(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記繋反射面は、入射した光を前記出射面側に反射させかつ前記出射面から繋配光パターンとして、前記主反射面で反射されかつ前記出射面から出射される主配光パターンと、前記副反射面で反射されかつ前記出射面から出射される副配光パターンとの間に出射させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用導光部材。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態(実施例)の2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。
【0014】
図面において、符号「F」は、車両の前側(車両の前進方向側)を示す。符号「B」は、車両の後側を示す。符号「U」は、ドライバー側から前側を見た上側を示す。符号「D」は、ドライバー側から前側を見た下側を示す。符号「L」は、ドライバー側から前側を見た場合の左側を示す。符号「R」は、ドライバー側から前側を見た場合の右側を示す。符号「I」は、車両の内側を示す。符号「O」は、車両の外側を示す。また、
図3、
図5、
図6において、車両用導光部材のハッチングを省略する。さらに、光は、図中の実線矢印および破線矢印にて示す。
図4、
図7において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示し、符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。
【0015】
(実施形態1の構成の説明)
図1〜
図5は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態1を示す。以下、この実施形態1にかかる車両用導光部材、車両用灯具の構成について説明する。
図1中、符号1は、この実施形態1にかかる車両用灯具である。前記車両用灯具1は、たとえば、車両用前照灯やヘッドランプなどのフロントコンビネーションランプのクリアランスランプやターンシグナルランプやデイタイムランニングランプである。
【0016】
前記車両用灯具1は、車両(図示せず)の前部の左右両側L、Rに搭載されている。車両の前部の意匠面は、車両の前方に向かって(車両の後側Bから前側Fに向かって)、上下方向(車両の上側Uから下側D)および左右方向(車両の外側Oから内側I)に向かって傾斜している。
【0017】
車両の右側Rに搭載される右側の車両用灯具1において、車両外側Oは右側Rであり、車両内側Iは左側Lである。一方、車両の左側Lに搭載される左側の車両用灯具において、車両外側Oは左側Lであり、車両内側Iは右側Rである。
【0018】
以下、車両の右側Rに搭載される右側の車両用灯具1について説明する。なお、車両の左側Lに搭載される左側の車両用灯具は、右側の車両用灯具1と左右逆でその他がほぼ同様の構成をなすので、説明を省略する。
【0019】
(車両用灯具1の説明)
前記車両用灯具1は、
図1、
図2に示すように、1個の光源としての半導体型光源2と、1個(1本)のこの実施形態1にかかる車両用導光部材としての導光部材3と、その他のランプユニットとしてのロービーム用ヘッドランプ4およびハイビーム用ヘッドランプ5と、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(たとえば、素通しのアウターカバー、アウターレンズなど)6と、インナーパネル(インナーハウジング)7と、を備えるものである。
【0020】
前記半導体型光源2および前記導光部材3は、クリアランスランプやターンシグナルランプやデイタイムランニングランプを構成する。前記半導体型光源2および前記導光部材3および前記ロービーム用ヘッドランプ4および前記ハイビーム用ヘッドランプ5および前記インナーパネル7は、前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズ6により区画されている灯室(図示せず)内に配置されている。前記半導体型光源2および前記導光部材3の一部は、前記インナーパネル7により、前記ランプレンズ6から見て覆い隠されている。なお、
図1、
図2に示すように、前記導光部材3の大部分および前記ロービーム用ヘッドランプ4および前記ハイビーム用ヘッドランプ5および前記インナーパネル7は、前記ランプレンズ6を通して見える。
【0021】
なお、前記灯室内には、前記クリアランスランプやターンシグナルやデイタイムランニングランプとしての前記半導体型光源2および前記導光部材3と、前記他のランプユニットとしての前記ロービーム用ヘッドランプ4および前記ハイビーム用ヘッドランプ5以外に、フォグランプ、コーナリングランプなどの他のランプユニット(図示せず)が配置されている場合がある。
【0022】
(半導体型光源2の説明)
前記半導体型光源2は、
図2に示すように、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記半導体型光源2は、発光部20と、基板21と、から構成されている。前記半導体型光源2は、前記灯室内の車両の外側O(右側R)でかつ後側Bでかつ上側Uの箇所に配置されている。前記半導体型光源2は、前記ランプハウジングに直接もしくは他の部材(図示せず)を介して取り付けられている。
【0023】
(導光部材3の説明)
前記導光部材3は、前記半導体型光源2からの光を、内部での全反射(内面反射)を利用して、入射面30から出射面31に導く部材である。前記導光部材3は、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの透明樹脂材から構成されている。前記導光部材3は、一端から他端にかけて同等もしくはほぼ同等の断面円形の円柱形状すなわち丸棒形状をなす。前記導光部材3の直径は、この例では、約6〜8mmである。
【0024】
前記導光部材3の光を導く方向すなわち導光方向は、断面円形の円柱形状をなす前記導光部材3の中心線(中心軸線)方向である。
【0025】
前記導光部材3は、
図1、
図2に示すように、車両の前部の意匠面および前記ランプレンズ6の意匠面に沿って、一端部側の垂直部3Vと、他端部側の水平部3Hとからなる。すなわち、前記導光部材3は、正面視および側面視、L字形状をなす。前記導光部材3の前記垂直部3Vは、前記灯室内の車両の外側O(右側R)の辺に沿って配置されていて、前記導光部材3の前記水平部3Hは、前記灯室内の下側Dの辺に沿って配置されている。
【0026】
前記導光部材3は、
図2に示すように、側面視(右側面視)において、前記灯室内の車両の後側Bから前側Fに向かって車両の上側Uから下側Dに向かって傾斜して配置されている。前記導光部材3は、前記ランプハウジングに直接もしくは他の部材(図示せず)を介して取り付けられている。たとえば、前記導光部材3に一体に設けられている取付片(図示せず)が前記ランプハウジングに直接もしくは他の部材(図示せず)を介して取り付けられている。
【0027】
前記導光部材3は、内部での全反射を利用して光を導くものである。前記導光部材3は、一端面の前記入射面30と、前記出射面31と、他端面33と、主反射面34を有する主反射部35と、副反射面36を有する副反射部37と、繋反射面38を有する繋部39と、を備えるものである。
【0028】
(入射面30の説明)
前記入射面30は、前記導光部材3の一端面に設けられている。前記入射面30は、前記半導体型光源2の前記発光部20に対向する。前記入射面30の中心と前記発光部20の中心とは、一致もしくはほぼ一致する。前記入射面30は、平面もしくは曲面もしくは平面および曲面の組み合わせからなる。前記入射面30は、前記発光部20から放射される光を前記導光部材3中に入射させるものである。前記入射面30および前記半導体型光源2は、
図2に示すように、車両の外側O(右側R)でかつ上側Uに配置されている。
【0029】
(出射面31の説明)
前記出射面31は、前記導光部材3の前側Fの一側面(すなわち、正面)から右側Rの一側面にかけて設けられている。前記出射面31は、前記ランプレンズ6に対向する。前記出射面31は、前記導光部材3の断面円形形状の円弧面からなる。前記出射面31は、前記入射面30から前記導光部材3中に入射した入射光L1を出射光L2、L3、L4として前記導光部材3中から外部に出射させるものである。
【0030】
(主反射面34および主反射部35の説明)
前記主反射面34および前記主反射部35は、前記導光部材3の後側Bの一側面(すなわち、背面)に設けられている。前記主反射面34は、前記入射面30から前記導光部材3中に入射した前記入射光L1の一部を、反射光L5(
図3中実線矢印を参照)として前記出射面31側であって前記出射面31の前側F(すなわち、正面側)に反射させる。かつ、前記主反射面34は、前記出射面31から前記出射光L2(
図3中実線矢印を参照)すなわち主配光パターンP1として出射させるものである。
【0031】
前記主反射面34は、断面(前記導光部材3の導光方向に対して直交もしくはほぼ直交する方向に切断した断面)形状が直線の面をなすので、
図3中の実線矢印に示すように、前記反射光L5は、ほぼ平行光である。前記出射面31は、断面形状が円弧の面をなすので、
図3中の実線矢印に示すように、前記出射光L2は、拡散光である。前記主配光パターンP1は、
図4に示すように、スクリーンの上下の垂直線VU−VDと左右の水平線HL−HRとの交点の中央部に照射される。
【0032】
前記主反射面34は、
図3、
図5に示すように、前記導光部材3の一端面から前記他端面33にかけて、導光方向に多数個連続して設けられている。前記主反射面34は、前記導光部材3の前記入射面30側の一端部であって、前記インナーパネル7により覆い隠されている部分には、設けられていない。前記主反射面34の幅は、この例では、約2mmである。
【0033】
前記主反射面34と前記主反射面34との間には、平面(もしくは曲面)の段差面が介在されている。すなわち、前記主反射面34は、前記段差面を介して多数個連続して設けられている。1個の前記主反射面34と1個の段差面とで1個のプリズムすなわち1個の前記主反射部35を形成する。
【0034】
(副反射面36および副反射部37の説明)
前記副反射面36および前記副反射部37は、前記導光部材3の後側Bのやや左側Lの一側面(すなわち、やや左側背面)に設けられている。前記副反射面36は、前記入射面30から前記導光部材3中に入射した前記入射光L1の一部を、反射光L6(
図3中実線矢印を参照)として前記出射面31側であって前記出射面31の前側Fのやや右側R(すなわち、正面やや右側)に反射させる。かつ、前記副反射面36は、前記出射面31から前記出射光L3(
図3中実線矢印を参照)すなわち副配光パターンP2として出射させるものである。
【0035】
前記副反射面36は、断面形状が直線の面をなすので、
図3中の実線矢印に示すように、前記反射光L6は、ほぼ平行光である。前記出射面31は、断面形状が円弧の面をなすので、
図3中の実線矢印に示すように、前記出射光L3は、拡散光である。前記副配光パターンP2は、
図4に示すように、スクリーンの上下の垂直線VU−VDに対して右側に照射される。
【0036】
前記副反射面36は、
図3、
図5に示すように、前記導光部材3の前記垂直部3Vの一部に、前記主反射面34と対応して、導光方向に多数個連続して設けられている。前記副反射面36の幅は、前記主反射面34の幅とほぼ同等もしくは若干狭い(小さい)。
【0037】
前記副反射面36と前記副反射面36との間には、平面(もしくは曲面)の段差面が介在されている。すなわち、前記副反射面36は、前記段差面を介して多数個連続して設けられている。1個の前記副反射面36と1個の段差面とで1個のプリズムすなわち1個の前記副反射部37を形成する。
【0038】
(繋反射面38および繋部39の説明)
前記繋反射面38および繋部39は、前記主反射面34および前記主反射部35と前記副反射面36および前記副反射部37との間に配置されている(設けられている)。前記繋反射面38は、前記入射面30から前記導光部材3中に入射した前記入射光L1の一部を、反射光L7(
図3中破線矢印を参照)として前記出射面31側に反射させ、かつ、前記出射面31から前記出射光L4(
図3中破線矢印を参照)すなわち繋配光パターンP3として前記主配光パターンP1と前記副配光パターンP2との間に出射させるものである。
【0039】
前記繋反射面38は、断面形状が円弧の面をなすので、
図3中の破線矢印に示すように、前記反射光L7は、拡散光である。前記出射面31は、断面形状が円弧の面をなすので、
図3中の破線矢印に示すように、前記出射光L4は、ほぼ平行光である。前記繋配光パターンP3は、
図4に示すように、前記主配光パターンP1と前記副配光パターンP2との間のスクリーンの上下の垂直線VU−VDに対してやや右側に照射される。
【0040】
前記繋反射面38は、
図3、
図5に示すように、前記導光部材3の前記垂直部3Vの一部に、前記主反射面34および前記副反射面36と対応して、導光方向に多数個連続して設けられている。前記繋反射面38の幅は、前記主反射面34と前記副反射面36との間の幅となる。
【0041】
前記繋反射面38と前記繋反射面38との間には、平面(もしくは曲面)の段差面が介在されている。すなわち、前記繋反射面38は、前記段差面を介して多数個連続して設けられている。1個の前記繋反射面38と1個の段差面とで1個のプリズムすなわち1個の前記繋部39を形成する。
【0042】
(ロービーム用ヘッドランプ4およびハイビーム用ヘッドランプ5の説明)
前記ロービーム用ヘッドランプ4は、前記ランプレンズ6から車両の前方にロービーム配光パターンを照射するものである。前記ハイビーム用ヘッドランプ5は、前記ランプレンズ6から車両の前方にハイビーム配光パターンを照射するものである。
【0043】
(ランプレンズ6の説明)
前記ランプレンズ6の意匠面は、車両の前部の意匠面に沿って、車両の後側Bから前側Fに向かって、車両の上側Uから下側Dおよび車両の外側Oから内側Iに向かって傾斜している。
【0044】
(インナーパネル7の説明)
前記インナーパネル7は、前記ランプハウジングに直接もしくは他の部材(図示せず)を介して取り付けられている。前記インナーパネル7は、前記半導体型光源2および前記導光部材3の一部すなわち前記入射面30側の一端部を、前記ランプレンズ6から見て覆い隠すものである。
【0045】
前記インナーパネル7には、前記導光部材3の前記入射面30側の一端部が挿通する挿通孔70が設けられている。前記インナーパネル7のうち前記導光部材3が位置する箇所には、収納溝部71が設けられている。前記収納溝部71中には、前記導光部材3が収納されている。前記収納溝部71の立壁を反射面とする。なお、前記反射面は、前記インナーパネル7の素材のままから形成されている。ここで、前記収納溝部71の立壁にアルミや銀などの金属塗装や金属蒸着を施すことにより、反射効率が高い反射面が得られるように構成しても良い。
【0046】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1にかかる導光部材3、車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0047】
半導体型光源2の発光部20を点灯する。すると、発光部20から放射された光は、導光部材3の入射面30から導光部材3中に入射する。導光部材3中に入射した入射光L1は、導光部材3中を、一端の入射面30から他端面33側に、全反射を繰り返しながら導かれる。
【0048】
導光部材3中を一端から他端に導かれる入射光L1の一部は、主反射面34で反射光L5として出射面31の正面側に反射される。その反射光L5は、出射光L2として出射面31の正面からランプレンズ6を透過して外部すなわち車両の前方(前側F)に出射される。これにより、導光部材3のライン状(
図1の正面視L字形状のライン状、および、
図2の側面視(右側面視)L字形状のライン状)の出射面31の正面が発光する。この出射光L2は、主配光パターンP1として車両の前方に出射される。
【0049】
また、導光部材3中を一端から他端に導かれる入射光L1の一部は、副反射面36で反射光L6として出射面31の正面やや右側Rに反射される。その反射光L6は、出射光L3として出射面31の正面やや右側Rからランプレンズ6を透過して外部すなわち車両の前方(前側F)やや右側Rに出射される。これにより、導光部材3の垂直部3Vの一部のライン状の出射面31の正面やや右側Rが発光する。この出射光L3は、副配光パターンP2として車両の前方に出射される。
【0050】
さらに、導光部材3中を一端から他端に導かれる入射光L1の一部は、繋反射面38で反射光L7として出射面31の正面からやや右側Rにかけて反射される。その反射光L7は、出射光L4として出射面31の正面からやや右側Rにかけてランプレンズ6を透過して外部すなわち車両の前方(前側F)からやや右側Rにかけて出射される。これにより、導光部材3の垂直部3Vの一部のライン状の出射面31の正面からやや右側Rにかけて発光する。この出射光L4は、繋配光パターンP3として車両の前方に、主配光パターンP1と副配光パターンP2との間に出射される。
【0051】
主配光パターンP1および副配光パターンP2および繋配光パターンP3は、この例では、クリアランスランプ配光パターンを形成する。クリアランスランプ配光パターンは、車両の外側O約80°、車両の内側I約40°車両の上下約15°の範囲を照明する。
【0052】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1にかかる導光部材3、車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0053】
この実施形態1にかかる導光部材3およびこの実施形態1にかかる車両用灯具1の導光部材3は、主反射部35と副反射部37との間に繋部39が設置されている。このために、主反射部35と副反射部37との間には、繋部39により隙間が生じるようなことがない。すなわち、
図3、
図5に示すように、主反射部35および主反射面34と繋部39および繋反射面38と副反射部37および副反射面36とは、段差がなく滑らかに一体に繋がっている。この結果、金型加工が簡単であり、かつ、成形時の樹脂材料の流れが良いなどの効果がある。
【0054】
特に、直径が数mmである導光部材3においては、凹凸を減らして形状を簡略化することにより、金型加工を容易にすることができる。かつ、成形時には、樹脂材料の流れをよくすることにより、不良品の発生率を低下させることができる。これにより、製造コストを安価にすることができる。
【0055】
この実施形態1にかかる導光部材3およびこの実施形態1にかかる車両用灯具1の導光部材3は、繋部39が入射光L1を出射面31側に反射させる繋反射面38を有するものである。このために、繋反射面38からの反射光L7であって出射面31からの出射光L4を有効に利用することにより、半導体型光源2からの光すなわち入射光L1を有効に利用することができる。
【0056】
この実施形態1にかかる導光部材3およびこの実施形態1にかかる車両用灯具1の導光部材3は、繋反射面38が、入射光L1を出射面31側に反射させかつ出射面31から繋配光パターンP3として、主反射面34で反射されかつ出射面31から出射される主配光パターンP1と、副反射面36で反射されかつ出射面31から出射される副配光パターンP2との間に出射させるものである。このために、繋配光パターンP3により、主配光パターンP1と副配光パターンP2との間に発生する暗部を解消することができるので、配光パターンを一体化することができる。この結果、点灯時の視認性が向上し、かつ、点灯時の見栄えも向上する。
【0057】
この実施形態1にかかる導光部材3およびこの実施形態1にかかる車両用灯具1の導光部材3は、少なくとも垂直部3Vを有し、副反射部37および副反射面36および繋部39および繋反射面38が、少なくとも垂直部3Vに設置されていて、副配光パターンP2および繋配光パターンP3が、車両の外側Oに出射される。このために、車両の外側Oの視認性が向上される。
【0058】
この実施形態1にかかる導光部材3およびこの実施形態1にかかる車両用灯具1の導光部材3は、インナーパネル7の収納溝部71の立壁を反射面とするものである。このために、収納溝部71中に収納されている導光部材3からの光(たとえば、漏れ光など)を反射面で反射させて、半導体型光源2からの光を有効に利用することができる。
【0059】
しかも、副反射面36を、その副反射面36からの反射光L6および出射光L3が収納溝部71の立壁の反射面に出射するように、設定し、かつ、収納溝部71の立壁の反射面を、副反射面36からの反射光L6および出射光L3が所定の配光パターンとして配光制御されるように、設定する。これにより、導光部材3の副反射面36からの反射光L6および出射光L3を所定の配光パターンとして配光制御することができる。この結果、導光部材3が収納溝部71中に隠れて収納されていても、所定の配光パターンを得ることができる。
【0060】
この実施形態1にかかる導光部材3およびこの実施形態1にかかる車両用灯具1の導光部材3は、出射光L2が出射面31の正面から出射し、かつ、出射光L3が出射面31の正面やや右側Rから出射する。これにより、導光部材3の出射範囲(
図3中において、出射光L2の左側の実線矢印と出射光L3の右側の実線矢印との間の範囲)を拡大することができる。
【0061】
(実施形態2の構成の説明)
図6、
図7は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態2を示す。以下、この実施形態2にかかる車両用導光部材としての導光部材300、車両用灯具の構成について説明する。図中、
図1〜
図5と同符号は、同一のものを示す。
【0062】
前記の実施形態1の導光部材3およびこの実施形態1にかかる車両用灯具1の導光部材3の副反射部37の副反射面36は、断面形状が直線の面をなし、繋部39の繋反射面38は、断面形状が円弧の面をなすものである。これに対して、この実施形態2にかかる導光部材300およびこの実施形態2にかかる車両用灯具の導光部材300の副反射部および繋部379の副反射面および繋反射面368は、断面形状が円弧の面をなすものである。
【0063】
(実施形態2の作用の説明)
以下、作用(光路)について
図6を参照して説明する。導光部材300中を導かれている入射光の一部は、主反射面34で出射面31側に反射される。その反射光L5は、出射面31から出射光L2として出射する。その出射光L2は、車両の前方に主配光パターンP1として照射される。
【0064】
また、導光部材300中を導かれている入射光の一部は、副反射面および繋反射面368で出射面31側に反射される。その反射光L8は、出射面31から出射光L9として出射する。その出射光L9は、車両の前方に副配光パターンP4として主配光パターンP1の右側に一部が重なるようにして照射される。主配光パターンP1および副配光パターンP4は、この例では、前記の例と同様に、クリアランスランプ配光パターンを形成する。
【0065】
(実施形態2の効果の説明)
この実施形態2にかかる導光部材300およびこの実施形態2にかかる車両用灯具の導光部材300は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施形態1にかかる導光部材3およびこの実施形態1にかかる車両用灯具1の導光部材3の効果とほぼ同等の効果を達成することができる。
【0066】
(実施形態1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1、2においては、フロントコンビネーションランプのクリアランスランプやターンシグナルランプやデイタイムランニングランプについて説明するものである。ところが、この発明においては、フロントコンビネーションランプのクリアランスランプやターンシグナルランプやデイタイムランニングランプ以外の車両用灯具、たとえば、リヤコンビネーションランプのターンシグナルランプやクリアランスランプやテールランプやストップランプなどにも適用することができる。
【0067】
また、前記の実施形態1、2においては、導光部材3、300が断面円形の円柱形状をなすものである。ところが、この発明においては、導光部材が断面三角形、断面四角形、断面多角形などの柱形状であっても良い。
【0068】
さらに、前記の実施形態1、2においては、導光部材3、300の直径が約6〜8mmであり、主反射面34の幅が約2mmであり、副反射面36の幅が主反射面34の幅とほぼ同等か若干狭い。ところが、この発明においては、導光部材の直径の寸法および主反射面の幅の寸法を特に限定しない。
【0069】
さらにまた、前記の実施形態1、2においては、導光部材3、300が正面視および側面視L字形状をなすものである。ところが、この発明においては、導光部材の形状を特に限定しない。すなわち、前記の実施形態1、2においては、導光部材3、300が垂直部3Vを有するものである。ところが、この発明においては、導光部材3、300が垂直部3Vを有しないものであっても良い。
【0070】
さらにまた、前記の実施形態1、2においては、導光部材3、300の垂直部3Vに副反射面36を有する副反射部37および繋反射面38を有する繋部39、副反射面および繋反射面368を有する副反射部および繋部379を設けるものである。ところが、この発明においては、導光部材3、300の水平部3Hに副反射面36を有する副反射部37および繋反射面38を有する繋部39、副反射面および繋反射面368を有する副反射部および繋部379を設けるものであっても良い。
【0071】
さらにまた、前記の実施形態1、2においては、導光部材3、300の垂直部3Vが車両の外側O(右側R)の辺に沿って配置されていて、導光部材3、300の水平部3Hが下側Dの辺に沿って配置されていて、導光部材3、300が側面視(右側面視)において車両の後側Bから前側Fに向かって車両の上側Uから下側Dに向かって傾斜して配置されているものである。ところが、この発明においては、導光部材の配置を特に限定しない。
【0072】
さらにまた、前記の実施形態1、2においては、灯室内にインナーレンズが設けられていない。ところが、この発明においては、灯室内のランプレンズ6と導光部材3、300との間にインナーレンズを配置しても良い。
【0073】
さらにまた、前記の実施形態1、2においては、ランプレンズ6が素通しのレンズから構成されているものである。ところが、この発明においては、ランプレンズに拡散系プリズムたとえば魚眼プリズムなどを設けても良い。
【0074】
さらにまた、前記の実施形態1、2においては、導光部材3、300の一端面の入射面30側に半導体型光源2を配置するものである。ところが、この発明においては、導光部材3、300の他端面33側にも半導体型光源2を配置しても良い。