(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
情報コードを表示する情報コード表示装置と、前記情報コード表示装置に表示された情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置と、を備える情報コード読取システムであって、
前記情報コード表示装置は、
表示すべき情報コードを複数の分割コードに分割する分割手段と、
前記複数の分割コードの1つを含めた合成用画像を全ての分割コードについて生成する生成手段と、
前記生成手段にて生成された複数の前記合成用画像を含めた複数の画像を第1の間隔で表示画面にサイクリックに表示する表示手段と、を備え、
前記情報コード読取装置は、
前記表示画面を第2の間隔で連続して撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像のうち複数の前記合成用画像にそれぞれ含まれる前記分割コードに基づいて1つの情報コードを合成する合成手段と、
前記合成手段により合成された情報コードを解読する解読手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記複数の画像として、全ての前記合成用画像に加えて前記分割コードと異なる像が含まれる他の画像を含めて、サイクリックに表示し、
前記異なる像は、前記合成手段により全ての前記分割コードを合成する際の基準となる情報を記録した情報コードであることを特徴とする情報コード読取システム。
前記表示手段は、前記分割コードの残像を利用して前記表示すべき情報コードが視認されるように、複数の前記合成用画像をサイクリックに表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
前記異なる像は、前記他の画像に対して、前記分割コードの少なくとも一部に相当する領域を占めるように配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
前記撮像手段は、前記第2の間隔が前記第1の間隔に一致するように、前記表示画面を連続して撮像することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コード読取システムおよび情報コード表示装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る情報コード読取システム10の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る情報コード読取システム10は、画面表示される情報コードの複製を防止するためのシステムである。この情報コード読取システム10は、情報コードを表示する情報コード表示装置20と、情報コード表示装置20に表示された情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置30とを備えている。
【0024】
まず、情報コード表示装置20について、
図2〜
図4を参照して説明する。なお、
図2は、
図1の情報コード表示装置20の概略構成を示すブロック図である。
図3は、QRコードCと各分割コードC1〜C3との関係を示す説明図である。
図4は、分割コードを含めるように生成された合成用画像の説明図であり、
図4(A)は、第1分割コードC1が含まれる合成用画像P1を示し、
図4(B)は、第2分割コードC2が含まれる合成用画像P2を示し、
図4(C)は、第3分割コードC3が含まれる合成用画像P3を示す。なお、
図4(A)〜(C)では、分割前の情報コードの外形を二点鎖線にて図示している。
【0025】
本実施形態に係る情報コード表示装置20は、所定の情報コードを画面表示するための装置である。この情報コード表示装置20は、ユーザによって携帯されて様々な場所で後述する各合成用画像等を表示するために用いられる携帯型の情報端末であり、例えば、所定のアプリケーションプログラムがインストールされた携帯電話(スマートフォン)により構成することができる。例えば、この情報コード表示装置20は、
図2に示すように、全体制御を司るCPU21と、RAM22aやROM22b等からなるメモリ22と、描画コマ作成モジュール23と、表示モジュール24と、表示コントローラ25と、を備えている。
【0026】
CPU21は、ROM22bに記憶される所定のプログラムに基づいて算術演算や論理演算、後述する表示処理等の各種演算処理を行うことで各種電気部品を制御するように構成されている。
【0027】
RAM22aは、CPU21が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や後述する合成用画像などが記憶される画像データ記憶領域等を確保可能に構成されている。またROM22bには、情報コードを表示する表示処理等を実行可能な所定プログラムや各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0028】
描画コマ作成モジュール23は、CPU21により制御されて、表示すべき情報コードを複数の分割コードに分割する分割手段として機能するモジュールとして構成されている。具体的には、描画コマ作成モジュール23は、
図3に例示するQRコードCが表示すべき情報コードとしてRAM22aに記憶される場合、このQRコードCを、例えば、3つの分割コードに分割する。
【0029】
特に、本実施形態では、表示すべき情報コードとして、一般的な誤り訂正機能を有するQRコードが採用される。誤り訂正機能を有するようにQRコードが生成されているため、そのQRコードのデータ部分を構成する各セルのうち誤り訂正可能な範囲の領域(例えば30%)のセルが欠損等しても、誤り訂正により欠損等した領域を読み取り可能に復元することができる。このため、各分割コードは、1つの分割コードから読み取り可能にQRコードが復元されることを防止するために、誤り訂正不能な大きさに分割される。
【0030】
そして、描画コマ作成モジュール23は、上述のように分割された各分割コードのそれぞれについて、分割コードの1つを含めた画像(以下、合成用画像ともいう)を生成する。例えば、上述のように情報コードが3つの分割コード(第1分割コードC1、第2分割コードC2、第3分割コードC3)に分割される場合には、描画コマ作成モジュール23により、第1分割コードC1を含めた合成用画像P1(
図4(A)参照)と、第2分割コードC2を含めた合成用画像P2(
図4(B)参照)と、第3分割コードC3を含めた合成用画像P3(
図4(C)参照)と、が生成される。
【0031】
図4(A)に示すように、合成用画像P1は、表示すべき情報コードを基準位置(例えば画面中央)に配置するときに、この表示すべき情報コードに対して第1分割コードC1が占める位置に当該第1分割コードC1が配置されるように生成される。また、
図4(B)に示すように、合成用画像P2は、表示すべき情報コードを上記基準位置に配置するときに、この表示すべき情報コードに対して第2分割コードC2が占める位置に当該第2分割コードC2が配置されるように生成される。また、
図4(C)に示すように、合成用画像P3は、表示すべき情報コードを上記基準位置に配置するときに、この表示すべき情報コードに対して第3分割コードC3が占める位置に当該第3分割コードC3が配置されるように生成される。このように生成された各合成用画像は、RAM22aの所定の画像データ記憶領域に記憶される。なお、描画コマ作成モジュール23は、「生成手段」の一例に相当し得る。
【0032】
表示モジュール24は、例えば、表示画面24aを備える液晶表示器であって、CPU21から指示を受けた表示コントローラ25によりその表示内容が制御されるように構成されている。なお、表示モジュール24および表示コントローラ25は、「表示手段」の一例に相当し得る。
【0033】
また、情報コード表示装置20は、
図2の符号26にて示すように、所定の情報を入力操作するためのキー操作部や外部装置と通信するためのインタフェースとして構成される外部通信部(入出力手段)、CPU21や各種電気部品に電力を供給する電源部等を備えている。
【0034】
次に、上述のように構成される情報コード表示装置20のCPU21により実行される表示処理について説明する。
本実施形態では、CPU21により表示処理が実行されると、描画コマ作成モジュール23により、表示すべき情報コードを分割した分割コードをそれぞれ含む合成用画像が生成される。そして、上述のように生成された各合成用画像は、表示コントローラ25により制御される表示モジュール24により、所定の表示間隔で表示画面24aにサイクリックに表示される。
【0035】
具体的には、表示画面24aにおいて、合成用画像P1のみが表示される表示状態(
図4(A)参照)と、合成用画像P2のみが表示される表示状態(
図4(B)参照)と、合成用画像P3のみが表示される表示状態(
図4(C)参照)とが、上記所定の表示間隔で繰り返される。
【0036】
特に、本実施形態では、上記所定の表示間隔は、残像現象が生じる程度の時間、例えば、20ms〜30msに設定されている。各分割コードC1〜C3は、合成用画像P1〜P3において表示すべき情報コードに対して占める位置にそれぞれ表示されるため、各合成用画像P1〜P3がサイクリックに表示される表示画面24aを見た者は、残像現象により1つの情報コードが表示されているものと視認する。一方で、各合成用画像P1〜P3がサイクリックに表示される表示画面24aを撮影すると、合成用画像P1〜P3のいずれか1つが撮像されることとなる。なお、上記所定の表示間隔は、「第1の間隔」の一例に相当し得る。
【0037】
なお、上記表示処理では、所定の操作に応じて所定の時間、表示すべき情報コードを表示画面24aに表示してもよい。
【0038】
次に、情報コード読取装置30について、
図5を参照して説明する。なお、
図5は、
図1の情報コード読取装置30の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る情報コード読取装置30は、情報コードを光学的に読み取る装置であって、情報コードを利用して所定のサービスを提供する店舗等に設置されている。この情報コード読取装置30は、
図5に示すように、全体制御を司るCPU31と、RAM32aやROM32b等からなるメモリ32と、カメラモジュール33と、コマ画像記憶モジュール34と、情報コード合成ツール35と、を備えている。
【0039】
CPU31は、ROM32bに記憶される所定のプログラムに基づいて算術演算や論理演算、後述する読取処理等の各種演算処理を行うことで各種電気部品を制御するように構成されている。
【0040】
RAM32aは、CPU31が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や撮像した画像データなどが記憶される画像データ記憶領域等を確保可能に構成されている。またROM32bには、QRコードCなどを読み取る読取処理等を実行可能な所定プログラムや各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0041】
カメラモジュール33は、C−MOSやCCD等の固体撮像素子を二次元に配列したエリアセンサとして構成されるもので、所定のシャッタースピードで撮像を実行することで、撮像面上に結像された情報コード等の被写体の光学像を電気信号に変換して画像データを取得する撮像手段として機能する。なお、上記所定のシャッタースピードは、本実施形態では上記所定の表示間隔よりも短くなるように設定されており(例えば、上記所定の表示間隔に対して1/2の間隔)、「第2の間隔」の一例に相当し得る。
【0042】
コマ画像記憶モジュール34は、CPU31により制御されて、カメラモジュール33により撮像されて取得された複数の画像データから所定の画像データを抽出して記憶するように機能する。本実施形態では、コマ画像記憶モジュール34は、CPU31により実行される読取処理の際に、カメラモジュール33により撮像された複数の画像データから後述するコマイメージをそれぞれ抽出する。このように抽出されたコマイメージは、RAM32aの所定の画像データ記憶領域に記憶される。
【0043】
情報コード合成ツール35は、CPU31により制御されて、RAM32aに記憶されている各合成用画像から1つの情報コードを合成する合成手段として機能する。例えば、
図4(A)〜(C)に例示する合成用画像P1〜P3を含むコマイメージがRAM32aに記憶されている場合には、情報コード合成ツール35は、
図3に例示するQRコードCを読取対象の情報コードとして合成することができる。
【0044】
また、情報コード読取装置30は、
図5の符号36にて示すように、所定の情報を入力操作するためのキー操作部や外部装置と通信するためのインタフェースとして構成される外部通信部(入出力手段)、CPU31や各種電気部品に電力を供給する電源部等を備えている。
【0045】
次に、上述のように構成される情報コード読取装置30のCPU31において、情報コード表示装置20に表示される各分割コードを撮影して1つの情報コードを読み取る際に実行される読取処理について、
図6に示すフローチャートを参照して説明する。なお、
図6は、第1実施形態における情報コード読取装置30の読取処理の流れを例示するフローチャートである。なお、情報コード表示装置20の表示画面24aでは、各合成用画像P1〜P3がサイクリックに表示されているものとする。
【0046】
利用者により情報コード表示装置20の表示画面24aがカメラモジュール33のカメラに対して撮像可能に向けられた状態で所定の操作がなされると、CPU31により読取処理が開始される。まず、
図6のステップS101に示す初期設定処理がなされる。この処理では、予め入力される情報等に応じて、後述するコマイメージの個数やデコード処理におけるアルゴリズム等が設定される。特に、本実施形態では、合成用画像P1〜P3がサイクリックに表示される表示画面24aを撮影するため、コマイメージの個数として「3」が設定される。
【0047】
次に、ステップS103に示す撮像処理がなされる。この処理では、カメラモジュール33により上記所定のシャッタースピードにて撮影がなされ、画像データの取得が開始される。これにより、表示画面24aの表示状態が上記所定のシャッタースピードにて連続的に撮影されることとなる。なお、短時間での撮影であるため、撮像される全ての撮像画像において表示画面24aの画像が占める位置は一定になるものとする。
【0048】
続いて、ステップS105に示すコマイメージ取得処理がなされる。この処理では、コマ画像記憶モジュール34により、同じ画像とみなされる画像データが連続されて取得されるときにこれらの画像の1つが抽出されてコマイメージとして取得される。上記所定のシャッタースピードは上記表示間隔よりも短く設定されるため、例えば、合成用画像P1を含めた撮像画像が1または複数取得されると、この合成用画像P1を含めた1つの撮像画像がコマイメージとして取得される。そして、ステップS107にて、コマイメージ記憶処理がなされ、上述のように取得されたコマイメージがRAM32aに記憶される。
【0049】
次に、ステップS109に示す判定処理にて、次のコマイメージがあるか否かについて判定される。本実施形態では、コマイメージの個数が予め設定されているため、RAM32aに記憶されたコマイメージの個数が設定値(「3」)未満であれば(S109でYes)、上記ステップS105からの処理が繰り返される。上述のように合成用画像P1を含めた撮像画像がコマイメージとして1つのみ取得されている場合には、再度上記コマイメージ取得処理がなされる。そして、合成用画像P1の後に表示画面24aに表示された合成用画像P2を含めた撮像画像がコマイメージとして取得され、RAM32aに記憶される。この段階では、2つのコマイメージがRAM32aに記憶されているので、ステップS109にてYesと判定されて、再度上記コマイメージ取得処理がなされる。そして、合成用画像P2の後に表示画面24aに表示された合成用画像P3を含めた撮像画像がコマイメージとして取得され、RAM32aに記憶される。なお、最初に合成用画像P2を含めた撮像画像がコマイメージとして取得されて記憶される場合には、次に、合成用画像P3を含めた撮像画像がコマイメージとして取得され、その次に合成用画像P1を含めた撮像画像がコマイメージとして取得されて記憶されることとなる。また、最初に合成用画像P3を含めた撮像画像がコマイメージとして取得されて記憶される場合には、次に、合成用画像P1を含めた撮像画像がコマイメージとして取得され、その次に合成用画像P2を含めた撮像画像がコマイメージとして取得されて記憶されることとなる。
【0050】
この段階では、3つのコマイメージがRAM32aに記憶されているので、ステップS109にてNoと判定されて、ステップS111に示す画像呼び出し処理がなされる。この処理では、最初に記憶されたコマイメージがRAM32aから読み出される。次に、ステップS113に示す判定処理にて、コマイメージに分割コードが含まれているか否かについて判定される。本実施形態では、全てのコマイメージに合成用画像が含まれているので、合成用画像P1とともに第1分割コードC1が含まれるコマイメージが読み出されると、ステップS113にてYesと判定されて、ステップS115に示す合成用コマイメージ記憶処理がなされる。この処理では、合成用画像P1が含まれるコマイメージが合成用コマイメージとしてRAM32aに記憶される。
【0051】
次に、ステップS117に示す判定処理にて、次のコマイメージがあるか否かについて判定される。合成用画像P2とともに第2分割コードC2が含まれるコマイメージがRAM32aに記憶されているので(S117でYes)、再度上記画像呼び出し処理がなされて、合成用画像P2が含まれるコマイメージが読み出されて、合成用コマイメージとしてRAM32aに記憶される(S115)。そして、合成用画像P3とともに第3分割コードC3が含まれるコマイメージがRAM32aに記憶されているので(S117でYes)、再度上記画像呼び出し処理がなされて、合成用画像P3が含まれるコマイメージが読み出されて、合成用コマイメージとしてRAM32aに記憶される(S115)。
【0052】
このようにして全ての合成用コマイメージがRAM32aに記憶されると(S117でNo)、ステップS119に示す合成処理がなされる。この処理では、情報コード合成ツール35により、RAM32aに記憶されている全ての合成用コマイメージに含まれる各分割コードから1つの情報コードが合成される。
【0053】
具体的には、カメラモジュール33にて撮像される全ての撮像画像において表示画面24aの画像が占める位置は一定であるため、全ての合成用コマイメージを表示画面24aの画像を基準に重ねることで、各分割コードから1つの情報コードを合成することができる。上述した
図4(A)〜(C)に例示する合成用画像P1〜P3が撮影されている場合には、
図3に示すQRコードCが合成されることとなる。
【0054】
上述のように情報コードが合成されると、ステップS121にて、合成された情報コードに対して上記初期処理にて設定されたアルゴリズム等に基づく公知のデコード処理が実施される。この処理により、情報コードとしてコード化された文字データ等がデコードされて解読される。なお、ステップS121に示す処理を実行するCPU31は、「解読手段」の一例に相当し得る。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10では、情報コード表示装置20において、描画コマ作成モジュール23により表示すべき情報コードが複数の分割コードに分割されて、複数の分割コードの1つを含めた合成用画像が全ての分割コードについて生成され、表示モジュール24により複数の合成用画像を含めた複数の画像が所定の表示間隔で表示画面24aにサイクリックに表示される。そして、情報コード読取装置30において、カメラモジュール33により表示画面24aが所定のシャッタースピードで連続して撮像され、情報コード合成ツール35により撮像された複数の合成用画像にそれぞれ含まれる分割コードに基づいて1つの情報コードが合成され、デコード処理により合成された情報コードがデコードされて解読される。
【0056】
これにより、情報コード表示装置20の表示画面24aを単に撮影しても、1つの分割コードが撮像されるだけで、表示すべき情報コードが撮像されることもない。一方、上記情報コード読取装置30を用いることで表示すべき情報コードを合成でき、この合成された情報コードを解読することができる。したがって、画面表示される情報コードの複製を防止することができる。
【0057】
特に、表示モジュール24により、分割コードの残像を利用して表示すべき情報コードが視認されるように、複数の合成用画像がサイクリックに表示される。これにより、情報コードが視認される表示画面24aを撮影しても表示すべき情報コードが撮像されないので、画面表示される情報コードの複製を防止することができる。特に、表示画面24aからは情報コードが視認されるので、その表示画面24aを撮影しても表示すべき情報コードが撮像されない理由を把握されにくくすることができる。
【0058】
さらに、表示すべき情報コードは、描画コマ作成モジュール23により分割コードとして誤り訂正不能な大きさに分割される。誤り訂正機能を有する情報コードは、誤り訂正可能な範囲の領域が欠損等しても、誤り訂正により欠損等した領域が訂正できる可能性があるため、誤り訂正可能な大きさに分割されると、誤り訂正により表示すべき情報コードが復元されてしまう場合がある。そこで、誤り訂正不能な大きさに各分割コードを分割することで、誤り訂正機能を有する情報コードであっても復元できないため、画面表示される情報コードの複製を確実に防止することができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る情報コード読取システムおよび情報コード表示装置について、
図7を用いて説明する。なお、
図7は、第2実施形態における表示処理での表示画面24aの表示状態を説明する説明図であり、
図7(A)は、第1分割コードC1が含まれる合成用画像P1を示し、
図7(B)は、太陽のマークSが含まれる他の画像Psを示し、
図7(C)は、第2分割コードC2が含まれる合成用画像P2を示し、
図7(D)は、太陽のマークSが含まれる他の画像Psを示し、
図7(E)は、第3分割コードC3が含まれる合成用画像P3を示し、
図7(F)は、太陽のマークSが含まれる他の画像Psを示す。なお、
図7(A)〜(F)では、分割前の情報コードの外形を二点鎖線にて図示している。
【0060】
本第2実施形態では、全ての合成用画像に加えて分割コードと異なる像が含まれる他の画像が表示画面24aにサイクリックに表示される点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係る情報コード表示装置20における表示処理では、上述のように表示すべき情報コードが複数の分割コードに分割されると、分割コードをそれぞれ含む合成用画像とともに、分割コードと異なる像が含まれる他の画像が生成される。そして、各合成用画像と他の画像とが1つずつ上記所定の表示間隔で表示画面24aにサイクリックに表示される。
【0062】
本実施形態では、異なる像として、例えば、太陽のマークSが用意されている。特に、太陽のマークSは、表示すべき情報コードを基準とするように他の画像と各合成用画像とを重ねるとき、上部が第1分割コードC1の一部に相当する領域を占め、中央部が第2分割コードC2の一部に相当する領域を占め、下部が第3分割コードC3の一部に相当する領域を占めるように配置されている。
【0063】
そして、表示処理では、
図7(A)〜(F)に示すように、合成用画像P1と、太陽のマークSを含む他の画像Psと、合成用画像P2と、太陽のマークSを含む他の画像Psと、合成用画像P3と、太陽のマークSを含む他の画像Psとが、上記所定の表示間隔で表示画面24aにサイクリックに表示される。
【0064】
このような表示状態の表示画面24aに対してなされる情報コード読取装置30での読取処理について、
図6に示すフローチャートを参照して説明する。
上述したように表示画面24aでは6つの画像がサイクリックに表示されていることから、ステップS101に示す初期処理にて、コマイメージの個数として「6」が設定される。そして、ステップS105からステップS109までの繰り返し処理により、合成用画像P1を含めた撮像画像と、他の画像Psを含めた撮像画像と、合成用画像P2を含めた撮像画像と、他の画像Psを含めた撮像画像と、合成用画像P3を含めた撮像画像と、他の画像Psを含めた撮像画像とが、それぞれコマイメージとして取得されてRAM32aに記憶される(S107)。
【0065】
そして、分割コードが含まれるコマイメージ(
図7(A),(C),(E)参照)が読み出される場合には、ステップS113にてYesと判定されて、合成用コマイメージとしてRAM32aに記憶される(S115)。一方で、異なる像が含まれるコマイメージ(
図7(B),(D),(F)参照)が読み出される場合には、ステップS113にてNoと判定されて、RAM32aに記憶されない。
【0066】
なお、上記ステップS113における判定処理では、例えば、画像データにおける明暗のばらつき程度によって分割コードが含まれるコマイメージであるか否かを判定することができる。この場合には、上記異なる像を、その明暗のばらつきが分割コードにおける明暗のばらつきと異なるように作成することで、上記ステップS113における判定処理での判定精度を高めることができる。
【0067】
このようにして全ての合成用コマイメージがRAM32aに記憶されると(S117でNo)、ステップS119に示す合成処理にて、RAM32aに記憶されている全ての合成用コマイメージに含まれる各分割コードから1つの情報コードが合成される。そして、ステップS121にてデコード処理がなされ、情報コードとしてコード化された文字データ等がデコードされて解読される。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10では、表示モジュール24により、複数の画像として、全ての合成用画像に加えて分割コードと異なる像が含まれる他の画像を含めて、表示画面24aにサイクリックに表示される。これにより、表示画面24aを単に撮影しても1つの分割コードか上記異なる像等が撮像されるだけで、表示すべき情報コードが撮像されないので、画面表示される情報コードの複製を防止することができる。
【0069】
特に、異なる像は、上述した太陽のマークSのように、他の画像に対して、分割コードの少なくとも一部に相当する領域を占めるように配置される。これにより、表示画面24aを連続撮影して得られた複数の画像を単に重ね合せても上記異なる像が表示すべき情報コードの一部と重なることとなる。このため、解読可能な情報コードを抽出することができないので、画面表示される情報コードの複製を確実に防止することができる。
【0070】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報コード読取システムおよび情報コード表示装置について、
図8および
図9を用いて説明する。なお、
図8は、第3実施形態における表示処理での表示画面24aの表示状態を説明する説明図であり、
図8(A)は、第1分割コードC1が含まれる合成用画像P1を示し、
図8(B)は、太陽のマークSが含まれる他の画像Psを示し、
図8(C)は、第2分割コードC2が含まれる合成用画像P2を示し、
図8(D)は、合成用情報コードCoが含まれる他の画像Poを示し、
図8(E)は、第3分割コードC3が含まれる合成用画像P3を示し、
図8(F)は、太陽のマークSが含まれる他の画像Psを示す。
図9は、第3実施形態における情報コード読取装置30の読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【0071】
本第3実施形態では、上記異なる像として合成用情報を記録した情報コードが採用される点が主に上記第2実施形態と異なる。このため、第2実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0072】
本実施形態に係る情報コード表示装置20における表示処理では、上記第2実施形態と同様に、表示すべき情報コードが複数の分割コードに分割されると、分割コードをそれぞれ含む合成用画像とともに、分割コードと異なる像が含まれる他の画像が生成される。特に、本実施形態では、上記異なる像の1つとして、情報コード合成ツール35により全ての分割コードを合成する際の基準となる情報(以下、合成用情報ともいう)を記録した情報コード(以下、合成用情報コードCoともいう)が採用されている。本実施形態では、上記合成用情報としては、合成用画像や他の画像を含めたコマイメージの個数、合成用画像や他の画像の表示順序に関する情報が採用されている。
【0073】
そして、情報コード表示装置20における表示処理では、合成用情報コードCoや太陽のマークS等の異なる像が含まれる他の画像と各合成用画像とが1つずつ上記所定の表示間隔で表示画面24aにサイクリックに表示される。例えば、
図8(A)〜(F)の例では、合成用画像P1と、太陽のマークSを含む他の画像Psと、合成用画像P2と、合成用情報コードCoを含む他の画像Poと、合成用画像P3と、太陽のマークSを含む他の画像Psとが、上記所定の表示間隔で表示画面24aにサイクリックに表示される。
【0074】
このような表示状態の表示画面24aに対してなされる情報コード読取装置30での読取処理について、
図9に示すフローチャートを参照して説明する。
本実施形態における読取処理では、
図9のステップS101aに示す初期設定処理にて、デコード処理におけるアルゴリズム等が設定される。なお、本実施形態では、この段階にてコマイメージの個数に関する設定はなされない。
【0075】
次に、ステップS103に示す撮像処理がなされると、ステップS105に示すコマイメージ取得処理にて、順次コマイメージが取得される。ここで、取得されたコマイメージに合成用情報コードCoが含まれていると、ステップS106にてYesと判定されて、ステップS106aに示す合成用情報設定処理がなされる。この処理では、合成用情報コードCoをデコードすることで得られる合成用情報に含まれる情報に基づいて、コマイメージの個数として「5」が設定され、合成用画像や他の画像の表示順序に関する情報が取得される。
【0076】
一方、取得されたコマイメージに合成用情報コードCoが含まれていない場合には(S106でNo)、取得されたコマイメージがRAM32aに記憶される(S107)。そして、ステップS105からステップS109までの繰り返し処理により、合成用情報コードCoを含めた撮像画像を除き、合成用画像P1を含めた撮像画像と、他の画像Psを含めた撮像画像と、合成用画像P2を含めた撮像画像と、合成用画像P3を含めた撮像画像と、他の画像Psを含めた撮像画像とが、それぞれコマイメージとして取得されてRAM32aに記憶される(S107)。
【0077】
そして、ステップS113に示す判定処理では、合成用情報コードCoから合成用画像や他の画像の表示順序に関する情報が取得されているため、分割コードが含まれるコマイメージであるか否かを容易に判定することができる。そして、分割コードが含まれるコマイメージ(
図8(A),(C),(E)参照)が読み出される場合には、ステップS113にてYesと判定されて、合成用コマイメージとしてRAM32aに記憶される(S115)。一方、異なる像が含まれるコマイメージ(
図8(B),(F)参照)が読み出されると、ステップS113にてNoと判定されて、RAM32aに記憶されない。
【0078】
このようにして全ての合成用コマイメージがRAM32aに記憶されると(S117でNo)、ステップS119に示す合成処理にて、RAM32aに記憶されている全ての合成用コマイメージに含まれる各分割コードから1つの情報コードが合成される。そして、ステップS121にてデコード処理がなされ、情報コードとしてコード化された文字データ等がデコードされて解読される。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10では、上記異なる像の1つが、全ての分割コードを合成する際の基準となる合成用情報を記録した合成用情報コードCoとして採用されている。これにより、カメラモジュール33による表示画面24aの撮像後にまず解読可能な情報コードが撮像された画像を抽出してこの情報コードを解読することで、上記合成用情報が取得される(S106a)。このように取得された合成用情報に基づいて各分割コードを合成することで、情報コード合成ツール35による合成処理を容易に実施することができる。
【0080】
なお、上記異なる像として採用される情報コードは、合成用情報コードCoに限ることなく、例えば、単に表示すべき情報コードと異なる情報コードであってもよい。これにより、カメラモジュール33により上記異なる情報コードが撮像された場合には、デコードが成功して表示すべき情報コードに記録された情報と異なる情報が読み取られる。このように情報コードの読み取りが成功すると、表示すべき情報コードと異なる情報コードが撮像されていることを複製者が気付きにくくなるので、表示すべき情報コードの複製防止効果を高めることができる。
【0081】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る情報コード読取システムおよび情報コード表示装置について、
図10を用いて説明する。なお、
図10は、第4実施形態における表示処理での表示画面24aの表示状態を説明する説明図であり、
図10(A)は、第1分割コードC1が含まれる合成用画像P1を示し、
図10(B)は、太陽のマークSが含まれる他の画像Psを示し、
図10(C)は、第2分割コードC2が含まれる合成用画像P2を示し、
図10(D)は、太陽のマークSが含まれる他の画像Psを示し、
図10(E)は、第3分割コードC3が含まれる合成用画像P3を示し、
図10(F)は、第4分割コードC4が含まれる合成用画像P4を示す。
【0082】
本第4実施形態では、合成用画像にマーカーが含まれる点が主に上記第2実施形態と異なる。このため、第2実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0083】
本実施形態に係る情報コード表示装置20における表示処理では、上述のように表示すべき情報コードが複数の分割コードに分割されると、分割コードをそれぞれ含む合成用画像(
図10(A),(C),(E),(F)参照)とともに、分割コードと異なる像が含まれる他の画像(
図10(B),(D)参照)が生成される。特に、各合成用画像は、表示すべき情報コードを基準とする所定の位置にマーカーが表示されるように構成されている。
【0084】
このマーカーは、当該マーカーが含まれる画像が合成用画像であることを示す目印として機能するもので、特に、その合成用画像に含まれる分割コードが表示すべき情報コードに対して占める位置を示すように構成されている。具体的には、
図10(A),(C),(E),(F)に示すように、QRコードCを4分割するとき、左上部分に相当する第1分割コードC1が含まれる合成用画像P1には、左上のみが黒塗された円状のマーカーM1が配置される。また、右上部分に相当する第2分割コードC2が含まれる合成用画像P2には、右上のみが黒塗された円状のマーカーM2が配置される。また、左下部分に相当する第3分割コードC3が含まれる合成用画像P3には、左下のみが黒塗された円状のマーカーM3が配置される。また、右下部分に相当する第4分割コードC4が含まれる合成用画像P4には、右下のみが黒塗された円状のマーカーM4が配置される。
【0085】
そして、表示処理では、
図10(A)〜(F)に示すように、合成用画像P1と、太陽のマークSを含む他の画像Psと、合成用画像P2と、太陽のマークSを含む他の画像Psと、合成用画像P3と、合成用画像P4とが、上記所定の表示間隔で表示画面24aにサイクリックに表示される。
【0086】
このような表示状態の表示画面24aに対してなされる情報コード読取装置30での読取処理について、
図6に示すフローチャートを参照して説明する。
上述したように表示画面24aでは6つの画像がサイクリックに表示されていることから、ステップS101に示す初期処理にて、コマイメージの個数として「6」が設定される。そして、ステップS105からステップS109までの繰り返し処理により、合成用画像P1を含めた撮像画像と、他の画像Psを含めた撮像画像と、合成用画像P2を含めた撮像画像と、他の画像Psを含めた撮像画像と、合成用画像P3を含めた撮像画像と、合成用画像P4を含めた撮像画像とが、それぞれコマイメージとして取得されてRAM32aに記憶される(S107)。
【0087】
そして、ステップS111に示す画像呼び出し処理にてコマイメージがRAM32aから読み出されると、ステップS113に示す判定処理にて、そのコマイメージにマーカーが含まれているか否かに基づいて、分割コードが含まれているか否かが判定される。マーカーが含まれるコマイメージ(
図10(A),(C),(E),(F)参照)が読み出される場合には、ステップS113にてYesと判定されて、合成用コマイメージとしてRAM32aに記憶される(S115)。一方で、マーカーが含まれないコマイメージ(
図10(B),(D)参照)が読み出される場合には、ステップS113にてNoと判定されて、RAM32aに記憶されない。
【0088】
このようにして全ての合成用コマイメージがRAM32aに記憶されると(S117でNo)、ステップS119に示す合成処理にて、RAM32aに記憶されている全ての合成用コマイメージに含まれる各分割コードから1つの情報コードが合成される。本実施形態では、上記合成処理は、各マーカーM1〜M4から把握される分割コードが表示すべき情報コードに対して占める位置に基づいて各分割コードC1〜C4の合成がなされる。そして、ステップS121にてデコード処理がなされ、情報コードとしてコード化された文字データ等がデコードされて解読される。
【0089】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10では、合成用画像には、当該合成用画像に分割コードが含まれることを示すマーカー(M1〜M4)が含まれる。このため、カメラモジュール33により撮像された複数の画像のうちマーカーが含まれる画像が合成用画像となるので、マーカーの有無を確認することでその画像が合成用画像であるか否かを容易に判断することができる。
【0090】
特に、マーカー(M1〜M4)は、分割コードが表示すべき情報コードに対して占める位置を示すように構成されため、そのマーカーとともに撮像された分割コードが表示すべき情報コードのどの部分に対応するかを容易に把握できるので、各分割コードの合成処理(S119)を容易に実施することができる。
【0091】
なお、マーカーは、円状にて配置されることに限らず、他の形状、例えば、表示すべき情報コードに対して相似的な外形形状にて配置されてもよい。また、マーカーは、QRコードに含まれる位置検出パターン(FPパターン)など、分割コードの一部を利用して構成されてもよい。
【0092】
また、各合成用画像に含まれるマーカーは、同じ形状であって、単に、その画像に分割コードが含まれることを示す目印として機能するように配置されてもよい。例えば、各合成用画像に含まれるマーカーは、同じ形状の情報コードから構成されてもよい。
【0093】
また、マーカーが合成用画像に含まれる本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態に適用されてもよい。
【0094】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る情報コード読取システムおよび情報コード表示装置について説明する。
本第5実施形態では、残部の分割コードがRAM32aに予め記憶されている点が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0095】
本実施形態では、複数の分割コードのうち、一部の分割コードが情報コード表示装置20における表示処理にてサイクリックに表示され、残部の分割コードが情報コード読取装置30のRAM32aに予め記憶されている。本実施形態では、例えば、表示すべき情報コードが
図3に例示するQRコードCのように3つの分割コードC1〜C3に分割されるとき、第1分割コードC1が含まれる合成用画像P1と第2分割コードC2が含まれる合成用画像P2とが表示画面24aにサイクリックに表示される。そして、第3分割コードC3が残部の分割コードとして、RAM32aに予め記憶される。なお、RAM32aは、「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0096】
このような表示状態の表示画面24aに対してなされる情報コード読取装置30での読取処理について、
図6に示すフローチャートを参照して説明する。
上述したように表示画面24aでは2つの画像がサイクリックに表示されていることから、ステップS101に示す初期処理にて、コマイメージの個数として「2」が設定される。そして、ステップS105からステップS109までの繰り返し処理により、合成用画像P1を含めた撮像画像と、合成用画像P2を含めた撮像画像とが、それぞれコマイメージとして取得されてRAM32aに記憶される(S107)。
【0097】
そして、分割コードが含まれるコマイメージがそれぞれ読み出されて合成用コマイメージとしてRAM32aに記憶されると(S117でNo)、ステップS119に示す合成処理がなされる。本実施形態における合成処理では、情報コード合成ツール35により、上記ステップS115にてRAM32aに記憶されたる全ての合成用コマイメージに含まれる各分割コード(一部の分割コード)と、RAM32aに予め記憶される分割コード(残部の分割コード)とから1つの情報コードが合成される。そして、ステップS121にてデコード処理がなされ、情報コードとしてコード化された文字データ等がデコードされて解読される。
【0098】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10では、情報コード合成ツール35により、カメラモジュール33により撮像された複数の合成用画像にそれぞれ含まれる一部の分割コードと、RAM32aに予め記憶される残部の分割コードとに基づいて1つの情報コードが合成される。これにより、表示画面24aに表示された全ての分割コードを撮像して合成したとしても、残部の分割コードが予め記憶されていない限り、表示すべき情報コードを合成できないので、画面表示される情報コードの複製を確実に防止することができる。
【0099】
なお、RAM32aに予め記憶される残部の分割コードは、1つであることに限らず、複数であってもよい。また、この残部の分割コードは、外部の機器と通信することで取得されてRAM32aに記憶されてもよい。
【0100】
また、残部の分割コードがRAM32aに予め記憶される本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態に適用されてもよい。
【0101】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)カメラモジュール33のシャッタースピード(第2の間隔)は、表示モジュール24における所定の表示間隔よりも短くなるように設定されることに限らず、所定の表示間隔よりも長くなるように設定されてもよいし、所定の表示間隔に一致するように設定されてもよい。特に、カメラモジュール33のシャッタースピード(第2の間隔)が所定の表示間隔に一致するように設定される構成では、表示モジュール24により合成用画像が1つずつ表示される場合にはカメラモジュール33により合成用画像が1つずつ撮像され、表示モジュール24により合成用画像や別の画像等が1つずつ表示される場合にはカメラモジュール33により合成用画像や別の画像等が1つずつ撮像される。このように合成用画像が1つずつ表示されることから、上記ステップS105に示すコマイメージ取得処理にて、全ての合成用画像を容易かつ短時間に抽出することができる。
【0102】
(2)表示モジュール24により各分割コードをそれぞれ所定の色で表示し、上記所定の色と異なる色を除くフィルタを利用してカメラモジュール33にて撮像画像を生成することで、各分割コードを抽出するようにしてもよい。例えば、各分割コードを三原色を利用して表示し、色合成値を考慮して三原色以外を除くフィルタを利用することで、各分割コードを抽出することができる。
【0103】
(3)表示すべき情報コードは、QRコードとして構成されることに限らず、他のコード種別の情報コード、例えば、データマトリックスコード、マキシコード等の二次元コードとして構成されてもよいし、バーコード等の一次元コードとして構成されてもよい。
【0104】
(4)本発明は、所定のサービスを提供する店舗等が情報コード読取装置30を所有し、サービスを受ける消費者等のユーザが情報コード表示装置20を所有するように構成されることに限らず、店舗等が情報コード表示装置20を所有し、ユーザが情報コード読取装置30を所有するように構成されてもよい。この場合、店舗等が情報コード表示装置20を利用してそのサービスに応じた合成用画像等がサイクリックに表示されることで、ユーザが情報コード表示装置20を利用して合成用画像等から合成される情報コードを読み取り認証等のサービスを受けることができる。