【実施例】
【0062】
次に、実施例及び比較例によって、本発明を説明する。
以下の実施例は、本発明を例示するために記載するものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0063】
以下の実施例及び比較例において示す物性値は、下記の方法で測定した。
【0064】
1.ポリカーボネートジオールの積分値比の決定(
1H−NMR)
ポリカーボネートジオールにおける積分値比を以下のとおり決定した。
まず、サンプルを重水素クロロホルム(アルドリッチ製)に溶解し、3重量/vol%の溶液を得た。該溶液に化学シフト基準としてテトラメチルシラン(TMS)を加えて、得られた溶液についてBruker社製、BioSpin Avance600を用いて
1H−NMRを測定した。該測定において、共鳴周波数:600.13MHz、パルス幅:30°、待ち時間:3秒、積算回数:128回とし、TMSシグナルを0ppmとして
1H−NMRスペクトルを得た。ポリカーボネートジオールにおける積分値比は、前記測定した
1H−NMRにおいて得られた、3.90〜4.45ppmのシグナルの積分値と3.33〜3.43ppmのシグナルの積分値とを用いて、下記式(2)で求めた。
【0065】
積分値比=E/D×1000 (2)
D:3.90〜4.45ppmのシグナルの積分値
E:3.33〜3.43ppmのシグナルの積分値
【0066】
2.ポリカーボネートジオール中の含有成分の分析(ICP)
ポリカーボネートジオール中に含有する各成分を以下のとおり分析した。まず、サンプルをテフロン(登録商標)製分解容器に秤取り、高純度硝酸(関東化学製)を加えてマイクロウエーブ分解装置(マイルストーンゼネラル社製、ETHOS TC)を用いて分解した。サンプルは完全に分解され、得られた分解液は無色透明となった。分解液に純水を加えて検液とした。得られた検液について誘電結合プラズマ分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、iCAP6300 Duo)を用い、各元素の標準液を元に定量を行った。
【0067】
3.ポリカーボネートジオールのOH末端基割合の決定
ポリカーボネートジオールにおける末端OH基割合を以下のとおり決定した。まず、70g〜100gのポリカーボネートジオールを300mlのナスフラスコに測り取った。留分回収用のトラップ球を接続したロータリーエバポレーターを用いて、前記ナスフラスコ中のポリカーボネートジオールを、0.4kPa以下の圧力下、約180℃の加熱浴で加熱し、攪拌して、トラップ球に該ポリカーボネートジオールの約1〜2重量%に相当する留分、即ち約1g(0.7〜2g)の初期留分を得た。得られた留分を約100g(95〜105g)のエタノールに溶解させ溶液として回収した。回収した溶液をガスクロマトグラフィー分析(以下「GC分析」とも称す。)して、得られたクロマトグラフのピーク面積の値をから、下記式(1)によりポリカーボネートジオールにおける末端OH基割合を計算した。なお、GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)30m、膜厚0.25μmを付けたガスクロマトグラフィー6890(米国ヒューレット・パッカード製)を用い、検出器に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて行った。カラムの昇温プロファイルは、60℃から10℃/minで250℃まで昇温した後、その温度で15分間保持するプロファイルとした。GC分析における各ピークの同定は、下記GC−MS装置を用いて行った。GC装置は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)を付けた6890(米国ヒューレット・パッカード製)を用いた。GC装置において、初期温度40℃から昇温速度10℃/minで220℃まで昇温した。MS装置は、Auto−massSUN(日本JEOL製)を用いた。MS装置において、イオン化電圧70eV、スキャン範囲m/z=10〜500、フォトマルゲイン450Vで測定を行った。
【0068】
末端OH基割合(%)=B÷A×100 (1)
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
B:ジオールのピーク面積の総和
【0069】
4.ポリカーボネートジオールの組成の決定
ポリカーボネートジオールの組成を以下のとおり決定した。まず、100mlのナスフラスコに、サンプルを1g測り取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、混合物を得た。得られた混合物を100℃のオイルバスで1時間加熱した。前記混合物を室温まで冷却後、指示薬としてフェノールフタレインを前記混合物に1〜2滴添加し、塩酸で中和した。その後、前記混合物を冷蔵庫で3時間冷却し、沈殿した塩を濾過で除去した後、濾液をガスクロマトグラフィー(GC)分析した。なお、GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)30m、膜厚0.25μmを付けたガスクロマトグラフィーGC14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内部標準として用い、検出器に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて行った。カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温するプロファイルとした。GC分析により得られたジオールの面積値を元に、ポリカーボネートジオールの組成を決定した。
【0070】
5.ポリカーボネートジオールの数平均分子量の決定
ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、無水酢酸とピリジンとを用い、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定する「中和滴定法(JIS K0070−1992)」によって水酸基価(OH価)を決定し、下記式(3)を用いて計算した。
【0071】
数平均分子量=2/(OH価×10
−3/56.1) (3)
【0072】
6.ポリカーボネートジオールの性状の確認
80℃に加熱したポリカーボネートジオールを透明なサンプル瓶に入れ、室温まで冷えた状態を目視で観察した。透明であり、かつサンプル瓶を傾けた時に僅かでも流動性がある場合を液状と、不透明又はサンプル瓶を傾けても状態が変化しない何れかの場合及び双方の場合を固体として表した。
【0073】
7.分散安定性
ポリカーボネートジオールから得られる塗布液及びポリウレタンディスパージョンを用い、JIS K5600−2−5に従い、分散安定性を評価した。なお、塗布液は、調整した後25℃で3時間放置し評価した。
【0074】
8.塗膜の耐アルコール性
ポリカーボネートジオールから得られた塗膜を用い、50%エタノール(EtOH)水溶液を付着させ、20℃で4時間放置し、塗膜の外観を目視で評価した。JISK5600−8−1に準じて欠陥の程度及び量を等級0〜5で表し、塗膜の耐アルコール性とした。
【0075】
9.塗膜の耐酸性
ポリカーボネートジオールから得られた塗膜について、0.1mol/LのH
2SO
4水溶液に24時間室温で浸漬後の塗膜外観を目視で評価した。JIS K5600−8−1に準じて欠陥の程度及び量を等級0〜5で表し、塗膜の耐酸性とした。
【0076】
10.フィルムの平滑性
ポリカーボネートジオールを用いて得られたポリウレタンフィルムについて、レーザー顕微鏡(オリンパス製、OLS4100)を用いて表面の凸凹の振幅(μm)を求めた。
【0077】
11.ポリウレタンの機械的物性
ポリカーボネートジオールを用いて得られたポリウレタンフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室で3日間養生したものを試験体とした。該試験体についてテンシロン引張試験器(ORIENTEC製、RTC−1250A)を用い、チェック間距離50mm、引張速度100mm/分で、破断強度(単位:MPa)及び破断伸度(単位:%)を測定した。
【0078】
12.ポリウレタンの耐熱性
ポリカーボネートジオールを用いて得られたポリウレタンフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、120℃の熱風乾燥器に5日間放置したものを試験体とした。その後、該試験体について上記のポリウレタンの機械的物性に示す方法で破断強度(単位:MPa)を測定した。下記式(4)で強度保持率を求め、ポリウレタンの耐熱性の指標とした。
【0079】
強度保持率(%)=E/D×100 (4)
E:耐熱性試験後の破断強度(MPa)
D:耐熱性試験前の破断強度(MPa)
【0080】
13.ポリウレタンフィルムの耐油性
ポリカーボネートジオールを用いて得られたポリウレタンフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取った試験体に、0.1gのオレイン酸を付着させ、20℃で4時間放置し、試験体の外観を目視で評価した。JISK5600−8−1に準じて欠陥の程度及び量を等級0〜5で表し、耐油性とした。
【0081】
14.ポリカーボネートジオール中の水分量の測定
水分測定装置(KF−100型、三菱化学アナリテック製)を用い、JIS K0068に準じ、容量分析法でポリカーボネートジオール中の水分量を測定した。
【0082】
15.塗膜の透明性
ポリカーボネートジオールから得られた塗膜を、90℃の蒸留水に1週間浸漬した。その後、塗膜から水分を拭き取り、23℃、50%RHの恒温室で塗膜を3日間養生した。JIS K 7105に準じて、浸漬前後の塗膜の全光線透過率を求め、下記式(5)から塗膜の透明性を求めた。
【0083】
透明性=F/G×100 (5)
G:浸漬前の塗膜の全光線透過率(%)
F:浸漬後の塗膜の全光線透過率(%)
【0084】
[実施例1]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、ジメチルカーボネートを275g(3.1mol)、1,5−ペンタンジオールを500g(4.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを490g(4.2mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。反応温度を190℃とし、生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を12kPaまで減圧し、ジオールとジメチルカーボネートとを留去しながら、195℃でさらに5時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.22g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−1と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。また、PC−1中の水分量を測定したところ82ppmであった。
【0085】
[実施例2]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、ジメチルカーボネートを310g(3.4mol)、1,5−ペンタンジオールを500g(4.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを490g(4.2mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら、反応温度を160℃として2時間反応を行った後、反応温度を190℃に上げてさらに12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を12kPaまで減圧し、ジオールとジメチルカーボネートとを留去しながら、195℃でさらに5時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.22g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−2と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0086】
[実施例3]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、ジメチルカーボネートを350g(3.9mol)、1,5−ペンタンジオールを500g(4.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを490g(4.2mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら、反応温度を150℃として3時間反応を行った後、反応温度を190℃に上げてさらに12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を12kPaまで減圧し、ジオールとジメチルカーボネートとを留去しながら、195℃でさらに5時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.22g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−3と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0087】
[比較例1]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、ジメチルカーボネートを420g(4.7mol)、1,5−ペンタンジオールを500g(4.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを490g(4.2mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら、反応温度を140℃として10時間反応を行った後、反応温度を190℃に上げてさらに10時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を12kPaまで減圧し、ジオールとジメチルカーボネートとを留去しながら、195℃でさらに5時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.22g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−21と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0088】
[実施例4]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを245g(2.8mol)、1,5−ペンタンジオールを450g(4.3mol)、1,6−ヘキサンジオールを520g(4.4mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.35gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら、165℃で3時間反応を行った後、反応温度を185℃に上げてさらに12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を11kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、190℃でさらに7時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.39g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。また、得られたポリカーボネートジオールの
1H−NMR分析チャートを
図1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−4と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。また、PC−4中の水分量を測定したところ117ppmであった。
【0089】
[実施例5]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを215g(2.4mol)、1,5−ペンタンジオールを450g(4.3mol)、1,6−ヘキサンジオールを520g(4.4mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.35gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら、165℃で1時間反応を行った後、反応温度を185℃に上げてさらに14時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を11kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、190℃でさらに7時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.39g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−5と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0090】
[実施例6]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを190g(2.2mol)、1,5−ペンタンジオールを450g(4.3mol)、1,6−ヘキサンジオールを520g(4.4mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.35gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら、190℃で12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を11kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、190℃でさらに7時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.39g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−6と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0091】
[比較例2]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを180g(2.1mol)、1,5−ペンタンジオールを450g(4.3mol)、1,6−ヘキサンジオールを520g(4.4mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.35gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら、195℃で12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を11kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、190℃でさらに7時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.39g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−22と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0092】
[実施例7]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、ジエチルカーボネートを375g(3.2mol)、1,5−ペンタンジオールを460g(4.4mol)、1,6−ヘキサンジオールを490g(4.2mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.15gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。190℃で生成するエタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を14kPaまで減圧し、ジオールとジエチルカーボネートとの混合物を留去しながら、200℃でさらに5時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.17g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−7と略す。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0093】
[実施例8]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、ジエチルカーボネートを375g(3.2mol)、1,5−ペンタンジオールを460g(4.4mol)、1,6−ヘキサンジオールを490g(4.2mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.15gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。190℃で生成するエタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を14kPaまで減圧し、ジオールとジエチルカーボネートとの混合物を留去しながら、210℃でさらに4時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.17g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−8と略す。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0094】
[実施例9]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを220g(2.5mol)、1,4−ブタンジオールを300g(3.3モル)、1,5−ペンタンジオールを500g(4.8mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら、165℃で3時間反応を行った後、反応温度を185℃に上げてさらに12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を11kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、190℃でさらに7時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.22g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−9と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0095】
[実施例10]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを245g(2.8mol)、1,4−ブタンジオールを620g(6.9モル)、1,6−ヘキサンジオールを240g(2.0mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら、165℃で3時間反応を行った後、反応温度を185℃に上げてさらに12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を11kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、190℃でさらに7時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.22g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−10と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0096】
[
参考例1]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを250g(2.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを1100g(9.3mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.3gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら、165℃で3時間反応を行った後、反応温度を185℃に上げてさらに12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を11kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、190℃でさらに7時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.33g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−11と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0097】
[実施例12]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、ジメチルカーボネートを235g(2.6mol)、1,5−ペンタンジオールを400g(3.9mol)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを450g(3.8mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.05gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。反応温度を190℃として、生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を12kPaまで減圧し、ジオールとジメチルカーボネートとを留去しながら、195℃でさらに5時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.06g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−12と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0098】
[
参考例2]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、ジメチルカーボネートを190g(2.1mol)、1,9−ノナンジオールを1000g(6.2mol)仕込んだ。前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.3gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。反応温度を190℃として、生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら12時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を12kPaまで減圧し、ジオールとジメチルカーボネートとを留去しながら、195℃でさらに5時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.33g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−13と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0099】
[エーテルジオール化合物の合成1]
攪拌機、分液ロート、温度計及び冷却管を備えた500mlのガラス製四つ口フラスコに、水酸化カリウム(試薬特級、純度85%、和光純薬工業製)26.4g(0.4mol)と1,6−ヘキサンジオール(アルドリッチ製)118.0g(1.0mol)とを仕込み、120℃のオイルバスで30分撹拌した。フラスコ内の温度が100℃となるようにオイルバスを設定後、分液ロートに6−ブロモ−1−ヘキサノール72.4g(0.4mol)を入れ、少量ずつ10分間で滴下した。滴下終了後、オイルバスの温度を140℃に上げて、さらに2時間反応した。室温まで冷却後、フラスコにエタノール(試薬特級、和光純薬工業製)を200ml加え5分撹拌した。フラスコの内容物を濾過後、濾液を500mlのナス型フラスコに移し、エバポレーターでエタノールを除去した後、規則充填物を充填した精留塔を取り付け、蒸留精製することで6(6−ヒドロキシヘキサオキシ)−1−ヘキサノール(上記式(E)においてm=n=6、純度92%)18.2gを得た。このエーテルジオール化合物を、EC−1と略す。
【0100】
[エーテルジオール化合物の合成2]
エーテルジオール化合物の合成1において、1,6−ヘキサンジオールを1,5−ペンタンジオール(アルドリッチ製)104.0g(1.0mol)とした以外は同じ方法で反応を行い、6(5−ヒドロキシペンタオキシ)−1−ヘキサノール(上記式(E)においてm=6、n=5、純度90%)15.7gを得た。このエーテルジオール化合物を、EC−2と略す。
【0101】
[エーテルジオール化合物の合成3]
エーテルジオール化合物の合成1において、1,6−ヘキサンジオールを1,5−ペンタンジオール(アルドリッチ製)104.0g(1.0mol)とし、6−ブロモ−1−ヘキサノールを5−ブロモ−1−ペンタノールを66.8g(0.4mol)とした以外は同じ方法で反応を行い、5(5−ヒドロキシペンタオキシ)−1−ペンタノール(上記式(E)においてm=n=5、純度94%)12.6gを得た。このエーテルジオール化合物を、EC−3と略す。
【0102】
[実施例14]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを770g(8.8mol)、1,5−ペンタンジオールを450g(4.3mol)、1,6−ヘキサンジオールを520g(4.4mol)、EC−1を1.61g(0.007mol)、EC−3を1.38g(0.007mol)仕込んだ。
前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.8gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら、170℃で15時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を11kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、190℃でさらに7時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.89g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−14と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0103】
[実施例15]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを830g(9.4mol)、1,4−ブタンジオールを450g(5.0mol)、1,6−ヘキサンジオールを520g(4.4mol)、EC−1を1.72g(0.008mol)仕込んだ。
前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.8gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートとの混合物を留去しながら、170℃で15時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を11kPaまで減圧し、ジオールとエチレンカーボネートとを留去しながら、190℃でさらに7時間反応を行った。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.89g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−15と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0104】
[実施例16]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに、ジメチルカーボネートを780g(8.7mol)、1,5−ペンタンジオールを500g(4.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを490g(4.2mol)仕込んだ。
前記フラスコに触媒としてチタンテトラブトキシド0.5gを加え、前記フラスコ内の混合物を常圧で攪拌及び加熱した。生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら、反応温度を140℃として10時間反応を行った後、反応温度を190℃に上げてさらに10時間反応を行った。その後、前記フラスコ内の圧力を12kPaまで減圧し、ジオールとジメチルカーボネートとを留去しながら、195℃でさらに5時間反応を行った。温度を80℃とした後、EC−2を2.52g(0.012mol)加え、180℃で10時間撹拌した。その後、前記フラスコにリン化合物として2−エチルヘキシルアシッドホスフェートを0.55g加え、前記フラスコ内の混合物を120℃で5時間加熱することによりポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの分析結果を、表1に示す。このポリカーボネートジオールをPC−16と略する。得られたポリカーボネートジオールは、式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有しており、各繰り返し単位のR及び割合は表1に示すとおりであった。
【0105】
【表1】
【0106】
[応用例1]
ポリカーボネートジオールPC−1を40g、レベリング剤としてBYK−331(BYKケミカル製)を0.75g、顔料としてCR−50(石原産業製、平均粒径0.25μm)を5g、シンナー(キシレン/酢酸ブチル=70/30(重量比))に2重量%となるように溶解したジブチルスズジラウレート溶液を1.25g、並びにシンナーを40g混ぜて撹拌し、塗料主剤を得た。得られた塗料主剤に、硬化剤として有機ポリイソシアネート(デュラネートTPA−100、旭化成ケミカルズ製、イソシアネート(NCO)含量:23.1%)を7.5g加えて、塗布液を調製した。該塗布液を、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂板上に塗布し、室温で2時間シンナーを飛ばした後、80℃で2時間加熱硬化させて塗膜を得た。塗布液で分散安定性を評価し、塗膜で耐薬品性を評価し、その結果を表2に示した。
【0107】
[応用例2〜
10、12及び14〜16
並びに参考応用例1及び2]
ポリカーボネートジオールとして、PC−2〜16を用いた以外は、応用例1と同様にして塗布液を調製した。該塗布液を用いた以外は、応用例1と同様にして塗膜を得た。塗布液で分散安定性を評価し、塗膜で耐薬品性を評価し、その結果を表2に示した。
【0108】
[比較応用例1及び2]
ポリカーボネートジオールとして、PC−21及び22を用いた以外は、応用例1と同様にして塗布液を調製した。該塗布液を用いた以外は、応用例1と同様にして塗膜を得た。塗布液で分散安定性を評価し、塗膜で耐薬品性を評価し、その結果を表2に示した。
【0109】
【表2】
【0110】
[応用例17]
還流冷却器、温度計、撹拌装置を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオールPC−1を200g、イソホロンジイソシアネートを66.2g、トリエチルアミンで中和したジメチロールプロピオン酸を23.3g、メチルエチルケトン(MEK)を700g入れ、50℃で2時間反応を行い、末端がイソシアネートのウレタンプレポリマーを得た。反応容器内の温度を30℃とした後、撹拌しながら該ウレタンプレポリマーに640gの蒸留水を20g/分の速度で添加して、ウレタンプレポリマー溶液のエマルジョンを得た。さらに、反応容器内に、鎖延長剤として、エチレンジアミンの20重量%水溶液を23.8g、撹拌しながら30分かけて添加した。その後、反応容器内の温度を40℃としさらに30分反応を行った。還流冷却管を単蒸留装置に替えた後、減圧下で3時間かけて反応容器の内温を80℃まで昇温しながら溶媒であるMEKを留去して、固形分が約30重量%の水分散ポリウレタン樹脂を得た。得られた水分散ポリウレタン樹脂100gに顔料として二酸化チタン(CR−50、石原産業製、平均粒径0.25μm)を5g加えて撹拌した。得られた顔料含有水分散ポリウレタン樹脂(ポリウレタンディスパージョン)を用いて、顔料の分散安定性を評価した。評価結果を表3に示した。さらに、水分散ポリウレタン樹脂を40℃で1ヶ月保管した後、ガラス板上で成膜し、24時間室温で放置した後120℃で30分熱処理を行い、厚さ100μm、幅10mm、長さ60mmの試料フィルムを得た。該フィルムを用い、平滑性を評価した。評価結果を表3に示した。
【0111】
[応用例18〜
26、28及び30〜32
並びに参考応用例3及び4]
ポリカーボネートジオールとして、PC−2〜16を用いた以外は、応用例17と同様にして水分散ポリウレタン樹脂及び試料フィルムを得て各評価を行った。該評価結果を表3に示した。
【0112】
[比較応用例3及び4]
ポリカーボネートジオールとして、PC−21及び22を用いた以外は、応用例17と同様にして水分散ポリウレタン樹脂及び試料フィルムを得て各評価を行った。該評価結果を表3に示した。
【0113】
【表3】
【0114】
[応用例33]
攪拌装置、温度計、冷却管の付いた反応器に、実施例1で得たPC−1を200g、ヘキサメチレンジイソシアネート34g、触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、70℃で5時間反応させて末端イソシアネート(NCO)基を持つウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーに溶剤としてジメチルホルムアミド600gを加えて溶液を得た。その後、得られた溶液に鎖延長剤としてイソホロンジアミン17gを加えて35℃で1時間撹拌してポリウレタン樹脂溶液を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液をガラス板上に流延し、室温で30分間放置して溶剤をとばした後、100℃の乾燥機に2時間入れて乾燥させてポリウレタンフィルムを得た。該ポリウレタンフィルムを用いて物性の評価を行い、該評価結果を表4に示した。
【0115】
[応用例34〜
42、44及び46〜48
並びに参考応用例5及び6]
ポリカーボネートジオールとして、PC−2〜16を用いた以外は、応用例33と同様にしてポリウレタンフィルムを得た。該ポリウレタンフィルムを用いて物性の評価を行い、該評価結果を表4に示した。
【0116】
[比較応用例5及び6]
ポリカーボネートジオールとして、PC−21及び22を用い、応用例33と同様にしてポリウレタンフィルムを得た。該ポリウレタンフィルムを用いて物性の評価を行い、該評価結果を表4に示した。
【0117】
【表4】
【0118】
[
参考例3]
実施例1で得られたポリカーボネートジオール100gを500gのマヨネーズ瓶に入れ、蓋をすることなく、23℃、相対湿度50%の恒温室に5日間放置した。当該放置後、マヨネーズ瓶中のポリカーボネートジオールをよく撹拌した後にポリカーボネートジオール中の水分量を測定したところ、630ppmであった。このポリカーボネートジオールをPC−17と略する。
【0119】
[
参考例4]
実施例4で得られたポリカーボネートジオール100gを500gのマヨネーズ瓶に入れ、蓋をすることなく、23℃、相対湿度50%の恒温室に5日間放置した。当該放置後、マヨネーズ瓶中のポリカーボネートジオールを良く撹拌した後にポリカーボネートジオール中の水分量を測定したところ、980ppmであった。このポリカーボネートジオールをPC−18と略する。
【0120】
[
参考例5]
実施例1に記載する方法で重合し、リン化合物を加えて加熱することにより得られたポリカーボネートジオールを、密栓してドライボックスに移し、常温まで冷却した。ドライボックス中でサンプリングを行い、ポリカーボネートジオール中の水分量を測定したところ、8ppmであった。このポリカーボネートジオールをPC−19と略する。
【0121】
[
参考応用例7〜9]
ポリカーボネートジオールとして、PC−17〜19を用いた以外は、応用例1と同様にして塗布液を調製した。該塗布液を用いた以外は、応用例1と同様にして塗膜を得た。塗膜で透明性を評価し、その結果を表5に示した。なお、応用例1及び応用例4で得られた塗膜についても、透明性を評価し、その結果を表5に示した。なお、
参考例応用例9では、塗料主剤の調製は、ドライボックス中で行った。
【0122】
【表5】
【0123】
本出願は、2014年8月13日出願の日本特許出願(特願2014−164969号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。