(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6360151
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】圧縮によるサンプルペレットの調製
(51)【国際特許分類】
G01N 23/223 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
G01N23/223
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-505849(P2016-505849)
(86)(22)【出願日】2014年4月4日
(65)【公表番号】特表2016-517958(P2016-517958A)
(43)【公表日】2016年6月20日
(86)【国際出願番号】EP2014056867
(87)【国際公開番号】WO2014162002
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2016年11月8日
(31)【優先権主張番号】13162472.8
(32)【優先日】2013年4月5日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13165326.3
(32)【優先日】2013年4月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503310327
【氏名又は名称】マルバーン パナリティカル ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】キャンプベル,イアン
(72)【発明者】
【氏名】ガードリンスキー,ホセ エドゥアルド フェレイラ ダ コスタ
【審査官】
佐藤 仁美
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−235688(JP,A)
【文献】
特開平01−068646(JP,A)
【文献】
特開昭56−061637(JP,A)
【文献】
特開2007−127453(JP,A)
【文献】
米国特許第06242392(US,B1)
【文献】
Eva Margui, and Ignacio Queralt,Sample Preperation for X-ray Fluorescence Analysis,Encyclopedia of Analytical Chemistry,2009年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01J 1/00−99/00、
A23C 1/00−23/00、
G01N 1/00− 1/36、21/00−21/01、
21/17−21/61、23/00−23/227
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牛乳または乳製品のサンプルを調製する方法であって、前記方法は、以下:
結合剤を前記サンプルに添加し、前記結合剤は、内容物を結合させるための結合添加剤を含むステップ;
前記サンプルを均質化するステップ;および
前記均質化されたサンプルおよび結合添加剤をペレットに圧縮するステップ、
を含み、
前記結合添加剤が、活性炭を含む、
方法。
【請求項2】
前記結合添加剤が、グラファイトを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合剤が、ワックスをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ワックスが、微粒化されたワックスである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ワックスの量が、前記サンプルおよび前記結合剤の全重量に基づき、30重量%〜65重量%である、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
ペレットに圧縮する前記ステップを、2トン/cm2より大きな圧力で行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
均質化する前記ステップを、ミル中で行う、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
結合剤の量が、前記サンプルおよび結合剤の全重量の2重量%〜20重量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
結合剤の量が、前記サンプルおよび結合剤の全重量の6重量%〜15重量%である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
以下:
請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により、脂肪を含むサンプルを調製するステップ;
蛍光X線装置中に前記ペレットを導入するステップ;および
前記ペレットのX線スペクトルを得るステップ、
を含む、蛍光X線を行う方法。
【請求項11】
前記サンプルが、乾燥粉末乳製品サンプルである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記サンプルが、動物のエサ、栄養補助食品、または加工されたヒトの食糧である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、例えば、乳製品サンプル(dairy sample)の調製などを含む、例えば、蛍光X線分析(XRF)などのための、圧縮することによる、サンプルの調製に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
サンプルの測定をすることには、しばしば測定のために何らかの方法で前記サンプルを調製することが含まれる。完全に均質ではないサンプルについては、分解および混合のとある形態が、前記サンプルにわたるバリエーションを回避するための必要であり得る。さらに、前記サンプルを、正確な形状のサンプル形状に形成することが必要であり得る。
特に、サンプルを、分析のためにペレットに圧縮し得る。
【0003】
牛乳は、異なる画分のミネラル元素(mineral element)を含む(Rinaldoni et al,“Analytic determinations of mineral content by XRF,ICP and EEA in ultrafiltered milk and yoghurt”,Latin American Applied Research,Volume 39,第113〜118頁,2009)。これらの構成成分は、タンパク質、脂肪および糖に関連する相であると考えられ得る。
【0004】
(例えば、10%より多いなどの)比較的高い脂肪含有量を有するサンプルが、ペレットに加工される場合には、圧縮ステップの間の、例えば、3〜5トン/cm
2(3〜5×10
12Pa)などより高い圧力の適用により、前記脂肪が前記サンプルから押し出されることが引き起こされ得る。これは、正確な測定を不可能にする。しかしながら、より低い脂肪含有量を有するサンプルは、ペレット製造プロセスに耐えられる十分な完全性(integrity)を有する安定的なペレットを形成するために、より大きな圧力を必要とし得る。これらの問題は、特に、10%より高いかまたは低いもののいずれかである脂肪レベルを有し得、これにより、前記サンプルの組成に基づく、異なる圧力の範囲を必要とする、酪農製品(dairy product)に関連する。
【0005】
同様の効果が、加圧下で移動し得る、他の構成成分を有するサンプルについて観察され得る。かかる構成成分には、油、水分、タンパク質、または他の生物材料が含まれ得る。混合されたサンプル内での構成成分の移動により、前記移動性構成成分の分離または単に不均質性がもたらされ得、これは、前記サンプルの測定を行う場合に、乏しい再現性または非再現性を与える。
【0006】
圧縮されたサンプルを、例えば、蛍光X線測定などのために使用し得る。
脂肪を含む乳製品サンプルのXRF測定に対する従来のアプローチは、Pashkowa、「X−ray fluorescence determination of element contents in milk and dairy products」,Food Anal.Methods(2009)2.303〜310」において提供される。これは、4gの重量の、40mmの直径を有する、粉乳ペレットを、2〜8トンの液圧プレスでの圧力を使用して調製することを記載する。より低い圧力が、高い脂肪含有量を有するサンプルに使用され、より高い圧力が、より低い脂肪含有量を有するサンプルに使用された。さらに、圧力>2トンで圧縮される場合には、脂肪含有量>10%を有する粉乳サンプルが、脂肪を押し出すであろうことが十分に記載されている。
【0007】
しかしながら、異なるサンプルについて異なるプロセスを使用することは困難をもたらし、その理由は、異なる方法を使用して結果を得る場合には、結果を直接比較することが困難であるためである。異なる方法を使用して得られた結果を比較することにより、予測不可能な結果をもたらし得る。これは、特に、前記ペレットの調製の間に高度に成形される、低密度サンプルについての場合である。異なる圧力により、異なる結果が導かれ得る。
【0008】
したがって、サンプルに、特に、粉末形態の、特に乳製品サンプルに適用され得る、サンプル調製の改善された方法についての必要性がある。同様の問題が、例えば、他のタイプのヒトの食糧、動物のエサ、および栄養補助食品などの、他の製品において生じ得る。
【0009】
前記サンプルが混合されていない場合には、不均質性が乏しい再現性をもたらすであろう蛍光X線の結果(X−ray fluorescence results)にバリエーションをもたらすであろうことにより、良好な程度の均質性が要求される。
【発明の概要】
【0010】
発明の要約
本発明の第1の側面によれば、請求項1に記載の、サンプルを調製する方法が提供される。
【0011】
移動し得る前記構成成分は、脂肪、水分、タンパク質、油、圧力により乱され、移動性となるあらゆる相などであり得、添加剤は、その構成成分を結合させるための結合添加剤(binding agent)であり得る。前記添加剤は、活性炭、または例えば、活性アルミナなどの代替的材料を含み得る。
【0012】
特定の実施形態において、前記添加剤は、特に、脂肪を結合させるための脂肪結合添加剤(fat−binding agent)であり得る。脂肪結合添加剤は、前記サンプルおよび結合剤が圧縮される際に、その分離のすぐ近くで前記脂肪に結合する脂肪結合添加剤が好ましい。前記脂肪結合添加剤は、活性炭、または例えば、活性アルミナなどの同様に作用する化合物であり得る。
【0013】
上記の結合剤は、ワックスを、例えば、微粒化された(micronized)ワックスなどをさらに含んでもよい。ワックスの量は、所望のサンプルペレットの物理的要件により、変化してもよい。
ペレットに圧縮するステップを、5トン/cm
2を超える圧力で行ってもよい。本発明の実施形態の特定の利益は、前記脂肪結合添加剤が、同一のプロセスが、種々の量の脂肪について行われ得ることを意味するものであることである。
【0014】
粉砕および混合のステップを、ミキサーミル(mixer−mill)中で行ってもよい。代替的に、別々の粉砕および混合ステップを行い、均質化および前記添加剤の徹底した混合を達成し得る。
【0015】
結合剤の量は、サンプル特性により変化し、よって、前記サンプルおよび結合剤の全重量に基づく重量画分を表すことができ、好ましくは、結合剤の量は、前記サンプルおよび結合剤の全重量に基づき、6重量%〜15重量%である。
【0016】
前記サンプルは、乾燥粉末乳製品サンプルであり得るが、また、上記の添加剤からの利益をもたらし得るあらゆるサンプルタイプであり得る。特に、乾燥粉末乳製品サンプルと同様に、前記サンプルは、動物のエサ、栄養補助食品、または加工されたヒトの食糧であり得る。
本発明はまた、上記で検討されたとおりの、サンプルを調製することを含む、XRF測定を行う方法に関する。
図面の簡単な説明
本発明のより良好な理解のために、純粋な例の意味で、以下に説明する添付の図面を参照して、実施形態をここで記載する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、活性炭で調製したペレットおよび活性炭なしで調製したペレットの顕微鏡写真であり;
【
図2】
図2は、ミル−ミキサー(miller−mixer)の使用により、またはミル−ミキサーを使用せずに調製されたペレットを例示する顕微鏡写真であり;
【
図3】
図3は、比較例により調製されたサンプルの写真であり;
【
図4】
図4は、本発明の実施形態により調製されたサンプルの写真である。
【0018】
詳細な説明
乳製品粉末サンプル(dairy powder sample)および他の類似のサンプルを、試験のために使用した。いくつかのサンプルの小規模(small−scale)不均質性を考慮し、全ての脂肪含有量について適用可能なサンプル調製法をターゲットとした一方で、可能な最良の再現性結果を提供する。
【0019】
前記方法は、脂肪を含むサンプルでの使用について記載されるが、前記方法はまた、分離し得るかまたはそうでなければ異質となり得る、他の類似の含有物を含むサンプルに適用可能である。かかるサンプルには、動物のエサ、栄養補助食品または加工されたヒトの食糧が含まれ得る。
【0020】
均質化ステップにおける前記サンプルを均質化することを、ミルを使用して行い、前記サンプルを均質化させ、混合して、すりつぶした。代替的手配(arrangement)において、簡易ミキサーを使用してもよく、または代替的にマルチステッププロセスを、例えば、別々のサンプル調製および混合装置などにより使用してもよい。
【0021】
前記脂肪を結合させるために、特定の実施形態の前記方法は、前記サンプルが圧縮されてペレットを形成する際に分離し得る脂肪を結合させるための添加剤を使用する。好ましくは、前記サンプルが圧縮され、前記脂肪が分離する場合には、前記脂肪はそのすぐ近くで結合されなければならない。
【0022】
多くの添加剤が試験され、活性炭が最良の脂肪結合特性を提供したことが、視覚的な検査およびまたXRF測定から観察された。活性アルミナは、代替物である。試験された他の物質には、ホウ酸、異なるグレードのセルロース、スターチ、ヘキストワックス(Hoechst wax)、およびそれらの混合物が含まれた。
【0023】
理論に縛られることを希望しないが、前記活性炭は、その極めて高い表面積、吸着能力、化学的および物理的結合特性により、脂肪性サンプル(fatty sample)が、脂肪を顕著に押し出すことなく、10トン/cm
2という高い圧力で安定的なペレットに圧縮することを可能にしたと考えられる。特に、5%の活性炭の添加により、良好な結果が得られた。
【0024】
比較することにより、活性炭を使用することなく、脂肪性初期処方サンプル(fatty infant formula sample)は、5トン/cm
2で圧縮される場合には、脂肪を押し出すことにより完全に湿っている。
前記サンプル調製の再現性をさらに改善するためのステップにおいて、添加剤の混合物を試験し、活性炭およびワックスの使用により、純粋な活性炭よりなおより良好な結果となることが観察された。
【0025】
これを例示するために、
図1は、上部左に当初の粉乳製品および上部右にすりつぶされた後の粉乳製品を示す。下部左の画像は、活性炭と混合された前記粉乳製品を例示し、下部右の画像は、活性炭と混合された前記粉乳製品を例示する。極めて脂肪性であるサンプルの効率的なすりつぶしが、均質性の結果的な増加により明らかである。
【0026】
図2は、上部に示される、均質化後に10トン/cm
2で圧縮された、脂肪性初期処方物および活性炭(5%)の圧縮されたペレットの断面、および下部に示される、手動で均質化されたペレットの比較断面間の比較を示す。均質化された前記ペレットの滑らかな表面およびそのよりクリーンな切断部、ならびにより少量の乳顆粒(milk granule)(白色点)が認められる。
【0027】
脂肪結合剤としての純粋な活性炭の使用は、極めて効率的ではあるが、ペレットが機械的に安定的ではなかったので、極めて低脂肪製品から前記ペレットを製造する場合には、問題であることが証明された。これに対処するため、カーボンおよびワックスの混合物を、前記結合剤として使用した。
【0028】
図3および4は、26%の脂肪のサンプルを使用して得られた結果を示す。
図3は、わずか5トンで圧縮された比較例を示し、白色サンプルは、添加剤なしで単に混合されたものである。
図3における他の柱体は、圧縮からのダイ構成要素(die component from the press)である。これらの低圧力においても脂肪を分離することにより、脂肪性液滴および光沢が生じたことを見て取ることができる。
図4は、本発明の1対のサンプルを示す。左側のサンプルは、単に手でブレンドされたものであり、右側のサンプルは、粉砕されたものである。両方の場合において、活性炭およびワックスの結合剤を、上記で検討したとおりに使用した。両方のサンプルは、脂肪性光沢の回避を示す。粉砕することにより引き起こされた改善は、右側のサンプル中の粒の不在により見て取ることができる。
【0029】
ペレットは、上記に記載したとおり形成され、タイプ「E3−XL」のPanalytical XRF分光計において試験された。多くの元素、すなわち、Ca、Cl、Cu、Fe、K、Mg、Mn、Na、P、SおよびZnの量を試験した。種々の元素の百万分の一に対して毎秒のカウントの校正プロットを得た。良好な校正が達成され、すなわち、前記元素の既知の濃度が、試験された、広範なサンプルを考慮する、測定されたカウントとの高い相関性を有した。
【0030】
前記校正されたXRF装置を、次いで使用して、スキムミルク粉末および高脂肪初期処方牛乳の広範なサンプルを測定した。全てしっかりと混合され、最大均質性を確保した。
【0031】
比較として、比較例の代替的サンプル調製法を使用した。前記比較例は、スキムミルクについては10トン/cm
2でおよび脂肪性初期処方物については3トン/cm
2で前記製品の直接圧縮を使用した。
本発明の前記サンプルを実施し、相対標準偏差を、元素の範囲について計算した。
【0032】
表1は、単にペレットに圧縮されたスキムミルク粉末を使用した比較例の10回の繰り返しについて(上部10個のライン)および上記に記載したとおりのレシピを使用して調製されたサンプルを使用した同一のスキムミルク粉末の10回の繰り返しについてのシステム再現性値(the system repeatability value)を示す。前記システム再現性は、同一のサンプルを使用した測定の再現性であることに留意しなければならない。
【0033】
【表1】
【表2】
【0034】
表2は、単にペレットに圧縮されたスキムミルク粉末を使用した比較例の10回の繰り返しについて(上部10個のライン)および本発明を使用する同一のスキムミルク粉末の10回の繰り返しについての方法再現性値(the method repeatability value)を示す。前記方法再現性は、同一の2回の手順を使用した実験全体を繰り返すものであることに留意しなければならない。
【0035】
表3は、単にペレットに圧縮された高脂肪初期処方サンプル(26%脂肪)を使用した比較例の10回の繰り返しについて(上部10個のライン)および本発明を使用する例の10回の繰り返しについての方法再現性値を示す。前記方法再現性は、同一の2回の手順を使用した実験全体を繰り返すものであることに留意しなければならない。
【0036】
手短には、表2および3における%で表された相対標準偏差の比較は、上半分(前記比較例)と比較した、前記表の下半分(本発明の方法)についてのより良好な結果を示す。これは、特に表3についての場合であり、これは、本発明の方法が、かかるサンプルの取り扱いにおいてうまくいくことを示す、高脂肪サンプルである。。
【0037】
測定の良好な再現性が、Ca、Cl、K、Mg、Na、P、SおよびZnについて得られた。
表2に例示された前記低脂肪サンプル(スキムミルク)について、比較的乏しい結果がCuについて得られたが、前記方法の検出限界に近い、Cuの濃度が極めて低いという事実から、比較例より良好に本発明を使用した。
【0038】
FeおよびMnについての結果もまた表2において乏しいものであり、また検出限界より低いものであった。Mnの場合には、例えば、負の数が、表2において比較例について得られたことなどに留意しなければならない。Feについては有用な結果は、表2の比較例を使用して得られなかった。しかしながら、Feは、表2の本発明の前記レシピを使用する、再現可能な結果を与えた。
【0039】
表3については、この場合に、すなわち、前記高脂肪サンプルについて、FeおよびCuの合理的な値が得られたことは、注目に値すべきである。前記表の下半分における本発明の前記レシピの使用により、例えば、CaおよびClなどについての再現性が増加し、それぞれ8.2倍および6.3倍に前記再現性が改善された。
【0040】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0041】
よって、前記脂肪結合剤の使用により、圧縮の間の脂肪移動が回避されること、および前記サンプルの均質性が、使用した前記混合プロセスにより改善されることが明らかである。したがって、サンプルを調製する前記方法は、脂肪の、例えば、異なる脂肪濃度の粉乳などの種々の量を含むサンプル中の種々の元素の測定を改善する。したがって、同様の方法を、広範に変化する脂肪濃度の粉乳に使用し、再現性、信頼性および比較の正確性を改善し得る。
【0042】
当業者は、変形および添加が本発明になされてもよいことを十分に理解するであろう。
上記で提示した実施形態は、全て活性炭を使用する。しかしながら、本発明は、微粉末化されたグラファイトによっても肯定的な結果を達成した。
図5は、16%の脂肪を含む乳製品サンプルの圧縮されたペレットの写真である。前記サンプルは、脂肪の押し出しの結果として極度に湿っている。
【0043】
図6は、
図5におけるものと同じ乳製品サンプルの圧縮されたペレットの写真であるが、粉末化されたグラファイトおよびワックスの混合物と共に圧縮されたものである。前記写真は、最小の脂肪の押し出しを示す。よって、提示された前記データは、粉末化されたグラファイトを、活性炭の代わりに使用することができることを実証する。さらに、
図6の前記圧縮されたペレットにより、前記グラファイトおよびワックス添加剤なしの
図5の前記圧縮されたペレットより再現性の高いXRFの結果が与えられた。
【0044】
我々は、16%の脂肪を含む、前記圧縮された乳製品ペレットの5つのサンプルにより調製されたデータをさらに添付する。表4は、単にペレットに圧縮された5つのサンプル(表の上半分)、およびワックスおよびグラファイト粉末と混合され、ペレットに圧縮された5つのサンプル(表の下半分)に関する。
【0045】
【表7】
【表8】
【0046】
この場合には、ワックスおよびグラファイトから構成される、安定化結合剤(stabilizing binder)での均質化の使用による、(Znを除く)全ての元素についての再現性(より低い標準偏差値)の増加に留意しなければならない。これは、表4の最終行に提示された、前記方法を使用する標準偏差改善の比により表される。1より上の数は、本発明の実施形態を使用した改善を表す。
【0047】
ワックスおよびグラファイトの前記安定化結合剤を使用した、目立った改善は、前記方法の検出限界より低いMnおよびZnを除いて全ての元素について明らかにみられる。
活性炭またはグラファイトの代わりに、両者の、すなわち、グラファイトおよび活性炭の混合物を使用してもよいことに留意しなければならない。
【0048】
測定精度をさらに改善するために、種々の手法を、例えば、測定回数を増加させることなどにより使用してもよい。前記装置および前記校正の微細調整をまた、追加の粉乳サンプルに基づき、追加の二次標準(secondary standard)などを含むことにより使用してもよい。
脂肪を結合させることに関連することと同様に、例えば、水分、タンパク質または油などの他の物質もまた、結合し得る。