(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0013】
〔実施形態1〕
図1は本発明による歩行訓練装置の実施形態1を示す平面図である。
図2は発明による歩行訓練装置の実施形態1を示す側面図である。
図1及び
図2に示されるように、歩行訓練装置10は、手摺り12と、手摺り12の両端に設けられた一対の把持部14L、14Rと、一対の把持部14L、14Rを支持するフレーム16と、フレーム16の底部に設けられた複数の車輪18と、3Dビデオカメラ(撮像手段)40とを有する。一対の把持部14L、14Rは、上方からみるとU字状に形成された手摺り12の両端に設けられ、水平方向(後方)に平行に延在しており、訓練者Pの体重を支える支持部として訓練者Pに把持される。また、訓練者Pの正面に位置する手摺り12の中間位置には、制御装置20と、液晶モニタ(表示手段)30と、スピーカ(報知手段)32とが取り付けられている。
【0014】
さらに、フレーム16の正面中央に起立する支柱17には、訓練者Pの下肢の歩行動作を立体的な3D画像として撮像する3Dビデオカメラ(撮像手段)40が搭載されている。また、歩行訓練装置10の支柱17には、撮像データを記憶する記憶装置50が搭載されている。3Dビデオカメラ40は、訓練者Pの正面の支柱17に固定されたブラケット15に保持され、ブラケット15に対して正面から当該訓練者Pの下肢(腰から下の両脚の足まで)を撮像するように取付角度が調整されている。
【0015】
また、3Dビデオカメラ40は、左目用レンズと右目用レンズとが並列に設けられ、左目用画像と右目用画像とを同時に撮像可能な構成になっている。尚、3Dビデオカメラ40の代わりに通常のビデオカメラ複数台を並列に設ける構成としても良い。記憶装置50は、大容量の磁気ディスク装置またはメモリカードなどからなり、3Dビデオカメラ40により撮像された撮像データを随時記憶する。
【0016】
訓練者Pは、U字状に形成された手摺り12の内側に入り、左右両側に位置する各把持部14L、14Rを左手、右手で上方から把持する。各把持部14L、14Rの付け根部分には、把持部14L、14Rに付加された力(荷重)を検出する一対の力検出センサ60L、60Rが設けられている。一対の力検出センサ60L、60Rは、手摺り12の外周に歪みゲージを貼り付けた構成であり、把持部14L、14Rに付加された力(荷重)に応じた電圧を検出信号として出力する。
【0017】
また、フレーム16は、底部に車輪18を有するU字状に形成された車輪支持部19を有する。車輪支持部19は、手摺り12よりも外側に装架されるため、訓練者Pの歩行動作を妨げないように配置されている。
【0018】
図3は実施形態1の制御系の構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、制御装置20は、3D画像データ生成部72と、時系列画像データ生成部74と、3D画像データ抽出部76と、骨格画像データ生成部78と、画像データ判定部80と、モニタ出力部82と、スピーカ出力部84とを有する。また、制御装置20は、力検出センサ60L、60Rの検出信号を増幅する増幅器86と、力比較部88と、力判定部90とを有する。
【0019】
3D画像データ生成部72は、3Dビデオカメラ40により撮像された左目用画像データと右目用画像データをセットにして所定時間間隔の各撮像フレーム毎の画像データとして生成する。時系列画像データ生成部74は、3D画像データ生成部72で生成された各撮像フレームF1〜F3(
図7(A)〜(C)参照)の画像データを時系列的に並べた時系列画像データを生成する。この時系列画像データは、予め設定された所定時間間隔(例えば、1.0秒〜3秒間隔)の各時間をデータアドレスとして左目用画像データと右目用画像データとをセットにしたデータであり、例えば訓練開始からの経過時間を指定することで任意の時間の画像データを抽出することができる。従って、時間を指定した時系列画像データを再生することで、当該訓練者Pの歩行訓練の動作を各時間毎の歩行動作に分解した3D画像を液晶モニタ30に表示できる。また、時系列画像データ生成部74では、所定時間間隔の設定時間により3D画像データ生成部72で生成された各撮像フレームを間引くため、その分演算処理に負担を軽減して、処理速度を高めている。すなわち、3Dビデオカメラ40により撮像された1分間当たり撮像フレーム数(例えば、60コマ)より少ない撮像フレーム数(例えば、1分間当たり15〜30コマ)に減らして演算処理にかかる負担が軽減される。
【0020】
3D画像データ抽出部76は、記憶装置50に記憶された時系列画像データ(画像データ)を任意の時間毎あるいは指定された時間の時系列画像データを随時抽出する。骨格画像データ生成部78は、3D画像データ抽出部76により抽出された時系列画像データに基づいて訓練者Pの骨格動作を表す骨格データ(左目用画像データと右目用画像データを含む)を生成する。訓練者Pは、服を着用して歩行訓練を行っている。そのため、3Dビデオカメラ40により撮像された画像データからは、当該訓練者Pの脚の骨及び関節がどのように動いたかを判定することは難しい。
【0021】
そこで、骨格画像データ生成部78は、時系列画像データの各撮像フレームF1〜F3の画像データに基づいて当該訓練者Pの骨格に相当する骨格画像データK1〜K3を生成し、各撮像フレームF1〜F3に骨格画像データK1〜K3を重畳した各撮像フレームG1〜G3(
図8(A)〜(C)参照)を生成する。
【0022】
この骨格画像データは、所謂モーションキャプチャ(motion capture)と同様な画像処理によって作成されるが、本実施形態では、当該訓練者Pの身長、体重、腰回り、膝下、大腿部の太さなどの数値の組み合わせから体形に応じた股関節、膝関節、足首、大腿骨、頸骨の位置を推測し、推測結果を骨格画像データK1〜K3として表示する。
【0023】
尚、記憶装置50に格納されたデータベースには、予めモデルとなる複数の体形の各身長、体重、腰回り、膝下、大腿部の太さなどの数値が登録されている。そのため、データベースに登録された複数のモデルの中から当該訓練者Pの体形に近いモデルを選択し、選択されたモデルの各寸法から近似値による股関節、膝関節、足首、大腿骨、頸骨の位置を推測した骨格画像データK1〜K3を各撮像フレームF1〜F3に重畳して各撮像フレームG1〜G3を表示する。従って、骨格画像データ生成部78は、
図8(A)〜(C)に示されるように、骨格画像データK1〜K3を作成するのに精密な演算処理を行わず、当該訓練者Pの体形に近いデータをデータベースに登録されたデータに基づいて骨格画像データK1〜K3を組み合わせる。そのため、骨格画像データ生成部78の演算処理に負担を軽減して、処理速度が高められている。
【0024】
画像データ判定部80は、骨格画像データに基づいて左右股関節の高さ位置、左右膝関節の回動角度を演算し、当該演算結果から歩行動作が正常か異常かを判定する。画像データ判定部80による判定処理では、例えば、左右股関節の高さ位置が左右対称か、左右膝関節の回動角度が左右対称であるか、股関節及び膝関節の動作角度を求め、動作角度が一定か否かに基づいて歩行動作が正常か異常かを判定する。
【0025】
尚、画像データ判定部80においては、骨格データの生成を省略して3D画像データ抽出部76により抽出された時系列画像データに基づいて行動作が正常か異常かを判定しても良い。この場合、訓練者Pの両脚の骨格の動きを想定できないので、例えば、当該訓練者Pが肥満体型の場合は外観からの判定となるため、判定結果の誤差が大きくなる。
【0026】
骨格画像データ生成部78で生成された骨格画像データは、モニタ出力部82を介して液晶モニタ30に表示される。また、画像データ判定部80の判定結果は、スピーカ出力部84を介してスピーカ32より音声で報知される。例えば、当該訓練者Pに対し、「左膝が右に寄っています」とか、「右膝の動作が遅れています」といった音声アドバイスを行って、歩行訓練の訓練動作を修正するように指導する。尚、上記音声アドバイスを報知すると共に、音声アドバイスに基づく警告画像を液晶モニタ30に表示しても良い。
【0027】
制御装置20においては、検出センサ60L、60Rの検出信号が増幅器86で増幅されて力比較部88に入力される。訓練者Pは両手で把持部14L、14Rを把持したまま歩行訓練装置10を前に押しながら歩行訓練を行う。その際、力比較部88は、検出センサ60L、60Rで検出された検出信号(電圧値)が増幅されて入力されると共に、左右の力の大きさを比較する。
【0028】
力判定部90は、検出センサ60L、60Rの検出信号の電圧値がほぼ等しければ訓練者Pの重心が体の中心にあるものと判定する。また、検出センサ60L、60Rの検出信号の電圧値の差が所定値以上の場合には、重心が左右側方の何れかの側方に寄っているものと判定する。尚、重心の判定結果は、スピーカ32より音声で報知される。例えば、当該訓練者Pに対し、「重心が右に寄っています」とか、「重心が左に寄っています」といった音声アドバイスを行って、訓練者Pが歩行訓練動作を修正するように指導する。尚、上記重心位置の音声アドバイスを報知すると共に、音声アドバイスに基づく警告画像を液晶モニタ30に表示しても良い。
【0029】
ここで、制御装置20が実行する制御処理について説明する。
【0030】
図4は実施形態1の制御装置20が実行する画像データ保存処理のフローチャートである。
図4に示されるように、制御装置20は、S11でDビデオカメラ40の電源スイッチがオンか否かをチェックする。
【0031】
S11において、3Dビデオカメラ40の電源スイッチがオンに操作されると、S12に進み、3Dビデオカメラ40により撮像された画像データを取り込む。続いて、S13では、3Dビデオカメラ40により撮像された左目用画像データと右目用画像データを所定の時間間隔の画像データとして生成する。
【0032】
次のS14では、各撮像フレーム毎の画像データから所定時間毎の時系列的に並べた時系列画像データN1〜N3(
図7(A)〜(C)参照)の各画像フレームF1〜F3を生成する。この各撮像フレームF1〜F3には、各時系列画像データN1〜N3毎の撮像日時A1〜A3と、データアドレスB1〜B3が付されており、撮像開始からの任意の時間を指定することで、対応する画像データのみを抽出してみることができる。そして、S15では、時系列画像データN1〜N3の各画像フレームF1〜F3を記憶装置50に記憶させる。
【0033】
次のS16では、3Dビデオカメラ40の電源スイッチがオフか否かをチェックしており、電源スイッチがオンの場合(NOの場合)は、上記S12の処理に戻り、S12以降の処理を繰り返す。また、S16において、3Dビデオカメラ40の電源スイッチがオフに操作され場合(YESの場合)、今回の画像データ保存処理を終了する。
【0034】
図5は実施形態1の制御装置20が実行する歩行画像処理のフローチャートである。
図5に示されるように、制御装置20は、S21で記憶装置50のデータベースに記憶された時系列画像データの各撮像フレームF1〜F3(
図7(A)〜(C)参照)を時系列順に抽出する。続いて、S22では、抽出された各撮像フレームF1〜F3の時系列画像データN1〜N3に骨格画像データK1〜K3(
図8(A)〜(C)参照)を作成する。そして、S23に進み、各撮像フレームF1〜F3の時系列画像データN1〜N3に骨格画像データK1〜K3を重畳した各撮像フレームG1〜G3(
図8(A)〜(C)参照)を作成する。
【0035】
次のS24では、時系列画像データN1〜N3に骨格画像データK1〜K3(
図8(A)〜(C)参照)を重畳した各撮像フレームG1〜G3を液晶モニタ30に表示する。続いて、S25に進み、骨格画像データK1〜K3の座標位置から当該訓練者Pの股関節及び膝角度の動作角度を演算し、当該訓練者Pの歩行動作を判定する。また、S25において、例えば、左右股関節の高さ位置が左右対称か、左右膝関節の回動角度が左右対称であるか、股関節及び膝関節の動作角度を求め、動作角度が一定か否かに基づいて歩行動作が正常か異常かを判定しても良い。そして、S26に進み、当該訓練者Pに対して判定結果をスピーカ32より音声により報知する。次のS27では、記憶装置50から抽出した時系列画像データを全て判定したか否かをチェックする。
【0036】
S27において、記憶装置50から抽出した当該訓練者Pの時系列画像データを全て判定していない場合(NOの場合)、上記S21の処理に戻り、S21以降の処理を繰り返す。また、S27において、記憶装置50から抽出した当該訓練者Pの時系列画像データを全て判定した場合(YESの場合)、今回の歩行画像処理を終了する。
【0037】
図6は実施形態1の制御装置20が実行する力検出処理のフローチャートである。
図6に示されるように、制御装置20は、S31で検出センサ60L、60Rからの検出信号が入力されか否かをチェックする。
【0038】
S31において、検出センサ60L、60Rからの検出信号が入力された場合(YESの場合)、S32に進み、検出センサ60L、60Rで検出された検出信号(電圧値)を記憶装置50に記憶する。
【0039】
続いて、S33では、検出センサ60L、60Rの各検出信号を比較し、両検出信号の差が所定値以上か否かをチェックする。S33において、検出センサ60L、60Rの各検出信号の差が所定値以上でない場合(NOの場合)、把持部14L、14Rに作用する力FL、FRがほぼ同じ大きさであるので、重心の片寄りがないと判断して上記S31の処理に戻る。また、S33において、検出センサ60L、60Rの各検出信号の差が所定値以上の場合(YESの場合)、把持部14L、14Rに作用する力FL、FRが差が大きいので、重心の片寄りがあると判断してS34に進む。尚、S33における所定値は、任意の値が設定できるが、把持部14L、14Rに作用する力FL、FRのばらつき(個人差)を考慮して、例えば、力FL、FRの差の閾値を10%〜15%とすることが望ましい。
【0040】
S34では、検出センサ60L、60Rの各検出信号により検出された把持部14L、14Rに作用する力FL、FRのどちらが大きいかを判定する。S34において、FL>FRの場合(YESの場合)、左手による力FLが右手の力FRより大きいため、S35に進み、当該訓練者Pに対してスピーカ32より「重心が左寄りです」といったような訓練アドバイスを報知する。また、上記S34において、FR>FLの場合(NOの場合)、右手による力FRが左手の力FLより大きいため、S36に進み、当該訓練者Pに対してスピーカ32より「重心が右寄りです」といったような訓練アドバイスを報知する。そして、歩行訓練中は、上記S31〜S36の制御処理を繰り返す。
【0041】
このように、歩行訓練装置10は、訓練者Pが把持部14L、14Rを把持して歩行訓練を行うことで、両脚の動き(股関節、膝関節の動作角度)を3Dビデオカメラ40により撮像することができる。さらに、歩行訓練装置10は、3Dビデオカメラ40からの当該撮像データをデータ処理して時系列画像データN1〜N3から骨格画像データK1〜K3を作成し、骨格画像データK1〜K3に基づいて当該訓練者Pの歩行動作を客観的に判定できる。従って、訓練者Pは、歩行訓練中に液晶モニタ30に表示された歩行動作の骨格画像データK1〜K3を確認しながら、スピーカ32からの音声アドバイスにより重心が体の中心からずれている否かを認識しながら歩行訓練を行える。これにより、訓練者Pは、リアルタイムで歩行訓練を行えると共に、訓練中の脚の動きを修正したり、重心の位置が体の中心になるように体勢を修正することができる。
【0042】
〔実施形態2〕
図9は本発明の実施形態2のシステム構成を示す図である。
図10は本発明の実施形態2を示す平面図である。
図11は本発明の実施形態2を示す側面図である。
【0043】
図9〜
図11に示されるように、歩行訓練システム200は、歩行データ検出ユニット220と、歩行データ表示ユニット230とを有する。歩行データ検出ユニット220は、3Dビデオカメラ40と、歩行訓練装置250と、制御装置270と、第1の無線通信部280とを有する。尚、歩行訓練装置250は、前述した歩行訓練装置10と同様な構成であり、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。また、制御装置270は、データ解析処理及び画像生成処理を行わないため、実施形態1の制御装置20よりも小型化、軽量化されている。
【0044】
制御装置270は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)シリアル通信などの短距離無線通信技術により送受信可能な第1の無線通信部(第1の通信手段)280を有する。また、無線通信部280は、データ変換部282と、データ送受信部284とを有する。データ変換部282は、20Hzのサンプリング周期で一対のセンサユニット60L、60Rにより検出された力検出信号を取得し、無線信号に変換する。データ送受信部284は、データ変換部282により変換された当該無線信号を歩行データ表示ユニット230に送信する。
【0045】
歩行データ表示ユニット230は、外部コントローラ290と、第2の無線通信部(第2の通信手段)300と、記憶装置310と、表示装置380とを有する。表示装置380は、歩行訓練装置250から離れた場所に別体に設けられ、訓練者Pが見やすいように大型ディスプレイからなり、且つスタンド382により所定高さ位置に支持されている。また、表示装置380は、液晶モニタ30に表示される画像と同じ画像が随時表示されている。そのため、訓練者Pは、歩行訓練装置250の液晶モニタ30及び表示装置380の両方に表示された画像から歩行訓練の状況を確認することができる。
【0046】
図12は本発明の実施形態2の制御系を示すブロック図である。
図12に示されるように、歩行データ検出ユニット220の制御装置270は、制御部271と、3D画像データ生成部272と、増幅器274と、モニタ出力部276と、スピーカ出力部278とを有する。制御部271は、3Dビデオカメラ30により撮像された訓練者Pの歩行動作の3D画像データが3D画像データ生成部272を介して入力されると、3D画像データを無線通信部280より無線信号に変換して送信する。また、制御部271は、センサユニット60L、60Rにより検出された力検出信号が増幅器274を介して入力されると、増幅された力検出信号を無線通信部280により無線信号に変換して無線通信部300に送信する。外部コントローラ290においては、後述するように無線通信部300により受信した3D画像データ及び力検出信号に基づいて時系列画像データ、骨格画像データ、判定結果等の各データを生成する。
【0047】
さらに、外部コントローラ290により生成された時系列画像データ、骨格画像データ、判定結果等が無線通信部300から送信され、無線通信部280で受信された場合、歩行データ検出ユニット220の制御部271は、画像処理された時系列画像データN1〜N3及び骨格画像データK1〜K3の各画像データをモニタ出力部276を介して液晶モニタ30に表示する。また、制御部271は、外部コントローラ290により処理された力検出信号の判定結果が無線通信部300から送信された場合、スピーカ出力部278を介して判定結果の音声アドバイスをスピーカ32から報知する。
【0048】
歩行データ表示ユニット230の無線通信部300は、歩行訓練装置250の無線通信部280と各データ(3D画像データ、力検出信号)の無線信号を送受信している。また、無線通信部300は、歩行データ検出ユニット220から送信された力検出信号及び撮像データを受信し、受信した力検出信号を力センサデータ解析部320に出力し、受信した撮像データを画像生成部330に出力する。
【0049】
また、外部コントローラ290は、力センサデータ解析部320と、画像生成部330と、データ入出力部340とを有する。力センサデータ解析部320は、力比較部322と、力判定部324とを有する。力比較部322は、歩行訓練装置250から送信された各データ(3D画像データ及び力検出信号)を分析して左右の把持部14L、14Rに作用する力分布(力の割合)を演算する。力判定部324は、把持部14L、14Rに作用する力の差から当該訓練者Pの重心位置、左右方向のバランス等の歩行訓練中の訓練者Pの体勢を解析する。
【0050】
画像生成部330は、時系列画像データ生成部332と、骨格画像データ生成部334と、画像データ判定部336とを有する。時系列画像データ生成部332は、各撮像フレームF1〜F3毎(
図7(A)〜(C)参照)の画像データを時系列的に並べた時系列画像データN1〜N3を生成する。骨格画像データ生成部334は、時系列画像データN1〜N3の画像データに基づいて当該訓練者Pの骨格に相当する骨格画像データK1〜K3を重畳した各撮像フレームG1〜G3(
図8(A)〜(C)参照)を生成する。画像データ判定部336は、骨格画像データK1〜K3に基づいて左右股関節の高さ位置、左右膝関節の回動角度を計測し、左右股関節の高さ位置が左右対称か、左右膝関節の回動角度が左右対称であるか、股関節及び膝関節の動作角度の変化率を求め、動作角度が一定か否かに基づいて歩行動作が正常か、あるいは左右の何れかに片寄っているかを判定する。
【0051】
各骨格画像データK1〜K3を含む撮像フレームG1〜G3及び判定結果は、表示装置380で表示されると共に、無線通信部300から送信され、液晶モニタ30でも表示される。
【0052】
図13は実施形態2の歩行訓練装置の制御装置が実行する画像転送処理のフローチャートである。
図13に示されるように、制御装置270は、S41において、3Dビデオカメラ40の電源スイッチがオンに操作されると、S42に進み、3Dビデオカメラ40により撮像された3D画像データを取り込む。続いて、S43に進み、3D画像データを無線通信部280より外部コントローラ290に転送する。
【0053】
次のS44では、3Dビデオカメラ40の電源スイッチがオフか否かを判定しており、電源スイッチがオンの場合(NOの場合)は、上記S42の処理に戻り、S42以降の処理を繰り返す。また、S44において、3Dビデオカメラ40の電源スイッチがオフに操作された場合(YESの場合)、今回の画像データ保存処理を終了する。
【0054】
図14は実施形態2の歩行訓練装置の制御装置270が実行する力検出処理のフローチャートである。
図14に示されるように、制御装置270は、S51で検出センサ60L、60Rからの検出信号が入力されたか否かをチェックする。
【0055】
S51において、検出センサ60L、60Rからの検出信号が入力された場合(YESの場合)、S52に進み、検出センサ60L、60Rで検出された検出信号(電圧値)を無線通信部280より外部コントローラ290に転送する。
【0056】
図15は実施形態2の外部コントローラ290が実行する画像判定処理のフローチャートである。
図15示されるように、制御装置270は、S61で転送された3D画像を受信したか否かをチェックする。
【0057】
S61で歩行データ検出ユニット220から送信された転送された3D画像の撮像データを受信すると、S62に進み、撮像データを記憶装置310のデータベースに記憶させる。
【0058】
続いて、S63では、各撮像フレーム毎の撮像データから所定時間毎の時系列的に並べた時系列画像データN1〜N3(
図7(A)〜(C)参照)を生成する。そして、S64で時系列画像データN1〜N3を記憶装置310のデータベースに記憶させる。
【0059】
次のS65では、記憶装置310のデータベースに記憶された時系列画像データN1〜N3を時系列順に抽出する。続いて、S66では、抽出された各撮像フレームF1〜F3(
図7(A)〜(C)参照)の時系列画像データN1〜N3に骨格画像データK1〜K3(
図8(A)〜(C)参照)を作成し、記憶装置310のデータベースに記憶させる。そしてS67に進み、骨格画像データを無線通信部300より歩行訓練装置250へ転送する。
【0060】
さらに、S68では、骨格画像データK1〜K3の座標位置から当該訓練者Pの股関節及び膝角度の動作角度を演算し、当該訓練者Pの歩行動作を判定する。またS68において、左右股関節の高さ位置が左右対称か、左右膝関節の回動角度が左右対称であるか、股関節及び膝関節の動作角度を求め、動作角度が一定か否かに基づいて歩行動作が正常か異常かを判定しても良い。続いて、S69に進み、当該訓練者Pに対する判定結果を無線通信部300より歩行訓練装置250へ転送する。次のS70では、時系列画像データN1〜N3を全て判定したか否かをチェックする。
【0061】
S70において、記憶装置310から抽出した当該訓練者Pの時系列画像データN1〜N3を全て判定していない場合(NOの場合)、上記S62の処理に戻り、S62以降の処理を繰り返す。また、S70において、記憶装置310から抽出した当該訓練者Pの時系列画像データN1〜N3を全て判定した場合(YESの場合)、今回の画像判定処理を終了する。
【0062】
また、制御装置270は、実施形態1で実行されたS31〜S36(
図6を参照)の制御処理を同様に実行しており、ここではその説明を省略する。
【0063】
図16は実施形態2の歩行訓練装置の制御装置270が実行する表示処理のフローチャートである。
図16に示されるように、制御装置270は、S71において、外部コントローラ290から転送された骨格画像データを受信した場合(YESの場合)、S72に進み、受信した骨格画像データを液晶モニタ30に表示する。
【0064】
続いて、S73では、外部コントローラ290から転送された判定結果を受信したか否かをチェックする。S73において、外部コントローラ290から転送された判定結果を受信しなかった場合(NOの場合)、上記S71の処理に戻り、S71以降の処理を再度実行する。また、S73において、外部コントローラ290から転送された判定結果を受信した場合(YESの場合)、S74に進み、スピーカ32より音声で判定結果を当該訓練者Pに報知する。例えば、把持部14L、14Rに作用する力FL、FRがFL>FRの場合、左手による力FLが右手の力FRより大きいため、スピーカ32より「重心が左寄りです」といったような訓練アドバイスを報知する。また、FR>FLの場合、右手による力FRが左手の力FLより大きいため、当該訓練者Pに対してスピーカ32より「重心が右寄りです」といったような訓練アドバイスを報知する。
【0065】
従って、訓練者Pは、歩行訓練中に液晶モニタ30に表示された歩行動作の骨格画像データK1〜K3を確認しながら、スピーカ32からの音声アドバイスにより重心が体の中心からずれている否かを認識しながら歩行訓練を行える。これにより、訓練者Pは、リアルタイムで歩行訓練を行えると共に、訓練中の脚の動きを修正したり、重心の位置が体の中心になるように体勢を修正することができる。