(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
本発明の製法で使用されるポリアミド酸は、ジアミン化合物成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを反応させることによって得られるものであるが、テトラカルボン酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、ジアミン化合物成分として一分子に3つ以上の芳香環を有するジアミンを必須とすることを特徴とする。
【0031】
テトラカルボン酸二無水物成分としては、ピロメリット酸二無水物に加えて、他のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。具体的には、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの一部がハロゲン、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基等で置換された誘導体などが挙げられる。
【0032】
これらテトラカルボン酸二無水物の中でも、工業的に入手しやすい点から、3,3’,4,4’−フェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸二無水物を好ましく併用できる。
【0033】
これらは一種のみを使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0034】
ジアミン化合物成分としては、一分子に3つ以上の芳香環を有するジアミンを含むことを特徴とする。
【0035】
本発明において、芳香環とは、有機化合物の環状不飽和構造のことを指す。有機化合物の環状不飽和構造には、四〜七員環の単環式芳香環、および、複数の単環が縮合してなる多環式芳香環がある。本発明において、芳香環として好ましいものとしては、単環式芳香環のベンゼン、多環式芳香環のナフタレン、アントラセンを挙げることができ、特にベンゼンが好ましい。これら芳香環を有するジアミンであれば、ポリイミドの合成をスムーズに行うことができる。
【0036】
本発明に用いるジアミンは、一分子に3つ以上の芳香環を有するものであるが、一分子あたりの芳香環の個数の上限は10であることが好ましく、6であることがより好ましい。10より多いと、ポリイミドの合成がスムーズに進まない場合がある。3より少ないと、所望の電気抵抗率を発現しない。
【0037】
一分子に3つ以上の芳香環を有するジアミンは、分子内において少なくとも下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造を含むことが好ましい。
【0039】
なお、上記一般式(1)〜(6)の芳香環の一部が、ハロゲン、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、またはフェノキシ基で置換されていてもよい。
上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造を含んでいれば、最終的に得られるフィルムの強度に優れる。
【0040】
上記一般式(1)〜(6)に示される構造のいずれかを有する、一分子に3つ以上の芳香環を有するジアミンとしては、直鎖型のものでも、分枝型のものでもよいが、下記一般式(7)で表される化合物であることが好ましい。
【0042】
上記一般式(7)中、Arは芳香環を表す。XはO、直接結合、CO、C(CH
3)
2、S、SO
2からなる群から選択されるいずれかであって、一分子内で全て同じでも良いし、一部または全て異なっていても良い。n≧2である。
また、Arはその一部がハロゲン、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、またはフェノキシ基で置換されていてもよく、一分子内で全て同じでも良いし、一部または全て異なっていても良い。
【0043】
一分子に3つ以上の芳香環を有する好ましいジアミンとして、下記化学式(8)〜(16)で示される化合物およびこれらの誘導体を例示することができる。
【0045】
ここで、誘導体としては、上記一般式(8)〜(16)の構造式の一部が、ハロゲン、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基等で置換されているものが挙げられる。
【0046】
上記化合物の他、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン等も好ましく用いることができる。
【0047】
一分子に3つ以上の芳香環を有するジアミンは、単独で用いても良いし、複数用いても良い。
【0048】
ジアミン化合物成分には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、一分子に1つまたは2つの芳香環を有するジアミンを併用することができる。具体的には、例えば、4,4’−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルイソプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン及びそれらの一部がハロゲン、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基等で置換された誘導体などが挙げられる。
【0049】
これらジアミンの中でも、工業的に入手しやすい点から、4,4’−オキシジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルイソプロパン、1,4−ジアミノベンゼンを好ましく併用できる。
【0050】
本発明において、ピロメリット酸二無水物の含有量は、特に限定されるわけではないが、フィルム強度に優れ、かつ、高い導電性を有する導電性ポリイミドフィルムが得られる点で、テトラカルボン酸二無水物成分の全モル数100モル%において50〜100モル%含有されることが好ましく、70〜100モル%含有されることがより好ましい。
【0051】
本発明において、一分子に3つ以上の芳香環を有するジアミンの含有量は、特に限定されるわけではないが、フィルム強度に優れ、かつ、高い導電性を有する導電性ポリイミドフィルムが得られる点で、ジアミン化合物成分の全モル数100モル%において50〜100モル%含有されることが好ましく、70〜100モル%含有されることがより好ましい。
【0052】
本発明においては、ピロメリット酸二無水物または一分子に3つ以上の芳香環を有するジアミンが上記好ましい含有量であることが好ましい。いずれか一方が上記好ましい含有量であれば、フィルム強度に優れ、かつ、高い導電性を有する導電性ポリイミドフィルムが得られやすい。フィルム強度、および、導電性が優れる点で、両方ともが上記好ましい含有量である場合がより好ましい。
【0053】
ポリアミド酸の製造としては公知のあらゆる方法を用いることができ、通常、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を、実質的等モル量を有機溶媒中に溶解させて、制御された温度条件下で、上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の重合が完了するまで攪拌することによって製造される。
【0054】
ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、ポリアミド酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができるが、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが好ましく、中でも、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましく用い得る。これらは単独で用いても良いし、2種以上の混合物であっても良い。
【0055】
ポリアミド酸溶液は通常5〜35wt%が好ましく、10〜30wt%の濃度で得られることがより好ましい。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度を得ることができる。
【0056】
重合方法としてはあらゆる公知の方法およびそれらを組み合わせた方法を用いることができる。ポリアミド酸の製造における重合方法の特徴はそのモノマーの添加順序にあり、このモノマー添加順序を制御することにより得られるポリイミドの諸物性を制御することができる。従い、本発明においてポリアミド酸の重合にはいかなるモノマーの添加方法を用いても良い。代表的な重合方法として次のような方法が挙げられる。すなわち、
1)ジアミン化合物を有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルのテトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法。
2)テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量のジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程においてテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が実質的に等モルとなるようにジアミン化合物を用いて重合させる方法。
3)テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量のジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここにジアミン化合物を追加添加後、全工程においてテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が実質的に等モルとなるようにテトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法。
4)テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解及び/または分散させた後、実質的に等モルとなるようにジアミン化合物を用いて重合させる方法。
5)実質的に等モルのテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
などのような方法である。これら方法を単独で用いても良いし、部分的に組み合わせて用いることもできる。
【0057】
本発明の製法で使用される導電付与剤は、特に限定されるわけではないが、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物に含有されうる導電性フィラーであれば、公知のものを用いることでき、例えば、アルミニウム粒子、SUS粒子、炭素性導電性粒子、銀粒子、金粒子、銅粒子、チタン粒子、合金粒子などを挙げることができる。これらの中でも、比重が小さく、導電性フィルムの軽量化が容易であるなどの理由で炭素性導電性粒子を好ましく用いることができる。炭素性導電性粒子にはケッチェンブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、カーボンナノチューブなどが挙げられるが、材料そのものの導電性が比較的高く、樹脂に対して少量の添加量で所望の高い導電性が得られやすいとの理由で特にケッチェンブラックやカーボンナノチューブを好ましく用いることが出来る。
【0058】
導電付与剤は、ポリアミド酸100重量部に対して1〜50重量部含まれることが好ましく、5〜20重量部がより好ましい。1重量部より少ないと導電性が低下し、導電性フィルムとしての機能が損なわれる場合があり、逆に50重量部より多いと得られる導電性フィルムの強度が低下し、取り扱いが困難となる場合がある。
【0059】
ポリアミド酸と導電付与剤との複合化、すなわち、導電付与剤を分散させたポリアミド酸溶液の調製は、例えば、
1.重合前または途中に重合反応液に導電付与剤を添加する方法、
2.重合完了後、3本ロールなどを用いて導電付与剤を混錬する方法、
3.導電付与剤を含む分散液を用意し、これをポリアミド酸溶液に混合する方法
などが挙げられ、いかなる方法を用いてもよい。導電付与剤による製造ラインの汚染を最も小さく抑えられる点から、導電付与剤を含む分散液をポリアミド酸溶液に混合する方法、特に塗膜を製造する直前に混合する方法が好ましい。導電付与剤を含む分散液を用意する場合、ポリアミド酸の重合溶媒と同じ溶媒を用いるのが好ましい。導電付与剤を良好に分散させ、また分散状態を安定化させるために分散剤、増粘剤等をフィルム物性に影響を及ぼさない範囲内で用いてもよい。導電付与剤が凝集を伴わずに安定的に分散させやすい点から、分散剤としてポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を少量添加することが好ましい。
【0060】
上記複合化では、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなどを用いることが好ましい。ビーズミル、ボールミル等の方法で流動性のある液体状態になるように分散させると、フィルム化工程において、導電付与剤を分散させたポリアミド酸溶液の取り扱いが良好となる。ボールミルやビーズミルに用いるメディア径は、特に限定されるわけではないが、10mm以下が好ましい。
【0061】
得られる導電性ポリイミドフィルムのすべり性、摺動性、熱伝導性、耐コロナ性、ループスティフネス等のフィルムの諸特性を改善する目的でフィラーを使用してもよい。フィラーとしてはいかなるものを用いても良いが、好ましい例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
【0062】
フィラーの粒子径は改質すべきフィルム特性と添加するフィラーの種類によって決定されるため、特に限定されるものではないが、一般的には平均粒径が0.05〜100μmが好ましく、より好ましくは0.1〜75μm、更に好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは0.1〜25μmである。粒子径がこの範囲を下回ると改質効果が現れにくい場合があり、この範囲を上回ると表面性を大きく損なったり、フィルム強度が大きく低下したりする場合がある。
【0063】
フィラーの添加部数についても改質すべきフィルム特性やフィラー粒子径などにより決定されるため特に限定されるものではない。一般的にフィラーの添加量はポリイミド100重量部に対して0.01〜100重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜90重量部、更に好ましくは0.02〜80重量部である。フィラー添加量がこの範囲を下回るとフィラーによる改質効果が現れにくい場合があり、この範囲を上回るとフィルム強度が大きく損なわれる場合がある。
【0064】
フィラーの添加方法は、上記複合化・分散方法を同様に適用でき、導伝付与剤の複合化・分散時に一緒に添加しても良いし、別途添加しても良い。
【0065】
本発明の製法は、イミド化促進剤を用いる化学イミド化法で上記ポリアミド酸をポリイミドに転化させるため、短時間の乾燥で済み、生産性に優れる。
【0066】
イミド化促進剤は触媒及び化学脱水剤を含んでいればよく、これら以外に溶剤を含んでいても良い。溶剤にはポリアミド酸溶液に含まれるものと同種であることが特に好ましい。
【0067】
触媒には3級アミン化合物を好適に用いることが出来る。特に好ましい化合物として、キノリン、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,5−ジエチルピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリンなどが挙げられる。これら化合物は、単独で用いても良いし、2種類以上の混合物として用いてもよい。
【0068】
触媒の使用量としては、ポリアミド酸中のアミド酸1モルに対し0.1〜4.0モル当量が好ましく、0.3〜3.0モル当量がより好ましく、0.5〜2.0モル当量がさらに好ましい。0.1モル当量より少ないと触媒としての作用が不十分となり、イミド化が完全に進まずフィルム強度が低下する問題が生じる場合がある。一方、4.0モル当量より多くしても添加量を増やすことによる効果が殆ど無く得られない上に、一連の加熱処理においても溶剤を蒸発させることが困難となり、残存量が多くなるため、得られるフィルム強度がやはり低下してしまう場合がある。
【0069】
化学脱水剤は特に限定されるものではないが、例えば脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物等を好適に用いることが出来る。これらは単独で用いても良いし、2種類以上の混合物として用いても良い。上記化学脱水剤の中でも特に好ましい化合物として、無水酢酸、無水プロピオン酸が挙げられる。これら化合物も、上記と同様、単独、または2種類以上の混合物として用いることが出来る。
【0070】
化学脱水剤の使用量としては、ポリアミド酸中のアミド酸1モルに対し、1.0〜5.0モル当量が好ましく、1.2〜4.0モル当量がより好ましく、1.5〜3.0モル当量がさらに好ましい。1.0モル当量より少ないと化学脱水剤の作用によるイミド化が完全に進まず、フィルム強度が低下する問題が生じる場合がある。一方、5.0モル当量より多いと、短時間でイミド化が進行してゲル化してしまうため、塗膜を形成しにくくなる場合がある。
【0071】
ポリアミド酸にイミド化促進剤を添加するときの温度は10℃以下が好ましく、5℃以下がより好ましく、0℃以下がさらに好ましい。10℃より高温になると、短時間でイミド化が進行してゲル化してしまうため、塗膜を形成しにくくなる場合がある。
【0072】
本発明の製法は、上記ポリアミド酸、導電付与剤、およびイミド化促進剤を含む塗膜を乾燥およびイミド化させることで導電性ポリイミドフィルムを形成する。
【0073】
塗膜を形成する塗布法としては、例えばダイコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、スリットコート法などの公知の方法を適宜採用することが出来る。前記のいずれかの塗布法等により金属ドラムや金属ベルト等の支持体上に塗膜し室温から200℃程度の温度で自己支持性乾燥フィルムを得た後、さらにフィルムを固定し、最終温度が600℃程度の温度まで加熱し、導電性ポリイミドフィルムを得る。フィルムの固定は、ピンテンター方式、クリップテンター方式、ロール懸垂方式など公知の方法を適宜採用することが出来、その形態にとらわれない。
【0074】
加熱温度は適宜設定できるが、高い方が、イミド化が起こりやすいため、キュア速度を速くすることができ、生産性の面で好ましい。但し、温度が高すぎると熱分解を起こす可能性がある。一方、加熱温度が低すぎると、イミド化が進みにくく、キュア工程に要する時間が長くなってしまう。
【0075】
加熱時間に関しては、実質的にイミド化および乾燥が完結するに十分な時間を取ればよく、一義的に限定されるものではないが、一般的には1〜600秒程度の範囲で適宜設定される。
【0076】
本発明の製法は、支持体上における塗膜の厚み、ポリアミド酸の濃度、導電付与剤の重量部数を適宜調節することで導電性ポリイミドフィルムの厚みを適宜設定できる。塗膜の厚みは1〜1000μmであることが好ましい。1μmより薄いと最終的に得られるフィルム強度が乏しくなる場合があり、1000μmより厚いと支持体上で流動してしまう場合がある。最終的に得られる導電性ポリイミドフィルムの厚みは1〜100μmが好ましく、5〜50μmであることがより好ましい。1μmより薄いとフィルム強度が乏しくなる場合があり、100μmより厚いと均一にイミド化および乾燥することが困難になるため、機械的特性にバラツキが生じたり、発泡等の局所的な欠陥も現れやすくなる場合がある。
【0077】
本発明の製法は、得られる導電性ポリイミドフィルムの厚み方向の体積抵抗率、および表面抵抗率を所望通りに調整できるため、ポリイミドの種類や導電付与剤の種類、添加量などを適宜設定できる。
【0078】
導電性ポリイミドフィルムの厚み方向の体積抵抗率は1.0×10
-1〜1.0×10
2Ωcmが好ましく、1.0×10
-1〜8.0×10
1Ωcmがより好ましく、1.0×10
-1〜5.0×10
1Ωcmがさらに好ましい。
【0079】
導電性ポリイミドフィルムの表面抵抗率は1.0×10
1〜1.0×10
4Ω/□が好ましく、1.0×10
1〜5.0×10
3Ω/□がより好ましく、1.0×10
1〜3.0×10
3Ω/□がさらに好ましい。
【0080】
本発明の製法によって得られる導電性ポリイミドフィルムは、製膜時におけるフィルム搬送が安定的に行える観点から、導電性ポリイミドフィルムの引裂伝播抵抗(R、単位:g/mm)値が130〜300の範囲にあることが好ましい。Rの値が好ましい範囲にあれば、十分なフィルム強度を有していると判断できる。一方、Rの値が130に満たない場合、フィルム強度が不足しているため、生産性の低下のみならず耐久性の低下に繋がる場合がある。生産性および耐久性の観点から、Rの値が160〜300の範囲にあることがより好ましい。
【0081】
本発明の製造方法で得られる導電性ポリイミドフィルムは、導電付与剤の再凝集が抑えられており、最小限の導電付与剤の使用で所望の体積抵抗率および表面抵抗率を有する。そのため、金属系電子材料、電池の電極材料、電磁シールド材、静電吸着用フィルム、帯電防止剤、画像形成装置部品、電子デバイス等において長期にわたって安定的に使用可能になり、好適に採用することができる。
【実施例】
【0082】
本発明について、実施例および比較例に基づいて効果をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
【0083】
実施例および比較例で得られた導電性ポリイミドフィルムの体積抵抗率、表面抵抗率およびフィルム強度の評価は、以下のとおりに測定および評価した。
【0084】
(体積抵抗率)
得られた導電性ポリイミドフィルムを15mm□のサイズに切り抜き、両面の中央部10mm□の領域に金薄膜をスパッタ法により形成させた。金薄膜にそれぞれ銅箔を1MPaの加圧により密着させ、2つの銅箔の間に電流Iを流したときの、電位Vを測定し、測定値V/Iを体積抵抗率とした。抵抗値の測定にはLCR HiTESTER(3522−50、日置電機株式会社製)を用いた。
【0085】
(表面抵抗率)
測定にはLORESTA−GP(MCP−T610、株式会社三菱アナリテック製)を用い、4探針プローブを得られた導電性ポリイミドフィルム表面に押し当てて表面抵抗率を測定
した。
【0086】
体積抵抗率の値が、1.0×10
-1〜1.0×10
2Ωcmの範囲にあり、かつ表面抵抗率の値が1.0×10
1〜1.0×10
4Ω/□の範囲にあれば、電気抵抗に優れる(○)と判断し、体積抵抗率、表面抵抗率の両方がこの範囲を外れると、電気抵抗に劣る(×)と評価した。
【0087】
(フィルム強度の評価)
得られた導電性ポリイミドフィルムの引裂伝播抵抗RはJIS K 7128 トラウザー引裂法に準じて測定した。引裂伝播抵抗(R、単位:g/mm)値が120〜300の範囲であればフィルム強度に優れる(○)と判断し、120未満であればフィルム強度に劣る(×)と評価した。
【0088】
(実施例1)
重合用の有機溶媒として、N,N−ジメチルフォルムアミド(以下、DMF)を用い、テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物(以下、PMDA)100モル%を、ジアミン化合物として1分子に芳香環を3つ有する、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、TPE−R)100モル%を使用し、実質的にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が等モル%になるよう反応槽に添加して攪拌、重合することによりポリアミド酸溶液を合成した。このとき、得られるポリアミド酸溶液の固形分濃度は15重量%、粘度は300〜400Pa・s(東機産業株式会社製E型粘度計;TVE−22H、23℃における)となるように合成を行った。
【0089】
得られたポリアミド酸溶液10重量部、ケッチェンブラック(ECP600JD、ライオン株式会社製)1重量部、および、DMF20重量部をボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間とした。
【0090】
さらに、得られたカーボン分散液100重量部、および、得られたポリアミド酸溶液183重量部を混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。このとき、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
【0091】
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gに対し、イソキノリン11.4g、無水酢酸12g、およびDMF16.6gからなるイミド化促進剤を添加して均一にしたものを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、120℃で216秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、250℃で200秒間乾燥し、続けて400℃で64秒間乾燥を行って、導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0092】
(実施例2)
重合用の有機溶媒として、DMFを用い、テトラカルボン酸二無水物としてPMDA100モル%を、ジアミン化合物として1分子に芳香環を4つ有する、2,2’−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン(以下、BAPP)100モル%を使用し、実質的にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が等モル%になるよう反応槽に添加して攪拌、重合することによりポリアミド酸溶液を合成した。このとき、得られるポリアミド酸溶液の固形分濃度は15重量%、粘度は300〜400Pa・s(東機産業株式会社製E型粘度計;TVE−22H、23℃における)となるように合成を行った。
【0093】
得られたポリアミド酸溶液10重量部、ケッチェンブラック(ECP600JD、ライオン株式会社製)1重量部、および、DMF20重量部をボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間とした。
【0094】
さらに、得られたカーボン分散液100重量部、および、得られたポリアミド酸溶液183重量部を混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。このとき、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
【0095】
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gに対し、イソキノリン9.3g、無水酢酸9.7g、およびDMF21gからなるイミド化促進剤を添加して均一にしたものを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、120℃で216秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、250℃で200秒間乾燥し、続けて400℃で64秒間乾燥を行って、導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0096】
(実施例3)
最終厚みが12.5μmになるようにした以外は、実施例2と同様にして導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0097】
(実施例4)
重合用の有機溶媒として、DMFを用い、テトラカルボン酸二無水物としてPMDA100モル%を、ジアミン化合物として1分子に芳香環を5つ有する、1,3−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル}ベンゼン(以下、BABB)100モル%を使用し、実質的にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が等モル%になるよう反応槽に添加して攪拌、重合することによりポリアミド酸溶液を合成した。このとき、得られるポリアミド酸溶液の固形分濃度は15重量%、粘度は300〜400Pa・s(東機産業株式会社製E型粘度計;TVE−22H、23℃における)となるように合成を行った。
【0098】
得られたポリアミド酸溶液10重量部、ケッチェンブラック(ECP600JD、ライオン株式会社製)1重量部、および、DMF20重量部をボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間とした。
【0099】
さらに、得られたカーボン分散液100重量部、および、得られたポリアミド酸溶液183重量部を混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。このとき、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
【0100】
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gに対し、イソキノリン8.1g、無水酢酸8.5g、およびDMF23.4gからなるイミド化促進剤を添加して均一にしたものを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、120℃で216秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、250℃で200秒間乾燥し、続けて400℃で64秒間乾燥を行って、導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0101】
(実施例5)
重合用の有機溶媒として、DMFを用い、テトラカルボン酸二無水物としてPMDA50モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物50モル%を、ジアミン化合物として1分子に芳香環を2つ有する4、4’−オキシジアニリン(以下、ODA)50モル%、1分子に芳香環を4つ有するBAPP50モル%を使用し、実質的にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が等モル%になるよう反応槽に添加して攪拌、重合することによりポリアミド酸溶液を合成した。このとき、得られるポリアミド酸溶液の固形分濃度は15重量%、粘度は300〜400Pa・s(東機産業株式会社製E型粘度計;TVE−22H、23℃における)となるように合成を行った。
【0102】
得られたポリアミド酸溶液10重量部、ケッチェンブラック(ECP600JD、ライオン株式会社製)1重量部、および、DMF20重量部をボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間とした。
【0103】
さらに、得られたカーボン分散液100重量部、および、得られたポリアミド酸溶液183重量部を混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。このとき、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
【0104】
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gに対し、イソキノリン10.1g、無水酢酸10.6g、およびDMF19.3gからなるイミド化促進剤を添加して均一にしたものを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、120℃で216秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、250℃で200秒間乾燥し、続けて400℃で64秒間乾燥を行って、導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0105】
(実施例6)
実施例2において、イソキノリンの代わりに3,5−ジエチルピリジンを使用するようにした以外は同様にして導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0106】
(比較例1)
重合用の有機溶媒として、DMFを用い、テトラカルボン酸二無水物としてPMDA100モル%を、ジアミン化合物として1分子に芳香環を1つ有するp−フェニレンジアミン(以下、p−PDA)100モル%を使用し、実質的にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が等モル%になるよう反応槽に添加して攪拌、重合することによりポリアミド酸溶液を合成した。このとき、得られるポリアミド酸溶液の固形分濃度は15重量%、粘度は300〜400Pa・s(東機産業株式会社製E型粘度計;TVE−22H、23℃における)となるように合成を行った。
【0107】
得られたポリアミド酸溶液10重量部、ケッチェンブラック(ECP600JD、ライオン株式会社製)1重量部、および、DMF20重量部をボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間とした。
【0108】
さらに、得られたカーボン分散液100重量部、および、得られたポリアミド酸溶液183重量部を混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。このとき、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
【0109】
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gに対し、イソキノリン17.8g、無水酢酸18.8g、およびDMF3.4gからなるイミド化促進剤を添加して均一にしたものを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、120℃で216秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、250℃で200秒間乾燥し、続けて400℃で64秒間乾燥を行って、導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0110】
(比較例2)
重合用の有機溶媒として、DMFを用い、テトラカルボン酸二無水物としてPMDA100モル%を、ジアミン化合物として1分子に芳香環を2つ有するODA100モル%を使用し、実質的にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物が等モル%になるよう反応槽に添加して攪拌、重合することによりポリアミド酸溶液を合成した。このとき、得られるポリアミド酸溶液の固形分濃度は15重量%、粘度は300〜400Pa・s(東機産業株式会社製E型粘度計;TVE−22H、23℃における)となるように合成を行った。
【0111】
得られたポリアミド酸溶液10重量部、ケッチェンブラック(ECP600JD、ライオン株式会社製)1重量部、および、DMF20重量部をボールミルで分散処理を施し、カーボン分散液を得た。分散には5mmφのジルコニア球を用い、回転数600rpmで30分間の処理時間とした。
【0112】
さらに、得られたカーボン分散液100重量部、および、得られたポリアミド酸溶液183重量部を混合し、均一にしてカーボン分散ポリアミド酸溶液を得た。このとき、ポリアミド酸100重量部に対し、ケッチェンブラックは10重量部であった。
【0113】
上記カーボン分散ポリアミド酸溶液100gに対し、イソキノリン13.9g、無水酢酸14.6g、およびDMF11.5gからなるイミド化促進剤を添加して均一にしたものを、アルミ箔上に最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、120℃で216秒間乾燥を行い、自己支持性フィルムを得た。自己支持性フィルムをアルミ箔から剥離した後、ピンに固定し、250℃で200秒間乾燥し、続けて400℃で64秒間乾燥を行って、導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0114】
(比較例3)
実施例2で得たカーボン分散ポリアミド酸溶液100gを、PETフィルムに最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、70℃で600秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、ピンテンターに固定し、160℃から300℃まで450秒かけて昇温しながら乾燥し、続けて400℃で180秒間乾燥を行って導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0115】
(比較例4)
比較例2で得たカーボン分散ポリアミド酸溶液100gを、PETフィルムに最終厚みが25μmになるよう、かつ40cm幅で流延し、70℃で600秒間乾燥を行った。乾燥後の自己支持性フィルムをPETフィルムから剥離した後、ピンテンターに固定し、160℃から300℃まで450秒かけて昇温しながら乾燥し、続けて400℃で180秒間乾燥を行って導電性ポリイミドフィルムを得た。得られた導電性ポリイミドフィルムの、体積抵抗率、表面抵抗率、フィルム強度の測定を行った。
【0116】
以上の実施例および比較例のフィルムの評価結果を表1に示す。
【0117】
【表1】
【0118】
表1に示されるとおり、実施例1〜6で得られた導電性ポリイミドフィルムは電気抵抗、フィルム強度ともに良好であるのに対し、比較例1〜2で得られた導電性ポリイミドフィルムは電気抵抗、フィルム強度を両立し得なかった。
また、実施例2と比較例3は同じポリイミド構造のものを化学イミド化法、熱イミド化法それぞれの製法で製造したが、製法によらず、同等の電気抵抗、およびフィルム強度の導電性ポリイミドフィルムが得られた。一方、比較例2と比較例4は同じポリイミド構造のものを化学イミド化法、熱イミド化法それぞれの製法で製造したが、化学イミド化法のものは電気抵抗が高く、熱イミド化法と同等の導電性ポリイミドフィルムを得ることができなかった。
【0119】
これにより、本発明の製造方法が有効であることは明らかである。