特許第6360183号(P6360183)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6360183
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】アプリケーションの実行システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/12 20130101AFI20180709BHJP
【FI】
   G06F21/12 310
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-552879(P2016-552879)
(86)(22)【出願日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】JP2015076499
(87)【国際公開番号】WO2016056375
(87)【国際公開日】20160414
【審査請求日】2018年5月9日
(31)【優先権主張番号】特願2014-207117(P2014-207117)
(32)【優先日】2014年10月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000137856
【氏名又は名称】シチズンマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金谷 英行
【審査官】 岸野 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−221274(JP,A)
【文献】 特開2008−250382(JP,A)
【文献】 特開2006−042309(JP,A)
【文献】 特開2005−235159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のアプリケーションに対するサーバ機能を備えた情報提供手段と、前記アプリケーションに対するクライアント機能を備えた情報受信手段と、前記アプリケーションに対応する複数のユーザのユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段とを備え、前記情報提供手段と前記情報受信手段と前記ユーザ情報保持手段とが、コンピュータネットワークを介して接続され、前記アプリケーションが、実行条件を設定する設定動作モードと、設定された前記実行条件に基づいた動作を行う実行動作モードとを備え、前記各ユーザに対して設定された実行権限に基づいて、前記情報受信手段で前記アプリケーションを動作させるように構成されたアプリケーションの実行システムにおいて、前記各ユーザ情報に、前記設定動作モードの実行が許容され、且つ前記実行動作モードの実行が規制された設定実行権限、又は前記実行動作モードの実行が許容され、且つ前記設定動作モードの実行が規制された動作実行権限が、各々排他的に設定されたことを特徴とするアプリケーションの実行システム。
【請求項2】
前記情報提供手段と、前記情報受信手段と、前記ユーザ情報保持手段とが、複数のコンピュータから構成されることを特徴とする請求項1のアプリケーションの実行システム。
【請求項3】
前記サーバ機能と前記クライアント機能が、前記情報提供手段を前記情報受信手段から遠隔操作する遠隔操作アプリケーションを構成する遠隔操作サーバと遠隔操作クライアントからなり、前記情報受信手段から前記情報提供手段を遠隔操作し、前記情報提供手段で実行されている前記アプリケーションの実行状態を前記情報受信手段側に表示させるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2のアプリケーションの実行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションの実行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定のアプリケーションに対するサーバ機能であるリモートデスクトップステーション手段を備えたサービス提供装置を情報提供手段として備えたアプリケーションの実行システムが公知となっている(例えば特許文献1参照)。この実行システムは、前記アプリケーションに対するクライアント機能であるリモートデスクトップターミナル手段を備えたユーザ側PCを情報受信手段として備えている。
【0003】
一方、所定のアプリケーションに対応する複数のユーザのユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段としてデータベースが一般的に知られている。またコンピュータ上で動作するアプリケーションとして、実行条件を設定する設定動作モードと、設定された実行条件に基づいた動作を行う実行動作モードとを備えたものも一般的である。前記アプリケーションは、ユーザの実行権限に基づいたモードで実行される場合がある。なお前記情報提供手段と前記情報受信手段と前記ユーザ情報保持手段とを、コンピュータネットワークを介して接続したコンピュータシステムも一般的に構築されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004‐62515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記コンピュータシステムを使用して、情報受信手段によって情報提供手段側のアプリケーションをリモート操作するアプリケーションの実行システムが構築される。例えばユーザ数に応じて課金等が行われる場合、前記アプリケーションの実行システムを使用する複数の使用者で、前記アプリケーションに対応する所定のユーザ(ユーザID)を共用使用する場合が考えられる。
【0006】
この場合、前記所定のアプリケーションを実行動作モードで実行することによって計算される計算結果等の情報を必要とする複数の使用者で、前記アプリケーションに対応する所定のユーザを共用使用するケースがある。このケースでは、設定動作モードの実行が許容されるユーザを共用すると、設定に不慣れな使用者等が誤設定し、円滑にアプリケーションによる計算等ができなくなる等の不都合が発生することが考えられる。しかしこの不都合の発生を防止する対応は容易ではないという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明のアプリケーションの実行システムは、所定のアプリケーション4に対するサーバ機能を備えた情報提供手段2と、前記アプリケーション4に対するクライアント機能を備えた情報受信手段3と、前記アプリケーション4に対応する複数のユーザのユーザ情報を保持するユーザ情報保持手段8とを備え、前記情報提供手段2と前記情報受信手段3と前記ユーザ情報保持手段8とが、コンピュータネットワークを介して接続され、前記アプリケーション4が、実行条件を設定する設定動作モードと、設定された前記実行条件に基づいた動作を行う実行動作モードとを備え、前記各ユーザに対して設定された実行権限に基づいて、前記情報受信手段3で前記アプリケーション4を動作させるように構成されたアプリケーションの実行システムにおいて、前記各ユーザ情報に、前記設定動作モードの実行が許容され、且つ前記実行動作モードの実行が規制された設定実行権限、又は前記実行動作モードの実行が許容され、且つ前記設定動作モードの実行が規制された動作実行権限が、各々排他的に設定されたことを第1の特徴とする。
【0008】
第2に、前記情報提供手段2と、前記情報受信手段3と、前記ユーザ情報保持手段8とが、複数のコンピュータから構成されることを特徴とする。
【0009】
第3に、前記サーバ機能と前記クライアント機能が、前記情報提供手段2を前記情報受信手段3から遠隔操作する遠隔操作アプリケーションを構成する遠隔操作サーバ6と遠隔操作クライアント11からなり、前記情報受信手段3から前記情報提供手段2を遠隔操作し、前記情報提供手段2で実行されている前記アプリケーション4の実行状態を前記情報受信手段3側に表示させるように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上のように構成される本発明によると、前記所定のアプリケーションを実行動作モードで実行することによって計算される計算結果等の情報を必要とする複数の使用者で、前記アプリケーションに対応する所定のユーザを共用使用する場合、動作実行権限が付与されているユーザを共用する。これにより、設定に不慣れな使用者等が誤設定し、円滑にアプリケーションによる計算等ができなくなる等の不都合を防止することができるという効果がある。
【0011】
すなわち設定動作モードで実行できる設定実行権限が付与されたユーザは、アプリケーションを実行動作モードで実行することができないため、計算結果等の情報を必要とする使用者の間での共用は用をなさない。従ってアプリケーションによる計算結果等の情報の作成を目的としたユーザの共用において、設定実行権限が付与されたユーザの共用が規制され、アプリケーションの誤設定が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本アプリケーションの実行システムの概要図を示す。
図2】ユーザテーブルの概要図を示す。
図3】入力画面のウェブブラウザ上の表示図を示す。
図4A】設定実行権限が付与されているユーザIDにより実行されたアプリケーション実行画面のウェブブラウザ上の表示図を示す。
図4B】動作実行権限が付与されているユーザIDにより実行されたアプリケーション実行画面のウェブブラウザ上の表示図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に係るアプリケーションの実行システムの一実施形態となるコンピュータシステムを示す。該コンピュータシステムは、インターネット等のコンピュータネットワーク1(以下、インターネット1と称する。)を介して接続される情報提供手段を構成するサーバコンピュータ2(以下、サーバ2と称する。)と情報受信手段を構成するクライアントコンピュータ3(以下、クライアント3と称する。)とから構成されている。
【0014】
サーバ2は、所謂クラウドサーバからなる。サーバ2には、アプリケーションとして対話的にNCプログラムの作成を行うことができるNCプログラム作成アプリケーション4と、クライアント3からサーバ2を遠隔操作することができる従来公知の遠隔操作アプリケーションを構成する遠隔操作サーバ6と、従来公知のウェブサーバ7及びデータベース8がインストールされている。
【0015】
クライアント3は、一般的なパーソナルコンピュータや所謂タブレットPC等からなる。クライアント3には、従来公知のウェブブラウザ9と、前記遠隔操作アプリケーションを構成する遠隔操作クライアント11とがインストールされている。遠隔操作クライアント11を遠隔操作サーバ6に対して実行することによって、クライアント3によりサーバ2を遠隔操作することができる。
【0016】
NCプログラム作成アプリケーション4は、サーバ2側で実行されると、遠隔操作アプリケーションを介してクライアント3側で、NCプログラム作成アプリケーション4の実行結果の表示と操作が可能となり、クライアント3側で動作可能となる。このように、NCプログラム作成アプリケーション4は、遠隔操作アプリケーションに対応して操作や動作が可能となるように設定されている。
【0017】
なお本実施形態において、遠隔操作アプリケーションは、遠隔操作の対象となるアプリケーションのグラフィックユーザインタフェース(GUI)のみをクライアント3側に表示させるアプリケーションからなる。この表示は、サーバ2側のGUI環境をクライアント3側に表示させることなく行われる。
【0018】
NCプログラム作成アプリケーション4を遠隔操作アプリケーションによってクライアント3側で操作する場合、クライアント3側には、サーバ2側のGUI環境は表示されない。クライアント3側では、NCプログラム作成アプリケーション4の実行状態が、操作可能な状態でクライアント3のGUI環境上に表示される。
【0019】
NCプログラム作成アプリケーション4は、工作機械の予め設定された所定の機種に対応するNCプログラムの作成を行うように構成されている。NCプログラム作成アプリケーション4は、NCプログラムの作成動作を行う実行動作モードを備える。例えばA機種の自動旋盤に対応するNCプログラムは、前記実行動作モードの実行に際して、A機種を指定することによって作成することができる。なお指定可能な機種は、NCプログラム作成アプリケーション4を前記実行動作モードで実行するユーザに応じて予め設定される。
【0020】
NCプログラム作成アプリケーション4は、前記実行動作モードの他、設定動作モードを備える。前記設定動作モードは、前記実行動作モードを実行する際に、各ユーザにおいて指定することができる機種を、各ユーザに対して設定するモードである。前記設定動作モードの実行によって、例えば、userXに、A機種,B機種,C機種の設定を可能とすることができる。またuserYに、C機種,D機種,E機種の設定を可能とすることができる。userZに、所定のレイアウトのA機種(A−1機種),他のレイアウトのA機種(A−2機種),C機種の設定を可能とすることができる。
【0021】
データベース8は、ユーザテーブル12を備える。前記ユーザテーブル12には、NCプログラム作成アプリケーション4を実行する各ユーザに対応するユーザ情報が保存される。ユーザテーブル12は、図2に示されるように、例えば、各ユーザをユーザIDで表し、ユーザIDと各ユーザID毎に設定される実行権限と、設定可能な機種等が一組に保存される構成とすることができる。
【0022】
前記実行権限は、設定実行権限、又は動作実行権限が、各々排他的に設定される。前記設定実行権限は、各ユーザIDに対して、NCプログラム作成アプリケーション4の前記設定動作モードの実行が許容され、且つ前記実行動作モードの実行が規制された実行権限である。前記動作実行権限は、NCプログラム作成アプリケーション4の前記実行動作モードの実行が許容され、且つ前記設定動作モードの実行が規制された実行権限である。
【0023】
なお各ユーザIDに対して予めパスワードを設定し、該パスワードをユーザテーブル12等に記憶させておくことができる。パスワードは暗号化しておくこともできる。前記機種やパスワード、実行権限は、ユーザテーブル12に設定する他、別のテーブルに分けて設定することもできる。機種はNCプログラム作成アプリケーション4自体に各ユーザIDに対応して設定することもできる。
【0024】
本実施形態においてデータベース8はサーバ2に設けられている。そのため、データベース8は、ループバックアドレス等を利用した同一のコンピュータ内でのコンピュータネットワークを介してNCプログラム作成アプリケーション4やウェブサーバ7等と接続されている。ただしデータベース8をサーバ2とは別のサーバコンピュータに設けてデータベースサーバとしてもよい。このようなデータベースサーバとサーバ2やクライアント3とをインターネット1やローカルエリアネットワーク等のコンピュータネットワークを介して接続してもよい。
【0025】
ウェブサーバ7は、実行制御アプリケーション13をCGI用のプログラムとして、サーバ2にアクセスするクライアント3のウェブブラウザ9との間で実行するように構成されている。前記実行制御アプリケーション13は、NCプログラム作成アプリケーション4の遠隔操作アプリケーションを介した実行等を制御する。
【0026】
実行制御アプリケーション13は、ウェブブラウザ9からウェブサーバ7へのアクセスに応じて、ウェブブラウザ9上に、図3に示されるように、ユーザIDを入力させる入力画面14を表示させるように構成されている。ウェブブラウザ9側において、入力画面14に、ユーザIDとパスワードを入力して、ログインボタン16をクリックし、入力情報を、ウェブブラウザ9からウェブサーバ7に送信する。入力情報を受信した実行制御アプリケーション13はデータベース8のユーザテーブル12に基づき、ユーザIDとパスワードの組み合わせをチェックする。
【0027】
実行制御アプリケーション13は、ユーザIDとパスワードの組み合わせが正しい場合に、当該ユーザID(ユーザ)でのNCプログラム作成アプリケーション4の実行を許容する。実行制御アプリケーション13は、ウェブブラウザ9に、図4A図4Bに示されるように、アプリケーション実行画面17を表示させ、アプリケーション実行画面17内にNCプログラム作成アプリケーション4の実行ボタン18を表示させる。
【0028】
ウェブブラウザ9において実行ボタン18をクリックする。この操作によりクライアント3とサーバ2との間で、遠隔操作クライアント11と遠隔操作サーバ6とによって、遠隔操作アプリケーションを実行するとともに、サーバ2でNCプログラム作成アプリケーション4を実行する。これによりクライアント3において遠隔操作アプリケーションを介したNCプログラム作成アプリケーション4の実行状態とする。
【0029】
ただし、NCプログラム作成アプリケーション4は、ユーザIDに設定されている実行権限に応じたモードで実行される。設定実行権限が付与されているユーザID(例えば、図2のuser0)の場合は、図4Aに示されるように、実行ボタン18が、設定動作モード実行ボタン18Aとして表示される。従ってNCプログラム作成アプリケーション4は、前記設定動作モードで実行されるように構成される。
【0030】
実行ボタン18(設定動作モード実行ボタン18A)をクリックすることによって、例えば、A機種,B機種,C機種,D機種,E機種の設定が可能なNCプログラム作成アプリケーション4に対して、各ユーザ毎に所定数以内の機種(例えば5機種以内)を設定することが可能となる。より具体的には、図2に示されるように、userXのユーザIDに対してA機種,B機種,C機種を設定することができる。userYのユーザIDに対して、C機種,D機種,E機種を設定することができる。userZのユーザIDに対して、所定のレイアウトのA機種,他のレイアウトのA機種,C機種を設定することができる。
【0031】
動作実行権限が付与されているユーザIDの場合は、図4Bに示されるように、実行ボタン18が、実行動作モード実行ボタン18Bとして表示される。従ってNCプログラム作成アプリケーション4は、前記実行動作モードで実行されるように構成される。NCプログラム作成アプリケーション4が前記実行動作モードで実行された場合は、例えば、NCプログラム作成アプリケーション4の起動途中で、作成するNCプログラムに対応する機種を、ユーザIDに応じて選択して設定するように構成することができる。
【0032】
例えばA機種に対応するNCプログラムを作成する場合は、NCプログラム作成アプリケーション4の起動途中で、A機種を選択して設定する。A機種に対応してNCプログラム作成アプリケーション4が前記実行動作モードで実行された場合は、所定のプログラム作成フォーマットで、ユーザと対話的にNCプログラムを作成する。その後、作成されたNCプログラムのプログラム作成フォーマットをA機種に対応するフォーマットに変換することによってA機種用のNCプログラムの作成を完了させるように構成することができる。
【0033】
以上のようにNCプログラム作成アプリケーション4は、実行するユーザに応じて、実行動作モード又は設定動作モードのいずれか一方のみで実行される。従って所定のユーザで、実行動作モード及び設定動作モードの両方を実行することはできない。
【0034】
例えばNCプログラム作成アプリケーション4によってNCプログラムの作成が可能な旋盤等の工作機械を有する工場に、クライアント3を設置し、本コンピュータシステムによって必要なNCプログラムを作成するケースを想定する。この場合、複数の従業員で1つのユーザIDを共用する場合は、動作実行権限が付与されているユーザIDを共用する。そのため、設定に不慣れな従業員等がNCプログラム作成アプリケーション4を誤設定し、円滑にNCプログラムの作成ができなくなる等の不都合を防止することができる。
【0035】
特にNCプログラム作成アプリケーション4を設定動作モードで実行できる設定実行権限が付与されたユーザは、NCプログラム作成アプリケーション4を実行動作モードで実行することができない。そのため、NCプログラムを作成する従業員の間での共用は用をなさない。
【0036】
従ってNCプログラムの作成を目的としたユーザIDの共用において、設定実行権限が付与されたユーザIDの共用が規制されることになる。従ってNCプログラム作成アプリケーション4の誤設定の防止効果は高い。なお1つのユーザIDを複数の従業員等によって許容する場合を考慮し、サーバ2側において、1つのユーザIDでの複数のログインを規制することが望ましい。
【0037】
サーバ2にファイル操作アプリケーション19をインストールすることもできる。そしてNCプログラム作成アプリケーション4によって作成されたNCプログラムを、前記ファイル操作アプリケーション19によって操作可能な所定の保存領域に保存させるように構成することもできる。
【0038】
この場合、保存領域として、ユーザ(ユーザID)毎に設けられるユーザ保存領域21と、予め所定のユーザを所属させることができるグループ毎に設けられるグループ保存領域22を設けることができる。本実施形態においては、NCプログラム作成アプリケーション4によって作成されたNCプログラムは、ユーザ保存領域21に保存されるように構成されている。
【0039】
ユーザ保存領域21に保存されたNCプログラムは、ファイル操作アプリケーション19によって、各ユーザが所属するグループのグループ保存領域22や、クライアント3側に設けられる記憶手段等にコピーや移動して保存することができる。グループ保存領域22に保存されたNCプログラムを、ユーザ保存領域21や、クライアント3側に設けられる記憶手段等にコピーや移動して保存することもできる。
【0040】
なおファイル操作アプリケーション19は、サーバ2側で実行されると、遠隔操作アプリケーションを介してクライアント3側で、ファイル操作アプリケーション19の実行結果の表示と操作が可能となり、クライアント3側で動作可能となる。このように、ファイル操作アプリケーション19は、遠隔操作アプリケーションに対応して操作や動作が可能となるように設定されている。
【0041】
本実施形態においては、実行制御アプリケーション13を、ユーザIDとパスワードの組み合わせが正しい場合に、当該ユーザID(ユーザ)でのファイル操作アプリケーション19の実行を許容するように構成している。この場合、実行制御アプリケーション13は、図4Bに示されるように、アプリケーション実行画面17内に、ファイル操作アプリケーション19の実行ボタン23を表示する。
【0042】
ウェブブラウザ9においてファイル操作アプリケーション19の実行ボタン23をクリックする。この動作により、クライアント3とサーバ2との間で、遠隔操作クライアント11と遠隔操作サーバ6とによって、遠隔操作アプリケーションを実行するとともに、サーバ2でファイル操作アプリケーション19を実行する。これらのアプリケーションの実行により、クライアント3において遠隔操作アプリケーションを介したファイル操作アプリケーション19の実行状態とする。
【0043】
クライアント3においてファイル操作アプリケーション19を遠隔操作することによって、NCプログラムのコピーや移動等の操作をユーザによって容易に行うことができる。なおサーバ2のユーザ保存領域21やグループ保存領域22に保存されているNCプログラムは、httpやFTP等の所定のプロトコルに基づく通信によってクライアント3側との間での転送が可能となる。
【0044】
予め会社や部門等毎にグループを設定しておき、グループとして設定された会社の従業員等のユーザ(ユーザID)を所定の会社のグループに所属させることができる。会社内の所定の部門に属する従業員等のユーザ(ユーザID)を前記所定部門のグループに所属させることもできる。従って会社内や部門内でNCプログラムの共有等を容易に行うことができる。
【0045】
なお各ユーザの所定のグループへの所属は、ユーザテーブル12に、各ユーザID毎にグループを記憶させるグループフィールドを設け、各ユーザ毎にグループフィールドに所属するグループをグループID等によって容易に行うことができる。グループ保存領域22やユーザ保存領域21、あるいはファイル操作アプリケーション19は、サーバ2とは別のサーバコンピュータに設けてファイルサーバとしてもよい。このようなファイルサーバとサーバ2やクライアント3等とをインターネット1やローカルエリアネットワーク等のコンピュータネットワークを介して接続してもよい。
【0046】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2014年10月8日に日本国特許庁に出願された特願2014−207117に基づいて優先権を主張し、その全ての開示は完全に本明細書で参照により組み込まれる。
図1
図2
図3
図4A
図4B