特許第6361941号(P6361941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メディノール リミテッドの特許一覧

特許6361941脈管閉塞をトラバースするための改良された装置および使用方法
<>
  • 特許6361941-脈管閉塞をトラバースするための改良された装置および使用方法 図000007
  • 特許6361941-脈管閉塞をトラバースするための改良された装置および使用方法 図000008
  • 特許6361941-脈管閉塞をトラバースするための改良された装置および使用方法 図000009
  • 特許6361941-脈管閉塞をトラバースするための改良された装置および使用方法 図000010
  • 特許6361941-脈管閉塞をトラバースするための改良された装置および使用方法 図000011
  • 特許6361941-脈管閉塞をトラバースするための改良された装置および使用方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6361941
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】脈管閉塞をトラバースするための改良された装置および使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20180712BHJP
   A61B 17/3207 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   A61B17/22
   A61B17/3207
【請求項の数】26
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-549318(P2016-549318)
(86)(22)【出願日】2014年2月3日
(65)【公表番号】特表2017-507695(P2017-507695A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】IB2014003282
(87)【国際公開番号】WO2016001712
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2017年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】511245271
【氏名又は名称】メディノール リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MEDINOL LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001346
【氏名又は名称】特許業務法人 松原・村木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リクター、ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】パンスキー、アミール
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−078525(JP,A)
【文献】 特開2001−204825(JP,A)
【文献】 特表2013−518693(JP,A)
【文献】 特表2003−521279(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0030375(US,A1)
【文献】 米国特許第05409470(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22
A61B 17/3207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端および遠位端を有するカテーテルと、
近位端および遠位端を有し、当該近位端が前記カテーテルの前記遠位端に取り付けられ、圧縮ばねを含むばね部材と、
前記ばね部材の前記遠位端と連続し、当該遠位端に機能可能に取り付けられ、少なくとも2つの隣接するコイルが隙間なく密着しているばねを含む穿孔部品と、
前記カテーテル内に収容され、近位端と遠位端を有し、当該遠位端が、前記ばね部材および前記穿孔部品からなる群より選択される遠位構造体に取り付けられている引張部材と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記引張部材は、引っ張られて解放されると、前記ばね部材を圧縮および解放して、前記穿孔部品に少なくとも1つの振動を発生させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記穿孔部品は、遠位側にテーパーすることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記ばね部材は、遠位側にテーパーすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記穿孔部品は、外径が遠位側にテーパーし、内腔の内径が一定または略一定であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記穿孔部品は、外径が第1の割合で遠位側にテーパーし、内腔の内径が前記第1の割合よりも小さい第2の割合で遠位側にテーパーすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ばね部材は、外径が遠位側にテーパーし、内腔の内径が一定であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ばね部材は、外径が第1の割合で遠位側にテーパーし、内腔の内径が前記第1の割合よりも小さい第2の割合で遠位側にテーパーすることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記引張部材が、前記穿孔部品に取り付けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記引張部材が、前記ばね部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ばね部材は圧縮ばねであり、前記引張部材が、前記ばね部材の前記遠位端に取り付けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ばね部材が、つる巻ばね、板ばね、ベローズ、圧縮性ポリマーからなる群より選択され、前記引張部材が、前記ばね部材の前記遠位端に取り付けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記引張部材の前記近位端に動作可能に接続され、前記引張部材の引張および解放を繰り返すことで前記穿孔部品を振動させる振動エネルギー源をさらに含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記振動エネルギー源が、往復部材を有するエンジン、シェーカー、作動装置、ソレノイドからなる群より選択されることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
カテーテル固定装置をさらに含むことを特徴とする請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
請求項13から15のいずれか一項に記載の装置と、
前記振動エネルギー源を制御するように構成された制御ユニットと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記振動は、少なくとも1つの振動数と少なくとも1つの振幅を含み、前記少なくとも1つの振動数および少なくとも1つの振幅は、前記制御ユニットを介して独立して調節可能であることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記振動は、少なくとも1つの振動数と少なくとも1つの振幅を含み、前記システムは、前記振動数または振幅の制御を支援するセンサをさらに含み、前記制御ユニットは、前記センサに機能可能に接続されたプロセッサをさらに含み、前記プロセッサは、前記センサからの入力を分析することができることを特徴とする請求項16または17に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御ユニットは、オペレータインタフェースユニットをさらに含むことを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記カテーテルが湾曲している場合、引張部材経路長の変動を補償する張力調整機構をさらに含むことを特徴とする請求項16から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
隙間なく密着している前記少なくとも2つの隣接するコイルは、前記穿孔部品の最遠位端に位置することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記振動エネルギー源は、前記カテーテルの外側に位置することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項23】
前記穿孔部品は、近位端および遠位端を有し、前記穿孔部品の前記遠位端の遠位縁までテーパすることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項24】
前記穿孔部品は、恒久的に前記ばね部材に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記引張部材は、可撓性のひもであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記引張部材は、高張力ポリマーであることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野] 本発明は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の間に血管の完全閉塞を貫通するため、または血管の部分閉塞を通る経皮的血管形成術(PTA)カテーテルのデリバラビリティ(到達性;deliverability)を改良するためのエネルギー効率の良い装置およびその装置を使用する方法に関する。特に、この装置は、最小限のエネルギー損失で閉塞を貫通するために、引張力(pulling force)によって装置の遠位端に効率的なエネルギー伝達を提供するとともに、効率的な閉塞の貫通に必要な縦剛性(longitudinal stiffness)とデリバラビリティに必要な軸方向の柔軟性(axial flexibility)とを組み合わせた遠位端セクションを提供する。この装置はまた、末梢動脈の経皮的インターベンション処置にも適用できる。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景] 医学は、動脈の内腔の狭窄(狭小化(narrowing)または閉塞(obstruction))を伴う病状の効果的な治療方法を長い間求めてきた。一般に閉塞として知られているこの状態は、アテローム性動脈硬化症を患う患者に起こるものであり、このアテローム性動脈硬化症は、動脈内への線維、脂肪、または石灰化組織の蓄積、或いはアテロームまたはプラークとして知られるものによって特徴づけられる。閉塞には、部分的なものと完全なものとがあり、柔らかくしなやかなものもあれば、硬く石灰化されたものもある。閉塞は、大動脈、冠状動脈または頸動脈、および末梢動脈を含む動脈系の非常に多様な場所で起こり得る。閉塞が起きると、高血圧、虚血、狭心症、心筋梗塞、脳卒中を発症する可能性があり、さらには死に至ることもある。
【0003】
低侵襲的処置は、動脈閉塞の好ましい治療である。これらの処置では、カテーテル(長く高可撓性のチューブ状装置)が、鼠径部、上腕部、大腿部、または頸部に形成される小さい動脈穿刺を通して主幹動脈に導入される。カテーテルは、狭窄の場所へ前進されて誘導される。狭窄動脈を治療するために非常に多様な装置が開発されてきたが、これらの装置はカテーテルの遠位端に設置され、カテーテルによって送達される。処置例としては、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、方向性冠動脈粥腫切除術(DCA)、およびステント留置術が含まれる。
【0004】
完全閉塞では、バルーン/ステント・カテーテルを血管の目標狭窄セグメントに設置するするために、閉塞を貫通する通路を最初に開けなければならない。閉塞の形態は複雑で、患者ごとに異なるので、これらの閉塞を貫通させるための共通の方法および装置は成果に限りがあり、患者の副作用を伴う可能性がある長期の治療が必要となる。このような副作用には、血管壁の穿孔、高線量の放射線被爆、または血管造影剤の大量使用による腎臓への損傷が含まれる。
【0005】
狭窄もしくは閉塞は、コレステロールなどの比較的軟らかな脂肪性物質から、比較的硬い線維性物質、そして硬い石灰化物質まで、多様な物質でできている。一般的に、閉塞の両端(近位および遠位のキャップ)は、比較的硬い石灰化物質からなる。物質は硬いほど貫通するのが困難で大量のエネルギーを必要とする一方、物質は軟らかいほど必要なエネルギーは少なくなる。従って、特に、石灰沈着が存在する場合、閉塞を貫通するには、比較的大量のエネルギーをカテーテルまたはガイドワイヤの遠位端へ伝達させることが必要となる。
【0006】
閉塞は、密度および硬度の異なる多様な物質からなる。従って、再疎通装置で使用されるエネルギーの性質は特定の閉塞に適合すべきであり、動脈壁の穿孔または健康な組織の損傷を防ぐために、貫通をコントロールすべきである。さらに、エネルギーがカテーテルの近位端で発生するので、伝導性ワイヤを損傷させることなく、かつ装置の可撓性を犠牲にすることなく、閉塞の貫通をもたらすのに十分なレベルで、エネルギーを閉塞の近くの装置の遠位端に到達させることができなければならない。現在の装置は、装置の遠位端に伝達されるエネルギーの量が不十分であるか或いは伝達されるエネルギーのタイプと閉塞のタイプが一致しないという難点があり、結果として時々過剰な力がはたらくことで、内腔壁を損傷したり、さらには穿孔を生じたりするリスクが高まることになる。従って、再疎通装置に適切なエネルギーを伝達することができるシステムまたは装置が必要である。
【0007】
血管閉塞を貫通するように設計された腔内の装置では、閉塞に接触する部材の機械的な動き、すなわち振動は、通常、装置の近位端にエネルギー源を設置し、機械的手段によって装置の遠位端にエネルギーを伝達することによって発生する。完全閉塞を貫通させるための幾つかの利用可能な方法としては、高周波アブレーションエネルギー(Intralumenal Therapeutics社がSafecrossTMとして販売するシステムで使用される)、約20kHzで小さい振幅の振動エネルギー(FlowCardia Inc社がCrosserTMとして販売するシステムで使用される)、閉塞を通して通路を押し込む専用の硬いガイドワイヤ(朝日インテック株式会社が開発し、Confianza 9g/Conquest およびMiracle 12gガイドワイヤとして流通している)、および高振動数で作用する機械的振動要素(FlowCardia Inc社のCrosserTM)がある。すべてのこのような装置では、成功率が40〜70%に留まっている。
【0008】
閉塞を貫通するための機械的な振動手段は、カテーテルの近位端のエネルギー源とカテーテルの遠位端に位置する穿孔装置との間での著しいエネルギー損失、並びに素材疲労に起因する耐用年数の制限という難点がある。
【0009】
超音波カテーテルでは、超音波エネルギーは、通常、カテーテルの近位端にある超音波振動子から発生し、カテーテルの遠位ヘッドに正弦波として伝達され、遠位ヘッドを振動させて、目標閉塞を除去または破壊する。治療部位まで到達するため、このようなカテーテルはかなり長くなければならず(約90〜150cmまたはそれ以上)、したがって、遠位端に達するためには大量のエネルギーを最初に伝達しなければならない。同時に、大きく蛇行する血管を通って進むのに十分な可撓性を有するためには、カテーテルは、適度に細くなければならない。長さが長く直径が小さいと、高エネルギーパルスによる圧力と摩耗に起因してワイヤの破損が起こりやすくなる。
【0010】
硬い閉塞を貫通するのに十分に硬いガイドワイヤでは、その不撓性と真直ぐな先端部により、蛇行する血管を通して誘導することが困難になり、血管を貫通するリスクが高まるという不利益がある。大きく蛇行する血管に対応するのに十分な可撓性を有する剛性物質は、押圧源が近位位置にあることで座屈(buckling)が起こるという問題がある。座屈が起こる結果、横方向力への伝達と剛性物質を収容する内腔に対する摩擦により、エネルギー損失が起こる。例えば、ある先行技術の装置(すなわち、FlowCardia Inc社のCrosserTM)は、剛性のニチノールワイヤを使用している。ワイヤの剛性により、ワイヤの近位端で生じる軸方向力は、ワイヤを押圧することでワイヤの遠位端に伝達される。しかしながら、このようなエネルギー伝達機構は、ハウジングチューブ(例えば、カテーテル内腔)へのエネルギーの伝達により、著しい、さらには予測不可能な(すなわち可変の)エネルギー損失を被る。これは、剛性ワイヤが血管の構造に合致するように曲がるときには特に問題である。剛性ワイヤのエネルギー損失は、主に以下の2つの仕組みによる。(1)剛体を曲げることによって示され得る慣性モーメント。剛性ワイヤを曲げるために課される力は、剛性ワイヤがカテーテル内腔に収容されているときに、摩擦に伝達される。(2)ワイヤの座屈、すなわち、軸方向力を横方向力に変換して、その結果としてハウジング内腔内で摩擦力を増加させるような状況。さらに、エネルギー損失を補償するために軸方向力が増加すると、座屈が悪化し、軸方向の振動、特に制御可能な軸方向の振動を実現することがさらに困難になる。
【0011】
荷重時に細長いビームが座屈することは、重要な工学現象である。細長いビーム(例えば、剛性ワイヤを含む)を座屈させるのに必要な限界力(critical force)は、数式1で示される。
【0012】
【数1】
【0013】
ここで、Fは剛性ワイヤが座屈せずに支持できる最大の力であり、Lは剛性ワイヤの長さであり、Kは剛性ワイヤがその両端でどのように支持されるかに応じて定まる数値定数である。例えば、両端がピン留めされている(すなわち自由に回転できる)場合には、K=1である。一端がピン留めされ、他端が固定されている場合には、K=0.7である。遠位端で保持されている真直ぐなワイヤが、限界座屈力Fを超える力で近位端が押圧されると、剛性ワイヤは横方向に座屈して、押込み力を前方に伝達することはない。
【0014】
カテーテル内腔内で(特に、蛇行する血管を通って進むカテーテル内で)曲がっている剛性ワイヤが、折り曲げられる。このような剛性ワイヤは、たとえ引っ張ったり押圧したりしなくても、剛性ワイヤが曲がったままになるようにはたらく力が存在する。曲がったワイヤによってカテーテルの内腔面に対して発生した摩擦により、剛性ワイヤはある地点で動けなくなる。その動けなくなった地点での摩擦が座屈閾値よりも大きい場合は、座屈が起こり、ワイヤの押し込み性(pushability)に悪影響を与える。剛性ワイヤが血管閉塞により受ける抵抗は、湾曲部分の摩擦により動けなくなった地点におけるものと同様に作用する。カテーテルなどのチューブ内における剛性ワイヤは、剛性ワイヤに対して作用する摩擦力または抵抗よりも押力が大きい場合にのみ動く。しかしながら、抵抗点の手前にある剛性ワイヤの真直ぐな部分の長さが十分に長い場合、剛性ワイヤは、押力が摩擦を克服するのに十分に大きくなる前に座屈する。このことは、剛性ワイヤの座屈が予想されるため、湾曲した剛性ワイヤの一端に、他端側から押圧することで力を伝達することが難しい理由を説明している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、血管閉塞を貫通するとともにカテーテルを血管を通して運ぶデリバラビリティを改良するために、制御されて安全な方法で効率的にエネルギーを伝達することができる、血管閉塞を貫通するための装置が、当該技術分野において必要とされている。また、処置部位における石灰化病変部を貫通する穿孔ヘッド(drilling head)として機能するように縦方向の十分な硬さと、蛇行する血管や狭く狭窄した血管を通るデリバラビリティに必要な軸方向の十分な柔軟性とを有する、振動する前縁また遠位セクションを備えた、血管閉塞を貫通するためのエネルギー効率の高い装置が、当該技術分野において必要とされている。また、適切なエネルギーを伝達するとともに、閉塞の硬度に基づいた装置の貫通端に伝達されるエネルギーの量を調整できるシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
[発明の概要]
本発明は、血管等の身体内腔の完全閉塞または部分閉塞を再疎通するための装置に関する。本発明の装置は、ばね部材である近位セクションと、穿孔部品または穿孔ヘッドである遠位セクションとを備えたカテーテル先端部を含む。装置の閉塞に衝撃を加える部分は振動可能であり、この振動可能部材が穿孔部品である。ばね部材は、オープンコイル(コイルの間に隙間が空いている)部分を有し、穿孔部品は、クローズドコイル(隣接するコイルどうしが相互に接触する)部分を備えた巻線またはばねである。例えば、ばね部材は、少なくとも2つの隣接するコイルが隙間の開いた構造を有していてもよい。この新規な二重構造により、カテーテル先端部およびカテーテルのデリバラビリティ(到達性;deliverability)およびクロスアビリティ(通過性;crossability)を改良するため、穿孔に必要な縦方向の十分な硬さと優れた軸方向(横方向)の柔軟性とを併せ持つ穿孔ヘッドが、カテーテル先端部の遠位端に提供され、外部エネルギー源と振動の遠位点との間で機械的なエネルギー損失が起きるという従来技術の問題を回避した、穿孔部品を振動させる機構が提供される。
【0017】
特に、本発明の装置は、ばね部材、引張部材、および振動可能な穿孔部品を含み、これらすべてがカテーテル内に収容されている。穿孔部品、すなわち穿孔ヘッドは、装置の遠位先端部に位置しており、引張部材の引張力と、引張部材の解放時におけるばね部材の復帰力に応じて、振動される。穿孔部品の振動(oscillation or vibration)により、閉塞を貫通することができる。
【0018】
穿孔部品は、隙間なく巻かれたばね(密巻ばね)、すなわち隣接するコイルどうしが相互に接触するばねである。例えば、穿孔部品は、少なくとも2つの隣接するコイルが隙間なく密着していてもよい。本願明細書中で使用される「密巻ばね」の概念は、「隙間なく密着しているコイル」および「隙間なく巻かれた」と変換可能に使用されている。本発明の穿孔部品の密巻構造は、中実穿孔ヘッドのように、プッシャビリティ(押し込み性;pushablity)を提供することができる縦方向の硬さだけでなく、中実穿孔ヘッドが備えていない、軸方向に沿った柔軟性も備えているという利点がある。好ましい実施形態では、コイル状の穿孔部品が遠位側にテーパーし、横断面が減少して、デリバラビリティが向上している。この実施形態の一つの態様では、穿孔部品は、遠位側にテーパーする外径(すなわち直径が近位端から遠位端にかけて減少する)と、近位端から遠位端まで一定または外径よりも小さい割合でテーパーする内径(内腔径)とを有する。
【0019】
本発明の装置は、好ましくは、カテーテルの外側に位置し、当該カテーテルに対して移動自在の引張部材に動作可能に接続される振動エネルギー源を含む。振動エネルギー源は、ばね部材を介して穿孔部品を振動させるように、引張部材を繰り返し引張および解放するように構成される。
【0020】
装置は、振動力の閉塞への伝達を向上するために、血管に対してカテーテルを固定する装置を付加的に含んでいてもよい。装置は、特に対象閉塞の付近に多数の分岐がある場合に使用する、閉塞を通した誘導を補助する操縦装置をさらに付加的に含んでいてもよい。カテーテルは、装置またはデバイスの視覚化を補助し、かつ/または穿孔くずを、例えば、吸引により取り除くための付加的な外部部品または内部部品と共に使用することができる。
【0021】
本発明のシステムは、振動エネルギー源を含む本発明の装置と、当該振動エネルギー源を制御するように構成された制御ユニットとを含む。振動エネルギー源は、少なくとも1つの振動数と少なくとも1つの振幅を有する振動力を発生させ、制御ユニットは、振動エネルギー源における振動の振動数および振幅、ひいては穿孔部品の振動数および振幅を独立して調整してもよい。適切な振動力は、振動による貫通力が最小化され、閉塞の形態と硬さに対して当該貫通力が適切となるように、例えば、数Hzから数百Hzまでの振動数の調整および/または引張振幅の調整により実現してもよい。したがって、制御ユニットが振動エネルギー源を調整して、閉塞の形態と硬さに対して適切な振動力を発生させてもよい。
【0022】
閉塞を貫通するのに必要最小限の力を提供することで、従来技術の再疎通装置と比較して、再疎通処置の安全性を増加させ、動脈等の身体内腔を損傷する潜在リスクを低減することができると信じられている。したがって、穿孔部品の振動の振動数および/または振幅を医師が手動で変更して、医師(オペレータ)の技能と経験に基づいて、処置がなされる特定の閉塞の硬さに応じた調整をすることもできる。代替的に、閉塞の硬さの測定値に基づいて、振動の振動数および振幅を自動的にまたは手動で調整してもよい。
【0023】
閉塞の硬さが測定される場合、本発明の装置は、センサまたはひずみゲージを含んでいてもよい。任意選択的に、本発明のシステムは、閉塞の硬さおよび/または圧縮ばね部材のΔy(伸長)に関するセンサからのフィードバックに基づいて穿孔部品の振動の振動数および振幅をオペレータが制御するのを支援するオペレータインタフェースユニットをさらに含む。制御ユニットは、振動エネルギー源が引張部材を引っ張るような振動数および/または振幅を調整し、制御ユニットは、例えば、スイッチ、プロセッサ、オペレータインタフェースユニットを備えたプロセッサでもよい。
【0024】
システムは、湾曲または蛇行する内腔での引張部材の経路長の変動を補償する張力制御機構をさらに含んでいてもよい。張力制御機構は、引張部材の長さまたは引張部材が引っ張られる振幅を調整してもよい。
【0025】
本発明は、穿孔部品を振動させる方法、閉塞した血管等の身体内腔を再疎通する装置またはシステムの使用方法、および装置の振動力を制御する方法をさらに含む。その結果、完全閉塞を貫通する多機能で効率的なエネルギー伝達装置、システムおよび方法が提供され、かつ/または部分的に閉塞した身体内腔を通したカテーテルのデリバラビリティが向上する。
【0026】
本発明の目的は、血管閉塞(脈管閉塞)を貫通し、かつ/または部分閉塞をトラバースするための改良された装置を提供することであり、この装置は、改良された態様で、すなわち、外部エネルギー源からカテーテルの遠位部へのより効率的なエネルギー伝達によって振動させられる振動可能部材を有する。装置の引張ワイヤとばねの組み合わせによって、効率が向上する。特に、この装置は、押圧力または引張力と押圧力の組み合わせよりも引張力によって振動可能部材を振動させる振動力を発生させる。本発明の装置は、押圧力を用いるPCI装置に比較して、時々蛇行する湾曲した血管等の予測不可能な形状による影響を受け難い。
【0027】
本発明の別の目的は、振動可能部材として、困難な血管(脈管)の組織を通して送達するための柔軟性の特性と、石灰化した血管(脈管)病変部を貫通するための十分な縦方向の硬さの特性とを併せ持つ穿孔部品を有するエネルギー効率の良い装置を提供することである。
【0028】
本発明のさらなる目的は、遠位側にテーパーする穿孔部品を提供することである。
【0029】
本発明のさらなる目的は、閉塞の硬度または引張部材の伸長に対応するために振動の振動数または振幅を調整することができる、血管閉塞(脈管閉塞)を貫通するための引張力を提供できるようにした装置を含むシステムを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1A図1Eは、本発明の装置の一実施形態が1回の引張サイクルの間に動作する1つの可能性を示す。図1Aは、張力がかかっていない状態の装置を示す。図1Bは、引張部材に張力が加わり、ばね部材が荷重(蓄積されたエネルギー)で圧縮された状態の装置を示す。蓄積されたエネルギーは、ばね定数(k)に圧縮振幅(x)を乗じたものに等しい。図1Cは、解放された引張部材に張力がかかっておらず、運動エネルギーが圧縮ばねから解放されている状態の装置を示す。図1Dは、引張部材に張力がかかっておらず、圧縮ばねが圧縮振幅(x)で最大伸長(y)である状態の装置を示している。図1Eは、引張部材に再び張力が加わっている状態の装置を示す。
図2図2は、本発明によるカテーテル先端部のばね部材と穿孔部品を示す。
図3図3Aは、本発明によるカテーテル先端部の一実施形態の断面図を示し、外径がテーパーし、内腔径が一定の巻線が、コイルどうしの隙間が開いているばね部材と、コイルどうしの隙間がほとんどない穿孔部品とを含んでいる。図3Bは、一定の内腔径を有するテーパーした穿孔部品の一実施形態の断面図を示す。
図4図4A図4Cは、本発明による組織センサの部品を示す一連の概略図であり、異なる硬度の閉塞に適切な力が加えられているかどうかを確認するために、ばね部材に取り付けられた組織センサの一実施形態をどのように用い得るかを示す。
図5図5は、穿孔部品の振動の得られた振幅を直接測定するために、センサの一実施形態をどのように用い得るかを概略的に示す。
図6図6は、振動力を調整するための制御スキームの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の装置、システムおよび方法は、血管内の完全閉塞または部分閉塞を再疎通するために穿孔部品を振動させる装置および方法の改良を提供することのみならず、他の身体内腔から閉塞を通過するために適用することもできる。本発明の装置は、カテーテルの遠位端、すなわちカテーテル先端部に設けられたばね部材および穿孔部品と、ばね部材または穿孔部品に取り付けられ、カテーテル内に収容される引張部材とを含む。この装置は、カテーテルの遠位端、すなわちカテーテル先端部で、穿孔部品の治療用振動を提供する。振動可能な穿孔部品は、ばね部材の遠位端に動作可能に接続されている。引張部材を引っ張って解放することで、ばね部材を介して穿孔部品に振動を与えることができる。
【0032】
より詳細には、ばね部材または穿孔部品のいずれかに取り付けることができる引張部材は、引張されると、近位方向にばね部材を圧縮し、これにより穿孔部品に位置エネルギーを伝えることができる。引張部材の張力を解放すると、ばね部材は蓄積したエネルギーを局所的に運動エネルギーに変換して、穿孔部品を遠位方向に移動させる。運動エネルギーによる加速度がばね部材を伸長させ、ばね部材の遠位端が無負荷(静止)位置を超えて伸びて、穿孔部品をさらに遠位に押圧することができる。閉塞がある血管では、穿孔部品から運動エネルギーが伝達され、閉塞に衝撃を付与する。カテーテル先端部の最遠位端側部分に位置する穿孔部品は、このようにして身体内腔の閉塞を貫通するのに十分な振動数と振幅で振動される。
【0033】
穿孔部品は、隙間なく巻かれた(隙間なく密着したまたは「密巻」)ワイヤの構成を含む。穿孔部品の隙間なく巻かれたワイヤ構成は、軸方向の柔軟性(すなわち、穿孔部品が横方向に撓むことができる)のみならず、例えば、閉塞を通した穿孔を行うために、縦剛性またはプッシャビリティを提供する。
【0034】
カテーテルは、造影剤を注入するか、または穿孔領域から閉塞くずを除去するために、引張部材を収容するための内腔、および好ましくはガイドワイヤ並びに他の要素(操縦用、運動測定要素用など)を収容するための内腔を有する従来の介入医療カテーテルとしてもよい。
【0035】
したがって、本発明の装置は、近位端および遠位端を有するカテーテルと、近位端および遠位端を有し、当該近位端が前記カテーテルの前記遠位端に取り付けられ、少なくとも2つの隣接するコイルが隙間の開いた構造を有するばね部材と、前記ばね部材の前記遠位端と連続し、当該遠位端に機能可能に取り付けられ、少なくとも2つの隣接するコイルが隙間なく密着しているばねを含む穿孔部品と、前記カテーテル内に収容され、近位端と遠位端を有し、当該遠位端が、前記ばね部材および前記穿孔部品からなる群より選択される遠位構造体に取り付けられている引張部材とを含み、前記引張部材は、引っ張られて解放されると、前記ばね部材を圧縮および解放して、前記穿孔部品に少なくとも1つの振動を発生させる。前記装置は、前記引張部材の前記近位端に動作可能に接続され、前記引張部材の引張および解放を繰り返すことで前記穿孔部品を振動させる振動エネルギー源をさらに含む。
【0036】
前記装置は、近位端と、遠位端と、前記遠位端に位置するカテーテル先端部とを有するカテーテルと、前記カテーテル内に位置し、近位端と、前記カテーテル先端部の構造体に取り付けられる遠位端とを有する引張部材と、前記引張部材の前記近位端に動作可能に接続され、前記引張部材および前記ばね部材を介して前記穿孔部品に少なくとも1つの振動を発生させるように構成された振動エネルギー源とを含み、前記カテーテル先端部は、ばね部材と穿孔部品を含み、前記ばね部材は近位端と遠位端を有し、前記ばね部材の前記近位端は前記カテーテルの前記遠位端に取り付けられ、前記ばね部材はオープンコイルを有し、前記穿孔部品は近位端と遠位端を有し、前記穿孔部品の前記近位端は前記ばね部材の前記遠位端に接続され、前記穿孔部品は隙間なく巻かれたワイヤからなるものとして、代替的に説明することもできる。
【0037】
一実施形態では、穿孔部品が遠位側にテーパーする。この実施形態の一態様では、ばね部材が遠位側にテーパーする。別の実施形態では、穿孔部品は、外径が遠位側にテーパーし、内腔の内径が実質的に一定、すなわち一定または略一定である。この実施形態の一態様では、ばね部材も同様に、外径が遠位側にテーパーし、内腔の内径が実質的に一定、すなわち一定または略一定である。さらに別の実施形態では、穿孔部品は、外径が第1の割合で遠位側にテーパーし、内腔の内径が前記第1の割合よりも小さい第2の割合でテーパーする。この実施形態の一態様では、ばね部材も同様に、外径が第1の割合で遠位側にテーパーし、内腔の内径が前記第1の割合よりも小さい第2の割合で遠位側にテーパーする。
【0038】
一実施形態では、引張部材が取り付けられるカテーテルの先端部構造体は穿孔部品である。別の実施形態では、ばね部材が圧縮ばねであり、前記引張部材が、前記ばね部材の前記遠位端に取り付けられている。引張部材がばね部材に取り付けられる実施形態について、引張部材は、ばねに沿った任意の点で取り付けることができる。例えば、引張部材は、テーパー領域の近位側、テーパー領域の遠位側、またはばね部材の遠位端とばね部材上の所定の点との間で引張部材が取り付けられたカテーテルの遠位側の任意の点で取り付けることができる。
【0039】
本発明のシステムは、振動エネルギー源を含む本発明の装置と、振動エネルギー源を制御するための制御ユニットとを含む。制御ユニットは、振動の少なくとも1つの振動数と少なくとも1つの振幅を独立して制御または調整することもできる。システムは、振動数または振幅の制御を支援するセンサと、前記センサに機能可能に接続され、前記制御ユニットに動作可能に接続され、センサからの入力を分析することができるプロセッサとをさらに含んでいてもよい。制御ユニットは、オペレータインタフェースユニット(すなわち、ユーザ入出力デバイス)をさらに含んでいてもよい。システムは、カテーテルが湾曲部を含む、すなわち血管(脈管)の湾曲部により湾曲しているときに、引張部材経路長の変動を補償する張力制御(または調整)機構をさらに別に含んでいてもよい。
【0040】
本発明は、さらに、カテーテル先端部の穿孔部品を振動させる方法と、例えば、閉塞を再疎通するため、装置を用いて血管閉塞(脈管閉塞)をトラバースする方法をさらに提供する。また、振動力を制御する方法も提供する。
【0041】
カテーテル先端部の穿孔部品を振動させる方法であって、当該カテーテル先端部は、近位端および遠位端を有する圧縮可能なばね部材(その近位端が前記カテーテルの前記遠位端に取り付けられている)と、前記ばね部材の前記遠位端と連続し、隙間なく密着しているコイルばねからなる軸方向に柔軟な穿孔部品と、前記カテーテル内に収容され、近位端とカテーテル先端部の遠位構造体に取り付けられる遠位端とを有する引張部材と、を含む。遠位構造体は、前記ばね部材および前記穿孔部品からなる群より選択することができる。穿孔部品を振動させる方法は、ばね部材の遠位端をばね部材の近位端側に圧縮する荷重を発生させるため、前記引張部材の近位端から引張部材を引っ張るステップであって、前記引張部材は遠位端で前記ばね部材の前記遠位端に取り付けられ、前記穿孔部品は前記ばね部品の前記遠位端に機能可能に取り付けられている引張ステップと、前記引張部材により発生された前記荷重を解放することで、前記ばね部材を伸長させる解放ステップと、前記穿孔部品を振動させるために前記引張ステップと前記解放ステップを繰り返すステップとを含む。引張部材が取り付けられる遠位構造体がばね部材である場合、引張部材は、当該引張部材を引っ張ることでばね部材に荷重を発生させることができるような、ばね部材に沿った任意の点に取り付けることができる。したがって、別の実施形態では、前記引張部材の前記遠位端は、前記ばね部材のテーパー領域の近位側の点に取り付けられる。さらに別の実施形態では、前記引張部材の前記遠位端は、前記ばね部材のテーパー領域の遠位の点に取り付けられる。これらの代替的な実施形態のそれぞれにおいて、前記引張部材を引っ張ると、前記ばね部材が圧縮されて、前記ばね部材に荷重を発生させ、前記引張部材を解放すると、前記荷重が解放されて、前記穿孔部品を振動させることができる。
【0042】
一実施形態では、引張ステップと解放ステップが振動エネルギー源によって行われる。この実施形態の一態様では、振動が少なくとも1つの振動数と少なくとも1つの振幅を有し、前記少なくとも1つの振動数は、前記振動エネルギー源に機能可能に取り付けられた制御ユニットにより制御される。この実施形態の別の態様では、振動が少なくとも1つの振動数と少なくとも1つの振幅を有し、前記少なくとも1つの振幅は、前記振動エネルギー源に機能可能に取り付けられた制御ユニットにより制御される。この実施形態のさらに別の態様では、振動が少なくとも1つの振動数と少なくとも1つの振幅を有し、前記少なくとも1つの振動数および前記少なくとも1つの振幅は、前記振動エネルギー源に機能可能に取り付けられた制御ユニットにより制御される。
【0043】
血管閉塞(脈管閉塞)を通してカテーテルをトラバースする方法は、上述した装置を血管(脈管)内に導入するステップと、前記穿孔部品を前記閉塞に接触させて位置決めする位置決めステップと、前記振動エネルギー源から前記引張部材に一連の引張力を発生させることによって、前記閉塞を貫通するのに十分な振幅と振動数で前記穿孔部品を振動させる発生ステップとを含む。この方法は、前記穿孔部品が前記閉塞を貫通しながら、前記閉塞を通して前記カテーテルを前進させる前進ステップをさらに含んでいてもよい。この方法は、前記発生ステップにおいて、前記血管(脈管)内における障害の周囲で前記カテーテルを動かすのに十分な振幅と振動数で、前記穿孔部品を振動させる振動ステップをさらに含んでいてもよい。
【0044】
穿孔部品の密巻ワイヤ構成により、中実剛性構造を有する穿孔ヘッドと比較して、例えば、蛇行した血管(脈管)を通したカテーテル先端部の操作性が改良される。軸方向に柔軟であることに加えて、隙間なく密着しているコイルにより、プッシャビリティが穿孔部品に付与され、遠位端、特に遠位縁で剛性が付与される。好ましい実施形態では、穿孔部品が遠位側にテーパーする。例えば、この実施形態の一態様では、穿孔部品は、外径が近位端から遠位端までテーパーするものでもよい。この態様では、穿孔部品の内腔は、一定の径を有するか或いは外径よりも小さな程度で遠位側にテーパーしてもよい。穿孔部品のコイルは、金属、硬質プラスチック、または他の好適な材料からなるものでよい。穿孔部品用の好適な金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、コバルトクロム、ニチノール、または本明細書の記載から当業者に明白な他の適切な金属を含む。
【0045】
ばね部材は、例えば、圧縮ばね、つる巻きばね(例えば、螺旋形状のワイヤ)、板ばね、ベローズ、圧縮性ポリマー、被覆ばね、または圧縮時に位置エネルギーを蓄積するとともに、圧縮荷重が解放された時に運動エネルギーを解放するのに適した類似の部材であり得る。ばね部材の圧縮および伸長を、血管閉塞(脈管閉塞)を貫通するのに十分な振動数および振幅で穿孔部品を振動させるために用いることができる。
【0046】
穿孔部品とばね部材は、遠位セクションがクローズドコイルからなり、近位セクションがオープンコイルを有している、単一コイルばねの異なる部分からなるものとしてもよい。
【0047】
引張部材は、好ましくは、可撓性のひもである。任意の高張力ポリマーが、引張部材として好適な材料である。好適な材料としては、カーボン、DSMダイニーマ(登録商標)またはダイニーマ・ピュリティ(登録商標)(オランダ、ヘールレン、DSM社より市販されている)、またはポリエチレンまたはポリエステル等の他の好適なポリマーを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0048】
振動エネルギー源は、引張および解放によって少なくとも1つの振動エネルギーパルスを発生させることができる任意のエネルギー源であり得る。振動エネルギー源は、例えば、作動装置、ソレノイド、振動シェーカー等の振動機、標準型モータ(standard motor)または圧電モータ(piezoelectric motor)等のモータ、或いは引張部材の引張および解放が可能な往復部材を有する任意の同様なエネルギー源であり得る。「解放する」とは、引張部材の張力を解放することを意味し、張力は引張部材を引っ張ることで発生する。振動エネルギー源は、カテーテルの外部に位置している。振動エネルギー源が引張部材を引っ張ると、ばね部材に位置エネルギーが発生する。引張部材の張力が解放され、ばねに加わる荷重が解除されて、ばね部材が自然に伸長するとき、位置エネルギーが運動エネルギーに転換される。これにより、局所的に機械的エネルギーが穿孔部品に伝達され、穿孔部品を遠位側に、例えば、閉塞に向けて押圧する。このプロセスは、穿孔部品が閉塞を貫通することが可能な振動数および振幅で繰り返される。内部ばね係数(internal spring factor)(k)を有する適切な「ばね」部材を選択することによって、エネルギー量を調整することができる。引張部材の振幅を外部から設定することによって、力をさらに調整することができる。動力の量(経時的エネルギー)並びに機械的衝撃は、振動の振動数によって制御することができる。
【0049】
特に、穿孔部品の治療振動を発生させる力は、振動エネルギー源によって提供される。この振動エネルギー源は、距離(x)だけ引張部材を引張して張力(T)を発生させ、そして張力を解放することがでできる。引張部材は、その遠端端で、ばね部材と機能可能に接続される。引張部材が取り付けられるカテーテル先端部の構造体は、穿孔部品またはばね部材(例えば、ばね部材の遠位端)であり得る。復元力は、引張部材の張力がT=kxと定義され得るようなばね定数(k)を有するばね部材によって提供される。引張部材の引張および解放を反復して組み合わせることで、血管閉塞(脈管閉塞)を貫通して通過するのに十分な振動数および振幅で穿孔部品に振動を発生させる。オペレータは、振動エネルギー源を制御する制御ユニットを介して、振動の振動数および/または振幅を調整することによって振動を調整することができる。
【0050】
カテーテルは、引張部材用の1つ以上の内腔と、ガイドワイヤ用の内腔とを有する。また、カテーテルは、ステアリングワイヤまたは他の機構、視覚化のための造影剤、IVUS(血管内超音波法)、遠位の運動振幅および力を測定するための要素、閉塞からくずを除去する要素など、他の特徴のための多様な内腔も含み得る。
【0051】
本発明の装置は、従来技術の制約、特に、エネルギー源が位置する装置の近位端と穿孔を行う装置の遠位端との間における機械的なエネルギーの損失を、遠位側にあるばね状の要素であるばね部材を設けて、力を局所的に伝達することにより克服する。ばね部材は、可撓性の引張部材によって、負荷をかける(例えば、位置エネルギーを発生させるために圧縮させる)ことができる。位置エネルギーは、引張部材の張力を解放するときに、運動エネルギーに変換される。穿孔部品を振動させるために所望の振動数および振幅で位置エネルギーが加えられ、運動エネルギーが解放される。ばね部材の蓄えられたエネルギーは、閉塞に衝撃を付与する穿孔部品を介して、閉塞に対して解放される。ここで用いられる「可撓性」という用語は、例えば、蛇行する血管(脈管)に対応するため、長手方向ではなく横方向に、慣性モーメントなしに撓むことができることを意味することを意図しており、例えば、引張部材は、縦方向に最小限に伸長可能でなければならない。「引張部材を解放する」とは、(引張部材を引っ張ることで引張部材内に生成される)張力が解放されることを意味する。
【0052】
従来技術の装置においては、エネルギーを装置の近位端から遠位端に伝達するときにエネルギーが失われることは一般的だが、対照的に、本発明においては、ばね要素と引張部材の組み合わせを使用することによって、エネルギー損失が最小限に抑えられる。引張および解放プロセスを含む本発明の装置は、引張部材の経路が真直ぐな経路から外れる、例えばカテーテルが屈曲するようなときでさえも、硬いワイヤを押圧するよりも効率的である。本発明のより効率的なエネルギー移動の特徴は、部分的または完全に閉塞した血管(脈管)の貫通を良好にし、並びにPTAカテーテルのデリバラビリティを向上させる。したがって、本発明の引張部材の特徴の利点は、エネルギーが生成される装置の近端部から、穿孔部品が閉塞に衝撃を付与する場所である装置の遠位端まで、力の強度が大幅に減少することがないことである。本発明の別の重要な利点は、力が、ユーザ(振幅および振動数)によって完全に制御され、ユーザが閉塞に力を適合させ、安全な処置を維持することができることである。カテーテルの遠位端に設置されたばね部材を適切に選択することで、様々な振幅と力の組み合わせを実現することができる。
【0053】
本発明のシステムは、自動的にまたはオペレータ(例えば、医師)の要請を受けて振動可能部材の振動の振動数を調整することにより、或いは振幅を調整することにより、閉塞に対して加えられる力を調整することができる制御ユニットを含む。オペレータは、制御ユニットを介して直接的に、或いは制御ユニットに動作可能に接続されたオペレータインタフェースユニットを介して間接的に、所定時間で、穿孔部品の振動の特定の振動数または振幅を微調整することができる
【0054】
閉塞、特に血管閉塞は、不均一な密度と硬度を有する傾向がある。閉塞の硬い部分を貫通するには、閉塞の柔らかい部分を貫通する場合と比較して、比較的大きな力が必要となる。閉塞を通して経路を再疎通するのに必要な最小限の力は、振動の振動数と振幅の組み合わせによって実現される。振動の振幅を増加させる或いは振動の振動数を増加させると、力が増加する。振動の振幅または振動数を減少させると、力が減少する。
【0055】
所与の閉塞に対して適切な力を決定することは、医師の経験および診断スキルに基づいて、処置を行う医師が「感触で」行うことができる。オペレータは、制御ユニットを介して直接、振動数および/または振幅を手動で調整することによって、閉塞を貫通する適切な力を提供するために振動を調整することができる。代替的に、本発明の装置は、閉塞を形成する生体物質の硬度または硬さを直接的または間接的に測定するように設計されたセンサ(例えば組織センサ)をさらに含むものでもよく、振動可能部材の振動の振幅および/または振動数は、このセンサからのフィードバックに基づいて調整することができる。
【0056】
センサは、例えば、歪みゲージセンサ、ピエゾ抵抗器、マイクロ歪みセンサ、または磁気センサであり得る。歪みゲージは、物体の変形(歪み)を測定するために使用される装置である。最も一般的なタイプの歪みゲージは、金属フォイルパターンを支持する絶縁可撓性バッキングからなる。ゲージは、シアノアクリレート等の好適な接着剤によって物体に貼り付けられる。物体が変形すると、フォイルが変形し、その電気抵抗が変化する。通常、ホイートストン・ブリッジを用いて測定されるこの抵抗の変化は、ゲージ率として知られる量により歪みと関連付けられる。本発明において有益であり得るこのような歪みゲージの商品例としては、Vishay 015DJ歪みゲージ(米国ペンシルベニア州モールヴァンのVishay Intertechnology, Inc.)を挙げることができる。ピエゾ抵抗器は、ピエゾ抵抗器のピエゾ抵抗ゲージ率に比例する感度を有するピエゾ抵抗物質で作られた抵抗器であり、このピエゾ抵抗ゲージ率は、歪みによる抵抗の相対変化によって定義される。シリコンは、ピエゾ抵抗器を備えたセンサを形成するための一般的な材料である。このようなピエゾ抵抗器センサは、例えば、Beccai, L.等による「生体力学的応用のためのハイブリッド・シリコン三軸力センサの設計および製造(Design and fabrication of a hybrid silicon three-axial force sensor for biomechanical applications)」(Sensors and Actuators A: Physical, Vol. 120, Issue 2, pp. 370-382, May 17, 2005)に記載されているように、525μmの高いシリコンメサを有する高アスペクト比の十字形可撓性要素に植え込まれた6〜10μm × 30〜50μmの4つのピエゾ抵抗器(four 6-10μm by 30-50μm piezoresistors)を含むものでもよい。ピエゾ抵抗器は、米国特許第4,419,598号および第6,441,716号(これらの文献は、参照することにより本願明細書の内容に含まれるものとする)にも記載されており、WO2005/106417は、ナノワイヤピエゾ抵抗器(piezoresistor nanowires)に基づく歪みセンサについて記載している。磁気弾性センサは、生物学的適用に有益であると期待される他の特性を有し、可動部分を一切含まない低コストの小型センサである。磁気弾性センサは、米国特許第7,062,981号(当該文献は、参照することにより本願明細書の内容に含まれるものとする)に記載されている。本発明において有益であり得るこのような磁気弾性センサの商品例としては、DVRT超小型変位センサ(米国バーモント州バーリントン市のMicroStrain, Inc.)を挙げることができる。
【0057】
センサは、閉塞衝突要素(occlusion impact element)が閉塞とぶつかる抵抗を直接測定するためにカテーテルの遠位端に位置させることができる。閉塞硬度はまた、荷重が解放された後、どれくらいばね部材が伸長するかを測定することによって決定してもよい。ばね部材の伸長を直接測定するための操作の1つのモードでは、磁気センサは、カテーテル内に位置し(例えば、カテーテルの内壁に取り付けられ)てもよく、或いは閉塞に衝突した際の伸長量の変化または減速率により、閉塞の硬度または硬さを間接的に測定するものでもよい。振動可能部材の振動の予測される振幅(すなわち振動力振幅)は、オペレータによって設定され、ばね部材の伸長が設定された量よりも少ない場合は、その差を計算することにより、閉塞を貫通するための振動の正しい振幅を得るには、引張力をどれだけ大きくする必要があるかが測定される。操作のいかなるモードにおいても、制御ユニットを通してエネルギーパルスの入力およびその後の引張力を手動で調整できるオペレータが読み取ることができる出力を生成するプロセッサに対して、センサがフィードバックを提供してもよい。代替的に、センサは、自動的に引張力の入力を調整することができる制御ユニットに直接フィードバックを提供してもよい。
【0058】
装置がセンサを含むシステムの一実施形態において、制御ユニットまたはユーザ入出力装置(以下、オペレータインタフェースユニットともいう)のいずれかに位置するプロセッサが、センサまたは歪みゲージからの入力を分析して、組織の硬さまたは振動の振幅を計算し、これにより、振動数および/または振幅が、制御ユニットにより自動的に調整されるか或いはオペレータインタフェースユニットからのオペレータ可読出力に基づいて処置を行う医師により手動で調整される。任意選択的に、オペレータインタフェースユニットは、ディスプレイユニット、例えば、閉塞硬さまたは振動の振幅に関する情報をユーザ可読形式で表示する表示画面を含むものでもよい。オペレータが振動エネルギー源を調整する実施形態では、制御ユニットまたはオペレータインタフェースユニットは、振動エネルギー源で発生した引張力の振動数および/または振幅をオペレータが手動で調整するための1つまたはそれ以上の調整手段を含むものでもよい。調整手段は、加減抵抗器または電位差計と同様に、振動エネルギー源で発生した引張力の振幅または振動数をデジタル方式またはアナログ式に調整することができる、例えば、ノブ、ダイヤル、ボタンレバー等とすることができる。
【0059】
このシステムは、張力制御システムをさらに含むものでもよい。カテーテルの形状は、カテーテルが血管(脈管)内で湾曲部に遭遇したときに変化するので、引張部材がトラバースしなければならないカテーテルを通した距離も変化する。例えば、カテーテルが湾曲または蛇行した内腔を経由する場合、引張部材がカテーテル内腔を通る経路が変化し、例えば、内腔の中央を通らずに湾曲部の内側に向かう傾向がある。これは、振動エネルギー源から装置の穿孔部品までの距離の約1%程度の違いになり得るもので、カテーテルの遠位端にある振動可能部材で振動をもたらすために引張部材を引張する効率にも影響を与える。経路が短いと、引張部材に加わる張力が減少することにもつながり、一定の張力を得るためには、振動エネルギー源によるより大きな引張振幅が必要になるかもしれない。引張部材経路の変化に対応し、引張部材張力を制御するために、一実施形態では、システムが、引張部材の長さを調整する張力制御機構を含むものでもよい。このように、引張部材の張力が所望の一定張力で維持されることで、装置の効率が改良される。張力制御機構は、引張部材の長さを調整するものとすることができる。本実施形態の好ましい態様では、引張部材の長さは、カテーテル本体と振動エネルギー源のモータの間の領域で調整される。代替的な実施形態では、システムは、引張部材が引っ張られる振幅を調整する張力制御機構を含むものでもよい。
【0060】
本発明の例示的な実施形態を、図面を参照して以下に詳細に説明する。図面は、概略が示されるとともに、必ずしも原寸に比例していないが、実施形態の特定の態様を示すために提供され、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0061】
図1A図1Eで示される特定の実施形態では、ばね部材20は、圧縮ばねとして示される。引張部材10は、その遠位端で穿孔部品30に付けられ、当該穿孔部品30は、ばね部材20(圧縮ばね)の遠位端に取り付けられ、振動可能部材として機能する。ばね部材20は、その近位端でカテーテル40の遠位端に取り付けられる。圧縮ばねは、圧縮力に対する抵抗を提供するように設計されている。本発明によると、引張部材10は、張力(T)でばね部材20(圧縮ばね)を圧縮するために使用される。ここで、T=kxであり、(k)はばね定数であり、(x)はばね撓み(以下、「圧縮距離」ともいう)(理想的には、引張部材10が引っ張られる距離)である。引張部材10に対する張力が解放されたとき、ばね部材20(圧縮ばね)は自然に伸長し、好ましくは、抵抗が存在しない場合は、ばね部材20(圧縮ばね)は、その無荷重位置(0)に戻る前にほぼ距離(y)分さらに伸長する。ばね部材が閉塞などの抵抗に遭遇した場合、ばねは、閉塞に当たるところまで伸長するが、抵抗が無い場合に到達可能な伸長位置まで達しないかもしれない。このような場合、ΔyはΔyより小さく、ここでyはx(撓み=x)によって圧縮されるばね部材についての自然伸長(natural expansion)である。本発明によるこのような圧縮ばねの最適なばね定数(k)は、約0.1〜10ニュートン/mmの間である。
【0062】
図1A図1Eは、ばね部材(圧縮ばね)を含む本発明の装置の一実施形態の状態を、特にカテーテル先端部1を通る断面で、1回の引張サイクル間の異なる時点で示す。この図面に関連して、「1回の引張サイクル」は、引張部材の1回の引張および解放を意味する。図1Aは、静止しているカテーテル先端部1の要素を示し、引張部材10には張力が加わっておらず、ばね部材20には荷重がかかっていない。図1Bに示すように、張力(T)が引張部材10に加わると、ばね部材20が圧縮されて、エネルギーが蓄積される。図1Cは、引張部材10が解放され、引張部材10の張力が0(T=0)に下がった後の任意の段階における装置を示す。振動エネルギー源(図示せず)により引張部材10を解放するとき、ばね部材20は軸方向に伸長する。ばね部材20の伸長により、穿孔部品が0よりも大きい速度(V>0)で遠位側に移動する。図1Cに示された時点(所与の加えられた張力に対して、ばね部材20がピーク圧縮とピーク伸長の中間にある(すなわち、その静止位置に等しい)ときであって、運動エネルギーが最大である時点)におけるキャップの機械的動作の速度(V、速度)は、V=2πAsin(2πf・t)として表され、Aが圧縮振幅、fが振動数、tが時間である。この速度は、閉塞によって近位方向に及ぼされる力を除外する。図1Dに示すように、血管閉塞などの外部抵抗がない場合には、ばね部材20は、その静止位置を超えて、ほぼ(x)に等しい距離(y)分だけ伸長し続ける。この位置で、速度が再び0(V=0)に達して、自然にその静止位置(撓み=0)に向かって圧縮する(復元力を提供する)。使用時には、この時点において、図1Eのピーク張力(T=kx)で示されるように、振動エネルギー源が、距離(x)分だけ再度引張部材10を引張する。
【0063】
引張部材の引張および解放を繰り返すことで、ばね部材の遠位端に取り付けられている穿孔部品に振動が生じる。穿孔部品の振動の振幅は、引張部材が引っ張られる距離によって制御することができる。振動の振動数は、引張部材の引張と解放の速度とばね定数との関数である。振動エネルギー源によって発生される引張/解放の振動数は、好ましくは、ばねの固有振動数よりも小さい。
【0064】
図1A図1Eに示された実施形態は、穿孔部品に取り付けられた引張部材を示し、当該引張部材は、装置の振動可能部材と称することもできる。代替的に、前記引張部材を取り付けることができるカテーテル先端部の遠位構造体は、ばね部材である。穿孔部品は、使用時に血管閉塞と接触して、閉塞を貫通および穿孔する装置の部品として機能するような装置の要素である。
【0065】
図1A図1Eに示すように、好適な実施形態において、ばね部材は圧縮ばねである。引張サイクルを振動エネルギー源によって生じさせてもよい。振動エネルギー源は機械的に引張部材を引張してもよく、引張部材によりばね部材が圧縮してもよく、それにより穿孔部品が近位側に移動されるものでもよい。したがって、引張部材の張力が解放された後、ばね部材が伸長して、穿孔部品が遠位側に移動される。
【0066】
好適な実施形態において、ばね部材はオープンコイル構造を有している。「オープンコイル」とは、ばねの少なくとも2つのコイルが相互に離間していることを意味する。例えば、2〜10巻きのコイルが離間していてもよく、5〜20巻きのコイルが離間していてもよい。ばね部材のコイルの合計数は、ばね部材の長さ、コイルどうしの間の隙間、およびコイルを形成するワイヤの断面直径の関数である。
【0067】
圧縮ばね以外のばね部材であっても、本発明に従って同様に動作し得る。例えば、ばね部材は、つる巻きばね、板ばね、ベローズ、または圧縮性ポリマーでもよい。代替的に、振動の振幅が小さく、振動数と力が高いことが望まれる場合には、引張部材は、ばね部材における、ばね部材の遠位端よりも近位側の位置で取り付けることができる。
【0068】
一実施形態では、ばね部材がベローズである。本明細書で用いられるベローズとは、実質的に復元力(ばね定数)を備えた密閉要素であり、例えば、密閉被覆ばねまたは圧縮ばねを含むコルゲートチューブでもよい。ベローズは、オープン構成またはクローズ構成を有している。ベローズの「クローズ構成(closed design)」とは、ベローズの一端が、カップのように閉じていることを意味する。ベローズの「オープン構成(open design)」とは、ベローズの両端が、チューブのように開いていることを意味する。クローズ構成では、閉じた端部は、遠位端に位置することになる。したがって、ベローズがクローズ構成である場合、ベローズは、その遠位側の閉じた端部で引張部材に動作可能に接続される。これらのベローズの構造は、引張部材からの荷重が付与されたときに縮小し、外部荷重が除去されたときに内部ばね力によって戻る(伸長する)ように設計することができる。本発明において有益なベローズは、例えば、MSベローズ(5322 McFadden Ave, Huntington Beach, CA 92649)から入手可能である。「ベローズ」および「ばねベローズ」という用語は、ここでは交換可能に使用される。代替的に、当業者は、ポリマー膜が長手(軸)方向に伸長可能となるように、ばねをポリマーで覆うか、またはばねをポリマーに埋め込むことによって、遠位ベローズを作ることができる。好ましくは、ポリマー物質は、カテーテルの外壁を構成する物質よりも低いデュロメーター(ショア)硬さを有する。
【0069】
本実施形態では、引張部材は、クローズベローズの遠位端またはベローズの遠位端に動作可能に取り付けられた穿孔部品に取り付けることができる。この配置では、圧縮ばねと同様に、振動エネルギー源が引張部材に張力を付与すると、引張部材はベローズを圧縮させるため、ベローズの遠位端は距離(x)分撓む。振動エネルギー源が引張部材に加わる張力を解放すると、ベローズは伸長し、ベローズの遠位端は、その無荷重位置(撓み0)に戻り、かつ好ましくは、無荷重位置(0)に戻る前に、(0)を超えて略(y)の撓み分遠位側に移動する。
【0070】
本実施形態によると、ベローズは、引張部材からの荷重がかかったときに圧縮し、荷重が取り除かれたときに伸長することを意図されている。ベローズに負荷を掛けたり負荷を除いたりすることを繰り返すことで、穿孔部品が取り付けられるベローズの遠位端に振動が生じる。
【0071】
一般に、穿孔部品30,130,230,330,530は、カテーテル先端部の横断面が減少するように遠位側にテーパーし得る。テーパーにより挿入側の断面が減少するので、狭小化および/または狭窄した血管(脈管)および/または石灰化病変部を通したデリバラビリティとクロスアビリティを改良することができる。いくつかの適用例では、テーパーした穿孔部品の内径(内腔径)は、それ自体テーパーしないことが望ましい。このような実施形態では、穿孔部品が、全長に沿って一定の内径(内腔径)を有している。換言すると、穿孔部品の軸方向長さに沿って内径が同じである一方、外径は遠位方向に徐々に減少する。代替的に、穿孔部品の内径が遠位側に狭くなるが、外径が狭くなる割合よりも小さい割合で狭くなる(すなわち、外径よりも小さなテーパーを有する)ものとすることができる。穿孔部品が実際にテーパーする程度を決定するのは、外径の狭まり(減少率)である。一実施形態では、ばね部材も遠位側にテーパし、この実施形態の特定の態様においては、ばね部材は、穿孔部品と同様に、ばね部材の外径がテーパーし、ばね部材の内腔の内径はテーパーしない(すなわち、一定または略一定の直径を有する)。
【0072】
一定または略一定の内径を有する穿孔部品またはカテーテル先端部(ばね部材および穿孔部品)を備える利点は、この構成により、穿孔部品(またはカテーテル先端部)と穿孔部品を通過するガイドワイヤとの間の内部摩擦を制御および制限し得ることである。別の利点は、穿孔部品(またはカテーテル先端部)と製造時にカテーテルを取り付けるマンドレルとの間の摩擦を制限できることである。
【0073】
図2は、本発明の装置に使用するばね部材120と穿孔部品130を含む、本発明によるカテーテル先端部101の一例を示す。本実施形態では、穿孔部品がテーパーしており、外径と内径が同じ割合(図示せず)または異なる割合(図示せず)でテーパーし、ばね部材120はテーパーしていない。図2に示す実施形態は、遠位セクションと近位セクションを有する単一の巻線ばねも例示しており、遠位セクションは隙間なく巻かれた穿孔部品130であり、近位セクションはオープンコイルのばね部材120である。
【0074】
本発明のカテーテル先端部に使用される、一定の内径を有するテーパーした穿孔部品の例示的な実施形態が、図3Aおよび図3Bに示されている。図3Aに示すように、ばね部材も同様に遠位側にテーパーしてもよい。この態様では、テーパーした穿孔部品が、一定または略一定の内腔の内径を有し得る。別の態様(図示せず)では、ばね部材の内腔の内径が、外径よりも小さな割合でテーパーする。
【0075】
一定または略一定の内径を維持しながら、穿孔部品の外径をテーパーする1つの方法は、巻線としてのカテーテル先端部をテーパーしたワイヤから製造することである。「テーパーしたワイヤ」とは、その長さに沿って減少する断面直径231を有するワイヤを意味する。テーパーしたばね部材220(コイルどうしの隙間が開いている)およびテーパーした穿孔部品230(隙間なく巻かれている)を含むこのようなテーパーしたカテーテル先端部は、図3Aに示されている。1つの限定されない実施形態では、ワイヤの断面直径231が、第1端部(ワイヤコイルの近位端246)で0.1mmであり、ワイヤの断面直径231が、第2端部(ワイヤコイルの遠位端245)で0.05mmとすることができる。ばね部材220および穿孔部品230に所望のテーパー度に応じて、ワイヤの断面直径231に他の変化割合を用いてもよい。例えば、テーパーしたワイヤの断面直径が、第1端部と第2端部との間で30〜70%減少するものでもよい。テーパーしたワイヤから形成するばね部材220および穿孔部品230に対して、一定の内腔径を維持しながら、外径をテーパーさせるためには、製造時に、一定の径を有するマンドレルにテーパーしたワイヤを巻き付けることで確実に行うことができる。得られたワイヤコイルのばね部材220および穿孔部品230の内腔の内径は、一定または略一定のままであり、ワイヤの径が減少することによる効果は、得られたカテーテル先端部201の外径が減少することにつながる。同様に、外径よりもテーパーが小さい内腔の内径は、製造時に、テーパーしたワイヤの断面直径よりもテーパー比が小さいマンドレルにテーパーしたワイヤを巻き付けることで実現することができる。
【0076】
任意選択的に、ばね部材の近位端が、図3Aに領域Aとして示される、コイルの隙間なく密着しているセクションを含むものでもよい。
【0077】
図3Bは、外径が遠位側にテーパーし、内径(内腔径)が一定または略一定のテーパーした穿孔部品の別の実施形態を示す。図3Bの実施形態を製造する方法は、テーパーしていない穿孔部品(例えば、その長さに沿って一定の外径を有するコイル)を準備することから始まり、ワイヤコイルの直径断面331を遠位端345側に徐々に減少させるために、穿孔部品の外面にレーザ照射または化学エッチング、或いはワイヤコイルの外径を摩砕または研削する他の手段を適用する。これにより、穿孔部品330のコイルは、内腔の内径が実質的に一定でありながら、外径が遠位側にテーパーすることになる。したがって、本実施形態の一態様では、ワイヤの開始断面直径が、例えば、100μmで、穿孔部品330の近位端346から遠位端345まで約30〜70%の間で遠位方向に減少するものでもよい。コイルの外面を所望のテーパーに研削した後、血管壁(脈管壁)の損傷を最小限にするために、穿孔部品330を研磨して表面を滑らかにすることもできる。
【0078】
本発明の装置およびシステムは、オペレータが装置の操作の間に目標とする閉塞または血管壁(脈管壁)に対するカテーテルの遠位端の位置を決定するのを支援するために、イメージング構成要素(imaging components)との使用に適合する。よって、装置またはシステムは、イメージング構成要素およびイメージングシステム(例えば、IVUS、OCR,ドップラー超音波、または当該技術分野で公知の他のイメージングシステム)をさらに含み得る。カテーテルは、視覚化用またはイメージング構成要素用の内腔などのオプションの構成要素のための1つ以上の内腔(例えば、IVUS、OCR、ドップラー超音波、光ファイバ、または造影剤、並びにステアリング構成要素 または他の治療構成要素として有益な構成要素を収容する補助内腔)をさらに備え得る。この内腔は、カテーテルを身体の内腔に挿入するためのガイドワイヤ内腔として機能するように設計され得る。そして、ガイドワイヤが必要とされない場合には、この内腔は除去され得るものであり、かつ内腔は、装置の操作(例えば、閉塞の貫通およびトラバース)の間に使用する視覚化装置を配備するために使用され得る。代替的に、この内腔は、閉塞の貫通時に穿孔領域からくずを吸引するために使用することができる。
【0079】
本発明の任意の実施形態において、装置は、カテーテルを血管壁に固定するカテーテル固定要素を任意選択的に含み得る。カテーテル固定要素は、振動力により実質的に動いてしまうことがないようにして、かつ振動力の伝達を改良すべくカテーテルを血管壁に固定させるために、操作中に身体の内腔内でカテーテルを安定させるために使用することができる。カテーテル固定要素は、固定要素内腔によって提供され得る。カテーテル固定要素は、例えば、1つ以上の拡張可能なバルーンでもよい。このような実施形態では、固定要素内腔は、流体、好ましくは液体、より好ましくは生物学的に適合した液体で満たされた膨張内腔とすることができ、血管内にカテーテルを固定するために1つ以上の拡張可能なバルーンを膨張(拡張)させるために使用することができる。この方法でカテーテルを固定することによって、特定の種類の閉塞を治療する際に振動力がより効果的になる。
【0080】
本発明の装置はさらに、貫通される閉塞の硬度を測定するためのセンサを含み得る。図4A図4Cは、本発明に関する組織センサおよびその操作の態様を示す。特に、図4A図4Cは、プローブと、歪みゲージと、タッチセンサとを備える組織センサを使用して、所望の振幅が達成されているか否かを測定するための1つの方法を示す。わかりやすい説明のため、図4A図4Cでは、ばね部材420の遠位端にある穿孔部品を示していない。
【0081】
システムは、所望の変位量または目標貫通振幅(A)を達成するためにオペレータによって設定され得る。目標振幅Aは得られないかもしれないが、適用された力が閉塞硬度に一致しない場合、得られた振幅(A)を決定しなければならない。得られた振幅Aは、以下に説明するいくつかの方法のうちの一つの方法で、または以下に示す例を考慮して当業者にとって明らかとなる方法で、センサによって監視され得る。例えば、得られた振幅Aは、直接、例えば歪みゲージを使用するか、またはばね部材420の遠位端の変位量を測定することによって測定され得る。このような実施形態では、センサは、プローブ451、歪みゲージ452、およびタッチセンサ453を含み得るものであり、これらは図4A図4Cに示されるように、穿孔部品に加わる応力とは別に閉塞硬度を測定する。代替的に、センサは、穿孔部品530の振動の振幅を測定するために、例えば、図5Aおよび図5Bで示されるように、穿孔部品530に直接取り付けられる磁気センサ560を含んでいてもよい。装置が、引張部材510を引張することによって圧縮され、解放時にその静止位置を越えて伸長状態まで伸長するばね部材520を備えるので、貫通振幅は、実際の伸長距離(閉塞によって生成される抵抗によって影響を受けて得られた振幅A)を測定し、ばね部材520の予測された伸長距離と比較することによって決定することができる。
【0082】
閉塞を貫通するために必要な力は、数式2を使用することによって推定することができる。
【0083】
【数2】
【0084】
上記数式において、Fは物体に加えられる力であり、Eは閉塞のヤング係数(硬度または硬さ)であり、Sは力が加えられる元の断面積であり(すなわちプローブまたはセンサの断面積)、ΔLは物体の長さが変化する量であり、Lは物体の元の長さである。閉塞組織の機械的特性を定義し、貫通のための振動数および振幅を調整するために、力(F)および変位量(L)という2つのパラメータを監視しなければならない。数式2の他のパラメータの中で、S(プローブまたはセンサの断面積(既知の寸法を有するガイドワイヤまたは他の要素であり得る))が既知であり、L(閉塞の長さ)は未知である。それにもかかわらず、図4A図4Cで示されるように、未知の硬度の組織を貫通するのに必要な力が決定され得る。カテーテル440、カテーテル440の遠位端に取り付けられるばね部材420、およびセンサが設けられている。センサは、プローブ451、歪みゲージ452、およびタッチセンサ453を備える。動作サイクルには、測定モードと振動モードの2つのモードがある。シーケンスの一番目は測定であり、シーケンスの二番目は振動である。測定モードでは、図4Aで示されるように、タッチセンサ453が閉塞470の近くに置かれ、それに触れる時に(処置を行う医師(physician-operator)が感知できる接触)、測定モードに切り替わる。測定モードは単一のパルスモードであり、プローブは閉塞内に貫通し得る。
【0085】
力(F)は質量(m)と加速度(apeak)の関数であるので、振動において加えられる力は、数式4で示されるように定義することができる。
【0086】
【数3】
【0087】
よって、数式3に従って、加える力の量は、変位量ΔLおよび振動数fによって決定される。ΔL(ばねの遠位端の動きに等しい振動のストロークまたは振幅)を特定目標値、例えば0.1mm(安全の観点から決定された値)に固定すると、力Fは、振動数fを変更することによって変化し得る。開始点では、力のパルスは、定義された振動数fおよび振幅Aで提供される。図4Bは、全深度ΔLで閉塞を貫通するのに十分な加えられる力を示す。得られた当該目標変位量は、磁気センサで確認され得るものであり、この磁気センサは、プローブの湾曲または歪みに比例して信号を提供し得る。図5A図5Bを参照のこと。いくつかの場合では、引張部材は、臨界引張力を上回った場合、僅かに伸張する物質から作られてもよい。実際、カテーテルは、完全に真直ぐであるということはあり得ず、むしろ身体内腔(特に血管内)の形状によって湾曲しているかまたは波形となり得る。これは、振動エネルギー源によって提供される初期引張力が、ある程度引張部材に吸収され、閉塞硬度または目標振幅Aの推定値としてそのまま採用できないことを意味している。さらに、オペレータは、カテーテルを未知の力で押圧してもよく、この力は、装置によって制御したり容易に測定したりすることはできない。このような状況では、閉塞長さだけでなく、遠位端で実際に加わる力も推定値である。しかしながら、このような条件下では、閉塞組織の機械的な特徴の推定は、絶対的なやり方ではなく相対的なやり方で行うことができる(すなわち、遠位端での値は、近位端での値から較正することができる)。近位点における初期入力振動力がFでストローク(振幅)がΔLである場合、遠位点において値FおよびΔLに達するであろう。したがって、加えられる力が閉塞組織470を貫通するのに十分な場合は、貫通深さは、図4Bに示されるストローク値ΔLすなわち振幅とほぼ同じになる。一方、加えられる力が完全貫通には不十分である場合は、プローブ451は、図4Cに示されるように湾曲し、歪みゲージセンサ452は、対応する信号を提供し得る。このシナリオでは、加えられる力は、その振動数(振動数依存の振動機構)またはその振幅(振幅依存の振動機構)を変更することによって増加させることができる。
【0088】
図5Aおよび図5Bは、穿孔部品の振動の振幅を直接測定するためのセンサを示している。磁気センサ560は、カテーテル540内壁またはカテーテル(図示せず)内のセンサ内腔の内壁に取り付けられ、磁気ロッド562を介して穿孔部品530に動作可能に接続され得る。磁気ロッド562は、引張部材510を引張および解放することによって、穿孔部品530の振動に伴い移動可能である。図5Aは、ばね部材520を圧縮するために引張部材510が引張されているときの磁気センサ560に対する磁気ロッド562の位置を示している。図5Bは、引張部材510に、ばね部材520に荷重が加わっていないときの磁気センサ560に対する磁気ロッド562の位置を示している。したがって、穿孔部品530の振動の振幅は、磁気センサ560を用いて測定可能である。代替的に、磁気ロッド562は、ばね部材520の遠位端に直接接続してもよい(実施形態は図示せず)。いずれの実施形態においても、磁気センサ560は、カテーテル540の遠位端で得られた振幅を直接測定する。得られた振幅は、例えば、閉塞に突き当たることによって遭遇する抵抗に起因して、目標振幅よりも小さくなり得る。図5Aおよび図5Bに示す磁気センサ560は、線形可変差動変圧器(LVDT)であり、LVDTのコイル561内で移動可能な磁気ロッド562を示すが、他の磁気センサも、本発明による振動の得られた振幅を直接測定するために使用することができる。
【0089】
本発明は、振動力を制御する方法を含む。図6は、制御ユニットが本発明に従って、貫通振幅を監視し、必要に応じて振動の振幅を調整するために採用できる1つの方法を示す。振動の振動数および振幅の制御は、血管閉塞などの閉塞を貫通する状況で最もよく理解される。本発明のシステムが血管閉塞(脈管閉塞)を貫通するために使用される際、完全な貫通は、振動数および目標振幅が装置の振動を開始する前に設定され、次に貫通サイクルを通して制御ユニットによって調整される、一連の貫通サイクルを通じて実現し得る。各貫通サイクルは、振動の効果が定期的に測定され、かつ安全と貫通の成功を最大限に両立するように必要に応じて力を調整する、一連の振動「サイクル」を含み得る。上記のように、操作の1つのモードでは、所望の貫通振幅(ストローク)は、固定の距離で設定され得る。本発明のシステムの制御ユニットは、この目標貫通振幅が達成されているか否かを監視し、かつこれに応じて数式4に基づいて、振動力を増加するために振動の振幅および/または振動数を調整するために使用することができる。
【0090】
【数4】
【0091】
したがって、このような操作モードでは、貫通サイクルの始めに、装置は、閉塞の第一表面に置かれてもよく、制御ユニットが、振動の振動数および/または振幅を調整することによって、センサからの情報に応じて振動力を制御する、一連の振動サイクル(C)が開始される。第一表面が貫通されると、装置は、閉塞の新しい面または表面まで前進され、かつ新しい貫通サイクルが開始されてもよい。この方法により、閉塞の表面を段階的に貫通することができる。
【0092】
好ましくは、貫通サイクル(P)は、制御情報(振幅、振動数、および振動調整繰り返し回数に関する値)で制御ユニットを初期化した後で始まる。制御情報は、制御ユニットに組み込まれるか、またはオペレータが設定することができる。図6に示される実施形態では、制御ユニットは、オペレータから制御情報を受信する。オペレータは、初期(目標)変位量または振幅(A)、最大変位量(Amax)(安全性を考慮に入れて決める)、初期振動数(f)(プラーク密度の評価に基づいて決める)、最大振動数(fmax)、および最大繰り返し回数(Imax)を設定する。目標振幅は、例えば、約20μmと約200μmの間であり得る。最大振幅は、例えば、当業者に周知の内腔径などの要素に基づいてオペレータによって決定され得る。初期振動数(f)および最大振動数(fmax)は、例えば、貫通される特定の閉塞および使用されている装置またはシステムの物理的制約に基づいてオペレータによって決定され得る。制御ユニットは、好ましくは、振動力がその都度変更される繰り返し回数を計数するための繰り返し回数カウンターを有する。繰り返し回数(I)は、振動サイクル(V)の数の尺度ではなく、むしろ繰り返し回数は、振動数および/または振幅が増加された場合にのみ増加される。したがって、振動サイクル(C)は、得られた振幅(下記参照)に応じて、振動数および/または振幅の調整を含む或いは含まないものとすることができる。最大繰り返し回数値(Imax)は、安全評価尺度(下記で示されるように、振動力の増加を反映する)またはオペレータが貫通サイクルの成功を定期的に評価し、かつ必要に応じて処置を調整する手段のいずれか、または両方を提供し得る。貫通サイクル(P)における一連の振動サイクル(C)は、好ましくは、貫通サイクルが制御ユニットまたはオペレータのいずれかによって停止されるまで継続する。よって、本明細書において用いられる振動サイクル(C)の「始め(beginning)」または「開始(initiating)」とは、一連の振動における得られた振幅が制御情報と比較された後のポイントを意味する。振動サイクル(C)は、時間の単位長さまたは振動の回数に基づくものでよい。特に、振動サイクル(C)は、所定の時間の長さ(例えば、5秒または10秒)または所定の振動ピーク数(振動数×時間、例えば、閉塞衝突要素が閉塞面に接触した回数)とすることができる。
【0093】
図6で示される制御スキームの実施形態によると、制御情報を受信した後で、制御ユニットは、繰り返し回数(I)を0に設定する(ステップ1)。振動エネルギー源は、引張部材に加える引張力が発生させられ、振動サイクル(C)を始める(ステップ2)。動作振幅(A)を有する引張力は、遠位側へばねの静止位置を越える変位を発生させることが期待される。遠位側への変位、または得られた振幅(A)は、(好ましくはセンサを介して)測定され、定期的に伝送され、制御ユニットによって受信されて(ステップ3)、制御ユニットは、得られた振幅(A)を目標振幅(A)と比較する(ステップ4)。得られた振幅(A)が目標振幅(A)より小さい場合は、繰り返し回数(I)が加算され(ステップ5a)(すなわち、I+1)、そして動作振幅(A)および/または動作振動数(f)は、数式5に従って振動力を増加させるように増加される(ステップ6)。
【0094】
【数5】
【0095】
上記数式において、下付き文字「i」は、現在の繰り返し回数を示す。振動されたシステムの力は、数式4および5に示されるように、振動数の二乗および振幅に比例する。臨床の観点からは、低振幅、好ましくは約100μm(0.1mm)までの範囲、で作用するほうがよいと考えられている。したがって、閉塞貫通処置の安全性を維持するためには、振動数を上げることによって力を強めることの方がより好ましいが、装置の物理的構造により振動数に上限が課され得る。そのため、閉塞を貫通するための適切な力を得るために、振動数または振幅のいずれかを、制御情報で設定された最大値まで増加させてもよい。振幅および/または振動数のゲインは、繰り返し毎に約2%〜約5%だけ増加させてもよい。したがって、貫通サイクルにおける力の所与の総増加について、繰り返し回数の数は、使用されるゲインの割合に左右され得る。
【0096】
振動力が増加された後、繰り返し回数(I)は、最大繰り返し回数値(Imax)と比較され、動作振幅(A)および動作振動数(f)は、それぞれ最大振幅(Amax)および最大振動数(fmax)と比較される(ステップ7)。繰り返し回数(I)が最大繰り返し回数値(Imax)より小さい場合、または動作振幅(Ai)が最大振幅(Amax)よりも小さく、かつ動作振動数(f)が最大振動数(fmax)より小さい場合、次の振動サイクル(C)は、新しい動作振幅、新しい動作振動数、および新しい繰り返し回数で開始される(ステップ2)。得られた振幅(A)は、再び受信され(ステップ3)、初期(目標)変位量(A)と比較され(ステップ4)、サイクルは継続する。しかし、力を増加した後、繰り返し回数(l)が最大繰り返し回数値(Imax)より小さくなく、動作振幅(A)が最大振幅(Amax)より小さくなく或いは動作振動数(f)が最大振動数(fmax)より小さくない場合は、振動サイクル(C)および貫通サイクル(P)が停止され(ステップ8)、装置が内腔内に再配置されて、新しい貫通サイクルが開始または閉塞貫通が終了される。
【0097】
測定された変位量(得られた振幅、A)を目標振幅(A)と比較した(ステップ4)後、得られた振幅(A)が目標振幅(A)より小さくない場合は、得られた振幅(A)は、最大振幅(Amax)と比較される(ステップ5b)。得られた振幅(A)が最大振幅(Amax)より小さい場合は、繰り返し回数(I)が0に設定され(ステップ1)、新しい振動サイクルが同じ動作振動数(f)および動作振幅(A)などで開始される(ステップ2)。しかし、得られた振幅(A)が目標振幅(A)より小さくなく(ステップ4)、かつ最大振幅(Amax)より小さくない(ステップ5b)場合は、振動サイクル(C)および貫通サイクル(P)が停止され(ステップ8)、装置が内腔内に再配置されて、新しい貫通サイクルが開始または閉塞貫通が終了される。
【0098】
従って、本発明の装置の振動の振動数および振幅、ひいては振動力を制御する方法が提供される。一実施形態では、振動力を制御する方法は、図6に示されたスキームに基づいている。したがって、振動力を制御する1つの方法は、a)初期制御パラメータを受信するステップと、b)振動力(F)で穿孔部品を振動させるのに十分な振動エネルギー源による引張部材の少なくとも1回の引張および解放を含む振動繰り返しサイクルを開始するステップであって、前記引張部材は、ばね部材の遠位端に配置された穿孔部品に取り付けられるとともに、近位端で前記振動エネルギー源に取り付けられ、前記ばね部材は、近位端でカテーテルの遠位端に取り付けられ、前記カテーテルは前記引張部材を収容し、前記穿孔部品は、前記ばね部材の前記遠位端に取り付けられ、かつ前記引張部材の前記引張および解放は、前記ばね部材の圧縮および伸長をもたらすものであるステップと、c)前記振動繰り返しサイクルのために、得られた振幅値入力を受信するステップと、d)前記得られた振幅値に従って前記振動力を調整するステップと、を含む。一態様では、前記初期制御パラメータを受信するステップは、(i)目標振幅値入力の受信と、(ii)最大振幅値入力の受信と、(iii)初期振動数値入力の受信と、(iv)最大振動数値入力の受信と、(v)最大繰り返し回数値入力の受信とを含む。別の態様では、前記開始するステップは、(i)繰り返し回数をゼロに初期化することと、(ii)前記装置で前記振動繰り返しサイクルを開始することとを含み、前記少なくとも1回の引張および解放は、初期振動数および目標振幅で発生する。さらに別の態様では、前記調整するステップは、(i)前記得られた振幅値を目標振幅値および最大振幅値と比較することと、(ii)前記得られた振幅値が前記目標振幅値より小さい場合に、繰り返し回数を1増やし、前記得られた振幅値が前記目標振幅値より小さくない場合に、前記繰り返し回数を0に設定し、そして前記得られた振幅値が前記目標振幅値より小さくなく、かつ前記最大振幅値より小さくない場合に、前記振動繰り返しサイクルを停止することと、(iii)前記繰り返し回数が1増加された場合、新しい動作振動数(working frequency)(f)および/または新しい動作振幅(working amplitude)(A)を発生させるために、数式F=A×fに従って約2〜5%だけ振動数ゲインおよび/または振幅ゲインを増加することによって前記振動力を増加させること、を含む。さらなる態様では、前記方法は、e)前記繰り返し回数を最大繰り返し回数値と比較し、前記動作振幅を最大振幅値と比較し、かつ前記動作振動数を最大振動数値と比較するステップと、f)前記繰り返し回数が前記最大繰り返し回数値より小さい場合、または前記動作振幅が前記最大振幅値より小さく、かつ前記動作振動数が前記最大振動数値より小さい場合に、前記装置で新しい振動繰り返しサイクルを開始するステップと、g)前記繰り返し回数が前記最大繰り返し回数値より小さくない場合、および前記動作振幅が前記最大振幅値より小さくないか、または前記動作振動数が前記最大振動数値より小さくない場合に、前記振動繰り返しサイクルを停止するステップをさらに含む。この方法は、引張部材がばね部材に取り付けられる場合にも適用することができる。
【0099】
振動力を制御する別の方法は、a)初期制御パラメータを受信するステップと、b)振動力(F)で穿孔部品を振動させるのに十分な、引張部材の少なくとも1回の引張および解放を含む振動繰り返しサイクルを開始するステップと、c)前記振動繰り返しサイクルのために、得られた振幅値入力を受信するステップと、d)前記得られた振幅値に従って前記振動力を調整するステップと、を含む。制御情報を受信するステップは、(i)目標振幅値入力の受信と、(ii)最大振幅値入力の受信と、(iii)初期振動数値入力の受信と、(iv)最大振動数値入力の受信と、(v)最大繰り返し回数値入力の受信とをさらに含む。振動サイクルを開始するステップは、(i)繰り返し回数をゼロに初期化することと、(ii)前記装置で前記振動繰り返しサイクルを開始することとをさらに含み、前記少なくとも1回の引張および解放は、初期振動数および目標振幅で発生する。前記振動力を調整するステップは、(i)前記得られた振幅値を目標振幅値および最大振幅値と比較することと、(ii)前記得られた振幅値が前記目標振幅値より小さい場合に、前記繰り返し回数を1増やし、前記得られた振幅値が前記目標振幅値より小さくない場合に、前記繰り返し回数を0に設定し、そして前記得られた振幅値が前記目標振幅値より小さくなく、かつ前記最大振幅値より小さくない場合に、前記振動繰り返しサイクルを停止することと、(iii)前記繰り返し回数が1増加された場合、新しい動作振動数(f)および/または新しい動作振幅(A)を発生させるために、数式F=A×fに従って2〜5%だけ振動数ゲインおよび/または振幅ゲインを増加することによって前記振動力を増加させることを含む。振動力を制御する方法の本実施形態は、e)前記繰り返し回数を最大繰り返し回数値と比較し、前記動作振幅を最大振幅値と比較し、かつ前記動作振動数を最大振動数値と比較するステップと、f)前記繰り返し回数が前記最大繰り返し回数値より小さい場合、または前記動作振幅が前記最大振幅値より小さく、かつ前記動作振動数が前記最大振動数値より小さい場合に、前記装置で新しい振動繰り返しサイクルを開始するステップと、g)前記繰り返し回数が前記最大繰り返し回数値より小さくない場合、および前記動作振幅が前記最大振幅値より小さくないか、または前記動作振動数が前記最大振動数値より小さくない場合に、前記振動繰り返しサイクルを停止するステップと、をさらに含むものでもよい。
【0100】
別の実施形態では、この方法は、a)目標振幅値入力、最大振幅値入力、目標振動数値入力、最大振動数値入力、および最大繰り返し回数入力を受信するステップと、b)繰り返し回数を0に初期化するステップと、c)振動力(F)での繰り返しのために、穿孔部品を振動させるのに十分な、引張部材の少なくとも1回の引張および解放を含む振動繰り返しサイクルを開始するステップと、d)前記振動繰り返しサイクルのための得られた振幅値入力を受信するステップと、e)前記得られた振幅値を前記目標振幅値と比較するステップと、f)前記得られた振幅値が前記目標振幅値より小さい場合に、前記繰り返し回数を1だけ増やし、動作振動数(f)および/または動作振幅(A)を発生させるために数式F=A×fに従って振動数ゲインおよび/または振幅ゲインを2〜5%だけ増加することによって前記振動力を増加させ、次にステップ(j)に進むステップと、g)前記得られた振幅値が前記目標振幅値より小さくない場合に、前記得られた振幅値を前記最大振幅値と比較するステップと、h)前記得られた振幅値が前記最大振幅値より小さい場合に、前記繰り返し回数を0に初期化し、ステップ(c)で方法を再開するステップと、i)前記得られた振幅値が前記最大振幅値より小さくない場合に、ステップ(m)に進むステップと、j)前記繰り返し回数を前記最大繰り返し回数と比較し、前記動作振幅を前記最大振幅値と比較し、前記動作振動数を前記最大振動数値と比較するステップと、k)前記繰り返し回数が前記最大繰り返し回数より小さい場合、または前記動作振幅が前記最大振幅値より小さく、かつ前記動作振動数が前記最大振動数値より小さい場合、ステップ(c)で方法を再開するステップと、l)前記繰り返し回数が前記最大繰り返し回数より小さくない場合、および前記動作振幅が前記最大振幅値より小さくないか、または前記動作振動数が前記最大振動数値より小さくない場合に、ステップ(m)に進むステップと、m)前記振動繰り返しサイクルを終了するステップと、を含む。
【0101】
上記の実施形態は、単なる例示であり、制御ユニットが動作する方法を制限することを意図したものではない。振動の振動数および/または振幅を調整するためのあらゆる制御スキームを用いても良い。制御ユニットを操作するその他の方法は、本明細書における開示を考慮して当該技術分野の技術の範囲内とすべきである。例えば、制御スキームは、振動サイクルおよび貫通サイクルを停止する前に、得られた振幅が目標振幅よりも小さくなく、かつ1回以上の繰り返しについての最大振幅よりも小さくない場合、動作振幅を減少することによって振動力を減少させることを含み得る。
【0102】
上述したように、得られた振幅(A)を監視するいくつかの方法がある。閉塞硬度または閉塞貫通度を測定するための組織センサを使用すること、またはばね部材の遠位端の変位量を測定するための磁気センサを使用することで行うことができる。好ましくは、閉塞貫通処置は、最低限の力で開始し、この力は、組織の硬度に応じて徐々に増加される。また、閉塞硬度に関するフィードバックに基づいて必要とされる力を計算するために、制御アルゴリズムを使用してもよい。
【0103】
振動力を調整する方法を考慮して、血管閉塞(脈管閉塞)をトラバースする方法は、振動力を制御する上記の方法の実施形態を用いて、閉塞硬度に基づいて制御ユニットを介して振動の振動数および/または振幅を調整するステップをさらに含み得る。好ましくは、振動の振動数が、閉塞硬度またはばね部材の遠位端の変位量に関する情報に基づいて適切な力が得られるように調整される場合、装置はセンサを含み、閉塞硬度およびばね変位量は、センサからの情報から決定される。いくつかの実施形態では、調整ステップは手動で実行され得る。他の実施形態では、調整ステップは自動的に実行され得る。特に、上記方法は、血管(脈管)の慢性完全閉塞を治療することを含み得る。
【0104】
したがって、本発明は、一実施形態において、身体内腔の閉塞をトラバースする方法を含み、当該方法は、(a)前記閉塞を有する前記身体内腔に、ばね部材、穿孔部品、および引張部材を備えたカテーテルを導入するステップであって、前記ばね部材は、近位端および遠位端を有し、前記ばね部材は、その近位端で前記カテーテルの遠位端に取り付けられ、その遠位端で前記穿孔部品に付けられ、前記引張部材は、近位端および遠位端を有し、前記引張部材は、その遠位端で前記ばね部材の前記遠位端に位置する穿孔部品に取り付けられ、その近位端で振動エネルギー源に動作可能に接続され、前記振動エネルギー源は、前記引張部材を引張および解放することができるステップと、(b)前記穿孔部品が前記閉塞の第一面に接触するまで前記カテーテルを前進させるステップと、(c)前記振動エネルギー源を介して、前記穿孔部品を振動させるのに十分な、引張および解放という一連の単位動作(a series of pull and release units)を発生させるステップであって、当該一連の単位動作は、少なくとも1つの振動数および少なくとも1つの振幅を含むステップと、(d)前記閉塞の前記第一面を貫通するために前記穿孔部品の前記振動を使用するステップと、を含む。別の実施形態では、この方法は、(e)前記振動を停止するステップと、(f)前記閉塞の新しい面に接触するために前記カテーテルを前進させるステップと、(g)前記閉塞の前記新しい面が貫通されるまでステップ(a)〜(d)を繰り返すステップと、(h)前記閉塞が完全に貫通されるまでステップ(a)〜(g)を繰り返すステップと、をさらに含む。
【0105】
この方法は、閉塞硬度に基づいて、制御ユニットを介して、振動の前記少なくとも1つの振動数および/または前記少なくとも1つの振幅を調整するステップをさらに含み得る。1つの態様では、前記カテーテルはセンサを含み、前記閉塞の硬度は、前記センサからの情報から決定される。別の実施形態では、この方法は、前記穿孔部品の振動の振幅に基づいて、制御ユニットを介して、振動の前記少なくとも1つの振動数および/または前記少なくとも1つの振幅を調整するステップをさらに含む。一態様では、前記カテーテルはセンサを含み、振動の前記振幅は、前記センサからの情報から決定される。上記実施形態のいずれかのさらなる態様では、前記調整は手動で行われる。上記実施形態のいずれかのさらに別の態様では、前記調整は自動的に行われる。一態様では、前記身体内腔は血管である。
【0106】
上記説明によって明らかなように、装置およびシステムは、ガイドワイヤとの使用に互換性があり、このガイドワイヤは、身体内腔を通してカテーテルをガイドする、特に血管を通してカテーテルをガイドするのに有用である。硬いガイドワイヤは、血管閉塞を再疎通する技術分野で使用される。いくつかの場合では、医師は、血管閉塞を貫通するために硬いガイドワイヤを使用することを好むが、閉塞が特に困難で、おそらく安全が懸念事項である場合、貫通を行うための追加の手段を必要とする。本発明の装置およびシステムは、その追加の手段を提供する。本発明の装置およびシステムは、完全慢性閉塞を含む血管閉塞を貫通するために引張ワイヤ/ばね部材システムに加えて、硬いガイドワイヤの使用にも互換性がある。従って、本発明は、閉塞を貫通するために、ガイドワイヤの先端を使用することで上述した閉塞を貫通する方法を補うことで、身体内腔の慢性完全閉塞を治療する方法を含む。したがって、閉塞を治療する方法の1つの態様では、前記カテーテルは硬いガイドワイヤを含み、前記方法は、ステップ(c)〜(d)で交互に前記閉塞の前記面を貫通するために、前記硬いガイドワイヤを前進させることをさらに含む。別の態様では、閉塞の治療方法は、(c)前記振動エネルギー源を介して、穿孔部品を振動させるのに十分な複数の引張および解放サイクルを発生させるステップ(前記複数の引張および解放サイクルは、少なくとも1つの振動数および少なくとも1つの振幅を含み、かつ前記穿孔部品は、前記ばね部材の遠位端に位置している)と、(d)前記閉塞の前記第一面を貫通するために、前記穿孔部品の前記振動を使用するステップとを交互に行って、前記閉塞の前記面を貫通するために前記硬いガイドワイヤを前進させるステップをさらに含む。
【0107】
実施形態によって本明細書において特に示され説明された内容について、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、多くの変更、追加、改良、及びその他の適用が可能であることが、当業者によって理解されるであろう。したがって、以下の請求項によって定義される本発明の範囲は、すべての予測可能な変更、追加、改良又は適用を含むことを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6