2にまとめた発見は、遺伝子の樹状細胞への送達におけるカチオン性両親媒性物質1、2の有効性がそのマンノシル類似体3のものより優れていることをはっきりと実証している。
【0118】
実施例6:
樹状細胞をベースとした遺伝子免疫化における体液性及び細胞性免疫応答の誘起
マウスの免疫化:生後6〜8週間のメスのC57BL/6マウス(それぞれ体重20〜22g、n=5)を、脂質1〜3とp−CMV−β−gal又は脂質1とp−CMV−Gp−100、1とp−CMV−チロシナーゼ(5%グルコース溶液中150μl、15μgのDNA、4:1の脂質:DNA比)のリポプレックスだけを3回、7日間隔で皮下投与することで免疫化した。3回目の免疫化から2週間後、マウスを屠殺し、血清及び脾臓を免疫応答アッセイのために回収した又はB16F1メラノーマ細胞に曝露した。
【0119】
実施例7:
ELISAアッセイによる抗β−gal抗体の測定(体液性応答)。抗β−gal抗体を、過去に記載されている通りに、酵素結合免疫吸着(ELISA)アッセイを用いて測定した(McKeever,U.et al.Vaccine 2002;20:1524−1531)。簡単に説明すると、96ウェルELISAプレートにβ−galタンパク質(0.3μg/ウェル)をPBSで調製した5μg/mLの原液を使用してコーティングした。プレートをPBS(3x200μL)で洗浄し、PBS中の1%BSAで室温で2時間にわたってブロックした。次に、プレートを0.05%Tween−20(3x200μL)を含有するPBSで洗浄し、マウスの血清(100μL)と共に室温で2時間にわたってインキュベートした。プレートを、0.05%Tween−20を含有するPBSで再度洗浄し(3x200μL)、100μLの希釈(1:1000)ホースラディッシュペルオキシダーゼ抱合型抗マウス抗体を各ウェルに添加した。プレートを室温で2時間にわたってインキュベートし、結合していない抗体−HRP抱合体を、0.05%Tween−20を含有するPBSでプレートを洗浄することで除去した(3x200μL)。次に、プレートを暗所にて各ウェルあたり100μLのABTS(Calbiochem、USA)と共に室温で10分間にわたってインキュベートし、吸光度を405nmでELISAリーダー(Bio−Tek instruments Inc、UK)により測定した。
図10のパートAにまとめた発見は、カチオン性両親媒性物質1、2のリポソームを事前にトランスフェクトしたDCの投与が、マンノシル類似体3のリポソームを事前にトランスフェクトしたDCを投与する場合より高い抗β−gal抗体応答を引き出したことを実証している。言い換えると、
図10のパートAにまとめた発見は、モデルDNAワクチンと本明細書で開示のカチオン性両親媒性物質のリポソームとの複合体を事前にトランスフェクトしたDCでマウスを免疫化すると、モデルDNAワクチンにコードされた抗原に対する効率的な抗原特異的体液性免疫応答を誘発可能であることを説得力高く実証している。
【0120】
実施例8:
ELISAアッセイによるインシチュIFN−γ(細胞性免疫応答)及びIL−4(体液性免疫応答)。CD4
+Th細胞は、そのヘルパー機能を分泌サイトカインを介して示す。2つのTh細胞サブセット(Th1及びTh2)間でのサイトカイン分泌パターンの差が、特定の抗原による攻撃に対して開始される免疫応答のタイプを決定する。Th1サブセットは、細胞媒介免疫応答、例えばTc細胞の活性化の開始に関与し、Th2サブセットは体液性応答、例えば抗体産生B細胞の活性化を刺激する。Th1及びTh2細胞が分泌する2種の決定サイトカインはそれぞれインターフェロンガンマ(INF−γ)及びインターロイキン−4(IL−4)である(Rengarajan,J.et al.Immunology Today 2000;21:479−483)。IFN−γ及びIL−4 ELISAアッセイを、過去に記述された通りに行った(McKinney DM,et al.Journal of Immunological Methods 2000;237:105)。最後の免疫化から2週間後、マウスを屠殺し、その脾臓を回収した。脾臓をシリンジプランジャで細かく刻むことで脾細胞を単離し、赤血球を1mLの溶解バッファで溶解した(0.02MトリスHCl中の0.14M塩化アンモニウム、pH7.2)。生存細胞を血球計数器で数え、(インビトロで再刺激することなく)速やかにインターフェロン−γ及びIL−4 ELISAアッセイに使用した。アッセイを、製造業者のプロトコルにしたがって行った(Endogen Mouse IFN−γ Elisaキット、マウスIL−4 Elisaキット、Pierce Biotechnology、USA)。簡単に説明すると、脾細胞を、抗マウスIFN−γ又は抗マウスIL−4抗体を事前にコーティングした96ウェルプレートで、1x10
6細胞/ウェル、50μLの完全培地でインキュベートした。プレートをカバーし、12時間にわたって37℃、5%CO
2の存在下でインキュベートした。次に、細胞を洗浄バッファ(3x200μL)で洗い流し、50μLのビオチニル化二次抗体を各ウェルに加え、1時間にわたって室温でインキュベートした。プレートを洗浄バッファ(3x200μL)で洗浄し、100μLのストレプトアビジン−HRP溶液と共に30分間にわたってインキュベートした。プレートを洗浄バッファ(3x200μL)で再度洗浄し、100μLのTMB基質溶液で処理し、30分間にわたって暗所でインキュベートした。100μLの停止液を添加することで反応を停止させ、吸光度をマイクロプレートリーダにより450nmで測定した。
【0121】
実施例9:
腫瘍チャレンジ実験。B16F1メラノーマ細胞をT25培養フラスコから1mLの細胞剥離溶液(Sigma、USA)を使用して収穫し、PBSで洗浄し(2x500μL)、5x10
5細胞/mLでHBSSに再懸濁させた。最後の免疫化から2週間後、200μLのHBSS中の1x10
5個のB16F1細胞を生後6〜8週間のメスのC57BL6/Jマウス(n=5)に注射した(皮下)。2週間後、目視検査及び触診を行うことで腫瘍の検出を行い、腫瘍があった場合は、直角方向の腫瘍直径の測定を毎日行った。測定値が14を超えているならば、マウスを安楽死させた。
【0122】
本発明の利点
本発明の方法は、マンノース模倣カチオン性両親媒性物質を有するカチオン性両親媒性物質の調製方法、また遺伝子免疫化において生物学的に活性な化合物、例えばDNA、RNA、タンパク質等を抗原提示細胞に送達するのに利用することができる。本発明は、ポリアニオン、ポリペプチド又はヌクレオポリマーを抗原提示細胞にマンノース受容体特異的に送達するのに特に有用である。本発明は、本明細書に記載のカチオン性両親媒性物質から調製するリポソームと抗原決定因子をコードしているポリヌクレオチドとの複合体の投与を通じて動物において免疫応答を引き出す方法を対象とする。さらに、本発明は、本明細書に記載のカチオン性両親媒性物質と感染性疾患を引き起こすタンパク質をコードしているポリヌクレオチドとの複合体の投与を通じて動物において感染性疾患に対する能動免疫を引き出す方法も対象とする。本発明は、ポリヌクレオチドが感染性疾患を引き起こす免疫原の抗原決定因子をコードしているDNA配列を含む発現ベクターであり且つDNAの転写がプロモータの制御下にある遺伝子免疫化方法にも関する。本発明はさらに、ポリヌクレオチドが感染性免疫原をコードしているRNA分子である遺伝子免疫化を対象とする。特には、マンノース模倣シキミ酸及びキナ酸頭部基を有する本明細書で開示の新規なカチオン性両親媒性物質は、遺伝子免疫化において、感染性免疫原をコードしているDNA又はRNAの送達に将来的に利用できる可能性を秘めている。本発明の別の際立った特徴は、本明細書で開示の新規なカチオン性両親媒性物質の樹状細胞(最もプロフェッショナルな抗原提示細胞)トランスフェクション効率が、Srinivas,R.et al.J.Med.Chem.2010;53:1387−1391で最近開示されたシキミ酸及びキナ酸頭部基を有する第1世代カチオン性両親媒性物質のものより約4〜5倍優れていることである。本発明の最も重要な実施形態は、免疫化マウスを致死量の侵襲性メラノーマ腫瘍に曝露した後の長期間にわたる抗腫瘍効果を引き出すことである。本発明で開示の発見は、(a)骨が折れ且つコストが高くつく自家樹状細胞の単離、(b)単離したDCへのDNAワクチンのエクスビボでのトランスフェクション及び(c)レシピエントの体内へのトランスフェクション後のDCの再移植の必要性を回避するものである。これらをまとめると、本発明により、遺伝子免疫化は単純且つ費用効率が高いものとなる。