特許第6360123号(P6360123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6360123
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】ワークピースの加工手順およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/30 20120101AFI20180709BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20180709BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20180709BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   B24B37/30 B
   H01L21/304 622J
   H01L21/68 N
   H01L21/02 C
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-206724(P2016-206724)
(22)【出願日】2016年10月21日
(65)【公開番号】特開2017-94484(P2017-94484A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2016年12月22日
(31)【優先権主張番号】62/245,239
(32)【優先日】2015年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/278,141
(32)【優先日】2016年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516047142
【氏名又は名称】浙江中▲納▼晶微▲電▼子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Microtech Material Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】唐昊
【審査官】 小山 満
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第104979262(CN,A)
【文献】 特開2004−064040(JP,A)
【文献】 特開2000−164905(JP,A)
【文献】 特開2010−129607(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0332436(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第03093876(EP,A1)
【文献】 国際公開第2016/179892(WO,A1)
【文献】 特開2016−219776(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0233547(US,A1)
【文献】 国際公開第2004/006296(WO,A2)
【文献】 米国特許第06391743(US,B1)
【文献】 欧州特許出願公開第00989616(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0220268(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02352166(EP,A1)
【文献】 国際公開第2010/061782(WO,A1)
【文献】 特表2014−513426(JP,A)
【文献】 特開2004−079613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/30
H01L 21/02
H01L 21/304
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)キャリア層の接合面に前処理を施して当該接合面の剥離強度を低下するステップと;
(2)前記キャリア層、ワークピース層、および、前記キャリア層と前記ワークピース層との間の介在層を備える接合スタックを用意するステップと;
)前記ワークピース層を加工するステップと;
(4)隣接する2層の間の前記剥離強度を、ASTM D6862に規定される0.01g/cm〜50.0g/cmの範囲まで低下するステップと、
)前記接合スタック内の隣接する2層の間の接合箇所にガスジェットを噴射して前記隣接する2層を分離または剥離するステップと、を含む、
ワークピースの加工手順。
【請求項2】
前記隣接する2層は、前記キャリア層および前記介在層である、
請求項1に記載の手順。
【請求項3】
前記キャリア層は、ガラス、シリコン、セラミック、サファイア、石英、ポリシリコン、二酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、(酸)窒化ケイ素、窒化ガリウム(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、炭化ケイ素(SiC)、金属(例えば、銅、アルミニウム、金、タングステン、タンタル)、低k誘電体、ポリマー誘電体、ならびに、金属窒化物および金属シリサイドから選択される材料から作られる、
請求項1に記載の手順。
【請求項4】
前記ワークピース層の前記介在層に対向する面には、半導体材料(例えば、シリコン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、(酸)窒化ケイ素、窒化ガリウム(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、炭化ケイ素(SiC))、金属(例えば、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、金、タングステン、タンタル)、低k誘電体、ポリマー誘電体、ならびに、様々な金属窒化物および金属シリサイドの上に、または、それらから製造されたマイクロデバイスが備えられ、
前記マイクロデバイスは、集積回路、微小電気機械システム(MEMS)、マイクロセンサ、パワー半導体、発光ダイオード、フォトニック回路、インタポーザ、埋め込み型受動デバイス、はんだバンプ、金属支柱、金属柱から選択される、
請求項1に記載の手順。
【請求項5】
ステップ()における前記ワークピース層を加工するステップには、研削、研磨、フォトレジストのスピンコーティング、フォトリソグラフィ、電気めっき、物理蒸着、金属再配線層の形成、TSVの形成、化学的機械的研磨、エッチング、金属蒸着および誘電体蒸着、パターン形成、パッシベーション、アニーリング、搬送、ならびに、これらの任意の組合せが含まれる、
請求項1に記載の手順。
【請求項6】
ステップ()における前記ワークピース層を加工するステップは、光学レンズ、薄型ウェハ、薄型液晶ガラス、薄型水晶ウェハ、薄型金属板、薄型水晶円板、薄型固体膜、薄型固体フィルム、および、薄型固体フィルタから選択される薄型製品を作るために前記ワークピースを研削するステップを含む、
請求項1に記載の手順。
【請求項7】
前記ガスは、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン、または、それらの任意の混合物から選択される、
請求項1に記載の手順。
【請求項8】
前記ガスジェットは、パイプ内のガス流を、ノズルを通して放出することにより生成される、
請求項1に記載の手順。
【請求項9】
前記ガス流の圧力は、2Bar〜10Barの範囲内である、
請求項に記載の手順。
【請求項10】
前記ガスジェットを噴射するステップは、前記接合箇所の周りの1〜6つのノズルを使用して実行される、
請求項に記載の手順。
【請求項11】
前記ガスジェットを噴射するステップは、固定された前記接合スタックを中心に前記ノズルを回転することによって、または、固定されたノズルに対して前記接合スタックを回すことによって実行される、
請求項10に記載の手順。
【請求項12】
前記剥離強度を低下するステップは、活性エネルギー線照射、UV光照射、電子線照射、可視光照射、赤外線照射、熱処理、電界処理、磁界処理、電磁波処理、超音波処理、または、これらの任意の組合せを用いて達成される、
請求項に記載の手順。
【請求項13】
前記接合箇所の外周の一部分に前記ガスジェットを噴射する前に、前記一部分を機械的および/または化学的に粉砕または破壊するステップをさらに含む、
請求項1に記載の手順。
【請求項14】
前記接合箇所の外周の一部分に前記ガスジェットを噴射する前に、前記一部分を切り取るためのブレードを使用するステップをさらに含む、
請求項1に記載の手順。
【請求項15】
ステップ()後に互いに接合されたまま残る前記2層を分離するステップをさらに含む、
請求項1に記載の手順。
【請求項16】
請求項1に記載の手順を実施するためのシステムであって、
キャリア層の接合面に前処理を施して当該接合面の剥離強度を低下する装置と、
前記キャリア層、ワークピース層、および、前記キャリア層と前記ワークピース層との間の介在層を備える接合スタックを用意する装置と、
前記ワークピース層を加工する装置と、
隣接する2層の間の前記剥離強度を、ASTM D6862に規定される0.01g/cm〜50.0g/cmの範囲まで低下する装置と、
前記接合スタックを剥離する剥離装置と、
を備え、
前記剥離装置は、
(i)前記接合スタックの前記ワークピース層を保持することができるプラットフォームと、
(ii)前記接合スタックの前記キャリア層を保持することができるメカニズムと、
(iii)前記接合スタック内の前記隣接する2層の間の接合箇所にガスジェットを噴射するためのガスジェット噴射システムと、を備えるシステム
【請求項17】
前記剥離装置は、前記プラットフォームと前記メカニズムとを互いに反対に移動する力を印加することができる分離機をさらに備える、
請求項16に記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、デバイスウェハ等のワークピースの加工手順およびシステムに関する。本発明は、半導体ウェハ(例えば、ケイ素、ガリウムヒ素)、水晶ウェハ、サファイア、および、ガラス等の任意の脆性材料で作られたワークピースの加工と;光学レンズ、薄型シリコンウェハ、薄型液晶ガラス、薄型水晶ウェハ、薄型金属板、薄型水晶円板、薄型固体膜、薄型固体フィルム、および、薄型固体フィルタ等の薄型製品の製作とに特に有用である。例えば、本発明は、ウェハの薄膜化後および他の裏面加工後のデバイスウェハを分離するために使用され得る。
【背景技術】
【0002】
体積の大きい集積回路の製造において使用されるシリコンウェハの直径は、通常200mmまたは300mmであり、ウェハの上端から下端までの厚さは約750ミクロンである。ウェハを通して結線を送ることによって前面の回路構成要素に接続する裏面の電気接触部を形成することは、薄膜化せずにはほぼ不可能であり得る。
【0003】
半導体級シリコンおよび化合物半導体のための機械的研削(裏面研削)および機械的研磨ならびに化学的エッチングに基づく高効率な薄膜化加工が、現在、商業的に使用されている。しかしながら、裏面研削時やTSV形成プロセス時にいかにデバイスウェハを支持するかについての課題が依然として存在する。これら工程では、薄膜化の最中や薄膜化後にデバイスウェハに熱的および機械的な高い応力が掛かるからである。
【0004】
例えば、完全な厚さのデバイスウェハを、デバイスウェハの前面を下にしてポリマー接着剤で剛性キャリアに取り付けることによって、接合スタックが形成され得る。次いで、このデバイスウェハは薄膜化されかつ裏面から加工される。次いで、裏面加工が完了した後、十分に加工された超薄型ウェハをキャリアから取り外す(すなわち剥離する)。接合スタックの剥離の際に、特に自動的プロセスでは、ロボットアーム等の複雑な機械メカニズムを使用して、大きいが不均一な機械的力を使用してスタックを操作し、摺動・持ち上げ・捻回等の動作を実行しなければならない。薄膜化したウェハが極めて脆弱なため、このアプローチに関連する欠陥には、デバイスウェハの破損および個々のデバイスの超小型回路構成要素内でのダメージが含まれ、これらは、デバイスの故障や歩留りロスにつながる。さらに、複雑な機械メカニズムには、費用が高く、操縦が困難であり、かつ、効率が低いという欠点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、効率を高めることができ、工程の簡略化が可能であり、ウェハのスループットを高めることができ、ワークピースの表面に対する応力を低減することができ、かつ、応力を均等に分散し、ひいてはデバイスウェハの破損およびデバイス内部のダメージのリスクを低減または排除することができる、キャリアとワークピースとの接合スタックの剥離のための新たなアプローチが必要である。有利なことに、本発明は、そのような必要を満たすことができる解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、ワークピースの加工手順を提供する。本手順には、(1)キャリア層、ワークピース層、および、キャリア層とワークピース層との間の介在層を備える(例えば、これら層からなる)接合スタックを用意するステップと;(2)ワークピース層を加工するステップと;(3)スタック内の隣接する2層の間の接合箇所にガスジェットを噴射してこれら隣接する2層を分離または剥離するステップと、が含まれる。
【0007】
本発明の他の一態様では、上述の手順を実施するための剥離装置を提供する。本装置は、(i)接合スタックのワークピース層を保持することができるプラットフォームと、(ii)接合スタックのキャリア層を保持することができるメカニズムと、(iii)接合スタック内の隣接する2層の間の接合箇所にガスジェットを噴射するためのガスジェット噴射システムと、を有する。
【0008】
本発明の上記の特徴および利点、ならびに他の特徴および利点は、添付の図面との関連において解釈される場合に、以下の、本発明を実施するためのベストモードの詳細な説明から容易に明らかになる。
【0009】
本発明を添付の図面の各図において、限定せずに一例として説明する。図中、同じ参照番号は同じ要素を示す。図は全て、概略的であり、また、概して本発明を明らかにするために必要な部分を示すのみである。簡潔および明確に例示するために、図中の以下に説明される諸要素は、必ずしも正しい縮尺で描かれていない。本発明を不必要に曖昧にすることがないように、周知の構造および装置を簡略化した形で示す。他の部分は、省略され得るかまたは示唆されるのみであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の例示的な実施形態に係る3層を備える接合スタックの図である。
図2】本発明の例示的な実施形態に係る、図1のスタック内の隣接する2層を剥離するために使用される剥離装置の概略図である。
図3】本発明の例示的な実施形態に係る、図2の装置内のノズルと接合スタックとの間の相対的な移動の説明図である。
図4】本発明の例示的な実施形態に係る、図1のスタック内の隣接する2層の間の接合箇所に吹き付けられるガスジェットの図である。
図5】本発明の例示的な実施形態に係る、剥離強度を低下するための処理が施される介在層の図である。
図6】本発明の例示的な実施形態に係る、ガスジェットが層の境界面に侵入することを容易化するために、隣接する2層の間の接合箇所の一部が切り取られることを表す図である。
図7】本発明の例示的な実施形態に係る、介在層の全体をワークピース層から剥がすところを示す概略図である。
図8】本発明の例示的な実施形態に係る、介在層の様々な構造を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記載において、説明のために、本発明が完全に理解されるように多数の特定の詳細を記載する。しかしながら、当業者には、本発明がかかる特定の詳細を必要とせずにまたは同等の構成によって実施され得ることが明らかである。
【0012】
本明細書に数値範囲が開示される場合、別段の定めがない限り、そのような範囲は、その範囲の最小値および最大値の両方、ならびに、そのような最小値と最大値との間のすべての値を含む連続的なものである。さらに、範囲が整数に言及する場合、そのような範囲の最小値から最大値までの(最大値を含む)整数のみが含まれる。また、或る特徴または特性を説明するために複数の範囲が提供される場合、そのような範囲を組み合わせることができる。
【0013】
本手順のステップ(1)
「キャリア層、ワークピース層、および、キャリア層とワークピース層との間の介在層からなる接合スタックを用意するステップ」
図1図4に示す実施形態では、接合スタック200が用意、加工および分離される。図1を参照する。介在層208が最初にキャリア層201に接合され、次いで、ワークピース層202が介在層208に接合される。代替的に、介在層208は、最初にワークピース層202に接合され得、次いで、キャリア層201が介在層208に接合される。
【0014】
本発明に係る様々な実施形態において、キャリア層201は、ガラス、シリコン、セラミック、サファイア、石英、ポリシリコン、二酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、(酸)窒化ケイ素、窒化ガリウム(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、炭化ケイ素(SiC)、金属(例えば、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、金、タングステン、タンタル)、低k誘電体、ポリマー誘電体、ならびに、金属窒化物および金属シリサイド等の材料から作られ得る。いくつかの実施形態では、キャリア層の介在層208に対向する表面(以下「接合面」)には前処理、例えば化学的な前処理が施され得、このキャリア層が接合スタック200の用意のために使用される前に2層間の剥離強度を低下してガス噴出による将来的な剥離を容易化する。例えば、機械的剥離に用いられるウェハ仮接合の剥離材料(例えば、ミズーリ州65401所在のBrewer Sciences社のBrewerBond510等)を使用して、キャリア層201が接着層等の介在層208に接合される前にキャリア層201を処理してもよい。
【0015】
本発明に係る様々な実施形態において、ワークピース層202の介在層208に対向する面には、半導体材料(例えば、シリコン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、(酸)窒化ケイ素、窒化ガリウム(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、炭化ケイ素(SiC))、金属(例えば、銅、アルミニウム、金、タングステン、タンタル)、低k誘電体、ポリマー誘電体、ならびに、様々な金属窒化物および金属シリサイドの上にまたはそれらから製造されたマイクロデバイスが備えられ、このマイクロデバイスは、集積回路、微小電気機械システム(MEMS)、マイクロセンサ、パワー半導体、発光ダイオード、フォトニック回路、インタポーザ、埋め込み型受動デバイス、はんだバンプ、金属支柱(metal posts)、金属柱(metal pillars)から選択される。
【0016】
好ましい実施形態では、介在層208の剪断強度は、後の加工ステップ(例えば、ウェハの薄膜化における研削および研磨)において受ける圧力、力および応力に耐える十分な大きさである。剪断強度は、剪断負荷試験装置によって試験可能である。デバイスウェハ202の一部分、および、デバイスウェハ202の上の個々の集積回路ダイの一部分に電気接続し得る問題を防止するために、介在層208が酸化(すなわち燃焼)する場合に介在層208が非導電性の灰分を残すこともまた望ましい。好ましいことに、介在層208は、研削力抵抗、TSVの形成のために必要になる異方性ドライエッチング中の耐熱性、めっき中およびエッチング中の耐薬品性、ならびに、積層スタックの室温または室温に近い温度での円滑な剥離等の要件を同時に満たすことができる。
【0017】
デバイスウェハをワークピース層202の代表例とする。介在層208のワークピース層202への接合は、好ましくは、介在層とワークピース層との間の空隙または気泡の形成の防止に十分な部分真空状態下で行われる。部分真空の圧力は、1000Pa未満であり得、例えば50Pa未満または1Pa未満であり得る。介在層208の厚さは、1μm〜150μmの範囲内であり得る。介在層208の例としては、Micro Materials社(カリフォルニア州93012 カマリロ所在)のZ−Bond510およびZ−Bond520;Brewer Sciences社(ミズーリ州65401所在)のBrewerBond220;Brewer Sciences社(ミズーリ州65401所在)のBrewerBond305;および、Grafix Plastics社(オハイオ州44137所在)のGrafix Cling Film等のPVCフィルムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
接合スタック200の用意は、既知の方法および装置を用いて実行可能である。例えば、Z−BT200ボンダがMicro Materials社(アメリカ合衆国カリフォルニア州カマリロ所在)から市販されており、ウェハの仮接合または永久接合のために使用可能である。Z−BT200のプラットフォームは、SiC接合プレートを有する、150mmと200mmの単一チャンバの半自動ウェハボンダである。好ましくは、スタック200の製造には、力の均一性が±5%未満の10kNまでの接合力が使用される。好ましい実施形態では、ウェハボンダの仕様としては、最高温度が400℃であること、最大真空度が0.00001パスカルであること、0.00001パスカルに達するまでの減圧速度(例えば、オイルフリーの粗引きポンプに加え高真空のためのターボ分子ポンプを用いた減圧速度)が5分未満であること、ガスの再充填時間(gas backfill time)が20秒未満であること、チャンバ内での自動アライメントが50μm未満であること、および、1つのスタックと1つのチャンバの設計で最大6WPHスループットであることが含まれる。
【0019】
例示的な実施形態では、介在層208、ワークピース層202およびキャリア層201が、それぞれ、Z−Bond510、デバイスウェハおよびガラス円板またはガラス板である。Z−Bond510は、ウェハの仮接合に用いられるスピンオンドライフィルム接着剤である。Z−Bond510は、ほとんどの処理化学薬品に耐性があり、かつ、400℃まで熱的に安定である。この接着剤の粘度は最大1000cpsであり、かつ、窒素中で450℃まで熱的に安定である。Z−BT200ボンダの場合、発明の概要におけるステップ(1)は、(1)コーティングする(Z−Bond510をキャリアに500rpmで30秒間スピンコートし、ハードベークしてドライフィルムを形成する)サブステップと;(2)搭載する(キャリアをデバイスウェハの下方に配置するが、これら2層は分離しており未だ互いに接触していない)サブステップと;(3)均熱化する(soaking)(キャリアおよびデバイスウェハが分離している間に両方のプレートまたは層を5分間200℃に加熱し、真空度を0.01Paまで下げる)サブステップと;(4)接合する(キャリアとデバイスウェハとを接触させ、300℃まで温度を上昇させ、8インチのウェハには600kgの力、6インチのウェハには200kgの力を印加する)サブステップと;(5)冷却する(同一の接合力を維持しかつチャンバを再充填してプレートを200℃まで冷却する)サブステップと;(6)仕上げをする(接合スタックを取り外す)サブステップと、を含み得る。
【0020】
本手順のステップ(2)
「ワークピース層を加工するステップ」
次に、ワークピース層202を加工する。ワークピースの加工には、研削、研磨、フォトレジストのスピンコーティング、フォトリソグラフィ、電気めっき、物理蒸着、金属再配線層(metal redistribution layer)の形成、TSVの形成、化学的機械的研磨、エッチング、金属蒸着および誘電体蒸着、パターン形成、パッシベーション、アニーリング、搬送、ならびに、これらの任意の組合せを広く包含可能であることを理解されたい。研削を一例とすると、ワークピースの研削は、光学レンズ、薄型ウェハ、薄型液晶ガラス、薄型水晶ウェハ、薄型金属板、薄型水晶円板、薄型固体膜、薄型固体フィルム、および、薄型固体フィルタ等の薄型製品の用意のために行なわれ得る。
【0021】
デバイスウェハの裏面の研削を「加工」の代表例とする。ワークピースの加工において、介在層208の剪断強度は、好ましくは少なくとも1MPaであり、また、介在層208は、約150℃〜約400℃の範囲の温度では流動しない。薄膜化ステップでは、真空チャックまたは何らかの機械的取付け手段を利用した工作設備を用いて、キャリアウェハ等の層201が所定の位置に保持され得る。機械的な薄膜化は、層202(例えば、デバイスウェハ)の裏面を、液体スラリーを含む硬く平坦な回転水平円盤(rotating horizontal platter)に接触させることによって行われる。スラリーは、アンモニア、フッ化物、または、それらの組合せ等の化学エッチング剤と共に研磨媒体を含有し得る。研磨剤によって、基板が「粗く」(“gross”)除去(すなわち薄膜化)され、その一方でエッチング剤の化学作用によって、サブミクロンレベルでの「研磨」(“polishing”)が容易化される。デバイスウェハは、所定の量のウェハ材料が除去されて目的の厚さが実現されるまで上記媒体に接触した状態に維持される。デバイスウェハは薄膜化された後、キャリア層と介在層とを互いに分離する前に、任意選択的に切断フィルム(すなわちダイシングフィルム)に接合され得る。
【0022】
薄膜化後、一般的にはシリコン貫通ビア(すなわちTSV)といわれるウェハ貫通電気接続が薄膜化したウェハに形成可能である。化学的機械的研磨(CMP)、リソグラフィ、エッチング、蒸着、アニーリング、および、洗浄等のステップを含むTSV形成プロセスを表面に行うこともできることを理解されたい。例えば、エッチングによって表面にビアホールを形成して前面での接触を容易にすることができる。一般的な乾式エッチング技術を使用して厚さが100μm未満のウェハにビアを形成するために、ビアの直径はただ30μm〜70μmのみあればよい。したがって、裏面加工に関して、薄型ウェハはより迅速にかつより安価に加工可能である。
【0023】
本手順のステップ(3)
「スタック内の隣接する2層の間の接合箇所にガスジェットを噴射してこれら隣接する2層を分離または剥離するステップ」
スタック200において、介在層208とキャリア層201とが所謂「隣接する2層」であると同時に、介在層208はワークピース層202とも「隣接する2層」である。図2は、スタック200内の隣接する2層(例えば、介在層208とキャリア層201)を分離または剥離するために使用される剥離装置300の概略図である。装置300は、(i)接合スタック200のワークピース層202を保持することができるプラットフォーム310と;(ii)キャリア層201を保持することができるメカニズム320と;(iii)隣接する2層の間の接合箇所にガスジェットを噴射するためのガスジェット噴射システム330と、を備える。ガスは、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン、または、それらの任意の混合物から選択可能であり、ガスジェットは、パイプ内のガス流を、ノズルを通して放出することにより生成可能である。ガス流の圧力は、2Bar〜10Barの範囲内であり得、ガス流の流量は、10リットル/分〜1000リットル/分の範囲内であり得る。
【0024】
ガスジェットを噴射するステップにおいて、固定されたスタック200の周囲に1〜6つの固定されたノズル350が配置可能であり、接合箇所にガスジェットを吹き付けることができる。図3の他の実施形態では、装置300は、固定されたスタック200を中心にノズルを回転することができ;代替的に、装置300は、固定されたノズルに対してスタック200を回すことができる。ガスジェットは、まず接合箇所に衝撃力を加えて隣接する2層を裂開(tear open)する。その後、これら2層は不完全に分離され、これら2層が完全に分離されるまで、層201および208の結合されていない、または、露出した表面にガスジェットが衝撃力を加え続ける。分離後、キャリア層201は、ガスジェットの「押し上げる」力を借りて介在層208の上方に浮き得る。
【0025】
様々な実施形態において、装置300は分離機340を有してもよく、この分離機340は、プラットフォーム310とメカニズム320とを互いに反対に移動する力を印加することができるため、キャリア層201とワークピース層202とを互いに反対に移動することができる。いくつかの実施形態において、分離機340からの力は、隣接する2層の分離に関与しかつ/または隣接する2層の分離を容易化する。図4を参照する。システム330からのガスジェットが隣接する2層(例えば、介在層208とキャリア層201)の間の接合箇所に噴射されており(すなわち吹き付けられており)、これら2層は分離または剥離されている。
【0026】
デバイスウェハおよび剥離機Z−D200Aを、それぞれ、ワークピース層202および装置300の代表例とする。剥離機Z−D200Aは、Micro Materials社(アメリカ合衆国カリフォルニア州カマリロ所在)から市販されている。剥離機Z−D200Aは、空気噴出による剥離のために使用可能であり、ウェハのキャリアからの剥離は、溶剤処理を必要とせずに室温で1分未満で完遂可能である。剥離機Z−D200A内で具現化されているプラットフォーム310は、ウェハ真空チャックである。薄膜化されたウェハ等のワークピース層202(加工済)は、薄膜化されたウェハとウェハ真空チャックとの間のダイシングテープ(不図示)によってさらに保護され得る。好ましい実施形態では、ウェハ剥離機の仕様としては、150mmと200mmのプラットフォームの半自動のウェハ剥離機であること、室温での剥離、(ガスジェット噴射システム330について)圧縮空気圧が0.7MPa超であること、制御された空気の照準および噴出による自動境界面認識(隣接する接合箇所の認識)、剥離されたキャリアを取り外してカセットに入れるためのアンローダ、剥離スループットが最大100UPHであること、および、任意選択的にウェハ載置部(wafer mount)/テープラミネータが含まれる。
【0027】
典型的な実施形態において、Z−D200Aを使用した剥離の順序では、(1)接合スタック200(例えば、加工された層202を有する接合スタック)が、キャリア層201を上にしてステージに搭載され;(2)キャリア層とデバイスウェハ等のワークピース層とが真空保持で平坦に保たれ、任意選択的に、付加的な保護のためにテープがデバイスウェハに積層され;(3)上述のようにガスまたは空気の噴出によってキャリア層が介在層208から分離され;(4)キャリアウェハまたはガラス等のキャリア層201がキャリアマガジンに搬送され得る。本発明のこれら実施形態は、MEMS、IC、および、CMOS画像センサを3次元で垂直に集積化するための薄型ウェハ取扱いソリューションを提供すること、ならびに、低応力の空気噴出による薄型ウェハの剥離と結び付けた350℃での仮接合のソリューションを提供することに役立つ。剥離機Z−D200A等の装置300の場合、本発明の手順では、剥離プロセス全体を通して薄型ウェハおよび接着剤(介在層208の例)との物理的接触が不要であり、それにより高価なウェハの保護が最大化される。
【0028】
いくつかの任意選択的なサブステップが、ガス噴出前またはガス噴出後に追加され得る。例えば、いくつかの実施形態では、分離または剥離の対象の隣接する2層間の剥離強度を低下するための追加ステップがガス噴出前に実施され得る。図5に示すように、介在層208は、例えば、活性エネルギー線照射、UV光照射、電子線照射、可視光照射、レーザ照射、赤外線照射、熱処理、電界処理、磁界処理、電磁波処理、超音波処理、または、これらの任意の組合せで処理され得る。好ましくは、上記処理後の剥離強度は、ASTM D6862に規定される0.01g/cm〜50.0g/cm、好ましくは0.01g/cm〜10.0g/cm、さらに好ましくは0.01g/cm〜5.0g/cmの範囲まで低下される。特定の実施形態では、介在層208はUV硬化型接着剤から作られており、この層208がUV光で硬化する時、層208の化学的性質が変化する。その結果、UV光によって硬化した接着剤の剥離強度は、後のガス噴出(例えば空気噴出)による剥離プロセスに必要なより低い範囲まで低下する。
【0029】
例示的な実施形態では、本手順には、接合箇所の外周の一部分にガスジェットを噴射する前に、この部分を機械的および/または化学的に粉砕または破壊する追加的なステップが含まれる。例えば、操作者が隣接する2層の接合箇所の外周の一部分をナイフ等の鋭利な道具を使用して切り取ること、または、溶剤を使用して溶解することができる。図6に示すように、隣接する層の接合箇所の、または、隣接する層の一方の外周の一部分(例えば、介在層208の小部分)にガスジェットを噴射する前に、この部分を切り取るためにブレード(不図示)が使用可能である。切り取られた部分が占めていた空間には、さらに多量のガスジェットが受け入れられることができ、それにより2層間の剥離が容易化される。
【0030】
本発明の手順には、ガス噴出後にスタック200内で互いに接合されたまま残る2層を分離する追加的なステップがさらに含まれ得る。図7に示すように、介在層208とキャリア層201との分離後、介在層208とワークピース層202とが互いに接合されたまま残る。層208と層202とは、任意の既知の方法で剥離され得る。好ましい実施形態では、層208の全体がワークピース層202から除去可能である(例えば、物理的に剥がすことができる)。したがって、介在層208が様々な化学的性質の多数の副層によって製造または積層され得るにもかかわらず、介在層208は、上記プロセスにおいて外見上単一の介在部として機能する。介在層208をワークピース層202から除去する際、プラットフォーム310は、ワークピース層202を保持し続けていても、保持し続けなくてもよい。例えば、Z−Bond510フィルムは、プラットフォーム310がデバイスウェハを保持し続ける間にSiおよびガラスの表面から容易に剥がされることができる。
【実施例】
【0031】
図1および図4に示す本発明の第1の実施例では、本手順には、(1)キャリア201に液状接着剤をスピンコートし、この接着剤を硬化してドライフィルム(層208)を形成するステップと;(2)このフィルムの融点を超える温度で力/真空によってウェハ/基板/ガラス等のワークピース層202を接合するステップと;(3)例えば、ワークピース層202の加工後に空気噴出によってこのドライフィルムからキャリア201を剥離するステップと、が含まれる。
【0032】
図1および図4に示す本発明の第2の実施例では、本手順には、(1)キャリア201に(層208として)両面粘着ドライフィルム(dry double side cling film)を積層するステップと;(2)熱/力/真空によって両面粘着ドライフィルムにウェハ/基板/ガラス等のワークピース層202を接合するステップと;(3)例えば、ワークピース層202の加工後に空気噴出によってこの両面粘着ドライフィルムからキャリア201を剥離するステップと、が含まれる。
【0033】
図1図4および図5に示す本発明の第3の実施例では、キャリア層201は透明ガラスであり、本手順には、(1)キャリア201にUV液状感圧接着剤(層208)をスピンコートするステップであって、この感圧接着剤は、濡れたまま乾燥されない、ステップと;(2)力/真空によって感圧接着剤(層208)にウェハ/基板/ガラス等のワークピース層202を接合し、ワークピースを加工するステップと;(3)透明キャリア201を通してUV接着剤(層208)にUV光を照射してこの接着剤を硬化するステップであって、接着層208のキャリア201とワークピース層202とへの接着が十分に低下する、ステップと;(4)空気噴出によってこの硬化した接着層208からキャリア201を剥離するステップと、が含まれる。
【0034】
図1図4図5および図7に示す本発明の第4の実施例では、キャリア層201は透明ガラスであり、本手順には、(1)キャリア201に(層208としての)両面UVテープを積層するステップと;(2)熱/力/真空によって両面UVテープにウェハ/基板/ガラス等のワークピース層202を積層し、ワークピースを加工するステップと;(3)透明キャリア201を通して両面UVテープ(層208)にUV光を照射して両面UVテープの両面を硬化するステップであって、両面UVテープのキャリア201とワークピース層202とへの接着が十分に低下する、ステップと;(4)空気噴出によってこの硬化した両面UVテープからキャリア201を剥離するステップと;(5)図7のように、ワークピース層202から上記硬化した両面UVテープを剥がすステップと、が含まれる。
【0035】
図1および図4に示す本発明の第5の実施例では、本手順には、(1)露出したガラス製またはシリコン製のディスクまたはウェハの接合面にBrewer Sciences社のBrewerBond510(不図示)をスピンコートし、次いで、この接合面を205℃で60秒間ホットプレートベークする(hot plate baking)ことによってキャリア層201を用意するステップと;(2)ウェハ/基板/ガラス等のワークピース層202の接合面にBrewer Sciences社の液状接着剤BrewerBond220をコーティングし、この接着剤を硬化してドライフィルム(層208)を形成するステップと;(3)力/真空によって130℃でワークピース層202とキャリア層201とを接合するステップと;(4)例えば、ワークピース層202の加工後に空気噴出によって上記ドライフィルムからキャリア層201を剥離するステップと、が含まれる。
【0036】
図1および図4に示す本発明の第6の実施例では、本手順は、(1)露出したガラス製またはシリコン製のディスクまたはウェハの接合面にBrewer Sciences社のBrewerBond510(不図示)をスピンコートし、次いで、この接合面を205℃で60秒間ホットプレートベークすることによってキャリア層201を用意するステップと;(2)ウェハ/基板/ガラス等のワークピース層202の接合面にMicro Material社(カリフォルニア州カマリロ所在)の液状接着剤Z−BOND601をコーティングするステップと;(3)力/真空によって150℃でワークピース層202とキャリア層201とを接合し、また、上記液状接着剤を硬化してドライフィルム(層208)を形成するステップと;(4)例えば、ワークピース層202の加工後に空気噴出によって上記ドライフィルムからキャリア層201を剥離するステップと、が含まれる。
【0037】
図8に示すスタック200の仮接合の構造は、概して、薄型デバイスの取扱い、薄型/可撓性基板の製造、薄型半導体ウェハの作製、集積回路の垂直積層、薄型デバイスの品質管理検査、薄型デバイスの移送、および、デバイスの機械的な振動/衝撃からの一時的な保護等に適用可能である。ワークピース層202の例としては、半導体ICウェハ、薄型基板、ガラスウェハ、薄膜化されるガラス片、薄膜化される基板、および、薄膜化が必要な他の物が挙げられる。
【0038】
図8を参照する。(a)内の材料Aを、ワックス、糊、ドライ積層フィルム、粘着性接着剤、液状接着剤、および、スピンオン接着剤(spin-on adhesive)等とすることができる。代替的に、介在層208は、(b)内に示すように積層された3層の副層、または、(c)内に示すように積層された2層の副層から作られ得る。(b)内では、材料Bで作られた第1の副層281がキャリア層201に接合されている。材料Cで作られた第3の副層283がワークピース層202に接合されている。材料Xで作られた第2の副層282が第1の副層281と第3の副層283との間に挟まれており、これら2層に接合されている。材料Xで作られた第2の副層282は、(c)内では省略されている。
【0039】
介在層208は、独立した製品として、多数の既知の押出プロセス((a)の構成用)または共押出プロセス((b)および(c)の構成用)の任意の1つを利用して製造され得る。独立した製品として、介在層208は、層208がキャリア層201および/またはワークピース層202に塗布される直前に、容易に剥がせる2層の剥離フィルムの間に挟まれ得る。
【0040】
様々な実施形態において、材料Aは、層201および202の両方に接合するのに適した粘着性を有する樹脂材料であり得る。一例を挙げると、粘着性を有する材料Aは、2種類以上のモノマーのポリマーであって、第1のモノマーがエチレンを含み、第2のモノマーがアクリレートを含み、上記ポリマーのアクリレート含有量は、上記ポリマーの重量に対して2重量%〜40重量%である。そのようなポリマーは、一般に、エチレンアクリレート(またはEA)ポリマーといわれる。
【0041】
材料A、材料Bおよび材料Cは、互いに独立して、感圧接着剤(PSA)、非感圧接着剤、UV硬化型接着剤、または、それらの組合せから選択可能である。例えば、PSAの架橋結合(好ましくは、キャリアに対する剥離強度を低下する)が、活性エネルギー線硬化、電子線硬化(EBC)、および、UV/Vis硬化によって引き起こされることができる。材料Bおよび材料Cは、化学的に同一であっても、異なっていてもよく、また、これら材料BおよびCの厚さは異なり得る。感圧接着剤の例としては、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤、エチレン酢酸ビニル、ニトリル類、SBC、ビニルアルキルエーテル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミン系接着剤、ウレタン系接着剤、フッ素系接着剤、および、エポキシ系接着剤が挙げられる。これら接着剤は、単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。接着剤は、任意の種類の接着剤であり得る。例えば、エマルジョン型接着剤、溶剤型(溶液型)接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤、熱溶融接着剤(ホットメルト接着剤)、および、他の種類の接着剤が有利に使用される。
【0042】
副層281および283を含む介在層208には、副層281および283の間に材料Xで作られた副層282が必要であり得る。そのような層を用意する方法は、特に限定されず、一例としては、基材または剥離ライナーである材料Xで作られた副層に材料B/Cを塗布(コーティング)し、必要に応じてその製作物を乾燥および/または硬化する方法である。塗布(コーティング)のための任意の既知のコーティング方法が使用可能であり、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、カンマコーター、および、ダイレクトコーター等の従来のコーターが使用可能である。
【0043】
材料Xは、様々な紙等の紙基材;様々な樹脂(例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等)のフィルムおよびシート等のプラスチック基材;ゴムシート等のゴム基材;織布、不織布、フェルトおよび網等の繊維基材;発泡シート等の発泡体;金属箔および金属板等の金属基材;それらの積層フィルム等から選択され得る。材料Xの構成は、単層構成または多層構成であり得る。材料Xの表面には、副層281および283への接着性を改良する必要に応じて、任意の既知のまたは一般的な表面処理(例えば、クロメート処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、または、イオン化放射線処理等の化学的方法または物理的方法による酸化、および、例えばアンダーコート剤によるコーティング処理)を施す。
【0044】
デバイスウェハ202とキャリアウェハ201との分離の効率に関し、接合層のエッチング、分解、分割のためにレーザアブレーション、プラズマエッチング、ウォータージェット、ソーイングまたは切断等を必要とする既知の技術よりも、本発明は有利である。デバイスウェハとキャリアウェハとが介在層208を剥がすことによって容易に分離可能であるからである。本発明は、剥離ステップにおいてより低応力で、接合層の除去においてより効率よく、また、他のパフォーマンス(例:熱安定性、過酷な裏面加工ステップとの両立性、封止によるウェハの前面のバンプの保護、および、前面の欠陥がより少ないこと等)を犠牲にすることなく薄型ウェハの取扱いのパフォーマンスを向上することができる。
【0045】
ここまで、本明細書において、多くの特定の詳細を参照して、本発明の実施形態を説明したが、かかる詳細は実施ごとに変化し得る。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味でとらえられるべきである。本発明の範囲の唯一かつ排他的な指標、および、出願人が本発明の範囲として意図するものは、本願に由来する請求項の字義通りのおよび均等な範囲であって、そのような請求項が生ずるような特定の形式の、後のいかなる補正も含む範囲である。
【0046】
本出願は、「単一介在層を備えるキャリアとワークピースとのスタックおよびその方法」(“Carrier-Workpiece Stack Comprising a Single Interposer Layer and Methods Thereof”)と題された米国仮特許出願第62/245,239号(出願日:2015年10月22日)の利益を主張するものであり、この文書の全開示内容は参照により本明細書に援用される。本出願は、「キャリアとワークピースとの接合スタックの分離方法」(“Method of Separating a Carrier-Workpiece Bonded Stack”)と題された米国特許出願第14/797,124号(出願日:2015年7月11日)の一部継続出願であって、パリ条約に基づく中国特許出願第201510247398.3号(出願日:2015年5月14日)の優先権の利益を主張するものであり、この文書の全開示内容は参照により本明細書に援用される。本出願は、「ワークピースの接合用支持体およびその方法」(“SUPPORT FOR BONDING A WORKPIECE AND METHOD THEREOF”)と題された米国特許出願第14/797,122(出願日:2015年7月11日)の一部継続出願であって、米国特許法第119条(a)およびパリ条約に基づく中国特許出願第201410766550.4号および国際特許出願第PCT/CN2014093716号(両出願の出願日:いずれも2014年12月12日)の優先権の利益を主張するものであり、これら文書の全開示内容は参照により本明細書に援用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8