特許第6361677号(P6361677)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コベルコ建機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6361677-建設機械の配管構造 図000002
  • 特許6361677-建設機械の配管構造 図000003
  • 特許6361677-建設機械の配管構造 図000004
  • 特許6361677-建設機械の配管構造 図000005
  • 特許6361677-建設機械の配管構造 図000006
  • 特許6361677-建設機械の配管構造 図000007
  • 特許6361677-建設機械の配管構造 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6361677
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】建設機械の配管構造
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
   E02F9/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-48091(P2016-48091)
(22)【出願日】2016年3月11日
(65)【公開番号】特開2017-160738(P2017-160738A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔵内 克哉
(72)【発明者】
【氏名】米田 昌史
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−105709(JP,A)
【文献】 特開2005−256495(JP,A)
【文献】 特開2005−248569(JP,A)
【文献】 特開2015−134986(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0186889(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00−9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部旋回体のアッパーフレーム上に設けられた載置台と、該載置台に載置されたコントロールバルブと、パイロット配管を介して該コントロールバルブに接続されたソレノイドバルブとを備えた建設機械の配管構造であって、
前記載置台は、前記コントロールバルブが載置される台座部と、該台座部から下方に延びる支持脚と、該支持脚の下端部から前記アッパーフレームに沿って張り出して該アッパーフレームに取り付けられるフランジ部とを有し、
前記コントロールバルブを保護する保護カバーと、
前記フランジ部の上面から立設して前記保護カバーを支持する支柱とを備え、
前記ソレノイドバルブは、前記支柱の側壁面に取り付けられ
前記フランジ部には、厚み方向に貫通するネジ孔が形成され、
前記支柱の下端部には、前記ネジ孔に対応する挿通孔が形成され且つ締結ボルトによって前記フランジ部に締結される固定部が設けられ、
前記アッパーフレームにおける前記ネジ孔に対応する位置には、前記締結ボルトの先端部との干渉を回避する逃がし部が形成されていることを特徴とする建設機械の配管構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記保護カバーは、前記アッパーフレームの側部に立設するサイドカバーと、該コントロールバルブを挟んで該サイドカバーに対向する内側カバーとを有し、
前記支柱の上端部には、前記サイドカバー及び前記内側カバーを連結する横梁部が設けられていることを特徴とする建設機械の配管構造。
【請求項3】
上部旋回体のアッパーフレーム上に設けられた載置台と、該載置台に載置されたコントロールバルブと、パイロット配管を介して該コントロールバルブに接続されたソレノイドバルブとを備えた建設機械の配管構造であって、
前記載置台は、前記コントロールバルブが載置される台座部と、該台座部から下方に延びる支持脚と、該支持脚の下端部から前記アッパーフレームに沿って張り出して該アッパーフレームに取り付けられるフランジ部とを有し、
前記コントロールバルブを保護する保護カバーと、
前記フランジ部の上面から立設して前記保護カバーを支持する支柱とを備え、
前記ソレノイドバルブは、前記支柱の側壁面に取り付けられ、
前記保護カバーは、前記アッパーフレームの側部に立設するサイドカバーと、該コントロールバルブを挟んで該サイドカバーに対向する内側カバーとを有し、
前記支柱の上端部には、前記サイドカバー及び前記内側カバーを連結する横梁部が設けられていることを特徴とする建設機械の配管構造。
【請求項4】
請求項2又は3において、
前記横梁部の上部には、作業者が前記上部旋回体の上部に昇降するための昇降ステップが設けられていることを特徴とする建設機械の配管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の配管構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、支持ブラケットを介してアッパーフレーム上に配設された制御弁ユニットとしての多連弁と、多連弁の弁ケーシングの取付け面に一体的に設けられて多連弁の上側に配設されたソレノイドバルブとを備えた建設機械のバルブ支持装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、特許文献1の発明のように、多連弁の弁ケーシングの上側にソレノイドバルブを載置した構成では、重心位置が高くなってしまうので、支持ブラケットに加わる負荷が大きくなって強度的に不利になるという問題がある。
【0004】
そこで、多連弁の支持ブラケットとは別のブラケットをアッパーフレーム上に取り付け、このブラケットを介してソレノイドバルブを多連弁よりも上方位置に配設することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3273537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、多連弁とソレノイドバルブとを別々のブラケットで支持してアッパーフレーム上に取り付ける場合には、パイロット配管の配索作業を予め行うことができないという問題がある。つまり、多連弁とソレノイドバルブとをアッパーフレームに取り付けた後、狭い作業スペースの中で、多連弁とソレノイドバルブとをパイロット配管で接続する作業を行わなければならず、配索作業が煩雑となってしまう。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コントロールバルブの載置台に加わる負荷を軽減しつつ、載置台をアッパーフレームに取り付ける前に、コントロールバルブとソレノイドバルブとをパイロット配管で接続できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上部旋回体のアッパーフレーム上に設けられた載置台と、該載置台に載置されたコントロールバルブと、パイロット配管を介して該コントロールバルブに接続されたソレノイドバルブとを備えた建設機械の配管構造を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
すなわち、第1の発明は、前記載置台は、前記コントロールバルブが載置される台座部と、該台座部から下方に延びる支持脚と、該支持脚の下端部から前記アッパーフレームに沿って張り出して該アッパーフレームに取り付けられるフランジ部とを有し、
前記コントロールバルブを保護する保護カバーと、
前記フランジ部の上面から立設して前記保護カバーを支持する支柱とを備え、
前記ソレノイドバルブは、前記支柱の側壁面に取り付けられ
前記フランジ部には、厚み方向に貫通するネジ孔が形成され、
前記支柱の下端部には、前記ネジ孔に対応する挿通孔が形成され且つ締結ボルトによって前記フランジ部に締結される固定部が設けられ、
前記アッパーフレームにおける前記ネジ孔に対応する位置には、前記締結ボルトの先端部との干渉を回避する逃がし部が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
第1の発明では、載置台には、コントロールバルブが載置される。載置台のフランジ部には、保護カバーを支持する支柱が取り付けられる。支柱の側壁面には、ソレノイドバルブが取り付けられる。
【0011】
このような構成とすれば、コントロールバルブとソレノイドバルブとをパイロット配管で接続する作業を、載置台をアッパーフレームに取り付ける前に予め行うことができ、配索作業性が向上する。
【0012】
具体的に、従来は、コントロールバルブが載置された載置台をアッパーフレームに取り付けるとともに、ソレノイドバルブが取り付けられた取付部材をアッパーフレームに取り付けた後、狭い作業スペースの中で、コントロールバルブとソレノイドバルブとをパイロット配管で接続する作業を行わなければならなかった。
【0013】
これに対し、本発明では、載置台、コントロールバルブ、支柱、ソレノイドバルブ、及びパイロット配管を予め組み立てた状態にして1つのユニットとして扱うことができ、このユニットをアッパーフレームに取り付けるだけで、配索作業が完了するため、作業性が向上する。また、ソレノイドバルブは、載置台ではなく支柱側に取り付けられているので、ソレノイドバルブの重量分だけ、載置台に加わる負荷を軽減することができる。
【0014】
また、保護カバーを支持する支柱を、ソレノイドバルブを取り付けるための取付部材として兼用するようにしたから、部品点数を削減するとともに、取付部材が不要となった分だけ、設置スペースを有効活用することができる。
【0015】
また、締結ボルトによって支柱の固定部をフランジ部に締結している。ここで、アッパーフレームに逃がし部を形成しているので、締結ボルトの先端部がフランジ部の下面から突出した場合でも、アッパーフレームに干渉することはない。
【0016】
の発明は、第1の発明において、
前記保護カバーは、前記アッパーフレームの側部に立設するサイドカバーと、該コントロールバルブを挟んで該サイドカバーに対向する内側カバーとを有し、
前記支柱の上端部には、前記サイドカバー及び前記内側カバーを連結する横梁部が設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
の発明では、サイドカバーと内側カバーとを、支柱の上端部に設けた横梁部によって連結している。これにより、1つの支柱を、サイドカバーと内側カバーとをそれぞれ支持するための支持部材として兼用することができ、部品点数を削減することができる。
【0018】
第3の発明は、上部旋回体のアッパーフレーム上に設けられた載置台と、該載置台に載置されたコントロールバルブと、パイロット配管を介して該コントロールバルブに接続されたソレノイドバルブとを備えた建設機械の配管構造であって、
前記載置台は、前記コントロールバルブが載置される台座部と、該台座部から下方に延びる支持脚と、該支持脚の下端部から前記アッパーフレームに沿って張り出して該アッパーフレームに取り付けられるフランジ部とを有し、
前記コントロールバルブを保護する保護カバーと、
前記フランジ部の上面から立設して前記保護カバーを支持する支柱とを備え、
前記ソレノイドバルブは、前記支柱の側壁面に取り付けられ、
前記保護カバーは、前記アッパーフレームの側部に立設するサイドカバーと、該コントロールバルブを挟んで該サイドカバーに対向する内側カバーとを有し、
前記支柱の上端部には、前記サイドカバー及び前記内側カバーを連結する横梁部が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
第3の発明では、サイドカバーと内側カバーとを、支柱の上端部に設けた横梁部によって連結している。これにより、1つの支柱を、サイドカバーと内側カバーとをそれぞれ支持するための支持部材として兼用することができ、部品点数を削減することができる。
【0020】
第4の発明は、第2又は第3の発明において、
前記横梁部の上部には、作業者が前記上部旋回体の上部に昇降するための昇降ステップが設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
第4の発明では、剛性の高い横梁部の上部に昇降ステップを設けることで、作業者が昇降ステップを昇降する際に、昇降ステップが撓まないようにしっかりと支持することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、コントロールバルブとソレノイドバルブとをパイロット配管で接続する作業を、載置台をアッパーフレームに取り付ける前に予め行うことができ、配索作業性が向上する。また、ソレノイドバルブは、載置台ではなく支柱側に取り付けられているので、ソレノイドバルブの重量分だけ、載置台に加わる負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態に係る建設機械の全体構成を示す斜視図である。
図2】上部旋回体の構成を示す平面図である。
図3】コントロールバルブ及びソレノイドバルブの配設構造を右前方から見たときの斜視図である。
図4】コントロールバルブ及びソレノイドバルブの配設構造を示す平面図である。
図5】ソレノイドバルブの構成を示す側面図である。
図6】保護カバー及び支柱を左前方から見たときの斜視図である。
図7】保護カバー及び昇降ステップを右前方から見たときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。各図には、上下や前後左右の方向を矢印で示してある。特に言及しない限り、上下等の方向についてはこれら矢印で示す方向に従って説明する。
【0025】
図1に示すように、建設機械10は、クローラ式の下部走行体11と、下部走行体11上に旋回自在に搭載された上部旋回体20とを備えている。上部旋回体20には、アタッチメント13、キャブ14、機械室15、及びアッパーフレーム21等が設けられている。
【0026】
アタッチメント13は、上部旋回体20の前部に設置され、ブーム13a、アーム13b、及びバケット13c等で構成されている。ブーム13a等のそれぞれは、油圧制御された油圧シリンダ13dの伸縮に連動して動作し、掘削等の作業を行う。これらブーム13a等の操作は、キャブ14において行われる。
【0027】
キャブ14は、矩形箱形の運転室であり、アタッチメント13に隣接して上部旋回体20の左前部に設置されている。機械室15は、上部旋回体20の後部に設けられている。機械室15の周囲は、機械室カバー16で覆われている。この建設機械10では、アタッチメント13との間で前後のバランスを確保するカウンタウエイトによって、機械室15の後部を覆う機械室カバー16の一部が構成されている。
【0028】
図2に示すように、アッパーフレーム21は、底板22と、一対の縦板23と、横梁24とを有する。一対の縦板23は、底板22の左右幅方向の中間部分において、底板22の前端部分から後端部分にわたって前後方向に平行に延びている。縦板23は、底板22に溶接されて底板22と直交するように立設されている。
【0029】
横梁24は、底板22の前後方向の中間部分において、底板22の左端部分から右端部分にわたって幅方向に延びるように配置され、底板22や一対の縦板23と一体に接合されている。
【0030】
エンジン25は、その駆動軸が底板22の左右方向に向くように機械室15の内部に収容されている。エンジン25の右側には、油圧ポンプ26が配設されている。
【0031】
右側の縦板23よりも右方には、コントロールバルブ30と、ソレノイドバルブ35とが前後に並んで配設されている。一対の縦板23の間には、旋回モータ27が左右に並んで2つ配設されている。
【0032】
油圧ポンプ26とコントロールバルブ30とは、油圧配管31を介して接続されている。油圧ポンプ26は、作動油を吐出して、油圧配管31を介してコントロールバルブ30に圧送するものである。
【0033】
コントロールバルブ30とソレノイドバルブ35とは、パイロット配管36を介して接続されている。コントロールバルブ30は、油圧シリンダ13dや旋回モータ27等に供給される作動油の量を、ソレノイドバルブ35から出力されたパイロット油圧に応じて制御するものである。
【0034】
具体的に、作業者が操作レバー(図示省略)を操作することで、その操作量に応じてソレノイドバルブ35の開度が調整されてパイロット油圧が出力される。コントロールバルブ30は、油圧ポンプ26から吐出された作動油を、対応する油圧シリンダ13d等に供給することで、油圧シリンダ13d等を作動させる。
【0035】
図3図5に示すように、コントロールバルブ30は、略直方体状に形成されたブロック体で構成されており、載置台40に載置されている。載置台40は、コントロールバルブ30が載置される台座部41と、台座部41の前端部及び後端部からそれぞれ下方に延びる支持脚42と、前側及び後側の支持脚42の下端部からアッパーフレーム21に沿って前方及び後方にそれぞれ張り出したフランジ部43とを有する。フランジ部43は、締結ボルト45によってアッパーフレーム21の底板22に締結されている。
【0036】
なお、本実施形態では、底板22の右側前方の隅部が円弧状となっているので、載置台40は、この円弧形状に合わせて、平面視で前方に向かって斜め左方向に傾斜した姿勢でアッパーフレーム21に取り付けられている。そのため、載置台40に載置されたコントロールバルブ30も同様に平面視で前方に向かって斜め左方向に傾斜した姿勢となっている。
【0037】
コントロールバルブ30の左前方及び右後方の側壁面には、油圧配管31が接続される油圧ポート32が設けられている。コントロールバルブ30の右前方及び左後方の側壁面には、パイロット配管36が接続されるパイロットポート33が設けられている。
【0038】
ソレノイドバルブ35は、保護カバー60を支持する支柱50の側壁面に取り付けられている。支柱50は、上下方向に延びる支柱本体部51と、支柱本体部51の下端部に接合された板状の固定部52と、支柱本体部51の上端部に接合されて左右方向に延びる横梁部55とを有する。
【0039】
支柱本体部51は、後方が開口する断面凹状に折り曲げられた板状体で形成されている。ソレノイドバルブ35は、支柱本体部51の左側壁面に取り付けられている。ソレノイドバルブ35の左側面には、上下方向に間隔をあけて複数の継手37が取り付けられ、継手37に接続されたパイロット配管36は、コントロールバルブ30のパイロットポート33に接続される。
【0040】
固定部52には、前後方向に間隔をあけて2つの挿通孔53が形成されている。また、フランジ部43には、挿通孔53に対応して2つのネジ孔44が形成されている。ネジ孔44は、フランジ部43を厚み方向に貫通している。
【0041】
そして、挿通孔53に締結ボルト45の軸部を挿通させてネジ孔44に螺合させることにより、固定部52がフランジ部43に締結される。これにより、載置台40のフランジ部43に支柱50が取り付けられることとなる。
【0042】
以上のように、本実施形態に係る建設機械10の配管構造によれば、載置台40、コントロールバルブ30、支柱50、ソレノイドバルブ35、及びパイロット配管36を予め組み立てた状態にして1つのユニットとして扱うことができ、このユニットをアッパーフレーム21の底板22に取り付けるだけで、配索作業が完了するため、作業性が向上する。
【0043】
また、ソレノイドバルブ35は、載置台40ではなく支柱50側に取り付けられているので、ソレノイドバルブ35の重量分だけ、載置台40に加わる負荷を軽減することができる。
【0044】
ここで、図5に示すように、底板22におけるネジ孔44に対応する位置には、逃がし部としての凹部22aが形成されている。凹部22aは、締結ボルト45によって支柱50をフランジ部43に締結したときに、締結ボルト45の先端部がフランジ部43の下面から突出した場合であっても、底板22との干渉を回避するために形成されている。なお、逃がし部を、凹部22aではなく貫通孔で形成しても構わない。
【0045】
図6及び図7にも示すように、コントロールバルブ30及びソレノイドバルブ35の左右両側方は、保護カバー60によって覆われている。保護カバー60は、コントロールバルブ30及びソレノイドバルブ35を保護するとともに、作業者が上部旋回体20の上部に昇降するための昇降ステップ65を有する。
【0046】
保護カバー60は、アッパーフレーム21の右側部に立設するサイドカバー61と、コントロールバルブ30を挟んでサイドカバー61に対向する内側カバー62とを有する。昇降ステップ65は、サイドカバー61と内側カバー62との間に配設されて階段状に形成されている。
【0047】
サイドカバー61は、サイドカバー61の後部側に立設する中心軸63(図4参照)を中心に、開閉可能に支持されている。サイドカバー61の前端部には、ロック機構64が設けられている。
【0048】
支柱50の横梁部55は、サイドカバー61と内側カバー62とを連結して支持している。具体的に、横梁部55の左端部には、内側カバー62に沿って下方に延びる連結部56が設けられている。内側カバー62と連結部56とは、締結ボルト45によって締結されている。締結ボルト45は、上下方向に間隔をあけて2つ配設されている。
【0049】
横梁部55の右端部には、サイドカバー61を閉じたときにサイドカバー61に当接するストッパ57と、サイドカバー61のロック機構64に係合するストライカ58とが設けられている。
【0050】
これにより、1つの支柱50を、サイドカバー61と内側カバー62とをそれぞれ支持するための支持部材として兼用することができ、部品点数を削減することができる。
【0051】
また、横梁部55の上部には、昇降ステップ65が設けられている。このように、剛性の高い横梁部55の上部に昇降ステップ65を設けることで、作業者が昇降ステップ65を昇降する際に、昇降ステップ65が撓まないようにしっかりと支持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上説明したように、本発明は、コントロールバルブの載置台に加わる負荷を軽減しつつ、載置台をアッパーフレームに取り付ける前に、コントロールバルブとソレノイドバルブとをパイロット配管で接続できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0053】
10 建設機械
20 上部旋回体
21 アッパーフレーム
22a 凹部(逃がし部)
30 コントロールバルブ
35 ソレノイドバルブ
36 パイロット配管
40 載置台
41 台座部
42 支持脚
43 フランジ部
44 ネジ孔
45 締結ボルト
50 支柱
52 固定部
53 挿通孔
55 横梁部
60 保護カバー
61 サイドカバー
62 内側カバー
65 昇降ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7