【文献】
Jonas Nilsson,Change background color multiple times while scrolling down the page",stack over flow,2013年 5月 7日,URL,http://stackoverflow.com/questions/16414666/change-background-color-multiple-times-while-scrolling-down-the-page, http://jsfiddle.net/dtZDZ/12/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る配信装置、端末装置、配信方法及び配信プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る配信装置、端末装置、配信方法及び配信プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.表示処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る表示処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図である。
図1では、端末装置100によって、ウェブページW10及び広告コンテンツC10が表示される例を示す。
【0011】
図1に示した端末装置100は、スマートフォン等の携帯端末装置である。また、端末装置100は、液晶ディスプレイ等の出力部130を有する。なお、端末装置100には、タッチパネルが採用されているものとする。すなわち、端末装置100のユーザは、指や専用ペンで出力部130の表示面をタッチすることにより各種操作を行う。
【0012】
ウェブページW10は、ニュース等の各種情報が掲載されるポータルサイト用のコンテンツである。ここでは、ウェブページW10の縦方向のサイズが、端末装置100の出力部130における縦方向の表示サイズよりも長いものとする。
【0013】
このようなウェブページW10には、検索キーワードを入力するための入力欄や、他のウェブページへのリンク等が含まれる。
図1の例の場合、ウェブページW10に表示される「新着ニュース」や、「ニュース一覧」の下に箇条書きで記載されている各ニューストピックは、他のウェブページへのリンクが張られているアンカーテキスト(anchor text)に該当する。また、ウェブページW10に表示される「オークション」、「スポーツ」、「Q&A」、「路線」は、他のウェブページへのリンクが張られているボタン又は画像に該当する。
【0014】
また、ウェブページW10は、ウェブページW10とは別に配信される広告コンテンツを表示する表示領域である広告枠50を含む。
図1に示す例では、端末装置100は、ウェブページW10を表示するとともに、ウェブページW10に含まれる広告枠50に対応する範囲に広告コンテンツC10を表示する。
【0015】
広告コンテンツC10は、例えば、静止画像や動画像であり、例えば飲食関連の広告主によって提供される。
図1に示す例では、広告コンテンツC10は、広告枠50と同じ大きさの画像であり、広告対象となる飲料が表示されている。なお、実施形態はこれに限定されるものではなく、広告コンテンツC10は、広告主のロゴやその他任意の情報が配置された画像であってもよい。
【0016】
ここで、端末装置100は、広告コンテンツC10の広告効果を向上させるため、以下の処理を行う。まず、端末装置100は、出力部130に、ウェブページW10と広告コンテンツC10の双方を表示する。なお、端末装置100は、ウェブページW10の全体を表示できないので、初期状態ではウェブページW10の先頭から表示する。
【0017】
続いて、端末装置100は、ユーザによってウェブページW10を移動させる操作であるスクロール操作が行われ、ウェブページW10が移動される間、広告コンテンツC10を除くウェブページW10の色を変化させる。具体的には、端末装置100は、ウェブページW10を色彩のない表示へと変化させる。すなわち、端末装置100は、ウェブページW10を白色と黒色の濃淡のみで表示する。なお、以下、この表示を「白黒表示」と表記する場合がある。
【0018】
図1では、ユーザの指F10によってスクロール操作が行われている例を示す。この場合、端末装置100は、かかるスクロール操作が行われている状態であることを検知する。そして、かかる状態が検知されている間、端末装置100は、広告枠50に表示される広告コンテンツC10以外のウェブページW10を白黒表示させる。
【0019】
この後、ユーザによってスクロール操作が行われなくなったものとする。すなわち、端末装置100は、ユーザの指F10が静止した状態であることを検知する。この場合、
図1に示すように、端末装置100は、ウェブページW10の表示態様を元の状態に戻す。具体的には、端末装置100は、白黒表示させていた広告コンテンツC10以外のウェブページW10の色を元の状態に戻す。
【0020】
すなわち、
図1の例の場合、端末装置100は、スクロール操作が行われていない間はウェブページW10を通常の表示態様で表示し、スクロール操作が行われている間は広告コンテンツC10以外のウェブページW10を白黒表示する。言い換えれば、端末装置100は、スクロール操作が行われている間は、ウェブページW10内の広告コンテンツC10に限って色彩が保たれた状態で表示する。これは、スクロール操作が行われていない間に比べ、端末装置100が広告コンテンツC10を相対的に強調表示していることを意味する。
【0021】
ここで、スクロール操作を行っているユーザは、移動しているウェブページW10自体を凝視している可能性は低いといえる。さらに、端末装置100により表示される広告コンテンツC10は、ウェブページW10に掲載されている記事等と同じくウェブページW10を構成する一つの要素に過ぎない。つまり、広告コンテンツC10は、端末装置100により表示されるウェブページW10内に埋没し、ユーザに注目されにくいとも考えられる。
【0022】
そこで、実施形態に係る端末装置100は、ユーザによりスクロール操作が行われている間、白黒表示されたウェブページW10内において広告コンテンツC10の色彩を保つことで、広告コンテンツC10を相対的に強調表示する。すなわち、実施形態に係る端末装置100は、広告コンテンツC10をウェブページW10内に埋没させず、ユーザにとって視認し易く表示することができる。このように、実施形態に係る端末装置100は、広告コンテンツC10の視認性を高めることができる。
【0023】
これにより、実施形態に係る端末装置100は、スクロール操作中のユーザに対して広告コンテンツC10を注目させることができる。また、実施形態に係る端末装置100は、ユーザがスクロール操作を行う度に広告コンテンツC10を相対的に強調表示することで、ユーザに対し、広告コンテンツC10に対する関心を引き起こすことができる。この結果、実施形態に係る端末装置100は、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。
【0024】
さらに、実施形態に係る端末装置100は、ユーザビリティを低下させずに上記表示処理を行うことができる。具体的には、実施形態に係る端末装置100は、スクロール操作が行われている間、広告コンテンツC10以外のウェブページW10を白黒表示する。これは、ウェブページW10は色彩のない状態であるものの、ウェブページW10に記載された記事等の内容については視認できる状態が保たれることを意味する。これにより、ユーザは、スクロール操作が行われている間であってもウェブページW10の記事等の内容を確認することができる。よって、実施形態に係る端末装置100による表示処理は、ユーザビリティを低下させないで行うことができる。
【0025】
以上のことから、実施形態に係る端末装置100は、ユーザビリティを低下させずに広告コンテンツC10の視認性を高めることにより、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。
【0026】
以下、上述した表示処理を実現する端末装置100等について説明する。なお、上記では説明を省略したが、上述した広告コンテンツC10には、ウェブページW10の表示態様を制御する制御情報が含まれる。そして、端末装置100は、制御情報に従って上述した表示処理を行う。このような制御情報については後述する。また、以下では、端末装置100の状態遷移を図示する場合、左から順に第1状態、第2状態、・・・、第N状態と表記する場合がある。
【0027】
〔2.広告配信システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る広告配信システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る広告配信システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、広告配信システム1は、端末装置100と、広告主端末10と、広告配信サーバ20と、コンテンツ配信サーバ30とを含む。端末装置100、広告主端末10、広告配信サーバ20及びコンテンツ配信サーバ30は、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示す広告配信システム1には、複数台の端末装置100や、複数台の広告主端末10や、複数台の広告配信サーバ20や、複数台のコンテンツ配信サーバ30が含まれてもよい。
【0028】
端末装置100は、ウェブページを閲覧するユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置100は、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。端末装置100は、ユーザによる操作に従って、コンテンツ配信サーバ30からウェブページを取得し、取得したウェブページを表示する。また、端末装置100は、広告コンテンツとともに後述する広告取得命令が含まれる場合には、広告配信サーバ20から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツをウェブページとともに表示する。
【0029】
広告主端末10は、広告主によって利用される情報処理装置である。例えば、広告主端末10は、デスクトップ型PCや、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA等である。広告主端末10は、広告主による操作に従って、広告コンテンツを広告配信サーバ20に入稿する。例えば、広告主端末10は、広告コンテンツとして、静止画像や、動画像や、テキストデータや、広告主が管理する広告主サーバによって配信される広告主ページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)などを広告配信サーバ20に入稿する。
【0030】
なお、広告主は、広告コンテンツの入稿を代理店に依頼する場合がある。この場合、広告配信サーバ20に広告コンテンツを入稿するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末10だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
【0031】
広告配信サーバ20は、広告主端末10から入稿された広告コンテンツを配信する配信装置であり、サーバ機能を有する。例えば、広告配信サーバ20は、端末装置100からアクセスされた場合に、広告コンテンツを端末装置100に配信する。また、広告配信サーバ20は、広告コンテンツが表示されるウェブページや配信対象となる広告コンテンツの表示態様を指示したり、上述した表示処理を端末装置100に実行させたりするための制御情報を、広告コンテンツとともに端末装置100に配信する。この制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)等のスクリプト言語により記述される。
【0032】
コンテンツ配信サーバ30は、端末装置100にウェブページを配信する配信装置であり、ウェブサーバ機能を有する。例えば、コンテンツ配信サーバ30は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを配信する。
【0033】
コンテンツ配信サーバ30によって配信されるウェブページは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)により記述されたHTMLファイルや、XML(Extensible Markup Language)により記述されたXMLファイル等により形成される。
【0034】
また、コンテンツ配信サーバ30によって配信されるウェブページには、広告取得命令が含まれる。例えば、ウェブページを形成するHTMLファイル等には、広告配信サーバ20のURL等が広告取得命令として記述される。この場合、端末装置100は、HTMLファイル等に記述されているURLにアクセスすることで、広告配信サーバ20から広告コンテンツを取得する。
【0035】
なお、コンテンツ配信サーバ30から端末装置100に配信される各種データは、実際にはウェブページを形成するHTMLファイルや画像等であるが、以下では、コンテンツ配信サーバ30から端末装置100に配信される各種データを「ウェブページ」と表記する場合がある。
【0036】
〔3.広告配信サーバの構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る広告配信サーバ20の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る広告配信サーバの構成例を示す図である。
図3に示すように、広告配信サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。
【0037】
通信部21は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部21は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置100や広告主端末10やコンテンツ配信サーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0038】
記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。そして、記憶部22は、広告主端末10から入稿された広告コンテンツに関する各種情報が格納されたデータベースである広告データベース24を記憶する。
【0039】
ここで、
図4は、実施形態に係る広告データベースに格納された情報の一例を示す図である。
図4に示した例では、広告データベース24は、「広告主ID」、「広告コンテンツ」、「入札価格」、「CTR(Click Through Rate)」「表示指示」といった項目を有する。
【0040】
「広告主ID」は、広告主又は広告主端末10を識別するための識別情報を示す。「広告コンテンツ」は、広告主端末10から入稿された広告コンテンツを示す。
図4では「広告コンテンツ」に「C11」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、静止画像や動画像やテキストデータやURL、又は、これらの格納場所を示すファイルパス名などが格納される。
【0041】
「入札価格」は、広告主が広告コンテンツを入稿する際に指定する広告料金を示す。例えば、「入札価格」は、広告コンテンツがウェブページに1回表示された際に広告主から広告配信者(例えば、広告配信サーバ20又はコンテンツ配信サーバ30の管理者)に支払われる単価に該当する。また、例えば、「入札価格」は、広告コンテンツがユーザに1回クリックされた際に広告主から広告配信者に支払われる単価に該当する。
【0042】
「CTR」は、広告コンテンツがクリックされた回数を広告コンテンツの表示回数によって除算した値を示す。なお、端末装置100に配信されたことがない広告コンテンツのCTRには、予め決められている固定値や、全ての広告コンテンツにおけるCTRの平均値や、同一の広告カテゴリ(例えば、車、旅行)に属する全ての広告コンテンツにおけるCTRの平均値などが記憶される。また、「CTR」には、CTRの予測モデル等から予測される予測CTRが記憶されてもよい。このような予測CTRは、例えば、広告コンテンツの種別や、広告コンテンツが表示されるウェブページの種別等によって予測される。
【0043】
「表示指示」は、広告コンテンツについて後述する表示指示の有無を示す。
図4に示すように、「表示指示」の項目は、「0」又は「1」で示される。ここで、「0」は表示指示が無いことを示す。また、「1」は表示指示が有ることを示す。
【0044】
すなわち、
図4では、広告主ID「B10」によって識別される広告主が、入札価格「100」を指定するとともに、広告コンテンツ「C11」を入稿した例を示している。また、広告コンテンツ「C11」のCTRが「0.02」であり、表示指示が「有る」例を示している。
【0045】
図3に戻って、説明を続ける。制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告配信サーバ20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0046】
図3に示すように、制御部23は、入稿受付部25と、要求受付部26と、抽出部27と、配信部28とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部23が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0047】
入稿受付部25は、広告主端末10から広告コンテンツの入稿を受け付ける。具体的には、入稿受付部25は、入札価格の指定とともに、広告主が管理する広告主サーバによって配信される広告主ページにアクセスするためのURLなどを広告コンテンツとして受け付ける。そして、入稿受付部25は、入稿元の広告主に対応する広告主IDに対応付けて、受け付けた入札価格及び広告コンテンツを広告データベース24に記憶する。
【0048】
また、入稿受付部25は、広告コンテンツの入稿とともに、広告コンテンツの表示態様の指定を受け付ける。ここで、広告コンテンツの表示態様の指定とは、前述した表示指示に対応するものである。具体的には、実施形態に係る入稿受付部25は、広告コンテンツとともに、かかる広告コンテンツが表示されるウェブページを所定の場合に白黒表示させる旨を示す表示指示を受け付ける。かかる場合、実施形態に係る入稿受付部25は、広告コンテンツと対応付けられた表示指示の有無を広告データベース24に記憶する。
【0049】
要求受付部26は、端末装置100から広告コンテンツの取得要求を受け付ける。例えば、要求受付部26は、広告コンテンツの取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。
【0050】
抽出部27は、要求受付部26によって広告コンテンツの取得要求が受け付けられた場合に、配信候補の広告コンテンツを広告データベース24から選択する。例えば、抽出部27は、広告データベース24に登録されている広告コンテンツのうち、入札価格又はCTRが高い広告コンテンツや、入札価格及びCTRの双方が高い広告コンテンツを優先して選択する。そして、抽出部27は、選択した広告コンテンツを配信部28に出力する。
【0051】
なお、抽出部27は、広告コンテンツを選択する際、ウェブページに関連する広告コンテンツを抽出するコンテンツマッチングと呼ばれる広告配信手法を用いてもよい。また、抽出部27は、ウェブページが検索ページである場合には、検索ページに指定された検索キーワードとマッチする広告コンテンツを抽出する検索連動型広告と呼ばれる広告配信手法を用いてもよい。また、抽出部27は、ユーザの属性情報(サイコグラフィック属性、デモグラフィック属性など)とマッチする広告コンテンツを抽出するターゲティング配信と呼ばれる広告配信手法を用いてもよい。
【0052】
配信部28は、抽出部27が選択した広告コンテンツとともに、端末装置100に対して表示制御を実行させる制御情報を配信する。具体的には、配信部28は、抽出部27が選択した広告コンテンツを受信すると、受信した広告コンテンツに含まれる表示指示を抽出する。そして、配信部28は、抽出した表示指示が示す表示態様で、広告コンテンツを表示させるための制御情報を生成する。その後、配信部28は、生成した制御情報を含む広告コンテンツを端末装置100に対して配信する。
【0053】
以下、具体例として、実施形態に係る配信部28が、ウェブページW10を表示する端末装置100に広告コンテンツC10を配信する場合について説明する。まず、実施形態に係る配信部28は、抽出部27より抽出された広告コンテンツC10を受信する。そして、実施形態に係る配信部28は、広告コンテンツC10に対応付けられた表示指示を抽出する。次に、実施形態に係る配信部28は、端末装置100にスクロール操作が行われる場合に、広告コンテンツC10以外の端末装置100に表示されるウェブページW10を白黒表示させる制御情報を生成する。その後、実施形態に係る配信部28は、生成した制御情報を含む広告コンテンツC10を端末装置100に対して配信する。
【0054】
ここで、実施形態に係る制御情報は、表示手順と検知手順と変動手順とを含む。以下、具体例を挙げて説明する。表示手順は、例えば、端末装置100にウェブページW10と広告コンテンツC10を表示させる処理手順である。検知手順は、例えば、端末装置100にスクロール操作がなされている状態か否かを検知させる処理手順である。変動手順は、例えば、検知手順によって端末装置100にスクロール操作がなされている状態であることが検知された場合に、広告コンテンツC10以外のウェブページW10を白黒表示に変動させる処理手順である。
【0055】
〔4.配信装置の構成〕
次に、
図5を用いて、実施形態に係るコンテンツ配信サーバ30の構成について説明する。
図5は、実施形態に係るコンテンツ配信サーバ30の構成例を示す図である。
図5に示すように、コンテンツ配信サーバ30は、通信部31と、コンテンツ記憶部32と、制御部33とを有する。
【0056】
通信部31は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部31は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置100や広告配信サーバ20との間で情報の送受信を行う。
【0057】
コンテンツ記憶部32は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。そして、コンテンツ記憶部32は、コンテンツの一例であるウェブページを記憶する。例えば、コンテンツ記憶部32は、ウェブページを形成するHTMLファイルや、ウェブページに表示される静止画像や動画像を記憶する。なお、コンテンツ記憶部32に記憶されるウェブページには、広告コンテンツを取得するための広告取得命令が含まれる。
【0058】
制御部33は、例えば、CPUやMPU等によって、コンテンツ配信サーバ30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(配信プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部33は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0059】
図5に示すように、制御部33は、受付部34と、配信部35とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部33の内部構成は、
図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部33が有する各処理部の接続関係は、
図5に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0060】
受付部34は、端末装置100からウェブページの取得要求を受け付ける。例えば、受付部34は、ウェブページの取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。
【0061】
配信部35は、受付部34によってウェブページの取得要求が受け付けられた場合に、かかるウェブページを端末装置100に配信する。具体的には、配信部35は、コンテンツ記憶部32から取得要求対象のウェブページを取得し、取得したウェブページを端末装置100に配信する。上記の通り、コンテンツ記憶部32に記憶されているウェブページには広告コンテンツを取得するための広告取得命令が含まれており、端末装置100は、広告配信サーバ20に対して、広告の配信要求を送信することとなる。
【0062】
〔5.端末装置の構成〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る端末装置100の構成について説明する。
図6は、実施形態に係る端末装置100の構成例を示す図である。
図6に示すように、端末装置100は、通信部110と、入力部120と、出力部130と、制御部140とを有する。
【0063】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、広告配信サーバ20やコンテンツ配信サーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0064】
入力部120は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウスや操作キー等によって実現される。出力部130は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部130は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、端末装置100にタッチパネルが採用される場合には、入力部120と出力部130とは一体化される。
【0065】
制御部140は、例えば、CPUやMPU等によって、端末装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(表示プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムは、ウェブブラウザと呼ばれるアプリケーションプログラムに該当する。また、制御部140は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0066】
図6に示すように、制御部140は、要求部141と、受付部142と、表示制御部143とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部140の内部構成は、
図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部140が有する各処理部の接続関係は、
図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0067】
要求部141は、入力部120を介して受け付けたユーザ操作に従って、コンテンツ配信サーバ30にウェブページの取得要求を送信する。また、要求部141は、受付部142によって受け付けられたウェブページに広告取得命令が含まれる場合に、広告コンテンツの取得要求を広告配信サーバ20に送信する。
【0068】
受付部142は、ウェブページと広告コンテンツとを受け付ける。具体的には、受付部142は、要求部141によって送信されたウェブページの取得要求に応答したコンテンツ配信サーバ30からウェブページを受け付ける。このとき、受付部142は、ウェブページに広告取得命令が含まれる場合には、広告コンテンツの取得要求を送信するよう要求部141に指示する。そして、受付部142は、要求部141によって送信された広告コンテンツの取得要求に応答した広告配信サーバ20から広告コンテンツを受け付ける。
【0069】
表示制御部143は、受付部142によって受け付けられた広告コンテンツに含まれる制御情報に従って、ウェブページ及び広告コンテンツを出力部130に表示制御する。かかる表示制御部143は、
図6に示すように、表示部144と、検知部145と、変動部146とを有する。表示部144、検知部145及び変動部146は、例えば、CPUやMPU等によって、ウェブページに含まれる制御情報がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。すなわち、表示部144は、上述した表示手順により実現され、検知部145は、上述した検知手順により実現され、変動部146は、上述した変動手順により実現される。
【0070】
表示部144は、受付部142によって受け付けられたウェブページを広告コンテンツとともに出力部130に表示する。具体的には、表示部144は、ウェブページを表示するとともに、ウェブページに含まれる広告枠の位置に基づいて広告コンテンツの表示位置を特定し、かかる表示位置に広告コンテンツを表示する。このとき、表示部144は、広告コンテンツに含まれる制御情報に従って、ウェブページを表示する面と、広告コンテンツを表示する面とを、異なるレイヤを用いて出力部130に表示することができる。これにより、後述する変動部146は、広告コンテンツの表示を変動させないで、ウェブページの表示のみを変動させることができる。
【0071】
検知部145は、端末装置100における所定の状態を検知する。実施形態に係る検知部145は、所定の状態の一例として、端末装置100におけるウェブページに対するスクロール操作を検知する。
【0072】
変動部146は、検知部145によって所定の状態が検知された場合に、ウェブページの表示態様を変動させる。実施形態に係る変動部146は、例えば、検知部145によってスクロール操作が検知されている間、表示部144によって表示される広告コンテンツ以外のウェブページを白黒表示にする。言い換えれば、変動部146は、ユーザによってスクロール操作が行われている間、広告コンテンツのみ色彩が保たれた状態にする。その後、検知部145によってスクロール操作が検知されなくなったとき、変動部146は、ウェブページを元の状態に戻す。
【0073】
以下、実施形態に係る変動部146の行う変動処理について説明する。実施形態に係る変動部146は、表示部144がウェブページを表示する面と広告コンテンツを表示する面とを異なるレイヤを用いて出力部130に表示している場合、ウェブページを表示する面のみに色を変動させるフィルタ機能を実行することで、上記処理を実現する。かかる処理は、端末装置100にウェブページを表示させるウェブブラウザソフトウェアの機能を利用することもできる。すなわち、広告コンテンツに含まれる制御情報にはウェブブラウザのフィルタ機能を実行する命令が含まれており、変動部146は、かかる制御情報によりウェブブラウザの機能を利用することで、上記処理を実現することもできる。
【0074】
なお、変動部146による処理は、上記手法に限られない。例えば、変動部146は、表示部144がウェブページを表示する面を最下層に、広告コンテンツを表示する面を最上層に、それぞれ出力部130に表示している場合、白黒化するレイヤを中間層に配置することにより、上記処理を実現することもできる。また、変動部146は、表示部144がウェブページを表示する面と広告コンテンツを表示する面とを異なるレイヤを用いて出力部130に表示していない場合、広告コンテンツにかかる表示領域を出力部130における座標情報で認識し、広告コンテンツが表示されていない座標の色を変動させることで、上記処理を実現してもよい。
【0075】
〔6.広告配信システムの処理フロー〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係る広告配信システム1による配信処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る広告配信システム1による配信処理手順を示すシーケンス図である。
【0076】
図7に示すように、端末装置100は、ユーザ操作に従って、ウェブページの取得要求をコンテンツ配信サーバ30に送信する(ステップS101)。そして、コンテンツ配信サーバ30は、ウェブページの取得要求に応じて、ウェブページを端末装置100に配信する(ステップS102)。なお、コンテンツ配信サーバ30によって配信されるウェブページには、広告配信サーバ20のURL等である広告取得命令が含まれる。
【0077】
続いて、端末装置100は、ウェブページに含まれる広告取得命令に基づいて、広告コンテンツの取得要求を広告配信サーバ20に送信する(ステップS103)。そして、広告配信サーバ20は、広告コンテンツの取得要求に応じて、制御情報を含む広告コンテンツを端末装置100に配信する(ステップS104)。
【0078】
そして、端末装置100は、ステップS104において受信した広告コンテンツに含まれる制御情報に従って、ウェブページとステップS104において受信した広告コンテンツとを表示する表示処理を行う(ステップS105)。
【0079】
〔7.端末装置の処理フロー〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る端末装置100による処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る端末装置100による処理手順を示すフローチャートである。
【0080】
図8に示すように、端末装置100は、ユーザからウェブページの表示操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。このとき、端末装置100は、表示操作を受け付けていない場合には(ステップS201;No)、表示操作を受け付けるまで待機する。
【0081】
一方、端末装置100は、表示操作を受け付けた場合には(ステップS201;Yes)、ウェブページの取得要求をコンテンツ配信サーバ30に送信する(ステップS202)。続いて、端末装置100は、コンテンツ配信サーバ30からウェブページを受信したか否かを判定する(ステップS203)。このとき、端末装置100は、ウェブページを受信していない場合には(ステップS203;No)、ウェブページを受信するまで待機する。
【0082】
一方、端末装置100は、コンテンツ配信サーバ30からウェブページを受信した場合には(ステップS203;Yes)、ウェブページに含まれる広告取得要求に従って、広告配信サーバ20に広告コンテンツの取得要求を送信する(ステップS204)。続いて、端末装置100は、広告配信サーバ20から広告コンテンツを受信したか否かを判定する(ステップS205)。このとき、端末装置100は、広告コンテンツを受信していない場合には(ステップS205;No)、広告コンテンツを受信するまで待機する。
【0083】
一方、端末装置100は、広告配信サーバ20から広告コンテンツを受信した場合には(ステップS205;Yes)、ウェブページと広告コンテンツとを表示する(ステップS206)。例えば、端末装置100は、ウェブページを表示する面と広告コンテンツを表示する面とを、それぞれ異なるレイヤで出力部130に表示する。
【0084】
続いて、端末装置100は、ウェブページを移動させるスクロール操作が行われたか否かを判定する(ステップS207)。このとき、端末装置100は、スクロール操作が行われていない場合には(ステップS207;No)、スクロール操作が行われるまで待機する。
【0085】
一方、端末装置100は、スクロール操作が行われた場合には(ステップS207;Yes)、ステップS206において表示したウェブページの表示態様を変動させる(ステップS208)。具体的には、端末装置100は、ウェブページ内の広告コンテンツ以外の表示を白黒表示するように表示制御する。
【0086】
また、端末装置100は、スクロール操作が終了したか否かを判定する(ステップS209)。このとき、端末装置100は、スクロール操作が終了していない場合には(ステップS209;No)、広告コンテンツの表示態様を変動させた状態で待機する。
【0087】
一方、端末装置100は、スクロール操作が終了した場合には(ステップS209;Yes)、広告コンテンツの表示態様を戻す(ステップS210)。具体的には、端末装置100は、ステップS208において変動させたウェブページの色を戻す。この後、端末装置100は、上記ステップS207〜S210における処理手順を繰り返し行う。
【0088】
〔8.変形例〕
上述した実施形態に係る広告配信システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。以下では、広告配信システム1の他の実施形態について説明する。
【0089】
〔8−1.ぼかし処理〕
上述してきた実施形態に係る端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、ウェブページW10の色を変動させる表示処理をする例を示した。しかし、上記実施形態の例に限られず、端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、ウェブページW10を異なる表示態様に変動させてもよい。例えば、端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、表示対象の焦点距離をずらす処理であるぼかし処理により、ウェブページW10の表示態様を変動させることができる。この点について
図9を用いて説明する。
【0090】
図9は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。
図9の第1状態に示した例の場合、端末装置100は、ウェブページW10を表示するとともに、ウェブページW10に含まれる広告枠50に対応する範囲に広告コンテンツC10を表示する。
【0091】
そして、
図9の第2状態に示すように、変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知された場合に、ウェブページW10内の広告コンテンツC10以外の表示を、ぼかした表示に変動させる。
【0092】
また、
図9の第3状態に示すように、変動部146は、検知部145によってスクロール操作が検知されなくなった場合に、ウェブページW10内の広告コンテンツC10以外のぼかした表示を、元の第1状態と同じ表示態様に戻す。
【0093】
このように、端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、表示対象の焦点距離をずらす処理であるぼかし処理により、ウェブページW10の表示態様を変動させる。これにより、端末装置100は、ウェブページW10内で広告コンテンツC10を相対的に強調表示することができるため、広告コンテンツC10の視認性を高めることができる。この結果、端末装置100は、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。
【0094】
なお、
図9に示した例において、変動部146は、表示部144がウェブページを表示する面と広告コンテンツを表示する面とを異なるレイヤを用いて出力部130に表示している場合、ウェブページを表示する面のみにぼかし処理を行うフィルタ機能を実行することで、上記処理を実現する。なお、変動部146による処理は、上記手法に限られない。例えば、変動部146は、表示部144がウェブページW10を表示する面と広告コンテンツC10を表示する面とを異なるレイヤを用いて出力部130に表示していない場合、広告コンテンツC10にかかる表示領域を出力部130における座標情報で認識し、広告コンテンツC10が表示されていない座標部分を構成するオブジェクト(例えば、文字や画像など)の輪郭を曖昧にする変換処理を用いて、上記処理を実現してもよい。
【0095】
〔8−2.時間による表示制御〕
上述してきた実施形態に係る端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、ウェブページW10の色を変動させる表示処理をする例を示した。しかし、上記実施形態の例に限られず、端末装置100は、異なる所定の状態が検知された場合に、ウェブページW10の色を変動させる表示処理をしてもよい。具体的には、端末装置100は、端末装置100に対する任意の操作が行われた後、所定時間内にいずれの操作も受け付けない状態を検知した場合に、ウェブページW10の色を変動させる表示処理をしてもよい。この点について
図10及び
図11を用いて説明する。
【0096】
図10は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。
図10に示すように、第1状態、第2状態、及び第3状態における端末装置100の出力部130は、時間軸T上に配される時刻t10、時刻t11、及び時刻t12までの時間経過における表示の遷移を示す。すなわち、第1状態は、時刻t10における端末装置100の出力部130の状態を示す。同様に、第2状態は時刻t11における端末装置100の出力部130の状態を示す。同様に、第3状態は時刻t12における端末装置100の出力部130の状態を示す。
【0097】
図10の第1状態に示した例の場合、時刻t10において、端末装置100は、ウェブページW10を表示するとともに、ウェブページW10に含まれる広告枠50に対応する範囲に広告コンテンツC10を表示することを示している。ここで、時刻t10とは、端末装置100に対する任意の操作が行われた直後の時刻であるとする。具体的には、
図10の第1状態は、ユーザが端末装置100にスクロール操作を行い、出力部130が
図10の第1状態に示す表示になった後、ユーザが端末装置100へのスクロール操作を終了した直後の状態を示す。
【0098】
このとき、検知部145は、時刻t10から、端末操作100がいずれの操作も受け付けない状態である経過時間を計測する。そして、検知部145により時刻t10から所定時間(例えば1分間)、端末操作100がいずれの操作も受け付けない状態のままであることが検知された場合、端末装置100の出力部130は、
図10の第2状態に示す表示へと遷移する。
【0099】
図10の第2状態に示した例の場合、時刻t11において、端末装置100は、広告コンテンツC10以外のウェブページW10の表示を白黒表示することを示している。すなわち、変動部146は、時刻t11になったときに、広告コンテンツC10以外のウェブページW10の表示を白黒表示に変動させる。ここで、時刻t11とは、端末操作100がいずれの操作も受け付けない状態が検知されたまま、時刻t10から所定時間が経過した時刻である。
【0100】
時刻t11の後、検知部145は、引き続き端末装置100がいずれの操作も受け付けない状態であることを検知する。かかる検知が続いているときは、出力部130は表示を遷移させない。その後、端末装置100に対し何らかの操作がなされた場合、検知部145は、かかる操作がなされたことを検知する。このとき、端末装置100の出力部130は、
図10の第3状態に示す表示へと遷移する。
【0101】
図10の第3状態に示した例の場合、時刻t12において、端末装置100は、広告コンテンツC10以外のウェブページW10の表示を元の状態に戻すことを示している。すなわち、変動部146は、時刻t12になったときに、広告コンテンツC10以外のウェブページW10の表示を白黒表示から元の状態に変動させる。ここで、時刻t12とは、時刻t11の後に端末操作100に対し何らかの操作がなされ、検知部145がかかる操作を検知した瞬間の時刻である。具体的には、時刻t12は、時刻t11の後に、端末装置100のユーザの指F10によって出力部130がタップされたことを検知部145が検知した瞬間の時刻である。
【0102】
次に、
図11を用いて、変形例に係る端末装置100による処理の手順について説明する。
図11は、変形例に係る端末装置100による処理手順を示すフローチャートである。なお、
図11に示すステップS301〜S306は、
図8におけるステップS201〜206に対応するため、説明を省略する。
【0103】
端末装置100は、端末装置100に対する任意の操作が行われた後、いずれの操作も受け付けない状態のまま所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS307)。このとき、端末装置100は、所定時間が経過していない場合には(ステップS307;No)、所定時間が経過するまで待機する。
【0104】
一方、端末装置100は、所定時間が経過した場合には(ステップS307;Yes)、ステップS306において表示したウェブページの表示態様を変動させる(ステップS308)。具体的には、端末装置100は、ウェブページ内の広告コンテンツ以外の表示を白黒表示するように表示制御する。
【0105】
その後、端末装置100は、端末装置100に対して何らかの操作がなされたか否かを判定する(ステップS309)。このとき、端末装置100は、何らの操作もなされていない場合には(ステップS309;No)、広告コンテンツの表示態様を変動させた状態で待機する。
【0106】
一方、端末装置100は、何らかの操作がなされた場合には(ステップS309;Yes)、広告コンテンツの表示態様を戻す(ステップS310)。具体的には、端末装置100は、ステップS308において変動させたウェブページの色を戻す。この後、端末装置100は、上記ステップS307〜S310における処理手順を繰り返し行う。
【0107】
このように、端末装置100は、スクロール操作等によらず、所定の時間経過によっても、ウェブページW10の色を変動させる表示処理をすることができる。
【0108】
ここで、端末装置100にウェブページが表示された後、いずれの操作も行わず所定時間が経過するような場合、端末装置100のユーザは、ウェブページW10自体を凝視している可能性は低いといえる。そこで、端末装置100は、かかる場合にウェブページW10内の広告コンテンツC10のみを色彩が保たれた状態にすることで、広告コンテンツC10を相対的に強調表示する。これにより、端末装置100は、ウェブページW10への注目度が低いユーザに対しても広告コンテンツC10を視認させ易くする。また、端末装置100は、ユーザが再び端末装置100に対して何らかの操作を行う直前まで広告コンテンツC10のみを色彩が保たれた状態にすることで、操作を行おうとするユーザに対し、広告コンテンツC10に対する関心を引き起こすことができる。この結果、端末装置100は、広告コンテンツC10の広告効果を向上させることができる。
【0109】
〔8−3.複数の広告枠〕
また、端末装置100は、広告コンテンツを表示するための複数の広告枠が設けられたウェブページを表示するとともに、上述してきた表示処理に基づいてウェブページの表示態様を変動させることもできる。この点について、
図12及び
図13を用いて説明する。
【0110】
図12は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。
図12では、端末装置100によって、ウェブページW11、広告コンテンツC10、及び広告コンテンツC20が表示される例を示す。ウェブページW11には、広告枠51と広告枠52という2つの広告枠が含まれる。
図12の第1状態で示すように、端末装置100は、ウェブページW11を表示するとともに、広告枠51に対応する範囲に広告コンテンツC10を表示し、広告枠52に対応する範囲に広告コンテンツC20を表示する。
【0111】
広告コンテンツC20は、例えば自動車販売関連の広告主によって提供される画像である。
図12に示す例では、広告コンテンツC20は、広告枠52と同じ大きさの画像であり、広告対象となる自動車が表示されている。
【0112】
次に、
図12の第2状態で示すように、検知部145は、ウェブページW11にスクロール操作が行われている状態を検知する。そして、変動部146は、広告コンテンツC10及び広告コンテンツC20を除くウェブページW11の色を白黒表示に変化させる。
【0113】
そして、
図12の第3状態で示すように、検知部145は、ユーザの指F10が静止した状態であることを検知する。この場合、変動部146は、ウェブページW11の表示する色を第1状態の状態に戻す。
【0114】
このように、端末装置100は、複数の広告コンテンツを表示するウェブページに対しても、上述した表示処理を同様に行うことができる。
図12に示した例では、端末装置100は、広告コンテンツC10とともに配信された制御情報と、広告コンテンツC20とともに配信された制御情報とにより、スクロール中はウェブページW11の表示態様を変動させる表示処理を行うよう制御されている。これにより、端末装置100は、ウェブページにおける複数の広告コンテンツをともに強調表示させることができるため、複数の広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
【0115】
また、端末装置100は、ウェブページに複数の広告コンテンツが配置される場合に、異なる表示処理を行うこともできる。この点について、
図13を用いて説明する。なお、
図12と同じ説明については省略する。
【0116】
図13は、変形例に係る表示処理の一例を示す図である。ここで、広告コンテンツC21は、出力部130に表示される画像は広告コンテンツC20と同一のものであるが、広告コンテンツ入稿時の表示指示が広告コンテンツC20とは異なる広告コンテンツであるものとする。具体的には、広告コンテンツC21は、ウェブページW11を白黒表示させる表示指示がなされずに入稿されているものとする。
【0117】
図13の第1状態で示すように、端末装置100は、ウェブページW11を表示するとともに、広告コンテンツC10を広告枠51に、広告コンテンツC21を広告枠52に対応する範囲に表示する。
【0118】
次に、
図13の第2状態で示すように、検知部145は、ウェブページW11にスクロール操作が行われている状態を検知する。そして、変動部146は、広告コンテンツC10を除き、広告コンテンツC21を含むウェブページW11の色を白黒表示に変化させる。
【0119】
そして、
図13の第3状態で示すように、検知部145は、ユーザの指F10が静止した状態であることを検知する。この場合、変動部146は、広告コンテンツC21を含むウェブページW11の色を第1状態の状態に戻す。
【0120】
このように、端末装置100は、ウェブページに複数の広告コンテンツが表示される場合、広告コンテンツごとに異なる表示処理を行うことができる。
図13に示した例では、端末装置100は、広告コンテンツC10とともに配信された制御情報により、広告コンテンツC10以外の広告コンテンツが表示される広告枠を含むようにウェブページW11の表示態様を変動させる表示処理を行うよう制御されているものとする。この場合、端末装置100は、広告枠52に含まれる広告コンテンツC21もウェブページW11を構成する一つのコンテンツであるものとして、表示態様を変動させる対象とみなし、上述した表示処理を実行する。
【0121】
これにより、端末装置100は、複数の広告コンテンツが同じウェブページに配信された場合においても、表示指示の有る広告コンテンツのみを相対的に強調表示させることができる。
【0122】
なお、
図13の例では広告枠を二つ含むウェブページW11の例を示したが、上記の表示処理は、より多くの広告枠を含むウェブページに行われてもよい。また、入稿受付部25は、広告コンテンツの扱いに差を設けた表示指示とともに、広告コンテンツの入稿を受け付けてもよい。すなわち、入稿受付部25は、複数の広告コンテンツが同じウェブページに配信され、かかるウェブページに表示処理がなされる場合に、優先的に特定の広告コンテンツのみを相対的に強調表示するよう扱うことを示す表示指示を特定の広告コンテンツとともに受け付けてもよい。
【0123】
上記のような、広告コンテンツの扱いに差を設けた表示指示は、例えば、入稿受付部25の受け付ける広告コンテンツの入札価格の差異などにより定められてもよい。具体的には、入稿受付部25は、高い入札価格を提示した特定の広告コンテンツについては、表示処理において優先的な扱いがなされる表示指示とともに入稿を受け付ける。言い換えれば、入稿受付部25は、高い入札価格を提示した特定の広告コンテンツが複数の広告枠をもつウェブページで表示される場合に、特定の広告コンテンツ以外の広告コンテンツも含めてウェブページの表示態様を変動させる表示処理を行うような表示指示とともに入稿を受け付ける。なお、表示指示を受け付けるタイミングは上記例に限られず、入稿受付部25は、入稿された後に、かかる表示指示を受け付けてもよい。
【0124】
これにより、端末装置100は、複数の広告コンテンツが同じウェブページに配信された場合においても、任意の広告主から入稿された特定の広告コンテンツのみを相対的に強調表示させることができる。この結果、端末装置100は、特定の広告コンテンツの視認性を高めることにより、広告効果を向上させることができる。
【0125】
〔8−4.色の変化〕
上述してきた実施形態に係る端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、広告コンテンツ以外のウェブページを白黒表示させる表示処理を行う例を示した。しかし、上記実施形態の例に限られず、端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、ウェブページを白黒表示させるのではなく、異なる表示態様に変動させる表示処理を行ってもよい。
【0126】
例えば、端末装置100は、スクロール操作が行われている場合に、ウェブページの表示を異なる色調に変動させる表示処理を行ってもよい。具体例として、端末装置100が、広告主を象徴する色であるコーポレートカラー(Corporate Color)を持つ広告主から入稿された広告コンテンツを表示する場合を説明する。この場合、端末装置100は、上述した表示処理により、かかる広告コンテンツを表示しているウェブページの色調を、コーポレートカラーを連想させる色調へと変化させる。これにより、端末装置100は、ウェブページ全体から広告主を連想させることができるため、広告コンテンツによる広告効果を向上させることができる。
【0127】
なお、端末装置100の行う表示処理は、上記例に限られない。例えば、端末装置100は、上述した表示処理により、広告コンテンツを表示しているウェブページの色調を、広告コンテンツを構成する主要な色や内容と親和性のある色調へと変化させることもできる。具体例として、端末装置100が、飲食関連の広告主から入稿されたコーヒーについての広告コンテンツを表示する場合を説明する。この場合、端末装置100は、上述した表示処理により、かかる広告コンテンツを表示しているウェブページの色調を、コーヒーと親和性のある色調(例えばセピア調)へと変化させる。これにより、端末装置100は、ウェブページ全体を広告コンテンツと関連するように表示するため、ユーザに広告コンテンツを意識させることができると考えられる。この結果、端末装置100は、広告コンテンツによる広告効果を向上させることができる。
【0128】
また、端末装置100は、上述した表示処理により、広告コンテンツを表示しているウェブページの色調を、広告コンテンツを構成する主要な色の補色に対応する色調へと変化させることもできる。これにより、端末装置100は、ウェブページを白黒表示するのに比べ、かかる広告コンテンツを、より相対的に強調表示することができる場合がある。
【0129】
〔8−5.制御情報〕
上述してきた実施形態に係る広告配信システム1では、広告配信サーバ20が、配信対象となる広告コンテンツの表示態様を指示したり、上述した表示処理を端末装置100に実行させたりするための制御情報を、広告コンテンツとともに端末装置100に配信する例を示した。しかし、制御情報を配信する装置は広告配信サーバ20に限られず、コンテンツ配信サーバ30であってもよい。この場合、コンテンツ配信サーバ30は、配信対象であるウェブページとともに、かかる制御情報を端末装置100に配信する。端末装置100は、かかる制御情報に基づいて上述してきた表示処理を行う。すなわち、制御情報の配信元が広告配信サーバ20であるかコンテンツ配信サーバ30であるかは、端末装置100の行う表示処理の結果には影響しない。このように、端末装置100は、上記制御情報の配信元にかかわらず上述してきた表示処理を行うことができる。
【0130】
〔8−6.変動条件〕
また、上述してきた端末装置100は、スクロール速度が所定の速度閾値よりも遅い場合には、広告コンテンツの表示態様を変動させず、スクロール速度が所定の速度閾値以上である場合に、広告コンテンツの表示態様を変動させてもよい。具体的には、検知部145は、スクロール操作を検知した場合に、かかるスクロール操作の速度を検知する。または、検知部145は、スクロール操作を検知した場合に、かかるスクロール操作に応じて移動するウェブページの速度を検知する。そして、変動部146は、検知部145によって検知されたスクロール速度が速度閾値以上である場合に、広告コンテンツの表示態様を変動させる。
【0131】
このように、端末装置100は、スクロール速度に基づいて、広告コンテンツの表示態様を変動させることにより、ウェブページの視認性が低下することを防止することができる。具体的には、スクロール操作を行っているユーザであっても、ゆっくりとウェブページをスクロールさせている場合には、ウェブページに掲載されている記事等を凝視している可能性がある。そこで、端末装置100は、スクロール速度が速度閾値以上である場合に限って広告コンテンツの表示態様を変動させることで、ウェブページを閲覧しているユーザにとってウェブページの視認性が低下することを防止することができる。この結果、端末装置100は、ウェブページにおけるユーザビリティを向上させることができる。
【0132】
また、上記実施形態では、ウェブページが縦スクロールされる例を示したが、この例に限られない。例えば、端末装置100は、横スクロール可能なウェブページを表示し、かかるウェブページが横スクロールされている場合に、広告コンテンツ等の表示態様を変動させてもよい。一例を挙げて説明すると、端末装置100は、地図に関するウェブページである地図ページを表示し、地図ページを任意の方向に移動させるスクロール操作が行われている場合に、地図上の店舗や建物を説明するためのコンテンツを表示してもよい。
【0133】
〔8−7.移動操作〕
また、上記実施形態では、ウェブページを移動させる移動操作として、スクロール操作を例に挙げたが、この例に限られない。例えば、ウェブページを移動させる移動操作は、ウェブページを縮小表示させる縮小操作(例えば、ピンチイン操作)や、ウェブページを拡大表示させる拡大操作(例えば、ピンチアウト操作)であってもよい。また、移動対象はウェブページでなくてもよい。例えば、上述してきた実施形態は、デスクトップ画面やアプリケーションの表示画面上で所定のコンテンツ(例えば、アイコンや画面)をドラックアンドドロップ操作やスクロール操作で移動させる移動操作にも適用することができる。
【0134】
〔8−8.変動させるウェブページの判定〕
また、上述してきた端末装置100は、ウェブページを構成するコンテンツとして、制御情報にかかる変動手順を受け付けないよう設定されているコンテンツが含まれない場合に限り、ウェブページの表示態様を変動させてもよい。具体的には、ウェブページを構成するコンテンツには、契約規則や法律等により同一性を保持しなければならないと定められた画像等が含まれる場合がある。このような場合、端末装置100は、かかる画像等を改変しないために、上述してきた表示処理を行わないことが望ましい。
【0135】
そこで、端末装置100は、コンテンツ配信サーバ30から配信されたウェブページの情報から、変動手順を受け付けないよう設定されているコンテンツが含まれているか否かを検知し、含まれていない場合に限り、ウェブページの表示態様を変動させる処理を行うことができると判定する。変動手順を受け付けないよう設定されているコンテンツとは、例えば、広告配信サーバ20の管理者や、コンテンツ配信サーバ30の管理者や、ウェブページ作成者等が、表示態様の改変を認めないことを取り決めた画像である。また、この例に限られず、端末装置100は、配信されたウェブページからコピーライトマークを検知し、かかる検知がなされない場合に限り、ウェブページの表示態様を変動させる処理を行うことができると判定してもよい。
【0136】
なお、端末装置100は、コンテンツに上記のような設定がなされている例に限られず、ウェブページの表示態様を変動する処理を行うか否かを判定してもよい。具体的には、端末装置100は、ウェブページを構成するコンテンツに画像が含まれる場合は、常に、かかるウェブページの表示態様を変動する処理を行わないと判定してもよい。すなわち、広告配信サーバ20の管理者等が特別な取り決めをしなくとも、端末装置100は、ウェブページを構成する画像を変動させるような表示処理を行わないと判定することもできる。
【0137】
これにより、端末装置100は、表示態様を変動させることができると判定されたウェブページを選択して、上述した表示処理を行うことができる。
【0138】
〔8−9.端末装置の操作記録〕
また、上述してきた端末装置100は、実施形態に係る広告コンテンツが表示されているウェブページに対して、ユーザがどれだけ端末装置100を操作したかという記録を広告配信サーバ20に送信してもよい。具体的には、検知部145は、広告コンテンツが表示されているウェブページに対してユーザが行うスクロール操作や、ウェブページの拡大縮小操作などを記録する。さらに、検知部145は、広告コンテンツに対するクリック操作や、ウェブページをリロードした回数や、広告コンテンツを特定する情報について端末装置からの発信操作(例えば、SNSへの書き込みなど)など、ユーザが端末装置100に対して行う種々の操作を記録することもできる。そして、通信部110は、検知部145により記録された操作履歴に関する情報を広告配信サーバ20に送信する。
【0139】
そして、広告配信サーバ20は、端末装置100から配信された端末装置100の操作履歴に関する情報を受信する。さらに、広告配信サーバ20は、受信した端末装置100の操作履歴に関する情報を集計し、かかる情報について分析した情報をさらに取得する。具体的には、広告配信サーバ20は、実施形態に係る制御情報を伴う広告コンテンツとかかる制御情報を伴わない広告コンテンツとについて、スクロール操作の回数や、CTRなどの広告効果の指標を比較した情報などを取得する。
【0140】
また、広告配信サーバ20は、広告主端末10に端末装置100の操作履歴に関する情報を送信してもよい。ここで、実施形態に係る制御情報を伴う広告コンテンツが表示されるウェブページに対する操作履歴は、広告効果を示す指標となりうる。すなわち、実施形態に係る制御情報を伴う広告コンテンツが表示されるウェブページにおいては、ユーザによって広告コンテンツ自体がクリックされることにより広告コンテンツ先のウェブページが表示されることのみならず、かかるウェブページに対してユーザがどれだけスクロール操作等を行ったか(つまり、ユーザがどれだけウェブページの表示態様を変化させたか)という操作履歴自体がユーザの広告コンテンツへの興味を示す指標といえる。したがって、広告配信サーバ20は、広告主端末10に端末装置100の操作履歴に関する情報を送信することにより、実施形態に係る広告コンテンツの表示されるウェブページに対する広告効果の指標を示すレポートとすることができる。
【0141】
これにより、広告配信サーバ20は、端末装置100における実施形態に係る制御情報を伴う広告コンテンツの表示態様の有用性を広告主に示すことができる。
【0142】
〔8−10.広告コンテンツの入稿〕
また、上記実施形態において、広告配信サーバ20の入稿受付部25は、上述してきた広告コンテンツが含まれるウェブページの表示態様を広告主に選択させてもよい。具体的には、入稿受付部25は、
図1、
図9、
図10、
図12、
図13に例示したウェブページの表示態様の一部又は全ての中から、広告主が所望する表示態様を選択させてもよい。そして、入稿受付部25は、広告主の選択した表示指示とともに広告コンテンツを広告データベース24に記憶する。
【0143】
これにより、広告主は、広告コンテンツが端末装置100に表示される際、どのような条件下でどのように広告コンテンツを含むウェブページが変動するかを広告コンテンツの入稿段階で把握することができる。
【0144】
〔8−11.表示指示〕
また、上記実施形態において、広告配信サーバ20の入稿受付部25は、広告コンテンツの入稿とともに、広告コンテンツの表示態様について表示指示を受け付ける例を示した。しかし、入稿受付部25は、広告コンテンツの入稿とともに表示指示を受け付けないものとしてもよい。この場合、実施形態に係る配信部28は、表示指示に関係なく、上述の表示処理を実行させる制御情報を生成する。その後、配信部28は、生成した制御情報を含む広告コンテンツを端末装置100に対して配信する。なお、この場合、
図4に示す広告データベース24に「表示指示」の項目がなくてもよい。
【0145】
〔8−12.装置構成〕
また、上記実施形態では、広告配信システム1に、広告配信サーバ20とコンテンツ配信サーバ30とが含まれる例を示したが、広告配信サーバ20とコンテンツ配信サーバ30とは1個の装置として形成されてもよい。この場合、
図5に示したコンテンツ配信サーバ30は、例えば、
図3に示した記憶部22、広告データベース24、入稿受付部25及び抽出部27を有する。そして、コンテンツ配信サーバ30は、端末装置100からウェブページの取得要求を受け付けた場合に、記憶部22にある広告データベース24から抽出した広告コンテンツとともに、広告取得命令を含まないウェブページを端末装置100に配信する。
【0146】
また、上記実施形態では、広告配信サーバ20から端末装置100に広告コンテンツが配信される例を示したが、コンテンツ配信サーバ30が、広告配信サーバ20から広告コンテンツを取得してもよい。この場合、広告配信サーバ20の要求受付部26は、コンテンツ配信サーバ30から広告コンテンツの取得要求を受け付ける。また、広告配信サーバ20の配信部28は、コンテンツ配信サーバ30に広告コンテンツを配信する。また、コンテンツ配信サーバ30の配信部35は、広告配信サーバ20から取得した広告コンテンツとともに、広告取得命令を含まないウェブページを端末装置100に配信する。
【0147】
〔8−13.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0148】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図6に示した要求部141及び受付部142は統合されてもよい。
【0149】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0150】
〔8−14.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る端末装置100、広告配信サーバ20及びコンテンツ配信サーバ30は、例えば
図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、コンテンツ配信サーバ30を例に挙げて説明する。
図14は、広告配信サーバ20の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0151】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0152】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50(
図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0153】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0154】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0155】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る広告配信サーバ20として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部23の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部22内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0156】
なお、コンピュータ1000が実施形態に係る端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部140の機能を実現する。
【0157】
なお、コンピュータ1000が実施形態に係るコンテンツ配信サーバ30として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部33の機能を実現する。
【0158】
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告配信サーバ20は、配信部28を有する。配信部28は、制御情報とともにウェブページ(第1コンテンツの一例)の広告枠に表示する広告コンテンツ(第2コンテンツの一例)を端末装置100に配信する。また、制御情報は、ウェブページと広告コンテンツとを表示する表示手順と、端末装置100においてウェブページを移動させるスクロール操作がなされている状態であることを検知する検知手順と、検知手順によってスクロール操作がなされている状態であることが検知された場合に、ウェブページの表示する色を変動させる変動手順とを端末装置100に実行させる。
【0159】
これにより、実施形態に係る広告配信サーバ20は、広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
【0160】
また、実施形態に係る制御情報における変動手順は、ウェブページと広告コンテンツとを異なるレイヤで表示する処理を端末装置100に実行させる。
【0161】
また、実施形態に係る制御情報における変動手順は、スクロール操作がなされている状態であることが検知された場合に、ウェブページを白黒表示に変動させる。
【0162】
また、実施形態に係る制御情報における変動手順は、スクロール操作がなされている状態であることが検知された場合に、ウェブページをぼかし処理のなされた表示に変動させる。
【0163】
また、実施形態に係る制御情報における検知手順は、スクロール操作がなされた後、所定時間内にいずれの操作も受け付けない状態を検知する。実施形態に係る制御情報における変動手順は、所定時間内にいずれの操作も受け付けない状態が検知された場合、ウェブページの表示する色を変動させる。
【0164】
また、実施形態に係る制御情報における検知手順は、スクロール操作がなされ、ウェブページの表示する色が変動した後に、スクロール操作が終了した状態になったことを検知する。実施形態に係る制御情報における変動手順は、かかる状態が検知された場合、ウェブページの表示する色を元に戻す。
【0165】
これらにより、実施形態に係る広告配信サーバ20は、端末装置100のユーザにおけるユーザビリティを低下させずに広告コンテンツの視認性を高めることにより、広告コンテンツの広告効果を向上させることができる。
【0166】
また、実施形態に係る制御情報における変動手順は、表示処理により表示する色を変動させないことが設定される画像(第3コンテンツの一例)がウェブページに含まれない場合に、ウェブページの表示する色を変動させる。
【0167】
これにより、実施形態に係る広告配信サーバ20は、表示態様を変動させることができると判定されたウェブページを選択して端末装置100に表示処理を実行させることができる。
【0168】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0169】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配信部は、配信手段や配信回路に読み替えることができる。