特許第6361153号(P6361153)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6361153
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】ロボットの教示装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/22 20060101AFI20180712BHJP
   G05B 19/18 20060101ALI20180712BHJP
   G05B 19/42 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   B25J9/22 A
   G05B19/18 D
   G05B19/42 J
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-20252(P2014-20252)
(22)【出願日】2014年2月5日
(65)【公開番号】特開2015-147260(P2015-147260A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】桝山 貴史
(72)【発明者】
【氏名】當眞 博太
【審査官】 臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第98/003314(WO,A1)
【文献】 特開2006−350602(JP,A)
【文献】 特開2007−286976(JP,A)
【文献】 特開2009−214212(JP,A)
【文献】 特開2012−171024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 3/00−13/06
G05B 19/18−19/409
G05B 19/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示させるロボットの三次元画像を制御する画像制御部と、
前記三次元画像の奥行き方向の位置である奥行位置を指示する操作、及び前記三次元画像の面内の位置である面内位置を指示する操作を受け付ける操作部と、
前記ロボットの動作点を取得する取得部と、
を備え、
前記画像制御部は、前記操作部に対する操作により指示された奥行位置に対応する前記三次元画像を前記表示部に表示させ、
前記取得部は、前記指示された奥行位置、及び前記対応する前記三次元画像において前記操作部に対する操作により指示された面内位置に基づいて、前記ロボットの動作点を取得し、
前記画像制御部は、前記操作部により前記奥行位置を指示する操作を受け付ける際に、前記操作により指示される奥行位置を示す指示平面を前記三次元画像中に表示させることを特徴とするロボットの教示装置。
【請求項2】
前記指示平面は、前記三次元画像の奥行き方向に所定間隔で配置された複数の指示平面により構成されている請求項に記載のロボットの教示装置。
【請求項3】
前記画像制御部は、前記操作部に対する操作により指示された奥行位置に対応する前記三次元画像、及び前記指示平面を前記表示部に表示させ、
前記操作部は、前記三次元画像中の前記指示平面の面内の位置である面内位置を指示する操作を受け付ける請求項又はに記載のロボットの教示装置。
【請求項4】
前記画像制御部は、前記指示平面を半透明で表示させる請求項1〜3のいずれか1項に記載のロボットの教示装置。
【請求項5】
前記操作部は、前記ロボットの動作範囲を含む前記奥行位置を指示する操作のみを受け付ける請求項1〜のいずれか1項に記載のロボットの教示装置。
【請求項6】
画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示させるロボットの三次元画像を制御する画像制御部と、
前記三次元画像の奥行き方向の位置である奥行位置を指示する操作、及び前記三次元画像の面内の位置である面内位置を指示する操作を受け付ける操作部と、
前記ロボットの動作点を取得する取得部と、
を備え、
前記画像制御部は、前記操作部に対する操作により指示された奥行位置に対応する前記三次元画像を前記表示部に表示させ、
前記取得部は、前記指示された奥行位置、及び前記対応する前記三次元画像において前記操作部に対する操作により指示された面内位置に基づいて、前記ロボットの動作点を取得し、
前記操作部は、前記ロボットの動作範囲を含む前記奥行位置を指示する操作のみを受け付けることを特徴とするロボットの教示装置。
【請求項7】
前記操作部は、前記表示部に表示された前記三次元画像の倍率が高いほど、前記奥行位置を指示する操作の精度を高くする請求項1〜6のいずれか1項に記載のロボットの教示装置。
【請求項8】
画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示させるロボットの三次元画像を制御する画像制御部と、
前記三次元画像の奥行き方向の位置である奥行位置を指示する操作、及び前記三次元画像の面内の位置である面内位置を指示する操作を受け付ける操作部と、
前記ロボットの動作点を取得する取得部と、
を備え、
前記画像制御部は、前記操作部に対する操作により指示された奥行位置に対応する前記三次元画像を前記表示部に表示させ、
前記取得部は、前記指示された奥行位置、及び前記対応する前記三次元画像において前記操作部に対する操作により指示された面内位置に基づいて、前記ロボットの動作点を取得し、
前記操作部は、前記表示部に表示された前記三次元画像の倍率が高いほど、前記奥行位置を指示する操作の精度を高くすることを特徴とするロボットの教示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの動作点を教示する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CAD等を用いたロボットの三次元シミュレーションモデルにおいて、XY平面に表示を切り替えてXY平面での位置をマウスの操作により決定した後に、YZ平面に表示を切り替えてYZ平面での位置をマウスの操作により決定するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5120290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のものでは、三次元画像から2つの二次元画像に順次切り替えて位置(動作点)を指示する必要がある。このため、三次元画像から二次元画像へ切り替える操作が必須であり、現在の視点における三次元画像から直感的に動作点を教示することができない。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、操作が簡易であり、且つ直感的に動作点を教示することのできるロボットの教示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0007】
第1の手段は、ロボットの教示装置であって、画像を表示する表示部と、前記表示部に表示させるロボットの三次元画像を制御する画像制御部と、前記三次元画像の奥行き方向の位置である奥行位置を指示する操作、及び前記三次元画像の面内の位置である面内位置を指示する操作を受け付ける操作部と、前記ロボットの動作点を取得する取得部と、を備え、前記画像制御部は、前記操作部に対する操作により指示された奥行位置に対応する前記三次元画像を前記表示部に表示させ、前記取得部は、前記指示された奥行位置、及び前記対応する前記三次元画像において前記操作部に対する操作により指示された面内位置に基づいて、前記ロボットの動作点を取得することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、表示部により画像が表示され、表示部に表示させるロボットの三次元画像は、画像制御部により制御される。操作部により、三次元画像の奥行き方向の位置である奥行位置を指示する操作、及び三次元画像の面内の位置である面内位置を指示する操作が受け付けられる。
【0009】
ここで、画像制御部は、操作部に対する操作により指示された奥行位置に対応する三次元画像を表示部に表示させる。このため、ロボットの三次元画像において奥行位置を指示する操作を行うことにより、現在の視点における三次元画像から奥行位置に対応する三次元画像を表示させることができる。そして、取得部により、指示された奥行位置、及び対応する三次元画像において操作部に対する操作により指示された面内位置に基づいて、ロボットの動作点が取得される。したがって、三次元画像における奥行位置の指示及び面内位置の指示だけで、動作点を教示することができる。その結果、操作が簡易であり、且つ直感的に動作点を教示することができる。
【0010】
第2の手段では、前記画像制御部は、前記操作部により前記奥行位置を指示する操作を受け付ける際に、前記操作により指示される奥行位置を示す指示平面を前記三次元画像中に表示させる。
【0011】
上記構成によれば、操作部により奥行位置を指示する操作を受け付ける際に、操作により指示される奥行位置を示す指示平面が三次元画像中に表示される。このため、ユーザは、操作により指示される奥行位置を目視で確認しながら、奥行位置を正確に指示することができる。
【0012】
第3の手段では、前記指示平面は、前記三次元画像の奥行き方向に所定間隔で配置された複数の指示平面により構成されている。
【0013】
上記構成によれば、三次元画像の奥行位置を指示する際に表示される指示平面を、簡易な構成により準備しておくことができる。
【0014】
第4の手段では、前記画像制御部は、前記操作部に対する操作により指示された奥行位置に対応する前記三次元画像、及び前記指示平面を前記表示部に表示させ、前記操作部は、前記三次元画像中の前記指示平面の面内の位置である面内位置を指示する操作を受け付ける。
【0015】
上記構成によれば、ユーザが奥行位置を指示する際に表示された指示平面が、指示された奥行位置に対応する三次元画像が表示される場合にも表示される。そして、操作部により、三次元画像中の指示平面の面内の位置である面内位置を指示する操作が受け付けられる。このため、ユーザは、指示した奥行位置を指示平面により明確に認識しつつ、指示平面内の面内位置を指示することができる。したがって、ユーザは意図した動作点を適切に教示することができる。
【0016】
第5の手段では、前記画像制御部は、前記指示平面を半透明で表示させる。
【0017】
上記構成によれば、指示平面が半透明で表示されるため、指示平面によりロボットが見えなくなることを抑制することができる。したがって、指示平面が表示された場合でも、ユーザはロボットの位置を確認しながら動作点を教示することができる。
【0018】
第6の手段では、前記操作部は、前記ロボットの動作範囲を含む前記奥行位置を指示する操作のみを受け付ける。
【0019】
上記構成によれば、操作部により、ロボットの動作範囲を含む奥行位置を指示する操作のみが受け付けられる。このため、ユーザがロボットの動作範囲外の位置を誤って教示することを防ぐことができ、動作点を教示する効率を向上させることができる。
【0020】
第7の手段では、前記操作部は、前記表示部に表示された前記三次元画像の倍率が高いほど、前記奥行位置を指示する操作の精度を高くする。
【0021】
表示部に表示された三次元画像の倍率が高いほど、ユーザは奥行位置を正確に指示し易くなる。
【0022】
この点、上記構成によれば、操作部により、表示部に表示されたロボットの三次元画像の倍率が高いほど、奥行位置を指示する操作の精度が高くされる。このため、表示されたロボットの三次元画像の倍率に応じて、ユーザが奥行位置を適切に指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ロボットの教示装置を示すブロック図。
図2】教示の開始画像を示す図。
図3】奥行位置を指示する指示部と指示平面との関係を示す図。
図4】奥行位置を指示する態様を示す図。
図5】指示平面の面内位置を指示する態様を示す図。
図6】教示点が指示された状態を示す図。
図7】奥行位置を指示する指示部と指示平面との関係の変更例を示す図。
図8】ロボットの教示装置の変更例を示すブロック図。
図9】教示の開始画像の変更例を示す図。
図10】指示平面の面内位置を指示する態様の変更例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、PC(Personal Computer)等を用いて実行される三次元シミュレーションモデルにより、ロボットの動作点を教示する教示装置として具体化している。図1に示すように、ロボットの教示装置10は、PC20、ディスプレイ30、キーボード40、及びタッチパネル50を備えている。
【0025】
PC20は、CPU21、ROM22、RAM23、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)24、入出力インタフェイス(I/F)25等を備えている。CPU21はROM22に記憶された各種プログラムを実行し、RAM23はプログラムを実行する際にパラメータの値等を記憶する。HDD24は、動作シミュレーション用のシミュレーションプログラムや、ティーチング用のティーチングプログラム、ロボット設計用の3次元CADプログラム等を記憶している。CPU21(画像制御部)は、これらのプログラムを実行することにより、タッチパネル50の画面に表示させるロボットの三次元画像を制御する。さらに、CPU21(取得部)は、これらのプログラムを実行することにより、ロボットの動作点を取得する。I/F25には、ディスプレイ30、キーボード40、及びタッチパネル50が接続されている。
【0026】
ディスプレイ30は、CPU21の処理によりPC20から出力される画像信号に基づいて、画面に各種の画像を表示する。キーボード40は、ユーザによるキー操作を入力して、キー操作に対応する信号をPC20へ出力する。タッチパネル50(表示部)は、CPU21の処理によりPC20から出力される画像信号に基づいて、画面に画像を表示する。さらに、タッチパネル50(操作部)は、ユーザが画面に接触した位置を検出する。タッチパネル50は、後述するように、三次元画像の奥行き方向の位置である奥行位置を指示する操作、及び三次元画像の面内の位置である面内位置を指示する操作を受け付ける。そして、タッチパネル50は、ユーザが画面に接触した位置に対応する信号をPC20へ出力する。
【0027】
次に、ロボットの教示装置10を用いて、ユーザがロボットの動作点を教示する手順について説明する。
【0028】
図2は、タッチパネル50に表示された教示を開始する時の開始画像(三次元画像)を示す図である。この開始画像は、ユーザが任意に設定することができ、予め登録しておくことができる。
【0029】
開始画像には、奥行方向の位置である奥行位置を指示するための指示部51が表示されている。指示部51(操作部)は、目盛52及びカーソル53を備えている。目盛52は複数の目盛線52aを備えている。カーソル53は、ユーザの操作により、目盛52のいずれかの目盛線52aの位置に移動させられる。
【0030】
図3に示すように、各目盛線52aは、開始画像の奥行位置を示す各指示平面Fに対応している。指示平面Fは、ロボットRが固定された床面に垂直であり、開始画像の奥行方向に垂直である。目盛52において、左側の目盛線52aほど手前側の指示平面Fを示しており、右側の目盛線52aほど奥側の指示平面Fを示している。カーソル53が移動させられることにより、カーソル53が位置する目盛線52aに対応する指示平面Fが選択(指示)される。目盛52により示される奥行方向の範囲は、ロボットRの動作範囲のみとなっている。このため、指示部51(タッチパネル50)は、ロボットRの動作範囲に対応する指示平面Fを選択する操作のみ、すなわちロボットRの動作範囲を含む奥行位置を指示する操作のみを受け付ける。なお、ロボットRの動作点を教示する際には、カーソル53が位置する目盛線52aに対応する指示平面F1のみが、タッチパネル50の画面に半透明で表示される。
【0031】
図4に示すように、ユーザは、カーソル53に指で接触し、接触状態を維持したまま目盛52に沿って指を移動させる。タッチパネル50により、接触している位置が検出され、その位置に対応する信号がPC20のCPU21へ出力される。そして、CPU21は、接触している位置の移動に合わせて、カーソル53の表示位置を変更させる。このとき、CPU21は、カーソル53の位置する目盛線52aに対応する指示平面F1を、開始画像中に半透明で表示させる。すなわち、カーソル53の移動に伴って、表示される指示平面F1が奥行方向に移動する。
【0032】
ユーザは、カーソル53を移動させて、教示する動作点(教示点)の奥行位置に一致する指示平面F1を表示させる。そして、ユーザは、タッチパネル50の画面から指を離すことにより、指示平面F1の奥行位置、すなわち教示点の奥行位置を決定(指示)する。CPU21は、タッチパネル50により指が離れたことが検出された場合(教示点の奥行位置が指示された場合)に、表示されている指示平面F1の奥行位置(カーソル53が位置する目盛線52aが示す奥行位置)を、教示点の奥行位置として取得する。CPU21は、教示点の奥行位置が指示された場合に、図5に示すように、指示された奥行位置に対応する三次元画像及び指示された指示平面F1を、タッチパネル50の画面に表示させる。
【0033】
同図に示すように、ユーザは次に、三次元画像中の指示平面F1の面内において、教示する動作点の位置に指で接触する。タッチパネル50は、指示平面F1の面内において接触された位置を検出する、すなわち指示平面F1の面内の位置である面内位置を指示する操作を受け付ける。このとき、タッチパネル50は、指示平面F1の面内を指示する操作のみを受け付け、指示平面F1から外れた位置を指示する操作は受け付けない。タッチパネル50により、検出された接触位置に対応する信号がPC20のCPU21へ出力される。また、CPU21は、図6に示すように、指示平面F1を消去するとともに、指示された面内位置に教示点を示す点Pを表示させる。
【0034】
これにより、その時の点Pの位置が、教示点の位置として指示される。そして、CPU21は、取得した奥行位置(指示された奥行位置)、及び対応する三次元画像において指示された教示点の面内位置に基づいて、ロボットRの動作点を取得する。詳しくは、指示された指示平面F1の奥行位置、及び指示平面F1における点Pの面内位置に基づき算出される点Pの三次元位置を、ロボットRの動作点として取得する。なお、指示平面F1の面内において接触された位置が検出された時に、その時の点Pの位置を動作点として取得するか否かユーザに確認してもよい。
【0035】
そして、指示平面F1の面内の動作点を続けて教示する場合は、指示平面F1の面内において次に教示する動作点に対応する位置に指で接触する。また、指示平面F1と異なる奥行位置の動作点を続けて教示する場合は、指示部51のカーソル53を移動させて動作点の奥行位置に対応する指示平面Fを選択する。その後、上述した操作と同様の操作を行う。
【0036】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0037】
・CPU21は、指示部51に対する操作により指示された奥行位置に対応する三次元画像をタッチパネル50の画面に表示させる。このため、教示を開始する時の開始画像(ロボットRの三次元画像)において奥行位置を指示する操作を行うことにより、現在の視点における三次元画像から奥行位置に対応する三次元画像を表示させることができる。そして、CPU21により、指示された奥行位置、及び対応する三次元画像においてタッチパネル50に対する操作により指示された面内位置に基づいて、ロボットRの動作点が取得される。したがって、三次元画像における奥行位置の指示及び面内位置の指示だけで、動作点を教示することができる。その結果、操作が簡易であり、且つ直感的に動作点を教示することができる。
【0038】
・指示部51により奥行位置を指示する操作を受け付ける際に、操作により指示される奥行位置を示す指示平面F1が三次元画像中に表示される。このため、ユーザは、操作により指示される奥行位置を目視で確認しながら、奥行位置を正確に指示することができる。
【0039】
・指示平面Fは、三次元画像の奥行き方向に所定間隔で配置された複数の指示平面Fにより構成されている。このため、三次元画像の奥行位置を指示する際に表示される指示平面F1を、簡易な構成により準備しておくことができる。
【0040】
・ユーザが奥行位置を指示する際に表示された指示平面F1が、指示された奥行位置に対応する三次元画像が表示される場合にも表示される。そして、タッチパネル50により、三次元画像中の指示平面F1の面内の位置である面内位置を指示する操作が受け付けられる。このため、ユーザは、指示した奥行位置を指示平面F1により明確に認識しつつ、指示平面F1内の面内位置を指示することができる。したがって、ユーザは意図した動作点を適切に教示することができる。
【0041】
・タッチパネル50は、指示平面F1の面内を指示する操作のみを受け付け、指示平面F1から外れた位置を指示する操作は受け付けない。このため、指示した奥行位置から外れた位置を、ユーザが誤って指示することを抑制することができる。
【0042】
・指示平面F1が半透明で表示されるため、指示平面F1によりロボットRが見えなくなることを抑制することができる。したがって、指示平面F1が表示された場合でも、ユーザはロボットRの位置を確認しながら動作点を教示することができる。
【0043】
・指示部51により、ロボットRの動作範囲を含む奥行位置を指示する操作のみが受け付けられる。このため、ユーザがロボットRの動作範囲外の位置を誤って教示することを防ぐことができ、動作点を教示する効率を向上させることができる。
【0044】
なお、上記実施形態を、以下のように変形して実施することもできる。
【0045】
・指示平面Fを不透明で表示することもできる。
【0046】
・タッチパネル50の画面に表示されたロボットRの三次元画像の倍率が高いほど、ユーザは奥行位置を正確に指示し易くなる。この点、図7に示すように、CPU21は、タッチパネル50の画面に表示されたロボットRの三次元画像の倍率が高いほど、目盛52の目盛線52aにより区切られる奥行方向の間隔を狭く、すなわち奥行位置を指示する操作の精度を高くしてもよい。こうした構成によれば、表示されたロボットRの三次元画像の倍率に応じて、ユーザが奥行位置を適切に指示することができる。
【0047】
ここで、教示を開始する時の開始画像の倍率に応じて、目盛線52aにより区切られる奥行方向の間隔を変更してもよい。また、図4においてユーザにより奥行位置が指示された後に、図5のように表示される指示された奥行位置に対応する三次元画像の倍率に応じて、目盛線52aにより区切られる奥行方向の間隔を変更してもよい。この場合は、図5において、ユーザは変更された目盛52により再度奥行位置を精密に指示してもよい。
【0048】
図8に示すように、タッチパネル50に代えてマウス150をI/F25に接続し、CPU21はディスプレイ30(表示部)にロボットRの三次元画像を表示させてもよい。そして、マウス150(操作部)により、三次元画像の奥行き方向の位置である奥行位置を指示する操作、及び三次元画像の面内の位置である面内位置を指示する操作を受け付ける。この場合は、図9に示すように、ディスプレイ30に表示させた開始画像(三次元画像)において、マウス150の操作により移動するポインタPtを表示させる。そして、CPU21は、カーソル53がポインタPtによりドラッグされて移動された場合に、指示された奥行位置に対応する三次元画像をディスプレイ30に表示させる。また、図10に示すように、CPU21は、指示平面F1の面内位置がポインタPtによりクリックされた場合に、クリックされた位置を教示点として取得する。こうした構成によっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
図4においてユーザにより奥行位置が指示された場合に、指示された奥行位置に対応する三次元画像として、図6に示す画像を表示してもよい。この場合は、指示平面F1の表示を省略し、図6の画像における最も手前側の平面を指示平面F1とみなす。そして、図6の画像において、ユーザは、タッチパネル50の画面に指で接触して、三次元画像における教示点の面内位置を指示する。こうした構成によっても、上記実施形態に準じた作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0050】
10…ロボットの教示装置、21…CPU(画像制御部、取得部)、30…ディスプレイ(表示部)、50…タッチパネル(表示部、操作部)、51…指示部(操作部)、150…マウス(操作部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10