(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本実施形態が適用される建築設備に関する情報の表示の概要図である。
【0009】
図1に示すように、本実施形態が適用される建築設備に関する情報の表示では、端末装置1は、建築設備を含む建築物を撮影した撮影画像31と、設置されている建築設備を含む建築物のフロア平面
図41と、建築設備の管理に関わる管理情報51(関係情報の一例)とを保持している。
そして、建築設備に関する情報の表示では、撮影画像31において特定の建築設備に貼られたリンクが操作(指示)されると、端末装置1の画像表示面11に、特定の建築設備に対応する管理情報51が表示されるようになっている。
【0010】
以下、
図1を参照しながら、建築物における所定のフロアに設置される特定の建築設備のメンテナンスを行うときを一例とし、より具体的に説明する。
図1(A)に示すように、ユーザは、端末装置1を持ち、建築物において特定の建築設備が設置されたフロアに向かう。このとき、端末装置1の画像表示面11には、撮影画像31およびフロア平面
図41が表示されている。
そして、
図1(B)に示すように、例えばユーザが特定の建築設備の前に到着する。このとき、ユーザは、端末装置1の画像表示面11に表示されるフロア平面
図41を参照したり、撮影画像31を操作したりすることで、特定の建築設備が映された撮影画像31を表示させる。
【0011】
その後、ユーザは、撮影画像31における特定の建築設備に貼られたリンクを操作(指示)する。そうすると、
図1(C)に示すように、端末装置1の画像表示面11に、特定の建築設備に対応する管理情報51が表示される。
【0012】
なお、管理情報51は、例えば建築設備に関する、取扱説明書、操作方法が記載されたマニュアル、障害発生時の対応マニュアル、カタログ、メンテナンス情報など建築設備に関する各種の関係情報を電子化した電子文書である。
【0013】
このように、本実施形態の建築設備に関する情報の表示では、ユーザが、実際に目の前にある実物の建築設備と、画像表示面11に表示される建築設備の撮影画像31とを確認できる。そのため、ユーザは、直感的な操作に基づいて、対象とする建築設備に関する関係情報に容易にアクセス可能になっている。
【0014】
なお、本実施形態の説明において、建築物には、オフィスビル、病院、公共施設、インフラ施設などの建築設備が設置される各種の建築物が含まれる。また、建築設備には、電気設備、空気調和(空調)設備、衛生設備、ガス設備、防災設備、給排水設備など各種設備機器が含まれる。
【0015】
また、本実施形態においては、端末装置1は、ユーザが建築物において端末装置1を持ち歩きながら、使用することを想定しているため、携帯型の端末であることが好ましい。ただし、端末装置1は、設置型の端末であっても構わない。
さらに、本実施形態の端末装置1は、画像表示面11がタッチパネルによって構成されている。すなわち、画像表示面11は、ユーザからの操作を受け付ける操作手段としても機能する。ただし、画像表示面11は、タッチパネルに限定されず、マウスやキーボード等によって操作されるものでも良い。
【0016】
なお、本実施形態の説明において、端末装置1の画像表示面11に表示される画像に対するタッチ操作や、画像表示面11に表示される画像に対するマウスやキーボード等による操作のことを、単に「操作」と呼ぶ場合がある。
以下、本実施形態の建築設備に関する情報の表示について詳細に説明する。
【0017】
図2は、本実施形態の建築設備に関する情報の表示を実現する機能ブロック図である。
本実施形態では、設備に関する情報の表示の機能ブロックは、端末装置1の制御部(不図示)によって実現される。
【0018】
図2に示すように、端末装置1は、建築物に設置される建築設備を含む建築物の内外部を撮影した撮影画像31を表示する撮影画像表示部21と、建築物のフロアごとの平面図を表示させるフロア図表示部22と、建築設備に関する関係情報を表示する関係情報表示部23と、を有している。
【0019】
〔撮影画像表示部21〕
図3は、本実施形態の撮影画像31の説明図である。
撮影画像表示部21は、ユーザの操作に基づいて、撮影画像31を画像表示面11に表示させる。本実施形態において、撮影画像31は、各フロアにて、複数の撮影地点で撮影されている。さらに、本実施形態の撮影画像31は、各撮影地点にて全周方向(全方向、360°)を撮影した画像である。そして、撮影画像表示部21は、撮影画像31に対する視線を動かす操作に基づいて、操作に対応する角度の視線での撮影画像31を画像表示面11に表示する。
【0020】
例えば、
図3(A)に示すように、ある撮影地点にて撮影した撮影画像31が画像表示面11に表示される。この撮影画像31に対して、指などのスライド操作、マウスなどによるドラッグ移動操作(以下、「移動操作」と呼ぶ)を行うことで、ある撮影地点における視線の向き(視野角度)を変更可能になっている。
【0021】
例えば、
図3(A)に示す撮影画像31に対して右側に向けた移動操作を行うと、
図3(B)に示すように、撮影画像31の内容は、同じ撮影地点から右側に視線を向けたときのものになる。同様に、左側に向けた移動操作を行うと、
図3(C)に示すように、同じ撮影地点にて左側に視線を向けた撮影画像31が表示される。また、上側に向けた移動操作を行うと、
図3(D)に示すように、同じ撮影地点にて上側に視線を向けた撮影画像31が表示される。さらに、下側に向けた移動操作を行うと、
図3(E)に示すように、同じ撮影地点にて下側に視線を向けた撮影画像31が表示される。
なお、図示を省略しているが、後側に向けた移動操作を行うと、同じ撮影地点にて後側に向けた撮影画像31が表示される。また、斜め方向に移動操作を行った場合には、斜めに視線を向けた撮影画像31が表示される。
【0022】
さらに、撮影画像表示部21は、撮影画像31が表示される画像表示面11に対して、ユーザがピンチイン操作やピンチアウト操作やマウスホイールの回転操作(以下、「拡縮操作」と呼ぶ)を行うことで、撮影画像31がズームインしたり、ズームアウトしたりするようになっている。
【0023】
また、
図3(A)に示すように、撮影画像表示部21は、撮影画像31に撮影地点アイコン32を表示する。撮影地点アイコン32は、建築物にて全周方向の撮影を行った撮影地点を示すアイコン画像である。本実施形態では、撮影地点アイコン32は、撮影画像31における撮影空間内に表示される。そして、
図3(A)に示すように、ある撮影地点にて撮影された撮影画像31上に表示される撮影地点アイコン32は、異なる他の撮影地点を示すものである。
【0024】
そして、撮影画像表示部21は、撮影地点アイコン32に対するユーザの操作を受け付けると、操作を受け付けた撮影地点アイコン32に対応する撮影地点にて撮影した撮影画像31を画像表示面11に表示させる。
【0025】
なお、本実施形態において、撮影画像31には、上述したとおり、全周方向を撮影した画像を用いているが、この態様に限定されない。例えば、撮影画像31は、被撮影領域が垂直方向よりも水平方向に長いパノラマ画像であっても良い。さらには、撮影画像31は、ユーザの移動操作に基づいて画像(視線)が移動しないものでも良い。
【0026】
〔フロア図表示部22〕
図4は、本実施形態のフロア図表示部が表示する表示内容の一例の図である。
図5は、本実施形態のフロア平面図の一例を示す図である。
図6は、本実施形態のフロア平面図の詳細図である。
【0027】
図4(A)は、端末装置1にて本実施形態の建築設備に関する表示のアプリケーションを起動したときに画像表示面11に表示される初期画面の例である。
そして、フロア図表示部22は、各フロアのフロア平面
図41を選択するためのリストであるフロア選択リスト47を初期画面として画像表示面11に表示する。フロア選択リスト47は、プルダウンリスト形式で表示される。また、本実施形態では、初期画面には、建築物の外観を撮影した撮影画像31が表示され、その撮影画像31上にフロア選択リスト47が表示される。
【0028】
フロア選択リスト47は、各フロアを単位として複数の選択項目によって構成されている。さらに、本実施形態では、フロア選択リスト47は、フロア内に複数の部屋がある場合には、部屋を単位として複数の選択項目によって構成される。例えば、
図4(B)に示す例では、地下1階(B1F)には、5つの部屋が設けられている。従って、
図4(A)に示すように、フロア選択リスト47には、地下1階の5つの部屋に対応して、5つの選択項目が設けられている。
なお、本実施形態のフロア選択リスト47では、リストの上段から下段にかけて、建築物の上のフロアから下のフロアが並ぶように配置される。
【0029】
そして、
図4(B)に示すように、フロア図表示部22は、選択されたリスト項目に対応するフロア平面
図41を画像表示面11に表示する。
フロア図表示部22は、フロア平面
図41を撮影画像31に重畳させて表示させる。本実施形態では、フロア図表示部22は、フロア平面
図41を撮影画像31よりも上位階層(ユーザ側)のレイヤに表示する。また、フロア平面
図41は、画像表示面11における一部の領域に表示される。
【0030】
図5(A)に示すように、フロア平面
図41は、壁、柱および扉を含む建築構造要素42と、設置される建築設備要素43とを含んでいる。さらに、本実施形態のフロア平面
図41は、区画された部屋の部屋名称44と、撮影地点を示す撮影地点番号45とを含んでいる。さらに、フロア平面
図41は、撮影地点番号45に対応付けて撮影画像31の表示方向および表示範囲を示す描画表示46を表示する。
【0031】
撮影地点番号45は、部屋ごとに通し番号で表示される。そして、各々の撮影地点番号45には、撮影地点に対応する撮影画像31のリンクが貼られている。そして、フロア図表示部22は、ユーザによって撮影地点番号45がクリック操作やタップ操作(以下、「選択操作」と呼ぶ)されると、対応する撮影地点にて撮影した撮影画像31を画像表示面11に表示させるための指示を撮影画像表示部21に送る。
すなわち、本実施形態の設備に関する情報の表示では、画像表示面11に表示されたフロア平面
図41のリンクを指示されたことにより、複数の撮影画像31の中の特定の撮影画像31が表示される。
【0032】
また、本実施形態では、撮影地点番号45は、特定の撮影地点番号45(例えば、
図5(A)に示す「2番」)を他の撮影地点番号45の色(例えば、青色)とは異なる色(例えば、赤色)で表示可能になっている。これによって、本実施形態では、後述する特別情報アイコン62が表示される建築設備を含む撮影画像31に対応する撮影地点番号45を強調して表示することを可能にしている。
【0033】
さらに、撮影地点番号45は、あるフロアにおいて複数の部屋(区画)が存在する場合には、撮影画像31として実際に表示されている部屋に対応するものだけを表示するようにしている。
例えば、画像表示面11に「第1室」の撮影画像31が表示されている場合、
図5(A)に示すように、フロア平面
図41には、「第1室」における複数の撮影地点番号45が表示される。このとき、フロア平面
図41には、他の部屋における撮影地点番号45の表示は行われない。
【0034】
一方、例えば、画像表示面11に「第2室」の撮影画像31が表示されている場合、
図5(B)に示すように、フロア平面
図41には、「第2室」における複数の撮影地点番号45が表示される。このとき、他の部屋における撮影地点番号45についての表示を消すようにしている。
【0035】
なお、フロア平面
図41において撮影地点番号45が表示される位置と、撮影画像表示部21が表示する撮影地点アイコン32(
図3参照)が画像空間内において表示される位置とは、対応している。
そして、本実施形態の設備に関する情報の表示では、フロア平面
図41の撮影地点番号45を選択操作することで、任意の撮影地点における撮影画像31を表示させることができる。一方で、上述したように、撮影画像31に表示される撮影地点アイコン32を操作することでも、ユーザが選択した撮影地点における撮影画像31を表示させることができる。すなわち、本実施形態では、フロア平面
図41と撮影画像31との両方において、撮影地点(視点)の移動の操作が可能になっている。
【0036】
図6(A)に示すように、描画表示46は、撮影画像31が画像表示面11に表示されている際に、その撮影画像31の撮影地点に対応する撮影地点番号45に対して表示される。すなわち、描画表示46は、実際に表示している撮影画像31がフロア平面
図41におけるどの撮影地点番号45に対応するものであるかをユーザに対して明示する。
さらに、描画表示46は、扇型の形状を有している。そして、描画表示46は、扇の辺と辺とが、画像表示面11に表示される撮影画像31の視野角(画角)に対応している。つまり、描画表示46の表示態様は、画像表示面11に表示される撮影画像31に対応している。
【0037】
例えばユーザが移動操作をすることで撮影画像31を左右方向に移動させると、
図6(A)に示す描画表示46の向きが、
図6(B)に示す描画表示46のように回転移動する。
また、例えばユーザが拡縮操作をすることで撮影画像31をズームインすると、
図6(A)に示す描画表示46の扇の角度は、
図6(C)に示す描画表示46の扇の角度のように角度が小さくなる。逆に、例えばユーザが拡縮操作をすることで撮影画像31をズームアウトすると、描画表示46の扇の角度は、拡縮操作前に比べて大きくなる。
【0038】
そして、フロア平面
図41は、建築物のフロア毎にそれぞれ作成されている。ただし、本実施形態では、フロア平面
図41として、建築設備が設置されておらず撮影画像31が準備されていないフロアについては除いている。
【0039】
なお、
図4(A)に示すように、初期画面に、撮影地点アイコン32が表示されている。この初期画面における撮影地点アイコン32を操作すると、地下1階の入口となる扉に最も近い撮影地点(撮影地点番号45のうち地下1階の第1室の「1番」(
図4(B)))に対応する撮影画像31が表示されるようになっている。
例えば端末装置1を持ち歩きながら特定のフロアの特定の建築設備を目指す場合、ユーザは、まず、特定のフロアの入口から入室する。そこで、本実施形態では、初期画面に表示する撮影地点アイコン32には、特定のフロアの入口に最も近い撮影位置で撮影された撮影画像31のリンクを貼るようにしている。
【0040】
なお、本実施形態においては、初期画面として表示される画像表示面11に、まず、フロア選択リスト47が表示されるようにしているが、この態様に限定されない。例えば、初期画面として表示される画像表示面11に、予め定められたフロア平面
図41を表示するようにしても良い。この場合、例えばユーザにとって利用頻度や重要性が高いフロアを初期画面において優先的に表示することができる。
【0041】
〔関係情報表示部23〕
関係情報表示部23は、撮影画像に含まれる複数の建築設備に対して、各々の建築設備ごとに建築設備に関する撮影画像情報に付加して関係情報の表示を行う。
【0042】
図2に示すように、本実施形態の関係情報表示部23は、建築設備の管理に関する管理情報を表示する管理情報表示部231と、特定の建築設備の存在を強調する特別情報表示部232と、筐体を開閉可能な建築設備について筐体内部構造の関係情報を表示する内部情報表示部233と、を有する。また、関係情報表示部23は、計器を有する建築設備において計器の位置を明示する計器情報表示部234と、建築物の扉についての情報を表示する扉情報表示部235と、設備の詳細情報を表示する接続先情報表示部236と、を有する。
【0043】
(管理情報表示部231)
図7は、本実施形態の管理情報表示部231による表示の一例を示す図である。
図8は、本実施形態の管理情報の表示の一例を示す図である。
【0044】
図7(A)に示すように、管理情報表示部231は、撮影画像31において、管理情報51を有する特定の建築設備に対し、管理情報明示枠61(特定表示の一例)を重畳表示する。そして、管理情報表示部231は、特定の建築設備に対して管理情報明示枠61を表示することで、建築設備に対応する管理情報51を表示可能であることをユーザに明示する明示表示を行う。
【0045】
管理情報明示枠61は、管理情報51を有する建築設備の輪郭を囲う枠画像によって表示される。これによって、管理情報表示部231は、管理情報51が設けられた建築設備を他の建築設備よりも強調することで、対象の建築設備を他の建築設備と区別して表示する。
管理情報明示枠61は、例えば、青色の枠によって構成される。この管理情報明示枠61の表示色は、他の機能で用いられる色とは異なり区別化されている。
なお、本実施形態において、管理情報明示枠61は、対象となる建築設備に対して全体的に表示しているが、この態様に限定されない。管理情報明示枠61は、対象となる建築設備の一部分であっても良い。
【0046】
なお、管理情報明示枠61は、撮影画像31において、管理情報51がリンクされている建築設備を強調し、対象の建築設備と他の建築設備とを区別できれば、上述した枠画像の例に限定されない。管理情報表示部231は、撮影画像31において、管理情報51を有している建築設備に有色透明や白色透明の画像を重ねたり、模様を重ねたりしても良い。また、管理情報表示部231は、対象の建築設備を他の建築設備よりも明るく表示したり、点滅させたりしても良い。
【0047】
そして、
図7(B)に示すように、撮影画像31において管理情報明示枠61が付された建築設備上にカーソルやユーザの指を重ねる操作(以下、「重ね操作」と呼ぶ)を行うと、管理情報表示部231は、管理情報明示枠61の枠線を重ね操作が行われる前よりも太くすることで、建築設備を更に強調する再強調表示(ハイライト)を行う。
【0048】
そして、管理情報明示枠61には、対応する建築設備の管理情報51のリンクが貼られている。従って、管理情報表示部231は、撮影画像31においてユーザによって管理情報明示枠61が表示された建築設備が操作されると、
図8に示すように、管理情報51を画像表示面11に表示させる。
本実施形態において、管理情報51は、画像表示面11において撮影画像31に重畳させて表示する。特に、管理情報51は、対応する建築設備の撮影画像31と共に、画像表示面11の一部に表示される。これによって、本実施形態では、建築設備と管理情報51との対応関係をわかり易く表示している。
ただし、管理情報51は、ユーザの操作等に応じて、画像表示面11全体に表示しても構わない。
【0049】
また、管理情報表示部231は、管理情報明示枠61の再強調表示に伴って、建築設備の名称を示す建築設備名称611と、管理情報51の名称を示す管理情報名称612とを撮影画像31上に表示する。特に、本実施形態では、建築設備名称611は、対応する建築設備の撮影画像31に重なるように表示される。
建築設備名称611は、建築設備の製品名、建築設備の型番、建築設備の製造番号など建築設備を特定できるものであれば良い。また、管理情報名称612は、管理情報明示枠61にリンクされている管理情報51を特定できるものであれば良い。例えば、管理情報名称612は、建築設備の取扱説明書の題名、マニュアルの題名、カタログの題名、または、各々の書類の一般名称を例示することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態では、撮影画像31において特定の建築設備を管理情報明示枠61で囲うとともに、管理情報明示枠61で囲まれた建築設備に対応させてリンクを貼る。そして、ユーザが、管理情報明示枠61で囲まれた建築設備に対して操作を行うことで、リンク先の管理情報51が表示される。このように、本実施形態では、撮影画像31において、特定の建築設備をアイコン化している。これによって、本実施形態の建築設備に関する情報の表示では、ユーザによる直感的な操作によって管理情報51にアクセスできるようにしている。
【0051】
(特別情報表示部232)
図9は、本実施形態の特別情報表示部232による表示の一例を示す図である。
図9(A)に示すように、特別情報表示部232は、撮影画像31において、特別情報52を有する特定の建築設備に対し、特別情報アイコン62を重畳表示する。そして、特別情報表示部232は、特別情報アイコン62を特定の建築設備に対して表示することで、建築設備に対応する特別情報52を表示できることをユーザに明示する。
【0052】
特別情報アイコン62は、本実施形態ではエクスクラメーションである「!」を模したアイコンである。特別情報アイコン62は、対象となる建築設備に対応し、撮影画像31において建築設備付近や建築設備と重なる位置に表示される。そして、本実施形態の特別情報アイコン62は、対象となる建築設備あるいは対応付けられる特別情報52の重要度が、他の建築設備や他の関係情報と比較して高いことを示す場合に用いられる。
【0053】
そして、特別情報アイコン62には、対応する建築設備の特別情報52のリンクが貼られている。従って、特別情報表示部232は、撮影画像31においてユーザによって特別情報アイコン62が操作されると、
図9(B)に示すように、画像表示面11に特別情報52を表示させる。
本実施形態において、特別情報52は、画像表示面11において撮影画像31に重畳させて表示する。特に、特別情報52は、対応する建築設備の撮影画像31と共に、画像表示面11の一部に表示される。これによって、本実施形態では、建築設備と特別情報52との対応関係をわかり易く表示している。
ただし、特別情報52は、ユーザの操作等に応じて、画像表示面11全体に表示しても構わない。
【0054】
特別情報52は、建築設備において例えばエラーなどの障害が発生した場合に、操作パネル等に表示されるエラー表示の説明や、障害対応のための操作マニュアル等を例示できる。
ここで、建築設備に障害が発生した場合には、緊急性が求められることが想定される。そのため、本実施形態では、特別情報アイコン62は、他の表示とは異ならせ、ユーザが重要度の高い特別情報52によりアクセスし易くしている。
【0055】
また、
図9(B)に示すように、撮影画像31において特別情報アイコン62に対して重ね操作が行われると、特別情報表示部232は、建築設備名称611と、特別情報52の名称を示す特別情報名称622とを撮影画像31上に表示する。
特別情報名称622は、特別情報アイコン62にリンクされている特別情報52を特定できるものであれば良い。例えば、特別情報名称622は、建築設備のエラー表示の説明図の題名、操作マニュアルの題名、または、各々の書類の一般名称を例示することができる。
【0056】
さらにまた、本実施形態では、フロア平面
図41において、特別情報アイコン62(特別情報52)が対応付けられた建築設備を撮影した撮影画像31の撮影地点番号45は、他の撮影地点番号45と区別して表示するようにしている(
図5(A)参照)。
【0057】
(内部情報表示部233)
図10は、本実施形態の内部情報表示部233による表示の一例を示す図である。
図11は、本実施形態の内部情報表示部233による表示の一例を示す図である。
【0058】
図10(A)に示すように、内部情報表示部233(内部画像表示手段、関係情報表示手段の一例)は、撮影画像31において、筐体の扉などの開閉部を開閉可能な建築設備の開閉部に対し、展開可能明示枠63(展開可能表示、枠画像の一例)を重畳表示する。そして、内部情報表示部233は、建築設備の筐体の開閉部に対して展開可能明示枠63を表示することで、筐体の扉が展開可能であることをユーザに示す展開可能表示を行う。
【0059】
展開可能明示枠63は、筐体の開閉部を開閉可能であって内部構造についての管理情報51を有する建築設備の輪郭を囲う枠画像によって構成される。これによって、内部情報表示部233は、内部構造についての管理情報51が設けられた建築設備を他の建築設備よりも強調することで、対象の建築設備を他の建築設備と区別して表示する。
展開可能明示枠63は、例えば、赤色の枠によって構成される。この展開可能明示枠63の表示色は、他の機能で用いられる色とは異なり区別化されている。このように、本実施形態では、撮影画像31において特定の建築設備の筐体の開閉部(扉)を展開可能明示枠63で囲うことにより、その特定の建築設備をアイコン化している。
【0060】
なお、展開可能明示枠63は、撮影画像31において、筐体を開けられる建築設備を強調し、対象の建築設備と他の建築設備とを区別できれば、上述した枠画像の例に限定されない。内部情報表示部233は、撮影画像31において、筐体を開けられる建築設備に有色透明や白色透明の画像を重ねたり、模様を重ねたりしても良い。また、内部情報表示部233は、対象の建築設備を他の建築設備よりも明るく表示したり、点滅させたりしても良い。この場合に、展開可能明示枠63の表示態様は、例えば管理情報明示枠61と異なっていれば良い。
【0061】
そして、
図10(A)に示す展開可能明示枠63に対して重ね操作を行うと、
図10(B)に示すように、展開可能明示枠63の枠画像の線を重ね操作が行われる前よりも太くすることで、建築設備を更に強調する再強調表示(ハイライト)を行う。これによって、内部情報表示部233は、ユーザに対して、展開可能明示枠63を選択操作することで、後述する内部撮影画像33が表示されるということをユーザに示唆する。
また、内部情報表示部233は、展開可能明示枠63の強調に伴って、建築設備の名称を示す建築設備名称611を撮影画像31上に表示する。
【0062】
さらに、展開可能明示枠63に対して選択操作が行われると、
図11(A)に示すように、内部情報表示部233は、建築設備の筐体の開閉部を開けた状態で内部構造を撮影した内部撮影画像33を画像表示面11に表示させる。
このように、本実施形態では、ユーザが、実際に目の前にある実物の建築設備の筐体の内部と、画像表示面11に表示される内部撮影画像33とを比較して確認できる。
【0063】
さらに、内部撮影画像33に対しては、上述した管理情報明示枠61が表示される。本実施形態では、管理情報明示枠61は、開閉部(扉)の枠に沿って設けられる。そして、内部情報表示部233は、内部撮影画像33に対応して表示される管理情報明示枠61に対するユーザの操作が行われると、内部構造に関する管理情報51を画像表示面11に表示させる(
図8参照)。
【0064】
なお、内部撮影画像33に表示される管理情報明示枠61に対して操作を行い、管理情報51が表示されるまでの表示の内容は、
図7および
図8を参照しながら説明した管理情報表示部231による表示の内容と同様である。また、本実施形態において、展開可能明示枠63とともに建築設備名称611が表示されていた状態(
図10(B))から、管理情報明示枠61とともに建築設備名称611に加えて管理情報名称612が表示された状態(
図11(B))になる。すなわち、建築設備の内部撮影画像33が表示された際、テキスト情報の表示態様は、内部撮影画像33が撮影される前に対して変化する。
【0065】
(計器情報表示部234)
図12は、本実施形態の計器情報表示部234による表示の一例を示す図である。
図12(A)に示すように、計器情報表示部234は、撮影画像31において、計器を有する建築設備の少なくとも計器(メータ)に対して計器表示枠64を重畳表示する。そして、計器情報表示部234は、計器表示枠64を表示することで、計器の位置をユーザに明示する。
【0066】
計器表示枠64は、例えば水道管など設備の一部であって、計器の輪郭を囲う枠画像によって表示される。これによって、計器情報表示部234は、撮影画像31における建築設備の計器を他の建築設備よりも強調することで、計器を他の建築設備と区別して表示する。
計器表示枠64は、例えば、緑色の枠によって構成される。この計器表示枠64の表示色は、他の機能で用いられる色とは異なり区別化されている。
【0067】
そして、
図12(B)に示すように、計器表示枠64に対して重ね操作が行われると、計器情報表示部234は、計器表示枠64の枠線を、重ね操作が行われる前よりも太くすることで、建築設備を更に強調する再強調表示(ハイライト)を行う。
さらに、計器情報表示部234は、計器表示枠64の再強調表示に伴って、計器の名称である建築設備名称611を画像表示面11に表示する。
【0068】
(扉情報表示部235)
図13は、本実施形態の扉情報表示部235による表示の一例を示す図である。
図13(A)に示すように、扉情報表示部235は、撮影画像31において、建築物における扉(出入口)に対し、扉表示枠65を重畳表示する。そして、扉情報表示部235は、扉表示枠65を表示することで、建築物における扉の位置をユーザに明示する。さらに、本実施形態では、扉情報表示部235は、扉表示枠65を表示することで、画像表示面11に表示されている撮影画像31の部屋から、扉の向こう側の他の部屋の撮影画像31に表示を切り替えることができることをユーザに示唆する。
【0069】
扉表示枠65は、建築物の扉などの開閉設備の輪郭を囲う枠画像によって表示される。これによって、扉情報表示部235は、部屋と部屋とを連絡する扉を他の扉よりも強調することで、対象の扉を他の扉と区別して表示する。
扉表示枠65は、例えば、黄色の枠によって構成される。この扉表示枠65の表示色は、他の機能で用いられる色とは異なり区別化されている。
【0070】
そして、
図13(B)に示すように、扉表示枠65に対して重ね操作が行われると、扉情報表示部235は、扉表示枠65の枠線を、重ね操作が行われる前よりも太くすることで、建築設備を更に強調する再強調表示(ハイライト)を行う。さらに、扉情報表示部235は、扉表示枠65が表示される扉の向こう側の部屋の部屋名称である部屋名称表示651を画像表示面11に表示する。
【0071】
さらに、扉表示枠65には、扉表示枠65が表示された扉を開けて扉の向こう側に移動した際の移動先の部屋にて撮影した撮影画像31のリンクが貼られている。
図13(B)に示す撮影画像31には、「第2室」と「第1室」との間に設けられる扉を「第2室」側から撮影した画像が表示されている。従って、扉情報表示部235は、扉表示枠65に対して重ね操作が行われることで、部屋名称表示651として「第1室」を表示する。
【0072】
そして、扉表示枠65に対して選択操作が行われると、
図13(C)に示すように、扉情報表示部235は「第1室」にて撮影した撮影画像31を画像表示面11に表示する。なお、本実施形態の扉情報表示部235は、移動先の部屋において、扉に対して最も近い撮影地点(
図13(C)に表示されるフロア平面
図41の撮影地点番号45で「1番」の撮影地点)にて撮影された撮影画像を画像表示面11に表示する。
【0073】
また、
図13(B)および
図13(C)に示すように、扉表示枠65に対してユーザの操作が行われると、フロア平面
図41においては、移動後の部屋(この例では「第1室」)における撮影地点番号45が表示され、移動前の部屋(この例では「第2室」)における撮影地点番号45についての表示を消すようにしている。
【0074】
(接続先情報表示部236)
図14は、本実施形態の接続先情報表示部236による表示の一例を示す図である。
図14(A)に示すように、接続先情報表示部236は、撮影画像31に対して接続先情報表示66を重畳表示させる。
接続先情報表示66は、撮影画像31に表示される建築設備の接続先情報表示66を、画像表示面11に表示させるものである。
接続先情報表示66は、建築設備が物理的に接続される建築設備の接続先(部屋)に関するテキスト情報である。例えば、接続先情報表示66としては、建築設備が空調機器の室外機である場合、その空調機器の室外機によって温度等を制御する対象の部屋に関する情報を例示することができる。
なお、接続先情報表示66は、上記の室外機に限定されない。接続先情報表示66は、例えば建築設備が電力系の設備であれば、電力の供給先である部屋に関する情報でも良い。また、接続先情報表示66は、例えば建築設備が水道系の設備であれば、上水の供給先である部屋に関する情報でも良い。
【0075】
そして、
図14(B)に示すように、撮影画像31において管理情報明示枠61が表示された設備機器に対して重ね操作が行われると、接続先情報表示部236は、接続先情報表示66をテキストによって表示する。なお、
図14(B)に示す例では、接続先情報表示66は、建築設備名称611および管理情報名称612と共に画像表示面11に表示される。
【0076】
図15は、撮影画像31の表示の変化に伴う他の画像の表示の説明図である。
続いて、関係情報表示部23による表示と、撮影画像31に対する移動または拡大/縮小の操作との関係について説明する。なお、
図15に示す例では、管理情報明示枠61や建築設備名称611および管理情報名称612を例に説明する。ただし、以下の動作は、他の画像やテキスト表示についても同様である。
【0077】
図15(A)に示すように、画像表示面11には、撮影画像31のうち特定の建築設備に対して管理情報明示枠61が表示されている。また、管理情報明示枠61の表示に対応して、建築設備名称611および管理情報名称612がテキスト表示されている。
【0078】
そして、
図15(B)に示すように、撮影画像31を移動操作することで、撮影画像31の内容が移動する。このとき、撮影画像31に表示される管理情報明示枠61は、移動されることで変位および変形する建築設備の撮影画像31に追従して移動する。そして、管理情報明示枠61は、撮影画像31における視野角度の変化に伴う撮影画像31の変形に合わせて形状が変化する。すなわち、移動後の建築設備の撮影画像31の輪郭に対応して、管理情報明示枠61の枠が表示される。
また、建築設備名称611および管理情報名称612についても、移動されることで変位および変形する建築設備の撮影画像31に関わらず、操作の前後において同じ文字サイズが維持される。
【0079】
なお、本実施形態において、説明の便宜上、例えば管理情報明示枠61、特別情報アイコン62、展開可能明示枠63、計器表示枠64、扉表示枠65および接続先情報表示66など各種画像が別々の撮影画像31に表示される例を用いて説明しているが、別々に表示されることには限定されない。各種画像は、画像表示面11の撮影画像31に同時に表示される場合もある。
【0080】
次に、端末装置1のハードウェア構成について説明する。
図16は、本実施形態に係る端末装置1を構成するハードウェア構成例を示す図である。
図16に示すように、コンピュータは、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)100aと、主記憶手段であるメモリ100cを備える。また、外部デバイスとして、磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)100g、ネットワークインターフェイス100f、ディスプレイ装置を含む表示機構100d、音声機構100h、キーボードやマウス等の入力デバイス100i等を備える。
【0081】
図16に示す構成例では、メモリ100cおよび表示機構100dは、システムコントローラ100bを介してCPU100aに接続されている。また、ネットワークインターフェイス100f、磁気ディスク装置100g、音声機構100hおよび入力デバイス100iは、I/Oコントローラ100eを介してシステムコントローラ100bと接続されている。各構成要素は、システム・バスや入出力バス等の各種のバスによって接続される。
また、
図16において、磁気ディスク装置100gにはOSのプログラムやアプリケーション・プログラムが格納されている。そして、これらのプログラムがメモリ100cに読み込まれてCPU100aに実行されることにより、本実施形態に係る端末装置1における各機能部の機能が実現される。また、撮影画像表示部21、フロア図表示部22および関係情報表示部23は、例えば、CPU100a、メモリ100c、磁気ディスク装置100g、入力デバイス100i、システムコントローラ100bおよび表示機構100dにより実現される。
【0082】
さらに、本実施形態の建築設備の情報の表示の機能(
図2参照)をコンピュータに実現させるプログラムは、例えば通信手段により提供することはもちろん、各種の記録媒体に格納して提供しても良い。
【0083】
なお、本実施形態の建築設備の情報の表示は、端末装置1だけで構成されることに限定されない。例えば、端末装置1は、端末装置1をクライアントとして、端末装置1がネットワークを介してアクセスするサーバ装置とを備えた建築設備の情報の表示システムとして構成しても良い。この場合、端末装置1は、
図2を参照しながら説明した機能をサーバ装置に持たせる。そして、端末装置1は、ユーザの操作に応じて、撮影画像31や各種画像をサーバ装置から取得し、画像表示面11に表示するようにしても良い。
【解決手段】建築物に設置された建築設備に関する情報の表示システムは、建築物を撮影した撮影画像31に含まれる複数の建築設備のうち筐体を開けた内部構造に関する関係情報を有する建築設備を他の建築設備と区別して表示し、他の建築設備と区別して表示された建築設備の撮影画像31に対する操作に応じて、建築設備の筐体を開けた状態を撮影した内部撮影画像33を表示し、内部撮影画像33に対する操作により、管理情報51を表示する。