特許第6361353号(P6361353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6361353消臭フィルターおよびそれを用いた包装袋
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6361353
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】消臭フィルターおよびそれを用いた包装袋
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/00 20060101AFI20180712BHJP
   B65D 33/01 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   A61L9/00 Z
   B65D33/01
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-152804(P2014-152804)
(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公開番号】特開2016-30010(P2016-30010A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 規行
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第90/015660(WO,A1)
【文献】 特開2005−152432(JP,A)
【文献】 特開2013−204204(JP,A)
【文献】 実開昭56−068519(JP,U)
【文献】 実開平02−109610(JP,U)
【文献】 特開昭53−025681(JP,A)
【文献】 特開平09−087953(JP,A)
【文献】 特表2003−521358(JP,A)
【文献】 特開2008−048792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00
B01J 20/
B01D 39/00
B32B 27/
B65D 33/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する2枚の非通気性プラスチックフィルムの間に、消臭性とヒートシール性を有しかつヒートシールによって通気性を失う不織布層を設けてあり、気体の流入口および流出口以外の消臭フィルターの周縁部のほか、消臭フィルター有効部にパターン状にヒートシールして構成される消臭フィルター。
【請求項2】
前記不織布層が、2枚の非通気性プラスチックフィルムそれぞれに対向して設けてあることを特徴とする請求項記載の消臭フィルター。
【請求項3】
前記2枚のプラスチックフィルムの、対向する少なくとも一方の面にシーラント層が設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載の消臭フィルター。
【請求項4】
前記気体の流入口が、消臭フィルターの中心部をはさんで流出口の対角にあたる部分の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の消臭フィルター。
【請求項5】
前記気体の流入口が、消臭フィルターの中心部をはさんで流出口の対辺に1箇所以上設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の消臭フィルター。
【請求項6】
請求項1〜のいずれかに記載の消臭フィルターを装着して構成される包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は消臭性を有するフィルターおよびそれを用いた包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人間の五感といわれるもののうち嗅覚については、悪臭といわれるものに対しては不快と感じ、一方で香りとして感じられる良いにおいは人間の心理にまで作用して、生活の彩りとして活用されている。したがって人間生活を快適にするために、悪臭を除去することは古くから生活の知恵として行なわれてきた。
【0003】
大規模に脱臭を行なう例としては、食品や塗装工場、あるいは畜産施設などの排気ダクトに脱臭装置やフィルターユニットを取り付けて臭気を除去・抑制する場合がある。また飲食店の厨房排気やゴミ置き場、老人施設、病院などにも換気設備に付帯して脱臭装置が取り付けられている例もある。
【0004】
家庭用の脱臭装置としては、空気清浄機やエアコンにとりつけて使用されるものや消臭・芳香剤あるいはペット用のマットなどさまざまな商品が販売されている。これらは室内空間をより快適にするものといえる。
【0005】
ほかにも個人用として、靴に装着するものや、マスクに消臭効果を持たせたものも数多く商品化されている。
【0006】
においを消す方法には、におい物質を中和して消臭する方法もありまた、におい物質を活性炭などで吸着して除去する方法も広く行なわれている。吸着する場合には装置内に設けた吸着物質を使う場合や、あるいは消臭フィルターを設けて空気を通過させにおいを吸着させる方法がある。その場合の消臭フィルターには、におい吸着物質をフィルターに付着させたり、フィルター繊維に練りこむなどしたものがある。
【0007】
しかしながらフィルターを用いる場合には、給排気の設備、装置が必要であり、ある程度の空間を確保した場所でなければ使用できない問題があった。さらにフィルター構造が立体的である場合には設置のスペースをとることになることに加えて、保管に際してもスペースの問題がある上、廃棄する際にも廃棄物の問題が指摘されてきた。
【0008】
また、消臭の効率を上げようとした場合には、フィルターと気体との接触面積をあげるためにフィルターをプリーツ状など立体的に加工せざるを得ず、これもスペースをとることにつながる欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭60−153916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような状況に鑑み、消臭の効率を損なうことなく、省スペース型の消臭フィルターを提供しようとするものである。またそれを用いて構成される消臭フィルター付きの包装袋を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、対向する2枚の非通気性プラスチックフィルムの間に、消臭性とヒートシール性を有しかつヒートシールによって通気性を失う不織布層を設けてあり、気体の流入口および流出口以外の消臭フィルターの周縁部のほか、消臭フィルター有効部にパターン状にヒートシールして構成される消臭フィルターである。
【0013】
また、請求項に記載の発明は、前記不織布層が、2枚の非通気性プラスチックフィルムそれぞれに対向して設けてあることを特徴とする請求項記載の消臭フィルターである。
【0014】
また、請求項に記載の発明は、前記2枚のプラスチックフィルムの、対向する少なくとも一方の面にシーラント層が設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載の消臭フィルターである。
【0015】
また、請求項に記載の発明は、前記気体の流入口が、消臭フィルターの中心部をはさんで流出口の対角にあたる部分の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の消臭フィルターである。
【0016】
また、請求項に記載の発明は、前記気体の流入口が、消臭フィルターの中心部をはさんで流出口の対辺に1箇所以上設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の消臭フィルターである。
【0017】
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の消臭フィルターを装着して構成される包装袋である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、消臭の効率を損なうことなく、省スペース型の消臭フィルターを提供することができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、消臭の効率を損なうことがより少なく、省スペース型の消臭フィルターを提供することができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、消臭の効率を損なうことなく、より省スペース型の消臭フィルターを提供することができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、消臭の効率を損なうことがより少なく、省スペース型の消臭フィルターを提供することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、消臭の効率を損なうことがより少なく、省スペース型の消臭フィルターを提供することができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、消臭の効率を損なうことがより少なく、省スペース型の消臭フィルターを提供することができる。
【0024】
請求項7の発明によれば、省スペース型の消臭フィルター付きの包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は本発明に係る消臭フィルターの一実施形態の平面模式図である。
図2図2図1に関する、A−A’の部分断面模式図である。
図3図3は本発明に係る消臭フィルターの他の実施形態の部分断面模式図である。
図4図4は本発明に係る消臭フィルターの他の実施形態の平面模式図である。
図5図5図4に関する、B−B’の部分断面模式図である。
図6図6はワンサイドオープンチャック付き包装袋に本発明に係る消臭フィルターを取り付けた実施例の模式図およびそのC−C’の部分断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について、図1から図5を参照しながら詳細に説明を加える。
【0027】
図1は本発明に係る消臭フィルターの一実施形態の平面模式図である。2枚のプラスチックを重ねその間に不織布層を有する消臭フィルター(5)は気体の流入口(1)と流出口(2)以外の部分が周縁部ヒートシール(3)で囲まれている。
【0028】
周縁部ヒートシール(3)内側の領域には、流入口(1)から流入した流入気体(14)で2枚のフィルムが離れすぎないよう、また気体の通過経路を均一になるよう制御することを目的としてパターン状ヒートシール(4)を設けることができる。
【0029】
流入口(1)および流出口(2)は消臭フィルターの縁辺部にヒートシールしない部分を設けることで形成され、円筒状のパイプを装着するなど口部に必要な加工を施すこともできる。
【0030】
流入口(1)は流出口(2)の、消臭フィルターの中心部に対して対角に当たる位置の近傍に設けて流入した気体を消臭フィルター(5)内部を均一に通過させるようにすると良い。
【0031】
あるいは流出口(2)の対辺に流入口(1)を設けることもできる。この場合、使用する目的に応じて対辺の流入口(1)の大きさを決めることができ、あるいは対辺に1箇所以上の流入口(1)を設けてもよい。
【0032】
周縁部ヒートシール(3)の内側にある実線矢印は、流入した気体の消臭フィルター(5)内部での流れを模式的に表している。気体に含まれるにおい成分は、消臭フィルター(5)内を流れる際に不織布に接触して、不織布に付着或いは不織布の繊維に含まれている吸着成分または分解促進成分によって、吸着、消臭される。消臭フィルター(5)を通過して消臭された気体は、流出口(2)を通過して流出気体(15)として消臭フィルター外部に流出する。
【0033】
このように本発明に係る消臭フィルターは、2枚のフィルムおよび不織布を平面的に重ねて配置して構成される消臭フィルターであるため、省スペース型の消臭フィルターである。また不織布を用いているために流入気体との接触面性も大きく効率的ににおい物質の吸着、消臭を行なうことができる。加えて消臭フィルターの平面的大きさや形状は用途に合わせて任意に設計することができる。
【0034】
また平面的な形状の消臭フィルターであるため、消臭フィルターを保管する際に積み重ねて置くことが可能であり、使用する際にも大きく空間を占有することがなく、省スペース型の消臭フィルターである。加えて使用する材料が軟らかい材料であるため、それらの積層体である消臭フィルターも可撓性に優れているため取り扱いも容易であり、必要な場合には巻き取って保管することもできる。
【0035】
可撓性に優れているため、消臭フィルターとして使用する場面においても、新たな用途において使用することが可能になり、たとえば包装袋などと組み合わせて消臭機能を持った軟質包装材料を作ることも可能である。
【0036】
図2図1に関する、A−A’の部分断面模式図である。プラスチックフィルム(6)とプラスチックフィルム(7)の2枚のプラスチックフィルムの間に不織布層が設けられてあり、不織布1(8)はヒートシールによって不織布層が圧縮されると同時に溶融して通気性を失い、シーラントとして2枚のプラスチックフィルムを接着する。
【0037】
ヒートシールは周縁部ヒートシール(3)およびパターン状ヒートシール(4)である。ヒートシール部分以外は不織布2(9)が通気性を保ったまま残り、プラスチックフィルム(7)との間に空間(10)が形成される。
【0038】
流入口(1)から流入した気体は2枚のプラスチックフィルムの間を主に空間(10)を通って流出口(2)から排出されるが、不織布層がにおい成分の吸着または分解促進による消臭機能を有するために通気性を有する不織布2(9)によってにおい成分が吸着され消臭される。
【0039】
プラスチックフィルム(6)およびプラスチックフィルム(7)は、通気性のないプラスチックフィルムであれば特に限定するものではなく、加工のための強度や消臭フィルターに求められる機械的強度を満たすものであればよい。
【0040】
たとえばポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルムであれば、機械的強度および価格の面で好ましく用いることができ、またナイロンフィルムであればさらに機械的強度を必要とする場合に適している。
【0041】
図3は本発明に係る消臭フィルターの他の実施形態の部分断面模式図である。この例のようにプラスチックフィルムにシーラント層(11)を設けて、よりヒートシール適性を上げると同時にヒートシール強度を強化することができる。シーラントには例えば低密度ポリエチレン樹脂などを用いることができる。この場合にはプラスチックフィルムのシーラント層同士を対向させるように配置して、間に不織布層をはさみ周縁部ヒートシール(3)およびパターン状ヒートシール(4)のヒートシール加工を行なう。
【0042】
消臭は不織布自身が吸着性能を保持している場合、および不織布に含まれるにおいの吸着成分あるいは分解促進成分によって行なわれるが、たとえばカーボン、ゼオライトなどを不織布に付着させるのでもよく、また不織布の繊維に練込んで用いることもできる。
【0043】
パターン状ヒートシール(4)は、流入口(1)から流入した気体で2枚のフィルムが離れすぎないよう、また気体の通過経路を均一になるよう制御することを目的とする。したがって、パターン状ヒートシール(4)の形状は特に限定するものではなく、位置や個数も任意である。ただしヒートシール部分は通気性がなく消臭機能は失われているので、ヒートシールする部分の面積と、しない部分の面積は上記目的と消臭効果、効率の点で考慮する必要がある。
【0044】
図4は本発明に係る消臭フィルターの他の実施形態の平面模式図である。図1の場合と同様に流入口(1)から流入した流入気体(14)は消臭フィルター(5)内を分散して流れた後流出口(2)から流出気体(15)として流出する。周縁部ヒートシール(3)の内側にある実線矢印は、流入した気体の消臭フィルター(5)内部での気体の流れを模式的に表している。
【0045】
また図5図4に関する、B−B’の部分断面模式図である。消臭フィルター(5)の通気性、消臭効率の向上を目的として消臭フィルターを2枚対向させて重ねた形で用いることができる。この場合、プラスチックフィルム(6)にシーラント層(11)を設け、シーラント層(11)側に不織布を重ねて配置する。
【0046】
さらに、こうして重ねたものを2組用意し、不織布同士が対向する形で重ね、周縁部ヒートシール(3)および周縁部内側にパターン状ヒートシール(4)を施し消臭フィルター(5)を得る。消臭フィルター(5)内に流入した気体は主に空間(10)を通過すると同時に消臭機能を持つ不織布2(9)と接触してにおい物質が吸着成分または分解促進成分によって吸着、消臭される。
【実施例1】
【0047】
実施例1の層構成は図3の模式図に準じて以下のように作成した。
プラスチックフィルム(6)はナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いた。
シーラント層(11)は低密度ポリエチレン(厚さ20μm)とした。
ヒートシール性不織布は、ユニチカ株式会社製エルベスT0303WDO(目付け30g/m)を用いた。
プラスチックフィルム(7)はナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いた。
シーラント層(11)は低密度ポリエチレン(厚さ20μm)とした。
各々30cmの正方形にカットしたものを、図3に示す順で重ね、周縁部ヒートシール(3)のほか周縁部の内側にも図1に示すパターン状ヒートシール(4)を施した。
ヒートシール条件はいずれも以下の通りである。
温度:180℃
時間:1秒。
【0048】
<測定および評価>
作成した消臭フィルターにアンモニア200ppmの濃度の空気1リットルを10分かけて流入させ、流出口から流出した空気のアンモニア濃度を測定したところ5ppmであった。また消臭フィルターの総厚さは約230μmであった。これらのことから、本発明による消臭フィルターは、消臭効果が優れておりまた省スペースの点でも100枚重ねても約30mmであって、保管あるいは廃棄においても優れたものである。
【実施例2】
【0049】
実施例2の層構成は図5の模式図に準じて以下のように作成した。
プラスチックフィルム(6)はナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いた。
シーラント層(11)は低密度ポリエチレン(厚さ20μm)とした。
ヒートシール性不織布は、ユニチカ株式会社製エルベスT0303WDO(目付け30g/m)を用いた。
下層のプラスチックフィルム(6)はナイロンフィルム(厚さ15μm)を用いた。
シーラント層(11)は低密度ポリエチレン(厚さ20μm)とした。
ヒートシール性不織布は、エルベスT0303WDO(目付け30g/m)を用いた。各々30cmの正方形にカットしたものを、図5に示す順で重ね、周縁部ヒートシール(3)のほか周縁部の内側にも図4に示すパターン状ヒートシール(4)を施した。
ヒートシール条件はいずれも以下の通りである。
温度:180℃
時間:1秒。
【0050】
<評価>
実施例2の場合には、空間(10)の上下両側に消臭効果を有した不織布2(9)が存在しているためより効率的に消臭を行なうことのできる消臭フィルターである。
【実施例3】
【0051】
実施例3は、図6に示してある形で本発明による消臭フィルターを、船底型スタンディングパウチに装着したものである。図6はワンサイドオープンチャック付き包装袋に本発明による消臭フィルターを取り付けた実施例の模式図、およびそのC−C’の部分断面模式図である。
実施例3の構成は図6の模式図に準じて以下のように作成した。
【0052】
本体フィルム:(26)ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)にシーラント層として低密度ポリエチレン層(厚さ20μm)を設け、シーラント層側を内容物(20)に向けて用いた。底テープ(27)も同様である。
消臭フィルター挿入部(23)に用いるヒートシール製不織布は、ユニチカ株式会社製エルベスT0303WDO(目付け30g/m)を用いた。
チャックテープ(24)は、MFL−809Z1ワンサイドオープンタイプ(ポケットジップ)である。
消臭フィルターに関係するヒートシールは外周ヒートシール部(22)、およびパターン状ヒートシール部(25)である。
【0053】
<評価>
実施例3は、ワンサイドオープンタイプのチャックテープを開けて内容物を出し入れすることができ、チャックを閉じると袋内部で発生した発生気体(21)は消臭フィルター挿入部(23)の不織布による構造部を通過し流出口(2)から流出気体(15)として排出される構造とした。
【0054】
たとえば発酵食品などのような臭気ガスを発生する内容物に用いる包装袋の場合、従来は臭気が外部に漏れだして問題となっていた。本発明による実施例3の消臭フィルターを用いた包装袋を漬け物に適用して効果を確認したところ、発生した臭気を含んだガスはフィルター挿入部(23)を通って流出口(2)から外部に排出されるため、臭気は感じられない程度に消臭されており問題となることはなかった。
【0055】
実施例1および実施例2の結果から明らかなように、本発明による消臭フィルターによって、消臭の効率を損なうことなく、省スペース型の消臭フィルターを提供することが可能であることを検証することができた。
【0056】
また実施例3の結果からは、本発明による消臭フィルターを用いて構成される、省スペース型の消臭フィルター付きの包装袋を提供することが可能であることも検証することができた。
【符号の説明】
【0057】
1・・・流入口
2・・・流出口
3・・・周縁部ヒートシール
4・・・パターン状ヒートシール
5・・・消臭フィルター
6・・・プラスチックフィルム
7・・・プラスチックフィルム
8・・・不織布1
9・・・不織布2
10・・・空間
11・・・シーラント層
14・・・流入気体
15・・・流出気体
20・・・内容物
21・・・発生気体
22・・・外周シール部
23・・・消臭フィルター挿入部
24・・・チャックテープ
25・・・パターン状ヒートシール部
26・・・本体フィルム
27・・・底テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6