(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
インフルエンザはマイナス鎖一本鎖RNAウイルスであり、オルトミクソウイルス科の一員である。現在、3種のインフルエンザが存在する;A型インフルエンザ、B型インフルエンザおよびC型インフルエンザ。A型インフルエンザは、ウイルスの表面から突き出た赤血球凝集素、ノイラミニダーゼおよびM2タンパク質を含有する、宿主細胞由来の脂質膜を有する。A型インフルエンザは、赤血球凝集素(HまたはHA)およびノイラミニダーゼ(N)に基づいてさらに分類されている。およそ16のH抗原(H1〜H16)および9つのN抗原(N1〜N9)が存在する。A型インフルエンザには、H1N1、H1N2、H2N2、H3N1、H3N2、H3N8、H5N1、H5N2、H5N3、H5N8、H5N9、H7N1、H7N2、H7N3、H7N4、H7N7、H7N9、H9N2およびH10N7を含む、いくつかの亜型が含まれる。インフルエンザウイルスポリメラーゼは、酸性ポリメラーゼ(polymerase acid:PA)、塩基性ポリメラーゼ1(polymerase basic 1:PB1)および塩基性ポリメラーゼ2(polymerase basic 2:PB2)の3つのサブユニットから構成されるヘテロ三量体である。このポリメラーゼは、感染細胞の核内でのウイルスRNAの複製および転写に関与している。PAサブユニットはエンドヌクレアーゼ活性部位を含有する。PAのエンドヌクレアーゼ活性によって細胞性mRNAが切断され、次にそれがPB1サブユニットによってウイルスmRNA合成のためのプライマーとして使用される。
【0010】
インフルエンザウイルスは、感染性分泌物および/または汚染した表面もしくは対象との直接的な接触を介して人から人へ伝染し得る。インフルエンザウイルス感染症による合併症には、肺炎、気管支炎、脱水症、並びに副鼻腔洞および耳感染症が含まれる。インフ
ルエンザ感染症に対するFDAによって現在承認されている薬物には、限られた数のノイラミニダーゼ阻害剤およびM2タンパク質阻害剤が含まれる。承認されたノイラミニダーゼ阻害剤およびM2タンパク質阻害剤の例としては、アマンタジン、リマンタジン、リレンザ(登録商標)(ザナミビル、グラクソスミスクライン社)およびタミフル(登録商標)(オセルタミビル、ジェネンテック社)が挙げられる。
【0011】
定義
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で引用される全ての特許、出願、公開された出願および他の刊行物は、特に指示のない限り、それらの全体が参照によって援用される。本明細書のある用語に複数の定義が存在する場合、特に指示のない限り、このセクションにおける定義が優先される。
【0012】
本明細書で使用される場合、あらゆる「R」基、例えば、限定はされないが、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は、指示原子に結合している可能性がある置換基を表す。R基は置換されていても非置換であってもよい。2つの「R」基が「一緒になって」と記載された場合、これらのR基およびそれらが結合している原子は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロ環を形成し得る。例えば、限定はされないが、NR
aR
b基のR
aおよびR
bが「一緒になって」と表された場合、それは、R
aおよびR
bが互いに共有結合して環:
【0013】
【化1】
を形成することを意味する。さらに、代わりに、2つの「R」基がそれらが結合している原子と「一緒になって」環を形成すると記載された場合、R基は、上記で定義した可変部(variable)または置換基に限定されることはない。
【0014】
ある基が「任意に置換された」と記載されている場合は常に、その基は非置換であってもよいし、あるいは指示された置換基のうちの一つまたは複数で置換されていてもよい。同様に、ある基が「非置換または置換されている」と記載されている場合で、置換されている場合、置換基は一つまたは複数の指示された置換基から選択され得る。置換基が指示されていない場合、それは、指示された「任意に置換された」または「置換された」基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、(ヘテロシクリル)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O-カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、アジド、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ、一置換アミノ基および二置換アミノ基から個々におよび独立して選択される一つまたは複数の基で置換されていてもよいことを意味する。
【0015】
本明細書で使用される場合、「a」および「b」が整数である「C
a〜C
b」は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基内の炭素原子の数、またはシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル(heteroyclyl)基の環内の炭素原子の数を指す。すなわち、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキ
ルの環、シクロアルケニルの環、アリールの環、ヘテロアリールの環またはヘテロシクリル基の環は、「a」〜「b」個(包括的)の炭素原子を含有し得る。従って、例えば、「C
1〜C
4アルキル」基は、1〜4個の炭素を有する全てのアルキル基、すなわち、CH
3−、CH
3CH
2−、CH
3CH
2CH
2−、(CH
3)
2CH−、CH
3CH
2CH
2CH
2−、CH
3CH
2CH(CH
3)−および(CH
3)
3C−を指す。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基に関して「a」も「b」も指定されていない場合、これらの定義に記載される最も広い範囲が仮定されるべきである。
【0016】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、完全飽和した(二重結合も三重結合も有さない)炭化水素基を含む直鎖または分岐状の炭化水素鎖を指す。アルキル基は1〜20個の炭素原子を有し得る(本明細書中に現れる場合は常に、「1〜20」等の数値範囲は所与の範囲内の各々の整数を指し;例えば、「1〜20個の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等、20個以下の炭素原子からなり得ることを意味し、ただし、本定義は数値範囲が指定されていない場合の用語「アルキル」の出現も包含する)。アルキル基は、1〜10個の炭素原子を有する中型アルキルであってもよい。アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。本化合物ののアルキル基は、「C
1−C
4アルキル」または同様の名称で称され得る。例示のみを目的として、「C
1−C
4アルキル」は、アルキル鎖内に1〜4個の炭素原子が存在すること、すなわち、アルキル鎖がメチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、およびt−ブチルから選択されることを示す。典型的なアルキル基としては、限定はされないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三ブチル、ペンチル(直鎖および分岐鎖)およびヘキシル(直鎖および分岐鎖)が挙げられる。アルキル基は置換されていても非置換であってもよい。
【0017】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、直鎖または分岐状の炭化水素鎖内に一つまたは複数の二重結合を含有するアルキル基を指す。アルケニル基の例としては、アレニル、ビニルメチルおよびエテニルが挙げられる。アルケニル基は非置換であっても置換されていてもよい。
【0018】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、直鎖または分岐状の炭化水素鎖内に一つまたは複数の三重結合を含有するアルキル基を指す。アルキニルの例としては、エチニルおよびプロピニルが挙げられる。アルキニル基は非置換であっても置換されていてもよい。
【0019】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全飽和した(二重結合も三重結合も有さない)単環式または複環式の炭化水素環系を指す。2つ以上の環から構成される場合、これらの環は縮合様式で結合され得る。シクロアルキル基は、3〜10個の環内原子、または3〜8個の環内原子を含有し得る。シクロアルキル基は非置換であっても置換されていてもよい。典型的なシクロアルキル基としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの環内に一つまたは複数の二重結合を含有する単環式または複環式の炭化水素環系を指し;ただし、2つ以上存在する場合、二重結合は全ての環にわたって完全に非局在化したπ電子系を形成し得ない(そうでない場合、その基は、本明細書で定義されるように、「アリール」である)。2つ以上の環から構成される場合、これらの環は縮合様式で連結され得る。シクロアルケニル基は非置換であっても置換されていてもよい。
【0021】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、全ての環にわたって完全に非局在化したπ電子系を有する、炭素環式(全て炭素)の単環式または多環式の芳香環系(2個の環状炭素が化学結合を共有する縮合環系を含む)を指す。アリール基内の炭素原子の数は変動し得る。例えば、アリール基はC
6−C
14アリール基、C
6−C
10アリール基、またはC
6アリール基であり得る。アリール基の例としては、限定はされないが、ベンゼン、ナフタレンおよびアズレンが挙げられる。アリール基は置換されていても非置換であってもよい。
【0022】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、一つまたは複数のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素および硫黄を含むがこれらに限定はされない炭素以外の元素を含有する、単環式または多環式の芳香環系(完全に非局在化したπ電子系を有する環系)を指す。ヘテロアリール基の環内原子の数は変動し得る。例えば、ヘテロアリール基は、4〜14個の環内原子、5〜10個の環内原子または5〜6個の環内原子を含有し得る。さらに、用語「ヘテロアリール」は、2個の環、例えば、少なくとも1個のアリール環および少なくとも1個のヘテロアリール環、または少なくとも2個のヘテロアリール環が少なくとも1つの化学結合を共有する縮合環系も包含する。ヘテロアリール環の例としては、限定はされないが、フラン、フラザン、チオフェン、ベンゾチオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、チアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、インドール、インダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、イソキサゾール、ベンゾイソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、プテリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、シンノリンおよびトリアジンが挙げられる。ヘテロアリール基は置換されていても非置換であってもよい。
【0023】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」または「ヘテロ脂環式基」は、炭素原子が1〜5個のヘテロ原子と共に環系を構成する、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、最大18員の単環式環系、二環式環系、および三環式環系を指す。ヘテロ環は、全ての環にわたって完全に非局在化したπ電子系が生じないように位置している、一つまたは複数の不飽和結合を任意に含有していてもよい。ヘテロ原子は炭素以外の元素、例えば、限定はされないが、酸素、硫黄、および窒素である。ヘテロ環は一つまたは複数のカルボニル官能基またはチオカルボニル官能基をさらに含有していてもよく、その結果、前記定義にはラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミドおよび環状カルバメート等のオキソ系およびチオ系が含まれる。2つ以上の環から構成される場合、これらの環は、縮合様式で結合し得る。さらに、ヘテロシクリルまたはヘテロ脂環式基内のあらゆる窒素は四級化されていてもよい。ヘテロシクリル基またはヘテロ脂環式基は非置換であっても置換されていてもよい。このような「ヘテロシクリル」または「ヘテロ脂環式」基の例の例としては、限定はされないが、1,3−ダイオキシン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、1,3−オキサチアン、1,4−オキサチイン、1,3−オキサチオラン、1,3−ジチオール、1,3−ジチオラン、1,4−オキサチアン、テトラヒドロ−1,4−チアジン、2H−1,2−オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、トリオキサン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソキサゾリン、イソキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、オキシラン、ピペリジンN−オキシド、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ピロリドン、ピロリジオン、4−ピペリドン、ピラゾリン、ピラゾリジン、2−オキソピロリジン、テトラヒドロピラン、4H−ピラン、テトラヒドロチオピラン、チアモルホリン、チアモルホリンスルホキシド、チアモルホリンスルホン、
およびこれらのベンゾ縮環類似体(例えば、ベンズイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリンおよび3,4−メチレンジオキシフェニル)が挙げられる。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「アルキレン」は、その末端炭素原子を介して分子断片を連結する、直鎖状または分岐鎖状の繋留性の完全飽和(二重結合も三重結合も持たない)炭化水素基を指す。例としては、限定はされないが、メチレン(−CH
2−)、エチレン(−CH
2CH
2−)、プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)、およびブチレン(−(CH
2)
4−)基が挙げられる。「低級アルキレン基」は、1〜6個の炭素を含有するアルキレン基を指す。低級アルキレン基およびアルキレン基は、低級アルキレン基またはアルキレン基の一つまたは複数の水素を「置換された」の定義において列挙される置換基と置換することにより、置換することができる。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニレン」は、その末端炭素原子を介して分子断片を連結する一つまたは複数の二重結合を含有する、直鎖状または分岐鎖状の繋留性炭化水素基を指す。例としては、限定はされないが、エテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン(−CH
=CHCH
2−または−CH
2CH
=CH−)、およびブテニレン(−CH
=CHCH
2CH
2−、−CH
2CH=CHCH
2−または−CH
2CH
2CH
=CH−)基が挙げられる。アルケニレン基は置換されていても非置換であってもよい。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキレン」は、炭素骨格内に一つまたは複数のヘテロ原子基またはヘテロ原子含有基を含有するアルキレン(すなわち、一つまたは複数の炭素原子がヘテロ原子基またはヘテロ原子含有基で置換されているアルキレン基)を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキルは置換されていても非置換であってもよい。ヘテロアルキルとしては、限定はされないが、エーテル、チオエーテル、アミノ−アルキレン、およびアルキレン−アミノ−アルキレン部分が挙げられる。ヘテロアルキルの例としては、限定はされないが、−CH
2O−、−CH
2CH
2CH
2CH
2O−、−CH
2OCH
2−、−CH
2OCH
2CH
2−、−CH
2CH
2OCH
2CH
2−、−CH
2OCH
2CH
2CH
2−、−CH
2OCH
2CH
2−、−(CH
2)
2O(CH
2)
2−、−CH
2S−、−CH
2CH
2CH
2CH
2S−、−CH
2SCH
2−、−CH
2SCH
2CH
2−、−CH
2CH
2SCH
2CH
2−、−CH
2SCH
2CH
2CH
2−、−CH
2SCH
2CH
2−、−(CH
2)
2S(CH
2)
2−、−CH
2NH−、−CH
2CH
2CH
2CH
2NH−、−CH
2NHCH
2−、−CH
2NHCH
2CH
2−、−CH
2CH
2NHCH
2CH
2−、−CH
2NHCH
2CH
2CH
2−、−CH
2NHCH
2CH
2−、−(CH
2)
2NH(CH
2)
2−等が挙げられる。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルケニレン」は、一つまたは複数のヘテロ原子を炭素骨格内に含有するアルケニレン(すなわち、一つまたは複数の完全飽和炭素原子(すなわちCH
2)がヘテロ原子基またはヘテロ原子含有基で置換されているアルケニレン基)を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニルは置換されていても非置換であってもよい。ヘテロアルケニルの例としては、限定はされないが、−CH=CHCH
2OCH
2CH
2−、−CH=CHCH
2OCH
2CH
2CH
2−、−CH=CHCH
2OCH
2CH
2−、−CH
2CH=CHCH
2O−、−CH
2CH
2CH=CHCH
2O−、−CH
2CH
2CH
2CH=CHCH
2O−、−(CH
2)
2CH=CH(CH
2)
2O−、−CH=CHCH
2S−、−CH=CHCH
2SCH
2−、−CH=CHCH
2SCH
2CH
2−、−CH=CHCH
2CH
2SCH
2CH
2−、−CH=CHCH
2SCH
2CH
2CH
2−、−CH=CHCH
2SCH
2CH
2−、−CH
2CH=CHCH
2S−、−CH
2CH
2CH=CHCH
2S−、−CH
2CH
2CH
2CH=CHCH
2S−、−(CH
2)
2CH=CH(CH
2)
2S−、−CH=CHCH
2NH−、−CH=CHCH
2NHCH
2−、−CH=CHCH
2NHCH
2CH
2−、−CH=CHCH
2CH
2NHCH
2CH
2−、−CH=CHCH
2NHCH
2CH
2CH
2−、−CH=CHCH
2NHCH
2CH
2−、−CH
2CH=CHCH
2NH−、−CH
2CH
2CH=CHCH
2NH−、−CH
2CH
2CH
2CH=CHCH
2NH−、−(CH
2)
2CH=CH(CH
2)
2NH−等が挙げられる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「アラルキル」および「アリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として連結されたアリール基を指す。アラルキルの低級アルキレンおよび/またはアリール基は置換されていても非置換であってもよい。例としては、限定はされないが、ベンジル、2−フェニルアルキル、3−フェニルアルキル、およびナフチルアルキルが挙げられる。
【0029】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアラルキル」および「ヘテロアリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として連結されたヘテロアリール基を指す。ヘテロアリール(アルキル)の低級アルキレンおよび/またはヘテロアリール基は置換されていても非置換であってもよい。例としては、限定はされないが、2−チエニルアルキル、3−チエニルアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、イミダゾリルアルキル、およびそれらのベンゾ縮環類似体が挙げられる。
【0030】
「(ヘテロ脂環)アルキル」および「(ヘテロシクリル)アルキル」は、低級アルキレン基を介して置換基として連結されたヘテロ環式基またはヘテロ脂環式基を指す。(ヘテロ脂環)アルキルの低級アルキレンおよび/またはヘテロシクリルは置換されていても非置換であってもよい。例としては、限定はされないが、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル、(ピペリジン−4−イル)エチル、(ピペリジン−4−イル)プロピル、(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)メチル、および(1,3−チアジナン−4−イル)メチルが挙げられる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は式−ORを指し、式中Rは、本明細書で定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルである。アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシおよびベンゾキシが非限定的に列挙される。アルコキシは置換されていても非置換であってもよい。
【0032】
本明細書で使用される場合、「アシル」とは、水素、カルボニル基を介して置換基として連結されたアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリールを指す。例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイルおよびアクリルが挙げられる。アシルは置換されていても非置換であってもよい。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシアルキル」は、一つまたは複数の水素原子がヒドロキシ基で置換されているアルキル基を指す。ヒドロキシアルキル基の例としては、限定はされないが、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、および2,2−ジヒドロキシエチルが挙げられる。ヒドロキシアルキルは置換されていても非置換であってもよい。
【0034】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、水素原子のうちの一つまたは複数がハロゲンで置換されているアルキル基(例えば、モノハロアルキル、ジハロアルキルおよびトリハロアルキル)を指す。このような基としては、限定はされないが、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−クロロ−2−フルオロメチルおよび2−フルオロイソブチルが挙げられる。ハロアルキルは置換されていても非置換であってもよい。
【0035】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」は、水素原子のうちの一つまたは複数がハロゲンで置換されている式−O−アルキルのアルコキシ基(例えば、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシおよびトリハロアルコキシ)を指す。このような基としては、限定はされないが、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1−クロロ−2−フルオロメトキシおよび2−フルオロイソブトキシが挙げられる。ハロアルコキシは置換されていても非置換であってもよい。
【0036】
「スルフェニル」基は、Rが水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−SR」基を指す。スルフェニルは置換されていても非置換であってもよい。
【0037】
「スルフィニル」基は、Rがスルフェニルに関して定義されたものと同一であり得る「−S(=O)−R」基を指す。スルフィニルは置換されていても非置換であってもよい。
【0038】
「スルホニル」基は、Rがスルフェニルに関して定義されたものと同一であり得る「SO
2R」基を指す。スルホニルは置換されていても非置換であってもよい。
【0039】
「O−カルボキシ」基は、Rが本明細書で定義されるような水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「RC(=O)O−」基を指す。O−カルボキシは置換されていても非置換であってもよい。
【0040】
用語「エステル」および「C−カルボキシ」は、RがO−カルボキシに関して定義されたものと同一であり得る「−C(=O)OR」基を指す。エステルおよびC−カルボキシは置換されていても非置換であってもよい。
【0041】
「チオカルボニル」基は、RがO−カルボキシに関して定義されたものと同一であり得る「−C(=S)R」基を指す。チオカルボニルは置換されていても非置換であってもよい。
【0042】
「トリハロメタンスルホニル」基は、各Xがハロゲンである「X
3CSO
2−」基を指す。
【0043】
「トリハロメタンスルホンアミド」基は、各Xがハロゲンであり、R
Aが水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルである、「X
3CS(O)
2N(R
A)−」基を指す。
【0044】
用語「アミノ」は、本明細書で使用される場合、−NH
2基を指す。
【0045】
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロキシ」は−OH基を指す。
【0047】
用語「アジド」は、本明細書で使用される場合、−N
3基を指す。
【0048】
「イソシアナト」基は「−NCO」基を指す。
【0049】
「チオシアナト」基は「−CNS」基を指す。
【0050】
「イソチオシアナト」基は「−NCS」基を指す。
【0052】
「S−スルホンアミド」基は、R
AおよびR
Bが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−SO
2N(R
AR
B)」基を指す。S−スルホンアミドは置換されていても非置換であってもよい。
【0053】
「N−スルホンアミド」基は、RおよびR
Aが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「RSO
2N(R
A)−」基を指す。N−スルホンアミドは置換されていても非置換であってもよい。
【0054】
「O−カルバミル」基は、R
AおよびR
Bが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−OC(=O)N(R
AR
B)」基を指す。O−カルバミルは置換されていても非置換であってもよい。
【0055】
「N−カルバミル」基は、RおよびR
Aが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「ROC(=O)N(R
A)−」基を指す。N−カルバミルは置換されていても非置換であってもよい。
【0056】
「O−チオカルバミル」基は、R
AおよびR
Bが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−OC(=S)−N(R
AR
B)」基を指す。O−チオカルバミルは置換されていても非置換であってもよい。
【0057】
「N−チオカルバミル」基は、RおよびR
Aが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「ROC(=S)N(R
A)−」基を指す。N−チオカルバミルは置換されていても非置換であってもよい。
【0058】
「C−アミド」基は、R
AおよびR
Bが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「−C(=O)N(R
AR
B)」基を指す。C−アミドは置換されていても非置換であってもよい。
【0059】
「N−アミド」基は、RおよびR
Aが独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、
アラルキル、(ヘテロアリール)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキルであり得る「RC(=O)N(R
A)−」基を指す。N−アミドは置換されていても非置換であってもよい。
【0060】
用語「ハロゲン原子」または「ハロゲン」は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素等の、元素周期表第7列の放射線安定性原子のいずれか1つを意味する。
【0061】
置換基の数が指定されていない場合(例えば、ハロアルキル)、一つまたは複数の置換基が存在し得る。例えば「ハロアルキル」は、一つまたは複数の同じまたは異なるハロゲンを含み得る。別の例として、「C
1−C
3アルコキシフェニル」は、1、2または3個の原子を含有する、一つまたは複数の同じまたは異なるアルコキシ基を含み得る。
【0062】
本明細書で使用される場合、いかなる保護基、アミノ酸および他の化合物の略語も、特に指示がない限り、それらの通常の用法、認知されている略語、または生化学命名法に関するIUPAC−IUB委員会(Biochem. 11:942-944 (1972)を参照)に従う。
【0063】
用語「保護基(protecting group)」および「保護基(protecting groups)」は、本明細書で使用される場合、分子内の既存の基が望まれない化学反応を起こすことを防ぐために分子に付加される、あらゆる原子または原子団を指す。保護基部分の例は、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3. Ed. John Wiley & Sons, 1999, およびJ.F.W. McOmie, Protective Groups in Organic Chemistry Plenum Press, 1973に記載されており、これらは共に適切な保護基を開示するという限定された目的のために参照によって本明細書に援用される。保護基部分は、ある特定の反応条件に対し安定であり、且つ当該技術分野より知られている方法論を用いて好都合な段階で容易に除去されるように、選択され得る。保護基の非限定的な列挙には、ベンジル;置換ベンジル;アルキルカルボニルおよびアルコキシカルボニル(例えば、t−ブトキシカルボニル(BOC)、アセチルおよびイソブチリル);アリールアルキルカルボニルおよびアリールアルコキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル);置換メチルエーテル(例えばメトキシメチルエーテルおよびテトラヒドロピラニルエーテル);置換エチルエーテル;置換ベンジルエーテル;シリル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリ−イソ−プロピルシリルオキシメチル、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルおよびt−ブチルジフェニルシリル);エステル(例えば安息香酸エステル);炭酸(例えばメトキシメチルカーボネート);スルホン酸(例えばトシル酸およびメシル酸);非環式ケタール(例えばジメチルアセタールおよびジイソプロピルアセタール);環式ケタール(例えば、1,3−ジオキサンおよび1,3−ジオキソラン);非環式アセタール;環式アセタール;非環式ヘミアセタール;環式ヘミアセタール;ジチオアセタール(環式および非環式の両方);ジチオケタール(環式および非環式の両方)(例えば、S,S’−ジメチル、S,S’−ジエチル、S,S’−ジイソプロピル、1,3−ジチアンおよび1,3−ジチオラン);オルトエステル(例えば、環式オルトギ酸エステル等の環式オルトエステル);カルバメート(例えば、N−フェニルカルバメート)並びにトリアリールメチル基(例えば、トリチル、モノメトキシトリチル(MMTr)、4,4’−ジメトキシトリチル(DMTr)、および4,4’,4”−トリメトキシトリチル(TMTr);および本明細書に記載のもの)が含まれる。
【0064】
「脱離基」は、本明細書で使用される場合、化学反応において別の原子または部分によって置換することが可能なあらゆる原子または部分を指す。より具体的には、いくつかの実施形態では、「脱離基」は、求核置換反応において置換される原子または部分を指す。いくつかの実施形態では、「脱離基」は、強酸の共役塩基であるあらゆる原子または部分
である。適切な脱離基の例としては、限定はされないが、トシル酸、メシル酸、およびハロゲン(例えば、I、Br、およびCl)が挙げられる。脱離基の非限定的な特徴および例は、例えば、Organic Chemistry, 2d ed., Francis Carey (1992), pages 328-331; Introduction to Organic Chemistry, 2d ed., Andrew Streitwieser and Clayton Heathcock (1981), pages 169-171;およびOrganic Chemistry, 5
th ed., John McMurry (2000), pages 398 and 408に見出すことができ;これらすべては、脱離基の特徴および例を開示するという限定された目的のために参照によって本明細書に援用される。
【0065】
用語「薬剤的に許容できる塩」は、投与された生物に対し有意な刺激作用を生じず、化合物の生物活性および特性を抑止しない、化合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、前記塩は化合物の酸付加塩である。医薬塩は、化合物を、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸または臭化水素酸)、硫酸、硝酸およびリン酸等の無機酸と反応させることによって得ることができる。医薬塩は、化合物を、脂肪族または芳香族のカルボン酸またはスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸またはナフタレンスルホン酸等の有機酸と反応させることによっても得ることができる。医薬塩は、化合物を塩基と反応させて、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩等の塩、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒロドキシメチル)メチルアミン、C
1−C
7アルキルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等の有機塩基の塩、並びにアルギニンおよびリジン等のアミノ酸との塩を形成することによっても得ることができる。
【0066】
特に添付の特許請求の範囲における、本願で使用される用語および句、並びにその変形語は、特に明確な記載がない限り、限定的とは逆に、非限定的に解釈されるべきである。上記の例として、用語「を含む(including)」は、「を含むがこれらに限定はされない(including, without limitation)」、「を含むがこれらに限定はされない(including
but not limited to)」等を意味するように読まれるべきであり;用語「を含んで成る(comprising)」は、本明細書で使用される場合、「を含む(including)」、「を含有する(containing)」、または「を特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的または非限定的であり、追加の未記載の要素または方法段階を除外せず;用語「を有する(having)」は、「を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり;用語「を含む(includes)」は、「を含むがこれらに限定はされない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであり;用語「例」は、議論されている物品の典型的な実例を提供するために使用され、その網羅的または限定的な列挙ではなく;「好ましくは(preferably)」、「好ましい(preferred)」、「所望の(desired)」、または「望ましい(desirable)」のような用語、および同様の意味の語の使用は、ある特定の特徴が構造または機能にとって決定的、必須、さらには重要であることを示していると理解されるべきではなく、特定の実施形態において利用されてもされなくてもよい代替的または追加の特徴を単に強調する目的であると理解されるべきである。さらに、用語「を含んで成る(comprising)」は、句「を少なくとも有する(having at least)」または「少なくとも含む(including at least)」と同義であると解釈されるべきである。工程に関連して使用される場合、用語「を含んで成る(comprising)」は、前記工程が少なくとも記載された段階を含むが、追加の段階を含んでいてもよいことを意味する。化合物、組成物またはデバイスに関連して使用される場合、用語「を含んで成る(comprising)」は、前記化合物、組成物またはデバイスが少なくとも記載された特徴または成分を含むが、追加の特徴または成分を含んでいてもよいことを意味する。同様に、接続詞「および」で連結された物品群は、それら物品の各々すべてがその分類中に存在することを要求していると読まれるべきではなく、特に明確な記載がない限りは「および/または」と読まれるべきである。同様に、接続詞「または」で連結された物品群は、その群中の相互排他
性を要求していると読まれるべきではなく、特に明確な記載がない限りは「および/または」と読まれるべきである。
【0067】
本明細書における実質的に全ての複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または使用法に適切である場合、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変形することができる。明確さのために、様々な単数形/複数形の変換が本明細書に明記される場合がある。不定冠詞「a」または「an」は多数性を排除するものではない。単一の処理装置または他のユニットは、特許請求の範囲に記載されるいくつかの物品の機能を果たし得る。ある特定の基準が相互に異なる従属クレームに記載されているという単なる事実は、これらの基準の組合せを有利に使用することができないことを示すものではない。特許請求の範囲の中のいかなる引用符号も、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0068】
一つまたは複数のキラル中心を有する本明細書に記載のあらゆる化合物において、絶対立体化学により明白に示されていない場合、各々の中心は独立してR−立体配置もしくはS−立体配置またはその混合物であり得ることが理解される。従って、本明細書で提供される化合物は、鏡像異性的に純粋である、鏡像異性的に濃縮されている、ラセミ混合物である、ジアステレオ異性的に純粋である、ジアステレオ異性的に濃縮されている、または立体異性体の混合物である場合がある。さらに、EまたはZと定義することのできる幾何異性体を生み出す一つまたは複数の二重結合を有する本明細書に記載のあらゆる化合物においては、各々の二重結合が独立してE、Zまたはその混合物であり得ると理解される。
【0069】
本明細書で開示される化合物が空の原子価を有する場合、これらの原子価は、水素またはその同位元素、例えば、水素−1(プロチウム)および水素−2(ジュウテリウム)で満たされることになっていることを理解されたい。
【0070】
本明細書に記載の化合物が同位体標識され得ることが理解される。ジュウテリウム等の同位元素との置換は、例えば、インビボにおける半減期の延長または必要用量の減少等の、より大きな代謝的安定性から生じるある特定の治療上の利点を与え得る。化合物構造内に示される各々の化学元素は、前記元素のあらゆる同位元素を包含し得る。例えば、ある化合物構造において、水素原子は明示されていてもよいし、化合物内に存在していると理解されてもよい。水素原子が存在し得る化合物のあらゆる位置において、水素原子は、水素−1(プロチウム)および水素−2(ジュウテリウム)を含むがこれらに限定はされない、水素のあらゆる同位元素であり得る。従って、本明細書における化合物に対する言及は、文脈によって特に明示されない限り、全ての可能な同位体形態を包含する。
【0071】
本明細書に記載の方法および組合せは、結晶形(多形としても知られており、これは、化合物の同一の元素組成の異なる結晶充填配置を含む)、非晶相、塩、溶媒和化合物、および水和物を含むと理解される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、水、エタノール等の薬剤的に許容できる溶媒との溶媒和形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和化合物は化学量論的または非化学量論的な量の溶媒を含有し、水、エタノール等の薬剤的に許容できる溶媒を用いた結晶化の過程で形成され得る。溶媒が水である場合には水和物が形成され、あるいは、溶媒がアルコールである場合にはアルコラートが形成される。さらに、本明細書で提供される化合物は、溶媒和形態だけでなく、非溶媒和形態でも存在し得る。概して、本明細書で提供される化合物および方法の目的のために、溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であると見なされる。
【0072】
数値範囲が提供される場合、上限および下限、並びに各々の範囲の上限と下限の間にある数値は、実施形態に包含されるものと理解される。
【0073】
化合物
本明細書で開示されるいくつかの実施形態は、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩に関し、
【0076】
およびR
5から選択され得;G
2は水素、ハロゲン、−CN、任意に置換されたC
1-6アルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、−CH
2OH、−CH(Y
1)(OH)または−C(O)Y
1であり得;G
3は、水素、−C(O)Y
2、−C(O)O−Y
2、−(CH
2)−O(CO)Y
2、−(CH
2)−O(CO)OY
2、−(CHCH
3)−O(CO)Y
2、および−(CHCH
3)−O(CO)OY
2から選択され得;Y
1およびY
2は独立して、任意に置換されたC
1-6アルキルまたは任意に置換されたアリールであり得;R
1は、OR
6、NH
2、任意に置換された一置換アミン、任意に置換された二置換アミン、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたN−スルホンアミドおよび任意に置換されたアルコキシアミンから選択され得、またはR
10であり;R
2は水素、C
1-6アルキル、任意に置換されたC
3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリール(C
1-6アルキル)または任意に置換されたC−アミドであり得;R
3は水素またはC
1-6アルキルであり得;あるいは、R
2およびR
3は一緒になって、任意に置換されたC
3-6シクロアルキル、任意に置換された5〜6員ヘテロシクリルまたは=Oを形成し得;R
4は、任意に置換されたアリール、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロアリールおよび任意に置換されたヘテロシクリルから選択され得;あるいは、R
4はA
1R
A4R
B4であり得、式中、A
1はCHまたはNであり得;R
A4およびR
B4はそれぞれ独立して、任意に置換されたフェニルであり得;R
5は、任意に置換されたアリール、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロアリールおよび任意に置換されたヘテロシクリルから選択され得;R
6は、水素、C
1-6アルキル、−C(O)R
7および−C(O)NR
8R
9から選択され得;R
7は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得;R
8およびR
9は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル
)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され;あるいは、R
8およびR
9は一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し得;R
1がR
10である場合、R
10およびR
4は一緒になってL
1を含み得、L
1はR
10およびR
4を連結して11〜20員環を形成し、あるいは、R
1がR
10である場合、R
10およびR
5は一緒になってL
1を含み得、L
1はR
1およびR
5を連結して11〜20員環を形成し;R
10は任意に置換された−CH
2−、任意に置換された−CH=CH−、O(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11であり;R
11は水素またはC
1-6アルキルであり得;Z
1およびZ
2は独立して0、1、2、3または4であり得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、G
3は水素であり得る。他の実施形態では、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩は、G
3が−C(O)Y
2、−C(O)O−Y
2、−(CH
2)−O(CO)Y
2、−(CH
2)−O(CO)OY
2、−(CHCH
3)−O(CO)Y
2、および−(CHCH
3)−O(CO)OY
2から選択され得るプロドラッグである。
【0078】
種々の置換基が式(I)の6員環上に存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、G
2は水素であり得る。他の実施形態では、G
2はハロゲンであり得る。さらに他の実施形態では、G
2は−CNであり得る。またさらに他の実施形態では、G
2は任意に置換されたアリールであり得る。いくつかの実施形態では、G
2は任意に置換されたヘテロアリールであり得る。他の実施形態では、G
2は−CH
2OHであり得る。さらに他の実施形態では、G
2は−CH(Y
1)(OH)であり得る。またさらに他の実施形態では、G
2は−C(O)Y
1であり得る。いくつかの実施形態では、G
2は任意に置換されたC
1-6アルキルであり得る。いくつかの実施形態では、G
2は非置換C
1-6アルキル、例えばメチルであり得る。Y
1およびY
2がそれぞれG
2および/またはG
3に存在する場合、Y
1およびY
2は独立して、任意に置換されたC
1-6アルキルまたは任意に置換されたアリール(例えば、任意に置換されたフェニル)であり得る。
【0079】
種々の基がR
1に存在し得る。いくつかの実施形態では、R
1はOR
6であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、R
1はヒドロキシであり得る。他の実施形態では、R
1がOR
6である場合、R
6はC
1-6アルキルであり得る。さらに他の実施形態では、R
1がOR
6である場合、R
6は−C(O)R
7であり得る。適切なR
7基の例としては、限定はされないが、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)が挙げられる。またさらに他の実施形態では、R
1がOR
6である場合、R
6は−C(O)NR
8R
9であり得る。R
8およびR
9は独立して種々の置換基、例えば、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)またはヘテロシクリル(C
1-6アルキル)であり得る。いくつかの実施形態では、R
8およびR
9は一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し得る。R
8およびR
9から形成され得る任意に置換されたヘテロシクリルの適切な例としては、5〜6員ヘテロシクリルが挙げられる。いくつかの実施形態では、R
6は水素、C
1-6アルキル、アシルまたはC−アミドであり得る。いくつかの実施形態では、R
6は水素、−C(O)R
7および−C(O)NR
8R
9であり得る。他の実施形態では、R
6は−C(O)R
7および−C(O)NR
8R
9であり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、R
1はNH
2であり得る。他の実施形態では、R
1は任意に置換された一置換アミンであり得る。適切な一置換アミンの一例は、−NHR
1AAの式を有する基であり、式中、R
1AAは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ア
リール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R
1AAは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。他の実施形態では、R
1AAは、アルキル、アリール、およびアリール(C
1-6アルキル)から選択され得る。R
1が式−NHR
1AAを有する一置換アミンである場合、R
1AAは置換または非置換の基であり得る。
【0081】
他の実施形態では、R
1は任意に置換された二置換アミンであり得る。例えば、R
1は−NR
1BBR
1CCの式を有する基であり得、式中、R
1BBおよびR
1CCは独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R
1BBおよびR
1CCは独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。他の実施形態では、R
1BBおよびR
1CCは独立して、アルキル、アリール、およびアリール(C
1-6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R
1BBおよびR
1CCは同一であり得る。他の実施形態では、R
1BBおよびR
1CCは異なり得る。R
1が式−NR
1BBR
1CCを有する二置換アミンである場合、R
1BBおよびR
1CCは置換または非置換の基であり得る。
【0082】
さらに他の実施形態では、R
1は任意に置換されたヘテロシクリルであり得る。種々のヘテロシクリルが使用され得、環炭素または環ヘテロ原子を介して連結され得る。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルは5〜6員ヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルは1個のヘテロ原子を含み得る。他の実施形態では、ヘテロシクリルは2個のヘテロ原子を含み得、ヘテロ原子は同じであるかまたは異なり得る。いくつかの実施形態では、R
1は、少なくとも1個の窒素を環内に含有し、N結合型ヘテロシクリルである、任意に置換されたヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
1は非置換ヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
1は置換ヘテロシクリルであり得る。
【0083】
さらに他の実施形態では、R
1は任意に置換されたN−スルホンアミドであり得る。いくつかの実施形態では、R
1が任意に置換されたN−スルホンアミドである場合、硫黄に結合した基は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。任意に置換されたN−スルホンアミドの適切な構造の一例は、−NHS(O)
2R
1DDであり、式中、R
1DDは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R
1DDは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。他の実施形態では、R
1DDは、アルキル、アリール、およびアリール(C
1-6アルキル)から選択され得る。R
1が式−NHS(O)
2R
1DDを有するN−スルホンアミドである場合、R
1DDは置換または非置換の基であり得る。
【0084】
またさらに他の実施形態では、R
1は任意に置換されたアルコキシアミンであり得る。
任意に置換されたアルコキシアミンの例としては、限定はされないが、以下が挙げられる:−NH(C
1-6アルコキシ)および−N(C
1-6アルキル)(C
1-6アルコキシ)、−NH(OCH
3)および−NCH
3(OCH
3)。
【0087】
であり得る。いくつかの実施形態では、R
2は水素であり得る。他の実施形態では、R
2はC
1-6アルキルであり得る。適切なC
1-6アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、直鎖または分岐状のペンチルおよび直鎖または分岐状のヘキシルが挙げられる。さらに他の実施形態では、R
2は任意に置換されたC
3-6シクロアルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R
2は、任意に置換されたC
5-6シクロアルキル、例えば、任意に置換された単環式C
5-6シクロアルキルまたは任意に置換された縮合型二環式C
5-6シクロアルキルであり得る。またさらに他の実施形態では、R
2は任意に置換されたアリール、例えば、任意に置換されたフェニルであり得る。いくつかの実施形態では、R
2は任意に置換されたアリール(C
1-6アルキル)、例えば、任意に置換されたベンジルであり得る。他の実施形態では、R
2は任意に置換されたC−アミドであり得る。例えば、R
2はC(=O)NH−(C
1-6アルキル)であり得る。いくつかの実施形態では、R
3は水素であり得る。他の実施形態では、R
3はC
1-6アルキルであり得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、R
2およびR
3は同一であり得る。他の実施形態では、R
2およびR
3は異なり得る。いくつかの実施形態では、R
2およびR
3は共に水素であり得る。他の実施形態では、R
2およびR
3は共にC
1-6アルキルであり得る。例えば、R
2およびR
3は共にメチルであり得る。いくつかの実施形態では、R
2はC
1-6アルキル、任意に置換されたC
3-6シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアリール(C
1-6アルキル)または任意に置換されたC−アミドであり得、R
3は水素であり得る。
【0089】
あるいは、いくつかの実施形態では、R
2およびR
3は一緒になって任意に置換されたC
3-6シクロアルキルを形成し得る。適切なシクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。R
2およびR
3が一緒になる場合、シクロアルキル基は非置換であり得る。あるいは、シクロアルキル基は一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
2およびR
3は一緒になって、任意に置換されたC
5シクロアルキルを形成し得る。いくつかの実施形態では、R
2およびR
3は一緒になって、非置換C
5シクロアルキルを形成し得る。他の実施形態では、R
2およびR
3は一緒になって、一置換または二置換C
5シクロアルキルを形成し得る。いくつかの実施形態では、R
2およびR
3は一緒になって、任意に置換された5〜6員ヘテロシクリルを形成し得る。形成され得るヘテロシクリルの例としては、限定はされないが、任意に置換された窒素含有5〜6員ヘテロシクリルが挙げられる。いくつかの実施形態では、R
2およびR
3は一緒になって、任意に置換された5〜6員N結合型ヘテロシクリル、例えば、任意に置換されたピペルジノ(piperdino)または任意に置換されたピロリジノを形成し得る。いくつかの実施形態では、R
2およびR
3が結合している炭素がR
2およびR
3と一緒になってカルボニル基を形成するように、R
2およびR
3は一緒になって=Oを形成
し得る。
【0090】
種々の基がR
4になり得る。いくつかの実施形態では、R
4は任意に置換されたアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
4は任意に置換されたナフチルであり得る。他の実施形態では、R
4は任意に置換されたフェニルであり得る。いくつかの実施形態では、R
4は非置換フェニルであり得る。他の実施形態では、R
4は置換フェニルであり得る。一つまたは複数の基が置換フェニル上に存在し得る。例えば、置換フェニルは一置換フェニル、例えば、オルト置換フェニル、メタ置換フェニルまたはパラ置換フェニルであり得る。別の例として、置換フェニルは二置換フェニル、例えば、2,5−二置換フェニル、2,4−二置換フェニルおよび2,3−二置換フェニルであり得る。いくつかの実施形態では、置換フェニルは3つ以上の置換基で置換され得る。
【0091】
他の実施形態では、R
4は任意に置換されたシクロアルキルまたは任意に置換されたシクロアルケニルであり得る。例えば、R
4は任意に置換されたC
4-6シクロアルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R
4は非置換シクロアルキルであり得る。他の実施形態では、R
4は置換シクロアルキルであり得る。
【0092】
さらに他の実施形態では、R
4は任意に置換されたヘテロアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
4は非置換ヘテロアリールであり得る。他の実施形態では、R
4は置換ヘテロアリールであり得る。適切なヘテロアリールの例は本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、R
4は任意に置換された単環式ヘテロアリールであり得る。他の実施形態では、R
4は任意に置換された二環式ヘテロアリール、例えば、任意に置換された1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンであり得る。
【0093】
またさらに他の実施形態では、R
4は任意に置換されたヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
4は非置換ヘテロシクリルであり得る。他の実施形態では、R
4は置換ヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
4は任意に置換された単環式ヘテロシクリルであり得る。他の実施形態では、R
4は任意に置換された二環式ヘテロシクリルであり得る。
【0094】
R
4が置換されている場合、一つまたは複数の基が存在し得る。2つ以上の置換基が存在する場合、置換基の2つ以上は同一であり得る。いくつかの実施形態では、複数の置換基がR
4上に存在する場合、置換基の少なくとも1つは残りの置換基と異なる。いくつかの実施形態では、R
4上に存在する置換基の全てが異なる。いくつかの実施形態では、R
4は、ハロゲン、C
1-6アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、N−スルホンアミド、S−スルホンアミド、スルホニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、カルボニル、C−カルボキシ、−CH
2−(一置換アミン)およびCH
2−(二置換アミン)から選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
4が置換アリールである場合、アリールは、C
1-6アルキル、アルコキシ、アリール(例えば、フェニル)、シアノ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
4が置換シクロアルキルである場合、シクロアルキルは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびハロアルキルで置換され得る。いくつかの実施形態では、R
4が置換ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アリール(C
1-6アルキル)およびC−カルボキシで置換され得る。いくつかの実施形態では、R
4の置換ヘテロシクリルは、置換または非置換ベンジルで置換され得る。
【0095】
ピリダジノン環は、置換または非置換アルキレンを介してR
4に連結され得る。いくつかの実施形態では、Z
1は0であり得る。他の実施形態では、Z
1は1であり得る。さらに
他の実施形態では、Z
1は2であり得る。またさらに他の実施形態では、Z
1は3であり得る。いくつかの実施形態では、Z
1は4であり得る。いくつかの実施形態では、Z
2は0であり得る。他の実施形態では、Z
2は1であり得る。さらに他の実施形態では、Z
2は2であり得る。またさらに他の実施形態では、Z
2は3であり得る。いくつかの実施形態では、Z
2は4であり得る。いくつかの実施形態では、Z
1は1であり得、Z
2は0であり得る。他の実施形態では、Z
1およびZ
2は共に1であり得る。さらに他の実施形態では、Z
1およびZ
2は共に>1であり得る。またさらに他の実施形態では、Z
1およびZ
2の少なくとも一方は1であり得る。いくつかの実施形態では、Z
1およびZ
2の少なくとも一方1であり得、Z
1およびZ
2の他方は>1であり得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、R
4はA
1R
A4R
B4であり得、式中、A
1はCHまたはNであり得;R
A4およびR
B4はそれぞれ独立して任意に置換されたフェニルであり得る。例えば、R
4はCHR
A4R
B4またはNR
A4R
B4であり得る。本明細書に記載される場合、フェニル基は同じであるかまたは異なり得、置換または非置換であり得る。
【0097】
他の実施形態では、G
1はR
5であり得る。R
4に関して、R
5は種々の基であり得る。いくつかの実施形態では、R
5は任意に置換されたアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
5は任意に置換されたナフチルであり得る。他の実施形態では、R
5は任意に置換されたフェニルであり得る。いくつかの実施形態では、R
5は非置換フェニルであり得る。他の実施形態では、R
5は置換フェニルであり得る。一つまたは複数の基が置換フェニル上に存在し得る。例えば、置換フェニルは一置換フェニル、例えば、オルト置換フェニル、メタ置換フェニルまたはパラ置換フェニルであり得る。別の例として、置換フェニルは二置換フェニル、例えば、2,5−二置換フェニル、2,4−二置換フェニルおよび2,3−二置換フェニルであり得る。いくつかの実施形態では、置換フェニルは、3つ以上の置換基で置換され得る。
【0098】
他の実施形態では、R
5は任意に置換されたシクロアルキルまたは任意に置換されたシクロアルケニルであり得る。例えば、R
5は置換または非置換C
4-6シクロアルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R
5は非置換シクロアルキルであり得る。他の実施形態では、R
5は置換シクロアルキルであり得る。
【0099】
さらに他の実施形態では、R
5は任意に置換されたヘテロアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
5は非置換ヘテロアリールであり得る。他の実施形態では、R
5は置換ヘテロアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
5は任意に置換された単環式ヘテロアリールであり得る。他の実施形態では、R
5は任意に置換された二環式ヘテロアリールであり得る。
【0100】
またさらに他の実施形態では、R
5は任意に置換されたヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
5は非置換ヘテロシクリルであり得る。他の実施形態では、R
5は置換ヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
5は任意に置換された単環式ヘテロシクリルであり得る。他の実施形態では、R
5は任意に置換された二環式ヘテロシクリルであり得る。
【0101】
R
5が置換されている場合、一つまたは複数の基が存在し得る。2つ以上の置換基が存在する場合、置換基の2つ以上が同一であり得る。いくつかの実施形態では、複数の置換基がR
5上に存在する場合、置換基の少なくとも1つは残りの置換基と異なっている。いくつかの実施形態では、R
5上に存在する置換基の全てが異なっている。いくつかの実施形態では、R
5は、ハロゲン、C
1-6アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、N−スルホンアミド、S−スルホンアミド、スルホニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換
されたヘテロシクリル、カルボニル、C−カルボキシ、−CH
2−(一置換アミン)およびCH
2−(二置換アミン)から選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
5が置換アリールである場合、アリールは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびハロアルキルから選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。他の実施形態では、R
5が置換アリールである場合、アリールは、C
1-6アルキル、アルコキシ、アリール(例えば、フェニル)、シアノ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
5が置換シクロアルキルである場合、シクロアルキルは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびハロアルキルで置換され得る。いくつかの実施形態では、R
5が置換ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アリール(C
1-6アルキル)およびC−カルボキシで置換され得る。いくつかの実施形態では、R
5の置換ヘテロシクリルは、置換または非置換ベンジルで置換され得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、R
1は−NH−アルキル等の一置換アミンではない。他の実施形態では、R
1は二置換アミンではない。例えば、いくつかの実施形態では、R
1は−N(CH
3)
2を含む−N(アルキル)
2ではない。いくつかの実施形態では、R
6はC
1-6アルキルではない。さらに他の実施形態では、R
1は任意に置換されたヘテロシクリルではない。他の実施形態では、R
1は任意に置換されたN結合型ヘテロシクリルではない。
【0103】
いくつかの実施形態では、ピリダジノン環がR
4に連結されて、環式化合物、例えば、式(Ih)の化合物を形成し得る。他の実施形態では、ピリダジノン環がR
5に連結されて、環式化合物、例えば、式(Ij)の化合物を形成し得る。いくつかの実施形態では、R
1がR
10である場合、R
10およびR
4は一緒になってL
1を含み得、L
1はR
10およびR
4を連結して11〜20員環を形成し得、あるいは、R
1がR
10である場合、R
10およびR
5は一緒になってL
1を含み得、L
1はR
1およびR
5を連結して11〜20員環を形成し得;R
10は任意に置換された−CH
2−、任意に置換された−CH=CH−、O(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11であり得;R
11は水素またはC
1-6アルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R
10はNR
11であり得る。例えば、R
10はNHであり得る。他の実施形態では、R
10は任意に置換された−CH
2−であり得る。さらに他の実施形態では、R
10はO(酸素)であり得る。またさらに他の実施形態では、R
10はS(硫黄)であり得る。
【0104】
L
1に関して、いくつかの実施形態では、L
1は−L
2−であり得る。いくつかの実施形態では、L
1が−L
2−である場合、L
2は、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレンおよび任意に置換されたヘテロアルケニレンから選択され得る。いくつかの実施形態では、L
2は任意に置換されたアルキレン、例えば、任意に置換されたC
4-7アルキレンであり得る。他の実施形態では、L
2は任意に置換されたアルケニレン、例えば、任意に置換されたC
4-7アルケニレンであり得る。さらに他の実施形態では、L
2は任意に置換されたヘテロアルキレンであり得る。任意に置換されたヘテロアルキレンの適切な例としては、以下が挙げられる:任意に置換された−(CH
2)
3−O−、任意に置換された−(CH
2)
4−O−、任意に置換された−(CH
2)
5−O−、任意に置換された−(CH
2)
3−S−、任意に置換された−(CH
2)
4−S−、任意に置換された−(CH
2)
5−S−、任意に置換された−(CH
2)
3−NH−、任意に置換された−(CH
2)
4−NH−、および任意に置換された−(CH
2)
5−NH−。またさらに他の実施形態では、L
2は、任意に置換されたヘテロアルケニレン、例えば、任意に置換された−(CH
2)(CH=CH)(CH
2)−O−、任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)−O−、任意に置換された−(CH
2)(CH=CH)(CH
2)
2−O−、任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)
2−O−、任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)−S−、任意に置換された−(
CH
2)(CH=CH)(CH
2)
2−S−、任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)
2−S 任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)−NH−、任意に置換された−(CH
2)(CH=CH)(CH
2)
2−NH−および任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)
2−NH−であり得る。いくつかの実施形態では、L
2は任意に置換された−(CH
2)
3−O−、任意に置換された−(CH
2)
4−O−、または任意に置換された−(CH
2)
5−O−であり得る。他の実施形態では、L
2は任意に置換されたC
3酸素含有ヘテロアルケニレン、任意に置換されたC
4酸素含有ヘテロアルケニレン、または任意に置換されたC
5酸素含有ヘテロアルケニレンであり得る。
【0105】
他の実施形態では、L
1は−L
3−L
4−L
5−であり得、式中、L
3は任意に置換されたC
1-6アルキレンであり得;L
4は任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、O(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11であり得;L
5は任意に置換されたC
1-6アルキレンまたは任意に置換されたヘテロアルキレンであり得る。いくつかの実施形態では、L
3は任意に置換されたC
1-4アルキレンであり得;L
4は任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり得;L
5は任意に置換されたC
1-4アルキレンであり得る。他の実施形態では、L
3は任意に置換されたC
1-4アルキレンであり得;L
4はO(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11であり得;L
5は任意に置換されたC
1-4アルキレンであり得る。さらに他の実施形態では、L
3は任意に置換されたC
2-4アルキレンであり得;L
4は任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、O(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11であり得;L
5は任意に置換されたC
2-4アルキレンであり得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)、式(If)および式(Ig)から選択される化合物であり得、
【0107】
【化5】
式中、G
1、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびz
1は、式(I)に関して上記で定義された通りである。種々の実施形態において、式(Ic)において、フェニル環は置換または非置換であり得;式(Id)において、R
1aは任意に置換されたN結合型ヘテロシクリルであり得;式(If)において、R
6水素ではなく;式(If)において、R
1はOR
6ではない。いくつかの実施形態では、式(If)および/または(Ig)において、R
6は水素ではなく、および/または、C
1-6アルキルではない。
【0108】
式(I)の化合物の例としては、以下が挙げられる:
【0113】
【化10】
、または上記のいずれかの薬剤的に許容できる塩。
【0114】
式(I)の化合物のさらなる例としては、以下が挙げられる:
【0116】
【化12】
、または上記のいずれかの薬剤的に許容できる塩。
【0117】
式(I)の化合物のさらなる例としては、以下が挙げられる:
【0118】
【化13】
、または上記のいずれかの薬剤的に許容できる塩。
【0119】
式(I)の化合物の例としては、以下が挙げられる:
【0125】
【化19】
、または上記のいずれかの薬剤的に許容できる塩。
【0126】
本明細書で開示されるいくつかの実施形態は、式(II)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩に関し、
【0129】
およびR
5Aから選択され得;R
1Aは、OR
6A、NH
2、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換された一置換アミン、任意に置換された二置換アミン、任意に置換されたヘテロシクリルおよび任意に置換されたN−スルホンアミドから選択され得、またはR
10Aであり;W
Aは−CH−または−N−であり得;R
2Aは水素またはC
1-6アルキルであり得;R
3Aは水素またはC
1-6アルキルであり得;あるいは、R
2AおよびR
3Aは一緒になって、任意に置換されたC
3-6シクロアルキルまたは任意に置換された5〜6員ヘテロシクリルを形成し得;R
4Aは、任意に置換されたアリール、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロアリールおよび任意に置換されたヘテロシクリルから選択され得;R
5Aは、任意に置換されたアリール、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に
置換されたヘテロアリールおよび任意に置換されたヘテロシクリルから選択され得;R
6Aは、水素、C
1-6アルキル、−C(O)R
7Aおよび−C(O)NR
8AR
9Aから選択され得;R
7Aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得;R
8AおよびR
9Aは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され;あるいは、R
8AおよびR
9Aは一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し得;R
1AがR
10Aである場合、R
10AおよびR
4Aは一緒になってL
1Aを含み得、L
1AはR
10AおよびR
4Aを連結して11〜20員環を形成し、あるいは、R
1AがR
10Aである場合、R
10AおよびR
5Aは一緒になってL
1Aを含み得、L
1AはR
1AおよびR
5Aを連結して11〜20員環を形成し;R
10Aは任意に置換された−CH
2−、任意に置換された−CH=CH−、O(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11Aであり;R
11Aは水素またはC
1-6アルキルであり得;Z
1AおよびZ
2Aは独立して0、1、2、3または4であり得る。
【0130】
種々の基がR
1Aに存在し得る。いくつかの実施形態では、R
1AはOR
6Aであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、R
1Aはヒドロキシであり得る。他の実施形態では、R
1AあOR
6Aである場合、R
6AはC
1-6アルキルであり得る。さらに他の実施形態では、R
1AがOR
6Aである場合、R
6Aは−C(O)R
7Aであり得る。適切なR
7A基の例としては、限定はされないが、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)が挙げられる。またさらに他の実施形態では、R
1AがOR
6Aである場合、R
6Aは−C(O)NR
8AR
9Aであり得る。R
8AおよびR
9Aは独立して種々の置換基、例えば、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)またはヘテロシクリル(C
1-6アルキル)であり得る。いくつかの実施形態では、R
8AおよびR
9Aは一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し得る。R
8AおよびR
9Aから形成され得る任意に置換されたヘテロシクリルの適切な例としては、5〜6員ヘテロシクリルが挙げられる。いくつかの実施形態では、R
6Aは水素、C
1-6アルキル、アシルまたはC−アミドであり得る。いくつかの実施形態では、R
6Aは水素、−C(O)R
7Aおよび−C(O)NR
8AR
9Aであり得る。他の実施形態では、R
6Aは−C(O)R
7Aおよび−C(O)NR
8AR
9Aであり得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、R
1AはNH
2であり得る。他の実施形態では、R
1Aは任意に置換された一置換アミンであり得る。適切な一置換アミンの一例は、−NHR
1Aaの式を有する基であり、式中、R
1Aaは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R
1Aaは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。他の実施形態では、R
1Aaは、アルキル、アリール、およびアリール(C
1-6アルキル)から選択され得る。R
1Aが式−NHR
1Aaを有する一置換アミンである場合、R
1Aaは置換または非置換の基であり得る。
【0132】
他の実施形態では、R
1Aは任意に置換された二置換アミンであり得る。例えば、R
1Aは−NR
1BbR
1Ccの式を有する基であり得、式中、R
1BbおよびR
1Ccは独立して、アルキル
、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R
1BbおよびR
1Ccは独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。他の実施形態では、R
1BbおよびR
1Ccは独立して、アルキル、アリール、およびアリール(C
1-6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R
1BbおよびR
1Ccは同一であり得る。他の実施形態では、R
1BbおよびR
1Ccは異なり得る。R
1Aが式−NR
1BbR
1Ccを有する二置換アミンである場合、R
1BbおよびR
1Ccは置換または非置換の基であり得る。
【0133】
さらに他の実施形態では、R
1Aは任意に置換されたヘテロシクリルであり得る。種々のヘテロシクリルが使用され得、環炭素または環ヘテロ原子を介して連結され得る。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルは5〜6員ヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルは1個のヘテロ原子を含み得る。他の実施形態では、ヘテロシクリルは2個のヘテロ原子を含み得、これらのヘテロ原子は同じであるかまたは異なり得る。いくつかの実施形態では、R
1Aは、少なくとも1個の窒素を環内に含み、N結合型ヘテロシクリルである、任意に置換されたヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
1Aは非置換ヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
1Aは置換ヘテロシクリルであり得る。
【0134】
さらに他の実施形態では、R
1Aは任意に置換されたN−スルホンアミドであり得る。いくつかの実施形態では、R
1Aが任意に置換されたN−スルホンアミドである場合、硫黄に結合した基は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。任意に置換されたN−スルホンアミドの適切な構造の一例は、−NHS(O)
2R
1Ddであり、式中、R
1Ddは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。いくつかの実施形態では、R
1Ddは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(C
1-6アルキル)、ヘテロアリール(C
1-6アルキル)およびヘテロシクリル(C
1-6アルキル)から選択され得る。他の実施形態では、R
1Ddは、アルキル、アリール、およびアリール(C
1-6アルキル)から選択され得る。R
1Aが式−NHS(O)
2R
1Ddを有するN−スルホンアミドである場合、R
1Ddは置換または非置換の基であり得る。
【0137】
であり得る。いくつかの実施形態では、R
2Aは水素であり得る。他の実施形態では、R
2A
はC
1-6アルキルであり得る。適切なC
1-6アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、直鎖または分岐状のペンチルおよび直鎖または分岐状のヘキシルが挙げられる。いくつかの実施形態では、R
3Aは水素であり得る。他の実施形態では、R
3AはC
1-6アルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R
2AおよびR
3Aは同一であり得る。他の実施形態では、R
2AおよびR
3Aは異なり得る。いくつかの実施形態では、R
2AおよびR
3Aは共に水素であり得る。他の実施形態では、R
2AおよびR
3Aは共にC
1-6アルキルであり得る。例えば、R
2AおよびR
3Aは共にメチルであり得る。あるいは、いくつかの実施形態では、R
2AおよびR
3Aは一緒になって、任意に置換されたC
3-6シクロアルキルを形成し得る。適切なシクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。R
2AおよびR
3Aが一緒になる場合、シクロアルキル基は非置換であり得る。あるいは、、シクロアルキル基は、一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
2AおよびR
3Aは一緒になって、任意に置換されたC
5シクロアルキルを形成し得る。いくつかの実施形態では、R
2AおよびR
3Aは一緒になって、非置換C
5シクロアルキルを形成し得る。他の実施形態では、R
2AおよびR
3Aは一緒になって、一置換または二置換C
5シクロアルキルを形成し得る。いくつかの実施形態では、R
2AおよびR
3Aは一緒になって、任意に置換された5〜6員ヘテロシクリルを形成し得る。形成され得るヘテロシクリルの例としては、限定はされないが、任意に置換された窒素含有5〜6員ヘテロシクリルが挙げられる。いくつかの実施形態では、R
2AおよびR
3Aは一緒になって、任意に置換された5〜6員N結合型ヘテロシクリル、例えば、任意に置換されたピペルジノ(piperdino)または任意に置換されたピロリジノを形成し得る。
【0138】
種々の基がR
4Aになり得る。いくつかの実施形態では、R
4Aは任意に置換されたアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
4Aは任意に置換されたナフチルであり得る。他の実施形態では、R
4Aは任意に置換されたフェニルであり得る。いくつかの実施形態では、R
4Aは非置換フェニルであり得る。他の実施形態では、R
4Aは置換フェニルであり得る。一つまたは複数の基が置換フェニル上に存在し得る。例えば、置換フェニルは一置換フェニル、例えば、オルト置換フェニル、メタ置換フェニルまたはパラ置換フェニルであり得る。別の例として、置換フェニルは二置換フェニル、例えば、2,5−二置換フェニル、2,4−二置換フェニルおよび2,3−二置換フェニルであり得る。いくつかの実施形態では、置換フェニルは、3つ以上の置換基で置換され得る。
【0139】
他の実施形態では、R
4Aは任意に置換されたシクロアルキルまたは任意に置換されたシクロアルケニルであり得る。例えば、R
4Aは任意に置換されたC
4-6シクロアルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R
4Aは非置換シクロアルキルであり得る。他の実施形態では、R
4Aは置換シクロアルキルであり得る。
【0140】
さらに他の実施形態では、R
4Aは任意に置換されたヘテロアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
4Aは非置換ヘテロアリールであり得る。他の実施形態では、R
4Aは置換ヘテロアリールであり得る。適切なヘテロアリールの例は、本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、R
4Aは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり得る。他の実施形態では、R
4Aは任意に置換された二環式ヘテロアリール、例えば、任意に置換された1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンであり得る。
【0141】
またさらに他の実施形態では、R
4Aは任意に置換されたヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
4Aは非置換ヘテロシクリルであり得る。他の実施形態では、R
4Aは置換ヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
4Aは任意に置換された単環式ヘテロシクリルであり得る。他の実施形態では、R
4Aは任意に置換された二環式ヘテロシクリルであり得る。
【0142】
R
4Aが置換されている場合、一つまたは複数の基が存在し得る。2つ以上の置換基が存在する場合、置換基の2つ以上は同一であり得る。いくつかの実施形態では、複数の置換基がR
4A上に存在する場合、置換基の少なくとも1つは残りの置換基と異なっている。いくつかの実施形態では、R
4A上に存在する置換基の全てが異なっている。いくつかの実施形態では、R
4Aは、ハロゲン、C
1-6アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、N−スルホンアミド、S−スルホンアミド、スルホニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、カルボニル、C−カルボキシ、−CH
2−(一置換アミン)およびCH
2−(二置換アミン)から選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
4Aが置換アリールである場合、アリールは、C
1-6アルキル、アルコキシ、アリール(例えば、フェニル)、シアノ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
4Aが置換シクロアルキルである場合、シクロアルキルは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびハロアルキルで置換され得る。いくつかの実施形態では、R
4Aが置換ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アリール(C
1-6アルキル)およびC−カルボキシで置換され得る。いくつかの実施形態では、R
4Aの置換ヘテロシクリルは、置換または非置換ベンジルで置換され得る。
【0143】
ピリダジノン環は置換または非置換アルキレンを介してR
4Aに連結され得る。いくつかの実施形態では、Z
1Aは0であり得る。他の実施形態では、Z
1Aは1であり得る。さらに他の実施形態では、Z
1Aは2であり得る。またさらに他の実施形態では、Z
1Aは3であり得る。いくつかの実施形態では、Z
1Aは4であり得る。いくつかの実施形態では、Z
2Aは0であり得る。他の実施形態では、Z
2Aは1であり得る。さらに他の実施形態では、Z
2Aは2であり得る。またさらに他の実施形態では、Z
2Aは3であり得る。いくつかの実施形態では、Z
2Aは4であり得る。いくつかの実施形態では、Z
1Aは1であり得、Z
2Aは0であり得る。他の実施形態では、Z
1AおよびZ
2Aは共に1であり得る。さらに他の実施形態では、Z
1AおよびZ
2Aは共に>1であり得る。またさらに他の実施形態では、Z
1AおよびZ
2Aの少なくとも一方は1であり得る。いくつかの実施形態では、Z
1AおよびZ
2Aの少なくとも一方は1であり得、Z
1AおよびZ
2Aの他方は>1であり得る。
【0144】
他の実施形態では、G
1AはR
5Aであり得る。R
4Aに関して、R
5Aは種々の基であり得る。いくつかの実施形態では、R
5Aは任意に置換されたアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
5Aは任意に置換されたナフチルであり得る。他の実施形態では、R
5Aは任意に置換されたフェニルであり得る。いくつかの実施形態では、R
5Aは非置換フェニルであり得る。他の実施形態では、R
5Aは置換フェニルであり得る。一つまたは複数の基が置換フェニル上に存在し得る。例えば、置換フェニルは一置換フェニル、例えば、オルト置換フェニル、メタ置換フェニルまたはパラ置換フェニルであり得る。別の例として、置換フェニルは二置換フェニル、例えば、2,5−二置換フェニル、2,4−二置換フェニルおよび2,3−二置換フェニルであり得る。いくつかの実施形態では、置換フェニルは、3つ以上の置換基で置換され得る。
【0145】
他の実施形態では、R
5Aは任意に置換されたシクロアルキルまたは任意に置換されたシクロアルケニルであり得る。例えば、R
5Aは置換または非置換C
4-6シクロアルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R
5Aは非置換シクロアルキルであり得る。他の実施形態では、R
5Aは置換シクロアルキルであり得る。
【0146】
さらに他の実施形態では、R
5Aは任意に置換されたヘテロアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
5Aは非置換ヘテロアリールであり得る。他の実施形態では、R
5Aは置換ヘテロアリールであり得る。いくつかの実施形態では、R
5Aは任意に置換された単環
式ヘテロアリールであり得る。他の実施形態では、R
5Aは任意に置換された二環式ヘテロアリールであり得る。
【0147】
またさらに他の実施形態では、R
5Aは任意に置換されたヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
5Aは非置換ヘテロシクリルであり得る。他の実施形態では、R
5Aは置換ヘテロシクリルであり得る。いくつかの実施形態では、R
5Aは任意に置換された単環式ヘテロシクリルであり得る。他の実施形態では、R
5Aは任意に置換された二環式ヘテロシクリルであり得る。
【0148】
R
5Aが置換されている場合、一つまたは複数の基が存在し得る。2つ以上の置換基が存在する場合、置換基の2つ以上は同一であり得る。いくつかの実施形態では、複数の置換基がR
5A上に存在する場合、置換基の少なくとも1つは残りの置換基と異なっている。いくつかの実施形態では、R
5A上に存在する置換基の全てが異なっている。いくつかの実施形態では、R
5Aは、ハロゲン、C
1-6アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、N−スルホンアミド、S−スルホンアミド、スルホニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、カルボニル、C−カルボキシ、−CH
2−(一置換アミン)およびCH
2−(二置換アミン)から選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
5Aが置換アリールである場合、アリールは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびハロアルキルから選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。他の実施形態では、R
5Aが置換アリールである場合、アリールは、C
1-6アルキル、アルコキシ、アリール(例えば、フェニル)、シアノ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから選択される一つまたは複数の置換基で置換され得る。いくつかの実施形態では、R
5Aが置換シクロアルキルである場合、シクロアルキルは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよびハロアルキルで置換され得る。いくつかの実施形態では、R
5Aが置換ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは、C
1-6アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アリール(C
1-6アルキル)およびC−カルボキシで置換され得る。いくつかの実施形態では、R
5Aの置換ヘテロシクリルは、置換または非置換ベンジルで置換され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、R
1Aは−NH−アルキル等の一置換アミンではない。他の実施形態では、R
1Aは二置換アミンではない。例えば、いくつかの実施形態では、R
1Aは−N(CH
3)
2を含む−N(アルキル)
2ではない。いくつかの実施形態では、R
6AはC
1-6アルキルではない。さらに他の実施形態では、R
1Aは任意に置換されたヘテロシクリルではない。他の実施形態では、R
1Aは任意に置換されたN結合型ヘテロシクリルではない。
【0150】
いくつかの実施形態では、式(II)の縮合型二環式窒素含有環系がR
4Aに連結されて、環式化合物、例えば、式(Ih)の化合物が形成され得る。他の実施形態では、式(II)の縮合型二環式窒素含有環系がR
5Aに連結されて、環式化合物、例えば、式(Ij)の化合物が形成され得る。いくつかの実施形態では、R
1AがR
10Aである場合、R
10AおよびR
4Aは一緒になってL
1Aを含み得、L
1AはR
10AおよびR
4Aを連結して11〜20員環を形成し、あるいは、R
1AがR
10Aである場合、R
10AおよびR
5Aは一緒になってL
1Aを含み得、L
1AはR
1AおよびR
5Aを連結して11〜20員環を形成し;R
10Aは任意に置換された−CH
2−、任意に置換された−CH=CH−、O(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11Aであり得;R
11Aは水素またはC
1-6アルキルであり得る。いくつかの実施形態では、R
10AはNR
11Aであり得る。例えば、R
10AはNHであり得る。他の実施形態では、R
10Aは任意に置換された−CH
2−であり得る。さらに他の実施形態では、R
10AはO(酸素)であり得る。またさらに他の実施形態では、R
10AはS(硫黄)であり得る。
【0151】
L
1Aに関して、いくつかの実施形態では、L
1Aは−L
2A−であり得る。いくつかの実施
形態では、L
1Aが−L
2A−である場合、L
2Aは、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレンおよび任意に置換されたヘテロアルケニレンから選択され得る。いくつかの実施形態では、L
2Aは任意に置換されたアルキレン、例えば、任意に置換されたC
4-7アルキレンであり得る。他の実施形態では、L
2Aは任意に置換されたアルケニレン、例えば、任意に置換されたC
4-7アルケニレンであり得る。さらに他の実施形態では、L
2Aは任意に置換されたヘテロアルキレンであり得る。任意に置換されたヘテロアルキレンの適切な例としては、以下が挙げられる:任意に置換された−(CH
2)
3−O−、任意に置換された−(CH
2)
4−O−、任意に置換された−(CH
2)
5−O−、任意に置換された−(CH
2)
3−S−、任意に置換された−(CH
2)
4−S−、任意に置換された−(CH
2)
5−S−、任意に置換された−(CH
2)
3−NH−、任意に置換された−(CH
2)
4−NH−、および任意に置換された−(CH
2)
5−NH−。またさらに他の実施形態では、L
2Aは、任意に置換されたヘテロアルケニレン、例えば、任意に置換された−(CH
2)(CH=CH)(CH
2)−O−、任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)−O−、任意に置換された−(CH
2)(CH=CH)(CH
2)
2−O−、任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)
2−O−、任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)−S−、任意に置換された−(CH
2)(CH=CH)(CH
2)
2−S−、任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)
2−S 任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)−NH−、任意に置換された−(CH
2)(CH=CH)(CH
2)
2−NH−および任意に置換された−(CH
2)
2(CH=CH)(CH
2)
2−NH−であり得る。いくつかの実施形態では、L
2Aは任意に置換された−(CH
2)
3−O−、任意に置換された−(CH
2)
4−O−、または任意に置換された−(CH
2)
5−O−であり得る。他の実施形態では、L
2Aは任意に置換されたC
3酸素含有ヘテロアルケニレン、任意に置換されたC
4酸素含有ヘテロアルケニレン、または任意に置換されたC
5酸素含有ヘテロアルケニレンであり得る。
【0152】
他の実施形態では、L
1Aは−L
3A−L
4A−L
5A−であり得、式中、L
3Aは任意に置換されたC
1-6アルキレンであり得;L
4Aは任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、O(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11Aであり得;L
5Aは任意に置換されたC
1-6アルキレンまたは任意に置換されたヘテロアルキレンであり得る。いくつかの実施形態では、L
3Aは任意に置換されたC
1-4アルキレンであり得;L
4Aは任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり得;L
5Aは任意に置換されたC
1-4アルキレンであり得る。他の実施形態では、L
3Aは任意に置換されたC
1-4アルキレンであり得;L
4AはO(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11Aであり得;L
5Aは任意に置換されたC
1-4アルキレンであり得る。さらに他の実施形態では、L
3Aは任意に置換されたC
2-4アルキレンであり得;L
4Aは任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、O(酸素)、S(硫黄)、またはNR
11Aであり得;L
5Aは任意に置換されたC
2-4アルキレンであり得る。
【0153】
式(II)に関して本明細書で開示される実施形態を含むいくつかの実施形態では、W
Aは−N(窒素)−であり得る。式(II)に関して本明細書で開示される実施形態を含む他の実施形態では、W
Aは−CH
2−であり得る。いくつかの実施形態では、式(II)の縮合型二環式窒素含有環系の炭素原子の一つまたは複数は、置換され得る。例えば、W
Aに隣接した炭素原子の一方または両方は、−CH−ではなく、置換された炭素であり得、および/または、W
Aは、−CH−ではなく、置換された炭素であり得る。
【0154】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(IIa)、式(IIb)、式(IIc)および式(IId)から選択される化合物であり得る:
【0156】
式(II)の化合物の例としては、以下が挙げられる:
【0157】
【化24】
、または上記のいずれかの薬剤的に許容できる塩。
【0158】
合成
式(I)および(II)の化合物、並びに本明細書に記載の化合物は、様々な方法で調製され得る。式(I)および(II)のいくつかの化合物は、市販されている、および/または公知の合成方法を利用して調製することができる。式(I)および(II)の化合物への通常の合成経路、並びに式(I)および(II)の化合物を合成するために使用される出発物質のいくつかの例が、本明細書に示され記載される。本明細書に示され記載される経路は、説明のみを目的としており、決して、特許請求の範囲を限定することを意図していないし、そう解釈されるべきでもない。当業者は、本明細書における開示に基づいて、開示された合成物の変更形態を認識し、代替経路を考案することができ;全てのそのような変更形態および代替経路は特許請求の範囲に含まれる。
【0160】
G
1がR
5である式(I)の化合物を形成するための1つの方法がスキーム1に示される。当業者に公知の方法(例えば、NaNO
2、HCl)を用いることで、R
5−NH
2の式を有するアミンが、X
-が無機または有機陰イオンである式R
5−N
2+X
-を有するジアゾニウム塩に変換され得る。R
5が任意に置換されたフェニル基である場合、R
5−NH
2は任意に置換されたアニリンであり得る。当業者に公知の方法および条件を用いることで、ジアゾニウム塩がβ−ケトエステルとのジアゾニウムカップリング反応を起こし得る。適切なβ−ケトエステルの一例がスキーム1に示され、適切な条件の例には弱酸性条件または中性条件が含まれる。N,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタール(DMF−DMA)との環化反応を介して、6員ピリダジノン環が形成され得る。ベンジル基が切断され、エステル基が加水分解を起こすことで、式(I)の化合物が形成され得る。ベンジル基の切断はパラジウム炭素(Pd/C)を用いて達成され得る。エステルの加水分解はNaOHを用いて達成され得る。いくつかの例では、エステル基の加水分解の前に、ベンジル基が切断され得る。他の例では、ベンジル基の切断の前に、エステル基がカルボン酸に加水分解され得る。
【0161】
R
5が置換されている場合、種々の方法を用いて、一つまたは複数の置換基をR
5に付加することができる。例えば、R
5が任意に置換されたヘテロシクリルで置換されている場合、任意に置換されたヘテロシクリルは、付加脱離反応を介して、式R
5−NO
2を有するハロゲン置換化合物に付加され得る。いくつかの実施形態では、任意に置換されたヘテロシクリルを用いて、ハロゲン置換R
5−NO
2がイプソ置換反応を起こし得る。当業者に公知の方法(例えば、ラネーニッケル、PtO
2またはPd/C)を用いて、得られた置換ニトロ化合物がアミンに還元され得る。次に、スキーム1に示される基本的な反応スキームに従って、式(I)の化合物が得られ得る。ニトロ化合物の一例から開始される基本スキームがスキーム2に提供される。スキーム2では、フェニル環が一つまたは複数の置換基でさらに置換され得る。
【0163】
一つまたは複数の置換基を付加して置換R
5を形成するための別の方法は、ボロン酸またはボロン酸エステルを用いるものである。いくつかの実施形態では、ボロン酸またはボロン酸エステルが鈴木カップリング型反応で使用されることで、一つまたは複数の置換基がR
5に付加され得る。適切な条件には、パラジウム触媒および塩基(例えば、Pd(PPh
3)
4およびK
2CO
3)の使用が含まれる。ボロン酸またはボロン酸エステルを用いて置換R
5を形成する非限定例が、スキーム3に示される。スキーム3では、フェニル環が一つまたは複数の置換基でさらに置換され得る。スキーム1に示される基本的な反応スキームを介して、式(I)の化合物が得られ得る。スキーム3において、Xはハロゲンであり得、R”は任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアリールであり得る。
【0168】
である式(I)の化合物を形成するための方法が、スキーム4に示される。スキーム4に示されるように、窒素がアルキル化され得る。ベンジル基が切断され、エステル基が加水分解を起こした後に、式(I)の化合物が得られ得る。
【0169】
様々な方法を用いて、ヒドロキシ基またはC
1-6アルコキシ基以外の基をR
1に形成することができる。エステル基が加水分解を起こすことで、カルボン酸が形成され得る。次に、当業者に公知の方法を用いてカルボン酸が変換されることで、所望のR
1基が形成され得る。例えば、任意に置換されたアミンおよびカルボン酸基がカップリング反応を起こすことで、任意に置換されたアミド基が形成され得る。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)を含む、適切なカップリング試薬が使用され得る。R
1基の形成後に、本明細書に記載の方法を含む当業者に公知の方法を用いてベンジル基が切断され得、式(I)の化合物が形成され得る。スキーム5は、R
1がヒドロキシまたはC
1-6アルコキシ以外の基であり、G
1およびG
2が上記で定義された通りである式(I)の化合物を得るための、基本的な反応スキームを示している。式(I)の化合物の調製に関するさらなる情報は、米国特許第4,345,934号、米国特許出願公開第2009/281107A1号、米国特許出願公開第2010/197651A1号、PCT公開番号国際公開第2011/120153号、Miyamoto et al., Chem. Pharm. Bull., (1989) 37:93およびMiyamoto et
al., Chem. Pharm. Bull., (1988) 36:1321に提供されている。
【0174】
であり得、R
1がメチル等のアルキルであり得る式(I)の化合物を形成するための方法が、スキーム6に示される。スキーム6に示されるように、エステル基が加水分解を起こすことで、カルボン酸が形成され得る。次に、当業者に公知の方法を用いてカルボン酸が変換されることで、所望のR
1基が形成され得る。例えば、アミドおよびカルボン酸基が
カップリング反応を起こすことで、置換アミド基が形成され得る。適切なアミドの例としては、HNMe(OMe)等のワインレブアミドが挙げられる。適切なカップリング試薬は当業者に公知であり、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)が含まれる。置換アミド基を含む化合物が適切なグリニャール試薬と反応することで、G
1が
【0176】
であり得、R
1がアルキル(例えば、メチル)であり得る式(I)が形成され得る。式(I)の化合物の調製に関するさらなる情報は、Imada et al., J. Med. Chem., 2006, 49(13): 3809-3825、およびClark et al., Bioorg.Med.Chem.Lett., 2004, 14(12): 3299-3302に提供されている。
【0178】
G
2が任意に置換されたC
1-6アルキル;−CH
2OH;−CH(Y
1)(OH)、−C(O)Y
1である式(I)の化合物を形成するための方法の例が、スキーム7に示される。例えば、N,N−ジメチルアセトアミド−ジメチルアセタールまたは塩化シンナモイルを用いた出発物質の環化により、6員ピリダジノン環が形成され得る。塩化シンナモイルの使用の一例は、塩化シンナモイルの使用という限定された目的のために参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2012/0022251号に提供されている。環化の後、6員ピリダジノン環がさらに修飾されることで、G
2が任意に置換されたC
1-6アルキルである式(I)の化合物が形成され得る。当業者に公知の方法を用いて、6員ピリダジノン環の窒素がアルキル化され得る。G
2がC
1-6アルキル;−CH
2OH;−CH(Y
1)(OH)、−C(O)Y
1である化合物を形成するために、例えば、オゾン分解を介して、または過ヨウ素酸ナトリウム−三塩化ルテニウム混合物等を用いて、環外のスチレンアルケン部分が酸化的に切断されることによりアルデヒドが得られ得る。アルデヒドは、還元されることでアルコールを提供し得、または適切な条件下でグリニャール試薬と反応され得る。例えば、G
2が−CH
2OHである場合、アルデヒドは水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元され得;G
2が−CH(CH
3)OHである場合、アルデヒドはグリニャール試薬と反応され得る。オゾン分解等の当業者に公知の適切な条件を用いて、アルコールが酸化されることで、G
2にケトンが形成され得る(例えば、G
2はC(O)Meである)。
【0180】
G
2が−CN;または任意に置換されたアリールである式(I)の化合物を形成するための方法が、スキーム8に示される。例えば、適切な条件下でNBS(N−ブロモスクシンイミド)を用いて、6員ピリダジノン環内のα,β−不飽和ケトンのβ位がブロム化されることで、臭化ビニルが得られ得る。NBSの使用の一例は、NBSの使用という限定された目的のために参照により本明細書に援用される国際公開第2012/039414号に記載されている。例えば米国特許第5,202,323号に記載されるような適切な条件下で、臭化ビニルをCuCNで処理することで、G
2が−CNである式(I)の化合物が得られ得る。適切な条件下で(例えば、パラジウム触媒を用いて)、臭化ビニルがアリールボロン酸(例えば、フェニルボロン酸)と反応した後、さらに修飾を受けることで、G
2が任意に置換されたアリールである式(I)の化合物が得られ得る。
【0182】
R
10−L
1−R
4から形成される大環状環を含む式(I)の化合物を形成するための方法の例が、スキーム9および10に示される。スキーム9では、出発物質がパラジウム等の金属触媒の存在下でアリルトリブチルスズと反応することで、アリル中間体が得られ得る。アリル中間体のエステルが加水分解されることで、カルボン酸部分を含む中間体が得られ得、その後これがカップリング反応を介してアリルアミンと反応することで、ジエン中間体が得られ得る。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)を含む適切なカップリング試薬が使用され得る。適切な触媒、例えばGrubb型触媒を用いて、ジエン中間体が閉環オレフィンメタセシス大環状化を起こすことで、アルケン化合物が得られ得る。適切なGrubb型触媒の例は、Grubb型触媒の説明という限定された目的のために参照により援用される、Tetrahedron Letters (2003), 44(11):2401-2404に記載されている。例えば、Pd/C上の水素(H
2)を用いて、アルケンが水素付加され、ベンジル基が切断されることで、式(I)の化合物が得られ得る。
【0184】
スキーム10では、出発物質が保護アミンを含む臭化アリルと反応することで、保護アミン中間体が得られ得る。保護アミン中間体のエステルが加水分解されることで、カルボン酸部分を含む中間体が得られ得、その後、アミンの保護基が除去され得る。カルボン酸部分が、例えばChemical Communications (2002), (12):1280-1281、および国際公開第2009/004146号に記載されるような分子内マクロラクタム化カップリング反応を介してアミンと反応することで、マクロラクタム中間体が得られ得る。例えばTFAまたはBCl
3を用いて、マクロラクタム中間体のベンジル基が切断されることで、式(I)の化合物が得られ得る。
【0186】
R
1Aが一置換アミンである式(II)の化合物を形成するための方法が、スキーム11に示される。例えば、出発物質が、例えば国際公開第2011/120153号に記載されるような当業者に公知の方法および条件を用いて、適切な条件下でアセトアミドベンゼンスルホニルアジド(ABSA)と反応することで、ジアゾ中間体が形成され得る。当業者に公知の方法および条件を用いて、例えば、国際公開第2011/120153号に記載されるようにトリメチルホスフィンを用いて、またはChem. Pharm. Bull. (1988), 36:1321-1327に記載されるようにトリブチルホスフィンを用いて、適切な条件下でジアゾ中間体が還元されることで、ヒドラゾン中間体が得られ得る。ヒドラゾン中間体が当業者に公知の方法および条件を用いて適切な条件下でアルキル化されることで、アルキルヒドラジン中間体が得られ得る。例えばChem. Pharm. Bull. (1989), 37:93-98に記載されるように、強塩基(水素化ナトリウムまたはLDA等)を用いて、アルキルヒドラゾン中間体が環化されることで、ピリミド[5,4−c]ピリダジン−4(1H)−オン中間体が得られ得る。TFA等の酸を用いて、ピリミド[5,4−c]ピリダジン−4(1H)−オン中間体のtert−ブチルエステルが切断されることで、カルボン酸部分を含む中間体が得られ得る。カルボン酸部分がカップリング反応を介してメチルアミンと反応することで、式(II)の化合物が得られ得る。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)を含む、適切なカップリング試薬が使用され得る。
【0187】
医薬組成物
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、有効量の一つまたは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/または(II)の化合物、またはその薬剤的に許容できる塩)および薬剤的に許容できる担体、希釈剤、賦形剤またはこれらの組合せを含み得る、医薬組成物に関する。
【0188】
用語「医薬組成物」は、一つまたは複数の本明細書で開示される化合物の、希釈剤または担体等の他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、生物に対する化合物の投与を促進する。医薬組成物は、化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびサリチル酸等の無機酸ま
たは有機酸と反応させることによっても得ることができる。医薬組成物は、一般的に、特定の意図される投与経路に適合される。
【0189】
用語「生理学的に許容される」は、化合物の生物活性および特性を抑止しない、担体、希釈剤または賦形剤を定義する。
【0190】
本明細書で使用される場合、「担体」とは、細胞または組織内への化合物の取り込みを促進する化合物を指す。例えば、限定はされないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、対象の細胞または組織内への多くの有機化合物の取り込みを促進する、一般的に利用される担体である。
【0191】
本明細書で使用される場合、「希釈剤」とは、薬理活性を有さないが、薬剤的に必要または望ましい場合がある、医薬組成物中の成分を指す。例えば、希釈剤は、製造および/または投与するには質量が小さすぎる、効力のある薬剤の嵩を増加させるために、使用され得る。注射、摂取または吸入によって投与される薬剤の溶解のために、希釈剤は液体であってもよい。当該技術分野における希釈剤の一般的な形態は、限定はされないが、ヒト血液の組成を模倣するリン酸緩衝食塩水等の緩衝水溶液である。
【0192】
本明細書で使用される場合、「賦形剤」とは、限定はされないが、嵩、粘度(consistency)、安定性、結合性、潤滑性、崩壊性等を医薬組成物に与えるために医薬組成物に添加される、不活性な物質を指す。「希釈剤」は賦形剤の一種である。
【0193】
本明細書に記載の医薬組成物は、単独で、または医薬組成物の形態で、ヒト患者に投与するこができ、医薬組成物においては、併用療法等での他の活性成分、もしくは担体、希釈剤、賦形剤またはこれらの組合せと混合される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載の化合物の製剤および投与の手法は、当業者に公知である。
【0194】
本明細書で開示される医薬組成物は、それ自体公知の方法で、例えば、従来の混合工程、溶解工程、造粒工程、糖剤化工程、研和工程、乳化工程、カプセル化工程、封入工程または錠剤化工程によって、製造され得る。さらに、活性成分は、その使用目的を達成するのに有効な量で含有される。本明細書で開示される薬剤的組合せで使用される化合物の多くは、薬剤的に融和性の対イオンとの塩として提供され得る。
【0195】
化合物を投与する複数の手法が当該技術分野には存在し、限定はされないが、経口、経直腸、局所的、エアロゾル、注射および非経口送達、例えば、筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、くも膜下腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内および眼内注射が含まれる。いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物は、筋肉内に投与され得る。他の実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物は、鼻腔内に投与され得る。さらに他の実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物は、皮内に投与され得る。またさらに他の実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物は、経口的に投与され得る。
【0196】
経口的に投与される場合、一つまたは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩)は、治療される対象による経口摂取のための錠剤、丸剤、糖剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁剤等として製剤化され得る。注射剤は、溶液もしくは懸濁液、注射前の液体中の溶液もしくは懸濁液に適した固体、または乳濁液として、従来の形態で調製され得る。鼻腔内送達用の医薬組成物には、鼻内分泌の刺激を補助するようしばしば調製される滴剤および噴霧剤も含まれ得る。
【0197】
例えば、しばしばデポーもしくは徐放性製剤の形態での、感染部位への直接的な化合物の注射によって、全身的にではなく局所的に、化合物を投与することもできる。さらに、標的化された薬剤送達系で、例えば、組織特異的な抗体で被膜されたリポソームで、化合物を投与することもできる。リポソームは器官に標的化され、器官によって選択的に取り込まれる。
【0198】
組成物は、所望であれば、活性成分を含有する一つまたは複数の単位剤形を含有し得るパックまたはディスペンサ装置の形態で提供され得る。パックは、例えば、ブリスター包装等の金属箔またはプラスチック箔を含み得る。パックまたはディスペンサ装置は、投与のための説明書を伴い得る。パックまたはディスペンサは、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府当局が定める形態での、容器に付随する通知も伴う場合があり、その通知は、ヒトまたは動物への投与に対する、前記薬剤の前記形態の前記機関による承認を表すものである。そのような通知は、例えば、処方薬に対する米国食品医薬品局によって承認された標識、または承認された製品添付書であり得る。融和性の医薬担体中で製剤化された本明細書に記載の化合物を含み得る組成物はまた、適応症状の治療のために、調製され、適切な容器内に入れられ、標識され得る。
【0199】
使用法
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、有効量の一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物、またはを一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物 (例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を投与することを含み得る、オルソミクソウイルス感染症を改善、治療および/または予防する方法に関する。
【0200】
本明細書に記載の他の実施形態は、オルソミクソウイルスに感染した細胞を、有効量の式(I)および/もしくは(II)の化合物、もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物、もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物と接触させることを含み得る、オルソミクソウイルスのウイルス複製を阻害する方法に関する。
【0201】
いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いることで、インフルエンザウイルス感染症が治療および/または改善され得る。他の実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いることで、インフルエンザウイルス感染症が予防され得る。
【0202】
いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(I
I)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いることで、インフルエンザウイルスの複製が阻害され得る。いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いることで、インフルエンザポリメラーゼ複合体が阻害され得る。いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物は、インフルエンザエンドヌクレアーゼのエンドヌクレアーゼ活性を阻害および/または低減するために使用され得、エンドヌクレアーゼの活性部位を式(I)および/もしくは(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩と接触させることを含み得る。いくつかの実施形態では、一つまたは複数の本明細書に記載の化合物は、mRNAを切断するエンドヌクレアーゼの能力を阻害および/または低減する。
【0203】
前段落の実施形態を含むいくつかの実施形態では、、インフルエンザウイルス感染症はA型インフルエンザウイルス感染症であり得る。前段落の実施形態を含む他の実施形態では、インフルエンザウイルス感染症はB型インフルエンザウイルス感染症であり得る。前段落の実施形態を含むさらに他の実施形態では、インフルエンザウイルス感染症はC型インフルエンザウイルス感染症であり得る。いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩を用いることで、一つまたは複数のインフルエンザ亜型が治療および/または改善され得る。例えば、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩を用いることで、H1N1および/またはH3N2が治療され得る。さらに、またはあるいは、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩を用いることで、H2N2、H5N1および/またはH7N9が治療され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩)は、1より多いインフルエンザ亜型に対して有効であり得る。例えば、本明細書に記載の化合物(式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩 は、2、3、4、および/または5以上のインフルエンザ亜型に対して有効であり得る。
【0204】
いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いて、インフルエンザウイルス感染を(直接的および/または間接的に)原因とする上気道ウイルス感染症が治療および/または改善され得る。いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いて、インフルエンザウイルス感染を(直接的および/または間接的に)原因とする下気道ウイルス感染が治療および/または改善され得る。いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いて、インフルエンザウイルス感染症の一つまたは複数の症状(本明細書に記載の症状等)が治療および/または改善され得る。いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、
および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いて、インフルエンザウイルス感染による細気管支炎および/または気管気管支炎が治療および/または改善され得る。いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いて、インフルエンザウイルス感染による肺炎が治療および/または改善され得る。いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いて、インフルエンザウイルス感染による脳梗塞(coup)が治療および/または改善され得る。
【0205】
いくつかの実施形態では、有効量の一つもしくは複数の式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩、および/または一つもしくは複数の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩)を含む医薬組成物を用いることで、インフルエンザ感染症の一つまたは複数の症状の重症度が軽減され得る。症状の例としては限定はされないが以下が挙げられる:発熱、悪寒、咳、咽喉炎、鼻水、鼻閉、筋痛、体の痛み(body ache)、頭痛、疲労、嘔吐および/または下痢。
【0206】
本明細書で使用される場合、用語「予防する(prevent)」および「予防する(preventing)」は、対象が感染に対する免疫を有するために、対象が感染症状を見せないこと、または、対象が感染した場合に、対象が前記化合物を投与/提供されていない場合の疾患の重症度と比べて疾患の重症度がより低いこと、を意味する。予防の形態の例としては、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)等の感染体に暴露された、または暴露され得る対象への予防的投与が挙げられる。
【0207】
本明細書で使用される場合、用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、「治療(treatment)」、「治療的(therapeutic)」、および「治療法(therapy)」は、必ずしも疾患または状態の完全な治癒または消滅を意味する必要はない。疾患または状態のいかなる望まれない徴候または症状の、いかなる程度のいかなる軽減も、治療および/または治療法と見なされ得る。さらに、治療は、対象の全体的な幸福感または外見を悪化させ得る行為を含む場合がある。
【0208】
用語「治療有効量」および「有効量」は、指示された生物学的応答または薬剤応答を誘発する活性化合物または医薬品の量を示すために使用される。例えば、化合物の治療有効量は、疾患の症状を予防、軽減または改善する、または治療中の対象の生存時間を延長させるのに必要な量であり得る。この応答は、組織、系、動物またはヒトにおいて生じる場合があり、治療中の疾患の徴候または症状の軽減を含む。有効量の決定は、本明細書で提供される開示に鑑みて、十分に当業者の能力の範囲内である。用量として必要とされる本明細書で開示される化合物の治療有効量は、投与経路、治療中の動物の種類(例えばヒト)、および検討中の特定の動物の身体的特徴に依存する。前記用量は、所望の効果を達成するよう調節することができるが、体重、食事、同時投薬および医薬分野における当業者が認知する他の要因等の要因に依存する。
【0209】
本明細書で使用される場合、「対象」とは、治療、観察または実験の対象物である動物を指す。「動物」には、魚、甲殻類、爬虫類および、特に哺乳類等の、冷血および温血の脊椎動物および無脊椎動物が含まれる。「哺乳動物」には、限定はされないが、マウス、
ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、雌ウシ、ウマ、サル、チンパンジー、および類人猿等の霊長類、並びに、特にヒトが含まれる。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0210】
オルソミクソウイルス感染症の治療法の有効性を決定するための種々の指標が当業者に知られている。適切な指標の例としては、限定はされないが、ウイルス量の減少、ウイルス複製の減少、セロコンバージョン(ウイルスが患者血清中で検出不可)までの時間の短縮、臨床成績における罹患率もしくは死亡率の減少、および/または疾患応答の他の指標が挙げられる。
【0211】
いくつかの実施形態では、有効量の式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩は、ウイルス力価をより低いレベルに、例えば、約10E4 TCID50/mL(TCID=組織培養感染量)から約10E3 TCID50/mLに、または約100 TCID50/mLに、または約10 TCID50/mLに、減少させるのに有効な量である。いくつかの実施形態では、有効量の式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩は、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩の投与前のウイルス量と比較してウイルス量を減少させるのに有効な量である。例えば、ウイルス量は、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩の投与前、および再度、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩を用いた治療計画の開始後(例えば、治療開始の10日後)に測定される。いくつかの実施形態では、有効量の式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩は、約10E4 TCID50/mLを下回るまでウイルス量を減少させるのに有効な量であり得る。いくつかの実施形態では、有効量の式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩は、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩の投与前のウイルス量と比較して、約1.5対数〜約2.5対数の減少または約3対数〜約4対数の減少の範囲で、対象の鼻腔用綿棒/咽頭用綿棒または鼻洗浄試料におけるウイルス力価の減少を達成するのに有効な量である。例えば、ウイルス量は、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩の投与前、および再度、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩を用いた治療計画の開始後(例えば、治療開始の10日後)に測定される。
【0212】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、未処置の対象と比較した場合に、一つまたは複数の全体的な生活・健康の質、例えば、疾病の持続期間の短縮、疾病の重症度の減少、正常な健康および正常な活動に戻るまでの時間の短縮、並びにオルソミクソウイルス感染症の一つまたは複数の症状の軽減までの時間の短縮をもたらし得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、未処置対象と比較した場合に、オルソミクソウイルス感染症と関連した一つまたは複数の症状の長さおよび/または重症度の減少をもたらし得る。オルソミクソウイルス感染症の症状は、本明細書に記載されており、咳、筋肉痛(筋痛)、鼻閉、咽喉炎、疲労、頭痛および発熱を含むがこれらに限定はされない。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩は、未処置対象と比較した場合に、中耳炎(耳の炎症)、副鼻腔炎、気管支炎および肺炎を含むがこれらに限定はされない、オルソミクソウイルス感染症と関連した一つまたは複数の二次性合併症の低減をもたらし得る。
【0213】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、治療計画の開始後(例えば、治療開始の10日後)に決定された場合、対象の処置前レベルに対して、オルソミクソウイルスの複製に少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、50、75、100倍以上の減少をもたらし得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、処置前レベルと比較して、約2〜約5倍、約10〜約20倍、約15〜約40倍、または約50〜約100倍の範囲で、オルソミクソウイルスの複製の減少をもたらし得る。いくつかの実施形態では、式(I
)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩は、オセルタミビル(Tamiflu(登録商標))により達成されるオルソミクソウイルス減少の減少と比較して、オルソミクソウイルス複製の1〜1.5対数、1.5対数〜2対数、2対数〜2.5対数、2.5〜3対数、または3〜3.5対数減少の範囲で、オルソミクソウイルス複製の減少をもたらし得、または、オセルタミビル(Tamiflu(登録商標))療法の5日後に達成される減少と比較した場合に、より短期間で、例えば、1日以内、2日以内、3日以内、または4日以内で、オセルタミビル(Tamiflu(登録商標))療法の減少と同じ減少を達成し得る。
【0214】
ある期間の後、感染体は一つまたは複数の治療薬に対する耐性を生じる可能性がある。用語「耐性」は、本明細書で使用される場合、ウイルス株が、治療薬に対して遅延した、緩和されたおよび/または無の応答を提示することを示す。例えば、抗ウイルス剤での処置後、耐性ウイルスに感染した対象のウイルス量は、非耐性株に感染した対象によって示されるウイルス量減少の量と比較して、より小さな程度までしか減少しない場合がある。いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、一つまたは複数の異なる抗インフルエンザ剤(例えば、アマンタジン、リマンタジンおよび/またはオセルタミビル)への耐性を有するインフルエンザウイルスに感染した対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、M2タンパク質阻害剤に耐性を有するインフルエンザウイルスに感染した対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、耐性インフルエンザ株の発生は、対象が式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩で処置された場合、他のインフルエンザ剤への耐性を有するインフルエンザ株の発生と比較して遅延される。
【0215】
いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、オセルタミビル処置中の、合併症を起こす対象の割合と比較して、インフルエンザウイルス感染による合併症を起こす対象の割合を減少させ得る。例えば、合併症を起こす、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩で処置中の対象の割合は、オセルタミビル処置中の対象と比較して、10%、25%、40%、50%、60%、70%、80%および90%より少なくなり得る。
【0216】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩、または本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物は、一つまたは複数の追加の作用剤と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩は、インフルエンザを治療するための従来の標準治療で現在使用される一つまたは複数の作用剤と組み合わせて、使用され得る。例えば、追加の作用剤は、アマンタジン(アダマンタン−1−アミン、Symmetrel)、リマンタジン(Flumadine)、ザナミビル(Relenza)およびオセルタミビル(Tamiflu)であり得る。インフルエンザの治療について、追加の作用剤としては、限定はされないが、ノイラミニダーゼ阻害剤、M2タンパク質阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤、PB2阻害剤、ペラミビル((1S,2S,3S,4R)−3−[(1S)−1−アセトアミド−2−エチルブチル]−4−(ジアミノメチリデンアミノ)−2−ヒドロキシシクロペンタン−1−カルボン酸、バイオクリスト・ファーマシューティカルズ社(BioCryst Pharmaceuticals))、ラニナミビル((4S,5R,6R)−5−アセトアミド−4−カルバミミドアミド−6−[(1R,2R)−3−ヒドロキシ−2−メトキシプロピル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピラン−2−カルボン酸)、ファビピラビル(T−705、6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド)、ラニナミビルオクタン酸エステル((3R,4S)−3−アセトアミド−4−グアニジノ−2−((1S,2S)−2−ヒドロキシ−1−メトキシ−3−(オクタノイルオキシ)プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−6−カルボン酸)フルダーゼ(DAS181、ネクスバイオ社(NexBio))、AD
S−8902(塩酸アマンタジン/オセルタミビル/リバビリン、アダマス・ファーマシューティカルズ社(Adamas Pharmaceuticals))、免疫調節剤(例えば、1型インターフェロン)、ベラプロスト(4−[2−ヒドロキシ−1−[(E)−3−ヒドロキシ−4−メチルオクタ−1−エン−6−イニル]−2,3,3a,8b−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[b][1]ベンゾフラン−5−イル]ブタン酸)、Neugene(登録商標)、リバビリン、(R)−3−((5−フルオロ−2−(5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−4,4−ジメチルペンタン酸(CAS登録番号1422050−75−6)、(2S,3S)−3−((5−フルオロ−2−(5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボン酸(CAS登録番号1259366−34−1、VX−787)、FluMist Quadrivalent(登録商標)(メドイミューン社(MedImmune))、Fluarix(登録商標)Quadrivalent(グラクソスミスクライン社)、Fluzone(登録商標)Quadrivalent(サノフィ・パスツール社)、Flucelvax(登録商標)(ノバルティス社)およびFluBlok(登録商標)(プロテイン・サイエンス社(Protein Sciences))が挙げられる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物もしくはその薬剤的に許容できる塩、または本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物は、オセルタミビルと組み合わせて使用され得る。
【0217】
1型インターフェロンは当業者に公知である。非限定的な例を列挙すると以下が挙げられる:α−インターフェロン、β−インターフェロン、δ−インターフェロン、ω−インターフェロン、τ−インターフェロン、x−インターフェロン、コンセンサスインターフェロンおよびアシアロ−インターフェロン。1型インターフェロンはペグ化されている場合がある。特定の1型インターフェロンの例としては、インターフェロンα1A、インターフェロンα1B、インターフェロンα2A、インターフェロンα2B、ペグ化インターフェロンα2a(PEGASYS、ロシュ社)、組換えインターフェロンα2a(ROFERON、ロシュ社)、吸入インターフェロンα2b(AERX、アラダイム社(Aradigm))、ペグ化インターフェロンα2b(ALBUFERON、ヒューマン・ゲノム・サイエンス社(Human Genome Sciences)/ノバルティス社、PEGINTRON、シェリング社)、組換えインターフェロンα2b(イントロンA、シェリング社)、ペグインターフェロンα2b(PEG−イントロン、シェリング社、VIRAFERONPEG、シェリング社)、インターフェロンβ−1a(REBIF、セローノ社(Serono, Inc.)、およびファイザー社)、コンセンサスインターフェロンα(INFERGEN、バリアント・ファーマシューティカルズ社(Valeant Pharmaceutical))が挙げられる。
【0218】
いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、単一の医薬組成物中で、一つまたは複数の追加の作用剤と一緒に投与され得る。いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、2つ以上の別々の医薬組成物として、一つまたは複数の追加の作用剤と一緒に投与され得る。例えば、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩が1つの医薬組成物中で投与され得、追加の作用剤のうちの少なくとも1つが第二の医薬組成物中で投与される。少なくとも2つの追加の作用剤が存在する場合、追加の作用剤のうちの一つまたは複数は、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩を含む第一の医薬組成物中に存在し得、少なくとも1つのその他の追加の作用剤は第二の医薬組成物中に存在し得る。
【0219】
一つまたは複数の追加の作用剤と、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩の投与の順番は、変動し得る。いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、全ての追加の作用剤の前に投与され得る。他の実施形態では、式(I)および/または(II)の化
合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、少なくとも1つの追加の作用剤の前に投与され得る。さらに他の実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、一つまたは複数の追加の作用剤と同時に投与され得る。またさらに他の実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、少なくとも1つの追加の作用剤の投与の後に投与され得る。いくつかの実施形態では、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩は、全ての追加の作用剤の投与の後に投与され得る。
【0220】
いくつかの実施形態では、一つまたは複数の追加の作用剤と組み合わせた、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩の組合せは、相加効果をもたらし得る。いくつかの実施形態では、一つまたは複数の追加の作用剤と組み合わせた、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩の組合せは、相乗効果をもたらし得る。いくつかの実施形態では、一つまたは複数の追加の作用剤と組み合わせた、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩の組合せは、強力な相乗効果をもたらし得る。いくつかの実施形態では、一つまたは複数の追加の作用剤と組み合わせた、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩の組合せは、拮抗的ではない。
【0221】
本明細書で使用される場合、用語「拮抗的」は、各化合物の活性が個別に(すなわち、単一の化合物として)決定された場合の、組み合わせた化合物の活性の総和と比較して、化合物の組合せの活性がより小さいことを意味する。本明細書で使用される場合、用語「相乗効果」は、各化合物の活性が個別に決定された場合の、組み合わせた化合物の個々の活性の総和よりも、化合物の組合せの活性がより大きいことを意味する。本明細書で使用される場合、用語「相加効果」は、各化合物の活性が個別に決定された場合の、組み合わせた化合物の個々の活性の総和と、化合物の組合せの活性がおよそ等しいことを意味する。
【0222】
上記の一つまたは複数の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)と組み合わせて、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩を使用する潜在的利点は、一つまたは複数の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)が、式(I)の化合物またはその薬剤的に許容できる塩無しで投与された際に、同じ治療結果を達成するのに必要な量と比較した場合の、本明細書で開示される病状(例えば、インフルエンザ)の治療に効果的な、一つまたは複数の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)の必要量の減少であり得る。例えば、上記の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)の量は、単独療法として投与された場合に同一のウイルス量減少を達成するのに必要な、追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)の量と比較して、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩と組み合わせて投与された場合に少なくなり得る。上記の一つまたは複数の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)と組み合わせて、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩を使用する別の潜在的利点は、異なる作用機序を有する2つ以上の化合物の使用が、化合物が単独療法として投与された場合の障壁と比較して、耐性ウイルス株の発生に対するより高い障壁を生み出すことができる点である。
【0223】
上記の一つまたは複数の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)と組み合わせて、式(I)および/または(II)の化合物または上記の薬剤的に許容できる塩を使用するさらなる利点には、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩と、上記の一つもしくは複数の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)との間の交差耐性が皆無かそれに近いこと;式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩
、並びに上記の一つもしくは複数の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)の異なる排泄経路;式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩と、上記の一つもしくは複数の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)との間の重複する毒性が皆無かそれに近いこと;シトクロムP450に対する有意な影響が皆無かそれに近いこと;並びに/または、式(I)および/もしくは(II)の化合物もしくは上記の薬剤的に許容できる塩と、上記の一つもしくは複数の追加の作用剤(その薬剤的に許容できる塩およびプロドラッグを含む)との間の薬物動態学的な相互作用が皆無かそれに近いこと、が含まれ得る。
【0224】
当業者であれば容易に想到できることであるが、投与されるべき有用なインビボ投与量および特定の投与様式は、年齢、体重、病気の重症度、および治療される哺乳類種、使用される特定の化合物、並びにこれらの化合物が使用される特定の用途に応じて変化する。所望の結果を達成するのに必要な投与量レベルである、有効投与量レベルの決定は、通例の方法、例えば、ヒト臨床試験およびインビトロ研究を用いて、当業者が達成可能である。
【0225】
投与量は、所望の効果および治療指標に応じて広い範囲に亘り得る。あるいは、投与量は、当業者によって理解されるように、患者の表面積に基づいて算出され得る。正確な投与量は薬剤毎に決定されるが、ほとんどの場合、投与量に関するいくらかの一般化がなされ得る。成人患者に対する一日投与計画は、例えば、0.01mg〜3000mgの各活性成分の経口投与量、好ましくは1mg〜700mg、例えば5〜200mgであり得る。投与は、1回投与であってもよいし、対象が必要とする場合は1日以上に亘って与えられる一連の2回以上の投与であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物は、持続的療法の期間中、例えば、1週間以上または数ヶ月間または数年間、投与される。
【0226】
化合物のヒト投与量が少なくともいくつかの状態に対して確立されている場合、それらと同じ投与量、または前記確立されたヒト投与量の約0.1%〜500%、より好ましくは約25%〜250%である投与量が使用され得る。ヒト投与量が確立されていない場合、新たに発見された医薬組成物の場合、適切なヒト投与量は、ED
50値もしくはID
50値から、または動物における毒性研究および有効性研究によって適切と認められる、インビトロ研究もしくはインビボ研究から得られる他の適切な値から、推量され得る。
【0227】
薬剤的に許容できる塩の投与の場合、投与量は遊離塩基として算出され得る。当業者には理解されることであるが、ある特定の状況では、特に侵攻性の疾患または感染を効果的且つ積極的に治療するために、上記の好ましい用量域を上回る量で、さらには大きく上回る量で、本明細書で開示される化合物を投与する必要がある場合がある。
【0228】
投与量および投与間隔を個々に調節することで、調節効果を維持するのに十分な活性部分の血漿レベル、すなわち最小有効濃度(MEC)を提供することができる。MECは化合物毎に異なるが、インビトロデータから推定することができる。MECを達成するのに必要な投与量は、個々の特徴および投与経路に依存する。しかしながら、HPLCアッセイまたはバイオアッセイを用いることで、血漿中濃度を決定することができる。投与間隔も、MEC値を用いて決定することができる。組成物は、10〜90%の割合で、好ましくは30〜90%の割合で、最も好ましくは50〜90%の割合で、MECを上回る血漿レベルを維持する投与計画を用いて投与されるべきである。局所投与または選択的取り込みの場合、薬剤の有効局所濃度は血漿中濃度とは関連がない場合がある。
【0229】
留意すべきことであるが、主治医であれば、毒性または臓器不全の理由から投与をいつどのように終了、中段、または調節するかが分かる。逆に、主治医であれば、臨床応答が十分でない場合に、処置をより高いレベルに調節しなければならないことも知っている(
毒性の防止)。目的の障害を管理する際の投与量の規模は、治療されるべき状態の重症度および投与経路によって異なる。状態の重症度は、例えば、標準的な予後評価法によって部分的に評価することができる。さらに、用量および、おそらくは投与頻度も、個々の患者の年齢、体重、および応答によって異なる。上記で論じた計画に類似した計画を、獣医学に用いることができる。
【0230】
本明細書で開示される化合物は、公知の方法を用いることで、有効性および毒性について評価することができる。細胞株、例えば哺乳類細胞株、好ましくはヒト細胞株に対するインビトロにおける毒性を決定することにより、例えば、特定の化合物の毒性学、またはある特定の化学的部分を共有する前記化合物の一部の毒性学を確立することができる。そのような研究の結果によって、動物、例えば哺乳類、またはより具体的にはヒトにおける毒性がしばしば予測される。あるいは、公知の方法を用いて、マウス、ラット、ウサギ、またはサル等の動物モデルにおける特定の化合物の毒性を決定することができる。インビトロ法、動物モデル、またはヒト臨床試験等のいくつかの認知された方法を用いて、特定の化合物の有効性を確立することができる。有効性を決定するためのモデルを選択する場合、当業者は、技術の現状による案内によって、適切なモデル、用量、投与経路および/または投与計画を選択することができる。
【実施例】
【0231】
追加の実施形態が以下の実施例においてさらに詳細に開示され、いかなる場合も、それらは特許請求の範囲の限定を意図しない。
実施例1
【0232】
【化39】
【0233】
THF(300mL)中のNaH(21.8g、912mmol、3.0当量)の撹拌溶液に、BnOH(32.8g、304.0mmol、1.0当量)をN
2雰囲気下0℃で加えた。添加後、この混合物を30分間撹拌した。化合物A(63.5g、304.0mmol、1.0当量)を少しずつ加え、この混合物を周囲温度まで温め、12時間撹拌した。生成物に、石油エーテル(PE):EtOAc=5:1を用いるTLCを行った。この混合物を2M HCl溶液に注いで約pH6に調整した。この溶液をEtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=30:1〜5:1)で
精製して、Bを無色の油として得た(46g、88.5%)。
1HNMR (CDCl
3) δ 7.39-7.29 (m, 5H), 4.59 (s, 2H), 4.17-4.24 (q, 2H), 4.14 (s, 2H), 3.53 (s, 2H), 1.31-1.22 (t, 3H)。
【0234】
N
2雰囲気下0℃でCH
3CN(20mL)中のB(10.0g、42.3mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、TosN
3(8.35g、42.3mmol、1.0当量)およびTEA(12.84g、127.1mmol、3.0当量)を加えた。この混合物を0℃で2時間撹拌した。この混合物を室温(RT)まで温め、6時間撹拌した。反応の進行に対し、TLC(PE:EtOAc=5:1)を行った。完全な変換が認められた後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=30:1〜5:1)で精製して、Cを無色の油として得た(4.5g、40.5%)。
1HNMR (CDCl
3) δ 7.39-7.26 (m, 5H), 4.64 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 4.29-4.24 (q, 2H),
1.32-1.28 (t, 3H)。
【0235】
THF(5mL)中のC(4.04g、15.4mmol、1.0当量)の溶液に、P(CH
3)
3/THF溶液(16.9mL、16.9mM、1.1当量)をRTで加えた。この混合物を15分間撹拌し(TLCにより示される、PE:EtOAc=2:1)、次に水(2.8mL)でクエンチした。この混合物を15分間撹拌し、減圧濃縮した。この未精製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=5:1〜2:1)で精製て、Dを黄色固体として得た(4.0g、98.2%)。
1HNMR (CDCl
3) δ 7.39-7.24 (m, 5H), 4.66-4.66 (s, 1H), 4.66-4.61 (s, 2H), 4.53-4.53 (s, 1H), 4.31-4.24
(m, 2 H), 1.35-1.29 (m, 3H)。
【0236】
THF(100mL)中のD(20.0g、75.7mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、NaHCO
3(19.1g、227.3mmol、3.0当量)および(Boc)
2O(22.84g、113.6mmol、1.5当量)を加えた。この混合物を6時間加熱還流し、TLC(PE:EtOAc=2:1)でモニターした。完全な変換が認められた後、この溶液を減圧濃縮した。残渣をEtOAc(200mL)中に溶解させ、水(80mL×2)で洗浄した。有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過した。この混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=8:1)で精製して、Eを白色固体として得た(15g、54.30%)。
1HNMR (CDCl
3) δ 11.59 (s, 1H), 7.40-7.26 (m, 5H), 4.71-4.61 (m, 2H), 4.39 (s, 2H), 4.71-4.27 (q, 2H), 1.70-1.48 (m, 9H), 1.38-1.24 (t, 3H)。
【0237】
RTのTHF(100mL)中のE(4.2g、11.5mmol、1当量)の溶液に、DMF−DMA(6.15g、51.7mmol、4.5当量)を加えた。この混合物を室温で16時間撹拌した。TLCにより示される完全な変換が認められた後、反応物を水(5〜6mL)で処理し、30分間撹拌した。溶媒を減圧下40〜50℃で蒸発させた。残渣をEtOAcから結晶化して、純粋な生成物を白色固体として得た(0.5g)。母液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH=50:1〜10:1)で精製して、Fを固体(2.4g、75.95%)として得た。
1HNMR (CD
3OD) δ
8.22 (s, 1H), 7.48-7.46 (m, 2H), 7.41-7.34 (m, 3H), 5.20 (s, 2H), 4.41-4.36 (q,
2H), 1.39-1.35 (t, 3H)。LCMS(ESI)m/z[M+H]
+=275.2(理論値=274.1)。滞留時間=1.097分。
【0238】
実施例2
5−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1,4−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸(1)
【0239】
【化40】
【0240】
2a(3.2g、20mmol)および6M HCl水溶液(20mL、120mmol)の混合物を0℃で撹拌した。この混合物に、H
2O(5mL)中のNaNO
2(1.66g、24mmol)の溶液を滴加した。添加後、この混合物を15分間撹拌した。得られた水溶液を、0℃のEtOH(40mL)中の1a(4.7g、20mmol)およびNaOAc(9.84g、120mmol)の懸濁液に加えた。完全な変換の後、この混合物を水に注ぎ、AcOEt(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNaHCO
3飽和水溶液およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。未精製物3a(5.6g)はさらなる精製無しで使用され得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 14.79 (s, 0.5H), 12.94 (s, 0.5H), 7.70-7.30 (m, 9H), 4.76 (s, 1H), 4.73 (s, 1H), 4.70(s, 1H), 4.67 (s, 1H), 4.39 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.32 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 1.43-1.37 (m, 3H)。
【0241】
DMF−DMA(33mL)中の3a(4.8g、12mmol)の溶液を2.5時間加熱還流した。完全な変換の後、反応物をRTに冷却した。沈殿物を吸引濾過で集めた。濾滓を少量のEtOAcで洗浄し、減圧下で乾燥させて、純粋な4aを白色固体として得た(3.5g、69.7%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.89 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.11 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.89-7.82 (m, 2H), 7.49-7.39 (m, 5H), 5.52 (s, 2H), 4.33 (q, J = 7.2 Hz, 2H). 1.29 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0242】
EtOH/THF(1:1、10mL)中の4a(418mg、1.0mmol)およびPd/C(50mg)の懸濁液を、水素雰囲気下(15psi.)、室温で30分間撹拌した。完全な変換の後、この混合物をセライトパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。この粗生成物をEtOAc中で結晶化して、純粋な5aを白色固体として得た(300mg、91.4%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.72 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.07 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.84-7.78 (m, 2H), 4.44 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.41
(t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0243】
MeOH(5mL)中の5a(328mg、1.0mmol)の溶液に、1N NaOH水溶液(3mL、3.0mmol)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。完全な変換の後、MeOHを減圧により除去した。水相を1N塩酸塩でpH=4に酸性化した。白色固体がこの混合物から沈殿した。この固体を濾取し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、化合物1を白色固体として得た(120mg、40.0%)。LCMS (ESI) m/z
=
300.8 [M+H]
+。
【0244】
実施例3
1−(5−(N,N−ジエチルスルファモイル)−2−メトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸(2)
【0245】
【化41】
【0246】
HNO
3(2mL)およびH
3PO
4(3mL)中の2b(1g、3.87mmol)の溶液に、0℃のH
2O(20mL)中のNaNO
2(400mg、5.85mmol)の溶液を滴加した。この混合物を同じ温度で0.5時間撹拌した。次に、得られた水溶液を、0℃のEtOH(80mL)中の1b(1.38g、5.85mmol)およびAcOK(10g、102mmol)の懸濁液に加えた。反応物を室温に温め、3時間撹拌した。この混合物をNaHCO
3飽和水溶液でpH=9に塩基性化した。この混合物をEtOAc(60mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧により濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE中10%EA)で精製して、純粋な3bを白色固体として得た(1.0g、35%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3Cl) δ 8.16 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 743-7.39 (m, 5H), 6.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.74 (s, 2H), 4.68 (s, 2H), 4.29 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.06 (s, 3H), 3.26 (q, J = 7.2 Hz, 4H), 1.38 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.15 (t, J = 7.2 Hz, 6H)。
【0247】
DMF−DMA(50mL)中の3b(1.0g、1.98mmol)の混合物を、RTで3時間撹拌した。完全な変換の後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAcで結晶化して、純粋な4bを黄色の固体として得た(0.5g、50.4%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3Cl) δ 7.87 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.42-7.32 (m,
5H), 7.07 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.31 (s, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.23 (q, J = 7.2 Hz, 4H), 1.16 (t, J = 7.2 Hz, 6H)。
【0248】
EtOH(5mL)および水(5mL)中の4b(0.5g、1.0mmol)の溶液に、0℃の2N NaOH(0.8mL、16mmol)を加えた。この混合物を同じ温度で3時間撹拌した。EtOHを減圧下で除去し、水相を2N HCl溶液でpH=4に酸性化した。沈殿物を吸引濾過で集めた。濾滓を水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、5bを白色固体として得た(0.3g、61.6%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3Cl) δ 8.05 (s, 1H), 7.87-7.85 (m, 2H), 7.40-7.36 (m, 5H), 7.09 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.27 (s, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.21 (q, J = 7.2 Hz, 4H), 1.16 (t, J = 7.2 Hz, 6H)。
【0249】
MeOH(20mL)中の5b(0.3g、0.62mmol)およびPd(OH)
2(0.2g)の混合物を、水素雰囲気下(30psi)で4時間撹拌した。完全な変換の後、この混合物をセライトパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCで精製して、化合物2を白色固体として得た(100mg、41.0%)。LCMS (ESI) m/z
= 398.0 [M+H]
+。
【0250】
実施例4
1−(4−tert−ブチルフェニル)−5−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸(3)
【0251】
【化42】
【0252】
HBF
4(6mL、水中50%)中の2c(1.0g、9.7mmol)の溶液を氷ブライン浴で冷却した。この溶液に、H
2O(10mL)中のNaNO
2(0.8g、11.4mmol)の溶液を0℃で滴加した。反応物を撹拌して、浴槽温度を−5℃〜5℃に1時間維持した。その場で形成されたジアゾニウム溶液を、0℃のEtOH(50mL)中の化合物1c(2.3g、9.7mmol)およびNaOAc(1.23g、15mmol)の混合物に加えた。添加後、この混合物を0℃で4時間撹拌した。得られた懸濁液を
濾過した。濾液を濃縮して粗生成物を得て、次にこれをシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=20:1〜10:1)で精製して、純粋な3cを無色の油として得た(600mg、23%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.43-7.18 (m, 9H), 4.74 (s, 2H), 4.68 (s, 2H), 4.37 (t, J = 7.2, 1H), 4.27 (t, J = 7.2, 1H), 1.40-1.21 (m, 12H)。
【0253】
DMF−DMA(50mL)中の3c(0.6g、1.52mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。完全な変換の後、この混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(1mL)およびPE(10mL)で処理した。この溶液を10分間撹拌した。沈殿物を吸引濾過で集めた。濾滓をPEで洗浄し、減圧下で乾燥させて、純粋な4cを帯黄色の固体として得た(0.3g、49%)。LCMS (ESI) m/z
= 407.2 [M+H]
+。
【0254】
EtOH(5mL)および水(5mL)中の4c(0.3g、0.74mmol)の溶液に、0℃の2N NaOH(0.8mL、1.6mmol)を加えた。この混合物を3時間撹拌した。完全な変換の後、この混合物を減圧下で濃縮して、EtOHを除去した。水相を2N HCl水溶液でpH=4に酸性化した。この混合物をEtOAc(3mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、未精製5cを白色固体として得て(0.2g、71.0%)、これをさらなる精製無しで使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.19 (s, 1H), 7.52-7.50 (m, 2H), 7.45-7.36 (m, 7H),
5.39 (s, 2H), 1.34 (s, 9H)。
【0255】
MeOH(20mL)中の5c(0.2g、0.53mmol)およびPd(OH)
2(0.2g)の混合物を、H
2雰囲気下(15psi)で4時間撹拌した。反応が完了した後、この混合物をセライトパッドに通して濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を分取HPLCで精製して、化合物3を白色固体として得た(100mg、65.7%)。LCMS (ESI) m/z
= 289.1 [M+H]
+。
【0256】
化合物4を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、4−フルオロアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 249 [M-H] and 251 [M+H]
+。
【0257】
化合物5を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、3−メトキシアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 261 [M-H] and 263 [M+H]
+。
【0258】
化合物6を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、3−フェノキシアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 323 [M-H] and 324 [M+H]
+.
【0259】
化合物7を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−(トリフルオロメチル)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 301 [M+H]
+および323 [M+Na]
+。
【0260】
化合物8を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−イソプロピルアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 275 [M+H]
+。
【0261】
化合物9を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−フェノキシアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 325 [M+H]
+。
【0262】
化合物10を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 273 [M+H]
+。
【0263】
化合物11を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−(ピペリジン−1−イル)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 316 [M+H]
+。
【0264】
化合物12を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2,6−ジメチルアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 261 [M+H]
+および283 [M+Na]
+。
【0265】
化合物13を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、4−メトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 339 [M+H]
+。
【0266】
化合物14を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−(ジフルオロメトキシ)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 299 [M+H]
+。
【0267】
化合物15を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−メチルキノリン−8−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 298 [M+H]
+。
【0268】
化合物16を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−(tert−ブチル)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 289 [M+H]
+。
【0269】
化合物17を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、N−(3−アミノフェニル)メタンスルホンアミドを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 348 [M+Na]
+および673 [2M+Na]
+。
【0270】
化合物18を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、[1,1’−ビフェニル]−2−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 309 [M+H]
+および331 [M+Na]
+。
【0271】
化合物19を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−((シクロヘキシル(メチル)アミノ)メチル)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 358 [M+H]
+。
【0272】
化合物20を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 369 [M+H]
+および391
[M+Na]
+。
【0273】
化合物21を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−(トリフルオロメトキシ)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 317 [M+H]
+。
【0274】
化合物22を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、3−アミノ−N−ブチルベンゼンスルホンアミドを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 368 [M+H]
+。
【0275】
化合物23を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−エトキシアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 277 [M+H]
+、299 [M+Na]
+および575 [2M+Na]
+。
【0276】
化合物24を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−(フェニルスルホニル)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 373 [M+H]
+および767 [2M+Na]
+。
【0277】
化合物25を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、4−ブトキシアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 305 [M+H]
+。
【0278】
化合物26を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、3,5−ジメトキシアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 293 [M+H]
+。
【0279】
化合物27を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、4−(トリフルオロメチル)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 301 [M+H]
+。
【0280】
化合物28を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、4−(ピペリジン−1−イル)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 316 [M+H]
+。
【0281】
化合物29を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−(2−アミノフェニル)エタノールを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 277 [M+H]
+。
【0282】
化合物30を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、3−(トリフルオロメトキシ)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 317 [M+H]
+。
【0283】
化合物31を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、4−(メチルスルホニル)アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 311 [M+H]
+。
【0284】
化合物32を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
=
291 [M+H]
+。
【0285】
化合物33を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、1H−インダゾール−6−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 273 [M+H]
+。
【0286】
化合物34を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2’−エチル−[1,1’−ビフェニル]−2−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 337 [M+H]
+。
【0287】
化合物35を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、[1,1’:2’,1’’−ターフェニル]−2−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 385 [M+H]
+。
【0288】
化合物36を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2’−アミノ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボニトリルを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 334
[M+H]
+および356 [M+Na]
+。
【0289】
化合物37を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、4’−イソブチル−[1,1’−ビフェニル]−2−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 365 [M+H]
+。
【0290】
化合物38を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2’−メチル−[1,1’−ビフェニル]−2−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 323 [M+H]
+。
【0291】
化合物39を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2’−イソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−2−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 351 [M+H]
+。
【0292】
化合物40を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2’−(トリ
フルオロメトキシ)−[1,1’−ビフェニル]−2−アミンを用いて得た。LCMS (ESI)
m/z
= 393 [M+H]
+。
【0293】
化合物41を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、2−モルホリノアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 318 [M+H]
+。
【0294】
化合物42を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、1H−インダゾール−5−アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 273 [M+H]
+。
【0295】
化合物43を、化合物1、2または3を得るための手順の1つに従って、4−フェノキシアニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 325 [M+H]
+。
【0296】
化合物44を、エチルエステルの加水分解を行わなかった以外は化合物24を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 401 [M+H]
+。
【0297】
【表1-1】
【0298】
【表1-2】
【0299】
【表1-3】
【0300】
【表1-4】
【0301】
【表1-5】
【0302】
【表1-6】
【0303】
実施例5
5−ヒドロキシ−4−オキソ−1−(2−(ピロリジン−1−イル)フェニル)−1,4−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸(200)
【0304】
【化43】
【0305】
ピロリジン(30mL)中の1d(10.0g、70.9mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて、未精製2dを無色の油として得た(10.0g、73.5%)。残渣をさらなる精製無しで使用した。
【0306】
MeOH(20mL)中の2d(10.0g、52.0mmol)およびPd/C(1.0g)の混合物を、水素雰囲気下(15psi)で4時間撹拌した。完全な変換の後、この混合物をセライトパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出 PE:EtOAc=50:1〜20:1)で精製し
て、純粋な3dを無色の油として得た(8.0g、95.2%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.88-6.81 (m, 1H), 6.71-6.66 (m, 2H), 3.79 (s, 2H), 3.01-2.98 (m, 4H), 1.88-1.85 (m, 4H)。
【0307】
0℃のHCl(4.6mL、27.54mmol)中の3d(743mg、4.59mmol)の撹拌溶液に、H
2O(10mL)中のNaNO
2(380mg、5.5mmol)を加えた。この溶液を0℃で40分間撹拌した。得られた水溶液を、0℃のEtOH(10mL)中の4d(1.08g、4.59mmol)およびNaOAc(2.26g、27.54mmol)の懸濁液に加えた。添加後、この溶液を0℃で30分間撹拌し、次いでRTに温めた。反応物をさらに4時間撹拌し続けた。完全な変換の後、この混合物をEtOAc(30mL)で処理した。有機相を分離し、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣5d(4.0g、87.2%)をさらなる精製無しで使用した。
【0308】
DMF−DMA(10mL)中の5d(0.8g、1.96mmol)の溶液を室温で4時間撹拌した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAc中で結晶化して、純粋な6dを帯黄色の固体として得た(400mg、48.69%)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.25 (s, 1H), 7.42-7.31 (m, 6H), 7.21 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.4
Hz, 1H), 6.85-6.81 (m, 1H), 5.23 (s, 2H), 4.37 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.81-2.78 (m, 4H), 1.74-1.70 (m, 4H), 1.35 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0309】
EtOH(10mL)中の6d(0.4g、0.95mmol)の撹拌溶液に、2N NaOH溶液(1.4mL、2.86mmol)を滴加した。添加後、この混合物を室温で1時間撹拌した。完全な変換の後、EtOHを減圧により除去した。得られた水相を1N HCl溶液でpH=2に酸性化した。沈殿物を吸引濾過で集めた。濾滓を水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、純粋な7dを白色固体として得た(250mg、67.3%)。
【0310】
MeOH(10mL)中の7d(250mg、0.64mmol)およびPd/C(50mg)の混合物を、水素雰囲気下(15psi)で15分間撹拌した。完全な変換の後、この混合物をセライトパッドに通して濾過した。濾液を減圧により濃縮した。残渣をEtOH(10mL)中で結晶化して、化合物200を帯黄色の固体として得た(50mg、25.91%)。LCMS (ESI) m/z
= 302.0 [M+H]
+。
【0311】
化合物201を、化合物200を得るための手順に従って、1−クロロ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンおよびピロリジンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
=
370 [M+H]
+。
【0312】
化合物202を、化合物200を得るための手順に従って、1−フルオロ−2−ベンゼンおよび4−メチルピペリジンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 330 [M+H]
+。
【0313】
化合物203を、化合物200を得るための手順に従って、1−フルオロ−2−ベンゼンおよび2−ベンジルピロリジンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 392 [M+H]
+。
【0314】
化合物204を、化合物200を得るための手順に従って、1−フルオロ−2−ベンゼンおよび1−メチルピペラジンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 331 [M+H]
+。
【0315】
化合物205を、化合物200を得るための手順に従って、1−フルオロ−2−ベンゼンおよび1−エチルピペラジンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 345 [M+H]
+。
【0316】
化合物206を、化合物200を得るための手順に従って、1−フルオロ−2−ベンゼ
ンおよび4,4−ジメチルピペリジンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z = 344 [M+H]+。
【0317】
化合物207を、化合物200を得るための手順に従って、4−イソプロピルピペリジンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 358 [M+H]
+。
【0318】
化合物208を、化合物200を得るための手順に従って、4−(tert−ブチル)ピペリジンヒドロクロリドを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 372 [M+H]
+。
【0319】
化合物209を、化合物200を得るための手順に従って、3,3−ジメチルピペリジンヒドロクロリドを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 344 [M+H]
+。
【0320】
化合物210を、化合物200を得るための手順に従って、3−メチルピペリジンヒドロクロリドを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 330 [M+H]
+。
【0321】
化合物211を、化合物200を得るための手順に従って、3−フェニルピペリジンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 392 [M+H]
+。
【0322】
【表2】
【0323】
実施例6
1−(2’,5’−ジメチルビフェニル−2−イル)−5−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸(300)
【0324】
【化44】
【0325】
化合物3eを、以下に詳細に記載される以下の反応スキームに従って調製した。
【0326】
【化45】
【0327】
2−ブロモベンズエナミン(3.4g、20mmol)および6M HCl水溶液(20mL、120mmol)の混合物を0℃で撹拌した。この混合物に、H
2O(5mL)中のNaNO
2(1.66g、24mmol)の溶液を滴加した。添加後、この混合物を15分間撹拌した。得られた水溶液を、0℃のEtOH(40mL)中の1e(4.7g、20mmol)およびNaOAc(9.84g、120mmol)の懸濁液に滴加した。水(約15mL)を加えてNaOAcを溶解させた。完全な変換の後、この混合物を水に注ぎ、AcOEt(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNaHCO
3飽和水溶液およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。未精製物2e(6.3g、75.2%)をさらなる精製無しで使用した。LCMS (ESI) m/z
= 418.8、 420.9 [M+H]
+。
【0328】
DMF−DMA(22mL)中の2e(3.3g、8mmol)の溶液を2.5時間加熱還流した。完全な変換の後、反応物をRTに冷却した。沈殿物を吸引濾過で集め、濾滓を少量のEtOAc/PE(1:1、6mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、純粋な3eを白色固体として得た(3.0g、87.4%)。LCMS (ESI) m/z
= 429、 431 [M+H]
+。
【0329】
ジオキサン(10mL)中の3e(500mg、1.16mmol)、2,5−ジメチルフェニルボロン酸(210.3mg、1.40mmol)およびK
2CO
3(322mg、2.33mmol)の懸濁液に、Pd(PPh
3)
4(135mg、0.0168mmol)を加えた。この混合物を5分間脱気した後、N
2を再充填した。反応物をN
2雰囲気下100℃で2時間撹拌した後、RTに冷却した。固体を濾去し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=5:1〜2:1)で精製して、純粋な4eを白色固体として得た(389mg、73.3%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.53-7.41 (m, 3H), 7.27-7.14 (m, 7H), 7.01(s, 2H), 6.84 (s, 1H), 4.64-4.51 (m, 2H), 4.33 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.23 (s, 3H), 1.81 (s, 3H), 1.31 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0330】
EtOH(20mL)中の4e(389mg、0.85mmol)およびPd/C(50mg)の混合物を、H
2雰囲気下で(15psi)30分間撹拌した。この溶液をセライトパッドに通して濾過した。濾液を濃縮して、粗生成物を白色固体(249mg、80.5%)として得て、これをさらなる精製無しで使用した。LCMS (ESI) m/z
= 365.0 [M+H]
+。
【0331】
THF(3mL)中の5e(249mg、0.68mmol)の溶液に、1N NaOH溶液(1.36mL、1.36mmol)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。完全な変換の後、THFを減圧下で除去し、水相を1N HClでpH=4に酸性化した。沈殿物を吸引濾過で集めた。濾滓を水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、化合物300を白色固体として得た(130mg、56.9%)。LCMS (ESI) m/z
= 336.9 [M+H]
+。
【0332】
化合物301を、化合物300を得るための手順に従って、(3,5−ジメチルフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 337 [M+H]
+。
【0333】
化合物302を、化合物300を得るための手順に従って、(4−(tert−ブチル)フェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 365 [M+H]
+。
【0334】
化合物303を、化合物300を得るための手順に従って、p−トリルボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 323 [M+H]
+。
【0335】
化合物304を、化合物300を得るための手順に従って、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレートを用いて得た。
1H NMR (CD
3OD): δ 1.45 (s, 9H)。LCMS (ESI) m/z
= 316 [M-Boc+H]
+。
【0336】
化合物305を、化合物300を得るための手順に従って、(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 341 [M+H]
+。
【0337】
化合物306を、化合物300を得るための手順に従って、(4−フルオロフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 327 [M+H]
+。
【0338】
化合物307を、化合物300を得るための手順に従って、(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 377 [M+H]
+および399 [M+Na]
+。
【0339】
化合物308を、化合物300を得るための手順の1つに従って、2−(シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラ
ンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 315 [M+H]
+。
【0340】
化合物309を、化合物300を得るための手順に従って、(2,3−ジメチルフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 337 [M+H]
+。
【0341】
化合物310を、化合物300を得るための手順に従って、(2−イソプロポキシフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 367 [M+H]
+。
【0342】
化合物311を、化合物300を得るための手順に従って、(2−フェノキシフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 401 [M+H]
+。
【0343】
化合物312を、Boc基を切断するためのTFA/CH
2Cl
2段階を追加した化合物304を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 316 [M+H]
+。
【0344】
化合物313を、化合物300を得るための手順に従って、(1H−インドール−6−イル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 348 [M+H]
+。
【0345】
化合物314を、化合物300を得るための手順に従って、2−イソプロポキシ−5−メチルフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 381 [M+H]
+。
【0346】
化合物315を、化合物300を得るための手順に従って、(2−メトキシフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 339 [M+H]
+。
【0347】
化合物316を、化合物300を得るための手順に従って、ジベンゾ[b,d]フラン−4−イルボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 399 [M+H]
+。
【0348】
化合物317を、ヨウ化ナトリウムおよび炭酸カリウムを用い、室温のDMF中のブロモシクロヘキサンを用いてボロン酸カップリング産物をアルキル化するという改変を伴う、(2−ヒドロキシフェニル)ボロン酸を用いる化合物300を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 407 [M+H]
+。
【0349】
化合物318を、化合物300を得るための手順に従って、(3−メトキシフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 339 [M+H]
+。
【0350】
化合物319を、ヨウ化ナトリウムおよび炭酸カリウムを用い、室温のDMF中のブロモシクロペンタンを用いてボロン酸カップリング産物をアルキル化するという改変を伴う、(2−ヒドロキシフェニル)ボロン酸を用いる化合物300を得るための手順に従って、得た。LCMS (ESI) m/z
= 393 [M+H]
+。
【0351】
化合物320を、化合物300を得るための手順に従って、(1H−インドール−5−イル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 348 [M+H]
+。
【0352】
化合物321を、化合物300を得るための手順に従って、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 362 [M+H]
+。
【0353】
化合物322を、化合物300を得るための手順に従って、(2−クロロ−5−メトキシフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 373 [M+H]
+。
【0354】
化合物323を、化合物300を得るための手順に従って、(3−クロロ−5−メトキ
シフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 373 [M+H]
+。
【0355】
化合物324を、脱ベンジル化およびエステル加水分解の前にエステル/エーテル前駆物質をDMF中のヨウ化メチルおよび炭酸カリウムで処理するという改変を伴う、(1−メチル−1H−インドール−6−イル)ボロン酸を用いる化合物300を得るための手順に従って、得た。LCMS (ESI) m/z
= 362 [M+H]
+。
【0356】
化合物325を、化合物300を得るための手順に従って、(2−イソブトキシフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 381 [M+H]
+。
【0357】
化合物326を、化合物300を得るための手順に従って、(3−エトキシ−5−メチルフェニル)ボロン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 367 [M+H]
+。
【0358】
【表3-1】
【0359】
【表3-2】
【0360】
【表3-3】
【0361】
【表3-4】
【0362】
実施例7
1−(2−(トリフルオロメチル)フェネチル)−1,4−ジヒドロ−5−ヒドロキシ−4−オキソピリダジン−3−カルボン酸(400)
【0363】
【化46】
【0364】
炭酸カリウム(0.20g、1.5mmol)を、DMF(1mL)中の化合物F(80mg、2.9mmol)およびトリフルオロメチルフェネチルブロマイド(0.15mL、8.8mmol)の溶液に加えた。反応物を55℃で30分間加熱した。この混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、H
2O(3回)、ブライン(1回)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。未精製混合物にクロマトグラフィ(SiO
2、EtOAc:ヘキサン)を行って、1f(80mg、62%)を得た。
【0365】
化合物1f(80mg、1.8mmol)を、THF/EtOH(1mL、50%v/v)中の10%Pd/C(4mg)上で2時間水素化した。触媒を濾去し、濾液を濃縮した。粗生成物をヘキサン/CH
2Cl
2から再結晶して、化合物408(51mg、61%)を得た。LCMS (DUIS) m/z
= 357 [M+H]
+。
【0366】
水酸化ナトリウム(1.0mL、H
2O中2.0M)を、EtOH(5mL)中の化合
物408(48mg、1.1mmol)の溶液に加えた。反応物を室温で4時間撹拌した。この混合物を濃縮した後、1M HClで酸性化して沈殿物を得て、これを濾取して、化合物400を白色固体として得た(3.7mg、10%)。LCMS (ESI) m/z
= 329 [M+H]
+および392 [M+CH
3CN+Na]
+。
【0367】
化合物401を、化合物400を得るための手順に従って、(2−ブロモエチル)ベンゼンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 261 [M+H]
+。
【0368】
化合物402を、化合物400を得るための手順に従って、(3−ブロモプロピル)ベンゼンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 275 [M+H]
+、287 [M+Na]
+および338 [M+CH
3CN+Na]
+。
【0369】
化合物403を、化合物400を得るための手順に従って、3−(ブロモメチル)−1,1’−ビフェニルを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 323 [M+H]
+、345 [M+Na]
+および667 [2M+ Na]
+。
【0370】
化合物404を、化合物400を得るための手順に従って、tert−ブチル3−(2−ブロモエチル)−1H−インドール−1−カルボキシレートを用いて得た。LCMS (ESI)
m/z
= 400 [M+H]
+、422 [M+Na]
+および344 [M+H-C
4H
8]
+。
【0371】
化合物405を、反応の段階1を85℃で24時間加熱し、段階3を行わないという改変を伴う、1−(1−(ブロモメチル)シクロペンチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いる化合物400を得るための手順に従って、得た。LCMS (ESI) m/z
= 409
[M-H]-および455 [M+HCO
2]
-。
【0372】
化合物406を、反応の段階1を85℃で24時間加熱するという改変を伴う、1−(1−(ブロモメチル)シクロペンチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いる化合物400を得るための手順に従って、得た。LCMS (ESI) m/z
= 381 [M-H]
-および763
[2M-H]
-。
【0373】
化合物407を、化合物404をジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸で処理するという改変を伴う、化合物404を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 300 [M+H]
+および322 [M+Na]
+。
【0374】
化合物408を、段階3を行わないという改変を伴う、1−(2−ブロモエチル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いる化合物400を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 357 [M+H]
+。
【0375】
化合物409を、化合物400を得るための手順に従って、臭化ベンジルを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 247 [M+H]
+。
【0376】
化合物410を、反応の段階1を85℃で24時間加熱するという改変を伴う、(1−(ブロモメチル)シクロペンチル)ベンゼンを用いる化合物400を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 315 [M+H]
+。
【0377】
化合物411を、段階3を行わないという改変を伴う、化合物410を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 343 [M+H]
+。
【0378】
化合物412を、化合物400を得るための手順に従って、1−(2−ブロモエチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 327 [M-H]
-。
【0379】
化合物413を、化合物400を得るための手順に従って、1−(2−ブロモエチル)−2−メトキシベンゼンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 289 [M-H]
-。
【0380】
化合物414を、化合物400を得るための手順に従って、1−(2−ブロモエチル)−3−メトキシベンゼンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 289 [M-H]
-。
【0381】
化合物415を、化合物400を得るための手順に従って、1−(2−ブロモエチル)−4−メトキシベンゼンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 289 [M-H]
-。
【0382】
化合物416を、反応の段階1を95℃で96時間加熱するという改変を伴う、1−(1−ブロモ−2−メチルプロパン−2−イル)−4−メチルベンゼンを用いる化合物400を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 301 [M-H]
-。
【0383】
化合物417を、化合物400を得るための手順に従って、4−(2−ブロモエチル)−1,2−ジメトキシベンゼンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 319 [M-H]
-。
【0384】
化合物418を、反応の段階1を室温で1時間行い、段階2を1時間後に止めるという改変を伴う、2−ブロモ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オンを用いる化合物400を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 301 [M+H]
+。
【0385】
化合物419を、反応の段階1を85℃で24時間加熱するという改変を伴う、1−(1−(ブロモメチル)シクロペンチル)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いる化合物400を得るための手順に従って得た。LCMS(ESI) m/z
= 449 [M-H]
-。
【0386】
化合物420を、段階3を行わないという改変を伴う、化合物419を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 477 [M-H]
-および523 [M-HCO
2]
-。
【0387】
化合物421を、化合物400を得るための手順に従って、(2−ブロモエチル)シクロヘキサンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 267 [M+H]
+。
【0388】
化合物422を、アルキル化をMitsunobu条件(Ph
3P;DEAD;THF;室温〜85℃で12時間)下で行うという改変を伴う、(1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)シクロペンチル)メタノールを用いる化合物400を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 353 [M-H]
-。
【0389】
化合物423を、化合物400を得るための手順に従って、1−(2−ブロモエチル)ナフタレンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 311 [M+H]
+。
【0390】
化合物424を、化合物400を得るための手順に従って、1−(1−(ブロモメチル)シクロプロピル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 353 [M-H]
-。
【0391】
化合物425を、アルキル化をMitsunobu条件(Ph
3P;DIAD;THF;室温〜80℃で8時間)下で行うという改変を伴う、(1−(3−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)シクロペンチル)メタノールを用いる化合物400を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 367 [M-H]
-。
【0392】
化合物426を、化合物400を得るための手順に従って、1−(1−(ブロモメチル)シクロプロピル)−4−クロロベンゼンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 321 [M+H]
+
。
【0393】
化合物427を、化合物400を得るための手順に従って、2−(2−ブロモエチル)ナフタレンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 311 [M+H]
+。
【0394】
【表4-1】
【0395】
【表4-2】
【0396】
【表4-3】
【0397】
【表4-4】
【0398】
実施例8A
5−ヒドロキシ−4−オキソ−N−(1,1,1−トリフルオロブタン−2−イル)−1−((1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)シクロペンチル)メチル)−1,4−ジヒドロピリダジン−3−カルボキサミド(500)
【0399】
【化47】
【0400】
ジイソプロピルエチルアミン(52μL、0.30mmol)を、DMF(0.3mL
)中の1g(28mg、0.059mmol)、トリフルオロブタミンヒドロクロリド(30mg、0.18mmol)およびHBTU(33mg、0.89mmol)の溶液に加えた。この混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応物をEtOAc(20mL)で希釈し、1N HCl、水(3回)およびブラインで連続的に洗浄した。反応物をクロマトグラフィ(10gカラム、溶出勾配50%酢酸エチル/ヘキサン〜100%酢酸エチルで精製して、2g(27mg、78%)を得た。
【0401】
化合物2gを、エタノール(10mL)中の10%Pd/C(3mg)上での、ある気圧(バルーン)のH
2(g)による処理で、1.5時間脱保護した。この混合物を濾過して触媒を除去し、濃縮して、純粋な化合物500(22.4mg)を得た。LCMS (ESI) m/z
= 492 [M+H]
+。
【0402】
実施例8B
【0403】
【化48】
【0404】
DMF(20mL)中の3g(182mg、0.50mmol)、HATU(380mg、1.0mmol)およびDIPEA(516mg、4.0mmol)の撹拌溶液に、MeNH
2.HCl(134mg、2.0mmol)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌した。完全な変換の後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を分取HPLCで精製して、化合物501を白色固体として得た(50mg、26.5%)。LCMS (ESI) m/z
= 378.1 [M+H]
【0405】
化合物502を、化合物500を得るための手順に従って、3,3−ジフルオロピロリジンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 470 [M-H]
-および941 [2M-H]
-。
【0406】
化合物503を、化合物500を得るための手順に従って、1−(トリフルオロメチル)シクロペンタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 516 [M-H]
-および1033 [2M-H]
-。
【0407】
化合物504を、化合物500を得るための手順に従って、ジメチルアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 408 [M-H]
-および454 [M- HCO
2]
-。
【0408】
化合物505を、化合物500を得るための手順に従って、2,2,2−トリフルオロエタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 462 [M-H]
-。
【0409】
化合物506を、化合物500を得るための手順に従って、メタンアミンおよび1−((1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)シクロペンチル)メチル)−5−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 462 [M-H]
-。
【0410】
化合物507を、化合物500を得るための手順に従って、シクロプロパンアミンを用
いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 420 [M-H]
-。
【0411】
化合物508を、化合物500を得るための手順に従って、シクロプロパンアミンおよび1−((1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)シクロペンチル)メチル)−5−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 488 [M-H]
-および977 [2M-H]
-。
【0412】
化合物509を、化合物500を得るための手順に従って、フェニルメタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 470 [M-H]
-。
【0413】
化合物510を、化合物500を得るための手順に従って、シクロプロピルメチル アミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 436 [M-H]
-。
【0414】
化合物511を、化合物500を得るための手順に従って、メタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 394 [M-H]
-および789 [2M-H]
-。
【0415】
化合物512を、まずHBTUの代わりにエチルクロロホルメートを用いて混合無水物を調製し、次にメタンスルホンアミドを別の段階で加えるという改変を伴う、メタンスルホンアミドを用いる化合物500を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 459
[M-H]
-。
【0416】
化合物513を、Pd/C/H
2の代わりに55℃のトリフルオロ酢酸を用いてO−ベンジル基を除去するという改変を伴う、化合物406および3,4−ジクロロベンジルアミンを用いる化合物500を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 540 [M+H]
+。
【0417】
化合物514を、化合物500を得るための手順に従って、シクロペンタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 448 [M-H]
-。
【0418】
化合物515を、化合物500を得るための手順に従って、シクロブタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 434 [M-H]
-。
【0419】
化合物516を、化合物500を得るための手順に従って、シクロヘキサンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 462 [M-H]
-。
【0420】
化合物517を、化合物500を得るための手順に従って、アニリンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 456 [M-H]
-。
【0421】
化合物518を、化合物500を得るための手順に従って、化合物35およびメタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 398 [M+H]
+。
【0422】
化合物519を、化合物500を得るための手順に従って、化合物39およびメタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 364 [M+H]
+。
【0423】
化合物520を、化合物500を得るための手順に従って、化合物40およびメタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 406 [M+H]
+。
【0424】
化合物521を、化合物500を得るための手順に従って、化合物313およびメタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 361 [M+H]
+。
【0425】
化合物522を、化合物500を得るための手順に従って、化合物314およびメタンアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 394 [M+H]
+。
【0426】
化合物523を、Pd/C/H
2の代わりに55℃のトリフルオロ酢酸を用いてO−ベンジル基を除去するという改変を伴う、化合物406および4−クロロベンジルアミンを用いる化合物500を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 504 [M+H]
+。
【0427】
化合物524を、化合物500を得るための手順に従って、化合物406および4−メチルベンジルアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 484 [M+H]
+。
【0428】
化合物525を、化合物500を得るための手順に従って、化合物406および4−メトキシベンジルアミンを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 500 [M-H]
-。
【0429】
【表5-1】
【0430】
【表5-2】
【0431】
【表5-3】
【0432】
実施例9A
1,4−ジヒドロ−5−ヒドロキシ−N−メチル−1−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−4−オキソピリダジン−3−カルボキサミド(600)
【0433】
【化49】
【0434】
EtOH(20mL)中の30%メチルアミンの溶液に、1h(200mg、0.47mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。完全な変換の後、溶媒を減圧下で除去した。2hを含有する残渣をさらなる精製無しで使用した。
【0435】
MeOH(20mL)中の2h(100mg、0.23mmol)およびPd(OH)
2(30mg)の混合物を、水素雰囲気下(15psi)、20℃で4時間撹拌した。反応が完了した後、この混合物をセライトパッドに通して濾過し、濃縮して粗生成物を得て、次にこれをEtOH中の結晶化で精製して、化合物600を帯黄色の固体として得た(50mg、63.2%)。LCMS (ESI) m/z
= 344.2 [M+H]
+。
【0436】
実施例9B
1,4−ジヒドロ−1−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン−6−イル)−5−ヒドロキシ−N−メチル−4−オキソピリダジン−3−カルボキサミド(601)
【0437】
【化50】
【0438】
EtOH/DMF(1:1、10mL)中の3h(200mg、0.49mmol)および10%Pd/C(50mg)の懸濁液を、水素雰囲気下(1.0atm.)、室温で30分間撹拌した。完全な変換の後、この混合物をセライトパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をPE:EtOAc(1:3)中で結晶化して、純粋な4hを帯黄色の固体として得た(130mg、83.4%)。
【0439】
EtOH(10mL)中の30%メチルアミンの溶液に、4h(130mg、0.41mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で12時間撹拌した。完全な変換の後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOH(10mL)で再溶解させ、減圧下で濃縮して、化合物601を帯黄色の固体として得た(100mg、80.4%)。LCMS (ESI) m/z
=
303.9 [M+H]
+。
【0440】
化合物602を、化合物601を得るための手順に従って、アンモニアおよび化合物1
gを用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 380 [M-H]
-および761 [2M-H]
-。
【0441】
化合物603を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物24を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 386 [M+H]
+。
【0442】
化合物604を、化合物600を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物413を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 304 [M+H]
+。
【0443】
化合物605を、化合物601を得るための手順に従って、ベンジルアミンおよび化合物24を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 462 [M+H]
+。
【0444】
化合物606を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物421を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 280 [M+H]
+。
【0445】
化合物607を、化合物600を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物416を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 314 [M-H]
-。
【0446】
化合物608を、化合物600を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物412を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 340 [M-H]
-。
【0447】
化合物609を、化合物600を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物422を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 366 [M-H]
-。
【0448】
化合物610を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物319を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 406 [M+H]
+。
【0449】
化合物611を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物318を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 352 [M+H]
+。
【0450】
化合物612を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物322を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 386 [M+H]
+。
【0451】
化合物613を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物320を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 361 [M+H]
+。
【0452】
化合物614を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物423を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 324 [M+H]
+。
【0453】
化合物615を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物205を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 358 [M+H]
+。
【0454】
化合物616を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物209を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 357 [M+H]
+。
【0455】
化合物617を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物24を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 372 [M+H]
+。
【0456】
化合物618を、脱ベンジル化およびアミド形成の前にエステル/エーテル前駆物質をDMF中のヨウ化メチルおよび炭酸カリウムで処理するという改変を伴う、メチルアミンおよび化合物313を用いる化合物601を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m
/z
= 375 [M+H]
+。
【0457】
化合物619を、メチルアミンおよび化合物316を用いる化合物601を得るための手順に従って、または(5a,9a−ジヒドロジベンゾ[b,d]フラン−2−イル)ボロン酸を用いる化合物300を得るための手順に従って、得た。LCMS (ESI) m/z
= 450 [M+H]
+。
【0458】
化合物620を、脱ベンジル化およびアミド形成の前にエステル/エーテル前駆物質をDMF中のヨウ化メチルおよび炭酸カリウムで処理するという改変を伴う、メチルアミンおよび化合物320を用いる化合物601を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 375 [M+H]
+。
【0459】
化合物621を、化合物600を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物424を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 366 [M-H]
-。
【0460】
化合物622を、化合物600を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物425を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 380 [M-H]
-。
【0461】
化合物623を、化合物600を得るための手順に従って、2−メチルベンジルアミンおよび化合物406を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 380 [M-H]
-。
【0462】
化合物624を、化合物600を得るための手順に従って、2−メトキシベンジルアミンおよび化合物406を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 500 [M-H]
-。
【0463】
化合物625を、化合物600を得るための手順に従って、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメタンアミンおよび化合物406を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
=
514 [M-H]
-。
【0464】
化合物626を、化合物601を得るための手順に従って、アンモニアおよび化合物424を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 352 [M-H]
-。
【0465】
化合物627を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物410を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 328 [M+H]
+。
【0466】
化合物628を、まず1,2,3,4−テトラヒドロキノリンを用いる化合物6dを得るための手順に従い、次にメチルアミンを用いる化合物601を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 377 [M+H]
+。
【0467】
化合物629を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物323を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 386 [M+H]
+。
【0468】
化合物630を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物325を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 394 [M+H]
+。
【0469】
化合物631を、まず、(2−(ピペリジン−1−イル)フェニル)ボロン酸を用いる化合物3eを得るための手順に従い、次に、メチルアミンを用いる化合物601を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 405 [M+H]
+。
【0470】
化合物632を、まず、インドリンを用いる化合物6dを得るための手順に従って、次に、メチルアミンを用いる化合物601を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 363 [M+H]
+。
【0471】
化合物633を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物326を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 380 [M+H]
+。
【0472】
化合物634を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物426を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 334 [M+H]
+。
【0473】
化合物635を、化合物601を得るための手順に従って、メチルアミンおよび化合物427を用いて得た。LCMS (ESI) m/z
= 324 [M+H]
+。
【0474】
化合物636を、化合物614をジクロロメタン中の無水酢酸およびジイソプロピルエチルアミンで室温で2時間処理するという改変を伴う、化合物614を得るための手順に従って得た。LCMS (ESI) m/z
= 366 [M+H]
+。
【0475】
【表6-1】
【0476】
【表6-2】
【0477】
【表6-3】
【0478】
【表6-4】
【0479】
実施例10
式(I)および(II)の化合物
上記の合成は例であり、追加の式(I)および(II)の化合物を調製するための起点として使用することができる。追加の式(I)および(II)の化合物の例は、表7〜9に示される。これらの化合物は、本明細書に示され記載される合成スキームを含む、種々の方法で調製することができる。当業者は、開示された合成の変更形態を認識し、本明細書の開示に基づく経路を考案することができ;全てのそのような変更形態および代替経路は特許請求の範囲に含まれる。
【0480】
【表7-1】
【0481】
【表7-2】
【0482】
【表7-3】
【0483】
【表7-4】
【0484】
【表7-5】
【0485】
【表7-6】
【0486】
【表7-7】
【0487】
【表7-8】
【0488】
【表7-9】
【0489】
【表7-10】
【0490】
【表7-11】
【0491】
【表7-12】
【0492】
【表7-13】
【0493】
【表7-14】
【0494】
【表7-15】
【0495】
【表7-16】
【0496】
【表7-17】
【0497】
【表7-18】
【0498】
【表7-19】
【0499】
【表7-20】
【0500】
【表7-21】
【0501】
【表7-22】
【0502】
【表7-23】
【0503】
【表8-1】
【0504】
【表8-2】
【0505】
【表8-3】
【0506】
【表9】
【0507】
実施例11
インフルエンザ抗ウイルスアッセイ
ヒト肺癌A549細胞(ATCC、バージニア州マナッサス)を、黒色96ウェルプレート内のアッセイ培地(0.3%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(全てメディアテック社製、バージニア州マナッサス)および1%DMSO(シグマ・アルドリッチ社、ミズーリ州セントルイス)を添加したハムF12培地)中に5×10
4細胞/mL(5×10
3細胞/ウェル)の密度で播種した。あるいは、メイディン・ダービー・イヌ腎臓上皮細胞(MDCK、ATCC)を、96ウェルプレート内のアッセイ培地(0.3%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび1%DMSOを添加したDMEM)中に1×10
5細胞/mL(1×10
4細胞/ウェル)の密度で播種した。24時間後、連続希釈した試験化合物を細胞に添加し、さらに24時間インキュベートした。細胞に250IU/ウェルのインフルエンザ株A549_A/WSN/33(H1N1)(ヴィラプール社(Virapur)、カリフォルニア州サンディエゴ)を感染させ、37℃、5%CO
2で20時間インキュベートした。細胞培養上清を吸引除去し、33mM MES(pH6
.5)(エメラルド・バイオシステムズ社(Emerald Biosystems)、ワシントン州ベインブリッジアイランド)中に溶解させた25μM 2’−(4−メチルウンベリフェリル)−a−D−N−アセチルノイラミン酸(シグマ・アルドリッチ社)を細胞に50μL添加した。30℃で45分間インキュベートした後、150μLの停止液(100mM グリシン、pH10.5、25%エタノール、全てシグマ・アルドリッチ社製)を添加することで反応を停止させた。Victor X3多標識プレートリーダー(パーキンエルマー社、マサチューセッツ州ウォルサム)上で、それぞれ355nmおよび460nmの励起フィルターおよび発光フィルターを用いて、蛍光を測定した。100μLのCellTiter−Glo(登録商標)試薬(プロメガ社、ウィスコンシン州マディソン)を添加し、RTで10分間インキュベートすることにより、非感染の並行培養物の細胞毒性を決定した。Victor X3多標識プレートリーダー上で発光を測定した。
【0508】
表10〜17に記載の通り、式(I)および(II)の化合物はアッセイにおいて活性であり、表10〜17において、「A」は20μM未満のEC
50を示し、「B」は20μM以上100μM未満のEC
50を示し、「C」は100μM以上のEC
50を示す。
【0509】
【表10】
【0510】
【表11】
【0511】
【表12】
【0512】
【表13】
【0513】
【表14】
【0514】
【表15】
【0515】
【表16】
【0516】
【表17】
【0517】
実施例12
EN PA FRET阻害アッセイ
EN PA FRET阻害アッセイを、19ヌクレオチドの合成オリゴリボヌクレオチド基質:5’−FAM−AUUUUGUUUUUAAUAUUUC−BHQ−3’(インテグレイテッドDNAテクノロジーズ社(Integrated DNA Technologies, Inc.)、アイオワ州コーラルビル)(配列番号1)を用いて行った。RNA切断の後、蛍光FAM基がBHQクエンチャーから遊離する。活性酵素の生産に使用されるPA配列は、複数のA型インフルエンザウイルス株(例えば、A/ガチョウ/南昌/3−120/01(H3N2)、A/ヴィクトリア/3/1975(H3N2)、A/ブリズベーン/10/2007(H3N2)、A/WSN/33(H1N1)、A/CA/4/2009(H1N1)、A/CA/5/2009(H1N1)、A/上海/1/2013(H7N9)、A/貴州/1/2009(H5N1))のうちのいずれか1つに由来する。完全長組換えタンパク質を昆虫細胞内でバキュロウイルスベクターから発現させた。完全長EN PAを、最終体積20mLの切断緩衝液(20Mm Tris Ph8、100Mm NaCl、5%グリセロール、10Mm β−ME、0.01%Tween−20、2Mm MnCl
2)と
共に、50Nm FRETプローブと一緒に、1〜10Nmの有効濃度で、このアッセイで使用した。
【0518】
本明細書に記載の化合物を384ウェル黒色ポリプロピレンプレートに添加した。蛍光を、Wallac 1420 Victor
3V多標識カウンター(パーキンエルマー・ライフ・サイエンス社、コネチカット州シェルトン)(励起485nm;発光535nm)を用いて、30分までの連続モードで測定した。測定されたIC
50は、蛍光が未阻害の対照(DMSO)の蛍光の50%である濃度と定義される。シグモイド式Y=%Min +(%Max−%Min)/(1+X/IC
50)にデータを当てはめてIC
50を算出し、式中、Yは相対酵素活性%に相当し、MaxはDMSO存在下での最大酵素活性であり、Minは飽和濃度の化合物においての阻害された活性であり、Xは化合物濃度に相当する。IC
50値は、2つの独立した実験の最小値の平均から得た。
【0519】
式(I)および(II)の化合物は、表18〜25に記載の通り前記アッセイにおいて強力であり、表中、「A」は100nM未満のIC
50を示し、「B」は100nM以上1000nM未満のIC
50を示し、「C」は1000nM以上のIC
50を示す。
【0520】
【表18】
【0521】
【表19】
【0522】
【表20】
【0523】
【表21】
【0524】
【表22】
【0525】
【表23】
【0526】
【表24】
【0527】
【表25】
【0528】
さらに、上記は明確さおよび理解を目的として説明および例示のためにいくらか詳細に記述されたが、本開示の精神から逸脱することなく多数の様々な変更をなせることは、当業者に理解される。従って、本明細書で開示される形態が、説明のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ、本発明の真の範囲および精神の範囲内である全ての変更形態および代替形態も包含されることが意図されていることは、明確に理解されるべきである。