特許第6361475号(P6361475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6361475
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】ピン連結装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/084 20060101AFI20180712BHJP
   B62D 55/32 20060101ALI20180712BHJP
   F15B 11/20 20060101ALI20180712BHJP
   E02F 9/02 20060101ALN20180712BHJP
【FI】
   B62D55/084
   B62D55/32
   F15B11/20 C
   !E02F9/02 B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-233395(P2014-233395)
(22)【出願日】2014年11月18日
(65)【公開番号】特開2016-97695(P2016-97695A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100109058
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】田村 和治
【審査官】 川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−216084(JP,A)
【文献】 特開2005−263016(JP,A)
【文献】 特表2013−511633(JP,A)
【文献】 実開昭55−104117(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/084
B62D 55/32
E02F 9/02
F15B 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結される二部材のうち一方の部材にピン穴、他方の部材に連結ピンと脱着シリンダをそれぞれ設け、上記脱着シリンダの伸縮作動により上記連結ピンを上記ピン穴に挿入される挿入位置と上記ピン穴から離脱する離脱位置の間で移動させて上記二部材を連結/分離するピン連結装置において、上記連結ピンに係合して連結ピンを上記挿入位置にロックするロック位置とこの連結ピンから離脱して上記ロックを解くロック解除位置の間で変位するロック部材と、上記ロック部材を上記ロック及びロック解除両位置間で変位させるロックシリンダと、上記脱着及びロック両シリンダを駆動するシリンダ駆動回路を具備し、このシリンダ駆動回路は、
(i) 上記脱着及びロック両シリンダに圧油を供給する油圧ポンプと、上記脱着及びロック両シリンダに対する上記圧油の給排を制御する切換弁と、上記圧油を上記切換弁を介して上記脱着シリンダのピン挿入側油室に供給する第1油路と、上記圧油を上記切換弁を介して上記脱着シリンダのピン離脱側油室に供給する第2油路と、上記圧油を上記ロックシリンダのロック解除側油室に供給する第3油路を備え、
(ii) 上記第2油路にピン離脱用シーケンス弁を設け、
(iii) 上記二部材を分離させるための上記切換弁の操作時に、上記第3油路を通じて上記ロックシリンダのロック解除側油室に圧油を供給することによりロックシリンダをロック解除側に作動させてロック解除し、このロックシリンダの作動による上記油圧ポンプの圧力上昇により上記ピン離脱用シーケンス弁を作動させて上記脱着シリンダをピン離脱方向に作動させるように構成した
ことを特徴とするピン連結装置。
【請求項2】
上記第1油路から第4油路を分岐させて上記ロックシリンダのロック側油室に接続するとともに、この第4油路にロック用シーケンス弁を設け、上記二部材を連結するための上記切換弁の操作時に、上記第1油路を通じて上記脱着シリンダのピン挿入側油室に圧油を供給することにより脱着シリンダをピン挿入側に作動させ、この脱着シリンダの作動による上記油圧ポンプの圧力上昇により上記ロック用シーケンス弁を作動させて上記ロックシリンダをロック側に作動させるように構成したことを特徴とする請求項1記載のピン連結装置。
【請求項3】
上記脱着シリンダとロックシリンダを直交配置で設け、上記脱着シリンダのロッド端に上記連結ピンを設ける一方、上記ロックシリンダのピストンロッドの先端部に上記ロック部材としてのロックプレートを、一端部が支点、他端部が上記連結ピンに係合して固定する作用点、上記ピストンロッドとの接続点が力点となってロック位置とロック解除位置の間で揺動可能に設け、上記連結ピンの先端近傍に、上記ロックプレートが上記ロック位置で係合する係合溝を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のピン連結装置。
【請求項4】
上記連結ピンの先端部と、上記ロック部材における上記連結ピン挿入時に上記連結ピン先端部と接触する部分の少なくともいずれか一方に、上記連結ピン挿入時に上記ロック部材を上記ロック解除位置に自動的に変位させるテーパ面を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のピン連結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリンダ駆動される連結ピンによって二部材を脱着可能に連結するピン連結装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型ショベルの下部走行体として用いられるクローラ式走行装置のカーボディとクローラフレームの連結部分を例にとり、図8,9によって背景技術を説明する。
【0003】
大型ショベル用のクローラ式走行装置は、上部旋回体(図示しない)が旋回自在に搭載されるカーボディ1と、左右のクローラフレーム2,2と、このクローラフレーム2,2の外周に懸け回される図示しないクローラ(履帯)によって構成される。
【0004】
クローラフレーム2にはピン穴3、カーボディ1には連結ピン4とこれを駆動する脱着シリンダ5がそれぞれ設けられ、図9(a)に示すように脱着シリンダ5の縮小状態で連結ピン4がピン穴3から離脱し、同図(b)に示すように同シリンダ5の伸長作動時に連結ピン4がピン穴3に挿入される。
【0005】
これにより、カーボディ1と左右のクローラフレーム2が、ショベル組立時には連結されて下部走行体が構成され、現場移動時等に両者が分離されて輸送される。
【0006】
また、連結ピン4の先端部にロックピン穴6が設けられ、図9(b)に示すように連結ピン挿入後、ロックピン7がロックピン穴6に手動で挿入されることにより、連結ピン4が挿入状態(カーボディ1とクローラフレーム2が連結された状態)にロックされる。
【0007】
以上の構成はたとえば特許文献1に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−216084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、ピン穴3に連結ピン4を挿入して二部材を連結し、かつ、この連結状態で連結ピン4の挿通端部にロックピン7等のロック部材を係合させてロックするロック構造付きのピン連結装置において、ピン穴3に対する連結ピン4の挿脱をシリンダ5によって自動で行なわせる構成は特許文献1に示されているように公知である。
【0010】
一方、連結ピン4を挿入状態にロックするロック動作、及びこのロックを解くロック解除動作は、従来、手動操作によって行われている。
【0011】
このため、このロック/ロック解除操作が面倒であるとともに、ロック部材の入れ忘れ、抜き忘れが発生し、また抜き取ったロック部材の保管のための構造と手間がかかる等の問題があった。
【0012】
ここで、ロック動作については、たとえばドアのラッチ機構のような、連結ピンとロック部材の少なくとも一方にテーパ面(ガイド面)を設けるとともに、ロック部材にバネを設け、ピン挿入時にこれらの作用によって両者を自動的に係合させる公知のロック技術を応用することによって自動化が可能と考えられる。
【0013】
しかし、ロック解除動作、及びその後に連結ピンを抜き取る動作を連続して自動的に行わせる技術はこれまで無く、これがロック構造付きのピン連結装置において連結/分離の完全自動化がなされていない要因となっていた。
【0014】
なお、たとえばロックピンをロックシリンダでロック解除位置に移動させ、これをセンサで検出してコントローラに入力し、コントローラからの指令で弁を作動させて脱着シリンダをピン離脱側に作動させるといった電子制御によってロック解除→連結ピン離脱の二部材分離動作を自動的に行わせることは可能と考えられる。
【0015】
しかし、この電子制御方式は、コントローラやセンサが必要となって構造が大がかりかつ複雑となり、設備コストが高くなる等の点で現実的でない。
【0016】
そこで本発明は、コントローラやセンサを用いない簡易な構成によって二部材分離動作の自動化を実現することができるピン連結装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決する手段として、本発明においては、連結される二部材のうち一方の部材にピン穴、他方の部材に連結ピンと脱着シリンダをそれぞれ設け、上記脱着シリンダの伸縮作動により上記連結ピンを上記ピン穴に挿入される挿入位置と上記ピン穴から離脱する離脱位置の間で移動させて上記二部材を連結/分離するピン連結装置において、上記連結ピンに係合して連結ピンを上記挿入位置にロックするロック位置とこの連結ピンから離脱して上記ロックを解くロック解除位置の間で変位するロック部材と、上記ロック部材を上記ロック及びロック解除両位置間で変位させるロックシリンダと、上記脱着及びロック両シリンダを駆動するシリンダ駆動回路を具備し、このシリンダ駆動回路は、
(i) 上記脱着及びロック両シリンダに圧油を供給する油圧ポンプと、上記脱着及びロック両シリンダに対する上記圧油の給排を制御する切換弁と、上記圧油を上記切換弁を介して上記脱着シリンダのピン挿入側油室に供給する第1油路と、上記圧油を上記切換弁を介して上記脱着シリンダのピン離脱側油室に供給する第2油路と、上記圧油を上記ロックシリンダのロック解除側油室に供給する第3油路を備え、
(ii) 上記第2油路にピン離脱用シーケンス弁を設け、
(iii) 上記二部材を分離させるための上記切換弁の操作時に、上記第3油路を通じて上記ロックシリンダのロック解除側油室に圧油を供給することによりロックシリンダをロック解除側に作動させてロック解除し、このロックシリンダの作動による上記油圧ポンプの圧力上昇により上記ピン離脱用シーケンス弁を作動させて上記脱着シリンダをピン離脱方向に作動させるように構成したものである。
【0018】
この構成によれば、ロックシリンダのロック解除側への作動後、同シリンダ作動による油圧ポンプの圧力上昇に基づいてシーケンス弁を作動させ、このシーケンス弁の作動によって脱着シリンダをピン離脱側に作動させる構成、すなわち、コントローラやセンサを用いない、シリンダ駆動回路の油圧構成のみに基づく油圧シーケンス動作によって自動でロック解除→連結ピン離脱の連続動作を遂行することができる。
【0019】
本発明において、上記第1油路から第4油路を分岐させて上記ロックシリンダのロック側油室に接続するとともに、この第4油路にロック用シーケンス弁を設け、上記二部材を連結するための上記切換弁の操作時に、上記第1油路を通じて上記脱着シリンダのピン挿入側油室に圧油を供給することにより脱着シリンダをピン挿入側に作動させ、この脱着シリンダの作動による上記油圧ポンプの圧力上昇により上記ロック用シーケンス弁を作動させて上記ロックシリンダをロック側に作動させるように構成するのが望ましい(請求項2)。
【0020】
この構成によれば、二部材連結時に、連結ピン挿入後のロック動作、及びロック状態の保持をロックシリンダによって自動で、しかも確実に行わせることができる。
【0021】
また本発明において、上記脱着シリンダとロックシリンダを直交配置で設け、上記脱着シリンダのロッド端に上記連結ピンを設ける一方、上記ロックシリンダのピストンロッドの先端部に上記ロック部材としてのロックプレートを、一端部が支点、他端部が上記連結ピンに係合して固定する作用点、上記ピストンロッドとの接続点が力点となってロック位置とロック解除位置の間で揺動可能に設け、上記連結ピンの先端近傍に、上記ロックプレートが上記ロック位置で係合する係合溝を設けるのが望ましい(請求項3)。
【0022】
このように、ロック部材として揺動運動を行うロックプレートを用い、同プレートを連結ピンの係合溝に直角方向から係脱させてロック/ロック解除する構成とすることにより、ロック/ロック解除の動作をより確実に安定良く行わせることができる。
【0023】
さらに、本発明において、上記連結ピンの先端部と、上記ロック部材における上記連結ピン挿入時に上記連結ピン先端部と接触する部分の少なくともいずれか一方に、上記連結ピン挿入時に上記ロック部材を上記ロック解除位置に自動的に変位させるテーパ面を設けるのが望ましい(請求項4)。
【0024】
この構成によれば、二部材連結時に、ピン穴に対する連結ピンの挿入過程でロック部材を退避させる動作をテーパ面によって自動で行わせることができる。これにより、上記動作のための余分な制御が不要となり、コスト及び構造の簡素化の点で有利となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、コントローラやセンサを用いない簡易な構成によって二部材分離動作の自動化を実現することができ、これにより二部材連結動作を含めた完全自動化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態を示す全体構成図である。
図2】施形態におけるロック機構の拡大正面図である。
図3】(a)〜(c)は実施形態による二部材連結動作を順番に示す全体構成図である。
図4】(a)〜(c)は実施形態によるロック動作を順番に示す正面図である。
図5】(a)(b)は実施形態による二部材分離動作を順番に示す全体構成図である。
図6】(a)(b)は実施形態によるロック解除動作を順番に示す正面図である。
図7】(a)(b)は本発明の別の実施形態による二部材連結動作を示す一部拡大図である。
図8】本発明の適用例であるクローラ式走行装置の斜視図である。
図9】(a)(b)は従来のピン連結装置による二部材連結動作を順番に示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態を図1図7によって説明する。
【0028】
実施形態は、背景技術の説明に合わせて、ショベルの下部走行体として用いられるクローラ式走行装置のカーボディ11と左右のクローラフレーム12の連結部分を適用対象としている。
【0029】
実施形態において、
(I) クローラフレーム12にピン穴13、カーボディ11に連結ピン14とこれを駆動する脱着シリンダ(油圧シリンダ)15がそれぞれ設けられる点、
(II) 図1及び図3(a)に示すように脱着シリンダ15の縮小状態で連結ピン14がピン穴13から離脱し、図3(c)に示すように同シリンダ15の伸長作動時に連結ピン14がピン穴13に挿入される点
図9に示す従来技術と同じである。
【0030】
実施形態においては、脱着シリンダ15と直交配置でカーボディ11にロックシリンダ(油圧シリンダ)16が設けられ、このロックシリンダ16のロッド端部に、連結ピン14をピン穴挿入状態にロックするロック部材としてのロックプレート17が設けられている。
【0031】
ロックプレート17は、図2,4,6に示すように、一端部が支点、他端部が連結ピン14に係合する作用点、ロッド端部との接続点が力点となってロック位置とロック解除位置の間で揺動しうる状態でロッド端部に取付けられている。
【0032】
図2,4,6中、18はこのロックプレート17の揺動中心軸、19はロックプレート17をロッド端部に取付けるための取付ピンである。
【0033】
一方、連結ピン14には、ロックプレート17が係合する係合溝20が先端近傍部に全周に亘る凹溝として設けられるとともに、先端部に先すぼまり方向のテーパ面21が形成されている。
【0034】
このテーパ面21により、ピン穴13に対する連結ピン挿入時に、図3(b)(c)に示すようにロックプレート17が押し上げられてロック解除位置に自動的に変位し、かつ、挿入後、バネ19の力でロックプレート17がロック位置に復帰して連結ピン14の係合溝20に自動係合するように構成されている。
【0035】
脱着及びロック両シリンダ15,16を駆動するシリンダ駆動回路について説明する。
【0036】
シリンダ駆動回路は、脱着、ロック両シリンダ15,16に圧油を供給する油圧ポンプ22と、手動操作されて両シリンダ15,16に対する圧油の給排を制御する切換弁23と、この切換弁23を介して圧油を脱着シリンダ15のピン挿入側油室(ヘッド側油室であって伸び側油室)15aに供給する第1油路24と、切換弁23を介して圧油を脱着シリンダ15のピン離脱側油室(ロッド側油室であって縮み側油室)15bに供給する第2油路25と、切換弁23を介して圧油をロックシリンダ16のロック解除側油室16aに供給する第3油路26と、第1油路24から分岐してロックシリンダ16のロック側油室16bに接続された第4油路27を備えている。
【0037】
また、第2油路25にピン離脱用の第1シーケンス弁28、第4油路27にロック用の第2シーケンス弁29がそれぞれ設けられている。
【0038】
この両シーケンス弁28,29は、それぞれ脱着またはロックシリンダ側からの油の排出のみを許容するチェック弁30と、このチェック弁30に対して並列に接続されたパイロットリリーフ弁31から成り、油路25,27(油圧ポンプ22)の圧力が設定値を超えるとパイロットリリーフ弁31から開いてシリンダ(脱着シリンダ15またはロックシリンダ16)に圧油を送る。
【0039】
切換弁23は、油圧ポンプ22及びタンクTを両シリンダ15,16に対して遮断する中立位置イと、油圧ポンプ22からの圧油を第1油路24経由で脱着シリンダ15のピン挿入側油室15aに供給するピン挿入位置ロと、圧油を第3油路26経由でロックシリンダ16のロック解除側油室(伸び側油室)16aに供給し、あるいは第2油路25経由で脱着シリンダ15のピン離脱側油室15bに供給するピン離脱位置ハの間で切換え操作される。
【0040】
なお、ロックシリンダ16のロック側油室16bはタンクTに接続されている。
【0041】
図3,5において、図の複雑化を避けるために脱着、ロック両シリンダ15,16、連結ピン14、及びシーケンス弁28,29の構成要素等についての符号を一部省略し、この省略分については図1の符号を引用するものとする。
【0042】
シリンダ駆動回路の作用を説明する。
【0043】
図1はカーボディ11とクローラフレーム2を分離させた状態を示す。
【0044】
このとき切換弁23は中立位置イにあり、脱着、ロック両シリンダ15,16は油圧ポンプ22及びタンクTに対して遮断されている。
【0045】
また、ロックシリンダ16は伸長状態となり、ロックプレート17はロック解除状態となっている。
【0046】
連結時
この状態からカーボディ11とクローラフレーム12を連結するときは、油圧ポンプ22を作動させた状態で、図3(a)に示すように切換弁23をピン挿入位置ロに切換える。
【0047】
こうすると、ロックシリンダ16のロック解除側油室16aが第3油路26及び切換弁23を介してタンクTに通じるため、ロックプレート17の自重により同油室16a内の油が押し出されてタンクTに流入する。
【0048】
これにより、ロックシリンダ16がロック側に作動(縮小作動)するため、ロックプレート17が図2のロック解除位置から図4(a)のロック位置に揺動変位する。
【0049】
一方、図3(b)に示すように油圧ポンプ22からの圧油が第1油路24を通って脱着シリンダ15のピン挿入側油室15aに流入するため、脱着シリンダ15がピン挿入側にストローク作動し、連結ピン14がピン穴13に挿入される。
【0050】
このとき、テーパ面21の作用により、図3(b)(c)及び図4(b)(c)に示すように、連結ピン14がロックプレート17を押し上げながらピン穴13を挿通する。
【0051】
この場合、ロックプレート17には自重しか作用しないため、同プレート17は連結ピン14の係合溝20に係合するまでには至らないか、係合したとしても不確実あるいは不安定な状態となる。
【0052】
この後、図3(c)に示すように脱着シリンダ15がピン挿入側のストロークエンドまで伸びると油圧ポンプ22の圧力が上昇し、これが第4油路27を通じて第2シーケンス弁29のパイロットリリーフ弁31に加えられることによって同リリーフ弁31が開く。
【0053】
これにより、油圧ポンプ22からの圧油がロックシリンダ16のロック側油室16bに流入するため、同シリンダ16がロック側に作動し、ロックプレート17が係合溝20に係合する。すなわち、確実にかつ安定したロック状態となる。
【0054】
そして、連結完了を確認した作業員が切換弁23を中立位置イに復帰操作すると、油の流れが停止して脱着、ロック両シリンダ15,16が作動不能となる。
【0055】
分離時
分離時には、油圧ポンプ22を作動させた状態で、図5(a)に示すように切換弁23をピン離脱位置ハに切換え操作する。
【0056】
こうすると、油圧ポンプ22からの圧油が第3油路26を通ってロックシリンダ16のロック解除側油室16aに流入し、同シリンダ16がロック解除側に作動するため、図6(a)に示すようにロックプレート17がロック解除位置に揺動変位してロック解除される。
【0057】
このとき、ロックシリンダ16のロック側油室16b内の油は第2シーケンス弁29のチェック弁30、第4油路27及び切換弁23を通ってタンクTに戻る。
【0058】
こうしてロックシリンダ16がロック解除側にストロークエンドまで作動すると、油圧ポンプ22の圧力が上昇するため、図5(b)に示すように第1シーケンス弁28が開いて、油圧ポンプ23からの圧油が脱着シリンダ15のピン離脱側油室15bに供給される。
【0059】
これにより、同シリンダ15がピン離脱側に作動し、連結ピン14がピン穴13から抜き出されてカーボディ1とクローラフレーム2が分離される。
【0060】
この場合、脱着シリンダ15のピン挿入側油室15aの油は第1油路
24及び切換弁23を通ってタンクTに戻る。
【0061】
そして、作業員が連結ピン離脱を確認して切換弁23を中立復帰操作すると、図1の回路状態に戻る。
【0062】
この構成によると次の効果を得ることができる。
【0063】
(I) ロックシリンダ16のロック解除動作後、このシリンダ動作による油圧ポンプ22の圧力上昇に基づき第1シーケンス弁28を作動させて脱着シリンダ15をピン離脱側に作動させる構成、すなわち、コントローラやセンサを用いない、シリンダ駆動回路の油圧構成のみに基づく油圧シーケンス動作によって自動でロック解除→連結ピン離脱の連続動作を遂行することができる。
【0064】
これにより、カーボディ11とクローラフレーム2の連結/分離の完全自動化を簡易な構成によって低コストで実現することができる。
【0065】
(II) 第1油路24から分岐させた第4油路27に第2シーケンス弁29を設け、カーボディ11とクローラフレーム12を連結するための切換弁23の操作時に、脱着シリンダ15のピン挿入側動作による油圧ポンプ23の圧力上昇により第2シーケンス弁29を作動させてロックシリンダ16をロック側に作動させる構成としたから、連結ピン挿入後のロック動作、及びロック状態の保持をロックシリンダ16によって自動で、しかも確実に行わせることができる。
【0066】
(III) ロック部材として揺動運動を行うロックプレート17を用い、同プレート17を連結ピン14の係合溝20に直角方向から係脱させてロック/ロック解除する構成としたから、ロック/ロック解除の動作をより確実に安定良く行わせることができる。
【0067】
(IV) カーボディ11とクローラフレーム12の連結時に、ピン穴13に対する連結ピン14の挿入過程でロックプレート17を退避させる動作をテーパ面21によって自動で行わせることができる。これにより、上記動作のための余分な制御が不要となり、コスト及び構造の簡素化の点で有利となる。
【0068】
他の実施形態
(1) 上記実施形態では、連結ピン14の先端部のみに自動ロックのためのテーパ面21を設けたが、自動ロック動作をより確実に行わせるために、図7(a)(b)に示すように連結ピン14の係合溝20を形成する面にもテーパ面21aを形成してもよい。
【0069】
あるいは、図示のようにロックプレート17の、連結ピン14と接触する部分の両面または片面にもテーパ面21bを形成してもよい。
【0070】
(2) ロック部材として、上記実施形態で挙げた、揺動式のロックプレート17を連結ピン14の係合溝20に係合させる構造に代えて、連結ピン先端部にロックピン穴を設け、このロックピン穴に対してロックピンを係脱させる構造を採用してもよい。
【0071】
(3) ロック用の第2シーケンス弁29を省略し、テーパ面とバネ力により連結ピン14にロック部材を自動係合させて連結状態にロックする構成をとってもよい。
【0072】
(4) 本発明はカーボディとクローラフレームの連結部分に限らず、たとえばショベルのカウンタウェイトをベースマシン(上部旋回体)に対して油圧シリンダでピン連結する装置等、シリンダでピン連結されるロック付きのピン連結装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
11 連結される一方の部材としてのカーボディ
12 他方の部材としてのクローラフレーム
13 ピン穴
14 連結ピン
15 脱着シリンダ
15a 脱着シリンダのピン挿入側油室
15b 同、ピン離脱側油室
16 ロックシリンダ
16a ロックシリンダのロック解除側油室
16b 同、ロック側油室
17 ロック部材としてのロックプレート
20 係合溝
21 テーパ面
21a テーパ面
21b テーパ面
22 油圧ポンプ
23 切換弁
T タンク
24 第1油路
25 第2油路
26 第3油路
27 第4油路
28 ピン離脱用の第1シーケンス弁
29 ロック用の第2シーケンス弁
30 シーケンス弁を構成するチェック弁
31 同、パイロットリリーフ弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9