特許第6361419号(P6361419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6361419
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】吸気音低減装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/10 20060101AFI20180712BHJP
   F02M 35/12 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   F02M35/10 301D
   F02M35/12 Z
   F02M35/10 301L
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-194127(P2014-194127)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2016-65483(P2016-65483A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100096873
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 廣泰
(74)【代理人】
【識別番号】100131532
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】堀内 大
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 ▲琢▼哉
(72)【発明者】
【氏名】山田 洪文
【審査官】 齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/136666(WO,A1)
【文献】 特開2011−236853(JP,A)
【文献】 特開2002−155817(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/157113(WO,A1)
【文献】 特開2009−281317(JP,A)
【文献】 実開昭61−091064(JP,U)
【文献】 特開平11−141416(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0180389(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 35/10
F02M 35/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気管を構成する2つの管のうち一方の管の端面と他方の管の端面との間の隙間を封止する環状のガスケット部と、
該ガスケット部の内側に設けられ、かつ網目状に設けられた線状部により構成され、空気の流れを整流することで吸気音を低減させる整流ネット部と、
を備え、吸気管内においてスロットルバルブの下流側に配置されて吸気音を低減させる吸気音低減装置であって、
前記整流ネット部には、網目状の線状部から上流側に向かって部分的に突き出た突起部が複数設けられていることを特徴とする吸気音低減装置。
【請求項2】
複数の前記突起部は、線状部同士が交わる部位から上流側に向かって、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吸気音低減装置。
【請求項3】
複数の前記突起部は、網目状の線状部から突き出た長さが一定とはならないように設計されていることを特徴とする請求項1または2に記載の吸気音低減装置。
【請求項4】
複数の前記突起部は、ゴム状弾性体により構成されることを特徴とする請求項1,2または3に記載の吸気音低減装置。
【請求項5】
複数の前記突起部は、金属により構成されることを特徴とする請求項1,2または3に記載の吸気音低減装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気管内に配置され、吸気音を低減させる吸気音低減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸気管内には、吸気量を制御するためにスロットルバルブが設けられている。ここで、スロットルバルブが急激に開いた際に、異音が発生する問題がある。このような異音が発生することを抑制するために、網目状に設けられた線状部により構成される整流ネットをスロットルバルブの下流側に設けることで、空気の流れを整流させる技術が知られている。また、この整流ネットを、吸気管を構成する2つの管のうち一方の管の端面と他方の管の端面との間の隙間を封止する環状のガスケットに設ける技術も知られている。このように構成される吸気音低減装置によれば、吸気音を低減させる機能と密封機能を一つの装置に兼ね備えさせることが可能となる。
【0003】
ここで、吸気管内においては、−40℃程度まで環境温度が低下することが知られている。このように環境温度が低下することにより、空気中の水分が氷結し、スロットルバルブや吸気管内に氷が堆積した状態となることがある。この場合、堆積した氷が気体の流れにより吹き飛ばされて、整流ネットに張り付いてしまうことがある。これにより、吸気音を低減させる機能が損なわれるだけでなく、空気の流れが阻害されてしまう。空気の流れが阻害されると、流量が低下することにより、エンジンへの必要空気量が確保されずに、燃焼効率を悪化する原因となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−14279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、氷が整流ネット部に張り付いてしまうことを抑制可能な吸気音低減装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0007】
すなわち、本発明の吸気音低減装置は、
吸気管を構成する2つの管のうち一方の管の端面と他方の管の端面との間の隙間を封止する環状のガスケット部と、
該ガスケット部の内側に設けられ、かつ網目状に設けられた線状部により構成され、空気の流れを整流することで吸気音を低減させる整流ネット部と、
を備え、吸気管内においてスロットルバルブの下流側に配置されて吸気音を低減させる吸気音低減装置であって、
前記整流ネット部には、網目状の線状部から上流側に向かって部分的に突き出た突起部が複数設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、スロットルバルブや吸気管内に堆積していた氷が気体の流れにより吹き飛ばされても、氷は突起部に衝突することにより、氷が整流ネット部に張り付いてしまうことを抑制することができる。つまり、突起部に氷が衝突することで、氷は、弾かれたり砕かれたりすることにより、整流ネット部に張り付いてしまうことを抑制することがで
きる。
【0009】
複数の前記突起部は、線状部同士が交わる部位から上流側に向かって、それぞれ設けられているとよい。
【0010】
これにより、線状部同士が交わる部位は交わっていない部位に比べて強度が高く、氷が突起部に衝突しても線状部が破損してしまうことを抑制することができる。
【0011】
複数の前記突起部は、網目状の線状部から突き出た長さが一定とはならないように設計されているとよい。
【0012】
これにより、一つの氷の塊が複数個所の突起部に同時に衝突することを抑制でき、整流ネット部に対して氷が張り付いてしまうことをより一層抑制することができる。
【0013】
複数の前記突起部は、ゴム状弾性体により構成されるとよい。
【0014】
これにより、氷が突起部に衝突した際の衝撃を緩和することができる。
【0015】
複数の前記突起部は、金属により構成されるとよい。
【0016】
これにより、突起部に氷が衝突した際に氷をより確実に砕くことができる。
【0017】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、氷が整流ネット部に張り付いてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本発明の実施例1に係る吸気音低減装置の平面図である。
図2図2は本発明の実施例1に係る吸気音低減装置の模式的断面図である。
図3図3は本発明の実施例1に係る吸気音低減装置の模式的断面図である。
図4図4は本発明の実施例1に係る吸気音低減装置の使用時の様子を示す模式的断面図である。
図5図5は本発明の実施例2に係る吸気音低減装置の平面図である。
図6図6は本発明の実施例2に係る吸気音低減装置の模式的断面図である。
図7図7は本発明の実施例3に係る吸気音低減装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0021】
(実施例1)
図1図4を参照して、本発明の実施例1に係る吸気音低減装置について説明する。図1は本発明の実施例1に係る吸気音低減装置の平面図である。図2及び図3は本発明の実施例1に係る吸気音低減装置の模式的断面図であり、図2図1中のXX断面図であり、図3図1中のYY断面図である。図4は本発明の実施例1に係る吸気音低減装置の使用時の様子を示す模式的断面図であり、図4中の吸気音低減装置の断面図は、図1中のYY
断面図に相当する。
【0022】
本実施例に係る吸気音低減装置100は、各種ゴム材や樹脂エラストマーなどのゴム状弾性体により構成される。そして、この吸気音低減装置100は、環状のガスケット部110と、整流ネット部120とから構成される。整流ネット部120は、ガスケット部110の内側(径方向の内側)に一体に設けられる。なお、金型成形によって、ガスケット部110と整流ネット部120とを一体に備える吸気音低減装置100を成形することができる。金型成形に関する技術は公知であるので、その説明は省略する。
【0023】
そして、ガスケット部110は、吸気管を構成する2つの管のうち一方の管の端面と他方の管の端面との間の隙間を封止する役割を担っている。また、整流ネット部120は、網目状に設けられた線状部により構成され、空気の流れを整流することで吸気音を低減させる役割を担っている。
【0024】
本実施例に係る吸気音低減装置100は、吸気管内においてスロットルバルブ400の下流側(吸気の際において、空気が流れる方向の下流側)に配置される。また、本実施例においては、吸気管を構成するインテークマニホールド200(一方の管)とスロットルボディ300(他方の管)との接続部付近に、吸気音低減装置100が配置される。なお、本実施例においては、スロットルバルブ400の回転軸は水平方向に伸びるように設置される。また、このスロットルバルブ400は、図4中矢印R方向に回転することで、弁が開くように構成されている。以上の構成により、スロットルバルブ400の開き始めの状態においては、吸気管内の上部側の空気の流れA1と、下部側の空気の流れA2が生じる(図4参照)。
【0025】
本実施例においては、吸気管の管は円筒形状である。そのため、ガスケット部110は円環形状となっている。このガスケット部110は、インテークマニホールド200の端面の内周に沿って形成された環状の切り欠き210とスロットルボディ300の端面の内周に沿って形成された環状の切り欠き310とで形成される環状溝に嵌合されるように配置される。これにより、ガスケット部110は、インテークマニホールド200の端面と、スロットルボディ300の端面との間に挟み込まれることで、これらの端面間の隙間を封止する機能を発揮する。
【0026】
整流ネット部120は、平面形状が円形のガスケット部110の内側に設けられている。そして、整流ネット部120は、ガスケット部110の円の中心から外側に向かって径方向に放射状に伸びる複数の線状部(以下、第1線状部121と称する)と、上記円の中心に対して同心円状に周方向に伸びるように設けられる複数の線状部(以下、第2線状部122と称する)とから構成される。これら複数の第1線状部121と複数の第2線状部122とによって、網目が形成される。そして、整流ネット部120には、網目状の線状部から上流側(吸気の際において、空気が流れる方向の上流側)に向かって部分的に突き出た突起部123が複数設けられている。より具体的には、これら複数の突起部123は、第1線状部121と第2線状部122が交わる部位から上流側に向かって、それぞれ設けられている。また、複数の突起部123は、網目状の線状部から突き出た長さが一定とはならないように設計されている。本実施例の場合、図2に示す突起部123の長さL1は、図3に示す突起部123の長さL2よりも長く設計されている。なお、突起部123の長さについては、図2,3に示した例に限られず、種々の設計が可能であり、例えば、一つの第1線状部121上に設けられる複数の突起部123の長さをそれぞれ変えてもよい。
【0027】
また、本実施例においては、図4に示すように、スロットルバルブ400と整流ネット部120との間隔が、スロットルバルブ400のバルブ本体部分の長さよりも短い。その
ため、スロットルバルブ400が整流ネット部120に突き当たらないように、整流ネット部120は、平面形状が円形であるガスケット部110の内側のほぼ半分の領域を占めるように設けられている。なお、残りのほぼ半円形の領域は空洞となっている。そして、吸気音低減装置100が吸気管内に配置された状態においては、整流ネット部120が設けられている半円形の領域が上部に配置され、空洞状の半円形の領域が下部に配置される。これにより、スロットルバルブ400が全開しても、スロットルバルブ400が整流ネット部120に突き当たることはない(図4参照)。
【0028】
<本実施例に係る吸気音低減装置の優れた点>
本実施例に係る吸気音低減装置100によれば、ガスケット部110と、整流ネット部120とを備えているので、一つの装置によって、吸気音を低減させる機能と密封機能を発揮させることができる。また、本実施例に係る吸気音低減装置100によれば、スロットルバルブ400や吸気管内に堆積していた氷が気体の流れにより吹き飛ばされても、氷は突起部123に衝突することにより、氷が整流ネット部120に張り付いてしまうことを抑制することができる。つまり、突起部123に氷が衝突することで、氷は、弾かれたり砕かれたりすることにより、整流ネット部120に張り付いてしまうことを抑制することができる。
【0029】
また、本実施例においては、複数の突起部123は、第1線状部121と第2線状部122が交わる部位から上流側に向かって、それぞれ設けられている。これにより、第1線状部121と第2線状部122が交わる部位は交わっていない部位に比べて強度が高く、氷が突起部123に衝突しても、これら第1線状部121及び第2線状部122が破損してしまうことを抑制することができる。
【0030】
また、本実施例においては、複数の突起部123は、網目状の線状部から突き出た長さが一定とはならないように設計されている。これにより、一つの氷の塊が複数個所の突起部123に同時に衝突することを抑制でき、整流ネット部120に対して氷が張り付いてしまうことをより一層抑制することができる。
【0031】
更に、本実施例では、複数の突起部123は、ゴム状弾性体により構成されているので、氷が突起部123に衝突した際の衝撃を緩和することができる。
【0032】
(実施例2)
図5及び図6には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、整流ネット部がゴム状弾性体により構成されることで、ガスケット部と整流ネット部が一体となるように構成される場合を示した。これに対して、本実施例においては、整流ネット部が金属により構成される場合を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。図5は本発明の実施例2に係る吸気音低減装置の平面図である。図6は本発明の実施例2に係る吸気音低減装置の模式的断面図であり、図5中のXX断面図である。
【0033】
本実施例に係る吸気音低減装置100においても、実施例1の場合と同様に、環状のガスケット部110と、整流ネット部120aとから構成される。ただし、本実施例の場合には、ガスケット部110については、実施例1の場合と同様に、各種ゴム材や樹脂エラストマーなどのゴム状弾性体により構成されるのに対して、整流ネット部120aは金属により構成されている。本実施例の場合には、整流ネット部120aをインサート部品として、インサート成形によって、ガスケット部110を成形することにより、吸気音低減装置100を得ることができる。
【0034】
本実施例に係る整流ネット部120aは、素材が実施例1で示した整流ネット部120
と異なっている点を除き、形状等の構成については、上記実施例1で示した整流ネット部120と同一である。従って、本実施例に係る整流ネット部120aにおいても、ガスケット部110の円の中心から外側に向かって径方向に放射状に伸びる複数の第1線状部121aと、上記円の中心に対して同心円状に周方向に伸びるように設けられる複数の第2線状部122aとから構成される。そして、これら複数の第1線状部121aと複数の第2線状部122aとによって、網目が形成される。また、整流ネット部120aには、網目状の線状部から上流側に向かって部分的に突き出た突起部123aが複数設けられている。これら複数の突起部123aが、第1線状部121aと第2線状部122aが交わる部位から上流側に向かって、それぞれ設けられていることについても、上記実施例1の場合と同様である。また、複数の突起部123aが、網目状の線状部から突き出た長さが一定とはならないように設計されていことについても、上記実施例1の場合と同様である。
【0035】
以上のように構成された本実施例に係る吸気音低減装置100においても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。また、本実施例の場合には、複数の突起部123aは、金属により構成されているので、突起部123aに氷が衝突した際に氷をより確実に砕くことができる。
【0036】
(実施例3)
図7には、本発明の実施例3が示されている。上記実施例1においては、整流ネット部がガスケット部の内側の略半円形の領域に設けられる場合の構成を示した。これに対して、本実施例においては、整流ネット部がガスケット部の内側の全領域に亘って設けられる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。図7は本発明の実施例3に係る吸気音低減装置の平面図である。
【0037】
本実施例に係る吸気音低減装置100においても、上記実施例1の場合と同様に、環状のガスケット部110と、整流ネット部120bとから構成される。また、整流ネット部120bは、実施例1の場合と同様に、ガスケット部110の円の中心から外側に向かって径方向に放射状に伸びる複数の第1線状部121bと、上記円の中心に対して同心円状に周方向に伸びるように設けられる複数の第2線状部122bとから構成される。また、整流ネット部120bには、網目状の線状部から上流側に向かって部分的に突き出た突起部123bが複数設けられている。これら複数の突起部123bが、第1線状部121bと第2線状部122bが交わる部位から上流側に向かって、それぞれ設けられていることについては、上記実施例1の場合と同様である。また、複数の突起部123bが、網目状の線状部から突き出た長さが一定とはならないように設計されていことについても、上記実施例1の場合と同様である。本実施例においては、整流ネット部120bがガスケット部110の内側の全領域に亘って設けられる点のみが上記実施例1の場合とは異なっている。
【0038】
以上のように構成された本実施例に係る吸気音低減装置100においても、上記実施例1の場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。また、本実施例においては、上述した図4に示す下部側の空気の流れA2についても整流することが可能となる。ただし、スロットルバルブ400が整流ネット部120に接触してしまわないように、スロットルバルブ400と整流ネット部120との間隔を、スロットルバルブ400のバルブ本体部分の長さよりも長くする必要がある。
【0039】
ここで、図4に示すように、スロットルバルブ400が開く際に、スロットルバルブ400の下端は空気が流れる方向に向かって移動する。そのため、下部側の空気の流れA2は、比較的滑らかに流れていくと考えられ、乱流は発生し難いと考えられる。これに対して、スロットルバルブ400が開く際に、スロットルバルブ400の上端は空気が流れる
方向と逆方向に向かって移動する。そのため、上部側の空気の流れA1は、乱流が発生し易いと考えられる。従って、上部側の空気の流れA1が異音を発生させる原因となっており、下部側の空気の流れA2については、それほど異音を発生させる原因にはなっていないと考えられる。従って、上記実施例1で示した吸気音低減装置100のように、ガスケット部110の内側の領域のうち、上部側の略半円形の領域にのみ整流ネット部120が設けられる構成を採用しても、十分に吸気音を低減させることができる。
【0040】
(その他)
本実施例においては、整流ネット部を構成する網目状の線状部が、径方向に伸びる複数の線状部と、周方向に伸びる複数の線状部とから構成される場合を示した。しかしながら、整流ネット部を構成する網目状の線状部の配置構成はこれに限られるものではない。例えば、縦横に伸びる複数の線状部によって格子状の網目を形成する整流ネット部に対して、網目状の線状部から上流側に向かって部分的に突き出た突起部を複数設ける構成を採用することもできる。この場合にも、縦に伸びる線状部と横に伸びる線状部が交わる部位から上流側に向かって突き出るように突起部を設けるようにすると好適である。また、この場合にも、複数の突起部が、網目状の線状部から突き出た長さが一定とはならないように設計すると好適である。
【符号の説明】
【0041】
100 吸気音低減装置
110 ガスケット部
120,120a,120b 整流ネット部
121,121a,121b 第1線状部
122,122a,122b 第2線状部
123,123a,123b 突起部
200 インテークマニホールド
300 スロットルボディ
400 スロットルバルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7