特許第6361459号(P6361459)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6361459
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】保管庫
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20180712BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   B65G1/04 501
   B65G1/04 527
   H01L21/68 T
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-213742(P2014-213742)
(22)【出願日】2014年10月20日
(65)【公開番号】特開2016-79006(P2016-79006A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】安達 成人
(72)【発明者】
【氏名】馬場 信彦
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平4−277104(JP,A)
【文献】 特開平6−40514(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102008048975(DE,A1)
【文献】 米国特許第6478524(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 − 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体形状をなす本体部により画成される内部空間を有し、前記内部空間に被保管物を保管する保管庫であって、
前記内部空間には、
一方向に延在すると共に高さ方向に複数の棚を有するラックと、
前記一方向に移動可能であり、前記ラックに前記被保管物を移載するクレーンと、
が備えられており、
前記ラックの最下段の棚よりも下方の空間には、前記クレーンを含め前記保管庫に備わる装置を制御する制御ユニットの少なくとも一部を配置するための第1収容部が形成されている、保管庫。
【請求項2】
前記ラックの最下段の棚よりも上方であって、前記本体部を平面視した際に当該本体部の隅角部の少なくとも1か所には第2収容部が更に形成されており、
前記第2収容部には前記制御ユニットの一部が配置される、請求項1に記載の保管庫。
【請求項3】
前記第2収容部には、前記第1収容部に配置される前記制御ユニットと比べ、作業者が扱う頻度が高い前記制御ユニットが配置される、請求項2に記載の保管庫。
【請求項4】
前記第1収容部と前記第2収容部とを跨ぐ一定の空間を画成する筐体を更に備え、
前記制御ユニットは、前記筐体の内部に配置される、請求項2又は3に記載の保管庫。
【請求項5】
前記被保管物は、被格納物が格納される格納容器であり、
前記ラックには、前記格納容器の内部をパージガスによってパージ処理するパージ装置が備えられ、
前記パージ装置に前記パージガスを供給するパージガス供給源が、前記第2収容部に配置される、請求項2〜4の何れか一項に記載の保管庫。
【請求項6】
前記ラックの最下段の棚よりも下方の位置であると共に前記棚の前方側に、前記クレーンが走行する走行軌道部が配置されており、
前記第1収容部は、前記走行軌道部に対向する位置に形成されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の保管庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管庫に関する。
【背景技術】
【0002】
パーティションなどの本体部により画成される内部空間にラックが配置され、当該ラックに被保管物を移載可能なスタッカクレーンを備えた保管庫が知られている。このような保管庫では、スタッカクレーンや、本体部内に被保管物を出し入れするポートなどを制御するための操作パネル、制御装置などの制御ユニット(コントローラ)を、本体部内に収める必要がある。特許文献1には、このような制御ユニットを収納するための収容空間を、平面視において本体部の4隅の空間に設けた保管庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−91154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、制御ユニットは、一般的に1つの塊であると共にサイズが大きいので、上記収容空間に収容しきれない場合がある。このため、保管庫の本体部自身のサイズを大きくする必要がある。そこで、制御ユニットの一部を、例えば、保管庫を平面視した場合に、保管庫の本体部が配置される部分よりも外側のクリーンルームの床下など、保管庫の本体部の外側に配置することにより、保管庫の本体部自身のサイズを大きくすることなく問題を解決してきた。しかしながら、保管庫の本体部の外側に制御ユニットを収容又は配置するための空間を確保することが容易でない場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、本体部のサイズを大きくすることなく、保管庫の本体部内に制御ユニットを収容可能な保管庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の保管庫は、略直方体形状をなす本体部により画成される内部空間を有し、内部空間に被保管物を保管する保管庫であって、内部空間には、一方向に延在すると共に高さ方向に複数の棚を有するラックと、一方向に移動可能であり、ラックに被保管物を移載するクレーンと、が備えられており、ラックの最下段の棚よりも下方の空間には、クレーンを含め保管庫に備わる装置を制御する制御ユニットの少なくとも一部を配置するための第1収容部が形成されている。
【0007】
この構成の保管庫によれば、従来のデッドスペースである、ラックの最下段の棚よりも下方の空間に第1収容部が設けられている。これにより、デッドスペースであった空間を有効に利用して、制御ユニットの少なくとも一部が配置されることになるので、本体部のサイズを大きくすることなく、保管庫の本体部内に制御ユニットが収容可能となる。
【0008】
本発明の保管庫は、ラックの最下段の棚よりも上方であって、本体部を平面視した際に当該本体部の隅角部の少なくとも1か所には第2収容部が更に形成されており、第2収容部には制御ユニットの一部が配置されてもよい。
【0009】
この構成の保管庫によれば、作業者が作業しやすい第2収容部に選択的に制御ユニットの一部を配置することが可能になる。これにより、作業がし難い第1収容部に制御ユニットを配置する場合であっても作業効率を維持することができる。
【0010】
本発明の保管庫では、第2収容部には、第1収容部に配置される制御ユニットと比べ、作業者が扱う頻度が高い制御ユニットが配置されてもよい。
【0011】
この構成の保管庫によれば、作業者が扱う頻度が高い制御ユニットを作業者が作業しやすい第2収容部に選択的に配置できるので、作業者の作業効率を高めることができる。
【0012】
本発明の保管庫では、第1収容部と第2収容部とを跨ぐ一定の空間を画成する筐体を更に備え、制御ユニットは、筐体の内部に配置されてもよい。
【0013】
この構成の保管庫によれば、例えば、扱いの違いなどに応じて選択的に第1収容部及び第2収容部に分けて制御ユニットを配置した場合であっても、関連の高い制御ユニット同士を一つの筐体にまとめることができる。
【0014】
本発明の保管庫では、被保管物は、被格納物が格納される格納容器であり、ラックには、格納容器の内部をパージガスによってパージ処理するパージ装置が備えられ、パージ装置にパージガスを供給するパージガス供給源が、第2収容部に配置されてもよい。
【0015】
この構成の保管庫によれば、装置構成上、分割がし難いパージガス供給源が第2収容部に配置される。
【0016】
本発明の保管庫では、ラックの最下段の棚よりも下方の位置であると共に棚の前方側に、クレーンが走行する走行軌道部が配置されており、第1収容部は、走行軌道部に対向する位置に形成されていてもよい。
【0017】
この構成の保管庫によれば、クレーンが被保管物を移載することができずデッドスペースとなっている空間、すなわち、ラックの最下段の棚よりも下方の位置であって走行軌道部と対向する空間を、有効に利用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、本体部のサイズを大きくすることなく、保管庫の本体部内に制御ユニットを収容可能な保管庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る保管庫を示す側面に平行な面に沿って切断したときの側面側から見た断面図ある。
図2図1の保管庫のII−II線から見た断面図である。
図3図1の保管庫のIII−III線から見た断面図である。
図4図1のパージ装置の概略構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。また、以下の説明では便宜的に、図1において左側を正面側、右側を背面側と称する。
【0021】
一実施形態に係る保管庫1について説明する。保管庫1は、半導体ウェハ及びガラス基板などの被格納物Wが格納されたFOUP(Front Opening Unified Pod)などの格納容器Fの内部をパージガス(例えば、窒素ガス)によってパージ処理すると共に、複数の格納容器Fを保管する保管庫としての機能を有している。保管庫1は、例えば、クリーンルームに設けられる。
【0022】
図1及び図2に示されるように、保管庫1は、本体部3、ラック7、クレーン9、OHTポート21、パージ装置30、クレーン制御ユニット51、安全制御ユニット53、ストッカ制御ユニット57、第1収容部71、及び第2収容部75を主に備えている。
【0023】
本体部3は、保管庫1の内部空間Aを画成する部分であり、複数のパーティション(壁部)により形成されている。ラック7は、格納容器Fを保管する部分であり、通常1〜2列(ここでは、2列)設けられている。各ラック7は、所定方向Xに延在しており、隣り合う2つのラック7,7が対向するように略平行に配置されている。各ラック7には、所定方向X及び鉛直方向Zに沿って、格納容器Fを載置して保管する保管棚(棚)8が高さ方向(Z軸方向)に複数段形成されている。
【0024】
クレーン9は、格納容器Fを保管棚8に対して出し入れすると共に、保管棚8間を移動させる機構であり、対向するラック7,7に挟まれた領域に配置されている。クレーン9は、ラック7の延在方向Xに沿って、床面に配置された軌道(走行軌道部)9Cを走行することにより、ラック7に沿って所定方向Xに移動することができる。軌道9Cは、ラック7,7の最下段の保管棚8Aよりも下方の位置であると共に保管棚8Aの前方側に配置されている。なお、保管棚8(8A)の前方側とは、保管棚8(8A)において格納容器Fを出し入れする側をいう。クレーン9の荷台9Aは、ガイドレール9Bに沿って昇降可能に設けられており、鉛直方向に設けられた複数の保管棚8に対して、格納容器Fを出し入れすることができる。
【0025】
保管庫1への格納容器Fの出し入れは、OHT(Overhead HoistTransfer)ポート21から行われる。OHTポート21は、天井に敷設された軌道25を走行する天井走行車27と保管庫1との間で格納容器Fを受け渡しする部分であり、格納容器Fを搬送するコンベヤ21Aを有している。
【0026】
パージ装置30は、格納容器Fの内部をパージガスによってパージ処理する装置である。図4に示されるように、パージ装置30は、パージガス供給源31と、供給管32と、流量制御部33と、パージ装置制御ユニット34と、載置部35と、パージノズル36と、排気ノズル37、及び排気管38と、を備えている。
【0027】
パージガス供給源31は、パージガスを貯蔵するタンクである。供給管32は、パージガス供給源31とパージノズル36とを接続する金属製の配管であり、パージガス供給源31からパージノズル36へパージガスを供給する。図1図3の図面では、パージガス供給源31からパージノズル36に至るまでの供給管32の記載は省略している。流量制御部33は、パージガス供給源31とパージノズル36とを接続する配管の途中に配置されており、供給管32を流れるパージガスの流量を調整する。
【0028】
パージ装置制御ユニット34は、流量制御部33を調整する制御ユニットである。パージ装置制御ユニット34は、流量制御部33を調整する制御部及び流量制御部33の制御用電源などが含まれる。パージ装置制御ユニット34と流量制御部33との接続は、コネクタ又はコードなど電気系の配線によって行われる。同様に、パージ装置制御ユニット34と入力部34Aとの接続、及びパージ装置制御ユニット34と表示部34Bとの接続も、コネクタ又はコードなどの電気系の配線によって行われる。
【0029】
載置部35は、格納容器Fが載置される部分である。一の保管棚8には、一の載置部35が配置される。パージノズル36は、格納容器Fと接続され、格納容器Fの内部にパージガスを供給する。排気ノズル37は、格納容器Fと接続され、格納容器Fの内部のパージガスを排気管38に排出する。排気管38は、排気ノズル37と保管庫1の外部とを接続する金属製の配管であり、格納容器Fの内部のパージガスを保管庫1の外部へ排出する。図1図3の図面では、排気ノズル37から保管庫1の外部に至るまでの排気管3838の記載は省略している。
【0030】
なお、排気ノズル37及び排気管38は、設けられてなくてもよい。この場合には、パージガスは、格納容器Fの蓋部などから保管庫の内部空間Aへ排出されることになる。
【0031】
図1及び図2に戻り、クレーン制御ユニット51は、クレーン9の走行動作及び移載動作を制御する部分であり、例えば、サーボドライバ、回生抵抗装置などが含まれる。
【0032】
安全制御ユニット53は、例えば保管庫1内に設けられるドアスイッチ及び/又はライトカーテンなどからの入力(信号)に基づいて、安全システムを制御するための制御ユニットである。例えば、安全回路に使用できる機能を有する、安全回路専用の簡易シーケンサである。
【0033】
ストッカ制御ユニット57は、クレーン9、OHTポート21及びパージ装置30の各動作を制御する制御盤(ブレーカ、PLC(シーケンサ)などを含む)及びその他の制御装置などが含まれる。ストッカ制御ユニット57のうち、ブレーカ及びPLC(シーケンサ)などは第1収容部に配置され、サーボドライバ及び回生抵抗装置などは第2収容部に配置される。
【0034】
図2に示されるように、第1収容部71は、ラック7の最下段の保管棚8Aよりも下方の空間61に形成されており、クレーン9、OHTポート21及びパージ装置30を含め保管庫1に備わる装置を制御する制御ユニット(パージ装置制御ユニット34、クレーン制御ユニット51、安全制御ユニット53及びストッカ制御ユニット57)の少なくとも一部が配置される部分である。第1収容部71の外側を覆うパーティションには、開閉扉が設けられてもよい。
【0035】
本実施形態では、第1収容部71は、本体部3の背面側に、第1収容部71A、71B、71Cの3つの収容部が左側から順番に形成され、本体部3の正面側に、第1収容部71D、71E、71Fの3つの収容部が左側から順番に形成されている。第1収容部71A及び第1収容部71Cにはクレーン制御ユニット51が配置され、第1収容部71B,71Eには安全制御ユニット53が配置されている。また、第1収容部71D及び第1収容部71Fにはパージ装置制御ユニット34が配置されている。
【0036】
図2に示されるように、第2収容部75A,75B,75Cは、ラック7の最下段の保管棚8Aよりも上方の空間63であって、図3に示されるように、本体部3を平面視した際に当該本体部3の隅角部の空間に形成されており、パージ装置制御ユニット34、クレーン制御ユニット51、安全制御ユニット53及びストッカ制御ユニット57の少なくとも一部が配置される部分である。第2収容部75の外側を覆うパーティションには、開閉扉が設けられてもよい。なお、図3では、格納容器Fの図示を省略している。
【0037】
本実施形態では、図2に示されるように、第2収容部75は、本体部3の背面側の左側に、第2収容部75A、75Bの2つの収容部が下側から順番に形成され、本体部3の背面側の右側に、第2収容部75Cが形成されている。また、第2収容部75は、本体部3の正面側の左側に、第2収容部75E、75Fの2つの収容部が下側から順番に形成され、本体部3の正面側の右側に第2収容部75Gが形成されている。
【0038】
第2収容部75A及び第2収容部75Cにはストッカ制御ユニット57のうち制御盤が配置され、第2収容部75Bにはストッカ制御ユニット57のうちその他の制御装置が配置されている。また、第2収容部75E及び第2収容部75Gにはパージ装置制御ユニット34が配置されている。
【0039】
更に本実施形態では、第1収容部71Aと第2収容部75Aとを跨ぐ空間を画成するエンクロージャ(筐体)81を更に備え、他の空間と電気的に隔離されている。同様に、第1収容部71Cと第2収容部75Cとを跨ぐ空間を画成するエンクロージャ82と、第1収容部71Dと第2収容部75Eとを跨ぐ空間を画成するエンクロージャ83と、第1収容部71Fと第2収容部75Gとを跨ぐ空間を画成するエンクロージャ84と、を更に備える。同様に、第1収容部71B及び第1収容部71Eは、それぞれの収容部を画成するエンクロージャ85,86を更に備え、第2収容部75B及び第2収容部75Fは、それぞれの収容部を画成するエンクロージャ87,88を更に備える。
【0040】
上記実施形態の保管庫1の第1収容部71は、従来のデッドスペースである、ラック7の最下段の保管棚8Aよりも下方の空間61に設けられている。これにより、デッドスペースであった空間を有効に利用して、制御ユニット(パージ装置制御ユニット34、クレーン制御ユニット51、安全制御ユニット53及びストッカ制御ユニット57)の少なくとも一部が配置されることになる。このため、制御ユニットの全てをラック7の最下段の保管棚8Aよりも上方の空間に配置することに比べ、本体部3のサイズを大きくすることなく、保管庫1の本体部3内に全ての制御ユニットが収容可能となる。別の観点で見ると、保管庫1の本体部3内に制御ユニットの一部を保管庫1の外部に配置することなく、保管庫1内(保管庫1を上方から平面視した場合に、本体部3の有る領域)に全ての制御ユニットを配置することが可能となる。
【0041】
また、上記実施形態の保管庫1によれば、ラック7の最下段の保管棚8Aよりも上方であって、本体部3を平面視した際に当該本体部3の隅角部の少なくとも1か所には第2収容部75が設けられている。そして、第2収容部75には、第1収容部71に配置される制御ユニット(パージ装置制御ユニット34、クレーン制御ユニット51、安全制御ユニット53及びストッカ制御ユニット57)と比べ、作業者が扱う頻度が高い制御ユニットが配置されている。このため、作業者が扱う頻度が高い制御ユニットを作業者が作業しやすい第2収容部75に選択的に配置できるので、作業者の作業効率を高めることができる。
【0042】
第2収容部75に配置する制御ユニットを選択するのに、重要度、分割(分離)のし易さ、取り回しの困難さなどを更に考慮することが好ましい。例えば、第2収容部75には、取り回しが難しく、分割のし難く、又重要度が高い制御ユニット及び部品を配置すること好ましい。
【0043】
例えば、パージ装置30において、パージガス供給源31は分割がし難く、これに接続される供給管32も金属製配管であることから、取り回しが難しい。一方、流量制御部33とパージ装置制御ユニット34との接続、パージ装置制御ユニット34と入力部34A又は表示部34Bとの接続は、コネクタやコードなどの電気系配線で行われことから、取り回しが容易である。したがって、分割がし難く、取り回しが難しいパージガス供給源31、及びオペレータが操作やチェックを行うための入力部34A及び表示部34Bは、第2収容部75に配置し、取り回しがし易いパージ装置制御ユニット34は、第1収容部71に配置することが望ましい。
【0044】
また、上記実施形態の保管庫1によれば、第1収容部71と第2収容部75とを跨ぐ一定の空間を画成するエンクロージャ81〜84を更に備え、制御ユニット(パージ装置制御ユニット34、クレーン制御ユニット51、安全制御ユニット53及びストッカ制御ユニット57)は、エンクロージャ81〜84の内部に配置されている。これにより、扱いの違いに応じて第1収容部71と第2収容部75とに区別して制御ユニットを配置した場合であっても、関連の高い制御ユニット同士を一つのエンクロージャ81〜84内にまとめることができる。また、関連の高い系(クレーン制御系、共用ポート系など)ごとに絶縁部材のエンクロージャ内に格納して、電気的に隔離することができる。
【0045】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0046】
上記実施形態の保管庫1では、被保管物を格納容器Fとする例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、一般的な荷物又は箱体などの被保管物を保管するような保管庫、すなわち、パージ装置30がない保管庫であってもよい。
【0047】
上記実施形態の保管庫1は、クリーンルームの床面91上に配置される例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、クリーンルームの床面91よりも高い位置に例えば、グレーチング板などの作業床91Aが配置される場合であっても、本願発明を適用可能である。この場合、第2収容部75を、最下段の保管棚8Aよりも高く、かつ作業床91Aよりも高い位置に設けることで、第2収容部75に制御ユニットを配置する場合の作業効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0048】
1…保管庫、3…本体部、7…ラック、8…保管棚、8A…最下段の保管棚、9…クレーン、9C…軌道(走行軌道部)、27…天井走行車、30…パージ装置、31…パージガス供給源、32…供給管、33…流量制御部、34…パージ装置制御ユニット、34A…入力部、34B…表示部、35…載置部、36…パージノズル、37…排気ノズル、38…排気管、51…クレーン制御ユニット、53…安全制御ユニット、57…ストッカ制御ユニット、71(71A,71B,71C,71D,71E、71F)…第1収容部、75(75A,75B,75C,75E,75F、75G)…第2収容部、81〜88…エンクロージャ(筐体)、A…内部空間、F…格納容器(被保管物)。
図1
図2
図3
図4