特許第6361326号(P6361326)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6361326
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20180712BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   G07G1/00 331C
   G07G1/12 301G
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-135428(P2014-135428)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-14937(P2016-14937A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2017年5月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.平成26年5月27日,28日,2014ニューバランスフェア(場所:アクセスサッポロ)にて展示 2.平成26年6月3日,4日,2014ニューバランスフェア(場所:博多スターレーン2F)にて展示 3.平成26年6月17,18日,2014ニューバランスフェア(場所:ハービスOSAKA,B2F)にて展示 4.平成26年6月24,25日,2014ニューバランスフェア(場所:ウインクあいち)にて展示 5.平成26年4月1日〜6月27日,イオン店舗等にて展示(詳細は証明書を参照。)
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西野 賢一
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−108817(JP,A)
【文献】 特開2014−021915(JP,A)
【文献】 特許第3488220(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を撮像する撮像部と、
表示部と、
容器を記憶する記憶部と、
前記撮像部による画像データに基づいて前記容器を特定する特定情報を生成し、前記特定情報を前記記憶部に前記容器と関連付けて記憶する特定情報生成部と、
定情報表示制御部と、を有し、
前記特定情報生成部は、前記撮像部による画像データに基づいて前記特定情報の許容範囲を示す許容範囲情報を生成し、前記特定情報に前記許容範囲情報を関連付けて前記記憶部に記憶し、
前記特定情報表示制御部は、前記記憶部に記憶されている前記容器と前記許容範囲情報を前記表示部にグラフ表示する
ことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記特定情報表示制御部は、各容器に対応付けられた前記許容範囲情報に基づいて、各容器の許容範囲が重複した場合に、その旨を報知することを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記特定情報生成部は、前記容器を特定する特定情報、前記撮像部による容器の撮像位置に応じて前記許容範囲を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗などに来店した商品の購入者(顧客)が自ら操作するタイプのセルフ式計量装置が知られている。例えば、サラダなどの量り売り商品に対して、このようなセルフ式計量装置が使用されている。詳細には、顧客が商品をセルフ計量装置の商品載置部に載置し、計量が安定した場合、「ラベル発行ボタンを押して下さい」などと表示されたメッセージに従い、顧客がラベル発行ボタンを押下し、ラベルを発行させていた。
【0003】
また、店舗などに設置され、商品の売上数量や売上金額などの売上情報の登録を行う登録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、トレイなどの被測定物を撮像装置により撮像し、被測定物の寸法を決定する寸法測定装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2882947号公報
【特許文献2】特開平11−337315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば、撮像装置でトレイなどの被測定物を撮像し、画像データから被測定物の大きさを算出し、その被測定物の大きさと、予め記憶部に登録されている被測定物の大きさ情報などに基づいて、トレイなどの被測定物を特定する装置では、略同じ大きさの被測定物を記憶部に登録している場合、被測定物とは異なる商品を間違って呼び出してしまうおそれがある、または、操作者によるさらなる被測定物の選択が必要になり、手間がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、被測定物(物体)に関する特定情報を重複して記憶部に登録(記憶)することを防止し、高精度に被測定物(物体)を特定することができる商品販売データ処理装置を提供すること、などを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明による商品販売データ処理装置は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
商品販売データ処理装置は、
容器を撮像する撮像部と、
表示部と、
容器を記憶する記憶部と、
前記撮像部による画像データに基づいて前記容器を特定する特定情報を生成し、前記特定情報を前記記憶部に前記容器と関連付けて記憶する特定情報生成部と、
定情報表示制御部と、を有し、
前記特定情報生成部は、前記撮像部による画像データに基づいて前記特定情報の許容範囲を示す許容範囲情報を生成し、前記特定情報に前記許容範囲情報を関連付けて前記記憶部に記憶し、
前記特定情報表示制御部は、前記記憶部に記憶されている前記容器と前記許容範囲情報を前記表示部にグラフ表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被測定物(物体)に関する情報を重複して記憶部に登録(記憶)することを防止し、高精度に被測定物(物体)を特定することができる商品販売データ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置の一例を示す正面図。
図2図1に示した商品販売データ処理装置の一例を示す斜視図。
図3】商品販売データ処理装置の電気的な機能ブロック図。
図4】制御部の機能ブロック図。
図5】商品販売データ処理装置に記憶されている情報の一例を示す図、(a)は商品情報の一例を示す図、(b)は容器情報の一例を示す図。
図6】商品販売データ処理装置による設定画面の一例を示す図。
図7】商品販売データ処理装置による特定情報および許容範囲情報を表示した画面の一例を示す図。
図8】許容範囲の重複状態の一例を示す図。
図9】商品販売データ処理装置の表示部に表示されるラベル発行ボタンを含む画面の一例を示す図。
図10】商品販売データ処理装置の表示部に表示される容器(トレイ)選択画面の一例を示す図。
図11】商品販売データ処理装置の印字部により印字されるラベルの一例を示す図。
図12】商品販売データ処理装置の初期設定モード時の動作の一例を示すフローチャート。
図13】商品販売データ処理装置の特定モード時の動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置100の一例を示す正面図である。図2は商品販売データ処理装置100の一例を示す斜視図である。図3は商品販売データ処理装置100の電気的な機能ブロック図である。
【0014】
本実施形態では、商品販売データ処理装置100をセルフ式計量装置に適用した場合を説明する。この商品販売データ処理装置100は、スーパーなどの店舗に設置され、物品を容器に収容した商品の種類、金額などの販売データを生成して、その販売データを、金銭登録機、ホストコンピュータなどに登録することができる。また、この商品販売データ処理装置100は、プリンタなど印字部9を備え、印字部9により販売データに応じたラベルを発行することができる。この店舗では、サラダなどの量り売り商品、コロッケなどの個数売り商品などが販売されている。
【0015】
本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置100(セルフ式計量装置)は、量り売りまたは個数売りの販売形態であるかを指定する操作入力を操作者(顧客)が行うことなく、セルフ式計量装置の計量部7の計量皿などに商品を載置したとき、量り売り商品、及び、個数売り商品の何れかの販売形態であるかを自動的に判別して、その商品の販売データを生成する。また、商品販売データ処理装置100は、商品の販売形態に応じた情報を印字したラベルを発行する。顧客は上記ラベルを容器に貼付し、金銭登録機の設置された場所にて、所定の金額を支払う。
以下、商品販売データ処理装置100(セルフ式計量装置)の各構成要素を詳細に説明する。
【0016】
本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置100は、制御部1(CPU)と、記憶部(記憶手段)としてのROM2およびRAM3と、補助記憶部4と、操作部5と、表示部6と、計量部7と、撮像部8と、印字部9と、通信部10と、音声出力部11(スピーカ)と、などを有する。上記各構成要素は、バスなどの通信線12などにより電気的に接続されている(図3など参照)。
【0017】
図1図2に示したように、商品販売データ処理装置100の装置本体部100aに、例えば、商品、または、商品を収容した容器などの被測定物としての物体を載置する載置部としての計量皿(不図示)などを備えた計量部7が設けられている。装置本体部100aには、プリンタなどの印字部9が設けられており、排紙口9aから印字部9により発行されたラベルが排紙される。
装置本体部100aの上部には支柱部100bにより支持された操作部5や表示部6などが設けられている。本実施形態では、操作部5や表示部6としてタッチパネル装置を採用している。操作部5や表示部6、または、支柱部100bには、計量部7の計量皿(載置部)などに載置された被測定物としての商品(容器)を撮像する撮像部8が設けられている。計量部7上に撮像部8の撮像範囲80(認識範囲)が設定されている(図2参照)。
この計量部7の計量皿(載置部)の表面に、静電植毛処理などの表面処理を施してもよい。この場合、載置部の表面からの不要な反射光などを容易に低減することができ、撮像部8により得られた画像データから被測定物(物体)を高精度に特定することができる。
【0018】
制御部1(CPU)は、商品販売データ処理装置100の各構成要素を統括的に制御する。
【0019】
ROM2は本発明に係る各種プログラムや設定値などを記憶する。RAM3はプログラムを実行するためのワークエリアを有する。また、本実施形態では記憶部としてのRAM3は、商品情報記憶部、容器情報記憶部、などを有する。
商品情報記憶部は、物品の単価などを記憶する。容器情報記憶部は、容器情報として容器を特定する特定情報(撮像部8側からの容器の面積や形状など)、容器などの被測定物としての物体を特定する際に参照される被測定物(物体)の大きさの許容範囲を示す許容範囲情報、容器に収容された物品の販売形態が量り売り又は個数売りのいずれかの販売形態であるかを示す情報、容器の質量データ、などを関連付けて記憶する。
また、記憶部としてのRAM3は、撮像部8で撮像された容器(商品)の撮像データ(画像データ)を記憶する。
【0020】
補助記憶部4は、例えば、着脱自在なフラッシュメモリなどの記憶装置であり、商品販売データ処理装置100に関する設定情報などを保存可能である。
操作部5は、スイッチ、ボタン、タッチパネルなどであり、操作者(顧客など)により操作され、所定の操作入力に応じた信号を制御部1に出力する。
表示部6は、制御部1の制御により、本発明に係る表示を行う。本実施形態では、タッチパネル式の表示部6を採用している。
【0021】
計量部7は、計量皿(載置部)などを有し、計量皿などに載置された物体などの被測定物の質量を計量し、質量データを示す情報を制御部1に出力する。
【0022】
撮像部8は、例えば、商品、容器などの被測定物としての物体を撮像する。本実施形態では、計量部7上の撮像範囲80(認識範囲)に載置された被測定物としての物品を収容した容器を撮像して制御部1に出力する。撮像部8としては、CCD撮像装置、CMOS撮像装置などを挙げることができる。
尚、撮像部8の近傍に計量部7の撮像範囲80(認識範囲)を照らすライトなどの発光部を設けてもよい。
【0023】
印字部9は、制御部1の制御により、物品を容器に収容した商品の販売データ(商品の種類、金額など)をラベルに印字する。
【0024】
通信部10は、制御部1の制御により、有線式または無線式の通信路を介して金銭登録機、ホストコンピュータなどのコンピュータとデータ通信を行うことが可能である。
【0025】
音声出力部11(スピーカ)は、制御部1の制御により、商品販売データ処理装置100(セルフ式計量装置)に関する操作案内、エラー音などの音を所定のタイミングで発音可能である。
【0026】
上述したように、制御部1(CPU)は、記憶部に記憶された制御用プログラムを実行することにより、コンピュータとしての商品販売データ処理装置100に、本発明に係る機能を実現させる。制御部1は、図4に示したように、特定情報生成部101、特定情報表示制御部102、特定部103、商品登録部104、判定部105、報知部106などを有する。
【0027】
特定情報生成部101は、撮像部8による画像データに基づいて、物体を特定する特定情報を生成し、その特定情報をRAM3などの記憶部に記憶する。
また、詳細には、特定情報生成部101は、初期設定モードの場合、撮像部8による画像データに基づいて、被測定物としての物体の大きさを示す特定情報、および被測定物としての物体を特定する際に参照される物体の大きさの許容範囲を示す許容範囲情報を生成し、特定情報および許容範囲情報を関連付けてRAM3などの記憶部に記憶する処理を行う。
【0028】
特定情報表示制御部102は、RAM3などの記憶部に記憶されている特定情報の一覧を表示部6に表示する処理を行う。
また、特定情報表示制御部102は、被測定物としての物体毎に、特定情報および許容範囲情報を関連付けて表示部6に表示する処理を行う。
また、特定情報表示制御部102は、RAM3などの記憶部に記憶されている特定情報の一覧を表示部6にグラフ表示する処理を行う。
【0029】
特定部103は、撮像部8により撮像された物体(容器)の撮像データ(画像データ)と、物体(容器)を特定する特定情報とに基づいて、撮像部8により撮像した被測定物としての物体(容器)を特定する。本実施形態では、特定部103は、その特定された容器による販売形態が量り売りであるか否か、詳細には、量り売りであるか個数売りであるかを判定する。
【0030】
商品登録部104は、特定部103により特定された容器の販売形態が量り売りで販売する商品である場合、計量部7で計量された物品などの質量データに基づいて、商品の販売データを生成して登録する。また、商品登録部104は、特定部103により特定された容器の販売形態、計量部7により計量された商品の質量データ、および、商品情報記憶部に記憶された物品の単価に基づいて、商品の販売データを生成して登録する。
また、商品登録部104は、計量部7により計量された物品を収容した容器の質量データから容器の質量データを減算した質量データと物品の単価に基づき販売データを生成して登録する処理を行う。
【0031】
また、制御部1は、特定部103による物品を収容する容器の特定処理において、容器情報記憶部により記憶されている容器を特定する特定情報に、撮像部8により撮像された商品の容器に対応する情報が含まれていない場合、RAM3などの記憶部に記憶されている複数の容器の種類の候補を、タッチパネル式の表示部6に選択可能に表示する処理を行う。
【0032】
判定部105は、RAM3などの記憶部に記憶された特定情報の重複を判定する。また、判定部105は、RAM3などの記憶部に記憶された特定情報および許容範囲情報の重複を判定する。
【0033】
報知部106は、判定部105による判定結果を報知する。詳細には、報知部106は、判定部105による判定結果を、表示部による表示、音声発音部(不図示)による発音、などにより報知する。
【0034】
図5は商品販売データ処理装置100の記憶部としてのRAM3などに記憶されている情報の一例を示す図である。詳細には、図5(a)は商品情報の一例を示す図、図5(b)は容器情報の一例を示す図である。
【0035】
商品情報(物品情報)は、商品の分類、商品コード(物品コード)、コロッケやサラダなどの商品名称、産地名、単位重量(単位質量データ)、規格単位、容器コード、単価などを関連付けて記憶している。
なお、撮像部8(撮像手段)で被測定物としての物品(商品)を撮像し、撮像データ(画像データ)により物品(商品)を特定する場合、商品情報は、商品を特定する商品特定情報(商品特定情報は、商品の寸法、色、形状などを数値化したデータ)を更に備えてもよい。
【0036】
容器情報は、容器コード、角形容器や丸形容器などの容器名称(容器の種類)、容器特定情報(特定情報)、販売形態情報、商品コード(物品コード)、容器の質量データ(風袋重量データ、または風袋質量データ)、などを関連付けて記憶している。容器特定情報は、容器の面積(撮像部8により容器を撮像した場合の容器の面積)、容器の形状などを示す情報である。販売形態情報としては、例えば、個数売りの場合は0で示し、量り売りの場合は1で示している。つまり、販売形態情報は、容器による販売形態が量り売りであるか否かを示している。なお、容器特定情報の設定は設定画面で行うものであり、計量部7の載置部に載置した空容器を撮像部8で撮像し二値化処理を行い容器の面積を取得する。この取得した面積を容器の容器特定情報(特定情報)としてRAM3などの記憶部に記憶する。なお、容器特定情報は面積に限らず、例えば、容器を二値化したドットの数であってもよいし、あるいは、外観形状(シルエット)、立体的な実寸法(縦、横、高さ)、容器表面の色、柄などであってもよく、また、それらを複合的に組み合わせたものであってもよい。また、容器特定情報の面積に関する画素数は、基本的にはドット数に基づいて算出しているが、例えば、ドット数そのものというわけではなく、撮像部による撮像の歪み等を補正して算出したドット数であってもよい。
【0037】
本実施形態では、容器(トレイ)の種類と、容器(トレイ)に収容された物品の種類が関連付けられて記憶部に記憶されている。また、容器(トレイ)の種類と、販売形態情報が関連付けられて記憶部に記憶されている。
【0038】
図6は商品販売データ処理装置100による設定画面の一例を示す図である。詳細には、トレイ(容器)のサイズなどの容器に関する情報を設定する画面の一例を示す。
【0039】
設定画面には、キャプチャボタン60、撮像部により撮像された商品などの画像(キャプチャ画像61)、画像(キャプチャ画像61)に対して、設定された閾値に基づいて2値化処理を施して得られた2値化画像(変換後画像62)、2値化処理の閾値を設定するための複数の操作ボタン63、閾値を表示する閾値表示部64、はみ出し閾値を設定するための複数の操作ボタン65、はみ出し閾値を表示するはみ出し閾値表示部66、トレイ(容器)のサイズ(取得値)を示す取得値表示部671、容器などの被測定物(物体)の撮像位置に対応したサイズ(取得値)を示す位置毎取得値表示部、トレイ(容器)のサイズを示すトレイサイズ表示部67、トレイ(容器)のサイズを設定するための設定ボタン68、設定を終了させるための終了ボタン69、などを有する。
本実施形態では、位置毎取得値表示部は、例えば、左上取得値表示部671LU、右上取得値表示部671RU、中央取得値表示部671C、左下取得値表示部671LD、右下取得値表示部671RDなどを有する。
トレイサイズ表示部67には、2値化画像(変換後画像62)のうちトレイ(容器)に対応する部分(図6における白部分)の画素の数またはトレイ(容器)の大きさと(面積)の平均値が表示される。
【0040】
2値化処理に関するアップボタン63uまたはダウンボタン63dを操作することで、手動にて2値化処理の閾値を微調整することができる。2値化処理の閾値を自動設定するための自動設定ボタン63aが操作された場合、周囲の環境の照度(輝度)などに基づいて規定の閾値が設定される。
【0041】
はみ出し閾値に関するアップボタン65uまたはダウンボタン65dを操作することで、手動にてはみ出し閾値を微調整することができる。はみ出し閾値を自動設定するための自動設定ボタン65aが操作された場合、周囲の環境の照度(輝度)などに基づいて規定のはみ出し閾値が設定される。
【0042】
キャプチャボタン60が操作された場合、撮像部により撮像された容器などのキャプチャ画像61が表示され、設定された白黒閾値に基づいてキャプチャ画像61に2値化処理を施して得られた2値化画像(変換後画像62)が表示される。
そして、トレイ(容器)のサイズ(取得値)を示す取得値表示部671に、トレイ(容器)に対応する部分(図6における白部分)の画素の数またはトレイ(容器)の面積(容器特定情報)が表示される。
本実施形態では、被測定物(物体)の撮像位置に対応したサイズ(取得値)を、左上取得値表示部671LU、右上取得値表示部671RU、中央取得値表示部671C、左下取得値表示部671LD、右下取得値表示部671RDなどに表示する。
また、本実施形態では、載置部上の異なる位置で、複数回、容器などの被測定物(物体)を撮像部により撮像し、被測定物の大きさ(サイズ)の平均値をトレイサイズ表示部67に表示する。
設定ボタン68が操作された場合、このトレイサイズ表示部67に表示されたトレイ(容器)の大きさ(面積)などと、設定されたトレイ(容器)の種類とが関連付けられてRAM3などの記憶部に記憶される。
【0043】
図6に示したように、画像(キャプチャ画像61)には、商品の認識範囲61aが設定されている。認識範囲61aは、例えば、計量部の計量皿の縁などに対応するように設定されることが好ましい。制御部は、商品がその認識範囲61aからはみ出した場合、操作者の手などがキャプチャ画像61に写った場合など、正確に商品の容器を特定することができないと判断し、エラー処理を行う。制御部によるエラー処理としては、表示部にエラーを示す表示を行う処理、商品を認識範囲61a内に載置するように促す表示を表示部に表示させる処理、などを挙げることができる。
【0044】
詳細には、本実施形態では、認識範囲61aの周囲に複数のはみ出し検出部61cを設けている。制御部1は、はみ出し検出部61cの画素値が閾値以上の場合に、認識範囲61aから商品がはみ出している、操作者の手などがキャプチャ画像61に写っている、などのエラーであると判断し、エラー処理を行う。
【0045】
図7は商品販売データ処理装置による特定情報および許容範囲情報を表示した画面の一例を示す図である。図8は許容範囲の重複状態の一例を示す図である。
【0046】
商品販売データ処理装置は、図7に示したように、各被測定物毎に、サイズ順に、特定情報としての被測定物のサイズの平均値を示す平均値マーク71、被測定物(物体)を特定する際に参照される被測定物(物体)の大きさの許容範囲を示す許容範囲情報72を並べて表示部に表示する。
【0047】
詳細には、本実施形態では、表示部の画面左上に、被測定物に割り当てられた識別番号(識別情報)、および、被測定物の種類を関連付けて表示している。また、表示部の画面中央から画面下部には、縦軸に被測定物に割り当てられた識別番号を示し、横軸に被測定物の大きさ(サイズ)、本実施形態では、画素数などを示している。
【0048】
また、本実施形態では、許容範囲情報72は、例えば、被測定物を複数回測定した測定値の分布(正規分布など)から算出された識別範囲情報73と、識別範囲よりも大きい誤差範囲情報74と、を有する。
尚、識別範囲情報73は、被測定物の大きさ(サイズ)を複数回測定した平均値を基に、所定の幅を持たせることにより算出してもよい。
また、制御部は、載置部上の撮像位置に対応して、撮像部により得られる画像データに歪みが発生する場合、その歪みを補正して被測定物の大きさを算出する際の補正処理に基づいて、所定の幅を持たせることにより、所定の幅を有する識別範囲情報73を算出してもよい。
【0049】
また、誤差範囲情報74は、例えば、撮像部により被測定物を撮像する際、照明光や太陽光などの撮影環境(撮影状況)により、被測定物の大きさ(サイズ)の測定誤差を考慮して算出された範囲を示す。
この誤差範囲情報74は、被測定物を複数回測定した測定値の分布(正規分布など)から算出されてもよいし、平均値に対応して予め規定された割合で、平均値から算出してもよい。
【0050】
また、制御部は、図7に示したように、被測定物の許容範囲情報72(エリア)が重なって(被って)いないか確認を促す表示を表示部に行う。
【0051】
また、本実施形態では、図8に示したように、各物体に対応付けられた許容範囲情報72に基づいて、各物体の許容範囲の重なりを検出し、その旨を報知する処理を行う。報知処理としては、例えば、許容範囲の重なった被測定物に関し、識別番号(識別情報)を枠などで強調表示する(図8参照)、強調色などで強調表示する、点滅表示する、などを挙げることができる。
また、報知処理として、被測定物の許容範囲の重なりを警告する旨を示す警告音などをスピーカなどから発音するようにしてもよい。
【0052】
制御部は、例えば、図8に示したように、各被測定物の誤差範囲情報74の重なり、識別範囲情報73の重なり、識別範囲情報73と誤差範囲情報74の重なり、または、それらの組み合わせなどを考慮して、各被測定物の許容範囲情報72の重なりを判定する。
【0053】
例えば、誤差範囲情報74の重なりを排除して、各被測定物の大きさ(サイズ)を記憶部に登録した場合、最も高精度に、被測定物を特定することができる。
また、誤差範囲情報74の重なりを排除せず、識別範囲情報73の重なりを排除して、各被測定物の大きさ(サイズ)を記憶部に登録した場合、被測定物を特定する精度は比較的低くなるが、記憶部に登録することができる被測定物の個数は比較的多い。
【0054】
図9は商品販売データ処理装置の表示部に表示されるラベル発行ボタンを含む画面の一例を示す図である。
計量部の計量皿などに商品が載置された場合、例えば、風袋の重量、重さ、単価(100g当たりの値段)、値段、商品や容器を示す画像、ラベル発行ボタン、「よろしければ発行ボタンを押してください」などの容器の確認を促す表示などを行う。
【0055】
図10は商品販売データ処理装置の表示部に表示される容器(トレイ)選択画面の一例を示す図である。
制御部は、撮像された商品の容器の撮像データ(画像データ)から、容器を特定することができない場合、RAMなどの記憶部が記憶する1つ又は複数の容器を候補として選択可能に表示部に表示する。詳細には、図10に示した例では、記憶部に量り売り用の容器や個数売り用の容器の画像データやイラストなどが記憶されており、制御部は、それらを記憶部から読み出して表示部に表示する。操作者(顧客など)は、タッチパネルなどにより所定の容器を選択する操作を行った場合、制御部1は、その操作に基づいて容器を特定することができる。
【0056】
図11は商品販売データ処理装置の印字部により印字されるラベルの一例を示す図である。
ラベルには、商品名(サラダなど)、製造年月日、賞味期限、商品の重量、単価、商品の値段、店舗名、店舗の住所などが記載される。
【0057】
次に、商品販売データ処理装置100の初期設定モード時の動作の一例を上記図面、図12などを参照しながら説明する。図12は商品販売データ処理装置の初期設定モード時の動作の一例を示すフローチャートである。
【0058】
ステップS11において、制御部1は、計量部7からの信号に基づいて、計量部7の計量皿(載置部)などに容器などの被測定物としての物品(物体)の載置または非載置を判別し、載置されたと判別した場合、ステップS12の処理に進み、非載置の場合、ステップS11の処理を繰り返す。
【0059】
ステップS12において、制御部1は、計量部7により被測定物(物品など)の質量を計量し、制御部1は計量部7から被測定物の質量を示す情報(質量データ)を受信する。
【0060】
ステップS13において、制御部1は、撮像部8に計量部7の計量皿などに載置された被測定物を撮像させる処理を行い、撮像部8から被測定物としての物品(物体)の撮像データ(画像データ)を受信し、RAM3などの記憶部に記憶する処理を行う。
【0061】
ステップS14において、制御部1は、所定回数(本実施形態では撮像位置を変えて5回)、撮像部8により撮像したか否かを判別し、所定回数撮像した場合、ステップS15の処理に進み、所定回数撮影していない場合、ステップS11の処理に進む。
【0062】
ステップS15において、制御部1は、撮像部8により撮像された複数の画像データから得られた、被測定物の大きさ(サイズ)の平均値を算出し、記憶部に記憶する処理を行う。
【0063】
ステップS16において、制御部1は、撮像部による画像データに基づいて被測定物(物体)の大きさを示す特定情情報を生成する処理を行う。
【0064】
ステップS17において、制御部1は、被測定物(物体)を特定する際に参照される被測定物(物体)の大きさの許容範囲を示す許容範囲情報を生成する。例えば、制御部1は、被測定物を複数回測定した測定値の分布(正規分布など)に基づいて、許容範囲情報を算出する。
【0065】
ステップS18において、制御部1は、特定情報および許容範囲情報を関連付けてRAM3などの記憶部に記憶する。
【0066】
ステップS19において、制御部1は、許容範囲情報の重なりを判定する。上述したように、各被測定物の許容範囲情報72の重なりの判定は、例えば、図8に示したように、各被測定物の誤差範囲情報74の重なり、識別範囲情報73の重なり、識別範囲情報73と誤差範囲情報74の重なり、または、それらの組み合わせなどを考慮して行う。
【0067】
ステップS20において、制御部1は、被測定物(物体)毎に特定情報および許容範囲情報を関連付けて表示部6に表示する。また、制御部1の特定情報表示制御部は、各被測定物(物体)に対応付けられた許容範囲情報に基づいて、各被測定物(物体)の許容範囲の重なりを報知する処理を行う。
【0068】
ステップS21において、制御部1は、例えば、操作部5からの入力信号などに基づいて、被測定物(物体)の許容範囲の重なった被測定物(物体)の登録を削除するか否かを判別し、削除する場合、その被測定物の登録を削除する処理(ステップS22)を行った後、ステップS23の処理に進み、それ以外の場合、削除処理を行わずにステップS23の処理に進む。
【0069】
ステップS23において、制御部1は、例えば、操作部5からの入力信号などに基づいて、初期設定モードを終了するか否かを判別し、終了しない場合にステップS11の処理に進み、それ以外の場合、初期設定モードを終了する。
【0070】
図13商品販売データ処理装置の被測定物を特定する特定モード時の動作の一例を示すフローチャートである。図13などを参照しながら、商品販売データ処理装置100の特定モード時の動作の一例を説明する。
【0071】
ステップS101において、制御部1は、計量部7からの信号に基づいて、計量部7の計量皿(載置部)などに容器などの被測定物としての物品(物体)の載置または非載置を判別し、載置されたと判別した場合、ステップS102の処理に進み、非載置の場合、ステップS101の処理を繰り返す。
【0072】
ステップS102において、計量部7により被測定物(物品など)の質量を計量し、制御部1は計量部7から被測定物(物品など)の質量を示す情報(質量データ)を受信する。
【0073】
ステップS103において、制御部1は、撮像部8に計量部7の計量皿などに載置された被測定物(容器など)を撮像させる処理を行い、撮像部8から被測定物(容器など)の撮像データ(画像データ)を受信し、RAM3などの記憶部に記憶する処理を行う。
【0074】
ステップS104において、制御部1は、撮像部8からの撮像データに基づいて被測定物の判定処理(被測定物の特定処理)を行う。詳細には、特定部103は、撮像部8により撮像された被測定物の撮像データ(画像データ)と、容器情報記憶部に記憶された被測定物を特定する特定情報とに基づいて、撮像された被測定物を特定する。本実施形態では、特定部103は、2値化画像データから得られた被測定物(トレイ(容器))のサイズ(面積)に基づいて、被測定物を特定する処理を行う。なお、容器の特定は2値化画像データのドットの数であってもよい。
【0075】
ステップS105において、制御部1は、被測定物を特定したか否かを判別し、被測定物を特定した場合にステップS108の処理に進み、被測定物を特定しない場合にステップS106の処理に進む。
【0076】
ステップS106において、制御部1は、RAM3などの記憶部(記憶手段)が記憶する複数の被測定物(容器など)を候補として選択可能に表示部6に表示する処理を行う。詳細には、制御部1は、表示部6に容器情報と対応する容器の画像データやイラストなどを表示する処理を行う。
【0077】
ステップS107において、制御部1は、操作者(顧客など)により、容器が選択されたか否かを判別し、容器が選択された場合にステップS108の処理に進み、容器が選択されていない場合、ステップS106の処理に進む。
【0078】
ステップS108において、制御部1は、RAM3などの記憶部から容器情報および商品情報を呼び出す(読み出す)。
【0079】
ステップS109において、制御部1は、容器に関連付けられている商品が量り売り商品であるか否かを判別し、量り売り商品である場合にステップS111の処理に進み、それ以外の場合にステップS110の処理に進む。
【0080】
ステップS110において、制御部1は、個数売りの販売データを生成し、ステップS112の処理に進む。なお、個数売りの販売データの生成は、計量された商品の質量データから容器の質量データを減算した質量データと物品の単位質量データとに基づき物品の個数を算出し、該算出した個数と物品の単価に基づき商品の販売データを生成する。なお、複数の商品を容器に収容する商品でない場合には、計量された商品の質量を用いず物品の単価に基づき商品の販売データを生成する。
【0081】
ステップS111において、制御部1は、量り売りの販売データを生成し、ステップS112の処理に進む。なお、量り売りの販売データ生成は、計量された商品の質量データから容器の質量データを減算した質量データと物品の単価とに基づき商品の販売データを生成する。
【0082】
ステップS112において、制御部1は、販売データに応じて印字部9に印字処理を行わせ、ラベルを発行する処理を行う。なお、発行するラベルは台紙レスラベルを用いて、商品に応じた印字データ量に基づきラベル発行方向が可変長となるラベルが印字後に切断されて発行される。
【0083】
ステップS113において、制御部1は、販売データを登録する処理を行う。詳細には、制御部1は、販売データをRAM3などの記憶部に記憶させる処理、通信部10を介して金銭登録機やホストコンピュータなどに販売データを登録する処理、などを行う。
商品の購入者(顧客)は上記ラベルを容器に貼付して、金銭登録機(POSレジスタ)の設置された場所(会計所)にて店員を介して、又はセルフ式金銭支払機(セルフPOSレジスタ)により直接、所定の金額を支払う。なお、商品販売データ処理装置100に会計精算機能(代金決済機能)を備えるセルフ式計量秤装置である場合は、商品販売データ処理装置100にて客自らが購入する商品の代金決済(セルフ会計精算)を行うにしてもよい。
【0084】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置は、物体を撮像する撮像部8と、表示部6と、撮像部8による画像データに基づいて物体を特定する特定情報を生成し、その特定情報をRAM3などの記憶部に記憶する特定情報生成部101と、RAM3などの記憶部に記憶されている特定情報の一覧を表示部6に表示する特定情報表示制御部102と、を有する。尚、本実施形態では、被測定物としての物体は、商品を収容する容器である。
このため、被測定物である物体に関する特定情報を重複して記憶部に登録(記憶)することを防止することができる。すなわち、高精度に被測定物(物体)を特定することができる商品販売データ処理装置を提供することができる。
【0085】
詳細には、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置100は、被測定物としての物体を撮像する撮像部8と、表示部6と、初期設定モードの場合、撮像部8による撮像データに基づいて物体の大きさを示す特定情報、および物体を特定する際に参照される物体の大きさの許容範囲を示す許容範囲情報を生成し、特定情報および許容範囲情報を関連付けてRAM3などの記憶部に記憶する特定情報生成部101と、物体毎に特定情報および許容範囲情報を関連付けて表示部6に表示する特定情報表示制御部102と、を有する。
このため、初期設定モードの場合、略同じ大きさの被測定物(物体)を記憶部(RAM3など)に登録(記憶)すると、その旨を表示部に表示するので、略同じ大きさの被測定物(物体)を重複して登録することを容易に防止することができる。
【0086】
また、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置は、物体を撮像する撮像部8と、撮像部8による画像データに基づいて物体を特定する特定情報を生成し、特定情報をRAM3などの記憶部に記憶する特定情報生成部101と、記憶部に記憶された特定情報の重複を判定する判定部105と、判定部105による判定結果を報知する報知部106と、を有する。
【0087】
また、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置は、被測定物(物体など)を特定する特定モードの場合、記憶部に記憶された特定情報、許容範囲情報、および、撮像部8による撮像データに基づいて、前記撮像部により撮像された被測定物である物体を特定する特定部103を有する。
商品販売データ処理装置は、記憶部に略同じ大きさの被測定物(物体)を登録していないので、撮像部8による撮像データに基づいて、容易に高精度に被測定物(物体)を特定することができる。
【0088】
また、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置の特定情報表示制御部102は、各物体に対応付けられた許容範囲情報に基づいて、各物体の許容範囲の重なりを検出し、その旨を報知する。
このように、各物体の許容範囲の重なりを検出して、その旨を報知することで、略同じ大きさの被測定物(物体)を重複して登録することを容易に防止することができる。
【0089】
また、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置の特定情報生成部101は、物体の大きさ、撮像部8による物体の撮像位置に応じて許容範囲を補正する。こうすることで、高精度に被測定物(物体)を特定することができる。
【0090】
また、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置は、載置部に載置された被測定物としての物体の質量を計量する計量部7を有する。特定部103は、計量部7により計量された物体の質量、撮像部8により撮像された撮像データ、記憶部に記憶された特定情報、許容範囲情報に基づいて、被測定物でとしての物体を容易に特定することができる。
【0091】
また、本発明の実施形態では、撮像部8による商品の認識範囲61a内に、商品が適切に載置されたか否かを、制御部1が撮像部8により生成された撮像データ(画像データ)に基づいて判別し、被測定物(商品)が適切に認識範囲61a内に載置されていないと判別した場合、エラー処理を行う。このため、操作者に、撮像部8による認識範囲61a内に商品を載置させることができ、その商品の容器を特定可能な商品販売データ処理装置100を提供することができる。
【0092】
また、本実施形態では、撮像部8により撮像された撮像データ(画像データ)の各画素を2値化し、容器と、容器以外の背景部分とを明確に区分けすることで、容器の面積を容易に特定することができる。予めRAM3などの記憶部に、容器の面積と、容器の種類とを関連付けて記憶させる。制御部1は、撮像部8により撮像された商品の撮像データ(画像データ)を2値化処理することで、計量部7に載置された容器の面積を求めることができ、この容器の面積に基づき記憶部に記憶された容器の種類を容易に特定することができる。
【0093】
また、商品販売データ処理装置の設置場所(外光により室内の照度が変化する環境)によっては、天候、または、朝、昼、夜等の時間帯や、室内照明などにより室内の照度が変化することが想定され、撮像部8で撮像される撮像データ(画像データ)の各画素の輝度、ガンマ、色等の値が大きく変化する。本実施形態では校正(キャリブレーション)として、容器等を何も載置しない状態で載置面(載置面の色は単色)を撮像し、撮像した画像(撮像)データの輝度、ガンマ、色等の調整(補正)を行い、この補正(調整)した輝度、ガンマ、色等の値を2値化処理の閾値として設定する。これにより、載置面に容器が載置された状態で撮像部8により撮像した画像データから容器を確実に識別すことが可能となる。なお、校正(キャリブレーション)の他にレンズ歪み等の補正値を記憶させるようにしてもよい。
詳細には、例えば、各時間帯毎に、撮像部8で載置面を撮像し、その画像データに基づいて2値化処理の閾値を規定し、記憶部に記憶しておく。制御部1は、記憶部に記憶された各時間帯毎の2値化処理の閾値を用いて、撮像部8で撮像される画像データに2値化処理を施し、容器の面積を特定し、その容器の面積から容器の種類を確実に特定することができる。なお、記憶部に記憶する際、朝、昼、夜の各時間帯毎の校正(キャリブレーション)した値(2値化処理の閾値)と、朝、昼、夜の使用時間帯の切り換え時刻とをスケジュールしておき、計時手段に基づいて計時された時刻と切り換え時刻に基づいて各時間帯毎に各時間帯毎の校正(キャリブレーション)した値(2値化処理の閾値)を自動的に切り換えるようにしてもよい。また、照度計などを装置に設け、この照度計が示す値に基づいて、校正(キャリブレーション)した値(2値化処理の閾値)を自動的に切り換えるようにしてもよい。
【0094】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0095】
1…制御部(CPU)、
2…ROM(記憶部:記憶手段)、
3…RAM(記憶部:記憶手段)、
4…補助記憶部、
5…操作部(操作手段:タッチパネル)、
6…表示部(表示手段:タッチパネル)、
7…計量部(計量手段)、
8…撮像部(撮像手段)、
9…印字部、
71…平均値マーク、
72…許容範囲情報、
73…識別範囲情報、
74…誤差範囲情報、
100…商品販売データ処理装置(セルフ式販売装置)、
101…特定情報生成部、
102…特定情報表示制御部、
103…特定部、
104…商品登録部、
105…判定部、
106…報知部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13