(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御許可部は、運転開始後に、前記空調室内機が初めて前記第1方向に前記吹出空気を吹き出し始めてからの継続運転時間が第3時間を超過した場合、前記切換機構制御部が、前記吹出空気が前記第2方向に吹き出すよう前記風向切換機構の動作を制御することを更に許可する、
請求項7に記載の空調室内機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、空調室内機から水平方向又は水平方向に近い向きに空気を吹き出す場合、空調室内機の直下近傍には空調室内機から吹き出した空気は到達しにくい。そのため、空調対象空間に温度ムラが生じる可能性があり、快適性に関し改善の余地がある。
【0004】
本発明の課題は、冷房時に空調対象空間の温度ムラが解消されやすく、空調対象空間の優れた快適性を実現可能な空調室内機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る空調室内機は、
壁掛式のケーシングと、熱交換器と、ファンと、風向切換機構と、切換機構制御部と、を備える。ケーシングには、吸込口及び吹出口が設けられている。熱交換器は、吸込口から吸い込まれた空気と熱交換を行って、空気から熱を奪う。ファンは、熱交換器で熱交換された空気を、吹出口から吹き出す。風向切換機構は、吹出口から吹き出す吹出空気の風向を、少なくとも、第1方向と第2方向との間で切り換える。第1方向は、水平あるいは水平に近い方向である。第2方向は、鉛直下向きあるいは鉛直下向きに近い方向である。切換機構制御部は、吹出空気が第1方向に吹き出している時に、空調対象空間に温度ムラが生じていることが検知又は推定されると、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出
し、ケーシングの取り付けられた壁に沿った空気の流れを生成するよう風向切換機構の動作を制御する。
【0006】
本発明の第1観点に係る空調室内機は、第1方向(水平あるいは水平に近い向き)に空気を吹き出して冷房(除湿を含む)を行っている時に、空調対象空間の温度ムラを検知又は推定すると、第2方向(鉛直下向きあるいは鉛直下向きに近い向き)に空気を吹き出す。これにより、第1方向への空気の吹き出しでは吹出空気が到達しにくい空調室内機の鉛直下方近傍に空気調和された空気を供給して、空調対象空間の温度ムラを解消することができ、空調対象空間の優れた快適性を実現できる。
【0007】
本発明の第2観点に係る空調室内機は、第1観点に係る空調室内機であって、温度ムラを検知するための温度ムラ検知センサと、温度ムラ検知部と、を更に備える。温度ムラ検知部は、温度ムラ検知センサの計測結果に基づき、空調対象空間に温度ムラが生じていることを検知する。切換機構制御部は、吹出空気が第1方向に吹き出している時に、温度ムラ検知部による検知結果に基づいて、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構の動作を制御する。
【0008】
本発明の第2観点に係る空調室内機では、センサの計測結果に基づき温度ムラの発生を正確に検知し、吹出空気の風向制御により温度ムラを解消することができる。
【0009】
本発明の第3観点に係る空調室内機は、第2観点に係る空調室内機であって、空調室内機は壁掛式である。温度ムラ検知センサは、第1温度センサを含む。第1温度センサは、空調室内機の下方の温度を計測する。
【0010】
本発明の第3観点に係る空調室内機では、壁掛式の空調室内機の下方の温度を計測する第1温度センサの計測結果に基づき温度ムラが検知されるため、温度ムラを見逃すことなく正確に検知することが容易である。
【0011】
本発明の第4観点に係る空調室内機は、第3観点に係る空調室内機であって、温度ムラ検知センサは、第2温度センサを更に含む。第2温度センサは、空調室内機が設置された壁から離れた空調対象空間の温度を計測する。温度ムラ検知部は、第1温度センサの計測値と、第2温度センサの計測値との比較結果に基づいて、空調対象空間の温度ムラを検知する。
【0012】
本発明の第4観点に係る空調室内機では、空調室内機が設置された壁から離れた位置の空調対象空間の温度と、空調室内機の下方の温度との計測結果に基づいて温度ムラが検知されるため、温度ムラを見逃すことなく正確に検知することが容易である。
【0013】
本発明の第5観点に係る空調室内機は、第3観点に係る空調室内機であって、温度ムラ検知部は、第1温度センサの計測する温度の経時変化に基づいて、空調対象空間に温度ムラが生じていることを検知する。
【0014】
本発明の第5観点に係る空調室内機では、壁掛式の空調室内機の下方の温度を計測する第1温度センサだけを用いて、つまり比較的簡単な構成で温度ムラを検知し、吹出空気の風向制御により温度ムラを解消することができる。
【0015】
本発明の第6観点に係る空調室内機は、第1観点から第5観点のいずれかに係る空調室内機であって、温度ムラ推定部を更に備える。温度ムラ推定部は、吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間が第1時間を超過する場合に、空調対象空間に温度ムラが生じていると推定する。切換機構制御部は、吹出空気が第1方向に吹き出している時に、温度ムラ推定部による推定結果に基づいて、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構の動作を制御する。
【0016】
本発明の第6観点に係る空調室内機では、第1方向への空気の吹き出し時に空調室内機の直下で温度ムラが発生しやすいという特性に基づき温度ムラの発生を適切に推定し、温度ムラの解消、更には温度ムラの発生の抑制を図ることができる。
【0017】
なお、空調室内機が温度ムラ検知センサを有している場合であっても、状況によっては温度ムラ検知センサでは計測が困難な位置で温度ムラが発生している場合があり得る。しかし、ここでは、吹出空気が第1方向に長時間連続して吹き出している時に温度ムラの発生が推定されるため、センサにより検知の難しい空調対象空間の温度ムラであっても、温度ムラを解消することができる。
【0018】
本発明の第7観点に係る空調室内機は、第1観点から第6観点のいずれかに係る空調室内機であって、空間温度センサと、空間湿度センサと、制御許可部と、を更に備える。空間温度センサは、空調対象空間の温度を検知する。空間湿度センサは、空調対象空間の湿度を検知する。制御許可部は、切換機構制御部が風向切換機構の動作を制御することを許可する。制御許可部は、空間温度センサが検知する温度が所定温度以下で空間湿度センサが検知する湿度が所定湿度以下である状態が第2時間以上継続している場合に、切換機構制御部が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構の動作を制御することを許可する。
【0019】
本発明の第7観点に係る空調室内機では、空調対象空間の温度・湿度が所定条件を満たすまで、空調対象空間において循環気流を生成しやすい第1方向への空気の吹出しが優先される。その結果、空調対象空間全体としての快適性の確保を前提とした上で、温度ムラの発生を解消して更なる快適性の向上を図ることができる。
【0020】
本発明の第8観点に係る空調室内機は、第7観点に係る空調室内機であって、制御許可部は、運転開始後に、空調室内機が初めて第1方向に吹出空気を吹き出し始めてからの継続運転時間が第3時間を超過した場合、切換機構制御部が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構の動作を制御することを更に許可する。
【0021】
本発明の第8観点に係る空調室内機では、温度ムラが特に生じやすい運転開始直後には、空調対象空間の温度・湿度が所定条件を満たしているか否かに係わらず、吹出空気の第2方向への吹き出しが許可される。そのため、運転開始直後の温度ムラの発生が解消されやすい。
【0022】
本発明の第9観点に係る空調室内機は、第1観点から第8観点のいずれかに係る空調室内機であって、ファンの風量を制御する風量制御部を更に備える。風向切換機構は、吹出空気の風向を、第1方向から第2方向へと、あるいは、第2方向から第1方向へと、連続的に変化させて切り換える。風量制御部は、風向切換機構が、吹出空気の風向を、第1方向から第2方向へと、あるいは、第2方向から第1方向へと切り換えている間、ファンの風量を、第1方向及び第2方向に吹出空気を吹き出す時のファンの風量に比べて減少させる。
【0023】
本発明の第9観点に係る空調室内機では、空調対象空間にいる人に直接風が当たることを避けることができ、快適性が損なわれにくい。
【0024】
本発明の第10観点に係る空調室内機は、第9観点に係る空調室内機であって、風量制御部は、第2方向に吹出空気を吹き出す時のファンの風量を、第1方向に吹出空気を吹き出す時のファンの風量に比べて減少させる。
【0025】
本発明の第10観点に係る空調室内機では、鉛直下向きに空気を吹き出す際には風量が減少させられるため、空調対象空間にいる人に直接風が当たることが抑制されやすく、快適性の低下が防止されやすい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1観点に係る空調室内機は、第1方向(水平あるいは水平に近い向き)に空気を吹き出して冷房(除湿を含む)を行っている時に、空調対象空間の温度ムラを検知又は推定すると、第2方向(鉛直下向きあるいは鉛直下向きに近い向き)に空気を吹き出す。これにより、第1方向への空気の吹き出しでは吹出空気が到達しにくい空調室内機の鉛直下方近傍に空気調和された空気を供給して、空調対象空間の温度ムラを解消することができ、空調対象空間の優れた快適性を実現できる。
【0027】
本発明の第2観点から第4観点に係る空調室内機では、センサの計測結果に基づき温度ムラを正確に検知し、吹出空気の風向制御により温度ムラを解消することができる。
【0028】
本発明の第5観点に係る空調室内機では、比較的簡単な構成で温度ムラを検知して、吹出空気の風向制御により温度ムラを解消することができる。
【0029】
本発明の第6観点に係る空調室内機では、第1方向への空気の吹き出し時に空調室内機の直下で温度ムラが発生しやすいという特性に基づき温度ムラの発生を適切に推定し、温度ムラの解消、更には温度ムラの発生の抑制を図ることができる。
【0030】
本発明の第7観点に係る空調室内機では、空調対象空間全体としての快適性の確保を前提とした上で、温度ムラの発生を解消して更なる快適性の向上を図ることができる。
【0031】
本発明の第8観点に係る空調室内機では、温度ムラが特に生じやすい運転開始直後であっても温度ムラの発生が解消されやすい。
【0032】
本発明の第9観点又は第10観点に係る空調室内機では、空調対象空間にいる人に直接風が当たることが抑制されやすく、快適性の低下が防止されやすい。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る空調室内機10について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0035】
以下の説明では、説明の都合上、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」等の表現を用いて配置や向きを説明する場合がある。特記無き場合、これらの表現は図中に示した矢印に従う。
【0036】
(1)全体概要
空調室内機10は、図示しない空調室外機と共に空調機の一部を構成する。空調機は、空調室内機10の室内熱交換器13を含む冷媒回路内で冷媒を循環させることで、空調室内機10の設置された空調対象空間RSの冷房及び暖房を行う(
図2参照)。なお、ここでの冷房には、空調対象空間RSの除湿も含む。なお、本実施形態では、空調機は空調対象空間RSの冷房及び暖房を実施可能であるが、これに限定されるものではない。空調機は、冷房専用の空調機であってもよい。
【0037】
図1は、空調室内機10の概略斜視図である。
図2は、
図1における空調室内機10を、左右方向の略中央で左右方向に対して垂直な平面で切断し、その断面を右側から見た概略縦断面図である。
図1及び
図2は、運転中の空調室内機10を描画している。
図1及び
図2は、特に、後述する吹出口27から後述する第1方向に空気を吹き出している時の空調室内機10を描画している。
図3は、空調室内機10のブロック図である。
【0038】
空調室内機10は、壁掛式であり、壁WLに設置されている(
図1及び
図2参照)。具体的には、空調室内機10の後部が、壁WLに取り付けられている。
【0039】
空調室内機10は、主に、ケーシング11、エアフィルタ12、室内熱交換器13、室内ファン14、底フレーム16、風向切換機構30、床温度センサ70、空間温度センサ71、空間湿度センサ72及び制御ユニット80を備える(
図1〜
図3参照)。
【0040】
(2)詳細構成
(2−1)ケーシング
ケーシング11は、左右方向に長く延びる概ね直方体状の形状を有する。ケーシング11は、その内部に、エアフィルタ12、室内熱交換器13、室内ファン14、底フレーム16、風向切換機構30及び制御ユニット80等を収容している。
【0041】
ケーシング11は、
図1及び
図2に示されるように、化粧板20で覆われた天面部11a、前面部11b、右側面部11d、左側面部11e及び底面部11fと、背面板28が設けられた後面部11cと、を有する。空調室内機10は、背面板28が壁WLに設置された取付板(図示せず)にビス止め等によって取り付けられることによって、壁WLに取り付けられている。
【0042】
ケーシング11の天面部11aには、天面吸込口25が設けられている(
図2参照)。室内ファン14が駆動されると、天面吸込口25からケーシング11の内部へと空気が吸い込まれる。天面吸込口25から取り込まれた空調対象空間RSの空気は、エアフィルタ12及び室内熱交換器13を通過して室内ファン14へと送られる。
【0043】
ケーシング11の前面部11bには、上端がヒンジ(図示せず)により回動自在に支持されている化粧板20(前面パネル21)が取り付けられている(
図2参照)。前面パネル21は、右側面部11dを覆う化粧板20(右側板22)、及び、左側面部11eを覆う化粧板20(左側板23)とは分離されている(
図1及び
図2参照)。
【0044】
ケーシング11の底面部11fには、底面吸込口26が設けられている(
図2参照)。底面吸込口26には、底面吸込口26の開閉を行うための開閉板17が設けられている。また、底面部11fには、吹出口27が設けられている(
図2参照)。底面吸込口26は、吹出口27よりも後方に設けられている。
【0045】
底面吸込口26は、吸込流路16aによって、ケーシング11内のエアフィルタ12の上方にある空間と繋がっている(
図2参照)。吸込流路16aは、室内ファン14より後方に形成され、ケーシング11の内部の後面側を上下方向に延びる流路である。開閉板17が開かれた状態で室内ファン14が駆動されると、底面吸込口26から空気が吸い込まれる。底面吸込口26から吸い込まれた空気は、吸込流路16aを通り、エアフィルタ12及び室内熱交換器13を通過して室内ファン14へと送られる。
【0046】
吹出口27は、左右方向を長辺とする略長方形の開口である。吹出口27は、前方側に配置され左右方向に長く延びる上縁27aと、後方側に配置され左右方向に長く延びる下縁27bと、を有する(
図2参照)。吹出口27は、スクロール空気吹出流路16bによってケーシング11の内部と繋がっている(
図2参照)。スクロール空気吹出流路16bは、室内ファン14の直下から前方斜め下方に吹出口27へ向かって延びる。天面吸込口25及び底面吸込口26から吸い込まれ室内空気は、室内熱交換器13において熱交換した後、スクロール空気吹出流路16bを通って吹出口27から室内へと吹き出される。
【0047】
(2−2)エアフィルタ
エアフィルタ12は、天面吸込口25及び底面吸込口26から吸い込まれた空調対象空間RSの空気中の塵埃を捕集するためのフィルタである。エアフィルタ12は、室内熱交換器13の表面に塵埃が付着することを防止する。エアフィルタ12は、ケーシング11の天面部11a及び前面部11bと、室内熱交換器13と、の間に配置される(
図2参照)。エアフィルタ12は、メンテナンスのために着脱可能に構成されている。
【0048】
(2−3)室内熱交換器
室内熱交換器13は、複数のフィンと、複数のフィンを貫く複数の伝熱管とで構成されている。室内熱交換器13は、ケーシング11内に収容されている底フレーム16に取り付けられている。
【0049】
室内熱交換器13は、
図2に示されているように、側面視において両端を下方に向けた略逆V字型の形状を有している。室内熱交換器13は、室内ファン14を覆うように、室内ファン14の上方に配置されている。
【0050】
室内熱交換器13は、空調室内機10がその一部を構成する空調機が空調対象空間RSの冷房(除湿を含む)を行う時に、蒸発器として機能する。言い換えれば、空調機が空調対象空間RSの冷房を行う時に、室内熱交換器13は、天面吸込口25及び底面吸込口26から吸い込まれた空気と熱交換を行って、空気から熱を奪う。より具体的には、空調機が空調対象空間RSの冷房を行う時には、天面吸込口25及び底面吸込口26から吸い込まれた空気と、室内熱交換器13の伝熱管を流れる冷媒との間で熱交換が行われ、空気から熱が奪われる。
【0051】
一方、室内熱交換器13は、空調機が空調対象空間RSの暖房を行う時に、凝縮器として機能する。言い換えれば、空調機が空調対象空間RSの暖房を行う時に、室内熱交換器13は、天面吸込口25及び底面吸込口26から吸い込まれた空気と熱交換を行って、空気に熱を与える。より具体的には、空調機が空調対象空間RSの暖房を行う時には、天面吸込口25及び底面吸込口26から吸い込まれた空気と、室内熱交換器13の伝熱管を流れる冷媒との間で熱交換が行われ、空気に熱が与えられる。
【0052】
(2−4)室内ファン
室内ファン14は、
図2に示されているように、ケーシング11の内部の略中央部分に配置されている。室内ファン14は、空調室内機10の長手方向(左右方向)に延びる略円筒形状のクロスフローファンである。室内ファン14が回転駆動されると、空調対象空間RSの空気が天面吸込口25及び底面吸込口26から吸い込まれてエアフィルタ12を通過し、その後、室内熱交換器13を通過する。そして、室内ファン14は、室内熱交換器13で熱交換された(空気調和された)空気を、吹出口27から空調対象空間RSへと吹き出す。
【0053】
(2−5)底フレーム
底フレーム16は、エアフィルタ12、室内熱交換器13、及び室内ファン14を支持する(
図2参照)。また、ケーシング11内には、底フレーム16により、吸込流路16aと、スクロール空気吹出流路16bと、が形成される(
図2参照)。スクロール空気吹出流路16bは、前方側に配置される流路上面16cと、後方側に配置される流路下面16dとの間に挟まれた空間である(
図2参照)。
【0054】
(2−6)風向切換機構
風向切換機構30は、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向を切り換え、風向を調整する機構である。
【0055】
風向切換機構30は、左右方向に延び、上下方向に関し吹出空気の風向を切り換えるために用いられる、第1上フラップ40、第2上フラップ50、及び下フラップ60を有する(
図1及び
図2参照)。また、風向切換機構30は、左右方向に関し吹出空気の風向を切り換えるために用いられる複数の垂直フラップ15を有する(
図1及び
図3参照)。
【0056】
第1上フラップ40と、第2上フラップ50とは、吹出口27の上縁27a側に設けられている(
図2参照)。下フラップ60は、吹出口27の下縁27b側に設けられている(
図2参照)。
【0057】
第1上フラップ40は、
図2の状態(吹出口27から後述する第1方向に空気が吹き出される状態)で、上部に配置される第1上フラップ上面41と、下部に配置される第1上フラップ下面42と、を有している。第1上フラップ40は、
図2の状態で、前方側に配置される第1端43と、後方側に配置される第2端44と、を有する。第2上フラップ50は、
図2の状態で、上部に配置される第2上フラップ上面51と、下部に配置される第2上フラップ下面52と、を有している(
図2参照)。第2上フラップ50は、
図2の状態で、前方側に配置される第1端53と、後方側に配置される第2端54と、を有する。下フラップ60は、
図2の状態で、上部に配置される下フラップ上面61と、下部に配置される下フラップ下面62と、を有している。下フラップ60は、
図2の状態で、前方側に配置される第1端63と、後方側に配置される第2端64と、を有する。
【0058】
第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60は、それぞれ、ケーシング11に回動可能に取り付けられている。風向切換機構30は、第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60のそれぞれを駆動するフラップ駆動用モータ(図示せず)を有する。第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60は、制御ユニット80によって制御されるフラップ駆動用モータによって、それぞれ独立して回動することができるように構成されている。第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60は、フラップ駆動用モータによって駆動されて、それぞれ、左右に延びる回転中心45、回転中心55、及び回転中心65の周りで回動する(
図4参照)。回転中心45、回転中心55、及び回転中心65は、それぞれ、第1上フラップ40の第2端44、第2上フラップ50の第2端54、及び下フラップ60の第2端64の近傍に配置される。なお、
図2では、回転中心45、回転中心55、及び回転中心65の描画を省略している。
【0059】
第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60は、空調室内機10の運転時にフラップ駆動用モータにより回動させられて所定の姿勢をとることで、単独で又は互いに協力して、吹出口27から吹き出される空気の風向を上下方向について調整する。第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60により風向が調整されることで、吹出口27から吹出される空気は、概ね水平前方に、又は前方下向きに、又は概ね鉛直下向きに、吹き出す。また、下フラップ60は、空調室内機10の運転時には吹出口27を開き、運転停止時には吹出口27を閉じる。第2上フラップ50は、運転停止時には、ケーシング11に近づいて、化粧板20と共にケーシング11の一部のような姿勢をとる。
【0060】
第1上フラップ40の後方側(室内ファン14の送風方向における上流側)には、左右方向に対して交差する平面を持つ複数の垂直フラップ15が設けられている(
図1及び
図4参照)。なお、
図2では、垂直フラップ15の描画を省略している。風向切換機構30は、垂直フラップ15を駆動するフラップ駆動用モータ(図示せず)を有する。垂直フラップ15は、制御ユニット80によって制御されるフラップ駆動用モータによって、上下に延びる回転中心(図示せず)の周りで回動することができるように構成されている。垂直フラップ15は、吹出口27から吹出される空気の風向きを左右に調整する。
【0061】
(2−6−1)サーキュレーションモード冷房運転時の吹出空気の方向
サーキュレーションモード冷房運転時(空調対象空間RSの冷房(除湿を含む)のために、後述するサーキュレーションモードを用いて空調室内機10が運転される時)に吹出口27から吹き出す吹出空気の風向について以下に説明する。なお、ここでは、風向切換機構30の第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60により風向の調整(切換)が行われる吹出空気の風向について説明する。
【0062】
風向切換機構30は、サーキュレーションモード冷房運転時に、少なくとも、水平あるいは水平に近い第1方向と、鉛直下向きあるいは鉛直下向きに近い第2方向と、の間で吹出口27から吹き出す吹出空気の風向を切り換える。なお、サーキュレーションモード冷房運転時に、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向は、必要に応じて、第1方向及び第2方向以外の方向(例えば前方下向き)に更に切り換えられるよう構成されてもよい。
【0063】
なお、風向切換機構30は、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向を、第1方向から第2方向へと、あるいは、第2方向から第1方向へと切り換える時には、第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60の姿勢を連続的に変化させる。つまり、風向切換機構30は、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向を、第1方向から第2方向へと、あるいは、第2方向から第1方向へと、連続的に変化させて切り換える。
【0064】
(A)第1方向
第1方向は、水平あるいは水平に近い方向である。
【0065】
風向切換機構30は、サーキュレーションモード冷房運転時に、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向を第1方向に切り換える(第1方向に設定する)。なお、サーキュレーションモードとは、吹出口27から主に第1方向に空気を吹き出すことで空調対象空間RSの奥まで気流を送り、空気調和された空気を空調対象空間RSで循環させる空調室内機10の運転モードである。
【0066】
吹出口27から第1方向に空気を吹き出される時(以下、説明の簡単化のため、第1方向吹出時と記載する場合がある)、吹出口27から吹出した空気は、天井、空調室内機10が設置された壁WLと対向する空調室内機10に対して奥側の壁(空調室内機10の前方側の壁)、床、空調室内機10が設置された壁WLの順に、天井、壁、床に概ね沿って流れ、空調対象空間RSに循環気流が生成される。なお、空調対象空間RSの奥まで気流を届かせるためには、吹出口27で空気を拡散させず、速い風速を持つ層流を作り出すことが好ましい。
【0067】
第1方向吹出時には、風向切換機構30の第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60は、後述する制御ユニット80に制御されて、
図1及び
図2に示されているような姿勢をとる。つまり、第1方向吹出時には、第1上フラップ40は、第1上フラップ下面42がスクロール空気吹出流路16bの流路上面16cを前方に滑らかに延長するような姿勢をとる。また、第1方向吹出時には、下フラップ60は、下フラップ上面61がスクロール空気吹出流路16bの流路下面16dを前方に滑らかに延長するような姿勢をとる。つまり、第1方向吹出時には、第1上フラップ40及び下フラップ60によりスクロール空気吹出流路16bが前方側に延長されたのと同じ状況が擬似的に作られる。その結果、空調対象空間RSの奥まで気流が到達しやすい、速い風速を持つ層流が作り出される。
【0068】
なお、第1上フラップ40より空気の吹き出し方向の下流側に設けられている第2上フラップ50は、擬似的に延長されたスクロール空気吹出流路16bの吹出口である第1上フラップ40の第1端43と下フラップ60の第1端63とで囲まれた部分から吹き出される空気の向きを上下方向に微調整する。
図2に示されている状態では、第2上フラップ50は、吹き出される空気に対する抵抗ができるだけ小さくなり、なおかつ、水平よりも少し下向きに吹き出される空気の風向を少し上に持ち上げる姿勢をとっている。
【0069】
なお、ここで説明した第1方向吹出時の第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60の姿勢は、例示に過ぎない。第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60の姿勢は、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向が第1方向(水平方向あるいは水平方向に近い方向)になるように、適切に決定されればよい。
【0070】
(B)第2方向
第2方向は、鉛直下向きあるいは鉛直下向きに近い方向である。
【0071】
風向切換機構30は、サーキュレーションモード冷房運転時であって、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが検知又は推定されると、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向を一時的に第2方向に切り換える。サーキュレーションモード冷房運転時の、吹出口27から吹き出す吹き出し空気の風向の切換処理については後述する。
【0072】
吹出口27から第2方向に空気を吹き出す時(以下、説明の簡単化のため、第2方向吹出時と記載する場合がある)、吹出口27から空調室内機10が設置された壁WLに沿った空気の流れが生じ、空調室内機10の直下に空気調和された空気が送られる。
【0073】
第2方向吹出時には、風向切換機構30の第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60は、後述する制御ユニット80に制御されて、
図4に示されているような姿勢をとる。第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60が
図4のような姿勢をとる時、吹出口27から、吹出口27よりも後方側(空調室内機10の取り付けられた壁WL側)に向かう気流が生成される。第2方向吹出時には、下フラップ60は、第1端63が第2端64よりも後方に位置するように回動し、下フラップ上面61が鉛直面に対し上端側(第2端64側)が前方に傾いた状態となる。また、第2方向吹出時には、第2上フラップ50は、第1端53が第2端54よりも後方に位置するように回動し、第2上フラップ上面51が鉛直面に対し上端側(第2端54側)が前方に傾いた状態となる。また、第2方向吹出時には、第1上フラップ40は、第1端43が第2端44よりも後方に位置するように回動し、第1上フラップ上面41が鉛直面に対し上端側(第2端44側)が前方に傾いた状態となる。
【0074】
好ましくは、下フラップ下面62の第2端64側には、窪み部66が形成される。下フラップ60は、第2方向吹出時に、下フラップ下面62に形成されている窪み部66に吹出口27の下縁27bが入り込むように構成されている。このように構成されることで、下フラップ下面62に窪み部66が形成されない場合に比べ、下フラップ60の第1端63をより後方まで移動させることができ、より高い位置から壁WLに気流を沿わせることができる。
【0075】
なお、ここで説明した第2方向吹出時の第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60の姿勢は、例示に過ぎない。第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60の姿勢は、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向が第2方向(鉛直下向きあるいは鉛直下向きに近い方向)になるように、適宜決定されればよい。例えば、第2方向吹出時の第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60の姿勢は、第1上フラップ上面41、第2上フラップ上面51、及び下フラップ上面61が第2方向吹出時に概ね鉛直面となるように決定されてもよい。
【0076】
(2−7)床温度センサ
床温度センサ70は、空調対象空間RSの温度ムラを検知する温度ムラ検知センサの一例である。
【0077】
床温度センサ70は、室内の床温度を検知するセンサである。床温度センサ70には、種々の検知方法を用いるセンサを採用できる。ここでは、床温度センサ70は、サーモパイルアレイセンサである。床温度センサ70は、例えば、ケーシング11の底面部11fに設けられる(
図1参照)。
【0078】
床温度センサ70は、空調対象空間RSの床温度を、エリア別に検知する。例えば、床温度センサ70は、空調対象空間RSの床を8×8のエリアに分割し、エリア別に温度を検出する。床温度センサ70は、空調室内機10が設置された壁WLの近傍の床面の温度を、空調室内機10の下方の温度として検出する。また、床温度センサ70は、空調室内機10が設置された壁WLから離れた床面の温度を、壁WLから離れた空調対象空間RSの温度として検出する。つまり、床温度センサ70は、第1温度センサ及び第2温度センサの一例である。
【0079】
なお、本実施形態では、床温度センサ70が、第1温度センサとしても、第2温度センサとしても機能するが、これに限定されるものではない。例えば、床温度センサ70は、第1温度センサとしての第1床温度センサと、第1床温度センサとは異なる第2温度センサとしての第2床温度センサとを含んでもよい。
【0080】
(2−8)空間温度センサ
空間温度センサ71は、空調対象空間RSの温度を検知するセンサである。空間温度センサ71は、例えば、天面吸込口25の近傍に配置され、空調室内機10に取り込まれる空気の温度を、空調対象空間RSの温度として検知する。なお、ここで示した空間温度センサ71の設置場所は一例であって、空間温度センサ71は、空調対象空間RSの温度を代表する温度を検知可能な他の場所に設けられてもよい。
【0081】
(2−9)空間湿度センサ
空間湿度センサ72は、空調対象空間RSの湿度を検知するセンサである。空間湿度センサ72は、例えば、天面吸込口25の近傍に配置され、空調室内機10に取り込まれる空気の湿度を、空調対象空間RSの湿度として検知する。なお、ここで示した空間湿度センサ72の設置場所は一例であって、空間湿度センサ72は、空調対象空間RSの湿度を代表する湿度を検知可能な他の場所に設けられてもよい。
【0082】
(2−10)制御ユニット
制御ユニット80は、CPU(図示せず)とメモリ(図示せず)とを主に有する。制御ユニット80は、メモリに記憶されているプログラムを実行して、空調室内機10の動作を制御する。
【0083】
制御ユニット80は、空調室内機10の室内ファン14、風向切換機構30(風向切換機構30のフラップ駆動用モータ)と電気的に接続されている。また、制御ユニット80は、空調室内機10の床温度センサ70、空間温度センサ71及び空間湿度センサ72を含む各種センサと電気的に接続されている。また、制御ユニット80は、空調室内機10と共に空調機を構成している空調室外機が有する制御ユニット(図示せず)と電気的に接続されている。また、制御ユニット80は、空調機の利用者が、空調機に対して指令を与えるために用いるリモコン(図示せず)と通信可能に構成されている。
【0084】
制御ユニット80は、各種センサの測定結果、空調室外機の制御ユニットから送信されてくる信号、リモコンから送信されてくる空調機の利用者の指令等に基づき、室内ファン14や風向切換機構30等の動作を制御する。
【0085】
ここでは、制御ユニット80による空調室内機10の動作の制御のうち、サーキュレーションモード冷房運転時の空調室内機10の動作の制御について主に説明する。
【0086】
制御ユニット80は、サーキュレーションモード冷房運転時の空調室内機10の動作の制御に特に関連する機能部として、切換機構制御部81、制御許可部82、ファン制御部83、温度ムラ検知部84、温度ムラ推定部85を有する。
【0087】
(2−10−1)切換機構制御部
切換機構制御部81は、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向が切り換わるよう風向切換機構30の動作を制御する。
【0088】
切換機構制御部81は、空調機の利用者がリモコンで指定した方向に、あるいは空調機の利用者がリモコンで指定した空調機の運転モードや、気流モードに応じた方向に、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向が切り換わるよう風向切換機構30の動作を制御する。空調機の運転モードには、自動モード、冷房モード、除湿モード、暖房モード、送風モード等を含む。自動モードとは、制御ユニット80が空調対象空間RSの温度や湿度等に応じて、運転内容を自動で選択する運転モードである。気流モードとは、吹出口27から吹き出す吹出空気の吹き出しの態様の種類であり、前述のサーキュレーションモードは気流モードの一つである。
【0089】
ここでは、特に、サーキュレーションモード冷房運転時の切換機構制御部81の動作について説明する。サーキュレーションモード冷房運転時とは、言い換えれば、空調機の利用者が、空調機の運転モードとして自動モード、冷房モード又は除湿モードを、気流モードとしてサーキュレーションモードを選択し、空調機が冷房運転又は除湿運転を行う時を意味する。
【0090】
切換機構制御部81は、サーキュレーションモード冷房運転時には、通常、空調室内機10から吹出空気が第1方向に吹き出すように風向切換機構30の動作を制御する。
【0091】
ただし、切換機構制御部81は、空調室内機10から吹出空気が第1方向に吹き出している時に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが検知又は推定されると、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御する。より具体的には、切換機構制御部81は、空調室内機10から吹出空気が第1方向に吹き出している時に、後述する温度ムラ検知部84による検知結果に基づいて、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御する。また、切換機構制御部81は、空調室内機10から吹出空気が第1方向に吹き出している時に、後述する温度ムラ推定部85による推定結果に基づいて、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御する。
【0092】
(2−10−2)制御許可部
制御許可部82は、切換機構制御部81が風向切換機構30の動作を制御することを許可する機能部である。逆に言えば、制御許可部82は、切換機構制御部81が風向切換機構30の動作を制御することを禁止する機能部である。制御許可部82は、特に、空調室内機10から第1方向に空気が吹き出している時に、切換機構制御部81が風向切換機構30の動作を制御して、吹出空気の風向を第2方向へと切り換えることを許可する。
【0093】
上述のように、切換機構制御部81は、空調室内機10から吹出空気が第1方向に吹き出している時に、温度ムラ検知部84による検知結果や、温度ムラ推定部85による推定結果に基づいて、風向切換機構30の動作を制御する。ただし、制御許可部82が許可していない場合には、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが検知又は推定されても、切換機構制御部81は、吹出空気の風向を第1方向から第2方向に切り換えるよう風向切換機構30の動作を制御することができない。
【0094】
制御許可部82が、どのような条件で切換機構制御部81が風向切換機構30の動作を制御することを許可するかは後述する。
【0095】
(2−10−3)ファン制御部
ファン制御部83は、室内ファン14の運転/停止や、室内ファン14の風量(ファンモータの回転数)を制御する。ファン制御部83は、風量制御部の一例である。ファン制御部83は、空調機の利用者がリモコンで指定した風量に、あるいは空調機の利用者がリモコンで指定した空調機の運転モードや、気流モードに応じた風量に、吹出口27から吹き出す吹出空気の風量が切り換わるよう室内ファン14の動作を制御する。
【0096】
ファン制御部83は、サーキュレーションモード冷房運転時に、風向切換機構30が、吹出空気の風向を、第1方向から第2方向へと、あるいは、第2方向から第1方向へと切り換えている間、室内ファン14の風量を、第1方向及び第2方向に吹出空気を吹き出す時の室内ファン14の風量に比べて減少させる。ファン制御部83は、サーキュレーションモード冷房運転時に、風向切換機構30が、吹出空気の風向を、第1方向から第2方向へと、あるいは、第2方向から第1方向へと切り換えている間、室内ファン14の風量を、最小風量に制御する。また、ファン制御部83は、サーキュレーションモード冷房運転時に、第2方向に吹出空気を吹き出す時の室内ファン14の風量を、第1方向に吹出空気を吹き出す時の室内ファン14の風量に比べて減少させる。ファン制御部83は、サーキュレーションモード冷房運転時に、このような室内ファン14の風量制御を行うことで、空調対象空間RSにいる人に直接風が当たることを避けることができ、快適性の低下が防止されやすい。
【0097】
(2−10−4)温度ムラ検知部
温度ムラ検知部84は、床温度センサ70の計測結果に基づき、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知する。温度ムラ検知部84は、少なくともサーキュレーションモード冷房運転時に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知する。
【0098】
サーキュレーションモード冷房運転時には、温度ムラ検知部84は、床温度センサ70から送信されてくる手前側温度と奥側温度との比較結果に基づいて、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知する。なお、ここでは、手前側温度とは、床温度センサ70が計測した空調室内機10の下方の温度(空調室内機10が設置された壁WLの近傍の床面の温度)の計測値を意味する。奥側温度とは、床温度センサ70が計測した壁WLから離れた空調対象空間RSの温度(空調室内機10が設置された壁WLから離れた床面の温度)の計測値を意味する。具体的には、サーキュレーションモード冷房運転時に、温度ムラ検知部84は、手前側温度と奥側温度との差が所定値以上である場合に、より具体的には、手前側温度が奥側温度に比べて所定値以上高い場合に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知する。
【0099】
なお、温度ムラ検知部84は、ある瞬間の手前側温度と奥側温度との比較結果に基づいて空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知してもよい。また、温度ムラ検知部84は、ある期間(例えば1分間)の手前側温度と奥側温度との比較結果に基づいて(例えば、手前側温度が奥側温度に比べて所定値以上高い状態がある期間継続した場合に)空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知してもよい。
【0100】
(2−10−5)温度ムラ推定部
温度ムラ推定部85は、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを推定する。温度ムラ検知部84は、少なくともサーキュレーションモード冷房運転時に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを推定する。
【0101】
サーキュレーションモード冷房運転時には、温度ムラ推定部85は、吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間が所定時間を超過する場合に、空調対象空間に温度ムラが生じていると推定する。
【0102】
(3)サーキュレーションモード冷房運転時の吹出空気の風向の切換処理
サーキュレーションモード冷房運転時に行われる吹出空気の風向の切換処理について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0103】
空調機の利用者が、リモコンを介して、空調機の運転モードとして自動モード、冷房モード又は除湿モードを、気流モードとしてサーキュレーションモードを選択した上で、空調機の運転開始を指示し、運転モードが自動モードである場合には更に制御ユニット80により冷房運転又は除湿運転が選択されると、以下の一連の処理が開始される。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、空調機の利用者が、運転モードや気流モードを途中で変更する場合については考慮していない。
【0104】
まず、ステップS1では、切換機構制御部81が、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向が第1方向となるように、風向切換機構30の動作を制御する。具体的には、切換機構制御部81は、風向切換機構30の図示しないフラップ駆動用モータに指示を与え、第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60の姿勢を、第1方向吹出時の姿勢へと変化させる。
【0105】
次に、ステップS2では、吹出空気が第1方向に吹き出し始めてから初期切換時間が経過したか否かが判定される。初期切換時間は、予め設定された時間である。初期切換時間は、限定するものではないが、例えば10分である。吹出空気が第1方向に吹き出し始めてから初期切換時間を経過したと判定されるとステップS3へと進む。ステップS2は、吹出空気が第1方向に吹き出し始めてから初期切換時間を経過したと判定されるまで繰り返される。
【0106】
制御許可部82は、サーキュレーションモード冷房運転の運転開始後に、空調室内機10が初めて第1方向に吹出空気を吹き出し始めてからの継続運転時間が初期切換時間を超過した場合、切換機構制御部81が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御することを許可するよう構成されている。そのため、ステップS3において、制御許可部82は、切換機構制御部81が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御することを許可する。
【0107】
温度ムラ推定部85は、吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間が初期切換時間を超過する場合に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていると推定するよう構成されている。そのため、ステップS3において、温度ムラ推定部85は、空調対象空間RSに温度ムラが生じていると推定する。
【0108】
次に、ステップS4では、切換機構制御部81は、切換機構制御部81が風向切換機構30の動作を制御することを制御許可部82が許可しており、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが検知又は推定されているので、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御する。具体的には、切換機構制御部81は、風向切換機構30の図示しないフラップ駆動用モータに指示を与え、風向切換機構30の第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60の姿勢を、第2方向吹出時の姿勢へと変化させる。
【0109】
次に、ステップS5では、吹出空気が第2方向に吹き出し始めてから第2方向吹出設定時間が経過したか否かが判定される。第2方向吹出設定時間は、空調対象空間RSの温度ムラを解消できるように予め設定された時間である。第2方向吹出設定時間は、限定するものではないが、例えば2分である。吹出空気が第2方向に吹き出し始めてから第2方向吹出設定時間を経過したと判定されるとステップS6へと進む。ステップS5は、吹出空気が第2方向に吹き出し始めてから第2方向吹出設定時間を経過したと判定されるまで繰り返される。
【0110】
ステップS6では、切換機構制御部81は、吹出空気が第1方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御する。具体的には、切換機構制御部81は、風向切換機構30の図示しないフラップ駆動用モータに指示を与え、第1上フラップ40、第2上フラップ50及び下フラップ60の姿勢を、第1方向吹出時の姿勢へと変化させる。なお、図示は省略しているが、ステップS6では、制御許可部82が、切換機構制御部81が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御することを禁止する(制御の許可を解除する)。
【0111】
次にステップS7では、空調対象空間RSが所定条件を第1所定時間継続して満たしているかが判定される。ここでの所定条件は、空間温度センサ71が検知する温度が所定温度以下で空間湿度センサが検知する湿度が所定湿度以下であるという条件である。なお、所定温度や所定湿度には、空調機の利用者の快適性が満たされていると推定されるような値が用いられることが好ましい。例えば、限定するものではないが、ステップS7では、空間温度センサ71が検知する温度がリモコンから入力される設定温度以下で空間湿度センサ72が検知する湿度が70%以下である状態が、60分以上継続しているか否かが判定される。空調対象空間RSが所定条件を第1所定時間継続して満たしていると判定された場合にはステップS8へと進む。ステップS7の判定は、空調対象空間RSが所定条件を第1所定時間継続して満たしていると判定されるまで繰り返し行われる。
【0112】
制御許可部82は、サーキュレーションモード冷房運転の運転時に、空間温度センサ71が検知する温度が前記の所定温度以下で空間湿度センサ72が検知する湿度が前記の所定湿度以下である状態が、前記の第1所定時間以上継続している場合に、切換機構制御部81が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御することを許可するよう構成されている。そのため、ステップS8において、制御許可部82は、切換機構制御部81が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御することを許可する。
【0113】
次にステップS9では、温度ムラ検知部84は、床温度センサ70から送信されてくる手前側温度と奥側温度との比較結果に基づいて、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知する。なお、前記のように、手前側温度は床温度センサ70が計測した空調室内機10の下方の温度の計測値であり、奥側温度は床温度センサ70が計測した壁WLから離れた空調対象空間RSの温度の計測値である。具体的には、温度ムラ検知部84は、手前側温度が奥側温度に比べて所定値以上高いか否かを判定する。温度ムラ検知部84は、(例えば、ある瞬間又はある期間)手前側温度が奥側温度に比べて所定値以上高い場合に空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知し(ステップS10)、ステップS4へと戻る。ステップS4の処理については既に説明したため、説明を省略する。手前側温度が奥側温度に比べて所定値以上高くない場合には、ステップS11へ進む。
【0114】
ステップS11では、吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間(直近に吹出空気の風向が第1方向に切り換えられてからの時間)が第2所定時間を超過したか否かが判定される。第2所定時間は、予め設定された時間である。第2所定時間は、限定するものではないが、例えば90分である。吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間が第2所定時間を超過したと判定された場合、ステップS12へと進む。吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間が第2所定時間より短いと判定されるとステップS7に戻る。なお、図示は省略しているが、ステップS7に戻る場合には、制御許可部82が、切換機構制御部81が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御することを禁止する(制御の許可を解除する)。
【0115】
温度ムラ推定部85は、ステップS3の処理時以外には、吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間が第2所定時間を超過する場合に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていると推定するよう構成されている。そのため、ステップS12において、温度ムラ推定部85は、空調対象空間RSに温度ムラが生じていると推定する。そして、ステップS4へと進む。ステップS4の処理については既に説明したため、説明を省略する。
【0116】
なお、
図5を用いて説明した上記の吹出空気の風向の切換処理は、サーキュレーションモード冷房運転時に行われる吹出空気の風向の切換処理の一例であって、これに限定されるものではない。例えば、サーキュレーションモード冷房運転時に行われる吹出空気の風向の切換処理は、
図5のステップS1の後、ステップS2からステップS6の処理を飛ばしてステップS7へと進むように設計されてもよい。
【0117】
(4)特徴
(4−1)
本実施形態の空調室内機10は、ケーシング11と、熱交換器の一例としての室内熱交換器13と、ファンの一例としての室内ファン14と、風向切換機構30と、切換機構制御部81と、を備える。ケーシング11には、天面吸込口25及び底面吸込口26と、吹出口27と、が設けられている。室内熱交換器13は、天面吸込口25及び底面吸込口26から吸い込まれた空気と熱交換を行って、空気から熱を奪う。室内ファン14は、室内熱交換器13で熱交換された空気を、吹出口27から吹き出す。風向切換機構30は、吹出口27から吹き出す吹出空気の風向を、少なくとも、第1方向と第2方向との間で切り換える。第1方向は、水平あるいは水平に近い方向である。第2方向は、鉛直下向きあるいは鉛直下向きに近い方向である。切換機構制御部81は、吹出空気が第1方向に吹き出している時に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが検知又は推定されると、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御する。
【0118】
本空調室内機10は、第1方向に空気を吹き出して冷房(除湿を含む)を行っている時に、空調対象空間RSの温度ムラを検知又は推定すると、第2方向に空気を吹き出す。これにより、第1方向への空気の吹き出しでは吹出空気が到達しにくい空調室内機10の鉛直下方近傍に空気調和された空気を供給して、空調対象空間RSの温度ムラを解消することができ、空調対象空間RSの優れた快適性を実現できる。
【0119】
(4−2)
本実施形態の空調室内機10は、床温度センサ70と、温度ムラ検知部84と、を備える。床温度センサ70は、温度ムラを検知するための温度ムラ検知センサの一例である。温度ムラ検知部84は、床温度センサ70の計測結果に基づき、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知する。切換機構制御部81は、吹出空気が第1方向に吹き出している時に、温度ムラ検知部84による検知結果に基づいて、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御する。
【0120】
本空調室内機10では、床温度センサ70の計測結果に基づき温度ムラの発生を正確に検知し、吹出空気の風向制御により温度ムラを解消することができる。
【0121】
(4−3)
本実施形態の空調室内機10は壁掛式である。床温度センサ70は、空調室内機10の下方の温度を計測する第1温度センサを含む。言い換えれば、床温度センサ70は、空調室内機10の下方の温度を計測する第1温度センサとして機能する。
【0122】
ここでは、壁掛式の空調室内機10の下方の温度を計測する第1温度センサの計測結果に基づき温度ムラが検知されるため、温度ムラを見逃すことなく正確に検知することが容易である。
【0123】
(4−4)
本実施形態の空調室内機10は、床温度センサ70は、空調室内機10が設置された壁WLから離れた空調対象空間RSの温度を計測する第2温度センサを含む。言い換えれば、床温度センサ70は、空調室内機10が設置された壁WLから離れた空調対象空間RSの温度を計測する第2温度センサとして機能する。温度ムラ検知部84は、第1温度センサとしての床温度センサ70の計測値(手前側温度)と、第2温度センサとしての床温度センサ70の計測値(奥側温度)との比較結果に基づいて、空調対象空間RSの温度ムラを検知する。
【0124】
本空調室内機10では、空調室内機10が設置された壁WLから離れた位置の空調対象空間RSの温度と、空調室内機10の下方の温度との計測結果に基づいて温度ムラが検知されるため、温度ムラを見逃すことなく正確に検知することが容易である。
【0125】
(4−5)
本実施形態の空調室内機10は、温度ムラ推定部85を備える。温度ムラ推定部85は、吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間が第1時間を超過する場合に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていると推定する。切換機構制御部81は、吹出空気が第1方向に吹き出している時に、温度ムラ推定部85による推定結果に基づいて、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御する。
【0126】
なお、具体的には、サーキュレーション冷房運転の運転開始直後には、温度ムラ推定部85は、吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間が初期切換時間を超過する場合に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていると推定する(
図5参照)。それ以外のタイミングでは、温度ムラ推定部85は、吹出空気が第1方向に連続して吹き出している時間が第2所定時間を超過する場合に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていると推定する(
図5参照)。
【0127】
本空調室内機10では、第1方向への空気の吹き出し時に空調室内機10の直下で温度ムラが発生しやすいという特性に基づき温度ムラの発生を適切に推定し、温度ムラの解消、更には温度ムラの発生の抑制を図ることができる。
【0128】
なお、空調室内機10は温度ムラ検知センサとして床温度センサ70を有している。しかし、状況によっては(例えば障害物があるような場合には)、床温度センサ70では計測が困難な位置で温度ムラが発生している場合があり得る。ここでは、吹出空気が第1方向に長時間連続して吹き出している時に温度ムラの発生が推定されるため、センサにより検知の難しい空調対象空間RSの温度ムラであっても、温度ムラを解消することができる。
【0129】
(4−6)
本実施形態の空調室内機10は、空間温度センサ71と、空間湿度センサ72と、制御許可部82と、を備える。空間温度センサ71は、空調対象空間RSの温度を検知する。空間湿度センサ72は、空調対象空間RSの湿度を検知する。制御許可部82は、切換機構制御部81が風向切換機構30の動作を制御することを許可する。制御許可部82は、空間温度センサ71が検知する温度が所定温度以下で空間湿度センサ72が検知する湿度が所定湿度以下である状態が第1所定時間以上継続している場合に、切換機構制御部81が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御することを許可する。
【0130】
本空調室内機10では、空調対象空間RSの温度・湿度が所定条件を満たすまで、空調対象空間RSにおいて循環気流を生成しやすい第1方向への空気の吹出しが優先される。その結果、空調対象空間RS全体としての快適性の確保を前提とした上で、温度ムラの発生を解消して更なる快適性の向上を図ることができる。
【0131】
(4−7)
本実施形態の空調室内機10では、制御許可部82は、運転開始後に、空調室内機10が初めて第1方向に吹出空気を吹き出し始めてからの継続運転時間が初期切換時間を超過した場合、切換機構制御部81が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御することを許可する。
【0132】
本空調室内機10では、温度ムラが特に生じやすい運転開始直後には、空調対象空間RSの温度・湿度が所定条件を満たしているか否かに係わらず、吹出空気の第2方向への吹き出しが許可される。そのため、運転開始直後の温度ムラの発生が解消されやすい。
【0133】
(4−8)
本実施形態の空調室内機10は、室内ファン14の風量を制御する風量制御部の一例としてのファン制御部83を備える。風向切換機構30は、吹出空気の風向を、第1方向から第2方向へと、あるいは、第2方向から第1方向へと、連続的に変化させて切り換える。ファン制御部83は、風向切換機構30が、吹出空気の風向を、第1方向から第2方向へと、あるいは、第2方向から第1方向へと切り換えている間、室内ファン14の風量を、第1方向及び第2方向に吹出空気を吹き出す時の室内ファン14の風量に比べて減少させる。
【0134】
本空調室内機10では、空調対象空間RSにいる人に直接風が当たることを避けることができ、快適性が損なわれにくい。
【0135】
(4−9)
本実施形態の空調室内機10では、ファン制御部83は、第2方向に吹出空気を吹き出す時の室内ファン14の風量を、第1方向に吹出空気を吹き出す時の室内ファン14の風量に比べて減少させる。
【0136】
本空調室内機10では、下向きに空気を吹き出す際には風量が減少させられるため、空調対象空間RSにいる人に直接風が当たることが抑制されやすく、快適性の低下が防止されやすい。
【0137】
(5)変形例
本実施形態の変形例を以下に示す。なお、以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わせられてもよい。
【0138】
(5−1)変形例A
上記実施形態では、温度ムラ検知部84は、床温度センサ70から送信されてくる手前側温度と奥側温度との比較結果に基づいて、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることを検知するが、温度ムラ検知部84の検知方法はこれに限定されるものではない。
【0139】
例えば、温度ムラ検知部84は、第1温度センサの計測する温度(言い換えれば、床温度センサ70から送信されてくる手前側温度)の経時変化に基づいて、空調対象空間RSで温度ムラが生じていることを検知してもよい。より具体的には、温度ムラ検知部84は、第1温度センサの計測する温度が(リモコンから入力される設定温度が変更されていないにも関わらず)次第に上昇していく場合に、空調対象空間RSで温度ムラが生じていることを検知してもよい。このように構成される場合、比較的簡単な構成で温度ムラを検知し、吹出空気の風向制御により温度ムラを解消することができる。
【0140】
(5−2)変形例B
空調対象空間RSに温度ムラが生じる原因の一つには、日射の影響が考えられる。例えば、空調室内機10の設置される壁WLに設けられた窓から日光が差し込んで床面が暖められたり、空調室内機10の設置される壁WLが日光により暖められたりすることで、空調対象空間RSに温度ムラが生じる可能性がある。そのため、空調対象空間RSでは、特に日中に温度ムラが発生しやすい。
【0141】
そこで、上述したサーキュレーションモード冷房運転時の吹出空気の風向の第1方向から第2方向への切換処理は、日中だけ実行されるよう構成されてもよい。例えば、制御許可部82は、夜間には、切換機構制御部81が、吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御することを常に禁止してもよい。
【0142】
(5−3)変形例C
上記実施形態の風向切換機構30の構成は一例であって、風向切換機構は上記構成に限定されるものではない。例えば、風向切換機構は、吹出口27から吹出空気が吹き出す風向を、2つ以下のフラップを用いて、あるいは、3つ以上のフラップを用いて、第1方向と第2方向との間で切り換えるように構成されてもよい。
【0143】
また、例えば、ケーシング11には2箇所以上に吹出口が形成され、第1方向に空気を吹き出す時と、第2方向に空気を吹き出す時とは、異なる吹出口から空気を吹き出すよう空調室内機は構成されてもよい。そして、風向切換機構は、第1方向に空気を吹き出す時と、第2方向に空気を吹き出す時とで、それぞれ異なるフラップを用いて風向を調整してもよい。
【0144】
(5−4)変形例D
上記実施形態では、切換機構制御部81は、吹出空気が第1方向に吹き出している時であって、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが検知された場合と、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが推定された場合と、の両方について、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御する。
【0145】
しかし、これに限定されるものではなく、例えば、空調室内機は温度ムラ推定部85を有さず、切換機構制御部81は、吹出空気が第1方向に吹き出している時に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが検知された場合のみ、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御するよう構成されてもよい。また、例えば、空調室内機は温度ムラ検知部84を有さず、切換機構制御部81は、吹出空気が第1方向に吹き出している時に、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが推定された場合のみ、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作を制御するよう構成されてもよい。
【0146】
ただし、温度ムラの発生をより確実に抑制するためには、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが検知された場合と、空調対象空間RSに温度ムラが生じていることが推定された場合と、の両方について、一時的に吹出空気が第2方向に吹き出すよう風向切換機構30の動作が制御されることが好ましい。