特許第6362159号(P6362159)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6362159-駆動回路、駆動方法及びプログラム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6362159
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】駆動回路、駆動方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20180712BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   H01L33/00 J
   H05B37/02 J
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-72430(P2014-72430)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-195273(P2015-195273A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2017年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】302069930
【氏名又は名称】NECエンベデッドプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】神田 貞治
【審査官】 吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−132186(JP,A)
【文献】 特開2013−089777(JP,A)
【文献】 特開2011−129864(JP,A)
【文献】 特開2010−040509(JP,A)
【文献】 特開2008−305978(JP,A)
【文献】 特開2007−067313(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0028156(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
H05B 37/00−39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に接続された複数の発光部に流れる電流の総和を特定する加算回路と、
前記加算回路が特定した前記総和に応じた供給電圧に基づいて、前記複数の発光部を駆動する駆動部と、
前記複数の発光部の発光量に係る物理量を検出する発光量検出部と、
前記発光量検出部が検出した物理量に基づく発光量に応じて前記駆動部から前記発光部それぞれ電流を供給するか否かを制御するスイッチング部と、
を備える駆動回路。
【請求項2】
前記スイッチング部は、前記発光量検出部が検出した物理量に基づく発光量が小さい程、前記駆動部から前記発光部それぞれへ電流を供給する期間が長くなるように制御する
請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記スイッチング部は、前記発光量検出部が検出した物理量に基づく発光量が最も小さい発光部を特定し、前記発光量が最も小さい発光部の単位時間当たりの発光時間と、前記発光量が最も小さい発光部の発光量を他の発光部の発光量で除算した値とを乗算して算出した発光時間を、前記他の発光部の単位時間当たりの発光時間とする
請求項1または請求項2に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記加算回路が特定した前記総和に応じた帰還電圧に基づいて前記供給電圧を決定する昇降圧回路
を備える請求項1から請求項3の何れか一項に記載の駆動回路。
【請求項5】
前記昇降圧回路は、前記駆動部が駆動する発光部の並列数に応じて前記供給電圧を出力する
請求項4に記載の駆動回路。
【請求項6】
並列に接続された複数の発光部に流れる電流の総和を特定し、
特定した前記総和に応じた供給電圧に基づいて、前記複数の発光部の発光量に係る物理量を検出し、
検出した物理量に基づく発光量に応じて駆動部から前記発光部それぞれ電流を供給するか否かを制御する駆動方法。
【請求項7】
駆動回路のコンピュータを、
並列に接続された複数の発光部に流れる電流の総和を特定する加算手段と、
前記加算手段が特定した前記総和に応じた供給電圧に基づいて、前記複数の発光部を駆動する駆動手段と、
前記複数の発光部の発光量に係る物理量を検出する発光量検出手段と、
前記発光量検出手段によって検出した物理量に基づく発光量に応じて駆動部から発光部それぞれ電流を供給するか否かを制御するスイッチング手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路、駆動方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)は、テレビジョン、パーソナルコンピュータ、照明など様々な分野で光源として利用されている。
非特許文献1には、関連する技術として、119個のLEDを駆動する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】ローム株式会社、“7x17(Max.)Dot Matrix LED Display Driver BD26503GUL Technical Note 2013.02−Rev.A”、[online]、[平成26年3月28日検索]、インターネット<URL:http://rohmfs.rohm.com/en/products/databook/datasheet/ic/power/led_driver/bd26503gul-e.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、非特許文献1に開示された駆動回路に於いて、全てのLEDを点灯させ最大の輝度を得ようとした場合は、瞬間的には複数のチャネルのうち1チャネルのみを駆動する回路であり、チャネル数が増加すると1チャネルの単位時間当たりの発光の割合が低減するため発光効率が低下する。また、一般的に、異なる電流が流れるLEDの輝度は異なるため、同一の電圧を印加されたチャネル間のLEDの輝度は異なる。そのため、発光効率が高く、かつ、チャネル間で輝度のばらつきのないLEDの発光を実現する駆動回路が求められている。
【0005】
そこでこの発明は、上記の課題を解決することのできる駆動回路、駆動方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、並列に接続された複数の発光部に流れる電流の総和を特定する加算回路と、前記加算回路が特定した前記総和に応じた供給電圧に基づいて、前記複数の発光部を駆動する駆動部と、前記複数の発光部の発光量に係る物理量を検出する発光量検出部と、前記発光量検出部が検出した物理量に基づく発光量に応じて前記駆動部から前記発光部それぞれ電流を供給するか否かを制御するスイッチング部と、を備える駆動回路である。
【0007】
また本発明は、並列に接続された複数の発光部に流れる電流の総和を特定し、特定した前記総和に応じた供給電圧に基づいて、前記複数の発光部の発光量に係る物理量を検出し、検出した物理量に基づく発光量に応じて駆動部から前記発光部それぞれ電流を供給するか否かを制御する駆動方法である。
【0008】
また本発明は、駆動回路のコンピュータを、並列に接続された複数の発光部に流れる電流の総和を特定する加算手段と、前記加算手段が特定した前記総和に応じた供給電圧に基づいて、前記複数の発光部を駆動する駆動手段と、前記複数の発光部の発光量に係る物理量を検出する発光量検出手段と、前記発光量検出手段によって検出した物理量に基づく発光量に応じて駆動部から発光部それぞれ電流を供給するか否かを制御するスイッチング手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の駆動回路の処理により、発光効率が高く、かつ、チャネル間で輝度のばらつきのないLEDの発光を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の駆動回路10の最小構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態による駆動回路10の構成の一例を示す図である。
図3】発光部104に供給される電流のオン/オフの期間の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
図1は、本発明の駆動回路10の最小構成の一例を示す図である。
この図で示すように、駆動回路10は、少なくとも、駆動部101と、発光量検出部102と、スイッチング部103とを備える。
駆動回路10が備える駆動部101は、並列に接続された複数の発光部を駆動する。
発光量検出部102は、複数の発光部の発光量に係る物理量を検出する。
スイッチング部103は、発光量検出部102が検出した物理量に基づく発光量に応じて駆動部101から発光部へそれぞれ供給する電流のオン/オフを制御する。
【0012】
図2は、本発明の実施形態による駆動回路10の構成の一例を示す図である。
本発明の実施形態による駆動回路10は、図2で示すように、駆動部101と、発光量検出部102と、スイッチング部103と、発光部104と、発振器105と、加算回路106と、アンプ107と、LEDドライバ回路108とを備える。
【0013】
駆動部101は、並列に接続された複数の発光部を駆動する。駆動部101は、昇降圧回路108aが出力する電圧を発光部104に印加し、電流を供給する。
発光量検出部102は、発光部104が備えるLEDアレイ104a、104b、104c(複数の発光部)の発光量に係る物理量を検出する。発光量検出部102は、抵抗102aと、102bと、102cとを備える。抵抗102a〜102cは、同一の抵抗値Rの抵抗である。
【0014】
スイッチング部103は、発光量検出部102が検出した物理量に基づく発光量に応じて駆動部101から発光部104へそれぞれ供給する電流のオン/オフを制御する。スイッチング部103は、発光量検出部102が検出した物理量に基づく発光量が小さい程、駆動部101から発光部104へそれぞれ供給する電流のオンの期間が長くなるように制御する。
【0015】
発光部104は、駆動部101を介して印加される電圧に応じて流れる電流に比例した輝度で発光する。発光部104は、LEDアレイ104aと、104bと、104cとを備える。LEDアレイ104a〜104cのそれぞれは、複数の直列接続されたLEDを備える。
【0016】
発振器105は、クロック信号を生成する。
加算回路106は、抵抗102a、102b、102cのそれぞれの両端の電圧を加算する。
アンプ107は、加算回路106が出力する電圧を利得倍した電圧を出力する。発光量検出部102が検出した物理量に基づく発光量に応じて利得を可変する。
【0017】
LEDドライバ回路108は、フィードバック電圧(帰還電圧)FBに基づいて出力電圧Voutを出力する。LEDドライバ回路108は、昇降圧回路108aと、電流検出回路108bとを備える。
昇降圧回路108aは、電流検出回路108bが検出した電流値に基づいた電圧を出力する。
電流検出回路108bは、フィードバック電圧FBに基づいて出力電流を検出する。電流検出回路108bは、検出した電流の電流値を昇降圧回路108aに出力する。
【0018】
図3は、発光部104に供給される電流のオン/オフの期間の一例を示す図である。
スイッチング部103は、抵抗102a〜102cが検出する電流に応じて、FET101a〜101cのゲートをオン/オフする。図3は、スイッチング部103がFET101a〜101cのゲートをオン/オフする期間に一致する。なお、図3における波形は、Lowの時に駆動部101がオンするLowアクティブの論理で示されている。
図3の(1)は、発光量検出部102が備える抵抗102a〜102cが検出した電流の電流値が2番目に大きいLEDアレイ104cに流れる電流のオン/オフの期間を示している。図3の(2)は、発光量検出部102が備える抵抗102a〜102cが検出した電流の電流値が最も大きいLEDアレイ104bに流れる電流のオン/オフの期間を示している。図3の(3)は、発光量検出部102が備える抵抗102a〜102cが検出した電流の電流値が最も小さいLEDアレイ104aに流れる電流のオン/オフの期間を示している。図3は、LEDアレイ104a〜104cに流れる電流の電流値が最も小さいLEDアレイ104を100パーセントとし、その100パーセントの輝度と同一になるように、発光量検出部102が検出した電流値に応じて他のLEDアレイ104に流す電流のオン/オフ期間を決定する。図3では、1周期において各LEDアレイ104を点灯させる期間を矢印で示した。
なお、オン/オフ期間による各LEDアレイ104の輝度の調整は、一定の周波数以上の点滅を人間は感知できず、人間の目がその点滅のオン/オフ比(デューティ比)に比例して輝度の増減を感知することに基づいている。
なお、図3における各デューティ比は、説明の都合上違いが分かり易く示したものであり、各デューティ比の実際の違いはここで示したものよりも小さい場合が多い。
【0019】
次に、実施形態による駆動回路10の処理について説明する。なお、ここでは、図2で示した構成の駆動回路10を例に説明する。また、発光量検出部102は、図3で示したオン/オフ期間となる電流値を検出したものとする。
【0020】
まず、スイッチング部103は、発振器105が生成するクロック信号を入力する。スイッチング部103は、入力したクロック信号のタイミングに基づいて点灯時間を決定したタイミング(t=0)から所定の期間FET101a〜101cの全てをオン状態にする。なお、ここでの所定の期間とは、点灯時間を決定したタイミングから、スイッチング部103が以下で示す発光量検出部102の検出した電流値を取得後、点灯するLEDアレイ104を変更するまでの期間である。スイッチング部103は、電流を流すLEDアレイ104の数に基づいてアンプ107の利得を設定する。例えば、スイッチング部103は、電流を流すLEDアレイ104の数が3である場合、LEDアレイ104の総数3をその3で割った利得1にアンプ107の利得を設定する。また、スイッチング部103は、電流を流すLEDアレイ104の数が2である場合、LEDアレイ104の総数3をその2で割った利得1.5にアンプ107の利得を設定する。また、スイッチング部103は、電流を流すLEDアレイ104の数が1である場合、LEDアレイ104の総数3をその1で割った利得3にアンプ107の利得を設定する。
【0021】
発光量検出部102が備える抵抗102aは、LEDアレイ104aに流れる電流に比例する電圧VdetAを検出する。抵抗102bは、LEDアレイ104bに流れる電流に比例する電圧VdetBを検出する。抵抗102cは、LEDアレイ104cに流れる電流に比例する電圧VdetCを検出する。抵抗102a、102b、102cのそれぞれは、設計段階で決定する既知の抵抗値Rの抵抗である。そのため、抵抗102aが電圧VdetAを検出することは、LEDアレイ104aに流れる電流(VdetA÷R)を検出したこととなる。同様に、抵抗102bが電圧VdetBを検出することは、LEDアレイ104bに流れる電流(VdetB÷R)を検出したこととなる。また、抵抗102cが電圧VdetCを検出することは、LEDアレイ104cに流れる電流(VdetC÷R)を検出したこととなる。
【0022】
スイッチング部103は、抵抗102a、102b、102cのそれぞれが検出した電圧VdetA、VdetB、VdetCのそれぞれを取得する。スイッチング部103は、電圧VdetA、VdetB、VdetCのうち最も低い電圧に対応するLEDアレイ104に流す電流のオン期間を100パーセント(単位時間当たりの全期間)として、各LEDアレイ104の輝度が同一になるようにオン/オフ期間を決定する。
【0023】
例えば、電圧としてVdetBが最も高く、VdetCが2番目に高く、VdetAが最も低い場合、スイッチング部103は、最も低い電圧(VdetA)÷VdetA=100[パーセント](例えば、図3における1周期)の期間でLEDアレイ104aに電流が流れるようにFET101aのゲートをオン状態にする。また、スイッチング部103は図3におけるt=0を起点とした1周期のうち、最も低い電圧(VdetA)÷VdetB[パーセント]の期間でLEDアレイ104bに電流が流れるようにFET101bのゲートをオン状態にする。また、スイッチング部103は図3におけるt=0を起点とした1周期のうち、最も低い電圧値(VdetA)÷VdetC[パーセント]の期間でLEDアレイ104cに電流が流れるようにFET101cのゲートをオン状態にする。
なお、図3で示す1周期において、LEDアレイ104a、104b、104cの3つが点灯する期間を期間1と呼ぶ。また、図3で示す1周期において、LEDアレイ104aと104cの2つが点灯する期間を期間2と呼ぶ。また、図3で示す1周期において、LEDアレイ104aの1つが点灯する期間を期間3と呼ぶ。
【0024】
加算回路106は、期間1、期間2、期間3のそれぞれの期間に応じた電圧VdetA、VdetB、VdetCを加算する。例えば、加算回路106は、期間1には電圧VdetAと、VdetBと、VdetCとを加算し、VdetA+VdetB+VdetCの電圧を出力する。また、加算回路106は、期間2には電圧VdetAと、VdetCとを加算し、VdetA+VdetCの電圧を出力する。また、加算回路106は、期間3には電圧VdetAのみを加算し、VdetAの電圧を出力する。
【0025】
アンプ107は、加算回路106が出力する電圧にスイッチング部103により設定される利得を乗じた電圧を出力する。このとき、スイッチング部103は、電流を流すLEDアレイ104の数でLEDアレイ104の総数を割った利得にアンプ107の利得を設定する。例えば、アンプ107は、期間1では、(電圧VdetA+VdetB+VdetC)×(利得1)=VdetA+VdetB+VdetCの電圧を出力する。また、アンプ107は、期間2では、(電圧VdetA+VdetC)×(利得1.5)=1.5×(VdetA+VdetC)の電圧を出力する。また、アンプ107は、期間3では、(電圧VdetA)×(利得3)=3×VdetAの電圧を出力する。
なお、上述したように、図3における各デューティ比は、説明の都合上違いが分かり易く示したものであり、各デューティ比の実際の差異は小さい場合が多い。スイッチング部103が電流を流すLEDアレイ104の数に基づいてアンプ107の利得を設定するのは、電流を流すLEDアレイ104の数に応じた適切なフィードバック電圧FBにするためである。その結果、LEDドライバ回路108におけるフィードバック制御により電流検出回路108bは出力電流を一定にするように動作する。また、昇降圧回路108aは出力電流を一定にするように動作する。このようにすることで、電流を流すLEDアレイ104の数が変化した場合にも各LEDアレイ104に適切な電流を流すことができる。
【0026】
電流検出回路108bは、アンプ107が出力するフィードバック電圧FBに基づき出力電流を検出する。電流検出回路108bは、検出した電流に1対1で対応した電流を生成する。例えば、電流検出回路108bは、検出した電流に正比例した電流を出力する。
昇降圧回路108aは、電流検出回路108bが出力する電流を入力する。昇降圧回路108aは、入力した電流をインダクタなどの素子を用いて所定の電圧に昇圧または降圧して電圧を出力する。
【0027】
なお、電流検出回路108bは、検出した電流に1対1で対応した電圧を生成する回路であってもよい。例えば、電流検出回路108bは、検出した電流に正比例した電圧を出力してもよい。その場合、昇降圧回路108aは、電流検出回路108bが出力する電圧を入力する。昇降圧回路108aは、入力した電圧をチャージポンプ回路などを用いて所定の電圧に昇圧または降圧して電圧を出力する回路であればよい。
なお、LEDドライバ回路108は、一般的なLEDドライバ回路ICなどを用いてもよい。
【0028】
その後、スイッチング部103は、上述のように決定した期間1、期間2、期間3の切り替わりタイミングを繰り返す。すなわち、スイッチング部103は、期間1、期間2、期間3の切り替わりタイミング毎にFET101a〜101cのゲートをオン/オフし、発光部104に流れる電流を制御する(ステップS1)。発光量検出部102は、発光部104に流れる電流に基づく電圧を検出する(ステップS2)。加算回路106は、発光量検出部102が検出した電圧を加算する(ステップS3)。アンプ107は、加算回路106が加算した電圧にスイッチング部103により設定される利得を乗じた電圧を出力する(ステップS4)。LEDドライバ回路108は、アンプ107が出力する電圧をフィードバック電圧として入力する(ステップS5)。LEDドライバ回路108は、フィードバック電圧FBに基づいた電圧Voutを出力する。
なお、スイッチング部103が所定のタイミングt=0で点灯時間を決定する処理は、最初に一度行うものであってもよいし、所定の時間に繰り返すものであってもよい。
【0029】
なお、上述の駆動回路10は、一例であり、FET101の数、発光部104が備えるLEDアレイ104の数、発光量検出部102の数などはここで示した例に限定するものではない。例えば、FET101、LEDアレイ104、発光量検出部102のそれぞれは、2つずつであってもよいし、4つ以上であってもよい。
なお、一般的にLEDは、LEDに流れる電流が同一である場合、ほぼ同一の輝度であるとみなすことができる。上述の駆動回路10は、直列接続された複数のLED間の電圧対電流特性のばらつきを補正するものではない。
【0030】
以上、実施形態による駆動回路10について説明した。駆動回路10は、駆動部101と、発光量検出部102と、スイッチング部103と、を備える。駆動部101は、並列に接続された複数の発光部104を駆動する。発光量検出部102は、複数の発光部104の発光量に係る物理量である電流を電圧として検出する。スイッチング部103は、発光量検出部102が検出した電流に基づく発光量に応じて駆動部101から発光部104へそれぞれ供給する電流のオン/オフを制御する。スイッチング部103は、発光量検出部102が検出した電流に基づく発光量が小さい程、駆動部101から発光部104へそれぞれ供給する電流のオンの期間が長くなるように制御する。このようにすることで、実施形態による駆動回路10は、発光効率が高く、かつ、チャネル間で輝度のばらつきのないLEDの発光を実現することができる。
また、スイッチング部103は、発光させるLEDアレイ104の数に応じてアンプ107の利得を可変させる。このようにすることで、駆動回路10が備えるアンプ107は、発光させるLEDアレイ104の数に応じた適切なフィードバック電圧FBを生成することができる。その結果、電流を流すLEDアレイ104の数が変化した場合にも各LEDアレイ104に適切な電流を流すことができる。
また、実施形態による駆動回路10においてLEDドライバ回路108は、一般的なLEDドライバ回路を用いてもよい。このようにすることで、新規回路の設計を省くことができ早期製品開発を実現することができる。
【0031】
なお本発明の実施形態について説明したが、上述の駆動回路10は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0032】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0033】
10・・・駆動回路
101・・・駆動部
101a、101b、101c・・・FET(Field Effect Transistor)
102・・・発光量検出部
102a、102b、102c・・・抵抗
103・・・スイッチング部
104・・・発光部
104a、104b、104c・・・LEDアレイ
105・・・発振器
106・・・加算回路
107・・・アンプ
108・・・LEDドライバ回路
108a・・・昇降圧回路
108b・・・電流検出回路
図1
図2
図3