(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6360168
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】ダイオード接点保護複合スイッチの制御回路及びリレーの制御方法
(51)【国際特許分類】
H01H 47/02 20060101AFI20180709BHJP
H01H 47/00 20060101ALI20180709BHJP
H01H 47/04 20060101ALI20180709BHJP
H01H 9/54 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
H01H47/02 Z
H01H47/00 J
H01H47/04
H01H9/54 A
H01H9/54 G
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-522223(P2016-522223)
(86)(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公表番号】特表2016-526760(P2016-526760A)
(43)【公表日】2016年9月5日
(86)【国際出願番号】CN2014080785
(87)【国際公開番号】WO2014206306
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2016年1月25日
(31)【優先権主張番号】201310265141.1
(32)【優先日】2013年6月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516001867
【氏名又は名称】国源容開国際科技(北京)股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】王 海
【審査官】
澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第102623220(CN,A)
【文献】
特開2000−306472(JP,A)
【文献】
特開2010−118251(JP,A)
【文献】
実開昭59−121810(JP,U)
【文献】
中国特許出願公開第101635209(CN,A)
【文献】
特開昭60−167211(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102299519(CN,A)
【文献】
特開昭60−049614(JP,A)
【文献】
特開昭53−054773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/54 − 9/56
H01H33/28 − 33/59
H01H47/00 − 47/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイオード接点保護複合スイッチであって、メインリレー接点保護回路、メインリレー接点及びリレー制御回路を含み、前記メインリレー接点保護回路は、サブリレー接点K1とダイオードDとの直列接続で構成されかつその両端が前記メインリレー接点Kと並列接続され、前記サブリレー接点K1の電流容量は前記メインリレー接点Kの電流容量の1/10〜1/1000であり、前記メインリレーがオン/オフされる際に、前記メインリレー接点のストローク時間内、リレーコイルに流れる電流が大きい電流値から小さい電流値に低下し、ゼロになることを特徴とするダイオード接点保護複合スイッチ。
【請求項2】
前記リレー制御回路は、コンデンサで整流降圧された電源により給電されることを特徴とする請求項1に記載のダイオード接点保護複合スイッチ。
【請求項3】
前記サブリレー接点が複数のリレー接点と直列接続可能であり、前記メインリレー接点が複数のリレー接点と並列接続可能であることを特徴とする請求項2に記載のダイオード接点保護複合スイッチ。
【請求項4】
前記リレー制御回路は、シングルチップコンピュータ、サブリレー駆動回路及びメインリレー駆動回路から構成され、メインリレー駆動コイルLの両端はコンデンサCと並列接続され、駆動コイルLは、四つのトランジスタT3、T4、T5、T6からなるHブリッジの出力端1と出力端2の間に接続され、シングルチップコンピュータの二つの出力端3と4は、トランジスタT1とT2からなるインバータによって、Hブリッジの出力電圧のパルス幅とパルス極性を制御し、メインリレー接点が動作するときに、前記リレー制御回路からリレー駆動コイルLに供給された電圧がPWMパルスであり、駆動コイルLを流れる電流は変化することを特徴とする請求項3に記載のダイオード接点保護複合スイッチ。
【請求項5】
前記サブリレー駆動コイルL1はトランジスタT11を介してコンデンサC6と接続され、サブリレー接点が動作すると、シングルチップコンピュータはトランジスタT11をオンに制御し、コンデンサC6はトランジスタT11を介して駆動コイルに対して放電し、駆動コイルL1を流れる電流は対数的な変化方式で低減し、リレー接点の動作が停止した後、シングルチップコンピュータはトランジスタT11をオフにしながら、トランジスタT10をオンにして、コンデンサC6に対する充電を開始させることを特徴とする請求項4に記載のダイオード接点保護複合スイッチ。
【請求項6】
前記リレー制御回路は電流測定回路と電圧測定回路を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のダイオード接点保護複合スイッチ。
【請求項7】
前記サブリレー及び前記メインリレーが磁気保持リレーを使用していることを特徴とする請求項5に記載のダイオード接点保護複合スイッチ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のダイオード接点保護複合スイッチを備える継電器のコントロール方法であって、リレーがオンにあると、前記リレー制御回路からリレー駆動コイルに供給されたた電流は、初期値が定格動作電流の2−20倍である動的電流であり、前記リレーの動的接点は迅速的に固定接点に移動した後、前記リレーコイルを流れる電流は低減しつつ、ゼロまでになり、動的接点と固定接点が接触した後に、コイル駆動電流はリレーの接続保持電流に戻るステップ1と、
リレーがオフにあると、前記リレー制御回路からリレー駆動コイルに供給された電流は、初期値が定格動作電流の2−20倍である動的電流であり、前記リレーの動的接点は迅速的に固定接点から離れる方向に移動した後、前記リレーコイルを流れる電流は低減しつつ、動的接点は接点の常開位置に到達すると、駆動電流はゼロになるステップ2と、を含むことを特徴とするリレーの制御方法。
【請求項9】
前記リレー接点が動作すると、前記リレー駆動コイルを流れる電流は対数的な変化曲線で低減することを特徴とする請求項8に記載のリレーの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は交流電流リレースイッチに関する。特に、ダイオードと機械接点スイッチの直列接続を利用して、交流スイッチ接点のオンまたはオフ時にアークを発生させないリレースイッチ及びリレー駆動回路、制御方法に関する。国際分類号はH01H9/54、H01H9/56である。
【背景技術】
【0002】
理想の交流電流リレースイッチは電流がゼロを超える瞬間に接点のオンとオフを完成する。しかしながら機械接点の動作過程は時間をかかるので、機械接点スイッチは原理的に電流がゼロを超える瞬間に接点のオンとオフは実現できない。高電圧及び大電流の場合に、特に、インダクタンスを切り換えるとき及びコンデンサ負荷のときに、スパークとアーク放電が多い。それはスイッチ接点の寿命を減少するだけではなく、電力ネットワークに対して有害なサージ電流とサージ電圧を生じさせる可能性がある。交流リレースイッチは電流がゼロを超える瞬間に接点のオンとオフは実現できないため、交流スイッチが運用されてから、エンジニアたちはずっとスイッチ接点でのアークをなくす方法を探してきている。サイリスタの誕生に伴って、電流がゼロを超える瞬間にオンまたはオフを実現できる交流電子スイッチは誕生した。しかし、サイリスタの電力消費及びコストの問題で、サイリスタ交流スイッチは実用、信頼できるスイッチになっていない。同時に、多くの人は低電力消費且つ低コストのサイリスタをリレー接点と並列した複合スイッチを研究しているが、サイリスタがdv/dtが非常に高いときに誤導通しやすい。またdi/dtが非常に高いときに、切断しにくいという欠点があるので、サイリスタ複合スイッチはなかなか実際的に運用できていない。
【0003】
アメリカ特許US3223888、US3284684と中国特許申請01111050.3はダイオードを利用してリレーメイン接点を保護する方法を公開した。それはスイッチが切断してから、機械切断点があるスイッチである。ダイオードはメインスイッチ接点がオンまたはオフする瞬間に主スイッチ接点がダイオードの順方向電圧だけを耐えることを確保する。しかし、こういう特許が公開した回路はサブリレー及びメインリレー接点のストローク時間(接点の動作開始から動作完了までの時間)に対して厳しい要求がある。抵抗及びインダクタンス負荷に対して、スイッチ接点は必ず交流電流周期の二分の一内にオンまたはオフの動作を完了する。コンデンサ負荷に対して、リレーの接点のストローク時間は交流電流周期の四分の一より短いことが要求されている。つまり、50Hz交流電流の場合、抵抗、インダクタンス負荷に対する接点のストローク時間は10mSより短いことが要求されている。コンデンサ負荷に対して、接点ストローク時間は5mSより短いことが要求されている。60Hzの交流電流の場合、接点動作の時間をさらに短くすることが要求されている。一般のオン・オフリレーの接点のストローク時間はこのレベルに達していない。そして、リレー使用時間の増加につれて、接点のストローク時間は変化して長くなる。現在のリレーは上記特許文献にて取り上げられたダイオードとサブリレー接点との直列を利用したスイッチ接点保護を実現する要求に満足できない。そのため、上記特許文献の中では、どのようなリレーを利用して接点保護の機能を実現するかは取り上げていない。このこともこういうダイオード接点保護スイッチ回路が半世紀前に世に出されたが、なかなか実用されていない原因である。
【0004】
交流スイッチリレーの接点がオンするときにジッタ及びスパークする場合がある。接点がオフするときに、アークを起こす場合もある。交流電流がゼロを超えたら、アークは消える。接点の動作速度は必ずアークが消えてその後再度燃焼しないことを確保しなければならない。そのため、交流スイッチリレーの接点のストローク時間は十分に短くなくてはならない。リレーがオンするときに、ジッタが発生するので、接点でのジッタ回数を減少するために、通常リレーの機械システムにおいて減衰が増加する。リレー接点のストローク時間を短縮するためには、リレーコイルの駆動電流を向上させる、減衰を減少させるしかない。しかし、コイルの駆動電流を増加して、減衰を減少させると、接点がオンするときのジッタが増加して、接点がオンする時の性能に影響して、リレーの機械寿命が減じられる。そのため、交流スイッチリレーの機械寿命を確保する前提のもとで、接点での動作速度を向上させることは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ダイオード接点での複合スイッチを保護する方法を提供することである。主に、リレー接点での動作速度を向上させて、ストローク時間を短縮する回路制御及びその制御方法であり、リレーの接点でのストローク時間を2倍以上に短縮できる回路制御及びその制御方法である。特に、ある磁気保持リレーの回路制御及びその制御方法を提出する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は下記の技術方案で実現する。
【0007】
ダイオード接点保護複合スイッチはメインリレー接点保護回路、メインリレー接点及びリレー制御回路から構成され、前記メインリレー接点保護回路がサブリレー接点K1とダイオードDとを直列接続することで構成され、その両端は前記メインリレー接点Kと並列接続し、前記サブリレー接点K1の電流容量が前記メインリレー接点Kの電流容量の1/10〜1/1000であり、前記メインリレーがオン/オフするときに、リレーコイルを流れる電流は一定の規律で変化することで接点のストローク時間を短縮する。
【0008】
さらに、そのダイオード接点保護複合スイッチのリレー制御回路は、コンデンサで整流降圧された電源により給電される。
【0009】
さらに、そのダイオード接点保護複合スイッチは複数のサブリレー接点を直列接続して、一つだけのリレー接点が十分に電圧に耐えない問題を解決できる。複数のメインリレー接点を並列接続する方法で、一つだけのリレーの電流容量が足りない問題を解決する。
【0010】
さらに、上記リレー駆動回路はシングルチップコンピュータ、サブリレー駆動回路、メインリレー駆動回路から構成され、メインリレー駆動コイルLの両端にコンデンサCを並列接続し、駆動コイルLは四つのトランジスタT3、T4、T5、T6が構成されたHブリッジの出力端1と出力端2の間に接続し、シングルチップコンピュータの二つの出力端3と4はトランジスタT1とT2が構成されたインバータによって、Hブリッジの出力電圧パルス幅とパルス極性を制御し、メインリレー接点が動作するときに、前記リレー制御回路はリレー駆動コイルLへ供給する電圧はPWMパルスであり、駆動コイルLを流れる電流は変化している。
【0011】
好ましくは、ダイオード接点保護複合スイッチのサブリレー駆動コイルL1はトランジスタT11を介してコンデンサC6と接続し、サブリレー接点が動作するときに、シングルチップコンピュータはトランジスタT11をオンに制御し、コンデンサC6はトランジスタT11を介して駆動コイルに対して放電し、駆動コイルL1を流れる電流は対数的な変化方式で低減し、リレー接点の動作が停止した直後、シングルチップコンピュータはトランジスタT11をオフにしながら、トランジスタT10をオンにして、コンデンサC6に充電する。
【0012】
好ましくは、ダイオード接点保護複合スイッチのサブリレー及びメインリレーが磁気保持リレーを使用する。
【0013】
好ましくは、ダイオード接点保護複合スイッチのリレー制御回路は電流測定回路及び電圧測定回路を含んでいる。
【0014】
リレーの制御方法は下記のステップがある。
【0015】
ステップ1)、リレーがオンであるときに、前記リレー制御回路がリレー駆動コイルに供給した電流が初期値は定格動作電流の2−20倍である動的電流であり、リレーの動的接点は迅速に固定接点へ移動して、その後、リレーコイルを流れる電流は減少しつつ、最後にゼロになり、動的接点と固定接点が接触した後、コイル駆動電流はリレーの接続保持電流に戻る。
【0016】
ステップ2)、リレーがオフであるときに、前記リレー制御回路がリレー駆動コイルに供給した電流は、定格動作電流の2−20倍の動的電流であり、検電器の動的接点は迅速に固定接点に離れる方向に移動した後、前記リレーコイルを流れる電流は減少しつつ、動接点が固定接点の常開位置に達するとき、駆動電流はゼロになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益の効果は下記の通りである。リレー接点の動作速度を向上させて、スイッチ接点が動作完了するときに受けた応力を小さくする。接点のジッタを減少するだけでなく、リレー接点の動作時間を短縮し、リレーの機械寿命をも延長させることができる。そのほか、本発明が提供するリレー制御回路及び制御方法を利用すると、サブリレーとメインリレーの接点はダイオード接点保護回路が要求する交流電流周期の1/4内にオンすることが保証できる。
【0018】
これらにより、スイッチは電流がゼロを超えたら、すぐオンまたはオフすることを実現した。着実に交流スイッチの電子アーク消滅を実現できる。スイッチの電気寿命を十分に延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本発明の実施例に係るダイオード接点保護スイッチの原理図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例に係るリレー制御回路の原理
図1である。
【
図3-1】
図3−1は本発明の実施例に係るリレー制御回路の原理
図1でリレー動作ストロークを制御することと直流リレーで動作ストロークを制御する対比図である。
【
図3-2】
図3−2は本発明の実施例に係るリレー制御回路の原理
図1でリレー動作ストロークを制御することと直流リレーで動作ストロークを制御する対比図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例に係るリレー制御回路の原理
図2である。
【
図5-1】
図5−1は本発明の実施例に係るリレー制御回路の原理
図2でリレーの動作ストロークを制御することと直流でリレーの動作ストロークを制御する対比図である。
【
図5-2】
図5−2は本発明の実施例に係るリレー制御回路の原理
図2でリレーの動作ストロークを制御することと直流でリレーの動作ストロークを制御する対比図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例に係るダイオード接点保護の複合スイッチの回路原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
下記は添付した図に基づいて、この発明について詳しく説明する。
【0021】
図1のように、本発明の実施例に係るダイオード接点保護の複合スイッチの原理図に、メインリレー接点K、接点保護ダイオードD、サブリレー接点K1とリレー制御回路がある。前記メインリレー接点保護回路はサブリレー接点K1とダイオードDが直列して、両端はメインリレー接点Kと並列する。メインスイッチ接点Kがオンまたはオフしたら、サブリレー接点K1はメイン接点のすべての電流を受ける。普通にサブリレーの電流容量を考慮するときに、メインリレーと同じ電流容量を選択する。リレー接点の電流容量は大きければ、ストローク時間は長くなる。実際に20A以上の交流スイッチリレーのストローク時間は10mS以内に抑えることは難しい。しかし、サブリレーの電流を流れる時間は短く、普通に交流電流周期の1/4をオーバーしない。メインリレーのストローク時間は誤差を考慮しなければならない。メインリレー接点のストローク時間は3mSを越えるといけない。一次接点のオン/オフの過程について、サブリレー接点Kの電流時間は通常3mSをオーバーしない。そのため、サブリレーの動作速度を向上させるために、サブリレーは接点電流容量が小さいリレーを選んでよい。サブリレー接点の電流容量はメインリレー接点の電流容量の1/10から1/1000までの範囲であればよい。サブリレー接点ストローク時間は交流電流周期の1/2より少なければよい。一般の5Aより小さい接点容量のリレーにおいては、この要求を満足しやすい。つまり、メインスイッチの電流は100A、サブリレーの電流容量は1−2Aであれば余裕がある。普通に電流容量が小さいスイッチリレーの場合、接点ストロークが短く、耐電圧も低い。一つのサブリレー接点の耐電圧はスイッチオフ時の耐電圧要求を満たすことができない場合に、複数のサブリレーを直列して、サブリレーの回路接点の耐電圧を向上させる。小電流リレーをサブリレーとして利用する場合、サブリレーのストローク時間の問題を解決できる。そして、スイッチのコストを低減できる。大量の実験データにより、小電流リレーは10mS内に百倍以上の定格電流を通すと、リレーの寿命はあまり影響を受けない。同様に、通断電流が非常に大きいスイッチ(数百Aから1000Aまでのスイッチ)に対して、複数のサブリレーを並列して電流容量の問題を解決できる。ダイオード接点保護複合スイッチのメインリレーがオンときに、メイン接点は電圧を受けない。そのため、同様に、数本の小電流リレーを並列して、リレーのストローク時間と接点電流容量との矛盾を解決できる。ダイオード接点保護複合スイッチがオンときに、ダイオード保護サブリレーの接点は閉まって、スパークしない。サブリレー接点はメイン接点がオンときにスパークしないことを保護する。そして、オフのときに、サブリレー接点はメイン接点がアークしないと保護する。ダイオードはサブ接点がオフのときに、アークをしないことと保護する。そのため、サブ接点とメイン接点との直並列を実現できて、高圧大電流スイッチの設計に新しい考え方を提供した。
【0022】
しかし、スイッチ電流が数百Aのときに、数百の小電流リレーを並列することは不可能である。大電流リレーのストローク時間を短縮できない問題を解決するために、本発明はリレーの接点のストローク時間を減らす方法を提出する。リレーは一つの動的接点と一つの静(止)接点(SPSTに対して)がある。オンのときは動的接点はスプリングの力を克服して、静接点に運動する。オフのときに、動的接点はスプリングの力を受けて、静接点との逆方向に向かって運動する。リレーコイルの駆動電流を増加すれば、動的接点の受ける力が増加して、接点がオンときの速度が加速する。しかし、駆動電流は大き過ぎると、接点の動作完了時に、非常に大きい衝撃力を受け、リレーの使用寿命が短縮する。本発明が提出する解決の考え方として、リレー接点がオンする最初の段階にリレーの動的接点に大きい力を与えて、動的接点をより高い加速度で移動させる。加速度運動のしばらくした後、動的接点の力を減少させて、動的接点を減速度で移動させる。静接点に到着する際に、運動速度はゼロになる。動的接点と静接点が接触したら、動的接点への力を大きくして、その受けたスプリングの回復力より大きくする。それを通じて、接点の接触抵抗が減少する。リレー接点がオフのときに、駆動コイルに電流を通して、動的接点がスプリングの回復力を受けるだけではなく、駆動コイルの電磁力を受ける。それで、動的接点はもっと早いスピードで静接点と離れる。動的接点が常時開の位置に近づいたときに、駆動コイルに反対方向の電流が入り、動的接点を減速度移動させて、最後に、接点が常時開の位置に到着したら、速度はゼロとなることを確保する。リレー接点が移動過程で受けた力を変更することにより、リレー接点のストローク時間を短縮して、それに、リレーの寿命に影響をしないという目的を実現する。
【0023】
図2はリレー接点のストローク時間を短縮するためのリレー制御回路の原理
図1である。メインリレー駆動コイルLの両端はコンデンサCと並列する。四つのトランジスタT3、T4、T5、T6は極性の変化可能なHブリッジと構成する。駆動コイルLはHブリッジの出力端1と出力端2の間で連結する。シングルチップコンピュータの二つの出力端3と4はトランジスタT1とT2が構成したインバータを流れる。Hブリッジの出力電圧パルス幅とパルス極性を制御する。一般の51シングルチップコンピュータを利用すれば実現できる。リレー接点が動作するときに、リレー制御回路はHブリッジを通じてリレー駆動コイルへ電圧を提供する。その電圧はPWMパルスである。コンデンサCのウェーブフィルターを通過して、駆動コイルで発生するのは連続的に変化する電圧である。駆動コイルで流れるのは連続的に変化する電流である。
【0024】
図3−1は、動作電圧12Vのリレー駆動コイルの両端に12Vの直流電圧を入れ、対応するリレーがオン及びオフするときに、動的接点のストロークと時間の関係(図の中で、ULはリレー駆動コイル両端の電圧で、dはリレー接点間ストロークの距離である)を表している。
図3−2は同様の12Vのリレーであり、リレー制御回路がリレー変化駆動電圧を提供し、対応するリレーがオン及びオフするときの接点ストロークと時間の関係を表している。シングルチップコンピュータ出力端3、4の出力は高電レベルのときに、Hブリッジの四つのトランジスタT3−T6は全部遮断される。Hブリッジは出力しない。シングルチップコンピュータの出力端3は低電レベル、出力端4は高電レベルの場合に、HブリッジのトランジスタT3とT4は導通している。電流はHブリッジの出力端1から出力端2まで流れ、リレー接点はオンする。リレーがオンしている過程で、最初に、Hブリッジの出力したパルスデューティは大きい。リレー駆動コイルL両端を流れる電流は大きく、その後、出力したパルスデューティは小さくなる。コンデンサCのウェーブフィルターを通過した後、出力電圧は平滑になって、リレー駆動コイルLの両端に印加される。リレー駆動コイルを流れる電流はだんだん小さくなって、出力電圧の波形はシングルチップコンピュータの出力端3の出力パルスデューティ次第である。リレーがオフしたときに、Hブリッジが逆方向の電圧パルスを出力して、コンデンサCのウェーブフィルターを通して、駆動コイルの両端に印加する。そうすると、リレー接点のオフストローク時間を加速できる。
図3−1の直流電圧と比べて、
図3−2のリレー駆動電圧を利用すると、リレー接点はより早くオン及びオフのストロークを完了できる。それに、オンするときにジッタ回数は少なくなる。一般的に、駆動電圧の初期値を向上させる方法は接点運動を加速することが有効手段であるが、電力コストが増える。そして、初期電圧が一定な高度に増加すると、リレー接点の運動速度変化への作用は小さくなる。本発明が提供する実験に対する考えに基づき、一般の技術人員は実験を通じて、異なるリレーに対して、駆動電圧の変化、シングルチップコンピュータのPWM出力のプログラムを通じて、リレー接点がオンまたはオフするときの最短動作時間と最小ジッタを得られる。そのため、駆動コイル両端にかかるPWM波形と接点運動速度の関係について、ここで詳述しない。
【0025】
さらに、ダイオード接点保護複合スイッチのメインリレーは磁気保持リレーを利用できる。磁気保持リレーはリレーの動作が完了後、駆動コイルは再度通電しなくてもいい。省エネだけでなく、駆動電力のコストも低減できる。磁気保持リレーは単線コイル駆動と二重コイル駆動という二つの種類がある。単線コイルに対しては
図2の回路を利用できる。どのPWM出力を利用するかについて、一般の技術人員は実験で決められ、ここでは詳述しない。
図4は二重コイル磁気保持リレーのPWM駆動回路である。
図5では
図4の回路は二重コイル磁気保持リレーがオンまたはオフするときに、リレー駆動コイルの両端に、直流パルス電圧をかけたときとPWM駆動電圧をかけたときと比べて、その対応する接点ストローク時間との関係を表している。
図5−1は、動作電圧が12Vの磁気保持リレーの駆動コイルの両端に12Vの直流電圧をかけたときの、対応する接点がオン及びオフするときの動的接点ストロークとの関係を表している。
図5−2は、同様の12Vの磁気保持リレーの駆動コイルの両端に初期48Vのクラデーション電圧(UL1はオンコイルの電圧、UL2は釈放コイルの電圧)をかけたときの、対応する接点がオン及びオフするときの接点肯定の関係を表している。磁気保持リレーがオンの過程で、トランジスタT7はPWM電圧をオンコイルL1に出力して、コンデンサC1のウェーブフィルターを通して、最初に48Vで、徐々に低下する電圧を生じる。リレーコイルL1に出力した波形はシングルチップコンピュータの出力端3が出力したPWMによって決まる。磁気保持リレーがオフまたはオンのときの状況は基本的に同様である。
図5−1の直流電圧と比べて、
図5−2の駆動電圧波形を利用すると、リレーの接点はより早くオン又はオフの動作を完了できて、そして、オンするときにジッタ回数も減少できる。
【0026】
さらに、前記ダイオード接点保護複合スイッチのリレー制御回路は、電流測定回路と電圧測定回路を含む。
図6は本発明の実施例に係るダイオード接点保護複合スイッチの回路原理図である。降圧コンデンサC3、ダイオードD4、D5、低電圧放電管D7とウェーブフィルターコンデンサC4が48Vコンデンサ降圧電源を構成する。48V電源はリレー駆動回路と5V安定化電源に給電する。三端子安定化電源5VとコンデンサC5はシングルチップコンピュータの給電電源を構成する。コンデンサ降圧の電源消耗は低くて、体積は小さいので、本発明の交流スイッチ回路に給電するのに適している。D2とC6はサブリレーL1の給電電源を構成する。D3とC7はメインリレーLの給電電源を構成する。C6とC7の充電はT9とT10が制御する。シングルチップコンピュータの出力端5は低電レベルのときに、T10は導通し、48Vコンデンサ降圧電源はC6とC7に充電する。サブリレー駆動コイルL1はトランジスタT11を通じてコンデンサC6と連結して回路を構成する。サブリレーが動作するときに、リレー制御回路はトランジスタT11の導通を制御する。コンデンサC6はトランジスタT11を通じて、サブリレー駆動コイルL1に放電する。駆動コイルを流れる電流は対数的な変化方式で低下する。こういうコンデンサ放電の方式もリレーのストローク時間を短縮できる。リレー接点の動作が停止したら、シングルチップコンピュータはトランジスタT11をオフにして、T10をオンにして、コンデンサC6に充電する。サブリレーの次の動作のために準備をする。メインリレーは単線コイル磁気保持リレーである。コンデンサC7がメインリレーを駆動する原理はサブリレーとほぼ同じである。変流器TA、抵抗R4、R5と低電圧放電管D8は電流検査回路を構成する。スイッチを流れる電流は予定値をオーバーするときに、シングルチップコンピュータはリレーのオフを制御し、スイッチと負荷を保護する。抵抗R1、R2と低電圧放電管は電力ネットワーク電圧の検査回路を構成する。電圧の位相を検査して、リレーのオンとオフの時間を選択するだけでなく、検査時に電圧が高すぎまたは低すぎる場合は、スイッチをオフにして、負荷を保護する。このような機能は従来のリレースイッチには備わっておらず、また、本発明のスイッチはほかのセンサー(温度センサー)と接続してもよく、より多く保護できる。また、赤外線センサーまたはブルートゥースを加えて、遠隔操作の機能なども実現できる。
【0027】
本リレーの制御方法は下記のステップがある。
【0028】
ステップ1)、リレーがオンときに、リレー制御回路がリレー駆動コイルへ提供する初期電流は定格動作電流の2−20倍である。リレーの動的接点は迅速的に固定接点へ移動して、その後、リレーコイルを流れる電流は小さくなり、最後にゼロになる。動的接点と固定接点が接触したら、コイル駆動電流はリレーの引込み保持電流に戻る。
【0029】
ステップ2)、リレーがオフするときに、リレー制御回路がリレー駆動コイルに提供する初期電流は定格動作電流の2−20倍の定格動作電流である。リレーの可動的接点は迅速的に固定接点の逆方向に向かって離れる。その後、駆動電流は減少しつつ、動的接点が接点の常時開位置に到着したときに、駆動電流はゼロとなる。
【0030】
本発明のリレーのストローク時間を短縮するという基本の考え方として、接点を最初の段階で迅速に運動させて、その後、減速運動をさせて、接点の移動が終了したら、運動スピードはゼロになる。このように、接点のストローク時間を短縮でき、また接点のストロークの終了時に発生するジッタ及び衝撃を減少することができる。実現する方法として、リレー接点が動作するときに、リレーコイルへ提供する電流は最初に大きく徐々に減少する動的電流である。異なるリレーに対して、異なる電流曲線は異なる接点のストローク速度の軌跡を形成する。このことは如何にリレーのストローク時間を短縮することを検討する上で新しい考え方を与えた。また、これによりリレー設計の変革を引き起こす。リレーコイルの駆動回路について、本発明の明細書ではいくつかの実施例を挙げたのみであり、説明したとおり、リレーコイル電流の制御回路を通じて、容易にもっと多い回路が得られるので、ここでは詳述しない。
【0031】
ダイオード接点保護複合スイッチは電流ゼロ交差オン・オフスイッチである。コンデンサ降圧電源、シングルチップコンピュータ、過電流、過圧保護を利用して、交流スイッチを更に小さくさせ、更に多くの知能的な保護機能、遠隔操作機能を実現している。真の知能的なスイッチを実現することは、まさに交流電源スイッチの革命である。
【0032】
本発明は上記の最良の実施形態には限らない。あらゆる人は本発明の開示を受けて、その他の形式の製品及び方法を得られる。しかし、形状または構造上どのように変更を行ったとしても、本出願と同様または類似な技術方案である限り、本発明の保護範囲内に属する。