(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スマート変電所は、スマート変電所全体をモデリング対象とし、変電所配置説明SCDにすべての保護機能の配置情報、測定制御機能の配置情報、交換機能の配置情報、遠隔操作機能の配置情報を直接追加し更新するという集中モデリング方式を採用することを特徴とする請求項1に記載のスマート電力サーバ。
前記スマート変電所のSCDファイルは、前記スマート変電所が計画したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット及び専用機能に基づき作成され、前記スマート変電所のSCDファイルは各前記専用機能の配置情報が定義され、前記専用機能が前記スマート変電所の応用シーンに応じて設定され、
前記測定制御モジュールは、具体的には、測定制御機能の配置情報に定義された測定制御機能と前記伝送ポートとの対応関係に基づき、対応した伝送ポートを介して、指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットからサブスクライブするサンプル値SV/汎用オブジェクト指向変電所イベントGOOSEデータを取得し、前記サブスクライブしたSV/GOOSEデータを処理して、前記指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに接続された一次装置及び指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに対する測定制御を実現し、前記スマート電力サーバのインテリジェント電子デバイス配置説明CIDファイルはSCDファイルに基づき生成され、測定制御機能の配置情報を含み、又は、
前記保護モジュールは、具体的には、保護機能の配置情報に定義された保護機能と前記伝送ポートとの対応関係に基づき、対応した伝送ポートを介して、指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットからサブスクライブするSV/GOOSEデータを取得し、前記サブスクライブしたSV/GOOSEデータを処理して、前記指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに接続された一次装置及び指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに対する保護を実現し、前記スマート電力サーバのCIDファイルはSCDファイルに基づき生成され、保護機能の配置情報を含み、又は、
前記遠隔操作モジュールは、具体的には、遠隔操作機能の配置情報に定義されたレポートブロックコンテンツに基づき、測定制御機能による測定制御過程及び/又は保護機能の保護過程で生じたレポート情報を収集し、前記レポート情報中の前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットのメディアアクセス制御MACアドレスを前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットのネットワークプロトコルIPアドレスに変換し、前記レポート情報を前記ステーションレベル装置に送信し、前記スマート電力サーバのCIDファイルはSCDファイルに基づき生成され、遠隔操作機能の配置情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のスマート電力サーバ。
前記スマート電力サーバのハードウェアプラットフォームは、リアルタイム処理用中央プロセッサチップ、主制御用中央プロセッサチップ、スイッチチップ及びフィールドプログラマブルゲートアレイFPGAアクセスチップを備え、
前記リアルタイム処理用中央プロセッサチップは、主トランス差動保護、主トランスサブ保護、サブ電源自動投入装置、低周波数・低電圧単独運転、ベイレベル・フェールセーフ、主トランス測定制御及び共用測定制御を含むリアルタイムタスクを処理し、
前記主制御用中央プロセッサチップは、遠隔操作機能を含む非リアルタイムタスクを処理し、
前記スイッチチップは、前記フィールドプログラマブルゲートアレイFPGAアクセスチップとプロセスレベル装置とのデータ交換、前記主制御用中央プロセッサチップと前記プロセスレベル装置とのデータ交換、前記プロセスレベル装置同士のデータ交換、ステーションレベル装置同士のデータ交換を実現し、
前記フィールドプログラマブルゲートアレイFPGAアクセスチップは、各前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットから送信されたサンプル値メッセージと汎用オブジェクト指向変電所イベントメッセージをリアルタイムに受信し、受信したメッセージにサンプル値処理又は汎用オブジェクト指向変電所イベント処理を行って前記リアルタイム処理用中央プロセッサチップに伝送して専用機能処理を実現し、前記リアルタイム処理用中央プロセッサチップの処理結果に基づき前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに汎用オブジェクト指向変電所イベントメッセージを送信し、さらに、受信したサンプル値メッセージと汎用オブジェクト指向変電所イベントメッセージを前記スイッチチップにコピーし、前記スイッチチップによりプロセスレベルネットワークに送信することを特徴とする請求項3に記載のスマート電力サーバ。
前記スマート変電所におけるすべてのベイのマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットは、前記フィールドプログラマブルゲートアレイFPGAアクセスチップの伝送ポートに1対1対応するように、いずれも1本の物理リンクのみを介して前記スマート電力サーバの前記フィールドプログラマブルゲートアレイFPGAアクセスチップの伝送ポートにアクセスされることを特徴とする請求項4に記載のスマート電力サーバ。
前記スマート電力サーバは、前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットから送信されたデータメッセージを、前記データメッセージを送信するマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットの所属ベイ、前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット及びメッセージタイプに応じて分類して記憶するための拡張可能マークアップ言語XMLデータベースがさらに設置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスマート電力サーバ。
前記スマート電力サーバは、接続されたインテリジェント一次装置であって、前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット、マージングユニット及びインテリジェント端末を含むインテリジェント一次装置にIPアドレスを割り当て、前記スマート電力サーバは、各前記インテリジェント一次装置のMACアドレスとIPアドレスのマッピング関係が記憶されることを特徴とする請求項3に記載のスマート電力サーバ。
前記遠隔操作モジュールは、さらに、測定制御情報と保護情報を収集する過程で、前記インテリジェント一次装置のMACアドレスとIPアドレスのマッピング関係に基づき、前記測定制御情報と保護情報中のMACアドレスを対応したIPアドレスに置換し、IPアドレスが載せられた測定制御情報と保護情報を前記ワークステーションに伝送することに用いられることを特徴とする請求項7に記載のスマート電力サーバ。
前記スマート電力サーバは、専用機能モジュールとして、事故記録モジュール及びネットワーク分析記録モジュールをさらに備え、及び/又は、前記スマート電力サーバは、地域スケジューリングセンタに接続されるファイアウォールモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のスマート電力サーバ。
前記スマート電力サーバは、事故記録データ、イベント順序記録データ、動作レポートの停電保持機能を提供する停電保持モジュールを備えることを特徴とする請求項9に記載のスマート電力サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面及び実施例を参照して本発明を更に詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではないと理解できる。なお、説明の便宜上、図面は、全内容ではなく、本発明に関連する部分のみを示している。
【0011】
なお、説明の便宜上、図面は、全内容ではなく、本発明に関連する部分のみを示している。例示的な実施例の詳細な説明では、いくつかの例示的な実施例はフローチャートに作成される処理又は方法として説明されると理解すべきである。フローチャートは各操作(又はステップ)が順に実行される処理として説明されるが、そのうちの多くの操作が並行して又は同時に実施されてもよい。また、各操作の順序を変更してもよい。その操作が完了すると、処理を終了してもよく、さらに図面に含まれていないステップを有してもよい。前記処理は方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラム等に対応できる。
本発明の実施例に係るマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットは、マージングユニットとインテリジェント端末を1つの装置に集積したものである。ここで、インテリジェント端末は、インテリジェントエレメントであって、ケーブルを介して一次装置に接続されるとともに、光ファイバーを介して保護や測定制御装置などの二次装置に接続され、一次装置(例えば、遮断器、ナイフスイッチ、主トランスなど)の測定や制御を実行するものである。機能として、上記インテリジェント端末は、回路保護のためにトリップ制御の命令を受けてトリップする機能と、測定制御装置からスイッチのオン・オフ命令を受けてスイッチをオン・オフする機能と、ナイフスイッチの位置に係る信号をアップロードする機能と、温度・湿度に係るデータを収集してアップロードする機能と、を含む様々な機能を実現できる。
【0012】
実施例1
図1は本発明の実施例1に係るスマート変電所の保護制御システムの構造模式図であり、
図2は本発明の実施例1に係るに適用されるスマート変電所の保護制御システムのスマート電力サーバの構造模式図である。
図1に示すように、該スマート変電所は、ワークステーション10、スマート電力サーバ20、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30及びベイ40を備えてもよく、スマート電力サーバ20はワークステーション10に接続される。
【0013】
ここで、スマート変電所におけるすべてのベイのマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30は、いずれもスマート電力サーバ20に直接接続され、各マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットは、いずれも組み込み式高帯域幅交換通信ネットワークを介してスマート電力サーバにおける1つのみの伝送ポートに接続される。スマート電力サーバは、各マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットがいずれも組み込み式高帯域幅交換通信ネットワークを介してスマート電力サーバにおける1つのみの伝送ポートに接続されることにより、プロセスレベルデータをリアルタイムに収集し、収集したプロセスレベルデータにリアルタイムデータ処理を行い、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに接続された一次装置に対するあらゆる保護及び測定制御を実現する。具体的には、組み込み式高帯域幅交換通信ネットワークは、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)バス、フィールドネットワークプロトコル(Internet Protocol、IP)バス、Modbusバス、プロセスフィールドバス(Process Field Bus、Profibus)、ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(Highway Addressable Remote Transducer、HART)バス、FFフィールドバス又は光ファイバーであってもよい。
【0014】
例示的に、各マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30は、いずれも1本の物理リンクのみを介してスマート電力サーバ20における1つのみの伝送ポートに接続される。具体的には、各マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットは、いずれも一対の光ファイバーのみを介して前記スマート電力サーバにおける1つのみの伝送ポートに接続される。スマート電力サーバにおける1つの伝送ポートは、1つの受信ポート及び1つの送信ポートを含み、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットは、1つの光ファイバーを介してスマート電力サーバにおける1つの伝送ポートの受信ポートに接続され、別の光ファイバーを介してスマート電力サーバにおける該伝送ポートの送信ポートに接続される。スマート電力サーバは、1本の物理リンクのみを介してプロセスレベルデータをリアルタイムに収集し、たとえば、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットから送信されたサンプル値(Sampled Value、SV)メッセージ及び汎用オブジェクト指向変電所イベント(Generic Object Oriented Substation Events、GOOSE)メッセージを収集し、リアルタイムに収集したプロセスレベルデータをリアルタイムに処理し、前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに接続された一次装置に対するあらゆる保護及び測定制御を実現する。
【0015】
ベイ40は、主トランスベイ、線路ベイ及びバスベイを備えてもよく、各ベイ40は、少なくとも1つのマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30を備える。
【0016】
図2に示すように、スマート電力サーバ20は、測定制御モジュール201、保護モジュール202、遠隔操作モジュール203及び交換モジュール204を備えてもよく、
測定制御モジュール201は、前記スマート変電所におけるすべてのベイ40のマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30に接続された一次装置、及びマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30に対する測定及び制御を実現し、
ここで、保護モジュール202は、前記スマート変電所におけるすべてのベイ40のマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30に接続された一次装置、及びマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30に対する保護を実現し、
遠隔操作モジュール203は、測定制御過程と保護過程で生じた測定制御情報と保護情報を収集し、ワークステーション10に伝送し、ワークステーション10からの指令に基づき一次装置に対する遠隔操作制御を実行し、
交換モジュール204は、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30とプロセスレベル装置とのデータ交換、スマート電力サーバ20と前記プロセスレベル装置とのデータ交換、スマート電力サーバ20とステーションレベル装置とのデータ交換、前記プロセスレベル装置同士のデータ交換及び前記ステーションレベル装置同士のデータ交換を実現する。
【0017】
例示的に、変電所システムは、プロセスレベルと変電所レベルに分けられる。プロセスレベルにおいて、ベイ40毎にマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30を設置し、1つのベイ40は複数のマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30を含む可能性があり、ベイ40は主トランスベイ、線路ベイ及びバスベイ、たとえば、110KV主トランスベイ、35KV主トランスベイ、10KV主トランスベイ及び110KVPTベイを含んでもよい。また、スマート電力サーバ20は、さらにワークステーション10に接続されてもよく、ワークステーション10がスマート電力サーバ20によって前記スマート変電所の運転を監視し管理するものである。また、ワークステーション10が監視ホストコンピュータであってもよい。具体的には、スマート電力サーバ30とワークステーション10は変電所レベルに位置する。各マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30は、いずれも一対の光ファイバーを介してスマート電力サーバ20に直接接続されて、スマート電力サーバとマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットとの間での双方向伝送を実現する。各マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30は、スマート電力サーバ20において、受信ポートと送信ポートから構成される1つの光ファイバー伝送ポートに対応する。具体的には、スマート電力サーバにおける伝送ポートは、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに1対1対応し、つまり、スマート電力サーバは1つのみの伝送ポートを介して1つのマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに接続され、各マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットは、いずれもスマート電力サーバにおける1つのみの伝送ポートに接続される。
【0018】
また、測定制御モジュール201は、スマート変電所におけるすべてのベイ40のマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30に接続される一次装置、及びマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30に対する測定と制御を実現するようにしてもよい。一次装置は、発電−送電−配電機能を実現する装置、例えば発電機、トランス等であってもよい。具体的には、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30は、マージングユニットとインテリジェント端末を1つのユニットに集積し、マージングユニットのSVメッセージをスマート電力サーバ20に統合的に送信し、同様にインテリジェント端末のGOOSEメッセージをスマート電力サーバ20に統合的に送信する。スマート電力サーバ20の測定制御モジュール201は、様々な位置又は警報情報を含むGOOSE信号が載せられたGOOSEメッセージを受信し、受信したSVメッセージとGOOSEメッセージを処理し、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットにトリップ信号又は制御信号が載せられたGOOSEメッセージを送信し、スマート変電所におけるすべての測定及び制御を実現する。
【0019】
また、保護モジュール202は、スマート変電所におけるすべてのベイ40のマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30に接続された一次装置、及びマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30に対する保護を実現するようにしてもよい。スマート電力サーバ20の保護モジュール202は、スイッチ位置、ナイフスイッチ位置等の保護用GOOSE信号が載せられたGOOSEメッセージを受信し、受信したSVメッセージとGOOSEメッセージを処理し、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに保護スタート信号又はトリップ信号が載せられたGOOSEメッセージを送信し、スマート変電所のすべての保護を実現する。
【0020】
また、遠隔操作モジュール203の動作原理は、スマート電力サーバ20がワークステーション10に接続されるため、スマート電力サーバ20がさらに測定制御過程と保護過程で生じた測定制御情報と保護情報を収集し、ワークステーション10に伝送し、ワークステーション10におけるオペレータが受信した測定制御情報と保護情報に基づき、一次装置の動作状態を判断し、一次装置の動作状態に基づき前記一次装置を制御し、具体的にはスマート電力サーバ20がワークステーション10からの指令に基づき前記一次装置に対する遠隔操作制御を実行し、スマート変電所のすべての遠隔操作機能を実現することであってもよい。
【0021】
更に、スマート電力サーバ20は、接続されたインテリジェント一次装置にIPアドレスを割り当ててもよく、前記インテリジェント一次装置は、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30、マージングユニット及びインテリジェント端末を備えてもよく、スマート電力サーバ20は、各前記インテリジェント一次装置のメディアアクセス制御(Media Access Control、MAC)アドレスとIPアドレスのマッピング関係が記憶される。スマート電力サーバ20は、測定制御情報と保護情報を収集する過程で、インテリジェント一次装置のMACアドレスとIPアドレスのマッピング関係に基づき、前記測定制御情報と保護情報中のMACアドレスを対応したIPアドレスに置換し、前記IPアドレスが載せられた測定制御情報と収集保護情報をワークステーション10に伝送する。
【0022】
変流器、計器用変圧器、操作ボックス及び電気ブレーキ等の装置のMACアドレスを取得できる場合、本発明のスマート電力サーバは、さらに変流器、計器用変圧器、操作ボックス及び電気ブレーキ等の装置にIPアドレスを割り当て、これらの装置のIPアドレスとMACアドレスのマッピング関係を保存するようにしてもよい。
【0023】
例示的に、ワークステーション10がインテリジェント一次装置のIPアドレスを識別でき、スマート電力サーバ20がインテリジェント一次装置のMACアドレスを識別することにより、インテリジェント一次装置の測定制御情報及び保護情報を収集するため、スマート電力サーバ20は、接続されたインテリジェント一次装置に唯一なIPアドレスを割り当て、前記インテリジェント一次装置のMACアドレスとIPアドレスのマッピング関係を記憶し、MACアドレスとIPアドレスのマッピングテーブルを形成し、前記マッピング関係に基づき、測定制御情報と保護情報中のMACアドレスを対応したIPアドレスに置換し、IPアドレスが載せられた測定制御情報と保護情報をワークステーション10に伝送し、ワークステーション10におけるオペレータによって測定制御情報と保護情報のソースアドレスを確認する。本発明の実施例のスマート変電所は、スマート変電所に接続されたインテリジェント一次装置に唯一なIPアドレスを割り当てることにより、スマート変電所のクラウド制御及びクラウドサービスを実現することができ、エネルギービッグデータとエネルギーインターネットの発展に技術的基礎を築く。
【0024】
また、交換モジュール204は、前記スマート変電所のすべての交換機能、具体的にはマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30とプロセスレベル装置とのデータ交換、スマート電力サーバ20とプロセスレベル装置とのデータ交換、スマート電力サーバ20とステーションレベル装置とのデータ交換、プロセスレベル装置同士のデータ交換及びステーションレベル装置同士のデータ交換を実現するようにしてもよい。なお、ステーションレベル装置は、ワークステーションであってもよく、スマート電力サーバ20に接続されてスマート変電所を管理し監視するための装置、たとえば、監視ホストコンピュータ、データサーバであってもよい。
【0025】
本発明の実施例1に係るスマート変電所の保護制御システムに用いるスマート電力サーバでは、スマート電力サーバがスマート変電所におけるすべてのベイのマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに直接接続され、すべてのマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットが一対の光ファイバーを介してスマート電力サーバに接続され、スマート電力サーバ内に測定制御モジュール、保護モジュール、遠隔操作モジュール及び交換モジュールが集積され、それにより、スマート変電所のすべての測定制御機能、保護機能、交換機能及び遠隔操作機能の集積を実現でき、変電所の二次装置の数を減少させ、変電所の占有面積を減少させ、さらに変電所の施工やメンテナンスの難度を低下させ、従来技術では二次装置が多数で、占有面積が大きく、施工やメンテナンスの難度が大きいという技術的問題を解決する。また、スマート電力サーバはマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットと変電所レベルとのデータ交換を統合的に行い、プロセスレベルはネットワーキングが不要であり、変電所レベルはスマート電力サーバのみを有するためネットワーキングが不要である。
【0026】
実施例2
本発明に記載のスマート変電所は、ソフトウェア定義機能の技術により集中モデリングを実現し、従来の変電所の分散型モデリング方式を変更する。具体的には、スマート変電所は、スマート変電所全体をモデリング対象とし、変電所配置説明にすべての保護機能の配置情報、測定制御機能の配置情報、交換機能の配置情報、遠隔操作機能の配置情報を直接追加し更新する集中モデリング方式を採用する。
【0027】
本発明の集中モデリング方式は、変電所のシステム配置説明(System Configuration Description、SCD)ツールが、スマート変電所が計画したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット、及び前記スマート変電所の応用シーンに応じて設定される各専用機能に基づき、前記スマート変電所のSCDファイルを作成し、前記スマート変電所のSCDファイルに前記専用機能の配置情報を設定することである。スマート電力サーバは、前記スマート変電所のSCDファイルに基づきスマート電力サーバのインテリジェント電子デバイス配置説明(Configured IED Description、CID)ファイルを生成する。動作時、スマート電力サーバはスマート電力サーバのCIDファイルを解析し、各専用機能の配置情報を取得し、各専用機能の配置情報及びマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットから送信されたSVメッセージとGOOSEメッセージに基づき、前記スマート変電所のすべての測定制御機能、保護機能、交換機能及び遠隔操作機能を実現する。
【0028】
前記スマート変電所が専用機能を追加し又は更新すると、前記スマート変電所のSCDファイルに、追加又は更新した前記専用機能に関連する配置情報を設定し、前記スマート変電所のSCDファイル内に、追加又は更新した前記専用機能のプロセスレベル仮想端子を関連付ける。
【0029】
測定制御モジュールは、具体的には、測定制御機能のCIDファイルに定義された測定制御機能と前記伝送ポートの対応関係に基づき、対応した伝送ポートを介して、指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットからサブスクライブするSV/GOOSEデータを取得し、サブスクライブしたSV/GOOSEデータを処理して、前記指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに接続された一次装置及び前記指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに対する測定制御を実現する。
【0030】
保護モジュールは、具体的には、保護機能のCIDファイルに定義された保護機能と前記伝送ポートの対応関係に基づき、対応した伝送ポートを介して、指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットからサブスクライブしたSV/GOOSEデータを取得し、サブスクライブしたSV/GOOSEデータを処理して、前記指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに接続された一次装置及び前記指定したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットに対する保護を実現する。
【0031】
遠隔操作モジュールは、具体的には、遠隔操作機能のCIDファイルに定義されたレポートブロックコンテンツに基づき、測定制御機能による測定制御過程及び/又は保護機能による保護過程で生じたレポート情報を収集して、前記レポート情報中の前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットのMACアドレスを前記マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットのIPアドレスに変換し、前記レポート情報をステーションレベル装置に送信する。
【0032】
例示的に、スマート変電所の応用シーンによって、設定する専用機能が異なる。SCDファイルは、2つの方法で作成することができ、その1つの方法として、SCDファイル配置ツールがSCDファイルにおいて各専用機能の配置情報、各マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットの配置情報を直接設定し、プロセスレベル仮想端子を関連付け、スマート変電所のニーズが変化して新たな専用機能を追加し又は既存の専用機能を更新する必要がある時、SCDファイル配置ツールがSCDファイルに、対応した専用機能の配置情報を直接追加又は更新し、前記スマート変電所のSCDファイルに、追加又は更新した前記専用機能のプロセスレベル仮想端子を直接関連付ける。スマート電力サーバは、前記スマート変電所のSCDファイルに基づき前記スマート電力サーバのCIDファイルを生成する。動作時、スマート電力サーバはスマート電力サーバのCIDファイルを解析して、各専用機能の配置情報を取得し、各専用機能の配置情報及びマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットから送信されたSVメッセージとGOOSEメッセージに基づき、前記スマート変電所のすべての保護機能、測定制御機能、交換機能及び遠隔操作機能を実現する。
【0033】
SCDファイルを作成するためのもう1つの方法として、まずスマート電力サーバのインテリジェント電子デバイス機能説明(IED Capability Description、ICD)ファイルを作成し、スマート電力サーバのICDファイルに各専用機能を設定し、次に、SCDファイル配置ツールがスマート電力サーバのICDファイルとマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットのICDファイルに基づきスマート変電所全体のSCDファイルを生成し、SCDファイルにプロセスレベル仮想端子を関連付ける。スマート電力サーバは、前記スマート変電所のSCDファイルに基づき前記スマート電力サーバのCIDファイルを生成する。動作時、スマート電力サーバはスマート電力サーバのCIDファイルを解析して、各専用機能の配置情報を取得し、各専用機能の配置情報及びマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットから送信されたSVメッセージとGOOSEメッセージに基づき、前記スマート変電所のすべての保護機能、測定制御機能、交換機能及び遠隔操作機能を実現する。スマート変電所のニーズが変化して新たな専用機能を追加し又は既存の専用機能を更新する必要がある時、まず、スマート電力サーバのICDファイルに対応した専用機能を追加又は更新し、次に、SCDファイル配置ツールが改めてスマート電力サーバのICDファイルとマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットのICDファイルに基づきスマート変電所全体のSCDファイルを生成し、SCDファイルにプロセスレベル仮想端子を関連付ける。
【0034】
従来技術では、各保護装置、各測定制御装置について個別にモデリングし、それぞれ1つのICDファイルを付与し、次に各装置のICDファイルにSCDツールを導入し、統合的なインスタンス配置を行い、システム全体のSCDファイルを生成する。各装置はさらに専用ツールによりSCDファイル中の自体に関連するコンテンツをローカルにダウンロードしてCIDファイルを形成する。つまり、従来の変電所の分散型モデリング方式は単一の物理装置を追加してから各装置の機能を追加することである。二次装置の数が非常に多いだけでなく、各二次装置のICDファイルを集積してインスタンス化してSCDファイルを生成し、さらに装置メーカーが専用ツールによりSCDファイル中の本装置に関連するコンテンツすなわちCIDファイルを装置内にダウンロードするため、全配置過程が複雑で煩わしい。
【0035】
実施例3
図3は本発明の実施例3に係るスマート変電所の保護制御システムに用いるスマート電力サーバの構造模式図であり、該スマート電力サーバは任意のスマート変電所に適用できる。本実施例は上記実施例を最適化したものである。
図3に示すように、該スマート電力サーバ20は、ハードウェアプラットフォーム301、オペレーティングシステム302及び専用機能モジュール303を備えてもよく、オペレーティングシステム302はハードウェアプラットフォーム301に配置される。
【0036】
図3に示すように、専用機能モジュール303、たとえば、主トランス差動保護モジュール3031、主トランスサブ保護モジュール3032、サブ電源自動投入モジュール3033、低周波数・低電圧単独運転モジュール3034、ベイレベル・フェールセーフ・モジュール3035、主トランス測定制御モジュール3036、共用測定制御モジュール3037、遠隔操作モジュール3038及び交換モジュール3039は、1台のスマート電力サーバ20に集積される。保護機能を実現するためのモジュールは、主トランス差動保護モジュール3031、主トランスサブ保護モジュール3032、サブ電源自動投入モジュール3033、低周波数・低電圧単独運転モジュール3034及びベイレベル・フェールセーフ・モジュール3035を備えてもよく、測定制御タスクを実現するためのモジュールは、主トランス測定制御模3036及び共用測定制御モジュール3037を備えてもよい。
【0037】
また、ハードウェアプラットフォーム301は、リアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011、主制御用中央プロセッサチップ3012、スイッチチップ3013及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field−Programmable Gate Array、FPGA)アクセスチップ3014を備えてもよい。
【0038】
また、オペレーティングシステム302は、リアルタイムソフトウェアインタフェースモジュール3021、非リアルタイムソフトウェアインタフェースモジュール3022、リアルタイム機能処理モジュール3023、非リアルタイム機能処理モジュール3024、ネットワークデータパケット解析モジュール3025及びデータパケット交換管理モジュール3026を備えてもよい。
【0039】
また、専用機能モジュール303は、主トランス差動保護モジュール3031、主トランスサブ保護モジュール3032、サブ電源自動投入モジュール3033、低周波数・低電圧単独運転モジュール3034、ベイレベル・フェールセーフ・モジュール3035、主トランス測定制御モジュール3036、共用測定制御モジュール3037、遠隔操作モジュール3038及び交換モジュール3039を備えてもよい。
【0040】
例示的に、スマート電力サーバ20のハードウェアプラットフォーム301は、スマート電力サーバ20にハードウェアサポートを提供し、完全な機能を実現するために必要なハードウェアアクセス及び計算能力を提供することができる。スマート電力サーバ20のオペレーティングシステム302は、スマート電力サーバ20に組み込み式linuxソフトウェアプラットフォームを提供し、さらに専用機能モジュール303にオペレーティングシステムのサポートを提供することができる。専用機能モジュール303はスマート電力サーバ20に取り付けられて、特定の専用機能を実現するようにしてもよい。
【0041】
更に、ハードウェアプラットフォーム301において、リアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011は、主トランス差動保護、主トランスサブ保護、サブ電源自動投入装置、低周波数・低電圧単独運転、ベイレベル・フェールセーフ、主トランス測定制御及び共用測定制御を含むリアルタイムタスクを処理し、主制御用中央プロセッサチップ3012は、遠隔操作機能を含む非リアルタイムタスクを処理し、スイッチチップ3013は、FPGAアクセスチップ3014とプロセスレベル装置とのデータ交換、主制御用中央プロセッサチップ3012と前記プロセスレベル装置とのデータ交換、前記プロセスレベル装置同士のデータ交換、ステーションレベル装置同士のデータ交換を実現し、FPGAアクセスチップ3014は、各マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30から送信されたSVメッセージとGOOSEメッセージをリアルタイムに受信し、受信したメッセージにSV処理又はGOOSE処理を行ってリアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011に伝送して専用機能処理を実現し、リアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011の処理結果に基づきマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30にGOOSEメッセージを送信する。
【0042】
例示的に、リアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011は、リアルタイム処理用チップとして、GOOSEメッセージとSVメッセージをリアルタイムに受信して分析し、GOOSEメッセージとSVメッセージにリアルタイム演算機能を行い、演算結果に基づきGOOSEメッセージをリアルタイムに生成することができ、リアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011はさらに、FPGAアクセスチップ3014と警報機能チップを管理し、スマート電力サーバ20の停電時にリアルタイムメッセージデータを保存することができる。主制御用中央プロセッサチップ3012は、非リアルタイム処理用チップとして、主制御用プロセッサに用いられて、装置内における各モジュールの管理を実現し、さらに、非リアルタイムソフトウェアの実行を制御し、外部に管理シリアルポート、管理ネットワークポート及びスケジューリングシリアルポートを提供し、スマート電力サーバ20の停電時にリアルタイムレポート情報を保存することができる。スイッチチップ3013は、ステーションレベルスケジューリングインタフェースとして、プロセスレベル装置のアクセス及びデータ交換(プロセスレベル交換タスクインタフェース、プロセスレベルネットワークとの接続)、ステーションレベル装置のアクセス及びデータ交換(ステーションレベル交換タスクインタフェース、ステーションレベルネットワークとの接続)、装置内部のFPGAアクセスチップ3014とプロセスレベル装置とのデータ交換、主制御用中央プロセッサチップ3012とスマート電力サーバ20の外部装置とのデータ交換を実現することができる。主制御用中央プロセッサチップ3012の処理結果を、メッセージの形式でステーションレベル装置に送信する。また、外部装置は、プロセスレベル装置、ベイレベル装置及びステーションレベル装置であってもよい。プロセスレベル装置はマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30、事故記録及び記録分析システムであってもよい。FPGAアクセスチップ3014は、外部にマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30にアクセスするためのファストイーサネット(登録商標)光ポート(マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットのタスクインタフェース)を16個提供し、さらにプロセスレベルにおけるイーサネットデータリアルタイムアクセス処理モジュールとして、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30から送信されたGOOSEとSVメッセージをリアルタイムに受信してメッセージコンテンツを抽出し、抽出したメッセージコンテンツを2個のギガビットイーサネットポートを介してリアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011に送信してリアルタイムデータ処理を行い、さらに、リアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011の計算結果に基づきGOOSEメッセージを送信し、GOOSEメッセージを16個のファストイーサネット光ポートを介して対応したマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30に送信し、さらに配置に応じて、受信したGOOSEとSVメッセージ及び送信したGOOSEメッセージを交換モジュールにコピーし、交換モジュールにより事故記録装置及び分析記録装置等のプロセスレベル装置に送信することができる。FPGAアクセスチップ3014に警報装置がさらに外付けされてもよい。
【0043】
また、
図4に示すように、ハードウェアプラットフォーム301はリアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011、主制御用中央プロセッサチップ3012、スイッチチップ3013及びFPGAアクセスチップ3014からなり、リアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011、主制御用中央プロセッサチップ3012及びFPGAアクセスチップ3014は接続ケーブルを介して接続され、主制御用中央プロセッサチップ3012とFPGAアクセスチップ3014は、さらにスイッチチップ3013にそれぞれ接続されるようにしてもよい。ハードウェアプラットフォーム201はさらにクロックリセット・オンボード電源モジュール3015とインタフェースモジュール3016を備えてもよく、クロックリセット・オンボード電源モジュール3015とインタフェースモジュール3016は、それぞれ主制御用中央プロセッサチップ3012に接続される。具体的には、クロックリセット・オンボード電源モジュールは、スマート変電所の各モジュール及びチップのリセットを実現し、ハードウェアプラットフォーム301内における各機能モジュールに基準クロックを提供し、イーサネットと1588の同期化機能を実現し、12V電源からハードウェアプラットフォーム301の各チップに必要な電源に対する変換を実現し、システム状態の監視及び電源状態の監視を行う。インタフェースモジュールはフォトカプラの入力出力インタフェース、リレーのドライ接点入力出力、100BASE−FXと1000BASE−XSFPのインタフェース、RJ45インタフェースの信号遮断及び保護、RS232インタフェースのレベル変換を実現する。
【0044】
また、リアルタイム処理用中央プロセッサチップ3011と主制御用中央プロセッサチップ3012として、Freescale社のT1040高性能マルチコアプロセッサチップを使用してもよい。
【0045】
さらに、オペレーティングシステム302において、リアルタイムソフトウェアインタフェースモジュール3021と非リアルタイムソフトウェアインタフェースモジュール3022は、各専用機能モジュール303にデータインタフェースを提供し、リアルタイム機能処理モジュール3023と非リアルタイム機能処理モジュール3024は、ソフトウェア定義方式により各専用機能モジュール303に対応した処理ポリシーを設定し、リアルタイム機能処理モジュール3023は、さらに浮動小数点演算処理、GOOSE及びSVメッセージ処理を行い、ネットワークデータパケット解析モジュール3025及びデータパケット交換管理モジュール3026はGOOSEメッセージ及びSVメッセージを解析して生成したGOOSEメッセージを解析する。
【0046】
また、オペレーティングシステム302は、リアルタイムlinuxプラットフォームモジュールと、セキュリティ特性モジュールと、装置及びネットワーク管理モジュールと、を備えてもよい。
【0047】
更に、専用機能モジュール303において、主トランス差動保護モジュール3031は、一次装置を電流不均衡の影響に起因する保護誤動作から保護し、主トランスサブ保護モジュール3032は、主トランス差動保護が故障して動作しない場合、サブ保護により一次装置を保護し、サブ電源自動投入モジュール3033は、交流連続サンプリング方式により信号を収集してフーリエ法演算をリアルタイムに行い、電源状態を正確に判断し、電源の時延切換を実施し、低周波数・低電圧単独運転モジュール3034は、発電機の出力が不十分又はシステムの容量が小さい時、二次側負荷を切断し、主要負荷の安全動作を確保し、発電機の円滑な動作を確保し、ベイレベル・フェールセーフ・モジュール3035はスマート電力サーバ20とスマート変電所の監視ネットワークに依存し、スマート電力サーバ20において、管理ソフトウェアを介して、コンピュータ・フェールセーフ・システムのフェールセーフ・ロジックに従ってロックロジックをスマート電力サーバ20にインストールしてスマート電力サーバ20の動作のロジック・フェールセーフ機能を実現し、具体的には、フェールセーフ機能とは、(1)ブレカーの誤動作を防止すること、(2)負荷状態での断路器の誤動作を防止すること、(3)導通状態での接地線(接地ナイフスイッチ)の導通/遮断を防止すること、(4)接地線(接地ナイフスイッチ)導通状態でのブレカー(断路器)の導通を防止すること、(5)作業者が誤って導通状態のセルに入ることを防止すること、を含む。主トランス測定制御モジュール3036は、メッセージコンテンツに基づき対応した主トランス測定制御処理ポリシーをマッチングし、マッチングした主トランス測定制御処理ポリシーに従ってメッセージを処理することができ、共用測定制御モジュール3037はメッセージコンテンツに基づき対応した主共用測定制御処理ポリシーをマッチングし、マッチングした共用測定制御処理ポリシーに従ってメッセージを処理することができ、遠隔操作モジュール3038は一次装置に対する遠隔操作制御、スマート変電所のすべての遠隔操作タスクを実現することができ、交換モジュール3039はスマート変電所のすべての交換機能、たとえば、スマート電力サーバ20とプロセスレベル装置とのデータ交換、プロセスレベル装置同士のデータ交換、ステーションレベル装置同士のデータ交換を実現することができる。
【0048】
また、スマート電力サーバ20は、専用機能モジュールとして、事故記録モジュール及びネットワーク分析記録モジュールをさらに備え、及び/又は、スマート電力サーバ20は、地域スケジューリングセンタに接続されるファイアウォールモジュールを備えるようにしてもよい。
【0049】
例示的に、事故記録モジュールは、スマート変電所システムが故障する時、故障前、故障後の各種電力の変化状況を自動的かつ正確に記録することができ、事故記録モジュールは、一次装置が故障する時、故障前、故障後の各種電力の変化状況をもって、メンテナンス作業者が故障発生時の一次装置の動作状況を把握し、メンテナンス作業者がメンテナンス作業をタイムリーに行うことに寄与する。
【0050】
例示的に、ネットワーク分析記録モジュールは、一次装置の動作状態を自動的に分析して記録し、一次装置の状態パラメータを取得することができ、操作者はネットワーク分析記録機能を利用して一次装置の動作状況をタイムリーに把握し、発生する可能性のある故障を予め判定し、タイムリーに解決する。
【0051】
例示的に、ファイアウォールモジュールは、エクストラネットによる攻撃を防止し、スマート電力サーバをエクストラネットによる攻撃から守ることができる。更に、前記地域スケジューリングセンタは地級スケジューリング機構、県級スケジューリング機構又は第四級スケジューリング機構であってもよい。
【0052】
また、スマート電力サーバ20はさらに、事故記録データ、イベント順序記録データ及び動作レポートの停電保持機能を提供することに用いられる停電保持モジュールを備えてもよい。
【0053】
例示的に、サーバの動作過程で、異常状況によって急に停電する可能性があり、事故記録モジュールの記録過程におけるデータ損失を防止するために、停電保持モジュールは停電の場合に、事故記録データとイベント順序記録データを保存する。同様に、専用機能モジュール303の動作過程で、ステーションレベル装置に動作イベントを報告し、停電前の動作レポートデータの損失を回避するために、停電保持モジュールは停電の場合、動作レポートデータを保存する。
【0054】
本実施例に係るスマート変電所の保護制御システムに用いるスマート電力サーバは、ハードウェアプラットフォームにオペレーティングシステムを配置し、オペレーティングシステムにより専用機能モジュールに処理ポリシーを提供することによって、各種の専用機能の処理速度を高めることができ、さらにすべての専用機能を揃えてスマート電力サーバ上にモデリングすることができ、従って、モデリング方式が簡単であり、変電所システム全体のモデリング能力を向上させ、また、スマート電力サーバの専用機能をモジュール化し、スマート変電所のすべての測定制御機能、保護機能、交換機能及び遠隔操作機能を集積し、更に変電所技術の継続発展に応じてスマート電力サーバの機能をアップグレードする時、スマート電力サーバの変更をできるだけ減少させ、アップグレード時間を短縮させ、アップグレード複雑度を低下させる。
【0055】
また、前記スマート変電所におけるすべてのベイのマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30は、いずれもスマート電力サーバ20のFPGAアクセスチップの対応した伝送ポートに1対1対応してアクセスされてもよい。マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30とスマート電力サーバ20との間におけるメッセージ伝送は、FPGAアクセスチップにより提供される伝送ポートによって実現され、メッセージの送受信過程における時間遅延を短縮させ、メッセージ伝送のリアルタイム性を向上させる。
【0056】
また、スマート電力サーバ20は、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30から送信されたデータメッセージを、前記データメッセージを送信するマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30の所属のベイ40、マージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30及び前記データメッセージのメッセージタイプに応じて分類して記憶するための拡張可能マークアップ言語(Extensible Markup Language、XML)データベースがさらに設置されてもよい。
【0057】
例示的に、XMLデータベースのドキュメントツリーにおいて、第一階層ノードはベイ40であり、第一階層ノードに接続される第二階層ノードはベイ40におけるマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30であり、第二階層ノードに接続される第三階層ノードはマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニット30から送信されたメッセージのすべてのメッセージタイプであり、SVメッセージ及びGOOSEメッセージを含む。メッセージのソースアドレスを解析することにより、メッセージ送信者の所属ベイ及び送信者としてのマージングユニット・インテリジェント端末一体化ユニットを決定できる。XMLデータベースはノードタイプに応じて分類して記憶し、事故記録機能とネットワーク分析記録機能にサポートを提供する。
【0058】
なお、以上、本発明の好ましい実施例及びその技術的原理のみを説明した。当業者であれば、本発明は上記特定実施例に限定されるものではなく、本発明の保護範囲を逸脱せずに、各種の明らかな変更、変形や置換を行うことができると理解できる。従って、上記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の発想を逸脱せずに、より多くの等価実施例を含んでもよく、本発明の範囲は添付される特許請求の範囲に決められる。