(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
道路等の消雪に関して、例えば、無散水消雪設備が知られる。無散水消雪設備は、消雪用配管を道路に埋設し、これに地下水を循環させることによって、直接、水を道路等に散水することなく、地下水の熱で雪を溶かして消雪するものである。
しかし、配管の内周面に付着物が堆積すると、地下水の循環量が減少し、放熱効果が低下し、消雪の機能が低下する。また、付着物の堆積量が多くなると、地下水を消雪用配管へ供給するポンプの過負荷につながり、ポンプ寿命が短くなる。そこで、消雪用配管内の付着物を除去するための洗浄を行っていた。洗浄方法としては、洗浄流体を配管内に供給し、水圧で付着物を内周面から剥離させて除去したり(「特許文献1」参照)、配管内に洗浄ボール等を入れて付着物に接触させることによって剥離させて除去したりすることが知られている(「特許文献2」参照)。
【0003】
消雪用配管を交換する場合には道路の舗装を剥離し、詰まった配管を撤去し、新しい配管を埋設する必要がある。したがって、配管の洗浄によって本来の消雪の機能を回復できるのであれば、これを交換する場合に比べて大幅にコストダウンを図ることができる。また、交換する場合には数週間〜数か月の工期がかかり、その間、道路の使用者は不便を強いられる。しかし、洗浄の場合には数十分しかかからないので、道路の使用者の負担も少なくすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消雪用配管は、地下水等が供給される揚水本管および集水本管と、これら揚水本管および集水本管の間に配置される複数の放熱管とを有する。放熱管は、複数の湾曲部を有するとともに、揚水本管および集水本管に比べてその径が小さく、かつ、全長が非常に長い。また、揚水本管、集水本管、放熱管およびこれら管の連結部分は、もともと高圧が作用することを前提としていないので、工場の排水を目的とした工場用配管等に比べて耐圧性が低い。
【0006】
特許文献1には、消雪用配管の付着物の洗浄方法に関し、ポンプ等によって洗浄用流体を放熱管へと供給し、流体の水圧によって付着物を除去する方法が開示される。しかし、放熱管は径が小さく長いから、配管内が高圧になりやすく、しかも付着物がある部分では急激に高圧になって、配管内に過剰な圧力が作用してしまう。配管の耐圧性は低いから、配管は圧力の過剰な上昇によって破損してしまう可能性があった。また、このような圧力の上昇によって揚水本管および集水本管と放熱管との連結部分が外れてしまう可能性もあった。配管内部は目視することができないから、付着物の量等を確認することができず、洗浄流体を供給してみないと、どのくらいの圧力上昇があるのか把握することは困難である。ところが、付着物は洗浄流体の水圧によって除去するものであるから、ある程度の圧力を作用させなければならず、これら二律背反の課題を同時に解決することが困難であった。多くの場合、消雪用配管の洗浄を断念し、新しいものへの交換が行われているのが現状である。
【0007】
特許文献2には、配管内に洗浄ボールを入れ、地下水を用いて移動させることによって付着物を除去する方法が開示される。しかし、付着物が部分的に多く付着し塊になってしまったようなところでは、洗浄ボールが付着物に引っ掛かり、却って配管を詰まらせる原因になりかねない。また、大量の付着物が配管内周面に堆積し管が詰まってしまった状態では、洗浄ボールを入れることすらできず、この方法による洗浄は不可能である。
【0008】
この発明は、洗浄流体を消雪用配管内に供給し洗浄する洗浄装置に関し、大量の付着物が堆積した状態であっても洗浄が可能であり、かつ、洗浄時において配管内の圧力が過剰に上昇するのを防止し、配管の損傷を予防することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、第1〜第4の発明を含む。
第1の発明は、道路等に埋設された消雪用配管の一方から洗浄流体を注入し、前記消雪用配管内を洗浄する消雪用配管の洗浄装置であって、
前記洗浄流体を高圧吐出する高圧ポンプに間接的または直接的に接続され前記消雪用配管に高圧の前記洗浄流体を供給する
流体注入手段を備え、前記流体注入手段は、
前記高圧ポンプに着脱可能に接続されるポンプ接続部と、前記消雪用配管に着脱可能に接続される配管接続部と、前記ポンプ接続部および前記配管接続部の間に位置し前記洗浄流体が流れるメイン流路と、前記メイン流路の圧力を測定する圧力計と、前記圧力計によって計測された圧力が一定値以上になった時に排圧する安全装置とを備えることを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、道路等に埋設された消雪用配管の一方から洗浄流体を注入し、前記消雪用配管内を洗浄する消雪用配管の洗浄装置であって、
前記洗浄流体を高圧吐出する高圧ポンプに間接的または直接的に接続され前記消雪用配管に高圧の前記洗浄流体を供給する
流体注入手段を備え、前記流体注入手段は、
前記高圧ポンプに着脱可能に接続されるポンプ接続部と、前記消雪用配管に着脱可能に接続される配管接続部と、前記ポンプ接続部および前記配管接続部の間に位置し前記洗浄流体が流れるメイン流路と、
前記メイン流路を開閉可能なメインバルブと、前記ポンプ接続部および前記メインバルブの間に位置し前記洗浄流体の圧力を調整可能な圧力調整部
とを備えることを特徴とする。
【0011】
前記流体注入手段は、前記消雪用配管の揚水本管または集水本管のいずれか一方に前記配管接続部を介して接続されてもよい。
【0012】
第3の発明は、道路等に埋設された消雪用配管の一方から洗浄流体を注入し、前記消雪用配管内を洗浄する
消雪用配管の洗浄方法であって、
前記洗浄流体を高圧吐出する高圧ポンプに間接的または直接的に接続され前記消雪用配管に高圧の前記洗浄流体を供給する
流体注入手段を用い、前記流体注入手段は、前記洗浄流体が流れるメイン流路と、前記メイン流路の圧力を測定する圧力計と、前記圧力計によって計測された圧力が一定値以上になった時に排圧する安全装置
とを備えるとともに、ポンプ接続部を前記高圧ポンプに着脱可能に接続し、配管接続部を前記消雪用配管に着脱可能に接続することを特徴とする。
【0013】
第4の発明は、道路等に埋設された消雪用配管の一方から洗浄流体を注入し、前記消雪用配管内を洗浄する
消雪用配管の洗浄方法であって、
前記洗浄流体を高圧吐出する高圧ポンプに間接的または直接的に接続され前記消雪用配管に高圧の前記洗浄流体を供給する
流体注入手段を用い、前記流体注入手段は、
前記洗浄流体が流れるメイン流路と、前記メイン流路を開閉可能なメインバルブと、前記メインバルブ上流に位置し前記洗浄流体の圧力を調整可能な圧力調整部
とを備えるとともに、ポンプ接続部を前記高圧ポンプに着脱可能に接続し、配管接続部を前記消雪用配管に着脱可能に接続することを特徴とする洗浄方法。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る洗浄装置およびこれを用いた洗浄方法によれば、流体注入手段を用いて消雪用配管内に洗浄用流体を注入することができる。流体注入手段には高圧ポンプからの流体の圧力を調整して供給することができる圧力調整部を設けたので、大量の付着物が堆積している場合であっても、配管内の圧力上昇に応じて洗浄用流体を供給することができ、配管を破損することなく洗浄することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の一実施形態における消雪設備1は、道路等のアスファルトの下に埋設して用いることができる。
図1によれば、消雪設備1を構成する消雪用配管10は、揚水井戸14から揚水ポンプ15によって地下水等が供給される揚水本管11と、消雪用配管10を循環した後の地下水を集水井戸16へと戻す集水本管12と、一端を揚水本管11に接続し、他端を集水本管12に接続した放熱管13とを有する。放熱管13は、実際には、図面横方向へ多数配置される。
【0017】
揚水本管11と放熱管13との連結部分には連結チューブ(図示せず)を介して三方切換弁17aが取り付けられ、同様に集水本管12と放熱管13との連結部分には連結チューブ(図示せず)を介して三方切換弁17bが取り付けられる。したがって揚水井戸14の地下水は揚水本管11を介して放熱管13へと供給され、放熱管13を通った地下水は集水本管12を介して集水井戸16へと戻される。
【0018】
放熱管13は、直径約15〜20mmであって、三方切換弁17aから三方切換弁17bまでの長さを約100mとすることができる。放熱管13は、複数の直線部18と、直線部18の間に設けられた複数の湾曲部19とを有し、直線部18が互いに平行になるようにされている。平行な直線部18の離間寸法は、約150〜200mmであって、湾曲部19の曲率半径Rは約75〜100mmである。
また、揚水本管11および集水本管12は、直径約50〜100mmであって、全長約500mとすることができ、複数の放熱管13を揚水本管11および集水本管に配設することができる。
【0019】
三方切換弁17aおよび三方切換弁17bは、それぞれ3つの開口部を有し、開口部の一つは放熱管13が取り付けられ、一つは揚水本管11または集水本管12が取り付けられ、一つは点検口として用いられる。点検口は通常、配管等が接続されることなく、三方切換弁17a、17b内部を目視できるようにしている。
三方切換弁17a,17bには流路の切換弁が設けられ(図示せず)、消雪用配管10に地下水を供給し融雪を行う消雪時には、揚水本管11、放熱管13および集水本管12が互いに連通するように切換弁が切り換えられる。また、切換弁によって、点検口および放熱管13を互いに連通することもできる。
【0020】
上記のような消雪設備1において、消雪時には、揚水本管11、集水本管12および放熱管13に揚水井戸14から揚水ポンプ15によって地下水を供給し、地下水の熱によって道路の雪を解かすことができる。消雪時において、点検管には蓋がされ、粉塵等が入らないようにしている。
【0021】
消雪用配管10にスケール等が付着した場合には、洗浄装置2を用いて付着物を除去することができる。
図2および
図3を参照すれば、洗浄装置2は、洗浄流体が貯留されたタンク21と、タンク21の洗浄流体を高圧吐出する高圧ポンプ22と、高圧ポンプ22に間接的または直接的に接続される流体注入手段23とを含む。流体注入手段23は、上流に位置する第1部材3と、下流に位置する第2部材4とを有する。第1部材3および第2部材4は、着脱可能にされ、連結時には水密に保持される。
【0022】
第1部材3は、高圧ポンプ22に接続されるポンプ接続部31と、第2部材4との第1連結部32とを有し、第2部材4は、消雪用配管10に接続される配管接続部41と、第1部材3との第2連結部42とを有する。第1連結部32および第2連結部42は、いわゆる迅速流体継手を用いることができ、第1部材3と第2部材4との着脱が容易であり、耐高圧とすることができる。洗浄装置2は、第1部材3および第2部材4を連結することによって、その内部において、ポンプ接続部31から配管接続部41へと連通するメイン流路5が形成される。
【0023】
第1部材3には、メイン流路5を開閉可能なメインバルブ33が設けられ、メインバルブ33を開位置にすることによって高圧ポンプ22からの洗浄流体を下流側へと供給する。メインバルブ33の上流側、すなわち、ポンプ接続部31とメインバルブ33との間には、圧力調整部34を設ける。圧力調整部34は、図面左右方向へ回転可能とされ、回転によって揚水ポンプ15からの流体の圧力を調整して下流へと供給することができる。具体的には、圧力調整部34としては、可変絞り弁を用いることができ、メイン流路5の流量を制御可能とする。
【0024】
第1部材3のメインバルブ33の下流側、すなわち、メインバルブ33と第1連結部32との間には、メインバルブ33から下流側の圧力を測定する圧力計35と、圧力計35によって計測された圧力が一定値以上になった時に排圧される安全装置36とを備える。安全装置36は、メイン流路5を外部へと連通可能なドレイン部36aと、ドレイン部36aとメイン流路5の間に設けられた切換弁36bと、排圧されるときの圧力値を設定することができる過負荷調整ハンドル36cとを備える。切換弁36bは、過負荷調整ハンドル36cによって設定された圧力が一定以上になった時、メイン流路5とドレイン部36aとを連通し、メイン流路5の排圧をおこなう。したがって、仮に、想定以上の圧力上昇があった場合であっても、消雪用配管10に過剰な圧力が作用するのを防止することができる。
【0025】
安全装置36の下流側、すなわち、安全装置36と第1連結部32との間には、圧抜きバルブ37を備える。圧抜きバルブ37は、メインバルブ33の閉位置において、メインバルブ33より下流側の圧抜きをすることができる。また、メインバルブ33の開位置において、圧抜きバルブ37にエアコンプレッサを接続すれば、洗浄流体にエアを混合させいわゆるバブル洗浄を可能とすることもできる。洗浄流体を供給せずに、エアのみを消雪用配管10へと送ることもできる。
【0026】
第2部材4の内部には、別途、液状の洗浄流体を注入したり、ピグ等の洗浄体6を注入したりして、これら洗浄流体および洗浄体を消雪用配管内へと加圧供給することもできる。第2部材4に注入される液状の洗浄流体としては、例えばポリアクリル酸ナトリウムの高分子ポリマー溶液等の粘性流体や、界面活性剤等を用いることができる。
【0027】
上記のような構成の流体注入手段23において、第2部材4の配管接続部41が、三方切換弁17aまたは17bのいずれか一方の点検口に挿入され、洗浄流体が注入されることによって、放熱管13の洗浄をすることができる。具体的には、配管接続部41には雄ネジが形成され、点検管の内側にはこれに対応する雌ネジが形成され、これらを螺合することによって、流体注入手段23を三方切換弁17a,17bの点検口に取り付けることができる。流体注入手段23を点検口に取り付ける際には、第1部材3と第2部材4とを分離し、第2部材4のみを消雪用配管10に取り付けることによって、容易に取り付け作業をおこなうことができる。
【0028】
放熱管13の洗浄をする際には、三方切換弁17aの切換弁を操作し、揚水本管11と放熱管13との連通を遮断し、かつ、放熱管13と点検口とを連通する。また、三方切換弁17bの切換弁を操作し、集水本管12と放熱管13との連通を遮断し、かつ、放熱管13と点検口とを連通する。このように三方切換弁17a,17bを切り替えることによって、揚水本管11および集水本管12を介すことなく、一方の点検口から他方の点検口へと洗浄水を供給することができる。
【0029】
例えば、三方切換弁17aに流体注入手段23を接続した場合には、三方切換弁17bに流量計を備えた排水管を取り付けることができる。具体的に、排水管は流量計を備えた流体注入手段23の第2部材4と同様の部材と、この部材に水密に着脱可能なホースとを備える。流体注入手段23によって放熱管13を洗浄したとき、排水管からはスケール等を含む流体が流出するが、これをホースを介して回収することによって道路等を汚すのを防止する。また、排水管に流量計を設けることで、洗浄前の流量と、洗浄後の流量との比較をすることができ、洗浄による効果確認を容易に行うことができる。
【0030】
消雪用配管10の洗浄において、流体注入手段23には、圧力調整部34を備えているから、消雪用配管10内にスケール等が堆積して流路が狭くなり洗浄流体の供給によってその内部圧力が上昇したような場合には、即座に高圧ポンプ22からの供給量を減少させ、圧力の上昇を抑えることができる。
【0031】
また、メイン流路5には圧力計35を備えているので、圧力を目視しながら圧力調整部34を操作することができる。消雪用配管10において放熱管13はその径が小さく、全長が長いので圧力が上昇しやすい。また、消雪用配管10の内部にスケール等が堆積している場合であっても、その内部を目視で確認することができず、流体を供給してみなければどのくらいの圧力上昇があるのか分からないのが現状であるが、この流体注入手段23によれば、圧力計35を備えるとともに、圧力調整部34を備えることによって、急激な圧力上昇を抑制することができる。急激な圧力上昇を抑制することで、消雪用配管10の破損を予防することができる。具体的には、揚水本管11、集水本管12および放熱管13に亀裂が発生するのを予防し、これら管が接合部分から外れるのを予防することができる。
【0032】
仮に圧力調整部34での調整が遅れたりしてメイン流路5の圧力が上昇してしまった場合であっても、流体注入手段23には安全装置36を備え、一定圧以上になった時には排圧されるようにしているので、消雪用配管10の圧力が過剰に上昇するのを予防することができる。
【0033】
上記のような流体注入手段23を用いて消雪用配管10を洗浄する方法について説明する。放熱管13を洗浄する場合、三方切換弁17aおよび17bを切換えて揚水本管11および集水本管12と放熱管13との連通を遮断し、それぞれ点検口と放熱管13とを連通させる。このような点検口であって、例えば三方切換弁17a側には流体注入手段23を取り付け、三方切換弁17b側には排水管を取り付ける。放熱管13に最初に洗浄流体を注入する第1段階において、流体注入手段23の圧力調整部34によって、供給圧力が徐々に高くなるように調整する。この段階でスケールの量は未知であり、急激な圧力上昇を避けるためである。洗浄流体としては、例えば水道水を用いることができる。
【0034】
第1段階において、放熱管13内にほとんど洗浄流体が通過せず、スケール等の付着物によって閉塞された状態にある場合には、三方切換弁17aに取り付けた流体注入手段23を三方切換弁17bに付け替え、洗浄流体を逆流させるようにしてもよい。このように洗浄流体を逆流させることによってスケールが押し流される可能性があるからである。
【0035】
また、第1段階においてほとんど洗浄流体が通過しない場合には、流体注入手段23の第1部材3を第2部材4から外し、第2部材4に位置するメイン流路5に別途、高分子ポリマー溶液等の粘性流体や界面活性剤を入れ、放熱管13に供給するようにしてもよい。具体的には、第2部材4内に適量の粘性流体等を入れた後、第1部材3を再び連結し、タンク21からの洗浄流体を圧送することによって、粘性流体を放熱管13に供給することができる。このように粘性流体等を用いることによって、詰まりが解消される可能性がある。
さらに、消雪用配管10が付着物で閉塞された場合には、圧抜きバルブ37にエアコンプレッサを接続し、洗浄流体にエアを混合させバブル洗浄することもできる。バブル洗浄によって詰まりが解消される可能性もある。
【0036】
上記第1段階において、ある程度の流体の通過が認められたら、第2段階に進む。第2段階では、ピグ等の洗浄体6を用いる。洗浄体6は、放熱管13よりも径の小さい小径洗浄体を用いる。このように第2段階において小径洗浄体を供給することによって消雪用配管10内のスケール等が除去される。
【0037】
第3段階では、小径洗浄体よりも径の大きい大径洗浄体を用い消雪用配管10の洗浄をおこなう。大径洗浄体は、その径が放熱管13の径よりも大きい寸法である。このように径の大きい洗浄体6を用いることによって、放熱管13の内周に密着しながら移動することができるので、スケール等をより多く取り除くことができる。
上記のような小径洗浄体および大径洗浄体は、例えば発泡性ポリウレタン等の弾性体を用いることができる。小径洗浄体および大径洗浄体の形状は、円柱形を有するとともに進行方向に向かって径が小さくなるように傾斜しているものが好ましい。また、小径洗浄体および大径洗浄体の直径および長さは、三方切換弁17a,17bおよび放熱管13の湾曲部19を通過できるような寸法にすることが望ましい。
【0038】
上記のように第1段階、第2段階および第3段階を経て洗浄することによって、放熱管13が高圧になるのを防ぐことができ、かつ、多くの付着物を除去することができる。ただし、付着物の量が少ない場合には、第1段階および第2段階を省略することもできるし、付着物の状態によってはいずれか一つの段階のみを採用することもできる。また、いずれかの段階の洗浄を複数回おこなうこともできる。
【0039】
次に第4段階の処理について説明する。第4段階の処理は、第1〜第3段階の処理とは別におこなうものである。
消雪設備1は、降雪のある季節のみ消雪用配管10に地下水を流通させ、この季節が終わると地下水の流通が止められるようになっている。しかし、地下水が消雪用配管10に留まったまま次の季節まで放置されることによって、付着物の堆積は進行してしまう。そこで、地下水の流通を止めるときには、消雪用配管10から地下水を抜くことが望ましい。第4段階は、地下水を抜くための処理である。
【0040】
第4段階では、第1段階と同様に、三方切換弁17aおよび17bを切換えて揚水本管11および集水本管12と放熱管13との連通を遮断し、それぞれ点検口と放熱管13とを連通させる。このような点検口であって、例えば三方切換弁17a側には流体注入手段23を取り付け、三方切換弁17b側には排水管を取り付ける。流体注入手段23は第1部材3と第2部材4とを分離し、第2部材4のみを点検口に装着し、第2部材4の内部に水分拭取用のピグ等の拭取洗浄体を入れる。拭取洗浄体は、その径が放熱管13の径よりも大きい寸法である。このように径の大きい洗浄体を用いることによって、放熱管13の内周に密着しながら移動することができるので、放熱管13内部の水分を拭取りながら移動することができる。拭取洗浄体は、例えばスポンジ等の多孔性物質を用いることができ、その形状は、円柱形を有するものが好ましい。
【0041】
第2部材4の内部に拭取洗浄体を入れたら、第1部材3を連結する。高圧ポンプ22はタンク21には接続せず、水等の液体の洗浄流体ではなくエアが流体注入手段23に供給されるようにする。または、メインバルブ33を閉位置にし、圧抜きバルブ37からエアコンプレッサでエアを供給する。このようにエアを供給することによって、消雪用配管10の水抜きをすることができる。さらに、拭取洗浄体で配管内の水分を拭取ることができるので、配管内における水分の残留を防ぎ、付着物の発生を抑制することができる。消雪設備の未使用期間をこのように保管することによって、次の降雪の季節には詰まりのない消雪用配管10によって効率的に道路等の消雪をすることができる。
【0042】
この実施形態の洗浄装置2によれば、消雪用配管10が過剰に高圧になるのを予防することができ、かつ、配管内の十分な洗浄をすることができる。したがって、消雪用配管10の詰まりによって消雪機能が低下した消雪設備1であっても、配管の交換をすることなく、安価かつ短期間でその機能を回復させることができる。この実施形態において、消雪用配管10の放熱管13の洗浄について詳細に説明したが、揚水本管11および集水本管12と放熱管13とを連結チューブで連結しているような場合には、連結チューブも洗浄することができる。また、三方切換弁17a,17bを切換えることによって、揚水本管11および集水本管12を洗浄することもできる。
【0043】
流体注入手段23は、三方切換弁17a,17bの点検口を利用して設置することができるので、洗浄のために消雪用配管10を加工する必要がない。流体注入手段23は、第1部材3および第2部材4に分割可能であるので、消雪用配管10への取り付けが容易であるとともに、第2部材4内に別途、洗浄流体や洗浄体を挿入し、これを消雪用配管へと供給することができる。
【0044】
洗浄装置2を構成する各構成部材には、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている、各種の公知の材料を制限なく用いることができる。
本発明の明細書および特許請求の範囲において、用語「第1」および「第2」は、同称の要素、位置等を単に区別するために用いられている。