(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板における電流領域であって、前記マルチゲートFET構造のFET構造によって共有されており、電極を有さず、前記ショットキー接合部と前記ゲートとの間に配置されている電流領域をさらに備える、請求項2に記載の半導体デバイス。
前記第2の誘電体層は、前記第1の誘電体層のエッチャントが前記基板の表面に達するのを阻害するためのエッチ選択性を有する材料を備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0015】
構成要素および図面は必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに本発明の原理を示すことに重点が置かれている。さらに、図面において、同様の参照符号は種々の図全体を通じて対応する部分を示している。
【0016】
図1は、一実施形態に応じて統合されているHFET構造150およびMISHFET構造152を有する例示的な半導体デバイス100の概略断面図である。この例において、HFET構造150およびMISHFET構造152は、別個のまたは明確に異なる半導体デバイス(たとえば、エピタキシャルGaNトランジスタデバイス)として構成される。HFET構造150およびMISHFET構造152は、ベース基板104上にヘテロ接合構造またはヘテロ構造を有する共通の半導体基板102の中、その上またはその両方に形成される。この例において、ベース基板104はSiCを含む。ベース基板104は、サファイア、Si、GaN、AlN、ダイヤモンド、ポリSiC、絶縁体上SiC、シリコン・オン・インシュレータ、および他の実質的に絶縁性の材料等、代替的なまたは追加の材料を含んでもよい。半導体デバイス100は、単一の集積回路(IC)チップに統合される任意の数のHFETまたは他の半導体デバイスを含んでもよい。そうしたデバイスが互いに統合される様式、および度合いは、本明細書に記載の例示的な実施形態に関連して示すように、変化してもよい。
【0017】
半導体基板102は、ベース基板104によって支持されるいくつかの半導体層を含む。半導体層は、動作中、HFET構造150およびMISHFET構造152に1つ以上のチャネルを形成するのをサポートするためにヘテロ構造配列において構成される。この実施形態において、動作中、それぞれのチャネルはHFET構造150およびMISHFET構造152に形成される。半導体層の各々は、III族窒化物半導体エピタキシャル層であってもよい。他の実施形態において、半導体層の1つ以上はエピタキシャル成長されない。この例において、バッファ/チャネル層106が、ベース基板104上に成長され、下記に説明するように、応力誘起極性化によってトランジスタ100のチャネルを確立するように構成される。バッファ/チャネル層106の底部またはバッファ部分105は、バッファ部分105を高抵抗性にするために、非ドープ(または意図的にはドープされていない)GaN、または、約10
17〜約10
19cm
−3のレベルでCまたはFe等のp型ドーパントをドープされたGaNを含んでもよい。底部105がドープされる実施形態において、ドーパントは、エピタキシャル成長の最初の0.1〜1μmの間に意図的に包含されてもよい。成長中に存在する「記憶効果」に起因するドーピングが包含される可能性があるが、その後、後続の非ドープ材料が成長されてもよい。代替的に、バッファ/チャネル層106のバッファ部分105はAl
XGa
1−XNを含んでもよく、Alモル分数Xは0.03〜0.06である。バッファ部分105の厚さは約0.2〜約5マイクロメートル(ミクロン)であってもよい。Al
XGa
1−XNはドープされてもよいし、ドープされなくてもよい。バッファ/チャネル層106の上側またはチャネル部分107は、概して、GaNまたはIn
XGa
1−XN(Xは0〜1)等、バリア層108(たとえば、AlGaN)に対してドープされていない、バンドギャップがより低い材料であってもよい。チャネル部分107は、Al含有合金または高レベルのドーパントを避けることによって合金および不純物散乱の量を最小限に抑えることによって、最適な電子伝達およびデバイス速度のために最適化されてもよい。チャネル部分107は、約0.01〜約1マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0018】
AlGaNバリア層108は、バッファ/チャネル層106とひと続きになってその上に配置されており、GaNキャップ層110はバリア層108上に配置されてそれに隣接している。AlGaNバリア層108は、約3ナノメートル(約30オングストローム)〜約40ナノメートル(約400オングストローム)の厚さ、または約7ナノメートル(約70オングストローム)〜約25ナノメートル(約250オングストローム)の範囲内の厚さを有してもよい。キャップ層110は半導体基板102の表面112を形成し、約1ナノメートル(約10オングストローム)〜約5ナノメートル(約50オングストローム)の厚さを有してもよい。バッファ/チャネル層106、バリア層108、およびキャップ層110のうちの1つ以上は、ドープされてもよく、ドープされなくてもよく、または意図的でなくドープされてもよい。
【0019】
AlGaN層およびGaN層をエピタキシャル成長させる結果としてもたらされる応力誘起極性化によって、層106と108との間の界面に2次元電子ガスが生じる。2次元電子ガスは、動作中の伝導のためにヘテロ構造における電荷担体をもたらす。GaNキャップ層110は、後続の処理ステップ中に層106および108の保護を提供することができ、ゲート漏れを減少させるように構成されてもよい。
【0020】
ヘテロ構造のチャネル層106、バリア層108、およびキャップ層110のうちの1つ以上に他の半導体材料が使用されてもよい。いくつかの場合において、他のIII族窒化物半導体材料が使用される。そうした材料は、他の二元、三元、四元化合物を含んでもよい。たとえば、バリア層108のバンドギャップよりも小さいバンドギャップ、および、バリア層108よりも高い電子親和力を有するInGaN等の他の材料がチャネル層106に使用されてもよい。また、In
XAl
1−XN、Xは(必須ではないが)バッファ/チャネル層106のチャネル部分107との格子整合を達成するように選択されてもよく、バリア層108に使用されてもよい。層106、108、110のうちの1つ以上は、複合層であってもよい。
【0021】
他の実施形態において、追加の半導体層がヘテロ構造配列に組み込まれてもよい。たとえば、バッファ、核形成、および遷移半導体層のうちの1つ以上が半導体基板102のヘテロ構造に含まれてもよい。たとえば、AlNバリア間層がバリア層108とバッファ/チャネル層106との間に使用されてもよい。
【0022】
それぞれHFET構造150およびMISHFET構造152のための活性領域116、118を半導体基板102の表面112に沿って形成するために、いくつかの分離領域114が半導体基板102に形成される。この例において、活性領域116、118の内側境界を形成するためにHFET構造150とMISHFET構造152との間に分離領域114のうちの1つが配置され、一方で2つの他の分離領域114が活性領域116、118の外側境界を形成する。
【0023】
分離領域114は、半導体基板102のエピタキシャル層、他の半導体層またはその両方に損傷を与えるように構成された注入手順によって形成されてもよい。この実施形態において、注入手順は、1つ以上の安定化層(後述)が半導体基板102の表面112上に堆積された後に実行される。分離領域の作製は変化してもよい。たとえば、注入手順は表面112の安定化の前に実行されてもよい。分離領域114の構成も変化してもよい。たとえば、分離領域114は、1つ以上の誘電体材料を充填された分離トレンチとして構成されてもよい。代替的な実施形態において、トランジスタデバイス100の活性領域116は、ベース基板104によって支持されておりヘテロ接合活性領域を形成するように構成されているメサエッチ構造によって形成される。従って、半導体基板102は、そうしたメサエッチ構造および他の半導体構造を含んでもよい。いくつかのアライメントマーク(図示せず)が活性領域116、118の外で表面112に沿って形成されてもよい。
【0024】
HFET構造150は、活性領域116のバッファ/チャネル層106を通じて流れる電流を制御するための、半導体基板102によって支持されているゲート120を含む。ゲート120は、キャップ層110上に配置されており、半導体基板102のヘテロ構造とのショットキー接合またはコンタクトを確立するように構成されている電極を含む。Ni、Pt、NiSi
x、Cu、Pd、Cr、W等のうちの1つ以上等のさまざまな材料がゲート120のショットキーコンタクトを形成するのに使用されてもよい。ゲート120は、図示のように垂直に方向づけられたステム部分を有するT字形であってもよい。他の実施形態において、ゲートは、AlGaNバリア層またはAlGaNバリア層108とバッファ/チャネル層106との間のAlNバリア間層上の凹状遮断部であってもよい。
【0025】
「電極」という用語は、本明細書においては、半導体基板102によって支持されるとともに、隣接する半導体基板102の領域(たとえば、電流領域)を通じて流れる電流をサポートするように構成されている層または構造を含む、任意の導体、導電層、または導電性構造を含むように使用される。電極の導体または他の層もしくは構造は、FETデバイスのソース端子、ドレイン端子、またはゲート端子、またはショットキーダイオード等のダイオードの端子等、半導体デバイスの端子または接点を含むかまたは確立してもよい。
【0026】
HFET構造150は、活性領域116において半導体基板102によって支持されている一対の電極122をさらに含む。ゲート120は、側方(横方向)において一対の電極122の間に配置されている。電極122同士は、HFET構造150の端子(たとえば、ソースおよびドレイン端子)を形成するように互いから離間されており、ゲート120に適切なゲート制御電圧が印加されることによってチャネルが形成されると、それらの端子の間を通じて電流が流れる。電極122は、半導体基板102のヘテロ構造とのオーミック接点を確立するように構成されている。この例において、電極122は半導体基板102の表面112上に配置されており、従ってキャップ層110上に堆積されている。他の実施形態において、オーミック接点122は半導体基板102における凹み(リセス)の中に形成され、その場合、オーミック接点は、たとえば、バリア層108上に堆積されてもよい。1つ以上の層に配置されているさまざまな1つ以上の金属材料が、電極122を形成してオーミック接点を確立するのに使用されてもよい。
【0027】
MISHFET構造152は、活性領域118のバッファ/チャネル層106を通じて流れる電流を制御するための、半導体基板102によって支持されているゲート124を含む。ゲート124は、半導体基板102の表面112において金属−絶縁体ゲート構成において配置されている。従って、MISHFET構造152の構成要素は、MISHFETデバイスとして構成されてもよい。金属−絶縁体ゲート構成の絶縁体層は、下記において半導体基板102の表面112の安定化に関連して説明される。
【0028】
MISHFET構造152は、活性領域118において半導体基板102によって支持されている一対の電極126をさらに含む。ゲート124は、側方において電極126の対の間に配置されている。ゲート124に適切なゲート制御電圧が印加されることによってチャネルが形成されると、その間に電流が流れる、MISHFET構造152の端子(たとえば、ソースおよびドレイン端子等の電流端子)を形成するために、電極126は互いから離間される。電極126は、半導体基板102のヘテロ構造とのオーミック接点を確立するように構成されている。この例において、電極126は半導体基板102の表面112上に配置されており、従ってキャップ層110上に堆積されている。他の実施形態において、オーミック接点122は半導体基板102における凹みの中に形成され、その場合、オーミック接点は、たとえば、バリア層108上に堆積されてもよい。1つ以上の層に配置されているさまざまな1つ以上の金属材料が、電極122を形成してオーミック接点を確立するのに使用されてもよい。いくつかの実施形態において、電極126はHFET構造150の電極122と共通の構成を共有し、同じ作製手順によって形成される。
【0029】
半導体デバイス100は、HFET構造150およびMISHFET構造152を形成するようにパターニングまたは構成されている、複数の選択的にエッチングされた表面安定化層を含む。この例において、複数の安定化層は第1の誘電体層128および第2の誘電体層130を含む。各誘電体層128、130は電極122の間で活性領域116にわたって、および、電極126の間で活性領域118にわたって延在してもよい。各誘電体層128、130は、半導体基板102によって支持されている。誘電体層128、130の一方または両方は、表面安定化のために構成されてもよい。
【0030】
図1の実施形態において、第2の誘電体層130は、活性領域116、118において第1の電極層128と半導体基板102の表面112との間に配置されている。たとえば、第1の誘電体層128は第2の誘電体層130によって表面112から離間されてもよい。第1の誘電体層128は、上側または主要安定化層とみなされてもよく、第2の誘電体層130は下側または中間安定化層とみなされてもよい。この実施形態において、第2の誘電体層130は、表面112の、チャネル層106の上の部分も含め、活性領域116、118の表面112全体を安定化するために活性領域116、118にわたって延在する。第2の誘電体層130は、ゲート120のための開口132および電極122、126のための開口134を除いて表面112に沿って延在するか、または当該表面を被覆する。ゲート120は、半導体基板102の表面112においてショットキー接合を確立するために開口132に配置され、一方で各電極122、126は開口134のそれぞれの中に配置される。下記に説明するように、半導体基板102の表面112は、それらがパターニングされる結果としてさまざまな領域において誘電体層128、130のうちの異なるもの(たとえば、第2の誘電体層130)によって安定化されてもよい。
【0031】
第1の誘電体層128および第2の誘電体層130はまた、MISHFET構造152を形成するために選択的にパターニングされる。従って、HFET構造150およびMISHFET構造152の作製は、作製プロセスフローにおけるいくつかの操作またはステップを共有してもよく、その例を下記に記載する。MISHFET構造152のゲート124は開口136に配置される。HFET構造150とは対照的に、開口136は第1の誘電体層128にのみ形成される。金属−絶縁体−半導体(MIS)構成を確立するために、第2の誘電体層130はゲート124と半導体基板102との間に配置されたままである。
【0032】
表面安定化層およびその選択的エッチングによって、HFET構造150およびMISHFET構造152が統合され、共通の半導体基板(たとえば、半導体基板102)およびそのヘテロ構造に基づくことが可能になる。第1の誘電体層128および第2の誘電体層130の選択的エッチングによって、ゲート120および電極122、126のオーミック接点の両方が、半導体基板102の表面112への損傷を回避するように形成されることが可能になる。安定化層の選択的エッチングによって、そうでなければ反応性イオンエッチング(RIE)、誘導結合プラズマ(ICP)、またはゲート120(または他のショットキー接合部)および電極122、126のオーミック接点の形成に関連して使用される他のドライエッチング手順に起因して発生する場合がある損傷を回避することができる。第1の誘電体層128のそうしたドライエッチングに引き続いて第2の誘電体層130のウェットエッチングを行うことによって、損傷を回避することができる。従って、オーミック接点122およびゲート120の両方の領域のウェットエッチングによって、それぞれ低いオーミック接点抵抗および低いゲート漏れを提供することができる。従って、そうでなければそうした損傷から生じる場合があるゲート漏れおよび一貫しないオーミック接点抵抗を低減することができる。複数の誘電体層(たとえば、層128、130)は、表面安定化をもたらしながらそうした問題を回避または対処することができる。複数の誘電体層の選択的エッチングは、表面112が安定化される様式を変更するために、ゲート120、124と、電極122、126と、他のオーミック接点もしくはショットキー接合部とのうちの1つ以上の形成に関与するもの以外の領域に使用されてもよい。従って、窒化ケイ素(Si
3N
4)等の所望の誘電体材料によって依然として表面112が活性領域116、118のいくつかの部分において安定化されることを可能にしながら、表面損傷を回避することができる。これらのおよび他の理由から、開示されるトランジスタデバイスは、一貫してより低いゲート漏れおよびオーミック接点抵抗を有することができる。
【0033】
誘電体層128、130の選択的エッチングは、MISHFET構造152を形成するための異なるエッチング手順をも含むか、または伴ってもよい。ショットキーゲート120およびオーミック接点と同様に、第2の誘電体層130はウェットエッチングされて、第1の誘電体層128をエッチングするのに使用されるRIE手順に対するエッチストップとして機能してもよい。従って、そうしたRIE手順からの表面112におけるエッチング損傷を回避することができる。エッチング損傷がないことによってHFET構造150または他のショットキー接合デバイスにおけるゲート漏れを低減するかまたは取り除く(とともに、オーミック接点抵抗を改善する)ことができる一方、MISHFET構造152の統合によって、ゲート漏れに関連する問題をさらに低減するかまたは取り除くことができる。エッチストップに使用されるものと同じ誘電体層がMISHFET構造152を形成するのに使用されてもよい。
【0034】
誘電体層の選択的エッチングは、RIEエッチストップとして使用するために構成された誘電体層130のさまざまなパターニングを含むか、または伴ってもよい。たとえば、活性領域116、118における表面安定化は本明細書に記載のように変化してもよい。パターニングは、ゲート、オーミック接点またはその両方の領域の完全な被覆を保証するために、エッチストップ誘電体層130の被覆をゲート、オーミック接点またはその両方の領域ならびにその付近の領域等の選択された領域に局在化させるのに使用されてもよい。エッチストップ誘電体層130の選択的被覆によって、活性領域116、118の1つ以上の部分がSi
3N
4によって安定化されることが可能になり得、表面112にそれが存在することによって、電流崩壊の防止が助けられ得る。たとえば、そうしたSi
3N
4ベースの安定化は、デバイス表面における窒素欠陥のためGaN層のドーピングを増大させる傾向にあり得る。対照的に、活性領域116、118の、ゲート、オーミック接点またはその両方の領域に接触または当接する部分は、エッチストップ誘電体層130によって安定化されることができ、それによって、エッチストップ誘電体層130はゲートおよびオーミック接点領域を保護するのに使用されることができる。そうしたゲート領域付近の領域における非窒素表面安定化は、そうでなければ表面112において漏れを引き起こす可能性がある導電性NiSi層を形成する場合がある、Si
3N
4と、ニッケル等の1つ以上のショットキー金属との間の反応を回避するのに有用であり得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、第1の誘電体層128は、低圧化学気相成長(LPCVD)Si
3N
4を含む。代替的なまたは追加の誘電体材料が第1の誘電体層128に使用されてもよい。いくつかの場合において、Si
3N
4の層は非LPCVD手順によって堆積されてもよい。代替的に、Si
3N
4は、プラズマ増強化学気相成長(PECVD)、スパッタリングを使用して堆積されてもよく、または、誘電体層128を形成するのに原子層成長が使用されてもよい。二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化ケイ素(SiO)、酸窒化ケイ素(SiON)等の他の材料が、LPCVD、PECVD、スパッタリング、または原子層成長等のさまざまな技法を使用して誘電体層128を形成するのに使用されてもよい。第1の誘電体層128は、たとえば、上記のうちの1つ以上を含む、さまざまな材料および技法を使用して多層スタックに形成されてもよい。
【0036】
第2の誘電体層130は、表面安定化層としても機能するエッチストップ層として構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第2の誘電体層130は、第1の誘電体層128のドライエッチャントに対するエッチ選択性を有するウェットエッチ可能材料を含む。たとえば、第2の誘電体層130は、Si
3N
4をドライエッチングするのに使用されるフッ素またはフッ化物ベースのプロセス、他のRIEプロセスまたはその両方に対するエッチ選択性を有する1つ以上の材料を含んでもよい。適切なドライエッチャントはテトラフルオロメタン(CF
4)、ヘキサフルオロエタン(C
2F
6)、および六フッ化硫黄(SF
6)を含む。エッチ条件に応じて、酸素、アルゴンまたはその両方が、ドライエッチング手順の間にポリマー形成を防止するためにドライエッチャントと組み合わされてもよい。従って、第2の誘電体層130は、開口126および128の形成中にドライエッチャントが半導体基板102の表面112に達するのを阻害することができる。一例において、第2の誘電体層130は、原子層成長(ALD)、CVD、または他の手順によって堆積される酸化アルミニウム(Al
2O
3)を含んでもよく、当該手順のうちのいくつかは、たとえば、約200〜約400℃の温度を伴ってもよい。Al
2O
3層は、約3nm〜約40nmの範囲内に入る厚さを有してもよい。他の実施形態において、第2の誘電体層130は、半導体基板102が完成した後であるが、半導体基板102が周囲条件(たとえば、堆積室の外)にさらされる前に(たとえば、完成直後に)in−situで堆積されてもよい。そうした堆積は、CVD、MBE、またはMOCVDを使用して行われてもよい。たとえば、第2の誘電体層130は、単一の非晶質AlN、HfO
2、またはAl
2O
3層を含んでもよい。第2の誘電体層130は、Al
2O
3またはAlN層が処理中の表面保護のための最上層としてSiNまたはSiO
2層を堆積されている、多層スタックも含んでもよい。これらの実施形態において、堆積温度は約200℃〜約800℃であってもよいが、半導体基板102上のまたはそれと接触して堆積される誘電体層の堆積温度は600℃未満であってもよい。一例において、第1の誘電体層128が、たとえば、フッ素またはフッ化物ベースのプラズマエッチャントを使用してドライエッチング手順によって選択的にエッチングされる場合、第2の誘電体層130のAl
2O
3が、Si
3N
4に対する50:1よりも良好なエッチ選択性でエッチャントを止める。
【0037】
第2の誘電体層130は、半導体基板102の表面112に対する損傷を回避するように構成されたウェットエッチング手順を使用してゲート120および電極122、126のための開口132および134を形成するようにエッチングされてもよい。いくつかの異なるウェットエッチングプロセスが使用されてもよい。一例において、緩衝酸化物エッチング(BOE)手順が開口132および134を形成するために実施される。Al
2O
3実施形態において、第2の誘電体層130は代替的に、希釈HFを伴うウェットエッチング手順を使用して除去されてもよい。
【0038】
追加のまたは代替的な誘電体材料が第2の誘電体層130に組み込まれるか、または当該誘電体層として使用されてもよい。追加のまたは代替的な材料は、第1の誘電体層128のエッチャントを阻害するためのエッチ選択性をも有してもよい。1つのそうした追加のまたは代替的な誘電体材料は酸化ハフニウム(HfO
2)である。第2の誘電体層130は、Al
2O
3およびHfO
2の混合物、Al
2O
3およびHfO
2の別個の層、または他の組合せ構成を含んでもよい。第2の誘電体層130は、エッチ耐性材料には限定されない。たとえば、エッチストップ誘電体層は、SiO
2から成る下側または最下層、ならびにAl
2O
3、HfO
2またはその両方から成る上側または最上層を含む誘電体スタックを含んでもよい。最下層は、表面112における半導体材料(たとえば、GaN)との互換性があるように構成されてもよい。最上層は、後続の処理ステップ中にウェハを保護するためのSiNを含んでもよい。従って、第2の誘電体層130の材料(複数の場合もあり)のエッチャントに対する耐性は変化してもよい。
【0039】
ゲート領域120に対するウェットエッチングが、MISHFET152のゲート124の形成をサポートするために第2の誘電体層130に選択的に適用される。第1の誘電体層128が除去されて開口136が形成された後、ウェットエッチング手順が、第2の誘電体層130の、開口136における部分を残すように実施される。
図1の例において、第2の誘電体層130は、MISHFET構造152の電極126の間の表面112からは除去されない。Al
2O
3の高温安定性および化学安定性に起因して、第2の誘電体層130にAl
2O
3を使用することによってデバイス100のための安定化機能を提供することができる。他の場合において、第2の誘電体層130の、電極126の間にあるがゲート124の外部にある1つ以上の部分が、ウェットエッチング手順によって除去される。たとえば、第2の誘電体層130のウェットエッチングは、第1の誘電体層128の堆積または他の形成の前に実施されてもよい。第2の誘電体層130のそうした選択的パターニングは、第1の誘電体層128(第2の誘電体層130ではなく)が、活性領域116、118の、MISHFETゲート124以外の部分において表面112を安定化させることを可能にすることを目的とし得る。
【0040】
第2の誘電体層130は、第1の誘電体層128と半導体基板102との間に配置される唯一の誘電体層である必要はない。代替的な実施形態において、1つ以上の追加の誘電体層が活性領域116、118において表面112に沿って配置されてもよい。そうした層(複数の場合もあり)は、第1の誘電体層128と第2の誘電体層130の間、表面112に隣接して第1の誘電体層128および第2の誘電体層130の下、または、第1の誘電体層128および第2の誘電体層130の上(たとえば、第1の誘電体層128に接してその上)に配置されてもよい。
【0041】
図1に示す例示的な実施形態は、ゲート120、124および電極122、126への接続を支援するいくつかの他の構造を含む。たとえば、半導体デバイス100は、電極122、126への相互接続または他の接続のためのパターン化金属層138を含んでもよい。いくつかの場合において、金属層138はまた、ゲート120を形成するために堆積または使用されてもよい。その後、ゲート124、他の構造またはその両方を形成するために第2の金属層140が使用されてもよい。金属層136、138を分離し、かつ/またはデバイス安定化のために1つ以上の層間誘電体(ILD)層142が堆積された後に第2の金属層140が堆積されてもよい。この例において、第2の金属層140は、たとえば、HFETデバイス150のドレイン端子として機能する電極122のうちの一方に印加される高電圧からゲート120を遮蔽するように構成されている電界板144を形成するのに使用される。電界板144は、HFETデバイス150のソース端子として機能する電極122の他方に電気的に接続されている。第2の金属層140は、付加的にまたは代替的に、MISHFET152のゲート124を形成するのに使用されてもよい。電界板144およびゲート124の両方を形成するのに同じ金属層を使用することによって、下記に説明するプロセスフロー例に関連して記載されているように、HFETデバイス150を形成するのに使用される作製プロセスにマスキングステップを一切追加することなく、MISHFETデバイス152が形成されることが可能になり得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、MISHFET構造152は、エンハンスメント・モード・デバイスを形成するように構成されてもよい。たとえば、第2の誘電体層130は、エンハンスメント・モード・デバイスの閾値電圧レベルを設定するためにフッ素イオンをドープされてもよい。第2の誘電体層130におけるドーパント濃度レベルは、約10
16cm
−3〜約10
19cm
−3の範囲内に入ってもよいが、他の濃度レベルが使用されてもよい。フッ素イオンを第2の誘電体層130に注入するためのドーパント注入手順が、第1の誘電体層128のエッチングの間または後に実施されてもよい。他のドーパント材料が使用されてもよい。MISHFET構造152の閾値電圧に対する代替的なまたは追加の調整が、第2の誘電体層130(たとえば、Al
2O
3)の厚さを制御することによって行われてもよい。第2の誘電体層130の厚さは約3nm〜約40nmであってもよく、または約5nm〜約20nmの範囲内であってもよいが、他の厚さが使用されてもよい。
【0043】
上述の複数の表面安定化層を使用することによって、HFET構造150およびMISHFET構造152が同じ半導体基板102上で統合されることが可能になる。
図1の実施形態において、HFET構造150およびMISHFET構造152は、それらの構造が同じ原基板106上に形成される限りにおいて統合される。HFET構造150およびMISHFET構造152は、HFET構造150およびMISHFET構造152のそれぞれのヘテロ構造を形成するとともに、ヘテロ構造におけるそれぞれのチャネルの形成をサポートするために、半導体基板102における同じ半導体層を利用する。
【0044】
HFET構造150およびMISHFET構造152の統合は、半導体基板102の共有には限定されない。半導体基板102に加えて、MISHFET構造152は、HFET構造150と共通のいくつかの構成要素および構造を有する。HFET構造150およびMISHFET構造152は、同じ材料層によって形成されるいくつかの構成要素を含む。たとえば、HFET構造150およびMISHFET構造152は表面安定化に同じ材料層を利用する。上述の誘電体エッチストップ層(たとえば、Al
2O
3)等の表面安定化層の組み込みおよび選択的エッチングによって、他の安定化層(たとえば、SiN)のドライエッチングの後に誘電体エッチストップ層をウェットエッチングすることによってショットキーゲートが形成されることが可能になる。複数の安定化層によって、ショットキーゲートにおける基板の損傷の低下がもたらされ、HFET構造150およびMISHFET構造152の電極のための高品質オーミック接点の形成がサポートされ得る。
【0045】
HFET構造150およびMISHFET構造152の統合によって、HFETおよびMISHFETデバイスがチップまたはパッケージレベルにおいて回路において組み合わされることが可能になる。従って、両方のタイプのデバイスを含む回路は、たとえば、プリント回路基板(PCB)レベルにおいて複数のチップおよび接続を使用しなければならないことを回避し得る。
【0046】
HFET構造150およびMISHFET構造152の統合のレベル、度合い、または他の特性は、
図1に示す実施形態から変化してもよい。
図3および
図5に示す半導体デバイスは、HFET構造とMISHFET構造との間の種々のレベルまたはタイプの統合の例を提供する。
【0047】
HFET構造150およびMISHFET構造152を同じ半導体基板102上で統合することは、いくつかの異なる回路構成において有用であり得る。
図1の実施形態において、電極122および電極126は、さまざまな構成においてパターン化金属層138の相互接続を介して接続されてもよい。それぞれHFET構造150およびMISHFET構造152のソース/ドレインまたは電流電極を形成または確立するために電極122、126がそうした構成において接続されてもよい。HFET構造150およびMISHFET構造152は、カスコード構成により、ドハティ電力増幅器回路により、または他の増幅器もしくは他の回路構成により、互いに結合されてもよい。
【0048】
図2は例示的な回路200を示し、HFETデバイス202およびMISHFETデバイス204が単一チップ構成に統合されてもよい。HFETデバイス202およびMISHFETデバイス204は、
図1に関連して上述したHFET構造150およびMISHFET構造152を含んでもよい。この実施形態において、HFETデバイス202およびMISHFETデバイス204は、ドハティ電力増幅器構成により配置されている。回路200において、入力信号が、電力分配器206を介してHFETデバイス202およびMISHFETデバイス204の入力端子(たとえば、ゲート)に提供される。電力分配器206は、HFETデバイス202およびMISHFETデバイス204の間で入力信号を均等または不均等に分割し、HFETデバイス202およびMISHFETデバイス204を駆動する入力信号に位相差(たとえば、90度の位相差)を導入してもよい。結果としての出力信号が、90度位相シフト伝送線208を介してHFETデバイス202およびMISHFETデバイス204の出力を同相に戻し、その後加算ノード209において信号を再結合することによって生成される。インピーダンス変成器210が加算ノード209において接続されている。インピーダンス変成器は外部負荷に結合されている。90度位相シフト伝送線208は、図示のようにMISHFETデバイス204の出力端子(たとえば、ソース/ドレインまたは電流電極)に結合されてもよい。代替的に、90度位相シフト伝送線208はHFETデバイス202に結合されてもよく、または、HFETデバイス202およびMISHFETデバイス204に結合されているそれぞれのインピーダンス整合構成要素を含んでもよい。
【0049】
MISHFETデバイス204は線形搬送波増幅器として構成されてもよい。たとえば、MISHFETデバイス204は、高線形性クラスAB搬送波増幅器としての動作に最適化されてもよい。HFETデバイス202は、高相互コンダクタンス(g
m)または他のピーク増幅器として構成されてもよい。HFETデバイス202は、クラスCモードにおいて動作するように構成されてもよい。動作中、線形搬送波増幅器は、バックオフ最大効率モードにおいて動作する。信号のピークの間、HFETピークデバイス202はオンになり、MISHFETデバイス204によって生成される電流と結合する電流を加算ノード209に注入し、その後、続いて生じる信号レベルが低減した期間の間オフに戻る。_GoBack_GoBack
回路200は、ドハティ増幅器のアレイから成る単一のユニットであってもよい。たとえば、任意の数の回路200が互いに並列構成で結合されてもよい。アレイにおける回路200の各々は、開示される実施形態によって提供される統合の結果として単一のICチップ上に配置されてもよい。
【0050】
本明細書に記載のHFETおよびMISHFETデバイスまたは構造は、
図2に示すドハティ電力増幅器構成以外の増幅器回路または構成により配置されてもよい。たとえば、HFETおよびMISHFETデバイスまたは構造は、代替的に、カスコード増幅器構成または回路に配置されてもよい。カスコード増幅器構成において、HFETおよびMISHFET構造は以下のように互いに結合されてもよい。MISHFET構造のゲートはHFET構造のソース電極に対する電気接続によって接地されてもよい。HFET構造のドレイン電極は相互接続を介してMISHFET構造のソース電極に電気的に結合または接続されてもよい。相互接続または他の金属接続の代わりに、MISHFETおよびHFET構造は、ヘテロ構造のソース/ドレインまたは電流領域を共有するために互いに隣接してもよく、それによって、カスコード増幅器構成が確立される。MISHFETおよびHFET構造のそうした統合の一例を、
図3に関連して下記に説明する。代替的に、HFETおよびMISHFET構造は、接続を確立するために、共通のオーミックまたは他の金属層等の共通の電極または端子を共有してもよい。
【0051】
図3は、HFET構造302およびMISHFET構造304がカスコード増幅器構成において統合されている例示的な半導体デバイス300を示す。HFET構造302およびMISHFET構造304は、構造302、304が互いに電気的に接続されることを可能にするために、互いに隣接して配置されている。この例において、電気接続は、半導体基板308のヘテロ構造におけるソース/ドレイン領域306を介して達成される。ソース/ドレイン領域306は、それぞれのゲート310、312を含むHFET構造302およびMISHFET構造304によって共有されるか、またはそれらにとって共通である。HFET構造302のゲート310はショットキーゲートとして構成され、従ってショットキー接合部を含み、これは、上述のように一対の安定化層314、316の開口に形成されてもよい。安定化層のうちの一方314は上述のように、エッチストップとして機能し、MISHFET構造のゲート312と半導体基板308との間には配置されたままである。共有ソース/ドレイン領域306は側方においてゲート310、312の間に配置されている。
【0052】
半導体デバイス300は、マルチゲート(たとえば、二重ゲート)FET構造とみなされ、または当該構造として構成されてもよい。半導体デバイス300は、任意の数のゲートを含んでもよい。半導体デバイス300のマルチゲートFET構造は、半導体基板308によって支持されるソース/ドレインまたは電流電極318をも含む。ソース/ドレイン電極318は、側方においてゲート310(またはそのショットキー接合部)およびゲート312から外向きに離間されている。この例において、電界板320は、ソース/ドレイン電極318のうちの、HFET構造302として機能する一方に接続される。HFET構造302およびMISHFET構造304は、本明細書に記載の他の例と同様に構成されたいくつかの他の構成要素(たとえば、ILD層(複数の場合もあり)、金属層(複数の場合もあり)等)を含んでもよい。
【0053】
HFET構造302およびMISHFET構造304は、ゲート312をグランドに接続することによって、カスコード構成により(たとえば、カスコードFETデバイスとして)配置されてもよい。たとえば、グランド接続は、FET構造302のソース電極(たとえば、電界板320に接続されている電極318)とゲート312との間の相互接続によって確立されてもよい。
【0054】
ゲート310、312の長さ、ゲート310、312の間の距離またはその両方は、半導体デバイス300(
図3)、半導体デバイス300を含む回路(たとえば、
図4に関連して説明および図示されているカスコード回路を参照)またはその両方の動作を構成または最適化するように調整されてもよい。ゲート310、312の長さは、約30ナノメートル〜約2000ナノメートルの範囲内に入ってもよいが、他の長さが使用されてもよい。代替的にまたは付加的に、ゲート312と、ドレイン端子として機能するソース/ドレイン電極318との間の距離が、半導体デバイス300の別の設計パラメータを提供し得る。ゲート312とソース/ドレイン電極318との間の距離は、約0.5マイクロメートル〜約20マイクロメートルの範囲内に入ってもよいが、他の距離が使用されてもよい。
【0055】
MISHFET構造304の閾値は、厚さ制御、フッ素または他のドーパントの注入、およびそれらの任意の組合せを含む、誘電体層314(たとえば、Al
2O
3)に対する変更を通じて制御されてもよい。
【0056】
図4は、半導体デバイス300(
図3)のカスコード構成を表す回路400を示す。回路400は、共通のソース/ドレインまたは電流領域306を介して確立されるHFET302のドレイン404とMISHFET304のソース406との電気接続402を含む。
図3の例において、HFET構造302およびMISHFET構造304は、HFETドレイン404とMISHFETソース406との間の共通のソース/ドレイン領域306に対する電極または他の金属接続を含まない。代替的に、半導体デバイス300は、電気接続402を確立するために、HFETドレイン404とMISHFET406との間の共通のソース/ドレイン領域306に対するオーミック接点、および、場合によっては、オーミック金属または他の適切な金属等、1つ以上の金属相互接続を含む。そうした場合において、カスコード増幅器構成は、従って、二重ゲートまたは他のマルチゲート構造に基づく必要はない。電気接続402のためのそうした電極または相互接続によって、HFET構造302およびMISHFET構造304は隣接している必要もなく、代わりに所望の範囲まで離間されてもよい。
【0057】
カスコード回路400において、MISHFET構造304のゲート312は共通ゲート構成においてグランドに接続されている。MISHFET構造304のソース406は、HFET構造302のドレイン402に接続されている。グランド接続は、ソース/ドレイン電極318の、HFETデバイス302のソース端子として機能する電極(たとえば、
図3において電界板320に接続されている電極)によって行われてもよい。入力信号がHFET302のゲート310に提供され、MISHFET構造304の、HFET構造302と共有されない電極318において出力信号が生成される。
【0058】
いくつかの場合において、カスコード回路またはデバイス400はファースト−スロー・カスコード増幅器として構成されてもよい。この構成において、共通ソース「ファースト」HFET構造302は、たとえば、約50〜約400nmの範囲内の相対的に短いゲート長を使用して実現されるが、最高f
Tを得るために他のゲート長が使用されてもよい。共通ゲート「スロー」MISHFET構造304は、たとえば、約200〜約2000nmの範囲内の相対的に長いゲートを用いて構成されるが、他のゲート長が使用されてもよい。この構成において、カスコードデバイス400の共通ソースデバイスが、MISHFET構造304の閾値電圧(一般的には5〜10V)にほぼ等しい電圧に耐えるのみであるHFET構造302を用いて実現されるため、カスコードデバイス400全体の電流利得およびf
Tは最大化される。それゆえ、HFET構造302は非常に短いゲート長を使用して高いf
Tを達成し得る。同時に、MISHFET構造304はHFET構造302と比較して相対的に長いゲート長を使用するため、デバイスの絶縁破壊電圧が最大化される。ゲート長がより長くなることによって、HFET構造304、ひいてはカスコードデバイス400全体の絶縁破壊電圧が増大する。従って、カスコード回路400のファースト−スロー構成は、高いf
Tおよび絶縁破壊電圧を同時に提供する。カスコード増幅器は、RF MMIC用途においてインピーダンス、絶縁破壊電圧またはその両方を引き上げるのに使用されてもよい。開示されている実施形態におけるHFETおよびMISHFET構造の統合によって、第2のバイアス電圧を伴うことなく、または共通ゲートデバイスのための金属−絶縁体−金属(MIM)キャパシタを必要とすることなくカスコード増幅器が提供されることが可能になり得る。
【0059】
カスコード回路400にMISHFET構造304が存在することによって、一般的なHFETベースのカスコード構成が呈するゲート漏れが低減または防止され得る。動作中、MISHFET構造304のゲート312は低い漏れを呈し得、それによって、一般的なHFETベースのカスコード構成において共通ゲートデバイスのゲート漏れに起因して不都合に高いことが多い、オフ状態電力消費が低減される。
【0060】
図5は、統合ショットキーおよびMISHFET構造を有する別の例示的な半導体デバイス500を示す。この例において、半導体デバイス500は、MISHFETゲート502と、半導体基板508とのショットキー接合部506を確立するように構成されているソース/ドレインまたは電流電極504と、半導体基板508とのオーミック接点512を形成するように構成されているさらなるソース/ドレインまたは電流電極510とを含む。ソース/ドレイン電極504、508は半導体基板508によって支持されており、半導体基板508のヘテロ構造のソース/ドレインまたは電流領域514を有するMISHFET構造を形成するためにMISHFETゲート502から離間されている。ソース/ドレイン電極504、510は第1の誘電体層516および第2の誘電体層518のそれぞれの開口に配置されており、それぞれ、半導体デバイス508の電流(たとえば、ドレインおよびソース)領域514に対応するショットキー接合部506およびオーミック接点512を形成するように構成されている。いくつかの場合において、ソース/ドレイン電極504は、半導体デバイス500のショットキードレインとして構成されてもよい。ショットキー接合部506は、代替的な実施形態においては、半導体デバイス500の代替的な電極または部分に配置されてもよい。たとえば、ショットキー接合部506は、半導体デバイス500と入出力端子(たとえば、ICチップのパッドまたはピン)との間の保護ダイオードとして配置されてもよい。
【0061】
上述のように、ショットキードレイン504をMISHFET構造に統合するために、第1の誘電体層516および第2の誘電体層518の選択的エッチングが使用されてもよい。第1の誘電体層516および第2の誘電体層518は表面安定化のために使用されてもよく、第2の誘電体層518はエッチストップ誘電体層(たとえば、Al
2O
3)として構成される。ショットキードレイン504および他のソース/ドレイン電極510は、第1の誘電体層516(たとえば、SiN)をドライエッチングした後にエッチストップ誘電体層をウェットエッチングすることによって形成されてもよい。ドライエッチング中にエッチストップ誘電体層518が存在することによって、ショットキー接合部506およびソース/ドレイン電極510のオーミック接点における損傷を低くすることができる。エッチストップ誘電体層518の存在は、開口を形成するためにドライエッチングを使用した後にMISHFETゲート502を形成するのに使用されてもよい。MISHFETゲート502は、上述のように電界板または他の金属層を使用することによって追加のマスキングステップなしに作成されてもよい。いくつかの場合において、半導体デバイス500は、上述のように、ドライエッチングステップの間または後にフッ素イオンをエッチストップ誘電体層518に注入することによって、疑似エンハンスメント・モード・デバイスとして構成されてもよい。
【0062】
図6は、MISHFETゲート502およびソース/ドレイン電極504におけるショットキー接合部506の統合の回路
図600を示す。上述のように、ショットキー接合部506はドレイン電極に配置されてもよく、一方で他方のソース/ドレイン電極510はソース電極に配置されてもよい。代替的な実施形態において、ソースおよびドレイン電極の構成は異なってもよく、ショットキー接合部506の配置は変化してもよい。たとえば、開示されている実施形態の統合は、ショットキーダイオードおよびMISHFETデバイスの他の直列配列において適用されてもよい。
【0063】
同じICチップ上のショットキーダイオードおよびMISHFET構造によって形成される高速デバイスを展開するために上述の統合が使用されてもよい。同じICチップ上での統合は、寄生誘導効果を最小限に抑え、他の利点を提供することができる。たとえば、ショットキーダイオードは、波形整形、誘導リンギングに対する保護、および他の機能を提供するように構成されてもよい。統合は、クラスSまたはスイッチモード増幅器として使用するために構成される場合がある、非常に高度にスケーリングされた高周波数(たとえば、100GHz超)デバイスを提供するのに使用されてもよい。そうした増幅器および他のデバイスは、エッチストップ誘電体層によって提供される薄いゲート誘電体から利益を得る場合があり、それによって、たとえば、埋め込みゲートデバイスについて過剰なゲート漏れが防止され、かつ/または電流が最大化され得る。クラスS増幅器は、最終段トランジスタデバイスを、たとえば、ドレイン電圧の負側の振幅から保護するのにショットキーダイオードを使用してもよい。開示されている実施形態は、アナログ無線周波数(RF)信号(たとえば、0.01〜2.5GHz以上)を、RF再構築前の後続の増幅のために方形波パルスに変換するもの等、他の高周波数用途に使用されてもよい。
【0064】
エッチストップ層、たとえば、第2の誘電体層130は、表面安定化をカスタマイズまたは最適化するようにパターニングされてもよい。そうしたパターニングによって、エッチストップ層を介して表面安定化が達成される領域(複数の場合もあり)が局在化され得る。たとえば、エッチストップ層を、活性領域の、ゲート、オーミック接点またはその両方のための開口付近の領域または部分に限定することができる。従って、活性領域の他の部分は他の誘電体層(たとえば、Si
3N
4層)によって被覆および安定化され得る。そうしたパターニングは、ゲート、オーミック接点またはその両方の領域から離間された領域の他の表面安定化層の利点を可能にしながら、ウェットエッチ誘電体層(たとえば、Al
2O
3)の利点のうちの1つ以上を保持することができる。たとえば、Si
3N
4が半導体基板の表面を安定化させることを可能にすることは、表面を形成するGaN等のIII族窒化物半導体材料を有する実施形態において有用であり得る。表面にLPCVD Si
3N
4が存在することによって、たとえば、675℃付近の温度で発生する場合があるGaNの昇華に起因する窒素欠陥から表面がn型にドープされる傾向にある。そうした追加のn型ドーピングは、デバイスにおける電流崩壊の開始を低減する。GaNベースのトランジスタデバイスの表面安定化を使用することに関するさらなる詳細は、米国特許出願公開第2007/0241419号明細書(「二層パッシベーションを有するトランジスタおよび方法(Transistor and Method with Dual Layer Passivation)」に記載されている。エッチストップ誘電体が、ゲート領域、オーミック接点領域またはその両方を超えて側方において延在しているのを制限することも、たとえば、Al
2O
3における電荷蓄積の可能性が存在する限りにおいては有用であり得る。いくつかの場合において、エッチストップ層は、ゲートとドレインとの間にのみ存在してもよい。Al
2O
3がソース領域に全く存在しない構成は、ソース抵抗を最小限に抑えるのに有用であり得る。LPCVD Si
3N
4安定化材料はAl
2O
3安定化材料よりもシート抵抗が低いため、LPCVD Si
3N
4をソース領域にのみ使用することによって、接触抵抗を最小限に抑えることができる。エッチストップ誘電体層のそうしたパターニングに関するさらなる詳細は、各々「選択的にエッチングされた表面安定化を有する半導体デバイス(Semiconductor Device with Selectively Etched Surface Passivation)」と題する米国特許出願第13/533610号明細書および米国特許出願第13/533,651号明細書において提供されている。
【0065】
図7は、一実施形態に応じた、表面安定化層の選択的エッチングを伴う、統合MISHFETおよびHFET(または他のショットキー接合ベースの)構造を有する半導体デバイスを作製する例示的な方法を示すためのプロセスフロー図および対応する概略断面図を示す。操作の順序は他の実施形態においては変化してもよい。たとえば、分離注入手順は、1つ以上の安定化層を堆積する前に実施されてもよい。
【0066】
方法は一連の操作を含み、説明を簡便にするためにその重要な部分のみが示されている。たとえば、方法は、ベース基板(たとえば、SiC)を準備すること、または、ベース基板上にいくつかのエピタキシャル半導体層を成長させることを目的とするいくつかの操作を含んでもよい。エピタキシャル半導体層は、たとえば、分子ビームエピタキシ(MBE)、有機金属化学気相成長(MOCVD)、およびハイドライド気相エピタキシ(HVPE)を含む1つ以上の技法によって成長されてもよい。エピタキシャル半導体層の成長は、上述のようにチャネルが形成されるヘテロ構造を確立する。この例において、チャネルは、ベース基板上にGaNまたは他のエピタキシャルIII族窒化物半導体層を成長させることによって形成される。たとえば、バリア層およびキャップ層を形成するために、1つ以上の追加のエピタキシャルIII族窒化物半導体層がGaNチャネル層上に成長されてもよい。これらの層、他の半導体層またはその両方を成長させることによって、半導体基板の表面が半導体デバイスの活性領域のために形成される。チャネル層と、バリア層と、キャップ層とのうちの1つ以上は、非エピタキシャル技法によって堆積されてもよい。
【0067】
表面の安定化は、操作700において活性領域にわたる表面上にエッチストップ誘電体層を堆積することによって開始する。エッチストップ誘電体層はAl
2O
3を含んでもよい。一例において、表面(たとえば、GaN表面)は、約3nm〜約40nmの厚さ、または約10nm〜約30nmの範囲内の厚さを有するAl
2O
3の層によって被覆される。操作700は、代替的なエッチストップ材料(HfO
2)または追加の誘電体材料(SiO
2)を堆積することを含んでもよい。たとえば、エッチストップ誘電体層は、SiO
2もしくは他のウェットエッチング可能誘電体膜から成る下側または最下層、ならびにAl
2O
3、HfO
2またはその両方から成る上側または最上層を含む誘電体スタックを含んでもよい。エッチ誘電体層(複数の場合もあり)の堆積は、原子層成長(ALD)、PECVD、スパッタリング、蒸着、LPCVD、電子サイクロトロン共鳴(ECR)堆積、誘導結合プラズマ(ICP)、熱線CVD(HWCVD)、触媒CVD(CAT−CVD)、MOCVD、MBE、HVPE、または、これらの材料をエピタキシャル成長後であるが周囲条件にさらされる前に(たとえば、エピタキシャル成長の直後に)in−situで堆積することを含む他の適切な手順によって実施されてもよい。
【0068】
操作700は、エッチストップ誘電体層上に安定化層を堆積することによってさらに表面を安定化することを含む。安定化層は、LPCVD手順によって堆積されたSi
3N
4を含んでもよい。安定化層は、チャネルの上の活性領域にわたって延在する。いくつかの実施形態において、Si
3N
4はLPCVD手順以外の技法によって堆積され、または、1つ以上の技法によって堆積される2つ以上の層を含んでもよい。たとえば、原子層成長(ALD)、PECVD、スパッタリング、蒸着、LPCVD、電子サイクロトロン共鳴(ECR)堆積、誘導結合プラズマ(ICP)、熱線CVD(HWCVD)、触媒CVD(CAT−CVD)、MOCVD、MBE、HVPE、または、これらの材料を堆積することを含む他の適切な手順が使用されてもよい。加えて、LPCVD SiN表面安定化は、同じ堆積ツールにおいてエッチストップ誘電体層を堆積した後であるが、周囲条件にさらされる前に(たとえば、堆積直後に)行われてもよい。エピタキシャル半導体層、エッチストップ層、および安定化層を含む材料は、半導体基板を周囲条件にさらすことなく、1つのツールの同じまたは別個のチャンバにin−situで堆積されてもよい。
【0069】
LPCVD手順は、エッチストップ誘電体層の結晶化を回避するように構成されてもよい。たとえば、エッチストップ層は、Al
2O
3については約800℃において結晶化し始める場合がある。不都合なことに、LPCVD Si
3N
4の品質は、およそその温度において劣化し始める場合があり、約700℃で品質が著しく低減する可能性がある。従って、LPCVD手順は、約700℃〜約800℃の温度において実施されてもよい。いくつかの実施形態において、LPCVD温度は約750℃である。
【0070】
操作702において、フォトレジスト層のパターニングおよび分離領域の注入によって活性領域が形成される。注入の前にいくつかのアライメントマークが活性領域の外部に堆積されてもよい。アライメントマークは、Si、チタン−白金、または、電子ビームアライメントに適切な光学コントラストまたは電子線回折を提供し、高温アニーリングに耐える他の組合せもしくは材料を使用して形成されてもよい。分離インプラントおよびアライメントマーク堆積の後、次いでフォトレジストが除去されてもよい。
【0071】
操作704において、安定化層のLPCVD Si
3N
4をドライエッチングすることによって、ソース/ドレイン電極のためにオーミック接点領域が形成されてもよい。ドライエッチングまたはRIE手順に備えて、図示のようにフォトレジストの層が被着およびパターニングされる。その後、たとえば、SF
6、CF
4等のフッ素ベースのエッチャントを含むさまざまなプラズマエッチャントが、安定化層を除去するのに使用されてもよい。いくつかの場合において、エッチング手順はAl
2O
3層の表面上にAlFを形成し、それによってSiNエッチングを停止する。ドライエッチング手順は、(たとえば、Al
2O
3エッチストップ層を通過することによって)下方にある層に対する遠隔した損傷を回避するために、十分に低い(たとえば、約30〜約100ボルトのDCバイアスに対応する)電力レベルにおいて実施されてもよい。
【0072】
安定化層のLPCVD Si
3N
4に開口が形成されると、操作704のウェットエッチング手順によってオーミック接点領域においてエッチストップ誘電体層が除去されてもよい。たとえば、HF、BOE、およびホットHClを含む、さまざまなウェットエッチャントが使用されてもよい。LPCVD Si
3N
4層の下に誘電体スタックを有する実施形態に関連して、1つ以上のエッチャントが使用されてもよい。加えて、オーミック接点は、Cl
2、BCl
3、SiCl
4等のClベースの化学種、またはIII〜V族窒化物をエッチングする他の適切なドライもしくはウェット化学種を使用して陥凹してもよい。
【0073】
ソース/ドレイン電極を形成するために、1つ以上のオーミック接点金属、他の材料またはその両方が、蒸着、スパッタリング、または他の手順によってオーミック接点開口に堆積される。たとえば、手順は、1つ以上の金属(たとえば、チタンおよびアルミニウム)が蒸着され得る前に接点領域において半導体基板の表面を被覆するためにシリコンを蒸着することを含んでもよく、それによって、界面にケイ化物が形成される。金属層が堆積されると、フォトレジストおよび金属をオーミック接点領域の外部から除去するためにリフトオフが実施される。その後オーミック接点を形成することは、アニーリング手順を実施することを含んでもよい。一実施形態において、オーミック金属層は825℃未満においてアニーリングされる。別の実施形態において、オーミック金属層は800℃未満においてアニーリングされる。また他の実施形態において、オーミック金属層は750℃未満においてアニーリングされる。アニーリング時間は、オーミック接点抵抗を低減するように最適化され、約30〜約90秒継続してもよいが、より短いまたはより長い時間が使用されてもよい。
【0074】
オーミック接点の構成、材料、および他の特性は、アニーリング温度がエッチストップ誘電体層の結晶化温度を下回ったままになることを可能にするように選択されてもよい。800℃を下回るアニーリング温度においてアニーリング手順を実施することによって、そうした結晶化、および、従って漏れ経路の形成を回避することができる。いくつかの場合において、エッチストップ誘電体材料の品質は、約800℃において劣化し始める場合がある。従って、アニーリング温度は、約700℃〜約800℃、すなわち、低温オーミック接点構成が利用可能なままである範囲に設定されてもよい。いくつかの実施形態において、アニーリング温度は、上述のLPCVD手順の温度に適合するために約750℃である。たとえば、オーミック接点の形成は、オーミック接点材料の蒸着の前に半導体基板に陥凹部を形成することを含んでもよい。陥凹部にシリコンを蒸着すること、または、チタンの代わりに第1の金属層としてタンタルを蒸着することを含め、代替的なまたは追加の材料が使用されてもよい。
【0075】
操作706は、デバイスのショットキーゲートまたは他のショットキー接合部を形成することを目的としたいくつかの操作またはプロセスステップのうちの最初のものである。この例において、フォトレジスト層をパターニングしてSi
3N
4安定化層をドライエッチングすることによって、ショットキーゲート領域が形成される。RIE手順がゲートのステム部分を形成してもよい。上記のプラズマエッチャントのうちのいずれか1つが使用されてもよく、それによって、ここでもAl
2O
3層によってエッチングが停止される。その後、上記で参照したウェットエッチャントのうちの1つを使用して、操作708においてウェットエッチング手順によってショットキーゲート領域においてエッチストップ誘電体層が除去されてもよい。その後、操作710においてショットキーゲート領域にショットキーゲート接点が形成される。1つ以上のゲート金属層は、蒸着、スパッタリング、または他の技法によって堆積されてもよい。一実施形態において、ゲート金属は、ニッケル(Ni)および金(Au)を含み、任意選択でパラジウム(Pd)層がNi−Au構造上に堆積される。他の適切なショットキー金属が使用されてもよい。他の良好な導電性金属がAu層の代替としてまたはそれに加えて使用されてもよい。ゲート金属層(複数の場合もあり)は、図示のようにオーミック接点構造上にも堆積されてもよい。その後、フォトレジスト層を除去するために金属リフトオフ手順が実施される。
【0076】
ショットキー接点金属材料(複数の場合もあり)が堆積された後、SiN、別の層間誘電体(ILD)層またはその両方が、操作712において堆積される。ILD層は、スパッタリング、または、たとえば、低水素膜を堆積するための他の手順によって堆積されてもよい。
【0077】
操作714において、MISHFETゲートのための開口を形成するためにILD層および第1の誘電体層の両方がドライエッチングされる。ドライエッチングは、フッ素ベースのRIE化学種を使用してもよい。上述のように、MISHFETゲート接点開口を形成するためにドライエッチングはエッチストップ誘電体層上で停止する。デバイスの1つ以上の他の金属構造を形成するために、開口を形成するのに使用されるマスクも使用されてもよい。この例において、HFET構造の電界板のための接点開口も形成される。代替的にまたは付加的に、デバイスの1つ以上のキャッチパッドを形成するためにマスクが使用されてもよく、ウェハ貫通ソースビアがウェハを貫通してエッチングされて、高屈折金属エッチストップ層上で止まる。そうしたキャッチパッドに関するさらなる詳細は、米国特許出願公開第2012/0175777号明細書に記載されている。この電界板マスクを使用することによって、プロセスフローに別のマスクステップを追加することなく、開示されている実施形態の統合が提供され得る。
【0078】
ゲート開口が形成された後、洗浄手順が実施されてもよい。洗浄手順は、ゲート金属堆積の前にデバイス表面を洗浄するように構成されてもよい。たとえば、Al
2O
3または他のエッチストップ誘電体層を最小限にエッチングするために希釈HClが室温において使用されてもよい。他の洗浄化合物が使用されてもよい。
【0079】
操作716において、HFETデバイスおよびMISHFETゲートの電界板を形成するために電界板金属層が堆積される。上述のように、エッチストップ誘電体層は、MISゲートを形成するために金属層と半導体基板との間に堆積されたままである。電界板を形成するために、金属層は、MISゲートが形成される開口から離間された領域に堆積される。
【0080】
電界板金属(または他の金属)層は、複数の層スタックを含んでもよい。一例において、スタックは、最初のチタン層から続いてニッケルおよびチタンが交互になった層の合計で6層を含む。他の金属が使用されてもよい。たとえば、チタン以外の良好な接着を呈する金属が最初の層として使用されてもよい。良好な導電性を呈する1つ以上の他の金属が他の層に使用されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、エッチストップ誘電体層は、MISHFETデバイスの閾値電圧を調整するためにフッ素または他のドーパントをドープされる。たとえば、操作714におけるドライエッチング手順の間または後にドーパントが注入されてもよい。
【0082】
複数の表面安定化層を選択的にエッチングすることによってショットキー接合部を有する他の構造と統合されたMISHFET構造を有する半導体デバイスであって、ドライエッチング可能な誘電体層と、ドライエッチストップとして機能する第1の誘電体層の下のウェットエッチング可能な誘電体層とを含む、半導体デバイスが上記で説明された。ショットキーゲートまたは他のショットキー接合部構造が、エッチストップ誘電体層をウェットエッチングすることによって、MISゲートと同じICチップ上に作成されてもよい。ショットキーおよびMISデバイスの両方を統合することによって、たとえば、RFおよび高電圧スイッチGaNトランジスタ用途に使用するための回路機能性の改善が提供され得る。MISHFET構造およびMISデバイスは、他のデバイス構造(たとえば、HFET構造等のショットキーベースの構造)のための金属構造を形成するのにすでに使用されている電界板または他の金属層を使用することによって、マスキングステップを追加することなく作成されてもよい。
【0083】
第1の態様において、半導体デバイスは、動作中にチャネルの形成をサポートするように構成されているヘテロ構造を含む半導体基板と、半導体基板によって支持されている第1の誘電体層および第2の誘電体層であって、第2の誘電体層は第1の誘電体層と半導体基板との間に配置されている、第1の誘電体層および第2の誘電体層と、半導体基板によって支持されているゲートであって、第1の誘電体層の第1の開口に配置されており、チャネルを通じて流れる電流を制御するために、動作中、該ゲートに対してバイアス電圧が印加され、第2の誘電体層は当該ゲートと半導体基板との間に配置される、ゲートと、半導体基板によって支持されている電極であって、第1の誘電体層および第2の誘電体層の第2の開口に配置されており、半導体基板とのショットキー接合部を確立するように構成されている、電極とを含む。
【0084】
第2の態様において、電子装置は、動作中にチャネルの形成をサポートするように構成されているヘテロ構造を含む半導体基板と、半導体基板によって支持されている第1の誘電体層および第2の誘電体層であって、第2の誘電体層は第1の誘電体層と半導体基板との間に配置されている、第1の誘電体層および第2の誘電体層と、半導体基板によって支持されているゲートであって、第1の誘電体層の第1の開口に位置づけられており、チャネルを通じて流れる電流を制御するために、動作中、該ゲートに対してバイアス電圧が印加される金属−絶縁体−半導体ヘテロ接合電界効果トランジスタ(MISHFET)構成に配置されており、第2の誘電体層は当該ゲートと半導体基板との間に配置される、ゲートと、半導体基板によって支持されている電極であって、第1の誘電体層および第2の誘電体層の第2の開口に配置されており、半導体基板とのショットキー接合部を確立するように構成されている、電極とを含む。
【0085】
第3の態様において、半導体デバイスを作製する方法は、ヘテロ構造を備える半導体基板の表面上にエッチストップ誘電体層を堆積するステップと、エッチストップ誘電体層上に安定化層を堆積するステップと、安定化層をドライエッチングすることによって第1の開口を形成するステップと、ウェットエッチングによって第1の開口のエッチストップ誘電体層を除去するステップと、第1のゲート開口に第1の金属層を堆積するステップであって、第1の金属層は半導体基板のヘテロ構造とのショットキー接合部を確立するように構成されている、堆積するステップと、安定化層をドライエッチングすることによって第2の開口を形成するステップと、第2の開口に第2の金属層を堆積するステップであって、エッチストップ誘電体層は、金属−絶縁体−半導体ヘテロ接合電界効果トランジスタ(MISHFET)ゲートを形成するために第2の金属層と半導体基板との間に配置されている、堆積するステップとを含む。
【0086】
本発明は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義され、この節におけるいかなるものもこれらの特許請求項に対する限定としてとられるべきではない。本発明のさらなる態様および利点は、好ましい実施形態とともに上述しており、独立してまたは組み合わせて後に特許請求され得る。
【0087】
本発明をさまざまな実施形態を参照して上述したが、本発明の範囲から逸脱することなく多くの変更および修正を行うことができることは理解されたい。それゆえ、上記の詳細な説明は限定ではなく例示とみなされること、ならびに、すべての均等物を含む以下の特許請求の範囲が、本発明の精神および範囲を形成するように意図されていることが理解されることが意図されている。