【実施例】
【0034】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。実施例および比較例中の%および部は、断りのない限りは全て質量基準である。
【0035】
<数平均分子量、重量平均分子量>
ポリエーテルポリオール、ポリエステルジオール等の数平均分子量、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より求めた。
機種:TOSOH HLC−8220GPC
カラム:TSKGEL SuperHM-M
溶媒:THF
溶液流出速度:0.6ml毎分
温度:40℃
検出器:示差屈折計
分子量標準:ポリスチレン
【0036】
酸価、水酸基価は、1gの試料当りのKOHのmgで表わす。
酸価はKOHによる中和滴定で測定した。
水酸基価はJIS K1557−1に準じて求める。具体的には水酸基価はピリジンと無水酢酸を用いるアセチル化により測定した。
また、水酸基価から以下のようにして1g当たりに含まれる水酸基の量を求める。
水酸基の量(mmol/g.)=(OHV×1000/56100)
【0037】
また、粘度は株式会社東京計器製のB型粘度計、25℃の測定温度にて行った。
粘度500mPa・s未満のポリエーテルポリウレタンにはローターNo.2を用いて、回転速度60r.p.m.にて測定を行った。
粘度1000mPa・s未満のポリエーテルポリウレタンにはローターNo.2を用いて、回転速度30r.p.m.にて測定を行った。
粘度2000mPa・s未満のポリエーテルポリウレタンにはローターNo.3を用いて、回転速度60r.p.m.にて測定を行った。
粘度4000mPa・s未満のポリエーテルポリウレタンにはローターNo.3を用いて、回転速度30r.p.m.にて測定を行った。
粘度10000mPa・s未満のポリエーテルポリウレタンにはローターNo.3を用いて、回転速度12 r.p.m.にて測定を行った。
【0038】
(合成例1)
数平均分子量約400のポリプロピレングリコール17.4部、ジプロピレングリコール4.5部、トリプロピレングリコール6.4部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート43.6部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比1.6の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約5100mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(1)と記す。
この固形分72%の溶液、イソシアネート(1)中のNCO含有率(質量%)を、JIS K7301に準じて求めた。具体的には、試料に過剰のジブチルアミンのトルエン溶液を加えて反応させ、相当する尿素を生成させた後、塩酸標準溶液を用いて、指示薬滴定法によって逆滴定を行い、測定を行ったところ、5.56%質量であった。即ち、イソシアネート(1)の固形分100質量%中に含まれるイソシネート基は7.76質量%である。従って、イソシアネート(1)の固形分:1gに含まれるイソシネート基は1.85mmolとなる。
【0039】
(合成例2)
数平均分子量約400のポリプロピレングリコール14.7部、ジプロピレングリコール3.8部、トリプロピレングリコール5.4部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート48.2部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタンポリ溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約2600mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(2)と記す。イソシアネート(2)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は2.81mmol/gであった。
【0040】
(合成例3)
数平均分子量約400のポリプロピレングリコール10.9部、ジプロピレングリコール2.8部、トリプロピレングリコール4.0部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート54.3部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比3.2の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約500mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(3)と記す。イソシアネート(3)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は4.10mmol/gであった。
【0041】
(合成例4)
数平均分子量約400のポリプロピレングリコール7.9部、ジプロピレングリコール2.0部、トリプロピレングリコール2.9部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート59.2部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比4.8の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約100mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(4)と記す。イソシアネート(4)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は5.19mmol/gであった。
【0042】
(合成例5)
数平均分子量約1000のポリプロピレングリコール15.5部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール14.0部、ジプロピレングリコール1.3部、トリプロピレングリコール1.8部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート39.3部、、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約900mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(5)と記す。イソシアネート(5)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は1.64mmol/gであった。
【0043】
(合成例6)
数平均分子量約2000のポリプロピレングリコール24.4部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール11.9部、ジプロピレングリコール1.1部、トリプロピレングリコール1.5部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート33.2部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約600mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(6)と記す。イソシアネート(6)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は1.40mmol/gであった。
【0044】
(合成例7)
エチレングリコール3.8部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール7.7部、ジプロピレングリコール2.0部、トリプロピレングリコール2.9部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート55.6部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約1000mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(7)と記す。イソシアネート(7)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は3.19mmol/gであった。
【0045】
(合成例8)
ネオペンチルグリコール8.5部、ジプロピレングリコール2.1部、トリプロピレングリコール2.9部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート58.5部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約3100mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(8)と記す。イソシアネート(8)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は3.38mmol/gであった。
【0046】
(合成例9)
ネオペンチルグリコール5.8部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール7.5部、ジプロピレングリコール1.9部、トリプロピレングリコール2.8部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート54.0部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約1200mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(9)と記す。イソシアネート(9)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は3.13mmol/gであった。
【0047】
(合成例10)
トリメチロールプロパン6.0部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール6.0部、ジプロピレングリコール1.5部、トリプロピレングリコール2.2部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート56.3部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行った。イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタンポリイソシアネート溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約2500mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(10)と記す。イソシアネート(10)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は3.34mmol/gであった
【0048】
(合成例11)
ネオペンチルグリコール2.2部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール17.8部、ジプロピレングリコール1.7部、トリプロピレングリコール2.5部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート47.7部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約850mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(11)と記す。イソシアネート(11)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は2.75mmol/gであった。
【0049】
(合成例12)
ネオペンチルグリコール4.5部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール11.2部、ジプロピレングリコール1.9部、トリプロピレングリコール2.7部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート51.7部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行し、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約1100mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(12)と記す。イソシアネート(12)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は3.02mmol/gであった。
【0050】
(合成例13)
数平均分子量約400のポリプロピレングリコール21.5部、ジプロピレングリコール5.5部、トリプロピレングリコール7.9部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート37部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比1.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約8200mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(13)と記す。イソシアネート(13)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は0.264mmol/gであった。
なお、イソシアネート(13)は一部ゲル化していた。
【0051】
(合成例14)
数平均分子量約400のポリプロピレングリコール6.4部、ジプロピレングリコール1.6部、トリプロピレングリコール2.3部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート61.7部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比6.2の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行った。イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約50mPa・s以下であった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(14)と記す。イソシアネート(14)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は5.76mmol/gであった。
【0052】
(合成例15)
数平均分子量約3000のポリプロピレングリコール31.7部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール10部、ジプロピレングリコール0.9部、トリプロピレングリコール1.3部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート28.1部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約1000mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(15)と記す。イソシアネート(15)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は1.17mmol/gであった。
【0053】
(合成例16)
数平均分子量約400のポリプロピレングリコール30.3部、ジプロピレングリコール1.9部、トリプロピレングリコール2.7部、トリレンジイソシアネート37.1部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行った。イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約900mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(16)と記す。イソシアネート(16)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基含有量は2.23mmol/gであった。
【0054】
(合成例17)
数平均分子量約400のポリプロピレングリコール26.6部、ジプロピレングリコール1.7部、トリプロピレングリコール2.4部、イソホロンジイソシアネート41.3部、および溶剤として酢酸エチル20部を反応容器に仕込み、NCО/ОHモル比2.1の条件において窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で8時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタン溶液を得た。
得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約700mPa・sであった。
また、得られたポリエーテルポリウレタン溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(17)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は3.62mmol/gであった。
【0055】
(調整例1)
イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタンを100部含む、イソシアネート(9)138.9部、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体34.5部、およびヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体13.5部を、窒素ガス気流下で30分間混合し、イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタンを含むイソシアネート溶液を得た。
得られたイソシアネート溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定したところ、約200mPa・sであった。
また、得られたイソシアネート溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。以下、この固形分72%の溶液をイソシアネート(18)と記す。イソシアネート(18)の固形分1g当たりに含まれるイソシアネート基の量は3.75mmol/gであった。
【0056】
(調整例2〜5)
調整例1と同様にして、表2にしたがって調整例2〜5を調整しイソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタンを含むイソシアネート溶液を得た。
得られたイソシアネート溶液を酢酸エチルで希釈し、固形分75%とし、25℃にて粘度を測定し、その結果を表1に示す。
また、得られたイソシアネート溶液を酢酸エチルで固形分72%に希釈した。イソシアネート基含有量を表2に示す。この固形分72%の溶液をそれぞれイソシアネート(19)、イソシアネート(20)、イソシアネート(21)、イソシアネート(22)と記す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
(合成例101)
イソフタル酸27部、アジピン酸31部、エチレングリコール10部、ネオペンチルグリコール32部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させ、酸価0.4(mgKOH/g)、水酸基価37(mgKOH/g)、重量平均分子量約6000、数平均分子量約3200の両末端に水酸基を有するポリエステルポリオールを得た。得られたポリエステルポリオールを酢酸エチルで固形分62%に希釈した。
以下、この固形分62%のポリオール溶液をポリエステルポリオール(1)と記す。ポリエステルポリオール(1)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.66[mmol/g]であった。
【0060】
(合成例102)
イソフタル酸11.6部、アジピン酸24.2部、エチレングリコール4.3部、ネオペンチルグリコール13.7部、ジエチレングリコール8.2部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させ、酸価0.4(mgKOH/g)、水酸基価11(mgKOH/g)、重量平均分子量約20000、数平均分子量約9000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリオールを得た。得られたポリエステルポリオールを酢酸エチルで固形分62%に希釈した。
以下、この固形分62%のポリオール溶液をポリエステルポリオール(2)と記す。ポリエステルポリオール(2)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.20[mmol/g]であった。
【0061】
(合成例103)
イソフタル酸15.1部、アジピン酸17.4部、エチレングリコール5.6部、ネオペンチルグリコール17.9部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させた後、トリレンジイソシアネート6部を滴下し、80℃で12時間過熱してウレタン化反応を行った。酸価0.5(mgKOH/g)、水酸基価10(mgKOH/g)、重量平均分子量約22000、数平均分子量約10000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリウレタンポリオールを得た。得られたポリエステルポリウレタンポリオールを酢酸エチルで固形分62%に希釈した。
以下、この固形分62%のポリオール溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(3)と記す。ポリエステルポリオール(3)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.18[mmol/g]であった。
【0062】
(合成例104)
アジピン酸29.1部、ジエチレングリコール26.9部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させた後、トリレンジイソシアネート6部を滴下し、80℃で12時間過熱してウレタン化反応を行った。酸価0.5(mgKOH/g)、水酸基価14(mgKOH/g)、重量平均分子量約16000、数平均分子量約7000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリウレタンポリオールを得た。得られたポリエステルポリウレタンポリオールを酢酸エチルで固形分62%に希釈した。
以下、この固形分62%のポリオールをポリエステルポリウレタンポリオール(4)と記す。ポリエステルポリオール(4)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.25[mmol/g]であった。
【0063】
(合成例105)
イソフタル酸10.8部、アジピン酸20.7部、エチレングリコール4部、ネオペンチルグリコール12.8部、ジエチレングリコール7.7部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させた後、トリレンジイソシアネート6部を滴下し、80℃で12時間過熱してウレタン化反応を行った。酸価0.5(mgKOH/g)、水酸基価11(mgKOH/g)、重量平均分子量約20000、数平均分子量約9000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリウレタンポリオールを得た。得られたポリエステルポリウレタンポリオールを酢酸エチルで固形分62%に希釈した。
以下、この固形分62%のポリオール溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(5)と記す。ポリエステルポリオール(5)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.20[mmol/g]であった。
【0064】
(合成例106)
イソフタル酸11.1部、アジピン酸21.3部、エチレングリコール4.4部、ネオペンチルグリコール13.3部、ジエチレングリコール8部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させた後、トリレンジイソシアネート4部を滴下し、80℃で12時間過熱してウレタン化反応を行った。酸価0.4(mgKOH/g)、水酸基価22(mgKOH/g)、重量平均分子量約10000、数平均分子量約5000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリウレタンポリオールを得た。得られたポリエステルポリウレタンポリオールを酢酸エチルで固形分62%に希釈した。
以下、この固形分62%のポリオール溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(6)と記す。ポリエステルポリオール(6)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.39[mmol/g]であった。
【0065】
(合成例107)
イソフタル酸10.6部、アジピン酸20.3部、エチレングリコール3.9部、ネオペンチルグリコール12.5部、ジエチレングリコール7.5部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させた後、トリレンジイソシアネート7.2部を滴下し、80℃で12時間過熱してウレタン化反応を行った。酸価0.3(mgKOH/g)、水酸基価5.5(mgKOH/g)、重量平均分子量約40000、数平均分子量約20000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリウレタンポリオールを得た。得られたポリエステルポリウレタンポリオールを酢酸エチルで固形分62%に希釈した。
以下、この固形分62%のポリオール溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(7)と記す。ポリエステルポリオール(7)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.10[mmol/g]であった。
【0066】
(合成例108)
イソフタル酸18.2部、セバシン酸18.2部、エチレングリコール3.6部、ネオペンチルグリコール18部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させた後、トリレンジイソシアネート6部を滴下し、80℃で12時間過熱してウレタン化反応を行った。酸価0.4(mgKOH/g)、水酸基価9(mgKOH/g)、重量平均分子量約25000、数平均分子量約12000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリウレタンポリオールを得た。得られたポリエステルポリウレタンポリオールを酢酸エチルで固形分64%に希釈した。
以下、この固形分64%のポリオール溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(8)と記す。ポリエステルポリオール(8)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.16[mmol/g]であった。
(合成例109)
アジピン酸52部、ジエチレングリコール48部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させ、酸価0.5(mgKOH/g)、水酸基価56(mgKOH/g)、重量平均分子量約4000、数平均分子量約2000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリオールを得た。
以下、この固形分100%のポリオールをポリエステルポリオール(9)と記す。ポリエステルポリオール(9)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、1.00[mmol/g]であった。
【0067】
(合成例110)
イソフタル酸10.2部、アジピン酸19.6部、エチレングリコール3.8部、ネオペンチルグリコール12.1部、ジエチレングリコール7.3部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が1.3(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させた後、トリレンジイソシアネート9部を滴下し、80℃で12時間過熱してウレタン化反応を行った。酸価0.3(mgKOH/g)、水酸基価3.7(mgKOH/g)、重量平均分子量約60000、数平均分子量約30000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリウレタンポリオール樹脂を得た。得られたポリエステルポリウレタンポリオールを酢酸エチルで固形分62%に希釈した。
以下、この固形分62%のポリオール溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(10)と記す。ポリエステルポリオール(10)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.07[mmol/g]であった。
【0068】
(合成例111)
固形分62%のポリエステルポリオール(1)40部、固形分62%のポリエステルポリオール(9)16部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながらトリレンジイソシアネート6部を滴下し、80℃で12時間過熱してウレタン化反応を行った。酸価0.4(mgKOH/g)、水酸基価11(mgKOH/g)、重量平均分子量約20000、数平均分子量約9000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリウレタンポリオールを得た。得られたポリエステルポリウレタンポリオールを酢酸エチルで固形分62%に希釈した。
以下、この固形分62%のポリオール溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(11)と記す。ポリエステルポリオール(11)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.20[mmol/g]であった。
【0069】
(合成例112)
固形分62%のポリエステルポリウレタンポリオール(3)71.4部、固形分62%のポリエステルポリウレタンポリオール(4)28.6部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で30分攪拌を行った。酸価0.5(mgKOH/g)、水酸基価11(mgKOH/g)、重量平均分子量約20000、数平均分子量約9000の両末端に水酸基を有するポリエステルポリウレタンポリオールを含有する、固形分62%の溶液を得た。
以下、この固形分62%のポリオール溶液をポリエステルポリウレタンポリオール(12)と記す。ポリエステルポリオール(12)の固形分1g当たりに含まれる水酸基の量は、0.20[mmol/g]であった。
【0070】
【表3】
【0071】
(実施例1)
合成例1で得たイソシアネート(1):6.1部(固形分約4.39部を含み、NCO:8.12[mmol]を含む)、合成例105で得られたポリエステルポリウレタンポリオール(5):18部(固形分約11.16部を含み、水酸基:2.23[mmol]を含む)を容器に仕込み、酢酸エチルにて固形分30%に調整し、接着剤溶液を得た。なお、NCO/OH=3.64であった。
後述する方法に従い、接着剤溶液の概観、接着剤を塗布乾燥した塗膜の透明性を評価した。さらに、得られた接着剤溶液を用いて、下記の方法に従い積層体を得、積層体の熱水スプレー式レトルト耐性(以下スプレーレトルト耐性と表記する。)を評価した。結果を表4に示す。
【0072】
(実施例2〜33、比較例1〜8)
表4〜表7に示す組成に従って、実施例1と同様にして接着剤溶液を得た。
なお、比較例8はポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の固形分75%溶液をイソシアネート成分として用いた
【0073】
<溶液外観>
25℃に調整した接着剤溶液を目視により外観評価を行った。
A:透明
B:微濁
C:白濁
【0074】
<塗膜の透明性>
接着剤溶液を、ポリエステルフィルム(12μm)に乾燥後塗布量が3.5g/m
2となるように塗布し、溶剤を揮散した後、ポリエステルフィルムをブランク(0)としてヘイズをHAZE METERで測定し、透明性の評価を行った。ヘイズは小さいほど透明であることを示し、各成分の相溶性が良好であることを示す。
A:ヘイズ値 5以下
B:ヘイズ値 6以上15以下
C:ヘイズ値 16以上
【0075】
[積層体の作製]
(4層複合積層体の作成)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)/ナイロン(NY)フィルム(厚さ15μm)/アルミニウム(AL)箔(厚さ9μm)/未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(厚さ70μm、表面コロナ放電処理)の4層複合積層体を接着剤の固形分塗布量を3.5g/m
2として、以下に記載の方法で作成した。
すなわち、接着剤溶液を常温にてラミネーターにより、まずポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、溶剤を揮散させた後、塗布面をナイロンフィルムと貼り合せた。さらに、その積層体のナイロンフィルム面に同様に接着剤溶液を塗布し、溶剤を揮散させた後、塗布面をアルミニウム箔表面と貼り合せた。ついで、その積層体のアルミニウム箔面に同様に接着剤溶液を塗布し、溶剤を揮散させた後、塗布面を未延伸ポリプロピレンフィルムと貼り合せ、40℃で2日間保温し、4層複合積層体(I)を作成した。
また、同様にして作成した積層体を40℃で7日間保温し、4層複合積層体(II)を作成した。
【0076】
(熱水スプレー式レトルト耐性評価用のテストピースの作成)
4層複合積層体(I)から縦40mm、横40mmの試料1を切り出した。未延伸ポリプロピレンフィルムが内側を向くように前記試料1を半分に折り畳み、縦20mm、横40mmの試料2を作成した。試料2の折り山から開放端に向かって18mmまでの全面(=18mm×40mm)を株式会社テスター産業製のTP−701−A ヒートシールテスターにより、190℃、20N/cm
2、1秒の条件でヒートシール処理し、試料3を作成した。
次いで試料3の折り山から開放端に向かって1mmの位置を折り山に平行に切り落とし、縦19mm、横40mmの試料4を作成した。横40mmのヒートシール端部の任意の箇所に、底辺1mm、高さ1.5mmの三角形の切り込み(ノッチ)を設け、テストピースとした。なお、1mmの底辺は横40mmのヒートシール端部(辺)に重なるようにし、高さ1.5mmの頂点は横40mmの開放端に向かうようにするものとする。
4層複合積層体(II)についても同様とする。
【0077】
(熱水スプレー式レトルト耐性)
各実施例、各比較例の接着剤を用いて形成した4層複合積層体(I)および(II)からそれぞれ300個のテストピースを作成し、ノッチを設けた端部が同じ方向に位置するようにテストピースを束ねた。
株式会社日坂製作所製RCS−60SPXTG熱水スプレー式レトルト処理装置を用いて、熱水スプレーノズルから5mmの距離に、束ねたテストピースのノッチを設けた端部が位置するように設置し、レトルト条件135℃、30分、3.0kg/cm
2G、水圧0.75MPaGの条件でレトルト処理を行った。
レトルト後のテストピースの状態を目視観察し、テストピースを構成する各フィルム層のどこかが剥がれたり、ゆず肌状の模様等の外観不良が観察されたりする不良品の発生率で評価した。
A:不良品発生率が5%未満。
B:不良品発生率が5%以上25%未満。
C:不良品発生率が25%以上。
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
表4に示すように実施例1〜6は、良好な溶液外観と塗工後の塗膜透明性を有しており、40℃、2日の短いエージングにより多少未硬化状態であっても、40℃、7日エージングして十分硬化した場合でも、良好なスプレーレトルト耐性を示す。
これに対し、イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネート由来のイソシアネート(16)を用いる比較例1、イソホロンジイソシアネート由来のイソシアネート(17)を用いる比較例2は、40℃、7日エージングして十分硬化した場合には良好なスプレーレトルト耐性を有しているが、40℃、2日の短いエージング条件では硬化が不十分すぎるのでスプレーレトルト耐性が不良である。
また、水酸基成分(a1)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(a2)とをNCO/OH=1.1で反応させてなるイソシアネート(13)を用いた比較例3と、NCO/OH=6.2で反応させてなるイソシアネート(14)を用いた比較例4は、スプレーレトルト耐性が劣っているだけでなく、溶液外観に関しても劣る。イソシアネート(13)は、原料のポリエーテルジオールの数平均分子量が大きいうえ、NCO/OH=1.1であったためイソシアネート成分としても分子量が大きくなり、水酸基成分(B)との相溶性が悪化し、溶液外観が白濁し塗工後のヘイズも高い値となる。また、イソシアネート(14)は、NCO/OH=6.1で反応させた結果、イソシアネート成分中に含まれる未反応の結晶性の高い4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが閉める割合が増加するため溶液が白濁し、塗工後のヘイズも高い値となる。
また、数平均分子量3000のポリプロピレングリコールを反応させてなるイソシアネート(15)を用いた比較例5はスプレーレトルト耐性が劣っているだけでなく、溶液外観に関しても劣る。これは原料のポリエーテルジオールの数平均分子量が大きいため、水酸基成分(B)との相溶性が悪化し、溶液外観が白濁し塗工後のヘイズも高い値となるためである。また、塗工後のヘイズが高いため硬化反応が均一に進行せず、十分な耐熱性、耐衝撃性、耐水性を有することができないためスプレーレトルト耐性も低下してしまう。
【0083】
表5に示すように実施例9〜19は、良好な溶液外観と塗工後の塗膜透明性を有しており、40℃、2日の短いエージングにより多少未硬化状態であっても、40℃、7日エージングして十分硬化した場合でも、優れたスプレーレトルト耐性を示す。
これに対し、水酸基成分として重量平均分子量4000のポリエステルポリオール(9)を用いた比較例6はスプレーレトルト耐性が著しく低下する。また、重量平均分子量60000のポリエステルポリオール(10)を用いた比較例6はスプレーレトルト耐性が著しく低下するだけでなく、溶液外観と塗膜ヘイズ値も著しく低下する。
【0084】
表6に示すように、水酸基成分(a1)として側鎖にアルキル基を有する、C3〜C7のアルカンジオール(a1−2)やC3〜C7のアルカントリオール(a1−3)をポリエーテルジオール(a1−1)と併用してなるイソシアネート(9)〜(11)を用いた実施例20〜23は、側鎖にアルキル基を有する、C3〜C7のアルカンジオールおよびC3〜C7を使用していないイソシアネート(2)〜(7)を用いた実施例24、25と比較して更に良好な溶液外観と塗工後の塗膜透明性を有している。
また、ポリエーテルジオール(a1−1)とアルカンジオール(a1−2)とアルカントリオール(a1−3)との合計100質量%中に含まれるアルカンジオール(a1−2)とアルカントリオール(a1−3)との合計の含有率が好適な範囲のイソシアネート(9)〜(11)を用いた実施例20〜23は、前記含有率の大きいイソシアネート(8)を用いた実施例26よりも、溶液外観と塗工後の塗膜の透明性が優れる。
また、実施例20〜26は、40℃2日エージングと40℃7日エージングでのスプレーレトルト耐性も同等程度に優れていることがわかる。これは側鎖にアルキル基を有するアルカンジオール及びアルカントリオール由来のポリエステルポリウレタンポリオールとポリエーテルポリウレタンポリイソシアネートとの相溶性向上効果に由来する。
【0085】
表7に示すように、更にイソシアネート成分(A)として数平均分子量が400〜1000の3官能以上のポリイソシアネート(A2)を併用したイソシアネート(18)〜(22)を用いた実施例27〜31は、ポリエーテルジオール(a1−1)を含むイソシアネート(2)を用いた実施例32および、ポリエーテルジオール(a1−1)とアルカンジオール(a1−2)を含むイソシアネート(9)を用いた実施例33、実施例1〜6および20〜26と比較して更に良好なスプレーレトルト耐性を有する。
対して、イソシアネート成分(A)としてトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンアダクト体のみを用いた比較例8は著しくスプレーレトルト耐性が低下する。