特許第6360158号(P6360158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6360158
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】ロータを駆動するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 1/02 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   G01M1/02
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-512415(P2016-512415)
(86)(22)【出願日】2014年5月7日
(65)【公表番号】特表2016-521366(P2016-521366A)
(43)【公表日】2016年7月21日
(86)【国際出願番号】GB2014051393
(87)【国際公開番号】WO2014181103
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2017年5月8日
(31)【優先権主張番号】1308426.4
(32)【優先日】2013年5月10日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515312575
【氏名又は名称】ユニバーサル バランシング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ ファウラー
【審査官】 萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−300803(JP,A)
【文献】 実開平01−138511(JP,U)
【文献】 米国特許第02832601(US,A)
【文献】 実開昭60−054948(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 1/00 − 1/38
B23B 31/00 −33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段に接続し、第1の回転軸の周りを回転する第1の部分と、
ロータの一部に係合して前記ロータをそれに対して保持するように構成された取付アセンブリを備え、第2の回転軸の周りを回転するように構成された第2の部分と、
前記第1の部分を前記第2の部分に接続して、前記第1の部分の回転動が前記第2の回転軸の周りの前記第2の部分の回転動を生じさせる接続部材と
を備え、
前記接続部材が、前記第1の部分に対する前記第2の部分の半径方向の動きを防止するように実質的に構成されるが、前記第2の回転軸に対する前記第1の回転軸の傾斜を可能にすることを特徴とする、ロータのための取付装置。
【請求項2】
前記第1の部分は、前記第1の回転軸周りの回転をもたらすためのモータに接続されるように構成された駆動アセンブリであることを特徴とする請求項1に記載の取付装置。
【請求項3】
前記接続部材は、前記第1の回転軸に略垂直に延びる面に位置決めされることを特徴とする請求項1または2に記載の取付装置。
【請求項4】
前記接続部材は、前記第1の回転軸および/または前記第2の回転軸から略半径方向に離れて延びる面に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の取付装置。
【請求項5】
前記接続部材は半径方向に剛性であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の取付装置。
【請求項6】
前記接続部材はねじりに対して剛性であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の取付装置。
【請求項7】
前記接続部材は、外側リングと、前記外側リングから離間された、前記外側リングと同心の内側リングとを備え、前記外側リングは前記第1の部分に接続され、前記内側リングは前記第2の部分に接続され、前記外側リングおよび内側リングは複数の伸張部材により接続されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の取付装置。
【請求項8】
前記伸張部材は、前記接続部材の軸の周りで互いに周方向に均一に離間されることを特徴とする請求項7に記載の取付装置。
【請求項9】
前記取付アセンブリは係合構成を備え、前記係合構成は、前記ロータの端部に係合し、前記端部をそれに対してしっかりと回転保持するように構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の取付装置。
【請求項10】
前記係合構成は、前記ロータの前記端部に形成された1または複数のスプラインに係合するように構成されたスプライン凹部によって提供されることを特徴とする請求項9に記載の取付装置。
【請求項11】
前記係合構成は、前記ロータの前記端部内または前記端部上に設けられた凹状雌構成に係合する雄構成であることを特徴とする請求項10に記載の取付装置。
【請求項12】
前記係合構成は、前記ロータの前記端部に、または前記端部上に設けられた雄構成を受けるための雌構成であることを特徴とする請求項10に記載の取付装置。
【請求項13】
前記取付アセンブリは、前記ロータの表面の一部に当接するように各々構成された、複数の周方向に離間された半径方向に可動な保持構成を備えることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の取付装置。
【請求項14】
前記第2の部分は、前記取付アセンブリを受けるための凹部を備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の取付装置。
【請求項15】
ロータの対向するそれぞれの第1の端部および第2の端部を受けるための、請求項1乃至14のいずれか一項に各々記載の二つの取付装置と、第1の取付装置および第2の取付装置の一方または両方を駆動するために接続された少なくとも1つのモータとを備えることを特徴とする、ロータを駆動するための装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置を備える釣合い試験機であって、前記試験機に取り付けられたロータの不釣合いを測定するために、前記第1の取付装置と前記第2の取付装置との間の位置に配置された複数の測定デバイスをさらに備えることを特徴とする釣合い試験機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロペラ軸などのロータを駆動するための装置に関する。特に、本発明は、限定されないが、任意の関節接続、例えば自在継手などをその両端部に有していないロータを駆動するための装置に関する。
【0002】
プロペラ軸、およびより一般にロータは、単一のロータ部、または端部同士を位置合わせして結合された複数のロータ部から形成され得る。複数のロータ部から形成されたロータは、2つまたは3つのそのような部分を備えることができ、一般的ではないが4つの部分を含んでもよい。
【0003】
釣合わせは、一般的に、「不釣合い」、すなわちロータの回転軸周りの質量の不均一な分配の問題を克服するか、または減らすために、ロータ上で行われる。不釣合いは、ロータの慣性軸がその回転中心軸からずれる場合であり、これは、ロータの質量がその中心軸の周りに一様に分配されないことにより生じる。不釣合いとなったロータは、回転時にモーメントを発生させて、振動を生じさせることがある。
【0004】
2つの釣合い面を用いて一部品ロータを釣り合わせることが知られている。各釣合い面は、ロータの軸に実質的に垂直に配置された面である。多部品ロータを釣り合わせるときには、釣合わせが追加の釣合い面で行われる。すなわち、2部品ロータは3つの面で釣り合わされ、3部品ロータは4つの面で釣り合わされ、4部品ロータは5つの面で釣り合わされ得る。
【0005】
不釣合いの修正は、一般的に、釣合い重りをロータに溶接することによって行われる。ロータは、通常各ロータ部の端部近くにある釣合わせ面の数に対応する釣合い重りが加えられ得るゾーンを有して設計される。
【0006】
不釣合いを修正するための機構は一般的に自動化され、この機構により、釣合い重りが、特定の釣合いゾーン内における、各面のロータの軸に沿った設定位置でロータに取り付けられる(例えば、溶接される)。すべての面(必要に応じて)についての重りがロータに加えられると、ロータの不釣合いが同一の方法を用いて再び測定される。任意の面で測定された不釣合いが所定の公差閾値外に残る場合、第2の修正ステップが対応する釣合いゾーン内で行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
釣合わせプロセスを実行するために、ロータを駆動するための装置を備える釣合い試験機に、ロータが装着される。ロータの各端部は、ロータのその端部を固定するチャックを備えるそれぞれの取付装置内に位置される。取付装置は、トルクをロータに伝えるように、駆動機構によって駆動される。それが回転するときにロータの不釣合いを測定するために、ロータは、釣合い試験機内においてある程度の動きが許容されなければならない。すなわち、ロータの屈曲が許容されないと、ロータのいかなる不釣合いも(仮に検出されたとしても)効率的に検出され得ない。公知の釣合い試験機は、各チャックにある程度の間隙を設けて、チャックに対するロータのわずかな半径方向の動きを可能にすることにより、この問題に対処しようとする。しかしながら、これにより、ロータ端部の半径方向の動きが正確に測定され得ず、したがって不釣合い試験中に考慮されないため、釣合いの再現性の問題が生じる。代わりの手法は、チャックと駆動機構との間に玉継手を設けることにより、ある程度の関節動作を可能にすることである。しかしながら、そのような構成では、ロータとチャックとの間の間隙、すなわち滑り嵌めがなければ、ロータがチャックに対して軸方向にすこしも動くことができないため、ロータの自然な屈曲が達成され得ない。これは、不釣合いが測定され得る精度を制限する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様によれば、駆動手段に接続し、第1の回転軸の周りを回転する第1の部分と、ロータの一部に係合してロータをそれに対して保持するように構成された取付アセンブリを備え、第2の回転軸の周りを回転するように構成された第2の部分と、第1の部分を第2の部分に接続して、第1の部分の回転動が第2の回転軸の周りの第2の部分の回転動を生じさせる接続部材とを備え、接続部材が、第1の部分に対する第2の部分の半径方向の動きを防止するように実質的に構成されるが、第2の回転軸に対する第1の回転軸の傾斜を可能にする、ロータのための取付装置を提供する。
【0009】
本発明のこの態様のさらなる特徴が、添付の特許請求の範囲で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下で、図面を参照しながら、本発明の実施形態が例としてのみ説明される。
図1】本発明の実施形態による、ロータを駆動するための装置内で支持されたロータの線図である。
図2】本発明の実施形態による、雌スプラインドライバを備える取付装置の横断面図である。
図3】本発明の実施形態による、雌スプラインドライバを備える取付装置の正面図である。
図4】本発明の実施形態による、雌スプラインドライバを備える取付装置の斜視図である。
図5】本発明の実施形態による、雄スプラインドライバを備える取付装置の横断面図である。
図6】本発明の実施形態による、雄スプラインドライバを備える取付装置の正面図である。
図7】本発明の実施形態による、雄スプラインドライバを備える取付装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、釣合わせ時に釣合い試験機(図示されず)内で支持されるロータ10を示す。ロータは、当技術分野で一般的に公知であるように、例えば駆動軸およびカルダン軸を含むプロペラ軸などの任意の適切なタイプのものであってよい。しかしながら、本発明は、主に一部品ロータ、すなわち関節接続、例えば自在継手などがその両端部にないロータと共に使用するように工夫されたものである。本例では、ロータはスプライン端部10a、10bを有する。
【0012】
そのような釣合い試験機は、ロータ10を駆動するための装置を備え、装置は、ロータ12の両端部を支持することによりロータ10を取り付けるための第1の取付装置10および第2の取付装置14を備える。釣合い試験機は、1または複数のモータおよびそれぞれの歯車装置と共に、取付装置12、14を介して、その端部の一方または両方でロータ10を回転駆動することにより、ロータ10をその軸の周りで指定された回転速度まで回転させるように動作可能である。
【0013】
ロータ10が複数のロータ部(図示されず)を備える場合、当技術で周知のように、2つの隣接するロータ部間の接続部分が、取付装置間に位置する中心受台支持部に取り付けられ、締め付けられる。
【0014】
ロータ10には、一端部に雌凹部、およびその他端部に突出する雄部が設けられてもよい。あるいは、ロータ10には、2つの雌部または2つの雄部が設けられてもよい。本明細書に記載の実施形態では、ロータ10に雄部および雌部が設けられ、したがって、取付装置に、ロータの端部を保持するためのそれぞれの雄スプラインドライバおよび雌スプラインドライバが設けられる(すなわち、雄スプラインドライバがロータ10の雌端部を保持し、雌スプラインドライバがロータ10の雄端部を保持する)ことが前提とされる。他の組合せが想定される。ロータ10は、一端部から、または両端部から、取付装置12、14の一方または両方を介して駆動され得る。ロータ10が単一の端部のみから駆動される場合、ロータの他端部(すなわち、駆動されない端部)は、スピンドルに取り付けられた、ロータ10を支持するためのチャックを含んでもよい。
【0015】
図2図3、および図4に示すように、取付装置100は、第1の回転軸の周りを回転するための駆動手段(モータなど)に接続する第1の部分108と、第2の部分102とを備える。第2の部分102は、取付アセンブリ102であって、ロータ10の一部に係合して、ロータ10をそれに対して保持するように構成された取付アセンブリ102を備え、第2の回転軸の周りを回転するように構成される。第1の軸と第2の軸とが互いに位置合わせされ得ることが理解されるべきである。そのような取付アセンブリ102は、一般に、「チャック」と呼ばれる。
【0016】
取付装置100はまた、第1の部分108を第2の部分102に接続する接続部材110を備える。第1の部分は駆動アセンブリを備える。駆動アセンブリ108の回転動が接続部材110を介して取付アセンブリ102に伝えられ、接続部材110は、回転駆動を効果的に伝えるように略ねじりに対して剛性である。駆動アセンブリ108は、例えば、モータにより駆動されるスピンドルへの駆動接続を通じて、またはモータ出力軸により直接など、公知の駆動手段によって駆動されてよい。
【0017】
取付アセンブリ102は、偏向可能な支持部材136に接続された複数の保持構成104を備える。各保持構成104は、ロータ10の表面部分に当接する表面(湾曲面であってよい)を提供し、各保持構成104は支持部材136に締結される。支持部材136の外周も、接続部材110の内側リング116に締結される。接続部材110は、第1の部分(すなわち、駆動アセンブリ108)に対する第2の部分(すなわち、取付アセンブリ102)の半径方向の動きを防止するように実質的に構成されるが、第2の回転軸に対する第1の回転軸の傾斜を可能にする。
【0018】
図示されたように、駆動アセンブリ108は、取付アセンブリ102の全体または(少なくとも取付アセンブリ102の周囲に沿った)かなりの部分を受ける凹部を提供するドラム112と、ドラム112の半径方向内方に設けられたチャンバ114とを備える。言い換えると、取付アセンブリ102は、駆動アセンブリ108のドラム112内に実質的に収容される。接続部材110は、チャンバ114から離間されたドラム112の開放面の一部にわたって配置されて、取付アセンブリ102の一部に重なるようになっている。
【0019】
図2に示されるように、接続部材110は、外側リング114と、外側リング114から離間された、外側リング114と同心の内側リング116とを備える。適切な締結具により、外側リング114は駆動アセンブリ108のドラム112に接続され、内側リング116は取付アセンブリ102に接続される。接続プレート110と取付アセンブリ102および駆動アセンブリ108のそれぞれの間の接続は、例えばそれぞれのリングの周囲に沿って離間されたボルトによってもたらされ得る。
【0020】
外側リング114と内側リング116とは、2つのリング114、116間に延びる複数の伸張部材118により接続される。図示されたように、3つの伸張部材118が設けられてよい。あるいは、2つ、4つまたはそれ以上の伸張部材118が設けられてもよい。伸張部材118は、接続部材110の軸の周りで互いに周方向に均一に離間される。伸張部材118は、使用中に内側リング116と外側リング114との間の間隔が維持されるように、半径方向の剛性をもたらす。このようにして、取付アセンブリ102は、駆動アセンブリ108に対して半径方向に保持される。この位置で、取付アセンブリ102および駆動アセンブリ108の軸が、互いに、かつ装置内に取り付けられたロータ10の軸に位置合わせされる。
【0021】
接続部材110の伸張部材118間の間隔によって、接続部材110の面における、ある程度の可撓性が可能になる。言い換えると、接続部材110の「表面」は、接続部材110の内側リング116に及ぼされる応力により、その直径にわたってS字形横断面を形成するようにわずかに変形され得る。この可撓性によって、接続部材110はジンバル接続部として作用することができ、その結果取付アセンブリ102の中心軸が、駆動アセンブリ108の中心軸とのその位置合わせから外れる、例えば傾斜することができるようになっている。このように、接続部材110は、取付装置100の第1の部分108と第2の部分102との間の相対的な半径方向の動きを防止するように実質的に構成されるが、その可撓性によって、駆動アセンブリ108の回転軸(すなわち、第1の軸)に対する取付アセンブリ102の回転軸(すなわち、第2の軸)の傾斜が可能になる。特に、接続部材110は、ロータ10が保持構成104により保持される面(図示された実施形態では、実質的に接続部材110の面)における第1の部分108に対する第2の部分102の半径方向の動きを防止する。
【0022】
周方向に均一に離間された奇数の伸張部材118を設けることにより、接続部材110はより大きい可撓性が許容される。その理由はその直径に垂直な対向する可撓性を生じさせるような2つの伸張部材118が直径にわたって互いに直接対向して位置しないからである。勿論、前述したように、本発明の範囲から逸脱することなく偶数の伸張部材が使用されてもよい。
【0023】
ロータ10が装置内に取り付けられて駆動アセンブリ108により駆動されると、ロータ10は、その長さに沿った1または複数の位置におけるその質量の不均一な軸方向分散によって生じるロータ10の不釣合いにより、その所望の回転軸から外れることがある。この不釣合いの度合いが釣合わせシステムにより測定される。何らかの不釣合いの正確な測定値を得るために、ロータ10は、その端部の各々を保持するチャックによって半径方向にしっかりと保持されなければならないが、ロータ10は、軸方向に曲がる/屈曲することが許容されなければならない。
【0024】
本発明の構成は、駆動アセンブリ108に対する取付アセンブリ102の半径方向の動きを防止する、半径方向に剛性の構造を提供する。さらに、取付アセンブリ102によって保持されたロータ10の端部は、いかなる実質的な半径方向の間隙も設けられることなくチャックの保持構成104内に固定されて、ロータ10の大きい半径方向の動きが、保持構成104により保持される部分で許容されないようにする。実施形態では、保持構成104が接続部材110の面に略位置合わせされて、ロータ10がその面で半径方向に保持されるようになっている。
【0025】
接続部材110の可撓性により、取付アセンブリ102および駆動アセンブリ108の回転軸が互いに(軸から任意の方向へ)傾斜することができるため、取付アセンブリ102の保持構成104に保持されたロータ10は、その静止時の位置から傾斜することができる。言い換えると、ロータ10は、回転時に曲がる/屈曲することを許容される。
【0026】
取付アセンブリ102は、ロータ10の端部に係合するように構成された係合構成106を備える。係合構成106は、ロータ10の端部に形成されたスプライン10a、10bに係合するように構成されたスプラインドライバ120によって提供される。図2は、雌スプラインドライバ120を備える取付装置を示す。雌スプラインドライバ120は、ロータ10の端部を受けるための内向き周面を提供し、スプラインが周面から取付アセンブリ102の回転軸側へ内方に延びる。スプライン120は、ロータ10の表面から外方に延びるスプラインと係合するように構成される。スプラインドライバ120は座部126内に配置され、座部は、端壁を提供してその位置を越えるロータ10の軸方向の動きを防止する。ロータ10の端部と座部126との間に止めパッド124が配置されて、ロータ10のクッションとなって締まり嵌めをもたらす。スプラインは、係合構成106とロータ10との間に改良された係合をもたらすが、それらは必須ではない。止めパッド124も本発明に必須ではないが望ましい。
【0027】
前述したように、取付アセンブリ102は、ロータ10の表面の一部に当接するように構成された、複数の半径方向に離間された保持構成104を備える。より詳細には、取付アセンブリ102の中心回転軸の周りで周方向に均一に離間された位置に、6つの保持構成104が設けられる(あるいは、より多いまたは少ない保持構成が設けられてもよい)。
【0028】
ピストン130は保持構成104と係合構成106との間に設けられる。ピストン130は、保持構成104と係合構成106の座部126との間に位置するロータ10の部分を受けるように構成される(しかしながら、他の実施形態では、そのようにする必要はない)。
【0029】
実施形態では、取付アセンブリ102は、加圧空気源(図示されず)を受けるための開口128をさらに提供する。開口128は、駆動アセンブリ102の内側チャンバ114内にそれ自体が収容される係合構成106の座部126に設けられ、開口128内に、または開口128を通して加圧空気源(例えば、空気シリンダ)が設けられてよい。開口128は、ピストン130の表面に隣接して形成されたチャンバと流体連通する。チャンバ内の空気圧の増加によりピストン130が保持構成104側へ軸方向に動かされるように、ピストン130の周りにシールが設けられ、そのような動きにより保持構成104の半径方向外方への動きを生じさせる。
【0030】
ピストン130の作用により、支持部材136の中心領域135が面外へ偏向させられ、保持構成104がロータ10の表面から離れる(半径方向外方へ撓む)。空気圧が除去されると、支持部材136の弾力性により、支持部材136が確実にその略平面状態へ再偏向してピストン130を押し戻し、それにより、保持構成104がロータ10に表面に係合させられる。当技術では、これはしばしばダイヤフラムチャックと呼ばれる。
【0031】
図5から図7に示されるように、ロータ10端部の雌スプライン部分を受けるように構成された取付装置200が設けられてよく、取付アセンブリ202には雄スプラインドライバ220が設けられる。取付装置200のすべての態様は、係合構成206を除いて前記取付装置100と同一である。図2から図4に関連して説明された対応部分に関する、図5から図7で用いられる参照数字は、それらの図で使用される場合の対応する数字よりも100大きい数字により示される。例えば、チャックの保持構成には、図2から図4では104が付され、図5から図7では204が付される。
【0032】
係合構成206は、座部226内で支持された基部を有する雄スプラインドライバ220と、ロータ10の端部に設けられたそれぞれの雌凹部に係合するように基部から延びる係合部分240とを備える。係合部分240は、ロータ10内に設けられた凹部の壁内に画定されたスプラインと係合するように構成された、半径方向外方へ延びるスプラインを提供する。
【0033】
2つのそのような取付装置100、200を備えるロータ10を駆動するための装置は、釣合い試験機の一部を形成することができる。釣合い試験機は複数の測定デバイスを備え、これらの測定デバイスは、マシン内に取り付けられたロータの不釣合いを測定するために、第1の取付装置と第2の取付装置との間の位置に配置される。不釣合いを修正するための機構は自動化されてよく、この機構により、釣合い重りが、特定の釣合いゾーン内における、不釣合いが測定される各面について、ロータの軸に沿った設定位置でロータ10に溶接され、または他の方法で取り付けられる。例示的な方法のみとして、すべての面(必要に応じて)についての重量がロータに加えられると、ロータの不釣合いが同一の方法を用いて再び測定される。任意の面で測定された不釣合いが所定の公差閾値外に残る場合、修正の第2のステップが対応する釣合いゾーン内で行われる。
【0034】
釣合い試験機が図示された装置のいずれかまたは両方を含んでもよいことが理解されるべきである。あるいはさらに、釣合い試験機に、図2から図4に示される装置のうちの2つ、または図5から図7に示される装置のうちの2つが設けられてもよい。これは、釣り合わされるロータの端部の構成によって決まる。
【0035】
「comprises(備える)」および「comprising(備える)」という用語ならびにその変形は、本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、特定の特徴、ステップ、または整数が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、ステップ、または構成要素の存在を排除するものと解釈されるべきではない。
【0036】
それらの特定の形態で表現され、または開示された機能、もしくは開示された結果を達成する方法もしくはプロセスを実行するための手段に関して表現された、前述の説明または以下の特許請求の範囲または添付図面で開示された特徴は、適宜、別個にまたはそのような特徴の任意の組合せにおいて、本発明をその様々な形態で実現するために利用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7