(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技盤上に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機と、該遊技機での遊技に関する情報を表示する遊技情報表示装置とを備える遊技システムであって、
前記遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口と、
前記始動口に遊技球が入球すると、図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄表示部と、
前記始動口よりも上流側に設けられて、前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部から進入した遊技球が、前記始動口への入球が容易な入球容易排出部と、前記始動口への入球が困難な入球困難排出部とに振り分けられるステージと、
遊技球が前記ステージの前記入球容易排出部を経由することなく前記始動口に入球する第1経路と、
遊技球が前記ステージの前記入球容易排出部を経由して前記始動口に入球する第2経路と、
前記進入部から前記ステージに遊技球が進入したことを検知する第1検知部と、
前記ステージに進入した遊技球が前記入球容易排出部から排出されたことを検知する第2検知部と、
前記第1検知部で遊技球が検知されたことを示す進入信号を前記遊技情報表示装置に向けて送信する進入信号送信手段と、
前記第2検知部で遊技球が検知されたことを示す排出信号を前記遊技情報表示装置に向けて送信する排出信号送信手段と、
前記図柄表示部で前記図柄が変動表示されたことを示す図柄変動信号を送信する図柄変動信号送信手段とを有し、
前記遊技情報表示装置は、
前記図柄変動信号と、前記排出信号と、前記進入信号とを受信する受信手段と、
遊技球が前記第1経路または前記第2経路を経由して前記始動口に入球することによって前記図柄が変動表示した図柄変動回数と、遊技球が前記第2経路を経由して前記始動口に入球することによって前記図柄を変動表示させた回数と、前記ステージに遊技球が進入した回数とを、前記図柄変動信号と、前記排出信号と、前記進入信号とに基づいて表示する表示部とを有する
ことを特徴とする遊技システム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上述した本発明の実施例について説明する。以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.遊技ホールのネットワーク構成:
B.パチンコ機の構成:
B−1.装置前面側の構成:
B−2.遊技盤の構成:
B−3.制御回路の構成:
B−4.遊技の進行態様:
B−5.遊技制御処理:
B−6.信号の外部出力:
C.データ表示機の構成:
C−1.装置構成:
C−2.表示制御処理:
【0021】
A.遊技ホールのネットワーク構成 :
図1は、本実施例の遊技ホールのネットワーク構成を示す説明図である。
図1に示すように、遊技ホールには複数のパチンコ機1が設置されている。各パチンコ機1の左方には、遊技者の残金情報を管理するカードユニット60が設けられている。カードユニット60には、紙幣を受け付ける紙幣投入口と、遊技者が入力操作可能なタッチパネル式の操作パネルと、残金を記憶したカードを返却する返却口とが設けられている。カードユニット60はパチンコ機1と通信可能に接続されており、カードユニット60が管理する残金情報に基づいてパチンコ機1側で遊技球が貸し出される。
【0022】
各パチンコ機1の上方には、パチンコ機1毎の遊技に関するデータを表示するデータ表示機70が設けられている。データ表示機70は中継装置90を介してパチンコ機1およびカードユニット60と通信可能に接続されており、データ表示機70ではパチンコ機1およびカードユニット60から取得した情報に基づいて遊技に関するデータが表示される。尚、本実施例のデータ表示機70は、本発明における「遊技情報表示装置」に対応する。
【0023】
中継装置90は、2台のパチンコ機1、2台のカードユニット60および2台のデータ表示機70に対して1台設けられている。各中継装置90は、遊技ホールを管理するために必要な情報を管理するホールコンピュータ100とも通信可能に接続されており、ホールコンピュータ100では中継装置90を介してパチンコ機1およびカードユニット60から出力される情報が取得される。
【0024】
B.パチンコ機の構成 :
B−1.装置前面側の構成 :
図2は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。
図2に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aには合成樹脂製の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20(
図3参照)の遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部50(
図3参照)を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部50とは、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
【0025】
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。また、前面枠4の中央に大きく開口した窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、本体枠の下部の前面(遊技者から見てパチンコ機1の一番下の位置)には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
【0026】
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、パチンコ機1に対応して設けられたカードユニット60を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
【0027】
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(
図5参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニットに伝達され、発射装置ユニットに内蔵された発射モーターが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
【0028】
前面枠4の背面側には中枠および本体枠が設けられ、前面枠は、一端(
図2における左側)が中枠に対して回動可能に軸支されており、中枠は、一端(
図2における左側)が本体枠に対して回動可能に軸支されている。本体枠は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1はこの本体枠が島設備に取り付けられることで遊技ホールに設置される。中枠の前面側には遊技盤20が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠に対してパチンコ機1前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出された状態となる。
【0029】
B−2.遊技盤の構成 :
図3は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。
図3に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21の周囲には、発射装置ユニット261(
図5参照)から発射された遊技球を遊技領域21へ案内する案内通路が、外レール22と内レール23とによって形成されている。発射装置ユニットから発射された遊技球は、この案内通路を通過して遊技領域21に放出される。
【0030】
遊技領域21に放出された遊技球は、遊技領域21の上部から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
【0031】
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40のほぼ中央には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。
【0032】
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(
図5参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
【0033】
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口(始動口)である第2始動口25が設けられている。第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。
図3では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(
図5参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知することが可能となっている。
【0034】
また、遊技領域21において中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(
図5参照)が設けられている。
【0035】
また、遊技領域21における第1始動口24の右方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28(可変入球口)が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。
図3では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(
図5参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。
【0036】
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が入球可能な一般入球口30や、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイール31や多数の障害釘32が設けられている。遊技領域21の最下部であって第2始動口25の下方には、アウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、一般入球口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏面側に排出される。
【0037】
第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、一般入球口30、アウト口33から遊技盤20の裏面側に排出された遊技球は、排出球計数器49(
図11参照)にて計数される。排出球計数器49には、10個の遊技球が排出されると1回転する排出機構と、この排出機構が1回転したことを検知するアウト球検知センサーとが設けられており、アウト球検知センサーの検知によって排出球を10個単位で検出することが可能である。
【0038】
また、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24、第2始動口25、一般入球口30の何れかに遊技球が入球した場合は、3個の遊技球が遊技者に払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、13個の遊技球が遊技者に払い出される。払い出される遊技球が通過する通路には賞球検知センサー35s(
図5参照)が設けられており、払い出された遊技球を検知可能である。
【0039】
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(
図1参照)を通して遊技者に視認される。尚、セグメント表示部50の詳しい表示内容については、後述する遊技の進行態様において説明する。
【0040】
図4は、遊技球が第1始動口24へ到達する経路を示す説明図である。経路は、大別して2種類ある。中央装置40の外側(左側)を流下して第1始動口24へ到達する第1経路R1と、中央装置40の内側を流下して第1始動口24へ到達する第2経路R2である。
【0041】
図4(a)は、第1経路R1を示す説明図である。
図4(a)に示すように、第1経路R1は、中央装置40の左上方から中央装置40の外周を回り込んで第1始動口24へ到達する経路である。第1経路R1は、上述した風車型ホイールや多数の障害釘によって形成されており、遊技球はこれらの部材によって第1始動口24へ誘導される。但し、第1経路R1では、障害釘の間隔が遊技球の直径よりも広い部分もあり、この部分から落下して第1始動口24まで到達しないこともある。また、風車型ホイールが遊技球を第1経路R1外に誘導することがあり、この場合にも、遊技球は第1始動口24に到達しない。このため、中央装置40の内側を流下して第1始動口24へ向かう第2経路R2よりも第1始動口へ入球しにくい経路となっている。
【0042】
図4(b)(c)は、第2経路R2を示す説明図である。第2経路R2は、中央装置40の内側に形成された遊技球通路BAを通過する経路である。遊技球通路BAには、遊技領域21を流下する遊技球が進入可能な進入部42と、進入部42から進入した遊技球が排出される手前側排出部44および奥側排出部45が形成されている。遊技球通路BAは、進入部42から進入した遊技球をステージ43上に導く第1ワープW1と、ステージ43上に形成されたステージ領域SAとを有しており、進入部42から進入した遊技球は第1ワープW1を通過してステージ領域SAに到達し、ステージ領域SAに到達した遊技球は、手前側排出部44または奥側排出部45から排出される。尚、第2経路R2のうち、手前側排出部44から排出される経路を第21経路R21とも称し、手前側排出部44から排出される経路を第22経路R22とも称する。
【0043】
図4(b)では、第21経路R21が示されている。
図4(b)に示すように、手前側排出部44は、ステージ領域SAの前面側に形成されている。すなわち、第21経路R21は、遊技球が進入部42から進入すると、第1ワープW1を通過してステージ領域SAに到達し、遊技球がステージ領域SAの前面側から排出される経路となっている。
【0044】
図4(c)では、第22経路R22が示されている。
図4(c)に示すように、奥側排出部45は、ステージ領域SAの背面側に小さい開口部として形成されている。この奥側排出部45は、第2ワープW2に通じており、第2ワープW2を通過して第1始動口24の真上から排出される。すなわち、第22経路R22は、遊技球が進入部42から進入すると、第1ワープW1を通過してステージ領域SAに到達し、遊技球がステージ領域SAの奥側に形成された奥側排出部45から第2ワープW2に排出され、第2ワープW2を通過して第1始動口24の真上から排出される経路となっている。
【0045】
図4(b)(c)に示すように、第2ワープW2の出口は遊技球が第1始動口24に向けて排出されるように形成されているのに対し、手前側排出部44は第2ワープW2の出口と比較して、第1始動口24に対して左右方向に幅広く形成されており、排出される位置が安定しない構成となっている。このため、第22経路R22は、第21経路R21と比較して、遊技球が第1始動口24に入球し易い経路となっており、奥側排出部45は、手前側排出部44と比較して、排出された遊技球が第1始動口24に入球し易い排出口となっている。
【0046】
また、本実施例のパチンコ機1では、遊技球通路BAに進入した遊技球を検知する進入検知センサー42s、及び奥側排出部45から排出された遊技球を検知する排出検知センサー45sが設けられている(
図10参照)。
【0047】
B−3.制御回路の構成 :
図5は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(
図5におけるCPU201、221等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(
図5におけるROM202、222等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(
図5における203、223等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
【0048】
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、普通図柄作動ゲートを通過する遊技球を検知するゲートセンサー27s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、賞球検知センサー35sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、ゲートセンサー27s、大入賞口センサー28s、賞球検知センサー35sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。
【0049】
また、主制御基板200には、遊技球通路BAに進入した遊技球を検知する進入検知センサー42s、及び奥側排出部45から排出された遊技球を検知する排出検知センサー45sが接続されている。主制御基板200のCPU201は、進入検知センサー42sまたは排出検知センサー45sから遊技球の検知信号の入力があると、外部のデータ表示機70に向けて、遊技球通路BAに遊技球が進入したことを示す進入信号、又は遊技球が奥側排出部45から排出されたことを示す排出信号を送信する。
【0050】
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29mなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
【0051】
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対しては、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信し、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信したりすることによって、遊技の演出を行う。
【0052】
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(
図2では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信した場合も、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
【0053】
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
【0054】
B−4.遊技の進行態様 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で発射ハンドル9が回転されると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、
図3を用いて前述した遊技領域21に発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、遊技者は所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させる左打ちを行ったり、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させる右打ちを行ったりすることができる。
【0055】
<特別図柄の変動表示>
上述した第1始動口24には左打ちされた遊技球が入球可能となっている。左打ちされた遊技球が第1始動口24に入球し、その入球した遊技球が第1始動口センサー24sによって検知されると、所定の判定乱数(後述する大当り判定乱数、変動パターン選択乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、この大当り判定の結果に基づいて、第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。また、上述した第2始動口25には右打ちされた遊技球が入球可能となっている。右打ちされた遊技球が第2始動口25に入球し、その入球した遊技球が第2始動口センサー25sによって検知されると、所定の判定乱数(後述する大当り判定乱数、変動パターン選択乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、この大当り判定の結果に基づいて、第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。ここで、第1特図、第2特図について説明する。
【0056】
図6は、セグメント表示部50を拡大して示す説明図である。前述したように、セグメント表示部50は遊技盤20における遊技領域21の右下方に設けられており(
図3参照)、遊技者は前面枠4の小窓部4c(
図2参照)を通してセグメント表示部50を視認可能である。
図6に示すように、セグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52が設けられており、これらの表示部にはそれぞれ8個のLEDが配置されている。第1特図および第2特図(以下、これらを特に区別をしない場合は、まとめて「特別図柄」という)は、それぞれの表示部において、8個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、8個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、第1特図として、大当り図柄1〜100、外れ図柄101の101種類の図柄を停止表示可能であり、第2特図として、大当り図柄201〜300、外れ図柄301の101種類の図柄を停止表示可能である。また、これらの図柄の種類は、点灯するLEDの組合せの相違によって識別可能である。遊技球が第1始動口24に入球することに基づく大当り判定(以下「第1特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第1特図が大当り図柄1〜100の何れかで停止表示され、第1特図についての大当り判定の結果が外れである場合は、第1特図が外れ図柄101で停止表示される。また、遊技球が第2始動口25に入球することに基づく大当り判定(以下「第2特図についての大当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第2特図が大当り図柄201〜300の何れかで停止表示され、第2特図についての大当り判定の結果が外れである場合は第2特図が外れ図柄301で停止表示される。こうして特別図柄(第1特図または第2特図)を大当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから、所定の変動時間の経過によって当該変動表示が終了して、特別図柄が大当り図柄または外れ図柄で確定表示されるまでの遊技、すなわち1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」と表現する。
【0057】
第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄で停止表示されると、大入賞口28が開放状態となるラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を開始する。大当り遊技について詳しくは後述する。
【0058】
<特別図柄の保留>
遊技球が第1始動口24に入球すると、上述したように第1特図についての大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示は、遊技球が第1始動口24に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第1特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第1特図保留に基づいて大当り判定や第1特図の変動表示を行う。このような第1特図保留は4個を上限として記憶される。第1特図保留の記憶数(第1特図保留数)は、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53に表示される。すなわち、
図6に示すように、第1特図保留表示部53には2個のLEDが配置されており、この第1特図保留表示部53では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第1特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第1特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第1特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第1特図保留数が4個であることを示す。
【0059】
また、遊技球が第2始動口25に入球すると、上述したように第2特図についての大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示も、遊技球が第2始動口25に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第2特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第2特図保留に基づいて大当り判定や第2特図の変動表示を行う。このような第2特図保留も4個を上限として記憶される。第2特図保留の記憶数(第2特図保留数)は、セグメント表示部50の第2特図保留表示部54に表示される。すなわち、
図6に示すように、第2特図保留表示部54にも2個のLEDが配置されており、この第2特図保留表示部54では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第2特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第2特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第2特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第2特図保留数が4個であることを示す。
【0060】
尚、本実施例のパチンコ機1では、何れかの特別図柄の変動表示中や、何れかの特別図柄の確定表示中、大当り遊技中は、第1特図保留や第2特図保留が記憶されていても、これらの保留に係る大当り判定や変動表示は行わない。また、第1特図保留および第2特図保留のうち第1特図保留のみが記憶されている場合は、最先に記憶された第1特図保留に係る大当り判定および第1特図の変動表示を行うが、第2特図保留が記憶されている場合は第1特図保留が記憶されているか否かに拘わらず、最先に記憶された第2特図保留に係る大当り判定および第2特図の変動表示を行う。すなわち、第2特図を第1特図に優先して変動表示させる(いわゆる第2特図の優先変動機能を有する)。
【0061】
<特別図柄の変動パターン>
本実施例のパチンコ機1では、予め記憶された変動パターン選択テーブルを参照して特別図柄の変動パターンが選択される。変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)であり、各変動パターンには他の変動パターンと識別するための情報(変動パターンID)が付されている。また、変動パターン選択テーブルとは、複数の変動パターン(変動パターンID、変動時間)に上述した変動パターン選択乱数が割り振られたテーブルである。このような変動パターン選択テーブルを参照して、今回第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン選択乱数に対応する変動パターンを、今回の変動パターンとして決定する。
【0062】
また、変動パターン選択テーブルは1種類でなく、特図の種類(第1特図であるか第2特図であるか)、大当りの判定結果(大当りであるか外れであるか)、第1特図保留数または第2特図保留数、遊技状態に応じて複数種類用意されている。そして、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングで条件に応じた変動パターン選択テーブルが選択され、その変動パターン選択テーブルを参照して、変動パターン選択乱数に応じた変動時間が選択される。
【0063】
<大当り遊技>
上述したように、第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄で停止表示されると、大入賞口28が開放状態となるラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を開始する。上述した大入賞口28には右打ちされた遊技球が入球可能となっている。このため、大当り遊技中は右打ちが行われることとなる。
【0064】
本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類によって、1回の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数が異なる。すなわち、第1特図が大当り図柄1〜50で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、4回のラウンド遊技が行われる4ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄51〜90で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)、8回のラウンド遊技が行われる8ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄91〜100で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は10%の確率で)、16回のラウンド遊技が行われる16ラウンド大当り遊技が行われる。また、第2特図が大当り図柄201〜225で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は25%の確率で)4ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄226〜250で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は25%の確率で)8ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄251〜300で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)16ラウンド大当り遊技が行われる。
【0065】
本実施例のパチンコ機1において、1回のラウンド遊技は、9個の遊技球が入球した場合(9カウント)または30秒が経過した場合に終了するので、ほとんどの場合において1回のラウンド遊技では117個(9カウント×払出数13個)の遊技球が払い出される。従って、当然ながら、ラウンド遊技回数の多い大当り遊技の方が、ラウンド遊技回数が少ない大当り遊技よりも遊技者に多くの遊技球が払い出されることとなる。このため、ラウンド遊技回数の比較的多い大当り遊技が行われることを遊技者に期待させることができる。尚、このことは、遊技者にとっての有利度合が互いに異なる複数の大当り遊技(本発明における「特別遊技」に相当)を実行可能であると捉えることができる。
【0066】
上述した大当り遊技の実行中は、セグメント表示部50のラウンド表示部55に実行中の大当り遊技の種類(ラウンド遊技回数)が表示される。すなわち、
図6に示すように、ラウンド表示部55には3個のLEDが配置されており、このラウンド表示部55では、3個のLEDのうち左のLEDを点灯することで4ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、中のLEDを点灯することで8ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、右のLEDを点灯することで16ラウンド大当り遊技の実行中であることを示す。
【0067】
<普通図柄の変動表示、普図当り遊技>
上述した普通図柄作動ゲート27は右打ちされた遊技球が通過可能となっている。右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過し、その遊技球がゲートセンサーによって検知されると、所定の判定乱数(後述する普図当り判定乱数)を取得し、該判定乱数に基づいて普図当りであるか外れであるかを判定する普図当り判定を行う。そして、この普図当り判定の結果に基づいて、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる。
図6に示すように、セグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部56が設けられており、普図表示部56には2個のLEDが配置されている。普通図柄は、普図表示部56において、2個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、2個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、普通図柄として、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた普図当り図柄と、右のLEDを点灯させた普図外れ図柄の2種類の図柄を停止表示可能である。普図当り判定の結果が普図当りである場合は普通図柄が普図当り図柄で停止表示され、普図当り判定の結果が普図外れである場合は普通図柄が普図外れ図柄で停止表示される。こうして普通図柄を当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(確定表示)を行う。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が開放状態となった後に閉鎖状態となる普図当り遊技が行われる。
【0068】
<普通図柄の保留>
遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、普図当り判定や普通図柄の変動表示が行われるものの、これらの普図当り判定や変動表示は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を普図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した普図保留に基づいて普図当り判定や普通図柄の変動表示を行う。このような普図保留も4個を上限として記憶される。普図保留の記憶数(普図保留数)は、セグメント表示部50の普図保留表示部57に表示される。すなわち、
図6に示すように、普図保留表示部57には2個のLEDが配置されており、この普図保留表示部57では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで普図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで普図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで普図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで普図保留数が4個であることを示す。尚、本実施例のパチンコ機1では、普図保留が記憶されている場合において、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中、普図当り遊技中の何れでもなければ、最先に記憶された普図保留に係る普図当り判定および普通図柄の変動表示を行う。
【0069】
<遊技状態>
ここで、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態と、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態とが適宜設定される。これらのうち大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態は、「大当り判定において大当りと判定される確率が低い(299.9分の1の確率である)低確率状態」または「大当り判定において大当りと判定される確率が高い(60.0分の1の確率である)高確率状態」に設定される。また、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態は、「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態」に設定される。
【0070】
本実施例のパチンコ機1では、低確率状態と非電サポ状態とが設定された状態から開始される。そして、大当り遊技終了後に高確率状態と電サポ状態とが設定される。高確率状態と電サポ状態とが設定されるとき、これらの遊技状態が設定された状態で実行可能な図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)の回数(以下「高確回数」という)が90回に設定される。その後、図柄変動遊技が実行されるごとに高確回数が1ずつ減算され、0になると低確率状態と非電サポ状態とが設定される。また、高確率状態と電サポ状態とが設定された状態で大当り遊技が開始された場合においても、大当り遊技終了後に高確回数が90回に再設定される。
【0071】
ここで、セグメント表示部50には、上述した電サポ状態の設定中であることを示す電サポ表示部58が設けられている。すなわち、
図6に示すように、電サポ表示部58には、3個のLEDが配置されており、電サポ状態の設定中は、この3個のLEDを点灯することによって電サポ状態の設定中であることを示す。また、
図6に示すように、セグメント表示部50には、右打ちを行うことを示す右打ち表示部59が設けられている。電サポ状態の設定中は第2始動口25への遊技球の入球頻度が高く、且つ、第2始動口25は右打ちされた遊技球が入球可能であるので、電サポ状態の設定中は右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。また、大入賞口28も右打ちされた遊技球が入球可能であるので、大当り遊技中も右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。そこで、電サポ状態の設定中および大当り遊技中は、右打ち表示部59に配置された2個のLEDを点灯することによって右打ちを行うことを示す。
【0072】
<演出表示装置41の表示内容>
本実施例のパチンコ機1では、上述したような遊技の進行に合わせて、演出表示装置41に種々の画像を表示する演出を行う。例えば、演出表示装置41では、第1特図または第2特図の変動表示(図柄変動遊技)に合わせた各種の演出(以下「図柄変動演出」という)が行われる。すなわち、第1特図表示部51または第2特図表示部52にて特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)の開始タイミングと同期して、演出表示装置41においても3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を一斉に開始し、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング(特別図柄の停止表示)と同期して3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を終了する。本実施例のパチンコ機1では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄を表示可能である。
【0073】
図7(a)には、3つの識別図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄41aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、右識別図柄41cが停止表示され、最後に中識別図柄41bが停止表示される。これら演出表示装置41で停止表示される3つの識別図柄41a,41b,41cの組合せは、前述した第1特図表示部51または第2特図表示部52で停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示装置41の3つの識別図柄41a,41b,41cが同じ図柄となる図柄組合せ(以下「ゾロ目」ともいう)で停止表示される。また、第1特図または第2特図が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(以下「バラケ目」ともいう)で停止表示される。尚、停止表示された識別図柄41a、41b、41cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる(確定表示される)。
【0074】
このように、第1特図表示部51または第2特図表示部52で表示される特別図柄と、演出表示装置41で表示される3つの識別図柄41a,41b,41cとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の特別図柄が停止表示する際には、3つの識別図柄41a,41b,41cも停止表示するようになっている。しかも、
図3に示すように、演出表示装置41は、第1特図表示部51または第2特図表示部52(セグメント表示部50)よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置41の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、
図7(b)に示すように、演出表示装置41の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄41aと、続いて停止表示される右識別図柄41cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄41bも同じ図柄で停止して、「大当り遊技が開始されるのではないか」と、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように、2つの識別図柄を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。
【0075】
また、演出表示装置41の表示画面上の下部には、第1特図保留数を示すための第1保留表示領域41dと、第2特図保留数を示すための第2保留表示領域41eとが設定されている。本実施例のパチンコ機1では、第1保留表示領域41dに第1特図保留数と同数の「保留図柄(図中、小さい円形の図柄)」を表示することで第1特図保留数を示し、第2保留表示領域41eに第2特図保留数と同数の「保留図柄」を表示することで第2特図保留数を示す。従って、
図7に示す例では、第1特図保留数および第2特図保留数が共に4個であることが示されている。尚、当然ながら、演出表示装置41の表示画面上に表示された保留図柄によって示される保留数と、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53および第2特図保留表示部54にて示される保留数とは一致する。
【0076】
B−5.遊技制御処理 :
図8は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。遊技制御処理は、主制御基板200のCPU201によって、所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200のCPU201が行う遊技制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
【0077】
<出力処理>
図8に示すように、主制御基板200のCPU201は遊技制御処理を開始すると先ず、出力処理(S100)を行う。本実施例のパチンコ機1では、各種処理において、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドをRAM203に確保された出力バッファに記憶する。出力処理(S100)では、このように出力バッファに記憶された各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになり、払出制御基板240では、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しが行われることとなる。
【0078】
<入力処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、入力処理(S200)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、第1始動口24、第2始動口25、一般入球口の何れかに遊技球が入球した場合は3個の遊技球が払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は13個の遊技球が払い出される。そこで、入力処理(S200)の処理では、これらの入球を検知するセンサー類(第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s、進入検知センサー42s、排出検知センサー45s等)について、遊技球を検知したか否かを判断する。その結果、遊技球を検知している場合は、払い出す遊技球の数を示す払出コマンドを上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは次回の出力処理(S100)で払出制御基板240に向けて送信される。
【0079】
<乱数更新処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、乱数更新処理(S300)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、大当り判定や普図当り判定は所定の判定乱数に基づいて行われる。詳しくは、大当り判定は「大当り判定乱数」に基づいて行われ、普図当り判定は「普図当り判定乱数」に基づいて行われる。また、本実施例のパチンコ機1における特別図柄の変動表示は変動パターンに基づいて行われるが、この変動パターンは「変動パターン選択乱数」に基づいて選択される。また、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定結果が大当りである場合は、100種類の大当り図柄のうち何れかの大当り図柄が停止表示されるが、この大当り図柄の種類は「図柄選択乱数」に基づいて選択される。乱数更新処理(S300)では、これらの乱数を更新する。尚、これらの乱数の更新は、乱数更新処理(S300)においてだけでなく、遊技制御処理を終了してから次の遊技制御処理を開始する(次のタイマ割り込み)までの期間にも行うこととしてもよい。また、乱数更新の専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新することとしてもよい。
【0080】
<ゲートセンサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、ゲートセンサー検出処理(S400)を行う。このゲートセンサー検出処理(S400)では、普図保留を記憶する処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、ゲートセンサー27sの検知結果に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したか否かを判断する。その結果、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した場合は、普図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、普図保留数が4個に達していなければ、普図当り判定乱数を取得すると共に該普図当り判定乱数を普図保留として記憶する。普図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された普図保留記憶領域に記憶される。尚、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過していなかった場合や、普図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな普図保留は記憶しない。
【0081】
<始動口等センサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、始動口等センサー検出処理(S450)を行う。始動口等センサー検出処理(S450)では、先ず第1始動口センサー24sの検知結果に基づいて、遊技球が第1始動口24に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第1始動口24に入球した場合は、第1特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第1特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第1特図保留として記憶する。第1特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第1特図保留記憶領域に記憶される。尚、遊技球が第1始動口24に入球していなかった場合や、第1特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第1特図保留は記憶しない。
【0082】
こうして第1特図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第2始動口センサー25sの検知結果に基づいて、遊技球が第2始動口25に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第2始動口25に入球した場合は、第2特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第2特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第2特図保留として記憶する。第2特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第2特図保留記憶領域に記憶される。尚、遊技球が第2始動口25に入球していなかった場合や、第2特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第2特図保留は記憶しない。
【0083】
<普通動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、普通動作処理(S500)を行う。この普通動作処理(S500)では、普通図柄を変動表示させたり、普図当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合は、上述の普図保留記憶領域に普図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、普図保留記憶領域に普図保留が記憶されている場合は、記憶されている普図保留のうち最先に記憶された普図保留を読み出す。そして、読み出した普図保留、すなわち、普図当り判定乱数に基づいて普図当り判定を行う。
【0084】
普図当り判定を行ったら、該普図当り判定の結果が普図当りであるか否かを判断する。その結果、普図当り判定の結果が普図当りである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図当り図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の左のLED(
図6参照)を点灯させることを記憶する。これに対して、普図当り判定の結果が普図外れである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図外れ図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の右のLED(
図6参照)を点灯させることを記憶する。
【0085】
こうして、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の左のLEDを点灯させること、あるいは、普図表示部56の右のLEDを点灯させることを記憶したら、普通図柄の変動時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始する。そして、今回の普図当り判定の対象となった普図保留を普図保留記憶領域から消去する。
【0086】
以上は、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、普通図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の普通図柄を予め記憶しておいた態様で停止表示する。すなわち、普図当り判定の結果が普図当りであった場合は普図表示部56の左のLEDを点灯した状態とし(普図当り図柄を停止表示し)、普図当り判定の結果が外れであった場合は普図表示部56の右のLEDを点灯した状態とする(外れ図柄を停止表示する)。このように普通図柄が停止表示されたら、普通図柄の確定表示が開始されるので、普通図柄の確定表示時間を設定する。
【0087】
以上は、普通図柄の変動表示中である場合の処理について説明した。これに対して、普通図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された普通図柄が普図当り図柄(普図表示部56の左のLEDの点灯)であるか否かを判断する。その結果、停止表示された普通図柄が普図当り図柄であった場合は、普図当り遊技における第2始動口25の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定した後、普図当り遊技を開始する。
【0088】
以上は、普通図柄の確定表示中である場合の処理について説明した。これに対して、普図当り遊技中である場合は、上述の開放パターンで第2始動口25が開放状態・閉鎖状態となるように、始動口ソレノイド26mを制御して開閉扉26を動作させる。そして、この開放パターンに従う制御が終了したら普図当り遊技を終了する。
【0089】
ここで、本実施例のパチンコ機1では、上述したように、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態が「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態」に設定される。このような非電サポ状態および電サポ状態の設定は次のように実現される。
【0090】
すなわち、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が短く、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間が長く設定される。従って、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、第2始動口25が高頻度で開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高くなる(高頻度状態)。例えば、非電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の1の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の1の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を20秒に設定し、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間を0.3秒(0.1秒×3回開放)に設定する。これに対して、電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の99の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の99の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を1秒に設定し、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間を4.5秒(1.5秒×3回開放)に設定する。
【0091】
<特別動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、特別動作処理(S600)を行う。この特別動作処理(S600)では、特別図柄(第1特図または第2特図)を変動表示させたり、大当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、大当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄(第1特図または第2特図)の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、これらの何れでもない場合は、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第2特図保留のうち最先に記憶された第2特図保留(特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第2特図保留に含まれる特図当り判定乱数に基づいて特図当り判定を行う。詳しくは、低確率状態中であれば、「大当り」となる確率が400分の1である(第2特図保留として取得可能な特図当り判定乱数のうち400分の1の乱数を大当りとする)特図当り判定を行い、高確率状態中であれば、「大当り」となる確率が100分の1である(第2特図保留として取得可能な特図当り判定乱数のうち100分の1の乱数を大当りとする)特図当り判定を行う。
【0092】
これに対して、第2特図保留が記憶されていない場合は、今度は、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第1特図保留のうち最先に記憶された第1特図保留(特図当り判定乱数、図柄選択乱数、変動パターン選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第1特図保留に含まれる特図当り判定乱数に基づいて特図当り判定を行う。詳しくは、低確率状態中であれば、「大当り」となる確率が400分の1である(第1特図保留として取得可能な特図当り判定乱数のうち400分の1の乱数を大当りとする)特図当り判定を行い、高確率状態中であれば、「大当り」となる確率が100分の1である(第1特図保留として取得可能な特図当り判定乱数のうち100分の1の乱数を大当りとする)特図当り判定を行う。
【0093】
そして、特図当り判定の結果が「大当り」である場合は、今回読み出した第1特図保留または第2特図保留に含まれる図柄選択乱数に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する大当り図柄の種類を選択する。すなわち、本実施例のパチンコ機1では、第1特図としては大当り図柄1〜100を停止表示可能であり、第2特図としては大当り図柄201〜300を停止表示可能である。そこで、第1特図保留を読み出した場合は、大当り図柄1〜100に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブル(図示省略)を参照して、第1特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。また、第2特図保留を読み出した場合は、大当り図柄201〜300に図柄選択乱数が割り振られた大当り図柄選択テーブルを参照して、第2特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。尚、大当り図柄選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
【0094】
一方、特図当り判定の結果が「外れ」である場合においては、第1特図保留を読み出した場合は外れ図柄101を停止表示する図柄として選択し、第2特図保留を読み出した場合は外れ図柄301を停止表示する図柄として選択する。尚、停止表示する図柄として選択された大当り図柄または外れ図柄は、RAM203に確保された停止図柄記憶領域に記憶される。
【0095】
こうして停止表示する図柄を選択したら、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)の変動パターンを選択する。変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)であり、各変動パターンには他の変動パターンと識別するための情報(変動パターンID)が付されている。変動パターンを選択する処理では変動パターン選択テーブルを参照する。変動パターン選択テーブルとは、複数の変動パターン(変動パターンID、変動時間)に変動パターン選択乱数が割り振られたテーブルである。変動パターンを選択する処理では、このような変動パターン選択テーブルを参照して、第1特図保留または第2特図保留として今回読み出した変動パターン選択乱数に対応する変動パターンを、今回の変動パターンとして選択する。従って、各変動パターンが選択される確率は、取得可能な変動パターン選択乱数のうち各変動パターンに割り振られた乱数の割合によって決定される。
【0096】
このように選択された変動パターンは後述の変動パターン指定コマンドとして、サブ制御基板220に向けて送信される。サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、該変動パターン指定コマンドに基づいて今回の図柄変動遊技の変動パターンを認識し、認識した変動パターンに基づく(対応する)演出パターンで図柄変動演出を実行する。
【0097】
上述した変動パターンを選択する処理では、常時同じ変動パターン選択テーブルを参照するのではなく、種々の遊技進行状況に対応する変動パターン選択テーブルを参照する。詳しくは、特別図柄の種類(第1特図または第2特図)や、現在設定されている遊技状態、特図当り判定の結果、記憶されている第1特図保留および第2特図保留の数などに対応する変動パターン選択テーブルを参照する。こうすることで、種々の遊技進行状況に対応する変動パターンを選択可能となり、ひいては、サブ制御基板220のCPU221は種々の遊技進行状況に対応する演出パターンで図柄変動演出を実行可能となる。例えば、サブ制御基板220のCPU221は、特図当り判定の結果が「大当り」である場合は、リーチ演出の後に識別図柄41a,41b,41cをゾロ目で停止表示する図柄変動演出を実行する。また、特図当り判定の結果が外れである場合において所定の変動パターンが選択された場合はリーチ演出を行う(その後にバラケ目で停止表示させる)。尚、各変動パターン選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
【0098】
こうして、今回の特別図柄の変動表示にて停止表示させる図柄を選択すると共に、今回の特別図柄の変動表示の変動パターンを選択したら、特別図柄の変動表示を開始する。そして、今回選択された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動パターン指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。また、今回の特図当り判定の対象となった第1特図保留または第2特図保留を、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域から消去する。
【0099】
以上は、大当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、特別図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の特別図柄を予め停止図柄記憶領域に記憶しておいた図柄で停止表示する(確定表示を開始する)。このように特別図柄が停止表示されたら、特別図柄の確定表示が開始されるので、特別図柄の確定表示時間を設定する。そして、特別図柄を停止表示したことを示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動停止コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0100】
以上は、特別図柄の変動表示中である場合の処理について説明した。これに対して、特別図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された特別図柄が大当り図柄、外れ図柄の何れであるか否かを判断する。その結果、停止表示された特別図柄が外れ図柄であった場合は、「低確率・電サポ状態」が設定されているか否かも判断し、「低確率・電サポ状態」が設定されている場合は、「低確率・電サポ状態」が終了するまでの残りの図柄変動遊技回数(以下「残り電サポ回数」)を1回減算する。その結果、「残り電サポ回数」が0回になったら、「低確率・非電サポ状態」を設定する。このように遊技状態を設定した場合は、設定された遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0101】
これに対して、停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、大当り遊技における大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類などによって大当り遊技中のラウンド遊技の回数が異なる。従って、停止表示された大当り図柄の種類などに対応して大入賞口28の開放パターンを設定する。こうして大入賞口28の開放パターンを設定したら、大当り遊技を開始する。そして、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。この大当り遊技開始コマンドには、今回開始する大当り遊技の種類を示す情報も含まれている。出力バッファに記憶された大当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0102】
以上は、特別図柄の確定表示中である場合の処理について説明した。これに対して、大当り遊技中である場合は、上述の開放パターンで大入賞口28が開放状態・閉鎖状態となるように、大入賞口ソレノイド29mを制御して開閉扉29を動作させる。そして、ラウンド遊技の開始時には、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶し、ラウンド遊技の終了時には、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶される。このように出力バッファに記憶されたラウンド遊技開始コマンド、ラウンド遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0103】
また、上述の開放パターンに従う大入賞口ソレノイド29mの制御(開閉扉29の動作)が終了したら大当り遊技を終了する。そして、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶される。このように出力バッファに記憶された大当り遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。大当り遊技を終了したら、遊技状態を高確率状態且つ電サポ状態に設定する。このとき、高確回数は、何れの大当り図柄が停止表示された場合も90回に設定される。このように遊技状態を設定した場合は、設定された遊技状態(高確回数も含む)を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
【0104】
<保留数処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、保留数処理(S700)を行う。この保留数処理(S700)では、第1特図保留記憶領域に記憶されている第1特図保留の数、および、第2特図保留記憶領域に記憶されている第2特図保留の数を読み出して、これらの数を示す保留数伝達コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された保留数伝達コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の数や第2特図保留の数に対応する保留図柄を演出表示装置41に表示する等、これらの数に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。
【0105】
<中央装置センサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、中央装置センサー検出処理(S800)を行う。この中央装置センサー検出処理(S800)では、中央装置40に設けられた進入検知センサー42s、及び排出検知センサー45sの検知に基づいた処理が行われる。
【0106】
図9は、中央装置センサー検出処理(S800)のフローチャートを示す説明図である。
図9に示すように、中央装置センサー検出処理(S800)では、先ず、進入検知センサー42sの検知の有無に基づいて、遊技球が進入部42に進入したか否かを判定する(S801)。
図10(a)は、進入検知センサー42sが設置された中央装置40を示す説明図である。
図10(a)に示すように、第1ワープW1(遊技球通路BA)には、進入した遊技球を検知する進入検知センサー42sが設けられている。このため、第1ワープW1(遊技球通路BA)に遊技球が進入すると、進入検知センサー42sによって検知され、この検知信号が主制御基板200に入力される。遊技球が進入部42に進入したと判定した場合には(S801:yes)、進入信号をRAM203の出力バッファに記憶する(S802)。こうして出力バッファに記憶された進入信号は、次回の出力処理(S100)でデータ表示機70に向けて(パチンコ機1の外部に)送信される。
【0107】
進入信号を記憶した後、又は進入部42から遊技球が進入しなかったと判定した場合には(S801:no)、排出検知センサー45sの検知の有無に基づいて、遊技球が奥側排出部45から排出されたか否かを判定する(S803)。
図10(b)は、中央装置40の排出検知センサー45s付近の断面図である。
図10(b)に示すように、第2ワープW2には奥側排出部45から排出された遊技球を検知する排出検知センサー45sが設けられている。このため、奥側排出部45から遊技球が排出されると、遊技球は排出検知センサー45sによって検知され、この検知信号が主制御基板200に入力される。遊技球が奥側排出部45から排出されたと判定した場合には(S803:yes)、排出信号をRAM203の出力バッファに記憶する(S804)。こうして出力バッファに記憶された排出信号は、次回の出力処理(S100)でデータ表示機70に向けて(外部に)送信される。尚、排出信号を記憶した後、又は遊技球が奥側排出部45から排出されなかったと判定した場合には(S803:no)、本中央装置センサー検出処理(S800)を終了する。
【0108】
B−6.信号の外部出力 :
本実施例のパチンコ機1では、主に遊技に関する情報をパチンコ機1の外部で管理することができるように、遊技に関する情報などがパチンコ機1の外部に出力される。
図11は、パチンコ機1および上述した排出球計数器49から遊技に関する情報を含む信号が出力され、これらの信号が中継装置90を経由してデータ表示機70に入力される様子を概念的に示した説明図である。ここで、パチンコ機1および排出球計数器49から外部に出力される信号について説明する。
【0109】
まず、パチンコ機1から出力される信号について説明する。上述した賞球検知センサー35sによって10個の遊技球が検知された場合には、遊技球が10個払い出されたことを示す賞球信号が出力される。賞球信号は、賞球検知センサー35sによって10個の遊技球が検知される毎に賞球信号用端子から1パルス出力される。パチンコ機1外部の装置では、この賞球信号を入力することによって賞球として払い出された遊技球の数を10個単位で把握することができる。
【0110】
上述した特別図柄が停止表示された場合に、図柄変動遊技が終了したことを示す図柄確定信号が出力される。図柄確定信号は、図柄変動遊技が終了(特別図柄の確定表示が終了)する毎に図柄確定信号用端子から1パルス出力される。パチンコ機1外部の装置では、この図柄確定信号を入力することによって図柄変動遊技が終了したことを把握することができる。
【0111】
上述した大当り遊技中においては、大当り遊技であることを示す大当り信号が出力される。大当たり信号は、大当たり遊技中にHIレベルとなり、大当たり遊技以外の遊技中にLOWレベルとなるレベル信号として、大当り信号用端子から出力される。パチンコ機1外部の装置では、この大当り信号を入力することによって大当り遊技であるか否かを判定することができる。
【0112】
上述した高確率状態においては、高確率状態であることを示す確変信号が出力される。確変信号は、高確率状態中にHIレベルとなり、高確率状態以外の遊技状態中(低確率状態および大当たり遊技中)にLOWレベルとなるレベル信号として、確変信号用端子から出力される。パチンコ機1外部の装置では、この確変信号を入力することによって高確率状態であるか否かを判定することができる。尚、本実施例では電サポ状態が高確率状態と常に同時に発生するため、確変信号を入力することによって電サポ状態であるか否かについても判定することができる。
【0113】
上述した進入検知センサー42sによって遊技球が検知された場合には、遊技球が遊技球通路BAに進入したことを示す進入信号が出力される。進入信号は、進入検知センサー42sによって遊技球が検知される毎に進入信号用端子から1パルス出力される。パチンコ機1外部の装置では、この進入信号を入力することによって、遊技球が遊技球通路BAに進入したことを把握することができる。
【0114】
上述した排出検知センサー45sによって遊技球が検知された場合には、遊技球が奥側排出部45から排出されたことを示す排出信号が出力される。排出信号は、排出検知センサー45sによって遊技球が検知される毎に排出信号用端子から1パルス出力される。パチンコ機1外部の装置では、この排出信号を入力することによって、遊技球が奥側排出部45から排出されたことを把握することができる。
【0115】
続いて、排出球計数器49から出力される信号について説明する。排出球計数器49では、排出検知センサーによって排出機構の回転が検知された場合に、10個の遊技球が排出されたことを示す打込信号が出力される。打込信号は、排出検知センサーによって排出機構の回転が検知される毎に1パルス出力される。パチンコ機1外部の装置では、この打込信号を入力することによって排出された遊技球の数を10個単位で把握することができる。
【0116】
データ表示機70は、これらの信号を入力することによって、パチンコ機1での遊技に関する情報を表示させることが可能となっている。
【0117】
C.データ表示機の構成 :
C−1.装置構成 :
図12は、上述したデータ表示機70の正面図である。
図12に示すように、データ表示機70の略中央には液晶表示部71が設けられている。液晶表示部71では、パチンコ機1での遊技に関する各種情報が表示される。液晶表示部71の周囲には、左右上方にまたがって、パチンコ機1の遊技状態などを示すランプ72が設けられている。液晶表示部71の下方には、遊技ホールの従業員を呼び出すための呼出ボタン73が設けられている。呼出ボタン73が操作された場合には、従業員のインカムを通じて呼出ボタン73が操作されたデータ表示機70への音声案内がされるとともに、ランプ72が赤色で点灯される。また、呼出ボタン73の右方には、液晶表示部71の表示内容を切り替えるための操作ボタン74が設けられている。
【0118】
図13は、本実施例のデータ表示機70における制御回路の構成を示したブロック図である。
図13に示すように、データ表示機70の制御回路には、各種制御を行う制御基板80が設けられている。この制御基板80には、各種論理演算および算出演算を実行するCPU81や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM82、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM83などが搭載されている。
【0119】
データ表示機70の制御回路には、信号の入出力を行う入出力ポート84が設けられている。入出力ポート84は上述した中継装置90と接続されており、制御基板80は、入出力ポート84を介してパチンコ機1から出力される賞球信号、図柄確定信号、大当り信号、確変信号、進入信号、排出信号および排出球計数器49から出力される打込信号(以下これらの信号の一部または全部をまとめて「遊技信号」という)を入力することが可能となっている。制御基板80は遊技信号を入力することによってパチンコ機1での遊技に関する情報(以下「遊技情報」という)を特定することができる。
【0120】
制御基板80には、上述した液晶表示部71およびランプ72が接続されている。制御基板80では、パチンコ機1の遊技情報を液晶表示部71に表示させる制御や、ランプ72の点灯態様をパチンコ機1の遊技状態に応じて変更させる制御が行われる。また、制御基板80には、呼出ボタン73が接続されている。この呼出ボタン73が操作されると、遊技ホールの従業員を呼び出す信号を出力するとともに、ランプ72を赤色に点灯させる制御が行われる。更に、制御基板80には操作ボタン74が接続されており、制御基板80は、操作ボタン74の操作に応じて液晶表示部71の表示内容を変更させる制御を行う。
【0121】
C−2.表示制御処理 :
データ表示機70では、CPU81において液晶表示部71およびランプ72の点灯態様を制御する表示制御処理が実行される。
図14は、データ表示機70で実行される表示制御処理のフローチャートである。
【0122】
<賞球信号対応処理>
表示制御処理では、
図14に示すように、先ず賞球信号対応処理(S910)が実行される。賞球信号対応処理(S910)では、賞球信号の受信状況に基づいて、大当り遊技中の賞球数が算出される。すなわち、賞球信号対応処理(S910)では、先ず大当り状態中であるか否かの判断が行われ、大当り状態中である場合にはその大当り状態中に受信した賞球信号に基づいて大当り状態中の賞球数が計数される。賞球信号は、10個の賞球が払い出される毎に1パルス出力されるため、賞球信号の受信回数に10を乗じることで、賞球数を認識することができる。こうして特定された大当り状態中の賞球数は、液晶表示部71に随時更新して表示される。
【0123】
<図柄確定信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、図柄確定信号対応処理(S920)が実行される。図柄確定信号対応処理(S920)では、図柄確定信号の受信状況に基づいて、図柄変動遊技が実行された回数が更新される。上述したように、図柄確定信号は、図柄変動遊技が終了したことを示すので、図柄確定信号の受信回数に基づいて、図柄変動遊技が実行された回数を認識することができる。本実施例では、直近の大当り状態が終了してからの図柄変動遊技の実行回数が算出され、液晶表示部71に表示される。
【0124】
<大当り信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、大当り信号対応処理(S930)が実行される。大当り信号対応処理(S930)では、大当り信号の受信状況に基づいて、大当り状態中であるか否かの判定がされる。上述したように、大当り信号は、大当り状態以外の状態ではLOWレベルとなり、大当り状態中はHIレベルとなるため、HIレベルとなっている状態では大当り状態と判定し、LOWレベルとなっている状態では、大当り状態以外の状態であると判定する。また、大当り状態となった回数を計数することで、大当り状態の発生回数が特定され、液晶表示部71に表示される。
【0125】
<確変信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、確変信号対応処理(S940)が実行される。確変信号対応処理(S940)では、確変信号の受信状況に基づいて、高確率状態中であるか否かの判定がされる。上述したように、確変信号は、高確率状態中にHIレベルとなり、高確率状態以外の遊技状態中(低確率状態および大当たり遊技中)にLOWレベルとなるため、HIレベルとなっている状態では高確率状態と判定し、LOWレベルとなっている状態では低確率状態と判定する。
【0126】
<打込信号対応処理>
続いて、表示制御処理では、打込信号対応処理(S950)が実行される。打込信号対応処理(S950)では、打込信号の受信状況に基づいて、遊技盤20から排出された遊技球の数、すなわち、発射装置ユニット60から発射された遊技球の数が特定される。上述したように、打込信号は、10個の遊技球が遊技盤20から排出される毎に1パルス出力されるため、打込信号の受信回数に10を乗じることで排出された遊技球の数(発射された遊技球の数)を特定することができる。この打込信号対応処理(S950)が終了すると、後述の進入信号および排出信号対応処理(S960)が実行され、その後、賞球信号対応処理(910)に戻る。
【0127】
<進入信号および排出信号対応処理>
図15は、進入信号および排出信号対応処理(S960)のフローチャートである。
図15に示すように、進入信号および排出信号対応処理(S960)では、先ず、遊技球通路BAに遊技球が進入したか否かを判定するために、進入信号を受信したか否かを判定する(S961)。進入信号を受信した場合には(S961:yes)、遊技球通路BAに遊技球が進入したことを示しているので、遊技球通路BAに遊技球が進入した回数をカウントするために、遊技球通路BAに遊技球が進入した回数を示すRAM83の進入カウンタに1加算する。尚、進入カウンタの値は、当日分の進入回数が計数されるように、閉店処理時または開店処理時に0にクリアされる。進入カウンタに1加算した後、ステージワープ入球率を算出する(S963)。ステージワープ入球率とは、進入部42を通過してステージ43に到達した遊技球が奥側排出部45(第2ワープW2)から排出される確率である。本実施例では、遊技球通路BAに進入した遊技球は必ずステージ43に到達するため、進入カウンタの値がステージ43に到達した回数となる。また、奥側排出部45から遊技球が排出された回数は後述の排出カウンタによって計数される。従って、ステージワープ入球率は、排出カウンタの値を進入カウンタの値で除した値として算出される。ステージワープ入球率の算出後、ステージ到達回数およびステージワープ入球率が液晶表示部71に更新して表示される(S964)(
図16参照)。ステージ到達回数は、遊技球通路BAに遊技球が進入した回数を示すので、ステージ到達回数としては進入カウンタの値が表示される。
【0128】
ステージ到達回数およびステージワープ入球率の表示を更新した後、又は進入信号を受信しなかった場合には(S961:no)、奥側排出部45から遊技球が排出されたか否かを判定するために、排出信号を受信したか否かを判定する(S965)。排出信号を受信した場合には(S965:yes)、奥側排出部45から遊技球が排出されたことを示しているので、奥側排出部45から遊技球が排出された回数をカウントするために、奥側排出部45(第2ワープW2)から遊技球が排出された回数を示すRAM83の排出カウンタに1加算する(S966)。尚、排出カウンタの値は、当日分の排出回数が計数されるように、閉店処理時または開店処理時に0にクリアされる。排出カウンタに1加算した後、ステージワープ入球率を算出し(S967)、ステージワープ入球回数およびステージワープ入球率が液晶表示部71に更新して表示される(S968)(
図16参照)。ステージワープ入球回数は、奥側排出部45(第2ワープW2)から遊技球が排出された回数を示すので、ステージワープ入球回数としては排出カウンタの値が表示される。
【0129】
図16は、液晶表示部71での表示内容の一例を示す説明図である。
図16に示すように、液晶表示部71には、第1表示領域71aから第4表示領域71dまでの4つの表示領域が形成されている。
【0130】
第1表示領域71aでは、当日における大当り遊技の発生回数(大当)、当日における初当り回数(初当)、前回の大当り遊技が終了してから図柄変動遊技が実行された回数(スタート)が表示されている。第2表示領域71bでは、大当り遊技間に実行された図柄変動遊技の回数を100回単位で示すグラフが直近5回分まで表示されている。第3表示領域71cでは、遊技ホールがホールコンピュータで設定したメッセージが表示されている。また、操作ボタン74が操作されると、前日以前の遊技情報やさらに詳細な遊技情報などが表示される。
【0131】
第4表示領域71dでは、当日におけるステージワープ入球率が表示されている。また、ステージワープ入球率の下方には、ステージワープ入球回数およびステージ到達回数が表示されている。さらに、ステージワープ入球率が、ステージワープ入球回数をステージ到達回数で除した値であることが分かるように、ステージワープ入球回数を分子、ステージ到達回数を分母とした分数形式で表示されている。
【0132】
尚、進入部42が本発明の「進入部」に相当し、手前側排出部44および奥側排出部45が本発明の「排出部」に相当し、奥側排出部45が本発明の「特定の排出部」に相当し、進入検知センサー42sが本発明の「第1検知部」に相当し、排出検知センサー45sが本発明の「第2検知部」に相当し、主制御基板200が本発明の「第1送信手段」および「第2送信手段」に相当し、データ表示機70の制御基板80が本発明の「第1受信手段」および「第2受信手段」に相当し、「ステージワープ入球率」並びに「ステージ到達回数およびステージワープ入球回数」がそれぞれ「前記遊技球通路に進入した遊技球の中で前記特定の排出部から排出された遊技球の割合についての情報」に相当する。
【0133】
以上説明したように、本実施例では、ステージワープ入球率がデータ表示機70の液晶表示部71に表示される。このため、遊技者は、ステージワープ入球率を確認することで、遊技球通路BAに進入した遊技球が奥側排出部45から排出された割合を容易に把握することができる。このように、ステージ性能を示す客観的な指標が遊技者に提示されることとなるため、遊技者は、これを遊技機選択の新たな判断材料とすることが可能となる。
【0134】
また、本実施例では、ステージワープ入球率の分母となるステージ到達回数も併せて表示させるため、ステージ到達回数が大きいほどサンプル数が多く、信頼性の高い情報と判断することができる。
【0135】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0136】
本実施例では、「ステージワープ入球率」を表示し、さらに「ステージ到達回数およびステージワープ入球回数」も表示しているが、いずれか一方のみを表示する構成としてもよい。何れが表示された場合であっても、遊技者は、ステージワープ入球率を把握することが可能となる。
【0137】
本実施例では、「ステージワープ入球率」や「ステージ到達回数およびステージワープ入球回数」について、当日分のデータを表示する構成としたが、複数日分(例えば、過去3日分など)の累積データを表示する構成としてもよい。この構成によれば、サンプル数が多くなりやすくなるため、データの信頼性が高まる。また、日毎のデータを数日分記憶しておき、履歴表示できるようにしてもよい。
【0138】
本実施例では、「ステージワープ入球率」を具体的な数値で表示したが、「ステージワープ入球率」を示す記号や図形などを表示するようにしてもよい。例えば、ステージワープ入球率が0〜4%未満の場合には「×」、4%〜6%未満の場合には「△」、6%以上の場合には「○」のように表示してもよい。
【0139】
本実施例では、遊技者にとって有利な排出部から排出される確率を表示したが、遊技者にとって不利な排出部から排出される確率を表示する構成としてもよい。この構成によれば、遊技者は、遊技者にとって不利な排出部から排出される確率の低い遊技機を、自身にとって有利な遊技機であると判断することが可能となる。
【0140】
本実施例では、排出部が2つとなっているが、3つ以上であってもよい。
【0141】
本実施例では、各排出部から排出された遊技球が第1始動口24に入球する確率が異なるようにすることで、各排出部の有利度合いが異なるものとしたが、別の構成を採用することで各排出部の有利度合いが異なるようにしてもよい。例えば、排出部から排出された場合に、所定の利益(遊技球の払い出しや、大当り判定など)を付与するようにし、排出部によって、遊技球が排出された場合に付与する利益の大きさを異ならせるようにしてもよい。あるいは、特定の排出部から排出された場合にのみ、所定の利益(遊技球の払い出しや、大当り判定など)を付与するようにしてもよい。
【0142】
本実施例では、データ表示機70は中継装置90を介してパチンコ機1から出力された信号を受信する構成となっているが、パチンコ機1から直接受信する構成としてもよい。
【0143】
上記実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。