(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6362190
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】トンネル無線通信補助設備
(51)【国際特許分類】
A62C 3/00 20060101AFI20180712BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20180712BHJP
A62C 35/20 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
A62C3/00 J
H01Q1/22 Z
A62C35/20
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-78565(P2017-78565)
(22)【出願日】2017年4月12日
(62)【分割の表示】特願2013-168806(P2013-168806)の分割
【原出願日】2013年8月15日
(65)【公開番号】特開2017-148543(P2017-148543A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2017年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】松長 秀一
(72)【発明者】
【氏名】増澤 一浩
(72)【発明者】
【氏名】茨木 博
【審査官】
首藤 崇聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−075808(JP,A)
【文献】
特開2012−191471(JP,A)
【文献】
特開2011−121507(JP,A)
【文献】
特開2006−155495(JP,A)
【文献】
特開2015−37274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 3/00
A62C 35/20
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内に所定間隔で設置された複数の設備機器に設けられ、トンネル内で使用する無線通信機と通信接続するアンテナと、
トンネル外で使用する通信機器と通信接続するトンネル外通信手段と、
前記アンテナと前記トンネル外通信手段とを通信接続するトンネル内通信手段と、
を備えたトンネル無線通信補助設備であって、
前記設備機器は、筐体の前面に開閉自在な扉を備え、筐体内に消火器を収納した消火器収納装置であり、
前記アンテナは、前記消火器収納装置の扉に形成された開口に設置されたことを特徴とするトンネル無線通信補助設備。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル無線通信補助設備に於いて、
前記トンネル外通信手段は、前記トンネルの坑口の一方又は両方に配置され、前記トンネル外で使用する通信機器が接続される無線接続箱であり、
前記トンネル内通信手段は、前記消火器収納装置に設置されたアンテナの各々を前記トンネルの一方の坑口側から他方の坑口側まで直列的に順次接続する配線部材であることを特徴とするトンネル無線通信補助設備。
【請求項3】
請求項1記載のトンネル無線通信補助設備に於いて、
前記消火器収納装置の扉開口の内側となる前記アンテナの背後に配置された反射板と、
前記消火器収納装置の扉開口の外側となる前記アンテナの前方を覆って配置されたアンテナカバーと、
を備えたことを特徴とするトンネル無線通信補助設備。
【請求項4】
請求項1記載のトンネル無線通信補助設備に於いて、
前記消火器収納装置の扉前面に消火器を模式的に表した立体形状の消火器シンボルを備え、
前記アンテナは、前記消火器シンボルの内部に配置されたことを特徴とするトンネル無線通信補助設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内の救助活動、消火活動等に際して、トンネル外部との連絡に供するためのトンネル無線通信補助設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路トンネルにおける非常設備としては、非常電話や火災検知器等の通報・警報設備、消火器や消火栓の消火設備、非難誘導設備に加え、その他の設備として無線通信補助設備等があり、トンネル延長と一日当りの交通量できまるトンネル等級に応じ、設置する非常設備を定めている。
【0003】
このうちトンネル延長が10000mを超えるAA等級にあっては、トンネル内の救助活動、消火活動等に際して、トンネル外部との連絡に供するための無線通信補助設備の設置を義務付けており、また、トンネル延長が3000〜10000mのA等級にあっては、必要に応じて無線通信補助設備を設置するとしている。
【0004】
この無線通信補助設備は、トンネル内に設置する空中線とトンネル坑外に設置する無線装置で構成する。トンネル内に設置する空中線には漏洩同軸ケーブルが用いられる。漏洩同軸ケーブルは、同軸ケーブルに電波を放射するスロットを設けたもので、LCX(Leaky Coaxial Cable)と呼ばれている。
【0005】
トンネル坑外に設置する無線装置は、基地局、中継局等の常時設置の場合と、必要時にのみ無線機を持ち込み、無線接続箱の接続端子を使用して空中線系に接続して使用する場合があり、例えば消防無線機を接続する無線接続箱や警察無線機を接続する無線接続箱を設置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−155495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このようなトンネル無線通信補助設備は、トンネル延長が1000〜3000mとなるB等級の場合、その設置は義務付けられていないが、消防や警察の要望により、B等級のトンネルについても、無線通信補助設備を設置したい場合がある。
【0008】
そこで、B等級のトンネルについても、AA等級及びA等級の場合と同様、漏洩同軸ケーブルをトンネル内に設置する無線通信補助設備を設置することが考えられる。
【0009】
しかしながら、漏洩同軸ケーブルは、構造上太くて重いため、高所での施工性が悪く、工事の安全性を考慮してトンネル側壁取付を標準としており、既設のトンネルに漏洩同軸ケーブルを敷設する場合、トンネル側壁に吊り金具を取り付ける必要があり、トンネル躯体に影響する問題がある。
【0010】
また、漏洩同軸ケーブルは特殊な構造をもつことから高価であり、コスト的な負担も大きいという問題もある。
【0011】
この問題を解決するため本願出願人にあっては、トンネル内に所定間隔で設置された複数の設備機器、例えば消火器収納装置にアンテナを設置すると共に分岐器を設け、トンネルの坑口に設置した無線接続箱からトンネル内の消火器収納装置を順次経由してトンネル坑口の他方の無線接続箱に給電用同軸ケーブルを敷設し、消火器収納装置に設けた分岐器の入力端子と出力端に給電用同軸ケーブルを接続すると共にアンテナを分岐端子に接続するようにしたトンネル無線通信補助設備を提案している(特願2013−136555)。
【0012】
このようなトンネル無線通信補助設備によれば、漏洩同軸ケーブルに代えて、トンネル内に設置している既設の消火器収納装置にアンテナ及び分岐器を設けて当軸ケーブルで坑口の無線接続箱と接続することで、トンネル躯体に対する取り付け工事を不要とし、トンネル躯体に影響することなく、既設のトンネルであっても、簡単且つ容易に設置可能とする。また、高価な漏洩同軸ケーブルを使う必要がないため、設備コストも低減できる。
【0013】
ここで、消火器収納装置に対するアンテナの設置は、消火器を収納した筐体に開閉自在に設けた扉前面にアンテナを設置し、消火器収納装置の設置間隔は50メートルであることから、両側約25メートルの範囲に存在する携帯無線通信機との通信を可能とするように電波を送信すると共に電波を受信するアンテナを設置する必要がある。
【0014】
しかしながら、消火器収納装置にアンテナを配置した場合、直進したトンネルで両側約25メートルの通信可能範囲をカバーできていても、例えばカーブしているトンネルの場合には、両側約25メートルの通信可能範囲をカバーできない場合がある。
【0015】
この問題を解決するためには、双方向増幅機能を備えたブースタを必要に応じて設置して通信可能範囲を広げることが考えられるが、ブースタを設置した場合には、ブースタに電源装置を設けて直流電源を供給するか、給電用同軸ケーブルを利用して直流電源を供給する必要があり、設備構成が煩雑となり、コスト的にも高価になる問題がある。
【0016】
本発明は、消火器収納装置に設けたアンテナ特性を改善してトンネル内で使用する無線通信機と通信接続する通信可能エリアを簡単に拡大可能とするトンネル無線通信補助設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、
トンネル内に所定間隔で設置された複数の設備機器に設けられ、トンネル内で使用する無線通信機と通信接続するアンテナ
と、
トンネル外で使用する通信機器と通信接続するトンネル外通信手段と、
アンテナとトンネル外通信手段とを通信接続するトンネル内通信手段と、
を備えたトンネル無線通信補助設備に
であって、
設備機器は、筐体の前面に開閉自在な扉を備え、筐体内に消火器を収納した消火器収納装置であり、
アンテナは、消火器収納装置の扉に
形成された開口に設置されたことを特徴とする。
トンネル外通信手段は、トンネルの坑口の一方又は両方に配置され、トンネル外で使用する通信機器が接続される無線接続箱であり、
トンネル内通信手段は、消火器収納装置に設置されたアンテナの各々をトンネルの一方の坑口側から他方の坑口側まで直列的に順次接続する配線部材である。
【0018】
ここで、
トンネル無線通信補助設備は、
消火器収納装置の扉開口の内側となるアンテナの背後に
配置された反射板と、
消火器収納装置の扉開口の外側となるアンテナの前方を覆って
配置されたアンテナカバーと、
を備えている。
【0019】
また、
トンネル無線通信補助設備は、
消火器収納装置の扉前面に消火器を模式的に表した立体形状の消火器シンボルを備え、
アンテナは、消火器シンボルの内部に
配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】トンネル両側坑口から無線供給するトンネル無線通信補助設備の実施形態を示した説明図
【
図3】アンテナを設置した消火器収納装置を示した斜視図
【
図4】アンテナを設置した消火器収納装置を示した正面図
【
図8】
図7のY−Y断面とその組立分解状態を示した断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[無線通信補助設備の構成]
図1はトンネル両側坑口から無線供給するトンネル無線通信補助設備の実施形態を示した説明図、
図2はB等級トンネルの設備を示した説明図である。
【0022】
図1及び
図2に示すように、本実施形態のトンネル無線通信補助設備は、トンネル10内の監視員通路15に沿って設置した消火器収納装置12に分岐器16とアンテナ18を設け、トンネル10の一方の坑口から他方の坑口に向けて給電用同軸ケーブル26を敷設している。
【0023】
消火器収納装置12に設けた分岐器16は、入力端子、出力端子及び分岐端子を備え、両側に位置する一方の給電用同軸ケーブル26を入力端子に接続すると共に他方の給電用同軸ケーブル26を出力端子に接続し、アンテナ18を分岐端子に接続している。アンテナ18は両側約25メートルの範囲に存在する携帯無線通信機との通信を可能とするように電波を送信すると共に電波を受信する。
【0024】
トンネル10の両側の坑口には、共用器24を介して消防用無線接続箱20と警察用無線接続箱22を設置している。消防用無線接続箱20は開閉自在な扉の内部に給電接続端子を備えており、150MHz帯の所定の消防無線割当周波数を使用する消防無線機を接続し、トンネル内で消防隊員が携帯する無線通信機との間での会話通信を可能とする。150MHz帯の消防無線は、148.0100MHz〜154.3100MHzに1.6MHzの帯域幅で68チャンネルが割当てられている。
【0025】
警察用無線接続箱22は開閉自在な扉の内部に給電接続端子を備えており、150MHz帯の所定の警察無線割当周波数を使用する警察無線機を接続し、トンネル内で警察官が携帯する無線通信機との間での会話通信を可能とする。
【0026】
共用器24は、消防無線割当周波数を通過する帯域通過フィルタと警察無線割当周波数を通過する帯域通過フィルタを備え、2つの帯域通過フィルタの一方の出力を共通接続してトンネル側の同軸ケーブル26に接続している。
【0027】
トンネル10における同軸ケーブル26の敷設は、監視員通路15の下側のダクト通路17に設置している電線管19を通して行い、消火器収納装置12の設置場所で立ち上げ、消火器収納装置12に設けた通線孔を経由して消火器収納装置12内に設置した分岐器16に同軸ケーブル26を接続する。このためトンネル10内に同軸ケーブル26を敷設するための取付金具などの設置は不要であり、トンネル躯体に影響しない。
【0028】
このように漏洩同軸ケーブルに代えて、トンネル10内に設置している消火器収納装置12に分岐器16及びアンテナ18設けて同軸ケーブル26で坑口の消防用無線接続箱20及び警察用無線接続箱22と共用器24を介して接続することで、トンネル躯体に対する取り付け工事を不要とし、トンネル躯体に影響することなく、既設のトンネルであっても、簡単且つ容易に設置可能とする。また、高価な漏洩同軸ケーブルを使う必要がないため、設備コストも低減できる。
【0029】
[消火器収納装置のアンテナ設置]
図3はアンテナを設置した消火器収納装置を示した斜視図、
図4はアンテナを設置した消火器収納装置を示した正面図である。
【0030】
図3及び
図4に示すように、消火器収納装置12は、前面に開口した箱形の筐体28と筐体開口に開閉自在に設けた消火器扉30で構成し、筐体28の中に例えば2本の消火器を収納している。
【0031】
消火器扉30は、右側に開閉ハンドル36を設け、略中央の前面に消火器を模式的に表した合成樹脂などを用いた消火器シンボル板32をビス止めで固定しており、また、扉上部に「消火器」の文字を描いている。
【0032】
消火器シンボル板32に描かれる消火器シンボルのボンベ部分はアンテナカバー34であり、アンテナカバー34は前方に円弧状に張り出すことで消火器ボンベを模式的に表した立体形状としており、その内側を空洞としてアンテナ設置スペースを確保し、内部にアンテナ18を配置している。
【0033】
図5は筐体と消火器扉を分解して示した説明図であり、
図5(A)は筐体を示し、
図5(B)は消火器扉を示す。
【0034】
図5に示すように、消火器収納装置12の筐体28は、扉開口40を備えた箱形状をもち、板金加工により形成しており、扉開口40の左側の上下2箇所にヒンジ受け部42を設け、扉開口40の右側略中央にマグネットラッチ44を設けて消火器扉30を吸着保持可能としている。
【0035】
消火器扉30は左側の上下2箇所のヒンジ部46を設け、これを筐体28のヒンジ受け部42に嵌め入れることで開閉自在に筐体28の扉開口40に装着される。消火器扉30の前面にビス止め固定した消火器シンボル板32は、消火器ボンベ部分となるアンテナカバー34の内側にアンテナ18を配置し、アンテナ18の背後に反射板38を配置している。
【0036】
図6は消火器扉を分解して示した説明図であり、
図6(A)に消火器扉を示し、
図6(B)に消火器シンボル板を示し、
図6(C)にアンテナカバーを示している。
【0037】
図6に示すように、消火器扉30のアンテナカバー34を取り付ける位置には開口48を形成し、開口48の部分に、取付アングル部材52aによってアンテナ基台50に起立したアンテナ18を配置している。また、アンテナ18の背後には、取付アングル部材52a,52bによって反射板38を配置している。
【0038】
消火器シンボル板32は消火器ボンベ部分を刳り貫いてボンベ開口54を形成している。ボンベ開口54は消火器扉30に形成した開口48と同じ形状であり、消火器シンボル板32を消火器扉30の前面にビス止め固定した場合に、開口48とボンベ開口54は重なり合って一つの開口となる。
【0039】
アンテナカバー34は消火器ボンベ部分を立体形状で模したカバー本体55の周囲にフランジ部56を一体に形成しており、消火器扉30に形成した開口48に内側から嵌め入れ、フランジ部56の部分で扉裏面に例えば接着剤により固定可能としている。
【0040】
消火器シンボル板32およびアンテナカバー34の材質は、アンテナ18の利得に変動を与えにくい合成樹脂や繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)とする。
【0041】
図7は
図4のX−X断面を示した断面図、及び
図8は
図7のY−Y断面(
図8(A)参照)とその組立分解状態(
図8(B)参照)を示した断面図である。
【0042】
図8に示すように、消火器収納装置12の筐体28の内部には、想像線で示すように2本の消火器66を収納しており、消火器扉30に形成した開口48の部分にアンテナ18を垂直に起立して配置し、更に、アンテナ18の背後に反射板38を配置している。
【0043】
消火器扉30に対するアンテナ18、アンテナカバー34及び反射板38の取付構造は、
図8(B)に示すように、消火器扉30の開口48に内側からアンテナカバー34を装着して接着剤などで固着し、開口48の外側に消火器シンボル板32をビス64により固定する。
【0044】
アンテナ18を起立したアンテナ基台50は取付アングル部材58に固定し、この取付アングル部材58を取付アングル部材52aにビス60で固定しており、更に、取付アングル部材52aを消火器扉30の内側に溶接などで固定し、アンテナ18が消火器扉30の開口48に入るように配置している。
【0045】
消火器扉30に形成した開口48の内側となる上下2箇所には取付アングル部材52a,52bを溶接などで固定しており、上側の取付アングル部材52bはアンテナ18を配置する下側の取付アングル部材52aと同じ形状であり、上下2箇所に固定した取付アングル部材52a,52bの背後に導電材料で作られた反射板38をビス62により固定し、アンテナ18の背後に反射板38を配置している。
【0046】
このように消火器収納装置12の消火器扉30に開口48を形成してアンテナ18を設置し、消火器扉30の開口48の内側となるアンテナ18の背後に反射板38を配置し、更に、消火器扉30の開口48の外側となるアンテナ18の前方を覆ってアンテナカバー34を配置するようにしたため、アンテナ18による通信可能範囲が反射板38を設けたことによって拡大可能となる。
【0047】
例えばアンテナ18から送信した電波が携帯無線通信機で受信可能となる範囲は、アンテナ18から前方に放射した電波に、アンテナ18から後方に放射して反射板38により反射した電波が加わることで拡大する。
【0048】
また、携帯無線通信機から送信した電波がアンテナ18で受信可能となる範囲は、アンテナ18に直接到来する電波に、反射板38により反射してアンテナ18に到来する電波が加わることで、同様に拡大する。
【0049】
[本発明の変形例]
上記の実施形態では、アンテナの背後に平面から見てフラットな反射板を配置しているが、反射板を平面から見て湾曲板形状や折曲板形状としてもよい。
【0050】
また、アンテナの背後に設置する反射板の位置は、筐体に対する消火器の収納を妨げない範囲で、通信可能範囲を拡大可能な適宜の位置に配置することが望ましい。
【0051】
また、上記の実施形態では、アンテナを消火器扉に形成した開口の部分に配置しているが、消火器ボンベ部分の立体形状を模したアンテナカバーの前方への飛び出しを、シンボル表示を損なうことのない範囲で大きくすることで、アンテナを消火器扉に形成した開口から可能な限り離れた前方位置に配置して通信可能範囲を拡大するようにしても良い。
【0052】
また、上記の実施形態に示した消火器扉に対するアンテナ及び反射板の取付構造は一例であり、必要に応じて適宜の取付構造としても良い。
【0053】
また、上記の実施形態は、トンネル無線通信設備の分岐器とアンテナを設ける設備機器として、消火器収納装置を例にとるものであったが、消火器収納装置と同様に、筐体に扉を備えたそれ以外の適宜の設備機器に設けるようにしても良い。
【0054】
また、上記の実施形態は、既設のトンネルにトンネル無線通信補助設備を設ける場合を例にとるものであったが、新設のトンネルについても、同様に適用可能である。
【0055】
また、上記の実施形態は、消防及び又は警察の無線接続箱からの信号を共用器でまとめてトンネル内に供給しているが、共用器に対し更に、国土交通省無線機の無線接続箱を設けたり、FMラジオ再放送装置などを必要に応じて接続するようにしても良い。
【0056】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0057】
10: トンネル
12:消火器収納装置
14:照明装置
15:監視員通路
16:分岐器
17:ダクト通路
18:アンテナ
19:電線管
20:消防用無線接続箱
22:警察用無線接続箱
24:共用器
26:同軸ケーブル
28:筐体
30:消火器扉
32:消火器シンボル板
34:アンテナカバー
38:反射板
48:開口