(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2変位部材は、前記支持部材が待機位置にある状態で前記第2変位部材を支持する記録媒体が無くなった場合に自重で変位することで前記第1変位部材及び前記第2変位部材による前記光の遮断が解除されるように前記第1変位部材に設けられている請求項2に記載の位置検知装置。
生成した駆動力を前記支持部材に付与することで、前記送出手段を、記録媒体に接触させない非接触位置から記録媒体に接触させる接触位置に移動させる駆動手段を更に含み、
前記制御手段は、更に、前記駆動手段の駆動状態、及び前記検知結果に基づいて、前記移動手段を制御する請求項6に記載の記録媒体送出装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0024】
[第1実施形態]
一例として
図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成部12(本発明に係るが画像形成手段の一例)、給紙部14(本発明に係る記録媒体送出装置の一例)、及び用紙搬送部16を含む。
【0025】
画像形成部12は、感光体ドラム20を備えており、感光体ドラム20は、ドラム用モータ(図示省略)の駆動力を受けることで
図1に示す円弧矢印方向に回転する。感光体ドラム20の外周には、感光体ドラム20の回転方向の上流側から下流側にかけて帯電器22、露光器24、現像器26、転写ロール28、及びクリーナ30が順に配置されている。
【0026】
感光体ドラム20の回転が開始されると、帯電器22は、感光体ドラム20の外周面を帯電させる。露光器24は、画像を示す画像情報に応じたレーザ光を、帯電状態の感光体ドラム20の外周面に照射することで、感光体ドラム20の外周面に静電潜像を形成する。現像器26は、感光体ドラム20の外周面に形成された静電潜像をトナーで現像することで、感光体ドラム20の外周面にトナー像を形成する。転写ロール28は、感光体ドラム20の外周面に対向して配置されており、用紙搬送部16から搬送された用紙P(本発明に係る記録媒体の一例)に対して感光体ドラム20の外周面のトナー像を転写させる。
【0027】
画像形成部12は、定着装置32及び排出ロール34を備えている。定着装置32は、用紙Pの搬送方向における転写ロール28よりも下流側に配置されており、転写ロール28によって用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。排出ロール34は、用紙Pの搬送方向における定着装置32よりも下流側に配置されており、定着装置32から送り出された用紙Pを取り込んで用紙受け36に排出する。
【0028】
用紙搬送部16は、複数の搬送ロール40を含む。複数の搬送ロール40は、搬送用モータ(図示省略)の駆動力を受けることで回転し、給紙部14から供給された用紙を取り込んで転写位置(感光体ドラム20と転写ロール28とが接触する位置)に送り出す。
【0029】
給紙部14は、用紙収容部50、昇降部52、及び用紙送出部54を含み、これらは用紙Pのサイズ毎に設けられている。用紙収容部50は、上方が開口された箱状に形成されており、一例として
図2に示すように、積載台56、後端規制部材58、及び側端規制部材59を備えている。積載台56は、用紙Pが積載される台であり、上下方向に対して摺動自在に用紙収容部50の内壁50Aに取り付けられている。後端規制部材58は、用紙Pの端(縁)のうち、用紙Pが用紙搬送部16へ送り出される方向(以下、「給紙方向」という)とは反対方向の端(後端)の位置を規制する。用紙Pの幅方向の一方の側端は、用紙収容部50の内壁50Aに突き当てられおり、側端規制部材59は、用紙Pの幅方向の他方の側端を規制する。後端規制部材58は、給紙方向に対して摺動自在に用紙収容部50に取り付けられており、側端規制部材59は、用紙Pの幅方向に対して摺動自在に用紙収容部50に取り付けられている。
【0030】
一例として
図3に示すように、昇降部52は、滑車60、ワイヤ62、及び昇降用モータ64(本発明に係る移動手段の一例)を備えている。ワイヤ62は、滑車60に掛けられている。ワイヤ62の一端は積載台56に固定されており、ワイヤ62の他端は昇降用モータ64の駆動軸64Aに固定されている。従って、積載台56は、昇降用モータ64の駆動軸64Aが正回転することにより上昇し、昇降用モータ64の駆動軸64Aが逆回転することにより下降する。
【0031】
用紙送出部54は、送出ロール70(本発明に係る送出手段の一例(一般的にピックアップロールとも呼ばれているロールに相当するロール))、フィードロール72、及びリタードロール74を備えており、これらはフレーム78に回転自在に取り付けられている。また、用紙送出部54は、一例として
図4に示すように、給紙用モータ130、及び本発明に係る駆動手段の一例であるソレノイド134を備えている。ソレノイド134は、生成した駆動力を後述の支持アーム80に付与することで、送出ロール70を押し下げて送出ロール70を非接触位置から接触位置に移動させる。ここで、非接触位置とは、送出ロール70を積載台56に積載された最上位の用紙P(以下、「最上位用紙P」という)に接触させない位置を指し、接触位置とは、送出ロール70を最上位用紙Pに接触させる位置を指す。なお、本第1実施形態では、給紙用モータ130の一例として、ステッピングモータを採用している。また、本第1実施形態において、ソレノイド134がオンするとは、ソレノイド134に対する通電動作が開始されることを意味し、ソレノイド134がオフするとは、ソレノイド134に対する通電停止動作が開始されることを意味する。
【0032】
一例として
図3に示すように、送出ロール70は、外部から駆動力を受けて回転し、最上位用紙Pの表面に接触して用紙収容部50から用紙Pを取り出して給紙方向に送り出す。フィードロール72及びリタードロール74は、給紙方向において送出ロール70よりも下流側に配置されている。フィードロール72は、外部から駆動力を受けて回転する。フィードロール72は、リタードロール74に対向して配置されており、フィードロール72の外周面は、リタードロール74の外周面に接触している。リタードロール74は、トルクリミッタ(図示省略)によるトルクを有しており、フィードロール72と接触して従動する。従って、送出ロール70によって送り出された用紙Pは、フィードロール72及びリタードロール74によって取り込まれて用紙搬送部16へ送り出される。なお、以下では、説明の便宜上、フィードロール72及びリタードロール74によって用紙Pが取り込まれる位置(例えば、フィードロール72の外周面とリタードロール74の外周面とが接触している位置)を「用紙取込位置」と称する。
【0033】
用紙送出部54は、第1位置センサ136及び第2位置センサ138を備えている。第1位置センサ136は、第1位置を通過する用紙Pを検知する。第2位置センサ138は、第2位置を通過する用紙Pを検知する。ここで、第1位置及び第2位置は何れも、用紙取込位置と用紙搬送部16の入口(給紙部14から送り出された用紙Pを取り込む取込口)との間に存在しており、第1位置は、第2位置よりも給紙方向の上流側に存在している。
【0034】
一例として
図4に示すように、送出ロール70及びフィードロール72は、支持アーム80(本発明に係る支持部材の一例)によって連結されている。支持アーム80は、フレーム78に対して揺動自在に取り付けられており、ソレノイド134の駆動力を受けてフィードロール72の支軸72Aを中心として揺動する。
【0035】
用紙送出部54は、リターンスプリング81を有する。リターンスプリング81の一端は、支持フレーム80の上面に固定され、リターンスプリング81の他端は、フレーム78のうちの支持フレーム80の上面に対向する面に固定されている。支持アーム80は、リターンスプリング81によって上方(積載台56の上昇方向)に付勢されており、ソレノイド134がオンされると、リターンスプリング81の付勢力に抗して押し下げられ、送出ロール70は、支持アーム80に引き連れられて変位する。また、支持アーム80は、ソレノイド134がオフされると、リターンスプリング81によって待機位置に引き上げられ、送出ロール70は、支持アーム80に引き連れられて変位する。ここで、待機位置とは、例えば、リターンスプリング81の弾性力によって支持アーム80が引き上げられた場合の限界位置(上限位置)を指す。なお、以下では、説明の便宜上、支持アーム80が待機位置にある場合の送出ロール70の位置を「ロール待機位置」と称する。
【0036】
一例として
図5に示すように、送出ロール70の支軸70Aには連動ギア82が設けられており、フィードロール72の支軸72Aには連動ギア84が設けられている。フィードロール72は、連動ギア84を介して給紙用モータ130(
図4参照)の駆動力を受けることで
図5に示す矢印方向に回転する。連動ギア84は、中間ギア86を介して連動ギア82に接続されている。従って、連動ギア84の回転力は、中間ギア86を介して連動ギア82に伝達され、送出ロール70は、フィードロール72と同期して同方向に回転する。
【0037】
一例として
図5に示すように、用紙送出部54は、位置検知装置79を備えている。位置検知装置79は、透過型センサ96(本発明に係る検知手段の一例)、突片80A(本発明に係る第1変位部材の一例)、及び回転部材90(本発明に係る第2変位部材の一例)を有する。
【0038】
突片80Aは、支持アーム80の本体部80Bから給紙方向の逆方向に向かって突出しており、支持アーム80の位置に応じて変位する。回転部材90は、支軸92及び屈曲片94を有する。支軸92は、フレーム78の軸受け77(
図16参照)に回転自在に軸支されており、屈曲片94は、支軸92に取り付けられている。回転部材90は、用紙Pによって下方から支持され、用紙Pの有無に応じて変位する。
【0039】
透過型センサ96は、フレーム78に取り付けられている。透過型センサ96は、照射部96A及び受光部96Bを有する。照射部96Aは、画像形成装置10の電源がオンされてから電源がオフされるまで光を継続して照射する。また、照射部96Aは、突片80Aが変位する第1変位経路97(
図7参照)と後述の長片94Aが変位する2変位経路99(
図6参照)とを貫くように(例えば、第1変位経路99と第2変位経路97とが重なる領域を貫くように)光を照射する。受光部96Bは、照射部96Aにより照射された光を受光する。なお、本第1実施形態において、透過型センサ96がオンする場合とは、照射部96Aによって照射された光が受光部96Bによって受光されない場合を意味する。また、本第1実施形態において、透過型センサ96がオフする場合とは、照射部96Aによって照射された光が受光部96Bによって受光された場合をする。
【0040】
一例として
図6に示すように、回転部材90の屈曲片94は、L字状に屈曲しており、長片94A及び短片94Bを有する。長片94Aは、支軸92によって軸支されており、回転部材90(
図6に示す例では、長片94Aの一端及び短片94Bの一端)は、積載台56に積載された最上位用紙Pによって支持されている。回転部材90が最上位用紙Pによって支持された状態では、照射部96Aによって照射された光の光路α(光)は回転部材90によって遮られない。積載台56は、上下方向に貫通した貫通穴56Aを有しており、短片94Bの一端は、用紙Pを介して貫通穴56Aの上方に配置されている。回転部材90が用紙Pによって支持された状態が、積載台56上の用紙Pが無くなることにより解除されると、支軸92を中心として回転部材90が自重で回転し、短片94Bが貫通穴56Aに落下し、光路αが長片94Aによって遮られる。なお、以下では、説明の便宜上、回転部材90が用紙Pによって支持された状態を「支持状態」と称する。
【0041】
一方、支持アーム80が特定位置(ソレノイド134により押し下げられる限界位置(下限位置))に達する前では、一例として
図7に示すように、光路αは突片80Aにより遮られない。また、支持アーム80が特定位置に達すると、一例として
図7に示すように、光路αは突片80Aにより遮られる。ここで、特定位置とは、例えば、最上位用紙Pの位置と用紙取込位置との位置関係に起因したペーパージャムの発生頻度が予め定められた頻度(例えば、実験やシミュレーション等によって事前に定められた頻度)以上になる位置として予め定められた位置を指す。ここでは、特定位置の一例として、用紙Pの送り出し中における支持アーム80の基準位置と用紙取込位置とのずれ量(≒接触位置と用紙取込位置とのずれ量)が予め定められたずれ量(例えば、10ミリメートル)以上になる支持アーム80の位置を採用している。なお、以下では、説明の便宜上、支持アーム80が特定位置にある場合の送出ロール70の高さ方向(例えば、用紙Pの積載方向)の位置を「ロール特定位置」と称する。
【0042】
一例として
図8に示すように、画像形成装置10は、コントローラ100を備えている。コントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)102、一次記憶部104、及び二次記憶部106を備えている。一次記憶部104は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory))である。二次記憶部106は、画像形成装置10の作動を制御する制御プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリ(例えば、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)など)である。CPU102、一次記憶部104、及び二次記憶部106は、バス108を介して相互に接続されている。
【0043】
二次記憶部106は、給紙部管理プログラム110を記憶している。CPU102は、二次記憶部106から給紙部管理プログラム110を読み出して一次記憶部104に展開し、給紙部管理プログラム110を実行する。CPU102は、給紙部管理プログラム110を実行することで、本発明に係る制御手段として動作する。
【0044】
なお、ここでは、給紙部管理プログラム110を二次記憶部106から読み出す場合を例示したが、最初から二次記憶部106に記憶させておく必要はない。例えば、画像形成装置10に接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、ICカード、光磁気ディスク、CD−ROMなどの任意の可搬型の記憶媒体に先ずは給紙部管理プログラム110を記憶させておいてもよい。そして、CPU102がこれらの可搬型の記憶媒体から給紙部管理プログラム110を取得して実行するようにしてもよい。また、通信回線を介して画像形成装置10に接続されるコンピュータ又はサーバ装置等の外部電子計算機の記憶部に給紙部管理プログラム110を記憶させておいてもよい。この場合、CPU102は外部電子計算機から給紙部管理プログラム110を取得して実行する。
【0045】
画像形成装置10は、CPU102と各種の入出力デバイスとを電気的に接続してCPU102と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司るインプット・アウトプット・インターフェース(I/O)112を備えている。画像形成装置10は、I/O112に接続されることで、バス108を介してCPU102と電気的に接続される入出力デバイスとして、受付部114、表示部116、外部インタフェース(I/F)118、及び通信I/F120を備えている。また、画像形成装置10は、入出力デバイスとして、画像形成部12、給紙部14、及び用紙搬送部16を備えている。
【0046】
受付部114は、例えば、画像形成装置10の利用者や画像形成装置10の保守・点検を行う業者による操作入力を受け付ける。受付部114の一例としては、ディスプレイに重ねて用いられる透過型のタッチパネル、主電源投入用の操作ボタン、各種情報の設定用の操作ボタン、及びスクロールキーなどの入力デバイスが挙げられる。
【0047】
表示部116は、各種情報を表示する。表示部116の一例としては、液晶ディスプレイが挙げられる。なお、画像形成装置10では、表示部116としての液晶ディプレイに対して受付部114の一部であるタッチパネルを重ね合わせることによって形成されたタッチパネル・ディスプレイを採用している。
【0048】
外部I/F118は、外部装置(例えば、USBメモリ)に接続され、外部装置とCPU102との間の各種情報の送受信を司る。
【0049】
通信I/F120は、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信網に接続されており、通信網に接続された外部装置122(一例としてパーソナル・コンピュータ)との間の各種情報の送受信を司る。
【0050】
なお、本第1実施形態において、通信I/F120は、外部装置122から画像形成要求情報を受信する。画像形成要求情報は、用紙Pに形成すべき画像を示す画像情報と画像の形成に供する各種指示を示す指示情報とを含む。画像形成要求情報は、外部装置122からジョブ(例えば、1回の実行指示に応じて実行される処理の単位)毎に画像形成装置10に送信される。CPU102は、通信I/F120を介して画像形成要求情報を取得し、取得した画像形成要求情報を一次記憶部104に記憶する。そして、予め定められたタイミングで一次記憶部104から画像形成要求情報を取得し、取得した画像形成要求情報に基づいて画像形成部12、給紙部14、及び用紙搬送部16を制御する。
【0051】
また、CPU102は、昇降用モータ64、給紙用モータ130、及びソレノイド134を制御する。また、CPU102は、透過型センサ96の検知結果を取得し、取得した検知結果に応じた処理(例えば、後述のステップ250、ステップ256、ステップ302、及びステップ326の各判定に基づく処理)を実行する。また、CPU102は、第1位置センサ136の検知結果を取得し、取得した検知結果に応じた処理(例えば、後述のステップ306及びステップ314の各処理)を実行する。更に、CPU102は、第2位置センサ138の検知結果を取得し、取得した検知結果に応じた処理(例えば、後述のステップ310及びステップ318の各処理)を実行する。
【0052】
次に、画像形成装置10の作用を説明する。
【0053】
CPU102によって画像形成要求情報が取得されると、用紙Pが給紙部14によって用紙搬送部16に供給され、供給された用紙Pは用紙搬送部16によって画像形成部12に搬送される。画像形成部12では、CPU102の制御下で、画像形成要求情報に基づく電子写真方式による画像形成が実行され、トナー像が用紙Pに転写される。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着装置32を経由して用紙受け36に排出される。
【0054】
ところで、画像形成装置10では、用紙Pが不足したり、用紙Pの残量及び積載台56の位置次第でペーパージャムが発生したりする場合がある。そこで、画像形成装置10では、給紙部14を管理するための給紙部管理処理(
図9参照)が行われる。
【0055】
次に、電源がオンされた場合にCPU102が給紙部管理プログラム110を実行することにより画像形成装置10によって行われる給紙部管理処理について
図9を参照して説明する。
【0056】
図9に示す給紙部管理処理では、先ず、ステップ200で、CPU102は、後述の給紙準備処理を開始する条件(給紙準備開始条件)を満たしたか否かを判定する。給紙準備開始条件とは、例えば、積載台56に用紙Pが積載された用紙収容部50が画像形成装置10に装填されたとの条件を指す。ステップ200において、給紙準備開始条件を満たしていない場合は、判定が否定されて、ステップ202へ移行する。ステップ200において、給紙準備開始条件を満たした場合は、判定が肯定されて、ステップ204へ移行する。
【0057】
ステップ202で、CPU102は、後述の給紙処理を開始する条件(給紙開始条件)を満たしたか否かを判定する。給紙開始条件とは、例えば、後述の準備完了フラグがオンされ(
図10のステップ264参照)、かつ、CPU102が画像形成要求情報を取得したとの条件を指す。ステップ202において、給紙開始条件を満たした場合は、判定が肯定されて、ステップ206へ移行する。ステップ202において、給紙開始条件を満たしていない場合は、判定が否定されて、ステップ208へ移行する。
【0058】
ステップ204で、CPU102は、一例として
図10に示す給紙準備処理を実行し、その後、ステップ208へ移行する。
【0059】
ここで、
図10を参照して給紙準備処理について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、給紙準備開始条件を満たした時点で、給紙用モータ130及びソレノイド134がオフされており、送出ロール70がロール特定位置にあり、かつ、支持状態が解除されている場合を前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、給紙準備開始条件を満たした時点で、昇降用モータ64及び給紙用モータ130の各駆動が停止している場合を前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、昇降用モータ64をオンするとは、駆動軸が正回転するように昇降用モータ64を駆動させることを意味し、昇降用モータ64をオフするとは、昇降用モータ64の駆動を停止させることを意味する。
【0060】
図10に示す給紙準備処理では、先ず、ステップ250で、CPU102は、透過型センサ96がオンか否かを判定する。ステップ250において、透過型センサ96がオフの場合は、判定が否定されて、ステップ260へ移行する。ステップ250において、透過型センサ96がオンの場合は、判定が肯定されて、ステップ252へ移行する。本ステップ250において判定が肯定される場合とは、一例として
図12に示すように、突片80A及び長片94Aによって光路αが遮られている場合を指す。本ステップ250において判定が否定される場合とは、突片80A及び長片94Aによって光路αが遮られていない場合を指す。
【0061】
ステップ252で、CPU102は、昇降用モータ64及びソレノイド134の各々をオンし、その後、ステップ254へ移行する。
【0062】
ステップ254で、CPU102は、リフトアップ中(積載台56が上昇中)であることを示すリフトアップ中情報(例えば、リフトアップ中であることを示すメッセージや画像)を表示部116に対して表示させ、その後、ステップ256へ移行する。リフトアップ中の場合とは、例えば、
図12に示すように、ステップ252の処理が実行されることにより送出ロール70がロール特定位置に押し下げられた場合を指す。
【0063】
ステップ256は、CPU102は、透過型センサ96がオフか否かを判定する。ステップ256において、透過型センサ96がオンの場合は、判定が否定されて、ステップ258へ移行する。ステップ256において、透過型センサ96がオフの場合は、判定が肯定されて、ステップ262へ移行する。本ステップ256において判定が肯定される場合とは、一例として
図12に示すように、支持状態であると共に送出ロール70が積載台56により用紙Pを介して引き上げられることにより突片80A及び長片94Aによって光路αが遮られていない場合を指す。
【0064】
ステップ258で、CPU102は、ステップ254の処理を実行してから予め定められた時間(例えば、3秒)が経過したか否かを判定する。ステップ258において、ステップ254の処理を実行してから予め定められた時間が経過していない場合は、判定が否定されて、ステップ256へ移行する。ステップ258において、ステップ254の処理を実行してから予め定められた時間が経過した場合は、判定が肯定されて、ステップ260へ移行する。
【0065】
ステップ260で、CPU102は、エラー処理を実行し、その後、本給紙準備処理を終了する。本ステップ260において、エラー処理とは、例えば、本給紙準備処理が正常に実行されなかったことを示す情報(例えば、メッセージや画像)を表示部116に対して表示させる処理を指す。
【0066】
ステップ262で、CPU102は、昇降用モータ64及びソレノイド134をオフし、その後、ステップ264へ移行する。本ステップ262の処理が実行されることによりソレノイド134がオフされると、一例として
図12に示すように、リターンスプリング81によって送出ロール70がロール待機位置に引き上げられる。
【0067】
ステップ264で、CPU102は、給紙処理の準備が完了したことを示す準備完了フラグをオンし、その後、ステップ266へ移行する。
【0068】
ステップ266で、CPU102は、給紙処理の準備が完了したことを示す準備完了情報(例えば、給紙処理の準備が完了したことを示すメッセージや画像)を表示部116に対して表示させ、その後、本給紙準備処理を終了する。なお、給紙処理の準備が完了した場合とは、例えば、
図12に示すように、ステップ262が実行されることにより支持状態とされ、かつ、送出ロール70がロール待機位置に引き上げられた場合を指す。
【0069】
図9に戻って、ステップ206で、CPU102は、一例として
図11に示す給紙処理を実行し、その後、ステップ208へ移行する。
【0070】
ここで、
図11を参照して給紙処理について説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、給紙用モータ130をオンするとは、一例として
図13に示すように、給紙用モータ130に対して励磁用電圧の印加動作が開始されることを指す。給紙用モータ130に対するパルス電圧の印加動作は、一例として
図13に示すように、給紙用モータ130に対する励磁用電圧の印加動作の開始から遅延して開始される。また、本第1実施形態では、説明の便宜上、給紙用モータ130をオフするとは、一例として
図13に示すように、パルス電圧の印加停止動作が開始されることを意味する。給紙用モータ130に対する励磁用電圧の印加停止動作は、一例として
図13に示すように、パルス電圧の印加停止動作が開始されてから遅延して開始される。
【0071】
図11に示す給紙処理では、先ず、ステップ300で、CPU102は、給紙用モータ130及びソレノイド134をオンし、その後、ステップ302へ移行する。
【0072】
ステップ302で、CPU102は、透過型センサ96がオンか否かを判定する。ステップ302において、一例として
図13に示すように透過型センサ96がオフの場合は、判定が否定されて、ステップ304へ移行する。ステップ302において、一例として
図15に示すように透過型センサ96がオンの場合は、判定が肯定されてステップ312へ移行する。
【0073】
本ステップ302において判定が肯定された場合、CPU102は、支持状態であると共に送出ロール70がロール特定位置に達していることを示す情報(例えば、メッセージや画像)を表示部116に対して表示させるようにしてもよい。また、この場合、CPU102は、支持状態であると共に送出ロール70がロール特定位置に達していることを示すフラグをオンするようにしてもよい。
【0074】
本ステップ302において判定が否定される場合とは、一例として
図14に示すように、支持状態であると共に送出ロール70がロール特定位置に達していないことにより突片80A及び長片94Aによって光路αが遮られていない場合を指す。なお、この場合、CPU102は、支持状態であると共に送出ロール70がロール特定位置に達していないことを示す情報(例えば、メッセージや画像)を表示部116に対して表示させるようにしてもよい。また、この場合、CPU102は、支持状態であると共に送出ロール70がロール特定位置に達していないことを示すフラグをオンするようにしてもよい。
【0075】
本ステップ302において判定が肯定される場合とは、一例として
図16に示すように、支持状態で送出ロール70がロール特定位置に達していることにより突片80Aによって光路αが遮られた場合を指す。
【0076】
なお、この場合、光路αは既に突片90Aによって遮られているため(突片80Aが検知されているため)、仮に光路α及び突片80Aに重なる領域(以下、「重複領域」という)に長片94Aがあったとしても、この時点で問題はない。しかし、支持状態で送出ロール70がロール特定位置からロール待機位置に引き上げられた場合、重複領域と重なる位置に長片94Aがあると、支持状態であるにも拘わらず光路αが長片94Aによって遮られる(長片94Aが検知される)ことになる。そこで、本第1実施形態では、支持状態で送出ロール70がロール特定位置からロール待機位置に引き上げられた場合に長片94Aが検知されることを回避すべく、軸受け77が上下方向(鉛直方向)に沿って長溝状に形成されている。支軸92は、最上位用紙Pの位置に応じて自重で軸受け77内を上下方向に変位(摺動)する。ここで、支軸92が軸受け77の下端で下げ止まった状態で短片94Bが最上位用紙Pによって支持された場合、長片94Aは重複領域にない。従って、後述のステップ320の処理が実行される前に、支持状態で送出ロール70がロール特定位置からロール待機位置に引き上げられたとしても(ステップ314参照)、光路αは長片94Aによって遮られない。
【0077】
このように軸受け77内で支軸92を変位させる方法はあくまでも一例であり、これ以外の方法を用いて長片94Aが検知されることを回避するようにしてもよいことは言うまでもない。例えば、支持状態で送出ロール70がロール特定位置からロール待機位置に引き上げられた場合に長片94Aが検知されることを回避するように回転部材90、突片90A、及び透過型フォトセンサ96を設計するようにしてもよい。
【0078】
ステップ304で、CPU102は、第1位置センサ136の検知結果に基づいて用紙Pの先端が第1位置を通過したか否かを判定する。ステップ304において、用紙Pの先端が第1位置を通過した場合(
図13に示す例では、第1位置センサ136がオンの場合)は、判定が肯定されて、ステップ306へ移行する。ステップ304において、用紙Pの先端が第1位置を通過していない場合(
図13に示す例では、第1位置センサ136がオフの場合)は、判定が否定されて、ステップ304の判定を再び行う。
【0079】
ステップ306で、CPU102は、ソレノイド134をオフし、その後、ステップ308へ移行する。本ステップ306の処理が実行されることによりソレノイド134がオフされると、一例として
図14に示すように、リターンスプリング81によって送出ロール70がロール待機位置に引き上げられる。
【0080】
ステップ308で、CPU102は、第2位置センサ138の検知結果に基づいて用紙Pの先端が第2位置を通過したか否かを判定する。ステップ308において、用紙Pの先端が第2位置を通過した場合(
図13に示す例では、第2位置センサ138がオンの場合)は、判定が肯定されて、ステップ310へ移行する。ステップ308において、用紙Pの先端が第2位置を通過していない場合(
図13に示す例では、第2位置センサ138がオフの場合)は、判定が否定されて、ステップ308の判定を再び行う。
【0081】
ステップ306で、CPU102は、給紙用モータ130をオフし、その後、ステップ326へ移行する。
【0082】
ステップ312〜ステップ318で、CPU102は、ステップ304〜ステップ310の処理に相当する処理を実行し、その後、ステップ320へ移行する。
【0083】
ステップ320で、CPU102は、一例として
図15に示すように昇降用モータ64をオンし、その後、ステップ324へ移行する。本ステップ320において昇降用モータ64がオンされると、一例として
図16に示すように積載台56が上昇する。
【0084】
ステップ324で、CPU102は、昇降用モータ64をオフする条件(モータオフ条件)を満たしたか否かを判定する。モータオフ条件とは、例えば、積載台56が予め定められた上昇量(例えば、最上位用紙Pの位置と用紙取込位置との高低差が解消される上昇量)だけ上昇したとの条件を指す。なお、積載台56が予め定められた上昇量だけ上昇したか否かの判定は、例えば、ステップ322の処理を実行してからの経過時間に基づいて行われる。
【0085】
ステップ324において、モータオフ条件を満たした場合は、判定が肯定されて、ステップ325へ移行する。ステップ324において、モータオフ条件を満たしていない場合は、判定が否定されて、ステップ324の判定を再び行う。
【0086】
ステップ325で、CPU102は、一例として
図15に示すように昇降用モータ64をオフし、その後、ステップ326へ移行する。
【0087】
ステップ326で、CPU102は、透過型センサ96がオンか否かを判定する。ステップ326において、一例として
図13及び
図15に示すように透過型センサ96がオフの場合は、判定が否定されて、ステップ330へ移行する。ステップ326において、一例として
図17に示すように透過型センサ96がオンの場合は、判定が肯定されて、ステップ328へ移行する。本ステップ326において判定が肯定される場合とは、一例として
図18に示すように、送出ロール70がリターンスプリング81によりロール待機位置に引き上げられ、かつ、支持状態が解除されることで、長片94Aにより光路αが遮られる場合を指す。
【0088】
ステップ328で、CPU102は、積載台56上に用紙Pが無くなったことを示す用紙切れ情報(例えば、積載台56上に用紙Pが無くなったことを示すメッセージや画像)を表示部116に対して表示させ、その後、本給紙処理を終了する。
【0089】
ステップ330で、CPU102は、給紙部14に対して給紙を続行させるか否かを判定する。給紙部14に対して給紙を続行させるか否かの判定は、例えば、用紙Pに対して形成すべき画像があるか否かにより行われる。ステップ330において、給紙部14に対して給紙を続行させる場合は、判定が肯定されて、ステップ300へ移行する。ステップ330において、給紙部14に対して給紙を続行させない場合は、判定が否定されて、本給紙処理を終了する。
【0090】
図9に戻って、ステップ208で、CPU102は、給紙部管理処理を終了する条件(終了条件)を満たしたか否かを判定する。本ステップ208の終了条件の一例としては、給紙部管理処理を終了する指示が受付部114によって受け付けられたとの条件が挙げられる。また、この他にも、電源がオンされてから給紙準備処理及び給紙処理の何れも実行されることなく予め定められた時間(例えば、30分)経過したとの条件が挙げられる。ステップ208において、終了条件を満たしていない場合は、判定が否定されて、ステップ200へ移行する。ステップ208において、終了条件を満たした場合は、判定が肯定されて、本給紙部管理処理を終了する。
【0091】
以上説明したように、画像形成装置10では、送出ロール70がロール特定位置に到達した場合に突片80Aにより光路αが遮られ、支持状態が解除された場合に回転部材90により光路αが遮られるように透過型センサ96が配置されている。これにより、支持アーム80の位置を検知するセンサと用紙Pの有無を検知するセンサとを個別に有する場合に比べ、送出ロール70の位置の特定及び用紙Pの有無の検知に資する構成が簡素化される。
【0092】
また、画像形成装置10は、支持状態が解除された場合に自重で変位することで光路αを遮る回転部材90を有している。これにより、支持状態が解除された場合に自重で変位しない部材を用いて光路αを遮る場合に比べ、支持状態が解除された場合に光路αを遮る構成が簡素化される。
【0093】
また、画像形成装置10では、特定位置が、用紙取込位置とのずれ量が予め定められたずれ量以上となる位置でない場合に比べ、支持アーム80が用紙取込位置から予め定められたずれ量以上ずれていることが簡易な構成で検知される。
【0094】
また、画像形成装置10では、透過型センサ96による検知結果に基づいてCPU102により昇降用モータ64が制御される(ステップ252,262,320,325)。これにより、透過型センサ96を有しない場合に比べ、積載台56の位置が高精度に調整される。
【0095】
また、画像形成装置10では、透過型センサ96による検知結果に基づいて積載台56上の用紙Pの有無が報知される(ステップ266,328)。これにより、透過型センサ96を有しない場合に比べ、積載台56上の用紙Pの有無が高精度に把握される。
【0096】
更に、画像形成装置10では、ソレノイド134の駆動状態、及び透過型センサ96による検知結果に基づいて昇降用モータ64が制御される(ステップ252,262,320,325)。これにより、ソレノイド134の駆動状態、及び透過型センサ96による検知結果に基づいて昇降用モータ64を制御する構成を有しない場合に比べ、送出ロール70と積載台56との位置関係が高精度に調整される。
【0097】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、送出ロール70がロール特定位置にある場合に透過型センサ96がオンされる場合を例示したが、本第2実施形態では、送出ロール70がロール特定位置にある場合に透過型センサ96がオフされる場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0098】
一例として
図19に示すように、本第2実施形態に係る画像形成装置10Aは、上記第1実施形態で説明した位置検知装置79に代えて位置検知装置349を有する点が異なる。位置検知装置349は、位置検知装置79に比べ、突片80Aに代えて突片350を有する点、及び回転部材90に代えて摺動部材352を有する点が異なる。突片350は、開口354を有する。開口354は、送出ロール70の軸方向に沿って突片350を貫通する長方形状の開口である。
【0099】
摺動部材352は、開口354の大きさ及び形状に対応した大きさ及び形状に形成されている。摺動部材352には溝352Aが形成されており、突片350における開口354の外周に形成されたレール356に溝352Aが嵌め込まれることで、摺動部材352が突片350に摺動自在に取り付けられる。摺動部材352は、突片350のレール356上で摺動することにより開口354を開閉する。摺動部材356は、積載台56に積載された用紙Pを介して貫通穴56A上に配置されており、用紙Pによって支持されている。なお、本第2実施形態では、摺動部材356が最上位用紙Pによって支持された状態を「支持状態」と称する。
【0100】
本第2実施形態では、送出ロール70がロール特定位置にある場合、光路αは突片350の上方に位置し、突片350及び摺動部材352によって遮られない。また、送出ロール70がロール特定位置に達する前(ロール待機位置からロール特定位置に至るまでの途中の区間)では、光路αは突片350又は摺動部材352によって遮られる。また、送出ロール70がロール待機位置にあり、かつ、支持状態が解除された場合、摺動部材352が突片350から離脱することで開口354が全開放され、これにより、光路αは、開口354を貫通し、突片350及び摺動部材352によって遮られない。
【0101】
なお、本第2実施形態では、説明の便宜上、送出ロール70がロール待機位置にあり、かつ、支持状態が解除された場合、摺動部材352が突片350から離脱する場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、送出ロール70がロール待機位置にあり、かつ、支持状態が解除された場合、レール356のストッパ(図示省略)によって摺動部材352が突片350から離脱することを阻止するようにしてもよい。
【0102】
一例として
図8に示すように、本第2実施形態に係る画像形成装置10Aは、上記第1実施形態で説明した画像形成装置10に比べ、給紙部管理プログラム110に代えて給紙部管理プログラム110Aが二次記憶部106に記憶されている点が異なる。
【0103】
次に、電源がオンされた場合にCPU102が給紙部管理プログラム110Aを実行することにより画像形成装置10Aによって行われる本第2実施形態に係る給紙部管理処理について
図9を参照して説明する。
図9に示す本第2実施形態に係る給紙部管理処理は、上記第1実施形態で説明した給紙部管理処理に比べ、ステップ204に代えてステップ400を有する点、及びステップ206に代えてステップ402を有する点が異なる。そのため、以下では、上記第1実施形態で説明した給紙部管理処理に含まれる処理と同一の処理については同一のステップ番号を付してその説明を省略し、上記第1実施形態で説明した給紙部管理処理と異なる点を説明する。
【0104】
図9に示す本第2実施形態に係る給紙部管理処理では、ステップ400で、CPU102は、一例として
図20に示す給紙準備処理を実行し、その後、ステップ208へ移行する。
【0105】
ここで、
図20を参照して給紙準備処理について説明する。
図20に示す給紙準備処理は、
図10に示す給紙準備処理に比べ、ステップ250に代えてステップ450を有する点、及びステップ256に代えてステップ452を有する点が異なる。そのため、以下では、
図10に示す給紙準備処理に含まれる処理と同一の処理については同一のステップ番号を付してその説明を省略し、
図10に示す給紙準備処理と異なる点を説明する。
【0106】
図20に示す給紙準備処理では、ステップ450で、CPU102は、透過型センサ96がオフか否かを判定する。ステップ450において、透過型センサ96がオフの場合は、判定が肯定されて、ステップ252へ移行する。ステップ450において、透過型センサ96がオンの場合は、判定が否定されて、ステップ260へ移行する。本ステップ450において判定が肯定される場合とは、一例として
図19に示すように、突片350及び摺動部材352によって光路αが遮られていない場合を指す。本ステップ450において判定が否定される場合とは、突片350又は摺動部材352によって光路αが遮られている場合を指す。
【0107】
ステップ452で、CPU102は、透過型センサ96がオンか否かを判定する。ステップ452において、透過型センサ96がオンの場合は、判定が肯定されて、ステップ262へ移行する。ステップ452において、透過型センサ96がオフの場合は、判定が否定されて、ステップ258へ移行する。本ステップ452において判定が肯定される場合とは、一例として
図19に示すように、支持状態であると共に送出ロール70が積載台56により用紙Pを介してロール特定位置に引き上げられることにより摺動部材352によって光路αが遮られた場合を指す。
【0108】
なお、本第2実施形態において、ステップ262の処理が実行されることによりソレノイド134がオフされると、一例として
図19に示すように、リターンスプリング81によって送出ロール70がロール待機位置に引き上げられる。そして、光路αは、摺動部材352によって引き続き遮られる。
【0109】
図9に戻って、ステップ402で、CPU102は、一例として
図21に示す給紙処理を実行し、その後、ステップ208へ移行する。
【0110】
ここで、
図21を参照して給紙処理について説明する。
図21に示す給紙処理は、
図11に示す給紙準備処理に比べ、ステップ302に代えてステップ500を有する点、及びステップ324に代えてステップ502を有する点が異なる。そのため、以下では、
図11に示す給紙処理に含まれる処理と同一の処理については同一のステップ番号を付してその説明を省略し、
図11に示す給紙処理と異なる点を説明する。
【0111】
図21に示す給紙処理では、ステップ500で、CPU102は、透過型センサ96がオンか否かを判定する。ステップ500において、一例として
図22に示すように透過型センサ96がオンの場合は、判定が肯定されて、ステップ304へ移行する。ステップ500において、一例として
図24に示すように透過型センサ96がオフの場合は、判定が否定されて、ステップ312へ移行する。
【0112】
本ステップ500において判定が肯定される場合とは、一例として
図23に示すように、支持状態であると共に送出ロール70がロール特定位置に達していないことにより摺動部材352によって光路αが遮られた場合を指す。本ステップ500において判定が否定される場合とは、一例として
図25に示すように、支持状態であると共に送出ロール70がロール特定位置に達していることにより、突片350によっても摺動部材352によっても光路αが遮られていない場合を指す。
【0113】
なお、本第2実施形態において、ステップ306の処理が実行されることによりソレノイド134がオフされると、一例として
図23に示すように、リターンスプリング81によって送出ロール70がロール待機位置に引き上げられる。そして、光路αは、摺動部材352によって引き続き遮られる。
【0114】
また、本第2実施形態において、ステップ314の処理が実行されることによりソレノイド134がオフされると、リターンスプリング81によって送出ロール70がロール待機位置に引き上げられる。そして、ステップ320の処理が実行されることにより昇降用モータ64がオンされると、一例として
図25に示すように、積載台56が上昇し、光路αは、摺動部材352によって遮られる。
【0115】
ステップ502で、CPU102は、透過型センサ96がオンか否かを判定する。ステップ502において、一例として
図22及び
図24に示すように透過型センサ96がオンの場合は、判定が肯定されて、ステップ330へ移行する。ステップ502において、一例として
図26に示すように透過型センサ96がオフの場合は、判定が否定されて、ステップ328へ移行する。本ステップ502において、判定が否定される場合とは、一例として
図27に示すように、送出ロール70がリターンスプリング81によりロール待機位置に引き上げられ、かつ、支持状態が解除される場合を指す。この場合、摺動部材352が突片350から離脱することで(例えば、摺動部材352が貫通穴56Aを介して落下することで)、光路αは、突片350によっても摺動部材352によっても遮られない(光路αが開口354を貫通する)。
【0116】
以上説明したように、画像形成装置10Aでは、送出ロール70がロール特定位置に到達した場合及び支持状態が解除された場合に突片350及び摺動部材352による光路αの遮断状態が解除される。これにより、送出ロール70の位置を検知するセンサと用紙Pの有無を検知するセンサとを個別に有する場合に比べ、送出ロール70の位置の特定及び用紙Pの有無の検知に資する構成が簡素化される。
【0117】
また、画像形成装置10Aでは、送出ロール70がロール待機位置にあり、かつ、用紙Pが無くなった場合に摺動部材352が自重で摺動することで突片350及び摺動部材352による光路αの遮断状態が解除される。これにより、突片350及び摺動部材352を有しない場合に比べ、簡易な構成で光路αの遮断状態が解除される。
【0118】
更に、画像形成装置10Aでは、用紙Pが無くなった場合に摺動部材352の摺動に伴って開口354の遮蔽状態が解除される。これにより、摺動部材352の摺動によって開閉される開口354を有しない場合に比べ、簡易な構成で光路αの遮断状態が解除される。
【0119】
なお、上記各実施形態では、位置検知装置79(349)を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
図28に示すように、位置検知装置599を適用するようにしてもよい。一例として
図28に示すように、位置検知装置599は、回転部材602、支持アーム606、及び透過型センサ608を備えている。また、
図28に示す例では、上記各実施形態で説明した送出ロール70に代えて送出ロール604が示されている。
【0120】
送出ロール604は、支持アーム606に回転自在に軸支されている。送出ロール604の回転軸604Aには連動ギア604Bが設けられており、連動ギア604Aは、外部から受けた駆動力を回転軸604Aに伝達することで、送出ロール604を回転させる。
【0121】
支持アーム606はソレノイド134に接続されており、送出ロール604は、ソレノイド134がオンされると、支持アーム606によって押し下げられ、ソレノイド134がオフされると、リターンスプリング81によりロール待機位置まで引き上げられる。支持アーム606は、屈曲部606Aを有する。屈曲部606Aは支持片606A
1と屈曲片606A
2とを有する。支持片606A
1は、支持アーム606における回転軸604Aの一端部を支持する側壁の上面から上方に突出している。屈曲片606A
2は、L字状に屈曲しており、先端部が透過型センサ608の筐体608Aに移動自在に挿入されている。
【0122】
回転部材602は、回転軸602A、第1アーム602B、及び第2アーム602Cを有する。一例として
図29に示すように、回転軸602Aは、給紙方向に相当する方向を軸方向としてフレーム78に回転自在に軸支されており、回転軸602Aには第1アーム602Bの基端部及び第2アーム602Cの基端部が固定されている。第1アーム602Bは、L字状に屈曲している。第1アーム602Bの先端部は、透過型センサ608の筐体608Aに挿入されており、回転部材602の回転に応じて筐体608A内で移動する。
【0123】
第2アーム602Cは、送出ロール606から離間する方向に突出している。第2アーム602Cの先端部は、球状に形成されており、用紙Pに接触する。第2アーム602Cは第1アーム602Bよりも重いため、第2アーム602Cが用紙Pによって支持された状態が解除されると、回転部材602は、第1アーム602bと第2アーム602Cとの重みの差で回転する。筐体608Aの下面にはストッパ610が設けられており、回転部材602の回転は、第1アーム602Bがストッパ610に接触することによって止められる。
【0124】
透過型センサ608は、透過型の光学式センサであり、筐体610内に照射部608A及び受光部608Bを有し、照射部608Aから受光部608Bへ照射された光の光路βが送出ロール604の軸方向に形成されるように配置されている。
【0125】
一例として
図29及び
図30に示すように、光路βは、ソレノイド134がオンされた場合、支持片606A
1によって遮られる。また、一例として
図31に示すように、光路βは、ソレノイド134がオフされた場合、支持片606A
1によって遮られない。また、一例として
図30及び
図31に示すように、光路βは、第2アーム602Cの先端部が用紙Pによって支持された場合、第1アーム602Bによって遮られない。また、一例として
図29に示すように、光路βは、第2アーム602Cの先端部が用紙Pによって支持された状態が解除された場合、第2アーム602Cによって遮られる。
【0126】
なお、光路βが屈曲片606A
2及び第1アーム602Bによって遮られる状態(
図29参照)は、
図10に示すステップ250で判定が肯定された場合の突片80A及び回転部材90によって光路αが遮られる状態(
図12参照)に相当する。また、光路βが屈曲片606A
2のみによって遮られる状態(
図30)は、
図11に示すステップ302で判定が肯定された場合の突片80Aのみによって光路αが遮られる状態(
図16参照)に相当する。更に、光路βが屈曲片606A
2及び第1アーム602Bによって遮られない状態(
図31参照)は、ステップ320の処理が実行されることで光路αが突片80A及び回転部材90によって遮られない状態(
図16参照)に相当する。
【0127】
また、上記各実施形態では、透過型センサ96を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、透過型センサ96に代えて、照射部により光が照射された際の反射光を受光することによりオンされる反射型センサを用いてもよい。
【0128】
また、上記各実施形態では、送出ロール70を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、用紙Pを給紙方向に送出するラバー付きのスライド部材であってもよい。
【0129】
また、上記の給紙部管理処理の流れ(
図9参照)、上記の給紙準備処理の流れ(
図10及び
図20)、並びに上記の給紙処理の流れ(
図11及び
図21)はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、給紙部管理処理、給紙準備処理、及び給紙処理は、ASICやプログラマブルロジックデバイス等のハードウェア構成で実現されてもよい。また、給紙部管理処理、給紙準備処理、及び給紙処理に含まれる各処理ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現してもよい。