(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
燃料を噴射する燃料噴射口と、該燃料噴射口の径方向外方に配置された空気噴射口とを有し、前記燃料噴射口の燃料噴流と前記空気噴射口の空気噴流との混合接触によりロータリーキルンの炉内に火炎を生成するロータリーキルン用バーナ装置において、
前記燃料噴射口として、前記バーナ装置の中心軸線に対して異なる角度方向に前記燃料を噴射し且つ前記空気噴流の燃焼用空気と前記燃料との混合接触により実質的に単一の火炎を炉内に生成する第1及び第2燃料噴射口を備えるとともに、該第1及び第2燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比を制御する制御装置を備え、
第1燃料噴射口が噴射する第1燃料噴流は、前記バーナ装置の中心軸線と実質的に平行な中心軸線を有し、或いは、噴流方向において前記バーナ装置の中心軸線に対して接近する方向に延びる中心軸線を有し、
第2燃料噴射口は、第1燃料噴流の中心軸線に対して所定の傾斜角度をなす方向に第2燃料噴流を噴射し、
第1及び第2燃料噴射口は、前記流量比又は流速比の変化により、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布を変化させることを特徴とするロータリーキルン用バーナ装置。
前記第2燃料噴射口は、燃料供給管の先端面に配置された燃料噴射ノズルからなり、該燃料噴射ノズルは、炉床部に向かって斜め下方に燃料噴流を噴射することを特徴とする請求項1に記載のロータリーキルン用バーナ装置。
前記空気噴射口の空気噴流の中心軸線は、隣接し又は関連する前記燃料噴射口の燃料噴流の中心軸線と実質的に平行な方向に配向され、或いは、前記空気噴射口の空気噴流の中心軸線は、その噴流方向において前記燃料噴流の中心軸線に接近するように配向されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロータリーキルン用バーナ装置。
前記第2燃料噴射口は、燃料供給管の先端面に配置された燃料噴射ノズルからなり、該燃料噴射ノズルは、炉床部に向かって斜め下方に燃料噴流を噴射することを特徴とする請求項5に記載の炉内燃焼方法。
前記空気噴射口の空気噴流の中心軸線は、隣接し又は関連する前記燃料噴射口の燃料噴流の中心軸線と実質的に平行な方向に配向され、或いは、前記空気噴射口の空気噴流の中心軸線は、その噴流方向において前記燃料噴流の中心軸線に接近するように配向されることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の炉内燃焼方法。
同時に第1燃料噴流を噴射する複数の第1燃料噴射口と、同時に第2燃料噴流を噴射する複数の第2燃料噴射口とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロータリーキルン用バーナ装置。
複数の第1燃料噴射口から第1燃料噴流を同時に噴射するとともに、複数の第2燃料噴射口から第2燃料噴流を同時に噴射することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の炉内燃焼方法。
前記空気噴射口として、前記バーナ装置の中心軸線に対して異なる角度方向に前記空気噴流を噴射する第1及び第2空気噴射口を備え、該第1及び第2空気噴射口の空気噴射量の流量比又は流速比は、前記制御装置によって制御されることを特徴とする請求項1乃至4又は9のいずれか1項に記載のロータリーキルン用バーナ装置。
前記バーナ装置の中心軸線に対して異なる角度方向に前記空気噴流を噴射する第1及び第2空気噴射口により前記空気噴射口を構成するとともに、第1及び第2空気噴射口の空気噴射量の流量比又は流速比を制御して、炉内温度分布を変化させることを特徴とする請求項5乃至8又は10のいずれか1項に記載の炉内燃焼方法。
請求項1乃至4、9又は11のいずれか1項に記載されたバーナ装置を用いて、被加熱物を高温焼成雰囲気で焼成し又は熱分解させるロータリーキルンの炉内燃焼方法において、
前記第1及び第2燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比を制御して、燃料の使用量を削減することにより、省エネルギー化を図ることを特徴とするロータリーキルンの炉内燃焼方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ロータリーキルンの炉床部は、炉の内周壁面下部において炉長方向に延在し、ロータリーキルン内の被加熱物の多くは、炉床部に堆積し、炉床部に沿って移動又は流動する。従って、炉床部の被加熱物に対し、被加熱物の加熱に適した温度の火炎又は燃焼雰囲気が作用するように火炎位置、火炎形状、火炎長、火炎温度ピーク位置等を制御することが望ましい。
【0010】
炉床部の被加熱物に作用する火炎の位置又は形状等を最適化する場合、燃料及び燃焼用空気の各噴射量を変化させるだけではなく、燃料憤流及び空気噴流の方向性又は位置を変化させる必要があり、燃料憤流及び空気噴流の方向性又は位置を変化させるには、各噴射口又は噴射ノズルの方向性又は位置を設定変更する必要がある。しかし、各噴射口又は噴射ノズルの方向性又は位置は、バーナ装置の作動中に設定変更することができず、バーナ装置の非作動時においても、装置構造上、容易に設定変更し難い事情がある。
【0011】
他方、上記特許文献1〜4に記載されたバーナ装置においては、旋回羽根の位置及び/又は方向性等の設定変更により、火炎位置又は火炎形状等を設定変更し得るものと想定されるが、旋回羽根の位置、方向性等の設定変更は、限られた装置メンテナンス時又は装置改修時等に実施し得るにすぎない。
【0012】
これに対し、旋回羽根の位置又は方向性を容易に設定変更し得るように旋回羽根を可動式又は切換式の構造に設計することを考慮し得るかもしれない。しかしながら、可動旋回羽根等の可動部材を高温雰囲気の噴射口又は噴射ノズルに配設した場合、可動部材又は切換部材の保守・管理、調整、強度維持、耐久性確保等の問題が新たに生じるので、このような設計は、実際には採用し難い。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置構造又は装置構成の設定変更に依存することなく、可動羽根等の可動部材を用いることもなく、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は温度分布を比較的容易に設定変更することができるロータリーキルン用バーナ装置及びその炉内燃焼方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、燃料を噴射する燃料噴射口と、該燃料噴射口の径方向外方に配置された空気噴射口とを有し、前記燃料噴射口の燃料噴流と前記空気噴射口の空気噴流との混合接触によりロータリーキルンの炉内に火炎を生成するロータリーキルン用バーナ装置において、
前記燃料噴射口として、前記バーナ装置の中心軸線に対して異なる角度方向に前記燃料を噴射
し且つ前記空気噴流の燃焼用空気と前記燃料との混合接触により実質的に単一の火炎を炉内に生成する第1及び第2燃料噴射口を備えるとともに、該第1及び第2燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比を制御する制御装置を備え、
第1燃料噴射口が噴射する第1燃料噴流は、前記バーナ装置の中心軸線と実質的に平行な中心軸線を有し、或いは、噴流方向において前記バーナ装置の中心軸線に対して接近する方向に延びる中心軸線を有し、
第2燃料噴射口は、第1燃料噴流の中心軸線に対して所定の傾斜角度をなす方向に第2燃料噴流を噴射し、
第1及び第2燃料噴射口は、前記流量比又は流速比の変化により、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布を変化させることを特徴とするロータリーキルン用バーナ装置を提供する。
【0015】
本発明は又、
バーナ装置の燃料噴射口から燃料の燃料噴流を噴射するとともに、該燃料噴射口の径方向外方に配置された空気噴射口から空気噴流を噴射し、前記燃料噴流と前記空気噴流との混合接触によりロータリーキルンの炉内に火炎を生成するロータリーキルンの炉内燃焼方法において、
前記バーナ装置の中心軸線に対して異なる角度方向に前記燃料を噴射
し且つ該燃料を前記空気噴流の燃焼用空気と混合接触させて実質的に単一の火炎を炉内に生成する第1及び第2燃料噴射口により前記燃料噴射口を構成し、
第1燃料噴射口は、前記バーナ装置の中心軸線と実質的に平行な中心軸線を有し、或いは、噴流方向において前記バーナ装置の中心軸線に対して接近する方向に延びる中心軸線を有する第1燃料噴流を噴射し、第2燃料噴射口は、第1燃料噴流の中心軸線に対して所定の傾斜角度をなす方向に第2燃料噴流を噴射し、
該第1及び第2燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比を制御して、燃料噴流拡散の方向性と、燃料及び空気の混合割合又は混合過程を変化させることにより、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布を変化させることを特徴とするロータリーキルンの炉内燃焼方法を提供する。
【0016】
本発明の上記構成によれば、バーナ装置の燃料供給口は、異なる角度方向に燃料を噴射する第1及び第2燃料噴射口により構成され、各燃料噴射口が噴射した燃料噴流は、空気噴射口が噴射した燃焼用空気と接触混合して燃焼反応し、炉内に火炎を生成する。この火炎は、各燃料噴流の燃焼反応によって炉内に生成する火炎を合成又は集合してなる実質的に単一の火炎であり、その形状、位置及び/又は温度分布は、各燃料噴射口が噴射した各燃料噴流の流量比又は流速比に相応して変化する。また、バーナ装置の制御系は、上記流量比又は流速比を制御する制御装置を備える。制御装置は、噴流拡散の方向性を流量比又は流速比の制御により変化させ、或いは、燃料及び空気の混合割合又は混合過程を流量比又は流速比の制御により変化させ、これにより、火炎形成位置及び火炎温度分布等を変化させる。従って、本発明によれば、各燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比を制御することにより、火炎の形状、位置及び/又は温度分布を所望の如く変化させることができる。
【0017】
かくして、本発明の上記構成によれば、装置構造又は装置構成を設定変更することなく、可動羽根等の可動部材を用いることもなく、各燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比を変化させることにより、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は温度分布を比較的容易に設定変更することができる。しかも、火炎の形状、位置及び/又は温度分布の制御は、流量比又は流速比をバーナ装置の運転中に変化させることによっても実施し得るので、実用的に極めて有利である。
【0018】
好適には、上記空気噴射口の空気噴流の中心軸線は、隣接し又は関連する上記燃料噴射口の燃料噴流の中心軸線と実質的に平行な方向に配向され、或いは、空気噴射口の空気噴流の中心軸線は、その噴流方向において燃料噴流の中心軸線に接近するように配向される。このような構成によれば、燃料及び燃焼用空気の混合接触による燃焼反応を促進することができる。
【0019】
好ましくは、第1及び第2燃料噴射口の各噴流中心軸は、15〜60度の角度範囲内の相対角度、更に好ましくは、20〜45度の相対角度をなす方向に配向される。
【0020】
所望により、バーナ装置は、燃料噴射口の燃料噴流よりも低速の燃焼用空気(燃焼制御空気)を燃料噴射口の近傍から噴射する燃焼制御用の空気噴射口(制御空気噴射口)を有する。燃焼制御空気は、燃料噴流と実質的に同一の方向に噴流し、或いは、その中心軸線が噴流方向において燃料噴流の中心軸線に接近するように配向される。なお、本明細書において、「実質的に平行」又は「実質的に同一の方向」の記載は、角度10度程度の角度範囲又は角度誤差の相違について、噴流の性質上、現実的に同一角度として理解すべきであるという趣旨の記載である。
【0021】
このような制御空気噴射口を備えたバーナ装置によれば、燃焼制御空気の流量又は流速によって火炎性状を更に制御することができることができるので、火炎形状等の制御性を向上することができる。また、相対的に低速な燃焼制御空気は、相対的に高速な燃料噴流に誘引され、燃料と混合接触して燃焼反応するので、炉内燃焼反応の燃焼安定性が向上する。所望により、100℃以上に予熱された予熱空気を上記燃焼制御空気として炉内に噴射しても良い。好ましくは、燃料噴射口における燃料噴流の流速は、100m/s以上の流速に設定され、制御空気噴射口における燃焼制御空気の流速は、100m/s未満の流速に設定される。
【0022】
所望により、上記燃焼制御空気の流量を可変制御する流量制御手段を設け、燃焼制御空気の流量を制御して、燃料及び空気の混合割合又は混合過程を変化させ、火炎形成位置、火炎温度分布又は火炎温度ピーク位置等を変化させるようにしても良い。
【0023】
好適には、第2燃料噴射口は、燃料供給管の先端面に配置された複数の燃料噴射ノズルからなり、燃料噴射ノズルは、炉床部に向かって斜め下方に燃料噴流を噴射する。好ましくは、第1燃料噴射口も又、燃料供給管の先端面に配置された複数の燃料噴射ノズルからなる。各第1燃料噴射口の中心軸線同士、或いは、各第2燃料噴射口の中心軸線同士を噴流方向において互いに接近するように配向しても良い。
【0024】
所望により、燃料噴射ノズルは、燃焼用空気を燃料に予混合する予混合手段を有し、予混合手段によって燃焼用空気及び燃料の予混合割合を変化させることにより、火炎温度ピーク位置等を変化させるように構成される。
【0025】
必要に応じて、燃料噴流を旋回流として炉内に供給する旋回羽根を燃料噴射ノズルに設け、燃料噴流を旋回流として炉内に供給しても良い。燃料噴流は周囲の空気を誘引するので、燃料及び空気の混合が促進する。
【0026】
本発明の好適な実施形態によれば、バーナ装置は、第1燃料噴流を噴射する複数の第1燃料噴射口と、第2燃料噴流を噴射する複数の第2燃料噴射口とを有し、複数の第1燃料噴射口から第1燃料噴流を同時に噴射するとともに、複数の第2燃料噴射口から第2燃料噴流を同時に噴射する。また、本発明の好適な実施形態において、バーナ装置は、二次空気を二次空気噴射口に供給する二次空気流路と、二次空気流路内に配置され、火炎性状制御用の燃焼制御空気を制御空気噴射口に供給する制御空気供給管と、制御空気供給管内に配置され、一次空気を一次空気噴射口に供給する一次空気供給管と、一次空気供給管内に配置され、燃料を燃料噴射口に供給する燃料供給管とを有する。
【0027】
本発明の他の好適な実施形態において、バーナ装置は、上記空気噴射口として、バーナ装置の中心軸線に対して異なる角度方向に空気噴流を噴射する第1及び第2空気噴射口を備える。第1及び第2空気噴射口の空気噴射量の流量比又は流速比は、上記制御装置によって制御される。制御装置は、第1及び第2空気噴射口の空気噴射量の流量比又は流速比の制御により、炉内温度分布を変化させ、或いは、炉内温度分布を調整する。
【0028】
他の観点より、本発明は、上記構成のバーナ装置を用いて、被加熱物の過加熱に起因する炉内閉塞の問題を解消するロータリーキルンの炉内燃焼方法を提供する。本発明の炉内燃焼方法においては、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布が経時的に変動するように、第1及び第2燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比が可変制御される。被加熱物の過加熱は、火炎形状等の変動により防止し又は抑制し得る。従って、本発明の炉内燃焼方法によれば、バーナ装置の第1及び第2燃料噴射口の近傍の炉内領域部分において被加熱物が過加熱により溶融する現象を防止し又は抑制し、炉壁面又は炉床部における溶融堆積物又は溶融付着物の成長又は拡大に起因した炉内閉塞を防止し又は回避することが可能となる。このような炉内閉塞の防止は、閉塞物除去作業のための過渡的な操業停止の頻度低下、或いは、この種の操業停止時期の延期を可能にするので、実用的に極めて有益である。
【0029】
所望により、バーナ装置の燃料噴射量の流量比又は流速比は、製品の生産量又は被加熱物の加熱負荷等と関連して制御される。このような構成によれば、熱負荷等に相応して火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布を適正化し又は最適化し、被加熱物を融点以下の適正な焼成温度で加熱することができるので、被加熱物の過加熱に起因して被加熱物が溶融して炉壁面に堆積、沈着又は付着するのを効果的に抑制し、これにより、炉内閉塞の発生を確実に防止することができる。
【0030】
本発明の好適な実施形態において、上記炉内領域部分は、第1及び第2燃料噴射口と、これらの燃料噴射口が形成する火炎の最先端到達位置との間の炉内空間である。好ましくは、第1及び第2燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比は、所定の時間間隔で切換制御され、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布は、流量比又は流速比の切換動作に従って変化する。
【0031】
更に他の観点より、本発明は、上記構成のバーナ装置を用いて、ダムリング等の発生を防止するロータリーキルンの炉内燃焼方法を提供する。ダムリング等の炉内閉塞物は、局所的な焼成雰囲気の温度降下による熱分解後の被焼成物の再合成により発生する炉内堆積物又は炉壁面付着物である。ダムリングは、例えば、炉内温度800℃で石灰を熱分解(CaCO
3→CaO+CO
2)させて製品(CaO)を生成する燃焼反応において、炉内温度の局所的な低下等に起因して二酸化炭素雰囲気で生じる逆反応、即ち、再炭酸化反応(CaO+CO
2→CaCO
3)の結果として発生すると考えられる。
【0032】
本発明に係るロータリーキルンの炉内燃焼方法は、上記構成のバーナ装置を用いて、上記第1及び第2燃料噴射口の各燃料噴射量の流量比又は流速比を制御し、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布を経時的に変動させる炉内燃焼方法である。このような炉内燃焼方法によれば、所定温度以上の焼成雰囲気で熱分解する被焼成物が、局所的な焼成雰囲気の温度降下により熱分解後に再合成して固化物を炉内に生成する現象を防止し、これにより、ダムリング等の発生を防止することができるので、閉塞物除去のための過渡的な操業停止の頻度を低減し、或いは、操業停止時期を大きく遅延させることが可能となる。
【0033】
本発明の好適な実施形態において、上記被加熱物は、高温焼成雰囲気下に熱分解して石灰(CaO)を生成し且つ焼成雰囲気の温度降下により熱分解後に再炭酸化する炭酸カルシウム(CaCO
3)であり、上記流量比又は流速比の切換制御は、石灰の再炭酸化よって炉内にダムリングが形成されるのを防止すべく、局所的な温度低下を発生させないように設定される。
【0034】
本発明の更に好適な実施形態において、第1及び第2燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比は、局所的な焼成雰囲気の温度降下による熱分解後の被焼成物の再合成を防止すべく、所定の時間間隔で切換制御され、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布は、経時的に変動せしめられる。
【0035】
更に他の観点より、本発明は、上記構成のバーナ装置を用いて、被加熱物を高温焼成雰囲気で焼成し又は熱分解させるロータリーキルンの炉内燃焼方法において、上記第1及び第2燃料噴射口の燃料噴射量の流量比又は流速比を制御して燃料の使用量を削減し、これにより、省エネルギー化を図ることを特徴とするロータリーキルンの炉内燃焼方法を提供する。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係るロータリーキルン用バーナ装置及びその炉内燃焼方法によれば、装置構造又は装置構成の設定変更に依存することなく、可動羽根等の可動部材を用いることもなく、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は温度分布を比較的容易に設定変更することができる。
【0037】
また、ロータリーキルン用バーナ装置を使用した本発明の炉内燃焼方法によれば、局所的な過加熱や温度低下等を防止して炉内閉塞物の生成を抑制することにより、炉内閉塞物除去のための過渡的な操業停止の頻度を低減し又は操業停止時期を大きく遅延させ、或いは、燃料使用量を削減して、ロータリーキルンの省エネルギー化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0040】
図1は、ロータリーキルンの全体構成を概略的に示す縦断面図である。
【0041】
ロータリーキルンKは、例えば、セメント焼成や、生石灰、軽量骨材、セラミック原料等の製造、或いは、廃プラスチック、都市廃棄物等の焼却などの用途に使用される加熱炉、焼成炉又は焼却炉である。ロータリーキルンKの端部には、炉内領域αに火炎を生成するロータリーキルン用バーナ装置B(以下、「バーナ装置B」という。)が配設される。燃焼用空気として一次空気A1がバーナ装置Bに供給されるとともに、都市ガス等の気体燃料Gがバーナ装置Bに供給される。ロータリーキルンKは、断熱・耐火材料を内張りした円筒状の鉄皮Sを一定の速度で軸線廻りに回転させるとともに、バーナ装置Bの燃焼作動により、例えば、1400℃の温度に炉内雰囲気を昇温させる。焼成すべきセメント原料等の原料Mは、バーナ装置Bとは反対の側に位置する原料装入口JからロータリーキルンKの炉内領域αに装入され、主として炉床部Kfに堆積した状態で焼成される。焼成クリンカ等の被加熱物Wは、炉床部Kfに沿ってバーナ装置Bの側に移動又は流動し、バーナ装置B側の端部において炉外に導出され、冷却装置Eを介して系外に排出される。バーナ装置Bの外周領域に二次空気A2として供給すべき外界空気が、冷却装置Eに供給される。外界空気は、ロータリーキルンKの炉内領域から排出された被加熱物W'と熱交換し、1000℃以上に予熱された二次空気A2として、バーナ装置Bの外側領域βに供給される。
【0042】
図1に示す如く、ロータリーキルンKの炉床部Kfは、炉内領域αの内周壁面下部において炉長方向に延在する。炉内領域αの被加熱物Wは、炉床部Kfに沿ってロータリーキルンKの傾斜方向下側に移動又は流動するので、バーナ装置Bの火炎Fは、被加熱物Wの種類、物性、製造条件等に相応した最適温度且つ最適位置において被加熱物Wを加熱又は焼成するように火炎Fの加熱・焼成作用を最適化することが望ましい。本発明においては、例えば、炉床部Kfの被加熱物Wに対し、バーナ装置Bの先端面から距離L1の位置において最適な加熱温度T1を設定した場合、このような位置的条件及び温度条件を実現するように火炎Fの火炎位置、火炎形状、火炎長、火炎温度分布、火炎温度ピーク位置等が制御される。
【0043】
図10(A)には、火炎位置、火炎形状、火炎長等が相違する火炎Fa、Fb、Fcが示されている。
図10(B)は、温度評価レベルKaにおいて測定した火炎Fa、Fb、Fcの火炎温度Tの温度分布(距離L方向)を示す線図である。
図10(C)は、火炎Fcに関し、燃焼反応の空気比を変化させることによって得られる火炎温度の変化の態様を示す線図である。なお、温度評価レベルKaは、炉床部Kfの炉壁近傍位置に設定されている。
【0044】
火炎Fa、Fb、Fcは、炉床部Kfの被加熱物W(
図1)を効率的に加熱すべく、火炎帯を全体的に炉床部Kf近傍の領域に偏倚した火炎面を有する。火炎Fa、Fb、Fcの温度分布は、火炎長又は火炎到達距離の変化に相応して
図10(B)に示す如く変化し、火炎Fa、Fb、Fcの火炎温度ピーク位置La、Lb、Lcも又、火炎長又は火炎到達距離の変化に相応してバーナ装置Bの中心軸線X−X方向(距離Lの方向)に変位する。
【0045】
また、火炎Fcに関し、燃焼用空気の空気量を増大すると、
図10(C)に火炎Fc'として示す如く、概ね同一の火炎温度ピーク位置Lcにおいて火炎の最高温度(ピーク温度)が上昇し、燃焼用空気の空気量を低減すると、
図10(C)に火炎Fc"として示す如く、概ね同一の火炎温度ピーク位置Lcにおいて火炎の最高温度(ピーク温度)が低下する。
【0046】
本発明に係るバーナ装置Bは、中心軸線X−Xに対して異なる角度方向に気体燃料Gを噴射する第1及び第2燃料噴射口を有し、第1及び第2燃料噴射口の流量比を制御して、火炎の形状、位置及び/又は温度分布を変化させ、これにより、火炎Fa、Fb、Fcの如く火炎位置、火炎形状、火炎長等が相違する火炎を炉内領域αに生成する。以下、
図2〜
図5を参照して、本発明に係るバーナ装置Bの実施形態を説明する。
【0047】
図2及び
図3は、本発明の好適な実施形態に係るバーナ装置Bの縦断面図及び部分拡大断面図であり、
図4は、
図2及び
図3に示すバーナ装置Bの正面図である。また、
図5は、斜め下方に燃料噴流を噴射する燃料噴射口の構成を示す斜視図である。なお、バーナ装置Bは、
図1に示す如く、ロータリーキルンKの端部に配設される。
図4は、ロータリーキルンKの炉内領域αから見たバーナ装置Bの正面図である。
【0048】
バーナ装置Bの燃料供給系は、都市ガス等の気体燃料Gの供給源又は供給管(図示せず)に接続された燃料供給管GP1、GP2を有する。バーナ装置Bの中心軸線X−X上には、パイロットバーナを先端部に備えた補助燃焼装置11が配置される。バーナ装置Bは、気体燃料Gの燃料噴流G1、G2を噴射する第1燃料噴射口2及び第2燃料噴射口3を備えるとともに、燃料噴射口2、3の径方向外方に配置された一次空気噴射口4及び二次空気噴射口5を備える。一次空気噴射口4及び二次空気噴射口5は、一次空気噴流A1及び二次空気噴流A2を夫々噴射する。
【0049】
図4に示す如く、左右一対の燃料噴射口2が、バーナ装置Bの上半部に配置され、左右一対の燃料噴射口3が、バーナ装置Bの下半部に配置される。燃料噴射口2、3は、中心軸線X−X廻りに概ね90度の角度間隔を隔てて配置される。
図3に示すように、燃料噴射口2は、実質的に垂直な先端面を有し、燃料噴射口2の燃料噴射ノズル2aは、燃料噴流G1を直進流形態に中心軸線X−X方向に噴射する。他方、燃料噴射口3は、
図3及び
図5に示す如く、垂直面に対して30〜60度程度の角度をなして傾斜した先端面31を有し、燃料噴射口3は、中心軸線X−Xに対して所定の傾斜角度θ(
図3)をなす方向に傾斜した複数の燃料噴射ノズル30から構成される。燃料噴射ノズル30は、傾斜角度θの方向に燃料噴流G2を噴射する。即ち、燃料噴射ノズル30は、炉床部Kfに向かって斜め下方に燃料噴流G2を噴射する。角度θは、20〜45度の範囲内の角度、例えば、30度に好ましく設定し得る。
【0050】
バーナ装置Bは更に、燃料噴流G1、G2よりも低速の燃焼用空気C(以下、「燃焼制御空気C」という。)を火炎性状制御のために噴射する空気噴射口6、7、8(以下、「制御空気噴射口6、7、8」という。)を有する。制御空気噴射口6は、燃料噴射口2の近傍から燃焼制御空気Cを炉内に噴射し、制御空気噴射口7は、燃料噴射口2、3を全体的に囲む環状帯域から燃焼制御空気Cを炉内に噴射し、制御空気噴射口8は、燃料噴射口3の近傍から燃焼制御空気Cを炉内に噴射する。なお、燃焼制御空気Cとして、100℃以上の温度(例えば、200℃)に予熱された予熱空気を炉内に噴射しても良い。また、本実施形態においては、燃料噴射口2、3における燃料噴流G1、G2の流速は、100m/s以上の流速に設定され、制御空気噴射口6、7、8における燃焼制御空気Cの流速は、100m/s未満の流速に設定される。
【0051】
一次及び二次空気噴射口4、5は、一次及び二次空気噴流A1、A2を中心軸線X−Xと平行な方向に噴射し、制御空気噴射口6、7も又、燃焼制御空気Cを中心軸線X−Xと平行な方向に噴射する。他方、制御空気噴射口8は、中心軸線X−Xに対して傾斜角度θをなす方向に燃焼制御空気Cを噴射する。一次空気噴射口4から噴射された一次空気噴流A1は、燃料噴流G1に沿って流動し、主として燃料噴流G1の気体燃料Gに混合接触して燃焼反応し、制御空気噴射口6、7から噴射された燃焼制御空気Cも又、主として燃料噴流G1の気体燃料Gに混合接触して燃焼反応する。他方、制御空気噴射口8から噴射された燃焼制御空気Cは、燃料噴流G2と同方向(実質的に同一の方向)に炉内に流出し、燃料噴流G2に誘引されて気体燃料Gと燃焼反応しつつ、炉床部Kfに向かって流動する。二次空気噴射口5から炉内領域αに噴射された二次空気噴流A2は、気体燃料G及び空気の混合気に対して更に混合し、混合気内の気体燃料Gと混合接触して燃焼反応する。
【0052】
かくして、燃料噴流G1、G2と空気噴流A1、A2、Cとの混合接触による火炎Fが炉内領域αに生成する。この火炎Fは、燃料噴流G1、G2及び空気噴流A1、A2、Cの燃焼反応により生成する火炎を合成又は集合してなる実質的に単一の火炎であり、その形状、位置及び/又は温度分布等は、各燃料噴射口2、3が噴射した各燃料噴流G1、G2の流量比又は流速比に相応して変化する。従って、各燃料噴射口2、3の燃料噴射量の流量比又は流速比を制御することにより、火炎の形状、位置及び/又は温度分布を比較的広範囲に変化させることができる。
【0053】
本実施形態においては、火炎Fの火炎位置、火炎形状、火炎長、火炎温度分布、ピーク位置等を制御すべく、主として燃料噴流G1、G2の流量比を制御する燃料制御系が、バーナ装置Bに設けられる。以下、
図2〜
図4を参照してバーナ装置Bの各種配管等の構成と、燃料制御系の構成とについて説明する。
【0054】
図2及び
図3に示すように、バーナ装置Bは、燃料噴流G1を燃料噴射口2に供給するための燃料供給管12と、燃料噴流G2を燃料噴射口3に供給するための燃料供給管13とを中心部に備える。バーナ装置Bは更に、一次空気噴射口4に一次空気を供給するための一次空気供給管14と、燃焼制御空気を制御空気噴射口6、7に供給するための制御空気供給管15とを備える。補助燃焼装置11及び燃料供給管12、13は、一次空気供給管14の管内に配置され、一次空気供給管14は、制御空気供給管15の管内に同心状に配置される。
【0055】
制御空気供給管15は、バーナ装置Bの外装管を構成し、ロータリーキルンKの端部構造体に支持される外装フランジ部17を備える。外装フランジ部17は、二次空気噴射口5を有する取付板18に連結され、取付板18は、ロータリーキルンKの端部構造体を構成する隔壁19に連結される。バーナ装置Bの外側領域βに供給された二次空気A2は、二次空気噴射口5から炉内領域αに流入する。
【0056】
バーナ装置Bは、一次空気供給管14及び制御空気供給管15の先端部を閉塞する円形の先端プレート20と、制御空気供給管15の基端部を閉塞する円形の基端プレート21と、一次空気供給管14の基端部を閉塞する円形の基端プレート22とを備える。一次空気供給管14は、基端プレート21を貫通して外方に延出し、補助燃焼装置11及び燃料供給管12、13は、基端プレート22を貫通して外方に延出する。
【0057】
図4に示すように、先端プレート20には、複数の一次空気噴射口4が穿設されるとともに、複数の制御空気噴射口6、7が穿設される。一次空気噴射口4は、補助燃焼装置11の先端部を囲むように角度間隔を隔てて環状に配列される。制御空気噴射口6は、先端プレート20の上半部において全体的に半円の円弧状に開口し、制御空気噴射口7は、燃料噴射口2、3を全体的に囲むように角度間隔を隔てて環状に配列される。制御空気噴射口8は、制御空気供給管15の下部に突設した管体からなり、斜め前方且つ下方に延び、概ね先端プレート20の下端部近傍において開口する。
【0058】
図2に示すように、一次空気供給管14の管継手部14aは、一次空気供給系P1を構成する空気供給管24に接続され、制御空気供給管15の管継手部15aは、制御空気供給系P2を構成する制御空気供給管25に接続される。一次空気供給系P1は、常温空気(大気温度の空気)を一次空気供給管14に圧送する送風機26を備える。制御空気供給系P2は、100℃以上の温度(例えば、約200℃)に予熱した予熱空気を制御空気供給管15に供給する。
【0059】
バーナ装置Bは、送風機26の作動を制御するとともに、制御空気供給系P2の作動を制御する制御ユニットC/Uを備える。制御ユニットC/Uは、制御信号線(一点鎖線で示す)を介して送風機26の駆動部に接続されるとともに、制御空気供給系P2の送風機及び予熱装置(図示せず)に対して制御信号線(図示せず)を介して接続される。制御ユニットC/Uは更に、燃料供給管GP1、GP2の流量制御弁V1、V2に接続されており、燃料供給管GP1を介して燃料噴射口2に供給される気体燃料Gの流量を流量制御弁V1によって可変制御するとともに、燃料供給管GP2を介して燃料噴射口3に供給される気体燃料Gの流量を流量制御弁V2によって可変制御する。
【0060】
流量制御弁V2を遮断して燃料噴射口3の燃料噴射を停止し、流量制御弁V1を開放して燃料噴流G1を燃料噴射口2から炉内領域αに噴射すると、
図1に示す如く、炉内領域の中心部において炉長方向に延びる細長い火炎Fが炉内領域αに生成する。流量制御弁V2の開放し、燃料噴流G2を燃料噴射口3から炉内領域αに更に噴射すると、燃料噴流G2の下向きの運動量が火炎Fに作用し、
図10(A)に火炎Fcとして示す如く、炉床側に偏倚した火炎形状の火炎が炉内領域αに生成する。
図10(A)に示す火炎Fcは、流量制御弁V1の開度を70%に設定し、流量制御弁V2の開度を30%に設定した状態で炉内領域αに生成する火炎である。
【0061】
流量制御弁V2の開度を増大し、燃料噴流G2の流量を相対的に増大すると、燃料噴流G2の下向きの運動量が火炎Fに更に作用し、炉床側に更に偏倚した火炎形状の火炎Fbが
図10(A)に示す如く炉内領域αに生成する。
図10(A)に示す火炎Fbは、流量制御弁V1、V2の開度を50%に設定した状態で炉内領域αに生成する火炎である。流量制御弁V2の開度を更に増大し、燃料噴流G2の流量を大きく増大すると、燃料噴流G2の下向きの運動量が火炎Fに大きく作用し、
図10(A)に火炎Faとして示す如く、炉床側に比較的大きく偏倚した火炎形状の火炎が、炉内領域αに生成する。前述のとおり、このような火炎形状の変化に相応して火炎温度の温度分布および火炎温度ピーク位置が変化する。なお、
図10(A)に示す火炎Faは、流量制御弁V1の開度を0%に設定し、流量制御弁V2の開度を100%に設定した状態で炉内領域αに生成する火炎である。
【0062】
かくして、本発明によれば、バーナ装置Bの中心軸線X−Xに対して異なる角度方向に気体燃料Gを噴射する燃料噴射口2、3を設け、燃料噴射口2、3の燃料噴射量の流量比を可変制御することにより、炉内領域αに生成する火炎Fの形状、位置及び/又は温度分布を変化させることができる。このような構成のバーナ装置Bによれば、装置構造又は装置構成を設定変更することなく、可動羽根等の可動部材を用いることもなく、炉内領域αに生成する火炎Fの形状、位置及び/又は温度分布を比較的容易に設定変更することができる。しかも、火炎の形状、位置及び/又は温度分布の制御は、制御ユニットC/U及び流量制御弁V1、V2によってバーナ装置Bの燃焼作動中又は運転中に変化させることができるので、極めて有利である。
【0063】
また、本発明によれば、燃料噴流G1、G2よりも低速な燃焼制御空気Cが、燃料噴流G1、G2に沿って炉内領域αに噴射され、燃料噴流G1、G2に誘引された燃焼制御空気Cの空気が、燃料と混合接触して燃焼反応するので、炉内燃焼反応の燃焼安定性が向上する。
【0064】
所望により、燃焼制御空気Cの流量を可変制御する流量制御手段を更に設け、燃焼制御空気Cの流量制御により、燃料噴流及び燃焼空気噴流の混合割合又は混合過程を変化させ、火炎形成位置、火炎温度分布又は火炎温度ピーク位置を変化させるようにしても良い。
【0065】
好ましくは、燃焼用空気を気体燃料Gに予混合する予混合手段が燃料噴射ノズル2a、30に設けられる。このような構成によれば、バーナ装置Bは、予混合手段によって空気及び気体燃料Gの予混合割合を変化させることにより、火炎温度ピーク位置等を更に可変制御することができる。
【0066】
更に好ましくは、燃料噴流を旋回流として炉内に供給する旋回羽根が、燃料噴射ノズル2a、30に設けられる。このような構成によれば、バーナ装置Bは、燃料噴流G1、G2を旋回流として炉内に供給する。旋回流形態の燃料噴流G1、G2は、周囲の空気を効果的に誘引するので、燃料及び空気の混合が促進する。
【0067】
図6及び
図7は、上記バーナ装置の変形例に係るバーナ装置の部分拡大断面図及び正面図である。
図6及び
図7において、
図2〜
図6に示す構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
【0068】
図6及び
図7に示すバーナ装置Bは、先端プレート20の下部に配置された多数の制御空気噴射口8を有する。各噴射口8は、中心軸線X−Xに対して傾斜角度θをなす方向に先端プレート20を貫通する円形断面の短管からなる。
【0069】
図8及び
図9は、本発明の他の実施形態に係るバーナ装置の縦断面図及び正面図である。
図8及び
図9には、バーナ先端部の部分拡大断面図及び部分拡大正面図が示されている。
図8及び
図9において、前述の実施形態の各構成要素又は構成部品と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部品については、同一の参照符号が付されている。
【0070】
図8及び
図9に示すバーナ装置Bは、空気供給管14の管内空間を水平な仕切り板50によって概ね上下均等に分割し、その上半部を一次空気供給系P1に接続し、その下半部を制御空気供給系P2に接続するとともに、一次空気噴射口4を上半部に配置し、制御空気噴射口7を下半部に配置した構成を有する。
【0071】
図9に示すように、一次空気噴射口4は、アーチ状、半円状又は部分円状に先端プレート20に開口する。複数(本例では3つ)の燃料噴射口2が、一次空気噴射口4の開口領域を貫通する。各燃料噴射口2の位置は、一次空気噴射口4の開口領域の範囲内において設定変更することができる。多数の制御空気噴射口7が、先端プレート20の下半部に分散配置される。各々の制御空気噴射口7は、水平方向に延びるスリット形態に先端プレート20に開口する。複数(本例では3つ)の燃料噴射口3が先端プレート20の下半部に配置される。各燃料噴射口3は、制御空気噴射口7によって囲まれるように配置される。一次空気噴射口4は、中心軸線X−Xと平行な方向に空気噴流を噴射し、制御空気噴射口7は、中心軸線X−Xに対して傾斜角度θをなす方向に空気噴流を噴射する。
【0072】
なお、
図8及び
図9において、符号52、53は、耐火材であり、符号51は、一次空気流路に配置された円弧状のバッフル板である。また、
図8及び
図9に示す実施形態においては、空気供給系P1、P2の空気供給管24、25は、送風機26に接続される。その他の構成は、前述の実施形態と実質的に同一又は同等であるので、重複する説明は、省略する。
【0073】
図8及び
図9に示すバーナ装置の変形例として、制御ユニットC/Uの制御下に作動する空気流量制御弁を一次空気供給系P1及び制御空気供給系P2に夫々配設し、一次空気噴射口4及び制御空気噴射口7の空気噴射量の流量比又は流速比を制御ユニットC/Uの制御下に変化させても良い。このように空気噴射量の流量比又は流速比を可変制御することにより、炉内温度分布を更に変化させ、或いは、炉内温度分布を微調整することが可能となる。なお、一次空気噴射口4は、前述の第1空気噴射口を構成し、制御空気噴射口7は、前述の第2空気噴射口を構成する。
【0074】
図11は、
図8及び
図9に示すバーナ装置を含む燃焼システムのシステム構成図である。
図12及び
図13は、
図11に示す燃焼システムを用いたロータリーキルンKの炉内燃焼方法を示すロータリーキルンの部分断面図及び温度分布線図である。
図12には、燃料噴射口2、3の近傍における被加熱物の過加熱に起因した炉内閉塞を防止するための炉内燃焼方法が示され、
図13には、ダムリングに起因した炉内閉塞を防止するための炉内燃焼方法が示されている。
【0075】
図11に示す燃焼システムは、気体燃料供給源GSに接続された燃料供給系管路G0を有する。管路G0は、燃料三方弁SV1の流入ポートに接続される。管路G0には、安全遮断弁FVが介装される。三方弁SV1の各流出ポートは、燃料供給管GP1、GP2に夫々接続され、気体燃料Gを燃料供給管GP1、GP2の一方又は双方に選択的に給送する。また、
図11に示す燃焼システムは、送風機26を有する。空気供給系管路P0の上流端が送風機26に接続され、管路P0の下流端が三方弁SV2の流入ポートに接続される。三方弁SV2の各流出ポートは、一次空気供給系P1及び制御空気供給系P2に夫々接続され、燃焼用空気を一次空気供給系P1及び制御空気供給系P2の一方又は双方に選択的に給送する。三方弁SV1、SV2は、弁体位置を切換制御する駆動部を有する。駆動部は、駆動制御部U1を介して制御ユニットC/Uに接続される。
【0076】
燃料供給管GP1、GP2には、流量制御弁V1、V2が介装される。空気供給系P1、P2の空気供給管24、25には、流量制御弁V3、V4が介装される。流量制御弁V1、V2、V3、V4は、例えば、流量調節可能なバタフライ弁からなり、弁体位置を可変制御する駆動部を有する。駆動部は、駆動制御部U2、U3を介して制御ユニットC/Uに接続される。
【0077】
(1)過加熱に起因した炉内閉塞を防止する炉内燃焼方法
【0078】
一般に、ロータリーキルンKにおいては、バーナ装置Bの燃料噴射口近傍の炉内領域部分において被加熱物が過加熱される現象が発生し易いことが知られている。被加熱物が過加熱により溶融して炉壁面又は炉床部に付着し、これが比較的大きな溶融堆積物又は溶融付着物に成長し又は拡大すると、
図12(C)に閉塞物(過大付着物)Cm1として例示する如く、炉内領域αが少なくとも部分的に閉塞し又は狭窄するので、閉塞物Cm1の除去作業のためにロータリーキルンKの運転又は操業を一定期間停止せざるを得ない。このような閉塞物除去の作業を回避し、或いは、除去作業の頻度を低下し又は除去作業の時期を延期することが可能であれば、実用的に極めて有利である。
【0079】
これに対し、上記構成のバーナ装置Bを備えた燃焼システムによれば、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布が経時的に変動するように、燃料噴射口2、3の燃料噴射量の流量比又は流速比を可変制御することにより、被加熱物の過加熱を防止し又は抑制し、これにより、バーナ装置Bの近傍の炉内領域部分において被加熱物が過加熱により溶融する現象を防止し又は抑制し、炉壁面又は炉床部における溶融堆積物又は溶融付着物の成長又は拡大に起因した炉内閉塞を防止し又は回避することができる。以下、この炉内燃焼方法について説明する。
【0080】
バーナ装置Bは、
図12(A)に示す火炎Faを生成する直進火炎専焼モード、
図12(A)に示す火炎Fbを生成する下向き火炎専焼モード、そして、
図12(A)に示す火炎Fcs、Fcdを生成する下向き火炎混焼モードの三形態で作動される。即ち、火炎Faは、直進火炎専焼モードにおいて炉内領域αに生成する火炎であり、火炎Fbは、下向き火炎専焼モードにおいて炉内領域αに生成する火炎であり、火炎Fcs、Fcdは、下向き火炎混焼モードにおいて炉内領域αに生成する火炎である。なお、本例において、各作動形態における燃料噴射口2、3の燃料流量(合計値)は、一定である。但し、燃料噴射口2、3の燃料流量(合計値)を各作動形態において相違させることも可能である。また、本例において、各作動形態における空気噴射口4、7の空気流量(合計値)は、一定である。但し、空気噴射口4、7の空気流量(合計値)を各作動形態において相違させることも可能である。
【0081】
図12(B)には、温度評価レベルKaにおいて測定した火炎Fa、Fb、Fcs、Fcd生成時の炉温分布が示されている。
図12(B)に示す火炎Fcの生成時の炉温分布は、火炎Fcs、Fcdを合成した火炎Fcの生成時の炉温分布(温度評価レベルKaの温度)である。火炎Fa、Fb、Fc(Fcs、Fcd)は、火炎形状、ピーク温度位置La、Lb、Lc及びピーク温度Ta、Tb、Tcが相違する火炎である。以下、上記三種の作動形態について説明する。
【0083】
直進火炎専焼モードでは、三方弁SV1は、気体燃料Gの全量を燃料供給管GP1に給送し、燃料供給管GP2の側の流出ポートを閉鎖し、その燃料供給流路を遮断する。三方弁SV2は、燃焼用空気の全量を一次空気供給系P1(空気供給管24)に給送し、制御空気供給系P2(空気供給管25)の側の流出ポートを閉鎖し、その空気流路を遮断する。バーナ装置Bは、第1燃料噴射口2の専焼形態で作動し、第1燃料噴射口2によって燃料噴流G1を中心軸線X−Xと平行な方向に噴射するとともに、一次空気噴射口4によって一次空気噴流A1を噴流し、火炎Faを炉内領域αに生成する。直進火炎専焼モードは、熱負荷が小さく、或いは、生産量が比較的少量であるときに採用される低負荷時の運転形態であり、炉内ピーク温度は、比較的低い温度(温度Ta)に設定される。
【0085】
下向き火炎専焼モードでは、三方弁SV1は、気体燃料Gの全量を燃料供給管GP2に給送し、燃料供給管GP1の側の流出ポートを閉鎖し、その燃料供給流路を遮断する。三方弁SV2は、燃焼用空気の全量を制御空気供給系P2(空気供給管25)に給送し、一次空気供給系P1(空気供給管24)の側の流出ポートを閉鎖し、その空気流路を遮断する。バーナ装置Bは、第2燃料噴射口3の専焼形態で作動し、第2燃料噴射口3によって燃料噴流G1を角度θ方向に噴射するとともに、制御空気噴射口7によって制御空気噴流Cを角度θ方向に噴射し、火炎Fbを炉内領域αに生成する。下向き火炎専焼モードは、熱負荷が大きく、或いは、生産量が比較的多量であるときに採用される高負荷時の運転形態であり、炉内ピーク温度は、比較的高い温度(温度Tb)に設定される。
【0087】
下向き火炎混焼モードでは、三方弁SV1は、気体燃料Gを燃料供給管GP1、GP2の双方に給送し、三方弁SV2は、燃焼用空気を一次空気供給系P1(空気供給管24)及び制御空気供給系P2(空気供給管25)の双方に給送する。バーナ装置Bは、第2燃料噴射口3によって燃料噴流G2を角度θ方向に噴射するとともに、制御空気噴射口7によって制御空気噴流Cを角度θ方向に噴射し、火炎Fcdを炉内領域αに生成する。また、バーナ装置Bは、第1燃料噴射口2によって燃料噴流G1を中心軸線X−Xと平行な方向に噴射するとともに、一次空気噴射口4によって一次空気噴流A1を噴流し、火炎Fcsを炉内領域αに生成する。火炎Fcs、Fcdを合成した火炎Fcの炉内ピーク温度Tcは、火炎Faの炉内ピーク温度Taよりも高く、火炎Fbの炉内ピーク温度Tbよりも低い温度(中間値)に設定される。下向き火炎混焼モードは、燃料噴射口2、3の燃料流量比を変化させることにより炉内ピーク温度を変化させることができる作動形態であり、この燃焼モードは、生産量又は熱負荷が比較的頻繁に変化し、炉内ピーク温度を比較的頻繁に調整する操業形態等において好適に使用し得る。
【0088】
本例の炉内燃焼方法においては、これら三種の作動形態が所定の時間間隔で切換制御され、火炎形状、位置及び炉内温度分布は、経時的に変化する。
図14は、作動形態の切換パターンI〜VIを示すタイムチャートである。なお、所望により、時間間隔を基準にした切換制御に換えて、ロータリーキルンKの所定の炉回転数を基準にした切換制御を採用しても良い。
【0089】
図14には、直進火炎専焼モード、下向き火炎専焼モード及び下向き火炎混焼モードの各燃焼モードの切換方法が、燃焼パターンI〜VIとして例示されている。例えば、燃焼パターンIIにおいては、直進火炎専焼モード→下向き火炎専焼モード→下向き火炎混焼モードの順に燃焼モードが切換えられ、燃焼パターンVIでは、燃焼モードは、下向き火炎専焼モード及び下向き火炎混焼モードに交互に切換えられる。各燃焼モードは、時間1〜10の各時間間隔だけ維持されるが、各時間間隔(即ち、切換え時間)は、1時間以上の時間に設定され、例えば、運転条件等に相応した所定時間(例えば、数時間)に設定され、或いは、運転条件等に相応して数日間又は数週間に設定されることもある。
【0090】
このように燃焼モードを所定の時間間隔で切換えることにより、炉内領域αの火炎形状、ピーク温度位置La、Lb、Lc及びピーク温度Ta、Tb、Tcを変化させ、被加熱物の過加熱を防止し又は抑制することができる。このように過加熱を防止することにより、炉壁面又は炉床部における溶融堆積物又は溶融付着物の成長又は拡大を阻止し、これに起因した炉内閉塞を確実に防止し又は回避することができる。例えば、このような燃焼モードの切換制御によれば、
図12(C)に付着物Cm2として例示する如く、比較的少量且つ薄い付着物が炉壁面又は炉床部に生成するにすぎない。
【0091】
(2)ダムリング等の発生を防止するロータリーキルンの炉内燃焼方法
【0092】
ロータリーキルンKの閉塞原因として、炉内領域に生成するダムリングが知られている。ダムリングは、局所的な焼成雰囲気の温度降下による熱分解後の被焼成物の再合成により生成する炉内堆積物又は炉壁面付着物であり、例えば、炉内温度800℃で石灰を熱分解(CaCO
3→CaO+CO
2)させて製品(CaO)を生成する燃焼反応において、炉内温度の局所的な低下等に起因して二酸化炭素雰囲気で生じる再炭酸化反応(CaO+CO
2→CaCO
3)の結果として発生すると考えられる。再炭酸化反応により生成した石灰粒子が結合して固化物として炉壁面又は炉床部に付着・堆積すると、
図13(A)に閉塞物(過大付着物)Dm1として例示するダムリングが形成され、炉内領域αが少なくとも部分的に閉塞し又は狭窄するので、閉塞物Dm1の除去作業のためにロータリーキルンKの運転又は操業を一定期間停止せざるを得ない。このような閉塞物除去の作業を回避し、或いは、除去作業の頻度を低下し又は除去作業の時期を延期することが可能であれば、実用的に極めて有利である。
【0093】
これに対し、上記構成のバーナ装置Bを備えた燃焼システムによれば、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布が経時的に変動するように、燃料噴射口2、3の燃料噴射量の流量比又は流速比を可変制御することにより、局所的な焼成雰囲気の温度降下を防止し又は抑制し、これにより、再炭酸化反応に起因して炉壁面又は炉床部に固化物が生成し又は付着・堆積するのを防止し又は回避することができる。以下、この炉内燃焼方法について説明する。
【0094】
バーナ装置Bは、
図13(A)に示す火炎Faを生成する直進火炎専焼モード、
図13(A)に示す火炎Fbを生成する第1下向き火炎専焼モード、そして、
図13(A)に示す火炎Fcを生成する第2下向き火炎専焼モードの三形態で作動される。なお、各燃焼モードにおいて、燃料噴射口2、3の燃料流量(合計値)に対する空気噴射口4、7の供給空気の空気比は、一定の値(固定値)に設定される。但し、空気噴射口4、7の供給空気(合計値)の空気比を可変制御することも可能である。
【0095】
図13(B)には、温度評価レベルKaにおいて測定した火炎Fa、Fb、Fc生成時の炉温分布が示されている。火炎Fa、Fb、Fcは、火炎形状、ピーク温度位置La、Lb、Lc及びピーク温度Ta、Tb、Tcが相違する火炎である。
【0096】
本例の直進火炎専焼モードは、「過加熱に起因した炉内閉塞を防止する炉内燃焼方法」において説明した直進火炎専焼モードと実質的に同じ作動形態であり、火炎Faを形成する。本例の第1及び第2下向き火炎専焼モードは、「過加熱に起因した炉内閉塞を防止する炉内燃焼方法」において説明した下向き火炎専焼モードと基本的に同じ作動形態であり、火炎Fb、Fcを形成する。但し、第2下向き火炎専焼モードにおける燃料噴射口3の燃料流量は、第1下向き火炎専焼モードにおける燃料噴射口3の燃料流量よりも低減され、ピーク温度Tcは、ピーク温度Taと同等の温度に低下せしめられる。
【0097】
図13には、閉塞物Dm1が生成し易い炉内領域の部分として、位置L1、L2の間の領域γが示されている。この領域γにおいて炉内温度が局所的に低下すると、再炭酸化反応により閉塞物Dm1(ダムリング)が形成される傾向がある。このため、バーナ装置Bの燃料噴射口2、3の燃料流量は、直進火炎専焼モードの火炎Faが位置L2において炉内温度T1の焼成雰囲気を形成し、第2下向き火炎専焼モードの火炎Fcが位置L1において炉内温度T1の焼成雰囲気を形成し、第1下向き火炎専焼モードの火炎Fbが位置L1、L2の間において炉内温度T1の焼成雰囲気を形成するように設定される。なお、炉内温度T1は、再炭酸化反応が生じる温度よりも高い温度(再炭酸化反応が生じない温度)である。
【0098】
直進火炎専焼モード、第1及び第2下向き火炎専焼モードの燃焼モードは、例えば、前述の燃焼パターンII(
図14)の如く所定の時間間隔で切換えられ、領域γの温度は、極端に低下することなく概ね炉内温度T1の近傍の温度域に平準化する。このため、再炭酸化反応(CaO+CO
2→CaCO
3)に起因した固化物の付着・堆積及び成長・拡大の現象が領域γに発生し難く、
図13(A)に付着物Dm2として例示する如く、比較的少量且つ薄い付着物が炉壁面又は炉床部に生成するにすぎない。
【0099】
かくして、本例の炉内燃焼方法によれば、炉内に生成する火炎の形状、位置及び/又は炉内温度分布が経時的に変動するように、燃料噴射口2、3の燃料噴射量の流量比又は流速比を可変制御することにより、領域γの炉内温度を平準化して、局所的な焼成雰囲気の温度降下を防止し又は抑制し、これにより、ダムリング等の炉内形成を防止し又は回避することができる。
【0100】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であることはいうまでもない。
【0101】
例えば、空気噴射口及び燃料噴射口の具体的配置、構造及び寸法等は、本発明の技術に従って適宜設計変更することができる。
【0102】
また、上記実施形態は、燃料として気体燃料を用いた構成のものであるが、燃料として、微粉炭燃料、オイルコークス等の微粉状固形燃料や、液滴又はミスト状の液体噴霧燃料などを使用しても良い。
【0103】
更に、上記実施形態では、第1燃料噴射口は、第1燃料噴流をバーナ装置の中心軸線方向に噴射するように構成されているが、第1燃料噴射口を内向きに配向し、これにより、第1燃料噴流の中心軸線をその噴流方向においてバーナ装置の中心軸線に接近する方向に配向し、或いは、各第1燃料噴射口が噴射した各第1燃料噴流の中心軸線を噴流方向において互いに接近するように配向しても良い。
【0104】
また、第2燃料噴射口についても、各第2燃料噴射口が噴射した各第2燃料噴流の中心軸線を噴流方向において互いに接近するように各第2燃料噴射口の噴射方向を配向することも可能である。
【0105】
更には、上記実施形態では、各空気噴射口の空気噴流の中心軸線は、隣接し又は関連する燃料噴射口の燃料噴流の中心軸線と平行な方向に配向されているが、空気噴流の中心軸線がその噴流方向において燃料噴流の中心軸線に接近するように空気噴射口の中心軸線を配向しても良い。
【0106】
また、上記実施形態に係る炉内燃焼方法は、予め設定された燃焼パターンに従って複数の燃焼モードを自動制御下に順次実施するように構成されたものであるが、複数の燃焼モードを手動操作により順次実施することも可能である。