(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一対の表面板と、前記表面板の辺部間に介在される枠材と、前記表面板及び枠材にて形成される空間内に注入充填される発泡ウレタンと、断熱材と、前記断熱材に配設された冷温水チューブと、からなる積層構造体であって、前記冷温水チューブは、水平面内において互いに平行に配管している複数の平行配管部の両端をU字形状とする蛇行部を有し、前記断熱材の一方の面に凸部を形成し、前記凸部の反対側の面に前記冷温水チューブが配設されていることを特徴とする冷温水循環断熱パネル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の冷風循環式プレハブ庫は、乾燥により生鮮野菜・果物・精肉・鮮魚について品質の劣化が早く長期保存が難しく、流通業界の大きな課題となっている。
【0005】
また、冷風循環式プレハブ庫は、ユニットクーラーを利用して空気循環により冷やしているため、継続使用すると、ユニットクーラーのフィルターに付着したカビが庫内に著しく広範囲に拡散する。これにより、特に流通関連企業では、商品ロス(廃棄)が増え、大きな課題となっている。
【0006】
食品工場において、従業員が行う作業エリアは、生鮮野菜・果物・精肉・鮮魚の鮮度を保つために10℃から15℃の温度設定が一般的であり、低温による作業環境が悪い。特に直接空調機の冷風が従業員の体に当たる場合は、従業員の体感温度が下がるため、さらに悪い環境となっている。このため、作業環境の改善は大きな課題となっている。
【0007】
この発明は、上記事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、液体を加熱源または冷却源とするヒートパイプを利用して、熱交換効率が高く低温高湿度を維持できる温水循環断熱パネルを提供することにある。
【0008】
さらに、本発明の冷温水循環断熱パネルを利用した無風冷却式プレハブ庫、または無風冷却式飲食料品棚を組立容易であって安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の冷温水循環断熱パネルは、一対の表面板と、表面板の辺部間に介在される枠材と、表面板及び枠材にて形成される空間内に注入充填される発泡ウレタンと、断熱材と、断熱材に配設された冷温水チューブと、からなる積層構造体であって、冷温水チューブは、水平面内において互いに平行に配管している複数の平行配管部の両端をU字形状とする蛇行部を有していることを特徴とする冷温水循環断熱パネルである。
【0010】
さらに、断熱材の一方の面に凸部を形成し、凸部の反対側の面に冷温水チューブが配設されていることを特徴とする冷温水循環断熱パネルである。
【0011】
また、プレハブ式の冷凍倉庫において、冷凍庫の周側の壁体構造として前述に記載の冷温水循環断熱パネルを利用し、冷却水循環装置で冷温水チューブに冷温水を循環させて熱交換効率が高く低温高湿度を維持可能な無風冷却式プレハブ庫とすることができる。
【0012】
他の実施例として冷温水循環断熱パネルの一部に切り欠き部分を有し、隣接する冷温水循環断熱パネルの冷温水チューブを連結ジョイントで連結して冷温水の水路を直列に接続することで無風冷却式プレハブ庫の内部の部屋を均一に温度管理することができる。
【0013】
前述の冷温水循環断熱パネルに飲食料品を載置することができ、冷却水循環装置で各冷温水循環断熱パネルに冷温水を循環させることを特徴とする無風冷却式飲食料品棚である。
【0014】
冷温水の往路に三方弁を有し、三方弁から復路に迂回したバイパス路を連通し、所定時間で三方弁が作動することにより、冷温水循環断熱パネルを経由した第1通水状態と、冷温水循環断熱パネルを迂回した第2通水状態に変更して、冷温水を循環させて霜取り機能を追加した無風冷却式プレハブ庫として利用できる。さらに、無風冷却式プレハブ庫の内部に温度センサーを設置することで、温度条件により三方弁を作動させて第1通水状態と第2通水状態に変更して冷温水を循環させることもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の冷温水循環断熱パネルを利用して組み立てられた冷温庫は、生鮮野菜・果物・精肉・鮮魚など長期保存及び鮮度保持が可能となり、カビの拡散による商品の廃棄ロスを減らすことができ、また、従業員の作業環境を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を
図1〜
図9に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、冷温水循環断熱パネルに流水する水路の系統図である。
【0018】
図1の冷温水循環断熱パネル1の端面に往路パイプ3と復路パイプ4を接続し、冷却水循環装置2に接続されている。冷温水循環断熱パネル1の内部に、冷温水チューブ5を配設し循環路を構成している。
【0019】
本発明の実施例として使用した冷却水循環装置2は、温度設定範囲が−20℃から30℃であり、最大流量20リットル/毎分である。流水する液体は、冷却水が凍結しないようにエチレングリコールを主成分とする液体の低温熱媒体を50%濃度で混合したものを使用した。
【0020】
また、流水する液体を恒温水とする場合は、冷却水循環装置2は加熱ヒータを搭載した温水循環装置に替えて使用する。
【0021】
図2は、本発明の冷温水循環断熱パネルの正面図である。アルミ、またはステンレス鋼からなる枠材7と、硬質ウレタンからなる断熱材6と、ポリエチレン製の冷温水チューブ5と、表面板8で構成されている。
【0022】
冷温水チューブ5は、水平面内において互いに平行に配管している複数の平行配管部の両端をU字形状とする蛇行部を有している。
【0023】
冷温水チューブ5は、溝加工を施した断熱材6に配設されており、冷温水循環断熱パネル1の両面に表面板8を貼着する。
【0024】
図3の(A)は、本発明の冷温水循環断熱パネルの側面方向の
図2におけるX−X線断面図であり、(B)は他の実施例の冷温水循環断熱パネルの側面方向の断面図である。
【0025】
図3の(A)に示す枠材7の厚さは約50mm、断熱材6の厚さは約20mm、冷温水チューブ5の外径は約14mmとし、断熱材6と発泡ウレタン9は積層構造となっている。
【0026】
図3の(B)は、断熱材6の一方の面に凸部10を形成し、凸部10の反対側の面に冷温水チューブ5が配設されている。
【0027】
図4は前記
図3の(B)の実施例の冷温水循環断熱パネルの側面方向の拡大断面図である。
【0028】
断熱材6の片一方の面が凸部10を形成することにより、断熱材6は発泡ウレタン9から局所的な圧力を受けるため、断熱材6が冷温水チューブ5に均一に密着するため熱伝導効率を向上させることができる。
【0029】
図5は、本発明の冷温水循環断熱パネル1を利用して組み立てられた無風冷却式プレハブ庫20である。試作して実験データを収集した無風冷却式プレハブ庫20の庫内の床面積は4平方メートルで高さ2メートルである。冷温水循環断熱パネル1の構造は、
図3(B)のタイプを使用した。
【0030】
図6は、本発明の冷温水循環断熱パネルに流水する水路の第一実施例である。冷温水は、冷却水循環装置2から分岐ヘッダー11で分配され、各冷温水循環断熱パネル1の冷温水チューブ5を循環している。分岐ヘッダー11は、無風冷却式プレハブ庫20の天井外部に設置されている。
【0031】
無風冷却式プレハブ庫20は、柱および梁等から構成されるプレハブ躯体を構築し、この躯体の周側に冷温水循環断熱パネル1を装着して壁体を構成すると共に、無風冷却式プレハブ庫20の一面に扉21を設け、天井に断熱パネルおよび屋根を設けたプレハブ式の冷凍倉庫である。
【0032】
作業環境の改善を図るためには、冷蔵庫・作業エリアの冷却方式を変える必要があり、従来のユニットクーラーによる強制冷却方式から、壁面を冷やす放射冷却方式への転換が必要である。本発明の冷蔵庫は、庫内温度変化がほとんどないため、庫内に保管する生鮮食品類のヒートショック・結露による商品品質劣化が抑えられる。
【0033】
下記のグラフ1の(A)は、本発明の冷温水循環断熱パネル1を利用した無風冷却式プレハブ庫20の庫内壁面・中央温度と経過時間との関係を示すグラフである。左縦軸に温度(℃)、横軸に経過時間(H)、実線は無風冷却式プレハブ庫20の中央付近の庫内温度、破線は無風冷却式プレハブ庫20の壁面の庫内温度を示している。
【0034】
下記のグラフ1の(B)は、本発明の冷温水循環断熱パネル1を利用した無風冷却式プレハブ庫20の庫内壁面・中央湿度と経過時間との関係を示すグラフである。左縦軸に湿度(%)、横軸に経過時間(H)、実線は無風冷却式プレハブ庫20の中央付近の庫内湿度、破線は無風冷却式プレハブ庫20の壁面の庫内湿度を示している。冷却水温設定温度および測定環境はグラフ1の(A)と同一である。
【0036】
冷却水循環装置2の冷却水温設定温度は5℃とし、無風冷却式プレハブ庫20の庫内に物品を配置しない状態で6時間の経過観察を行った。
【0037】
無風冷却式プレハブ庫20の庫内は、庫内の中央と壁面の温度が低下し、2時間経過後は5.5℃近傍で安定して維持している。庫内の中央と壁面の温度差は、ほとんどない。
【0038】
無風冷却式プレハブ庫20は、扉21を開閉しても無風状態であるため冷気が庫外に出にくく、体感温度は、従来の冷風循環式プレハブ庫より高く感じる。
【0039】
無風冷却式プレハブ庫20の庫内は、庫内の中央と壁面の湿度が上昇し、1.5時間経過後は100%と高湿度を安定して維持し、庫内の中央と壁面の湿度差はない。
【0040】
下記のグラフ2の(A)は、従来の冷風循環式プレハブ庫と本発明の冷温水循環断熱パネル1を利用した無風冷却式プレハブ庫20の庫内温度と経過時間との関係を示すグラフである。左縦軸に温度(℃)、横軸に経過時間(H)、実線は本発明の無風冷却式プレハブ庫20の庫内温度、破線は無風冷却式プレハブ庫20の庫内温度を示している。
【0041】
下記のグラフ2の(B)は、従来の冷風循環式プレハブ庫と本発明の冷温水循環断熱パネル1を利用した無風冷却式プレハブ庫20の庫内湿度と経過時間との関係を示すグラフである。左縦軸に湿度(%)、横軸に経過時間(H)、実線は本発明の無風冷却式プレハブ庫20の庫内湿度、破線は無風冷却式プレハブ庫20の庫内湿度を示している。冷却水温設定温度および測定環境はグラフ2の(A)と同一である。
【0043】
従来の冷風循環式プレハブ庫は、庫内の天井部にユニットクーラーを設置して冷風で庫内の温度管理を行っており、設定温度を3℃に設定している。
【0044】
無風冷却式プレハブ庫20の冷却水循環装置2の冷却水温設定温度は−1℃とし、無風冷却式プレハブ庫20の庫内に物品を配置しない状態で6時間の経過観察を行った。
【0045】
無風冷却式プレハブ庫20の庫内は、庫内の温度が低下し、1.5時間経過後は0℃近傍で安定して維持しているが、従来の冷風循環式プレハブ庫は2℃から4℃と温度が一定しない。
【0046】
無風冷却式プレハブ庫20の庫内は、庫内の湿度が上昇し、2時間経過後は93%となり、時間経過とともに100%湿度に近づき、高湿度を安定して維持することができる。これに対し、従来の冷風循環式プレハブ庫は、湿度が60%から95%と変動し一定しない。
【0047】
図7は、本発明の冷温水循環断熱パネル1を利用して組み立てられた無風冷却式プレハブ庫20の壁体の連結状態を示し、冷温水循環断熱パネル1に流水する水路の第二実施例である。第一実施例と異なり、冷温水は分岐ヘーダー11で分配せずに各冷温水循環断熱パネル1の水路を直列に連結して循環させている。
【0048】
隣接する各冷温水循環断熱パネル1の冷温水チューブ5は、給水管の結露防止、または温度降下防止などを目的とする断熱材でカバーされた連結ジョイント12と真鍮製の継手13で連結され、末端は真鍮製の端末継手14で連結されている。冷温水循環断熱パネル1の切り欠き部分15から冷温水チューブ5を伸延させて冷温水循環断熱パネル1の外部で連結する。各冷温水循環断熱パネル1の水路を直列に接続することで、無風冷却式プレハブ庫20の内部の部屋を均一に温度管理することができる。
【0049】
図8は、
図7におけるA部の拡大図である。
図8(a)はA部の正面図であり、
図8(b)は真上から見た平面図であり、
図8(c)は
図8(b)の冷温水循環断熱パネル1のパネル部分の断面図を示している。
【0050】
図9は、本発明の冷温水循環断熱パネル1を利用して組み立てられた無風冷却式飲食料品棚22であり、棚に飲食料品23を載置させて保管している状態を示している。
【0051】
四隅を支柱23で支持された複数の冷温水循環断熱パネル1で構成された飲食料品棚としており、冷却水循環装置2を備え、往路パイプ3と復路パイプ4により各冷温水循環断熱パネル1に冷却水を循環させている。飲食料品23を速やかに直接冷却する場合に有効である。
【0052】
本発明を無風冷却式プレハブ庫20として使用する場合、扉21の開け閉め回数が多いと外気が入り水蒸気が補給され凍って霜に変化していく。霜の正体は湿気、空気中の水蒸気が凍って出来たものである。一般的に、冷蔵庫・冷凍庫の霜取りは電源を切って保存された中身を全部取り出して霜を剥がすが、電源を切る以外で霜を予防出来る効果的な手段を説明する。
【0053】
図10は、時間制御による通水システムの構成図であり、無風冷却式プレハブ庫20の冷温水循環断熱パネル1の端面に往路パイプ3と復路パイプ4を接続し、冷却水循環装置2に接続され循環路を構成している。往路パイプ3の途中に、三方弁31と、三方弁制御部32と、タイマー制御部33と、全体的な作動を制御するコントローラ36を備え、三方弁31から冷温水循環断熱パネル1を迂回したバイパス路37が復路パイプ4に連通している。
【0054】
コントローラ36は電子回路ユニットであり、三方弁制御部32とタイマー制御部33を有している。三方弁31は電磁式三方弁であり、三方弁制御部32から出力される制御信号により三方弁31を作動させて通水状態を変更することができる。タイマー制御部33は、予め設定時間を入力することにより、所定時間で三方弁31を作動するプログラムが実行される。図示していないがタイマー設定パネルを操作して予め設定時間を入力し、第1通水状態と第2通水状態に変更する運転条件を設定することができる。
【0055】
図10(a)は、冷温水循環断熱パネル1を経由する第1通水状態を示しており、図中の矢印の向きに冷温水が流通する。
図10(b)は、冷温水循環断熱パネル1を迂回した第2通水状態を示しており、図中の矢印の向きに冷温水が流通する。
【0056】
通常、第1通水状態のように冷温水は冷却水循環装置2から供給される設定温度で循環しているが、所定時間で三方弁31を作動させて、第1通水状態と第2通水状態を間欠的に変更する処理を繰り返し、冷温水循環断熱パネル1の温度を徐々に上昇・下降させることができる。また、食品工場の夜間に扉21の開閉することが無い場合、無風冷却式プレハブ庫20の壁面温度が一時的に過度な温度低下しても、冷温水循環断熱パネル1への通水を一時停止して壁面に付着する水蒸気が霜に変化することを防止する。
【0057】
図11は、所定時間による通水状態変更部の作動フローチャートである。三方弁制御部32は、
図11に示したフローチャートによる処理を実行して、三方弁31を第1通水状態又は第2通水状態に変更する。タイマー設定パネルに時間閾値1と時間閾値2を設定入力し、第1通水状態と第2通水状態に変更する運転条件を設定する。
【0058】
STEP1Aで通水が開始され、STEP2Aで冷温水循環断熱パネル1を経由した第1通水状態となる。STEP3Aで通水経過時間1が時間閾値1以上であるか否かを判断し、通水経過時間1が時間閾値1以上であるときにSTEP4Aに進み、冷温水循環断熱パネル1を迂回した第2通水状態となる。STEP5Aで通水経過時間2が時間閾値2以上であるか否かを判断し、通水経過時間2が時間閾値2以上であるときにSTEP2Aに進み、第1通水状態と第2通水状態を間欠的に変更する処理を繰り返していく。
【0059】
本実施例の時間制御による通水システムは、無風冷却式プレハブ庫20として使用する場合としているが、無風冷却式飲食料品棚22においても利用することができる。
【0060】
図12は、温度制御による通水システムの構成図であり、無風冷却式プレハブ庫20の冷温水循環断熱パネル1の端面に往路パイプ3と復路パイプ4を接続し、冷却水循環装置2に接続され循環路を構成している。無風冷却式プレハブ庫20の内部には、温度センサー34が設置されて庫内の温度を温度制御部35で監視している。
【0061】
往路パイプ3の途中に、三方弁31と、三方弁制御部32と、温度制御部35と、全体的な作動を制御するコントローラ36を備え、三方弁31から冷温水循環断熱パネル1を迂回したバイパス路37が復路パイプ4に連通している。
【0062】
コントローラ36は電子回路ユニットであり、三方弁制御部32と温度制御部35を有している。三方弁31は電磁式三方弁であり、三方弁制御部32から出力される制御信号により三方弁31を作動させて通水状態を変更することができる。温度制御部35は、予め設定温度を入力することにより、温度条件で三方弁31を作動するプログラムが実行される。図示していないが温度設定パネルを操作して予め設定温度を入力し、第1通水状態と第2通水状態に変更する運転条件を設定することができる。
【0063】
図12(a)は、冷温水循環断熱パネル1を経由する第1通水状態を示しており、図中の矢印の向きに冷温水が流通する。
図12(b)は、冷温水循環断熱パネル1を迂回した第2通水状態を示しており、図中の矢印の向きに冷温水が流通する。
【0064】
通常、第1通水状態のように冷温水は冷却水循環装置2から供給される設定温度で循環しているが、温度条件によって三方弁31を作動させて、第1通水状態と第2通水状態を間欠的に変更する処理を繰り返す。
【0065】
図13は、温度条件による通水状態変更部の作動フローチャートである。三方弁制御部32は、
図13に示したフローチャートによる処理を実行して、三方弁31を第1通水状態又は第2通水状態に変更する。温度設定パネルに温度閾値1と温度閾値2を設定入力し、第1通水状態と第2通水状態に変更する運転条件を設定する。
【0066】
STEP1Bで通水が開始され、STEP2Bで冷温水循環断熱パネル1を経由した第1通水状態となる。STEP3Bで庫内室温の測定温度1が温度閾値1以下であるか否かを判断し、測定温度1が温度閾値1以下であるときにSTEP4Bに進み、冷温水循環断熱パネル1を迂回した第2通水状態となる。STEP5Bで測定温度2が温度閾値2以上であるか否かを判断し、測定温度2が温度閾値2以上であるときにSTEP2Bに進み、第1通水状態と第2通水状態を間欠的に変更する処理を繰り返し、無風冷却式プレハブ庫20の庫内温度が過度に低下することを抑制する。
【0067】
冷却水循環装置2で冷温水の温度を管理することに加え、第1通水状態と第2通水状態を間欠的に変更することにより、さらに適切な温度管理が可能になり、無風冷却式プレハブ庫20内の壁面温度の凍結を抑制すると共に、霜を予防することが出来る。
【0068】
本実施例の温度制御による通水システムは、無風冷却式プレハブ庫20として使用する場合としているが、無風冷却式飲食料品棚22においても利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の無風冷却式プレハブ庫は、以下の設備商品へ応用することもできる。
(1)作業環境を改善したクリーンルームに適する。
(2)年間を通して同じ温度に維持できるので、きのこ栽培設備に適する。
(3)冷房が苦手な高齢者にも適しており一般の事務所だけでなく、高齢者施設・病院などの冷暖房設備に適する。
(4)恒温無風を特徴としているため、大学研究機関や企業開発部門の環境試験室・調剤室・計量室に適する。
(5)恒温無風を特徴としているため、プラスチック加工・金属加工などの製品加工精度の安定化を図ることができ、精密機器製造工場での利用に適する。
(6)冷・温水のみ循環させて室内の温度・湿度を維持できるため、可燃物や爆発物の危険物保管庫に適する。
【解決手段】冷温水循環断熱パネル1は、一対の表面板8と、表面板8の辺部間に介在される枠材7と、表面板8及び枠材7にて形成される空間内に注入充填される発泡ウレタン9と断熱材6と、断熱材6に配設された冷温水チューブ5と、からなる積層構造体であって、冷温水チューブ5は、水平面内において互いに平行に配管している複数の平行配管部の両端をU字形状とする蛇行部を有している。また、プレハブ式の冷凍倉庫において、冷凍庫の周側の壁体構造として冷温水循環断熱パネル1を利用することで、熱交換効率が高く低温高湿度を維持可能な無風冷却式プレハブ庫とすることができる。