(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザ識別情報と関連付けてユーザが検索したブラウザの検索履歴情報であるブラウザ検索履歴ユーザ関連情報を外部情報として取得するブラウザ検索履歴ユーザ関連情報取得部をさらに有する請求項1に記載の対話式健康促進システム。
ユーザ識別情報と関連付けてニュース情報を外部情報として取得するニュースユーザ関連情報取得部をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の対話式健康促進システム。
ユーザ識別情報と関連付けてユーザの端末に記録されているライフログであるライフログユーザ関連情報を外部情報として取得するライフログユーザ関連情報取得部をさらに有する請求項1から請求項3のいずれか一に記載の対話式健康促進システム。
有効性判断結果に基づいてユーザ別対話情報選択ルール保持部に保持されているユーザ別対話情報選択ルールを更新するユーザ別対話情報選択ルール更新部をさらに有する請求項6に記載の対話式健康促進システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。実施形態1は請求項1に、実施形態2は請求項2に、実施形態3は請求項3に、実施形態4は請求項4に、実施形態5は請求項5に、実施形態6は請求項6に、実施形態7は請求項7に、実施形態8は請求項8に、実施形態9は請求項9に、それぞれ対応する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0018】
<実施形態1>
<実施形態1 発明の概要>
本実施形態における対話式健康促進システムは、SNSでのユーザの発言情報や閲覧情報などを外部情報として取得して、その情報を分析することでユーザの健康状態(肉体的健康及び精神的健康)を取得し、ユーザの現在の健康状態にあったアドバイスを行う。
図1は、対話式健康促進システムと各種のSNSサービスとユーザの関係を示すイメージ概念図である。SNSを利用しているA(0102a)、B(0102b)、C(0102c)、D(0102d)、E(0102e)は、SNS1(0103)、SNS2(0104)、SNS3(0105)といったSNSシステムを利用して、交流している。このとき、例えばAが対話式健康促進システム(0101)を利用する場合、AはAが日常的に利用しているSNS1を介して対話式健康促進システムと対話を行う。例えば、Bが対話式健康促進システムを利用する場合、BはBが普段利用しているSNS2又はSNS3を選択して対話式健康促進システムとの対話を行う。
図2は、対話式健康促進システムがあるユーザに対して健康促進アドバイスを行う際のイメージ概念図である。対話式健康促進システムは(0201)、対話式健康促進システムに登録したユーザ(0202)が、日常的にSNS等を利用して発信している会話情報(「おはよう」「今日はまだ眠いよ」「最近外食が続いてるなぁ」「今日の予定は、外回りΣ( ̄ロ ̄lll)」「今日は、結構涼しい!」「最近少し体が重いんだけど。。。太ったかも(;´Д`)」等)や閲覧している第三者の発信に関する情報(赤ちゃんパンダに関連するSNSの発言に「いいね」の応答をしている、美術館の展示スケジュールに関するSNSの発信を受信するように設定している、等)などの、ユーザ固有のSNS関連情報(0203)を自動的に取得(0204)する。取得したSNS関連情報を肉体的健康及び精神的健康の両方の面から分析(0205)することで、ユーザの現在の健康状況(0206)を取得する。対話式健康促進システムは、取得したユーザの現在の健康状況から、背景目的を決定して目的達成のための適切な対話情報を判断する。例えば、ユーザに有酸素運動をさせることを背景目的として決定した場合には、目的達成のための適切な対話情報として、「おはようございます。少し疲れが溜まっています。気分転換に公園を散歩しましょう。今日のお勧めは、上野公園です。」のように、システマティックな表現ではなく、「~~~ヾ(^∇^)おはよー♪ 今日は疲れがたまってる?気分転換に公園でも早歩きしにいかない!?今日のおすすめは上野公園!!美術館とか超可愛い赤ちゃんパンダが見れるよ(^_-)-☆」といったように、SNSを利用してユーザに適した口調で健康促進アドバイス(0207)を、ユーザの所有する対話式健康促進システムとの対話を受信する携帯端末(0208)、に出力する。
【0019】
対話式健康促進システムは、第一の特徴として、ユーザのSNSでの発言等の外部情報を用いている。次に、第二の特徴として、取得した外部情報をデータとして分析して、単なる数値的な肉体的健康状況情報を取得するのではなく、情報からユーザの「気持ち」を分析して、肉体的な健康状況情報に加えて精神的な健康状況情報も取得し、肉体的健康と精神的健康の両方を考慮した「現在の健康状態」を分析取得している。さらに、第三の特徴として、分析取得した「現在の健康状態」から最適なアドバイスの内容を選択して、ユーザが普段から使用している口調に併せて最適な口調を用いて選択したアドバイス内容を出力する。
【0020】
<実施形態1 発明の構成>
図3は、本実施形態1の対話式健康促進システムの構成の一例を示す図である。
図3に示すように、実施形態1の対話式健康促進システムは、ユーザ識別情報保持部(0301)、SNSユーザ関連情報取得部(0302)、分析ルール保持部(0303)、健康状況情報分析取得部(0304)、対話情報蓄積部(0305)、ユーザ別対話情報選択ルール保持部(0306)、対話情報選択部(0307)、対話情報出力部(0308)と、からなる。
【0021】
<実施形態1 構成の説明>
<実施形態1 ユーザ識別情報保持部>
「ユーザ識別情報保持部」は、SNSを利用するユーザを識別するユーザ識別情報を保持している。ユーザ識別情報保持部によって保持されるユーザ識別情報とは、本件対話式健康促進システムを利用しているユーザの本件対話式健康促進システムにおけるユーザ識別情報である。ユーザ識別情報としては、例えば、電話番号、メールアドレス、ユーザが特別に設定するID、指紋認証用情報、声紋認証用情報、虹彩認証用情報、静脈認証用情報、ユーザがSNSを利用している通信可能な携帯端末等の個別識別暗号や、ユーザがSNSを利用している通信可能な携帯端末のマックアドレス等が考えられる。ユーザ識別情報と関連付けて保存されている情報は、利用者であるユーザが利用時に利用者情報として登録する情報(例えば、電話番号、メールアドレス、ユーザが特別に設定するID、氏名、生年月日、住所、職業、年齢、性別、身長、体重、平均体温、平常時脈拍数、平常時呼吸数、平常時心拍数、平均運動量(時間、質、態様等)、通勤時間、通勤距離、通勤方法、アルコール摂取の有無、ジム通いの有無、家族構成等)と、ユーザが利用しているSNSサービスを特定するための情報と、ユーザがSNSサービスで利用しているID等である。
【0022】
<実施形態1 SNSユーザ関連情報取得部>
「SNSユーザ関連情報取得部」は、ユーザ識別情報と関連付けてユーザが利用するSNSのユーザの発言を含むユーザ関連情報であるSNSユーザ関連情報を外部情報として取得する。ここで「SNSユーザ関連情報」は「外部情報」の一つであり、これ以外にも後述する多様な情報が外部情報に含まれうる。SNSユーザ関連情報は、例えば、SNSでのユーザの発言情報、SNSでの他者の発言に対するユーザの反応情報、SNSで発言をチェックすることに設定している他者に関する情報、SNSでユーザが友達など特別な関係に指定している他者に関する情報、SNSでユーザが閲覧している他者の発言に関する情報、SNSで友達関係になっている他者のユーザに対する発言、SNSを介してその時の居場所を発信するいわゆるチェックイン情報、SNSにユーザがアップする写真、動画などの情報、SNSに保存される録音情報(音声メモ)、SNSを介して行われる通話内容情報、SNS内でのユーザの購買関連情報、SNSから取得される位置情報、SNS内で利用するゲーム関連情報(ゲームの利用頻度、ゲームの勝敗情報、ゲームの進捗情報、ゲーム関連友人情報など)、SNSでユーザが活動している時間帯、SNSでユーザが活動している時のユーザの行動(例えば、自宅にいるときが多い、会社にいる時間帯が多い、食事の時が多い、旅行中が多い、誰かと一緒にいる時が多い等)、SNSでユーザが選択していない情報、SNSでユーザが無視している情報等が考えられる。SNSユーザ関連情報には、文字としてネットワークを介して表示する情報だけでなく、音声、画像、動画等として入力及び出力されるデータも含む。
ここで「SNS」とは、広義には、社会的ネットワーク(人と人のつながり)の構築の出来るサービスやウェブサイトを言う。従って、コメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているブログや、電子掲示板を含む。
一方、狭義には、ソーシャル・ネットワーキング・サービスとは人と人とのつながりを促進・サポートする、「コミュニティ型の登録制のサービス」であり、個人間のコミュニケーションを促進し、あるいは効率化するために用いられる。密接な人の繋がりを重視して、既存の参加者からの招待がないと参加できないシステムになっている場合もある。SNSの一例としては、「Facebook(登録商標)」、「LINE(登録商標)」、「Twitter(登録商標)」、「Youtube(登録商標)」、「Instagram(登録商標)」などを挙げることができる。
【0023】
<実施形態1 分析ルール保持部>
「分析ルール保持部」は、ユーザ識別情報と関連付けて外部情報を健康状況の把握の観点で分析して健康状況情報を取得するためのルールである分析ルールを保持している。分析ルールは、ユーザ識別情報と関連付けられているので、ユーザの特徴に合わせた分析ルールとなる。例えば、Aは暑いときに体のだるさを主張する発言が多く、涼しいときに活発に活動していることを示す発言が多い場合には、「涼しい」というAの発言からは、快適、活発、といった状態にあることが推測されるので、「涼しい=健康である」というルールがAの特徴に合わせた分析ルールとなる。一方で、Bは暑いときに活発に活動していることを示す発言が多いが、涼しいときには早寝をしたり、活動を控えたり、ネガティブな発言が増える傾向にある場合には、「涼しい」というBの発言からは、体調不良、疲労、気持ちが沈んでいる、といった状態にあることが推測されるので、「涼しい=体調不良である」というルールがBの特徴に合わせたルールになる。あるいは、Cは暑くても涼しくても体の快調を主張する発言を均一にして、外出等の活動も活発に行っているが、特に涼しいときに外出に関する発言が増えたり、遠くに出かけていることを示す発言が増える場合には、
「涼しい」というCの発言からは、どこか遠くに出かけたい、より活発に活動したい、という状態にあることが推測されるので、「涼しい=非常に健康である」「涼しい=活発に活動したい程元気である」というルールがCの特徴に合わせたルールとなる。
なお、ユーザのSNSの情報に対して対話式健康促進システムがアクセス可能なように、ユーザが事前にアクセス許可設定をしておくことが前提となる。
【0024】
Cの例に示すように、分析ルールは、単に「健康である」「体調不良である」「風邪である」という状態のみを健康状況情報として取得するためのルールである必要はなく、「非常に健康である」「比較的健康である」「体調が非常に悪い」「少し体調を崩している」「熱が出る風である」「喉の痛みのひどい風である」等のように、程度や症状を示す情報を含む健康状況情報を取得できるようなルールであってもよい。
精神的健康状況情報は、会話等から取得できる気分などによって取得できるが、その気分の例としては、嬉しい、楽しい、幸せ、気持ちいい、スッキリ、満足、爽快、感動、感心、和む、癒される、落ち着く、ワクワク、興奮する、高ぶる、懐かしい、好き、愛してる、恋している、憧れる、尊敬、などのポジティブな気分を表す表現から精神的健康が良い状況にある、あるいは、良い特有の状況にある、と判断できる。
逆に、かわいそう、寂しい、悲しい、孤独、困る、戸惑う、辛い、萎える、心が痛む、憂鬱、だれる、苦しい、切ない、泣ける、呆れる、不愉快、イライラ、心配、心細い、不安、怖い、不気味、躊躇、苦笑、息苦しい、悩ましい、萎縮、焦る、情けない、恥ずかしい、屈辱、飽きた、惨め、ヘコむ、がっかり、落胆、絶望、失望、後悔、悔しい、負い目、罪悪感、恨む、惜しむ、嫌い、見下す、憎む、嫉妬、欲しい、したい、ドキドキ、気遣う、ぼんやり、モヤモヤ、哀れ、同情、などのネガティブな気分を表す表現から精神的健康が悪い状況にある、又は、悪い特有の状況にある、と判断できる。
また、精神的状況は良い、悪いのみでなく、安心、不安、感謝、驚愕、興奮、好奇心、性的好奇心、冷静、焦燥 (焦り)、不思議 (困惑)、幸運、リラックス、緊張、名誉、責任、尊敬、親近感 (親しみ)、憧憬 (憧れ)、欲望 (意欲)、恐怖、勇気、快感、後悔、満足、不満、無念、嫌悪、恥、軽蔑、嫉妬、罪悪感、殺意、期待、優越感、劣等感、怨み、苦しみ、悲しみ、切なさ、感動、怒り、諦め、絶望、憎悪、空虚などの精神的状況を健康状況情報として把握するように分析ルールを構成してもよい。単に健康状況が良い、でなく、健康状況が良く、安心している状況、健康状況が良く、感謝している状況など個別の健康状況を把握できれば、生活改善により適した対話情報を選択することが可能となる。例えば、安心している状況では、「やっぱりうまくいったね〜。次回もこれでいこ〜。」などと励ましたり、感謝している状況では、「それは自分が頑張ったからだよ。すごいね。」などとほめるようなことが考えられる。その状況にあった対話情報を選択できれば出来るほど、ユーザの心に響くからである。
また、SNSの写真や映像を分析して、肩をすぼめる、ぽかんとしている、せっかちな様子、渋い顔でいる、あきれている、しりごみしている、ひっかかっている、むっつりしている、ふくれっ面をしている、顔をしかめている、もじもじしている、断固としている、戸惑っている、ひるんでいる、おそるおそるしている、苦々しくしている、じーんとしている、一心不乱にしている、いてもたってもいられないようにしている、動揺している、なげいている、おどけている、うんざりしている、気もそぞろにしている、切ないようにしている、おろおろしている、あぜんとしている、ろうばいしている、ほがらかにしている、おどおどしている、うしろめたそうにしている、開き直っている、わずらわしそうにしている、いぶかしそうにしている、うろたえている、ひがんでいる、ちゅうちょしている、圧倒されている、おおらかにしている、照れている、うらめしそうにしている、あざけている、いきどおっている、しおらしくしている、心もとなさそうにしている、やましそうにしている、あざ笑っている、哀れんでいる、リラックスしている、控え目にしている、いたいけにしている、やり場のない様子にしている、まんざらでもない様子にしている、有頂天になっている、しみじみとしている、気さくにしている、歓喜している、力を抜いて楽にしている、喜んでいる、孤独そうにしている、失望している、妥協している、冷酷にしている、臆病にしている、称賛している、軽蔑している、柔和にしている、大胆にしている、繊細にしている、同調している、平静にしている、憤慨している、ひたむきにしている、という感情を取得し、これからさらに精神的健康状況情報を取得するようにルールを定めてもよい。また、これらは、一般に多くの人に共通の動作であることも多いので、ユーザ識別情報に関連付けられている分析ルールであったとしても、本システムを利用している他の大多数のユーザの情報を活用して分析するように構成してもよい。これは人工知能などを用いるとより精度が向上する。
会話などの外部情報を健康状況情報に昇華させるには、その会話が直接的に健康状況情報に直結しない場合、会話の中で出てきた言葉、話題の対象、あるいはこれらから何を想像するかをSNSを通じて述べてもらい、その言語表現を分析することによって利用者の思考過程やその精神的状況、身体的状況を推定することができる。
なお、推定の基準点としてライフログに含まれている直接的に健康状況情報として把握できる情報や、外部情報として得られる健康診断結果などを利用する。この基準点の時間的周辺において得られる同一人物の会話の中で出てきた言葉(今朝はよく眠れた等)、話題の対象(年末大売出し等)、あるいはこれらから何を想像するか、を健康状況情報を推計するための情報として利用する。あるいは本システム側から対象となる言葉や話題を提供してこれから何を連想するか、どう思うかの問いかけを積極的に行うように構成してもよい。
これに近い技術としてはロールシャッハテストがある。ロールシャッハテストは視覚を介して見たものから何を想像するかを分析に利用するものであるが、本システムでは、視覚を通じて見た(感じた)もののみならず、会話のなかで抽象的に理解できる対象すべてを含む。例えば、「公園のベンチ」、「横断歩道」などの言葉であってよい。基本的にはこの手法をAI等を利用して用い、多数の利用者の会話と推定される健康状況情報との相関推計精度を学習しながら高めてゆくものである。
また、SNSの会話の中に話題の対象とそれに対する想像の両者が含まれている場合には本システム側から何を想像するかの問いかけなしに思考過程や精神的状況、身体的状況を推定することができる。これは、また心理学者であるフロイトやユングの用いた自由連想法に近い手法でもある。フロイトの時代には心理学者等の経験値によってこの手法の効果が左右されたが本システムでは統計処理と人工知能等を利用することで精度を向上させることができた。
【0025】
分析ルールは、肉体的な健康状況情報だけでなく、肉体的な健康状況情報と精神的な健康状況情報の両方を合わせた健康状況情報を取得するルールであることが好ましい。肉体的な健康状況情報とは、肉体的に疲労、眠気、吐き気、だるさ、発熱、頭痛、腹痛、喉の痛み、腰痛、筋肉痛、二日酔い、眩暈、高血圧、脈拍が高い、呼吸が浅い、血糖値が高い、肥満、治療中の病気がある、等の病的な症状を訴える対話と映像等の有無から判断される健康状況情報である。肉体的な健康状況情報によれば、病的な症状訴える対話と映像等がなければ健康であり、病的な症状訴える対話と映像等があれば不健康であると判断される。
また、「健康状況情報」とは、運動量、呼吸量、歩行量、摂取カロリー量、摂取食品成分、摂取食品成分量、飲酒量、摂水量、体重、身長、体温、血圧、BMI値、腹囲、内臓脂肪、体脂肪率、視力、眼圧、肺機能、尿検査値、便検査値、血液生化学検査値、などであってもよい。
総じていえば「肉体的健康状況情報」とは、WHOの定義に従い、健康状態を「完全な肉体的(physical)、精神的(mental)、Spiritual及び社会的(social)福祉のDynamicな状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と定義し、肉体的健康とは、そのうち、「完全な肉体的(physical)、Dynamic(正常な活動可能)な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と定義され、したがって肉体的健康状況とは、完全な肉体的(physical)、Dynamic(正常な活動可能)な状態、単に疾病又は病弱の存在しないことではない状態に関する状況を示すものを指す。従って健康である場合、健康でない場合、いずれの場合であっても、その状況を示す情報である。
精神的な健康状況情報とは、精神的に気分がいい、気持ちが高揚している、やる気に満ちている、何かに挑戦したい気持ちである、楽しい、嬉しい、幸せ、等のプラスの精神状態と、落ち込んでいる、悩みがある、悲しい、憤怒、嫌悪感、焦燥感、飢餓感、等のマイナスの精神状態の二つの精神状態のいずれの精神状態にあるかによって判断される健康状況情報である。精神的な健康状況情報によればプラスの精神状態であれば、健康であり、マイナスの精神状態であれば不健康であると判断される。
総じていえば精神的な健康状況情報とは精神的な健康である「完全な精神的(mental)、Spiritual及び社会的(social)福祉のDynamic(正常に活動可能)な状態であり、単に精神的な疾病又は精神的な病弱の存在しないことではない。」から導かれ、完全な精神的(mental)、Spiritual及び社会的(social)福祉のDynamic(正常に活動可能)な状態であるか、精神的な疾病又は精神的な病弱が存在しないか、の状態に関する状況を示す。
以上から健康状況情報には、「痛みについての状況の情報」、「ストレスについての状況の情報」、「習慣化についての状況の情報」、「労働生産性についての状況の情報」、「いわゆる人口知能、会話型コンピュータ、人工知能スピーカーなどのロボット類似のものとの精神的距離間についての状況の情報」などを含みうる。
肉体的な健康状況情報と精神的な健康状況情報の両方を合わせて健康状況情報を取得するとは、例えば、一般的には肉体的に病的な症状がなく健康であっても精神的にマイナスの精神状態であれば、その日は活動的に過ごすことができず、本人の体感健康としては体調不良であるように感じていることが多いので、健康状況情報としては不健康であることを示す情報が取得されることになる。あるいは、肉体的に病的な症状が認められるが精神的にはプラスの精神状態にある場合には、肉体的な病状に気付かせて療養させることが重要であるから、不健康と判断される。
【0026】
肉体的不健康と精神的不健康は、密接に関連しており、肉体的不健康が精神的不健康を引き起こしていることが多い。その場合には、肉体的不健康が取り除かれれば、精神的不健康が改善されることが多い。しかし、精神的不健康が原因となって肉体的不健康を引き起こしていることもままあり、その場合には、肉体的不健康を取り除いても精神的不健康は改善されない。したがって、精神的不健康に着目して、精神面からも健康を促進するようにアドバイスを行うことは極めて有効である。精神的症状(鬱、躁鬱、イラ立ち等)に対しては、従来からカウンセリング療法が確立されていたが、本件対話式健康促進システムでは、カウンセリングだけにとどまらず、運動や食事といった多方向から精神的な健康促進を図る点に特徴がある。精神面から健康を促進するアドバイスを行うためには、ユーザの精神状況を分析することが必要である。そこで、様々なデータを肉体的な健康状況だけではなく精神的健康状況も同価値の健康状況情報として分析する必要がある。また、本システムの目的は健康状態を良好となるように改善すること、健康状態を良好な状態で維持することであり、外科的な手法によって治療をするような策をとるものでなく、生活の日常を改善することでその目標を達成しよとするものである。従って一長一短に目標が達成できることを狙ったものでなく、生活習慣の改善、維持が本システムによって目標を達成するために利用者に求めるものである。かかる観点から、分析ルールは、中長期的な観点から健康状況が改善されてきているのか、又は良好な健康状態が維持されているのか、の観点からの分析を行うルールも含まれていることが好ましい。従って、日々の健康状態のばらつきの分析も必要であるが、中期的にみてばらつきながらも健康状態が改善してきているのか、又は、足踏みしているのか、又は、悪化してきているのかを判断するルールが必要である。このためには、当日、前日といった短期的な外部情報に基づく分析のみならず、1週間前と当日、前日、1か月前と当日、前日、ないしは、1か月前からの毎日の変化などを統計的に処理して中期的な状況変化を分析するようなルールであることが好ましい。
【0027】
<実施形態1 健康状況情報分析取得部>
「健康状況情報分析取得部」は、ユーザ識別情報に関連付けられている取得した外部情報と同じユーザ識別情報に関連付けられている分析ルールとに基づいて健康状況情報を取得する。SNSユーザ関連情報でのユーザの数々の発言の中には、分析ルールによって健康と判断される発言から、不健康と判断される発言まで、複数の発言が混ざっているのが普通である。健康状況情報分析取得部では、分析ルールによって取得される複数の健康及び不健康の健康状況情報を、総合的に分析することによって、ユーザの健康状況情報を取得する。
例えば分析ルールによって取得される健康状況情報と不健康状況情報の数を比較して、多い方の健康状況を採用する方法が考えられる。あるいは、健康状況の程度ごとにポイントを定めて置き、そのポイントをもとに判断する方法が考えられる。ポイントを単に合計するだけでは、発言数が多い人と少ない人で、健康状況情報分析の精度が異なってくるので、ポイントのアベレージをもとに健康状況の判断をすることが好ましい。
健康状況の分析に用いられる外部情報であるユーザのSNSでの発言等と、健康状況の分析に用いる分析ルールは、同じユーザ識別情報に関連付けられているものであるから、健康状況情報分析はユーザの個性に即した分析となる。したがって、同じような会話ログであったとしても、ユーザが異なれば、健康状況情報分析取得される健康状況情報は異なってよい。ユーザのSNSでの会話等外部情報が蓄積されることで、分析の精度は増すものであり、また、年代と共にユーザの感じ方が変わることが考えられるので、同じユーザの類似する外部情報をもとに健康状況情報分析取得した場合でも、異なる結果が取得されることはあり得る。
【0028】
<実施形態1 対話情報蓄積部>
「対話情報蓄積部」は、ユーザ識別情報に関連づけて取得した健康状況情報に応じて発信すべき対話情報を蓄積する。対話情報は、ユーザ識別情報とは関連せず、また、本件対話式健康促進システムを利用している者の発言に限定されることなく、ありとあらゆる情報源から取得することを想定している。すなわち、対話情報蓄積部は、本件対話式健康促進システムで、ユーザに対して健康促進のアドバイスをする際のベースとなる会話の例文を保持している、いわゆる辞書のようなものである。したがって、SNSや、情報提供サイト、企業広告のサイト、掲示板サイト、等本件対話式健康促進システムが閲覧可能なすべての情報源から収集した情報を蓄積することが好ましい。さらに、健康促進アドバイスは、専門的な医学用語であったり、特定の食品名や、特定の店舗名、造語を用いて行うことが考えられる。専門用語や特定の店舗名等や造語は、ネット上から確実に取得できるとは限らないため、蓄積部に人が直接入力することによって、特殊な言語群の入力が行えるように構成しておくことが好ましい。
【0029】
本件対話式健康促進システムは、ユーザ一人一人の個性を反映させて、ユーザにとって自然な会話となるように対話情報を選択して出力することによって、ユーザに対してあたかも自分を心配してくれている生身の人間と接しているかのような感情を抱かせることに特徴がある。そのため、ユーザの普段の会話に合わせて、丁寧な言葉遣いにするのか、口語調のラフな言葉遣いにするのか、大阪弁や博多弁などの方言にするのか、文書中に英語を取り混ぜた言葉遣いにするのか、といった会話内容の選択だけでなく会話の形式を選択できるように対話情報が蓄積されていることが好ましい。
対話情報蓄積部は、対話の形成の違いごとに同じ意味合いの対話であっても違うものとして対話情報を蓄積してもよい。すなわち、感謝の気持ちを表現する対話情報として、「ありがとうございます。」「ありがとう」「ありがとー」「おおきに」「サンキュ」「サンキュー」「Thank you」等の表現をすべて異なる対話情報として蓄積しておく。
あるいは、対話情報蓄積部は、意味合いごとに一番基本的となる対話情報のみを蓄積して、後述する対話情報出力部によって、対話情報蓄積部から選択した基本となる対話情報をユーザの個性にあった対話形式に変換する方法が考えらえる。この場合、基本となる対話情報をユーザごとの特性に即した対話形式に変換するルールは、ユーザ別対話情報選択ルールに含まれている。この場合の対話情報蓄積部には、「ありがとうございます。」「ありがとう」「ありがとー」「おおきに」「サンキュ」「サンキュー」「Thank you」等はすべて感謝を表す表現であるから、基本となる対話情報として「ありがとうございます」のみが保存されることになる。
【0030】
対話情報蓄積部に蓄積された対話情報は、インターフェイスモニタに表示可能なように構成しておいてもよい。蓄積された対話情報が表示されたインターフェイス画面上から、手動で対話情報の追加、変更、削除といった管理行為を行うことが可能なように、対話情報蓄積部管理手段を対話情報蓄積部が有するように構成する、あるいは、対話情報蓄積部管理部が新たな構成として設けられるように構成することが考えられる。
対話情報蓄積部の管理行為は、本件対話式健康促進システムの管理及び提供を行う者が行うことを想定している。
【0031】
<実施形態1 ユーザ別対話情報選択ルール保持部>
「ユーザ別対話情報選択ルール保持部」は、取得した健康状況情報に基づいて蓄積されている対話情報を選択するユーザ識別情報に関連付けられたルールであるユーザ別対話情報選択ルールを保持する。ユーザ別対話情報選択ルールは、ユーザに対してあたかも自分を心配してくれている生身の人間と接しているかのような感情を抱かせるために、ユーザ一人一人の個性を反映させて、ユーザにとって自然な会話となるように対話情報を選択するためのルールである。外部情報である、SNSのユーザ発信情報等(文字による発言、音声による発言、閲覧記録、登録している他のSNSユーザ、等に関する情報)から、ユーザの対話の形式に即した会話の形式を選択し、健康状況情報分析取得された健康状況情報に基づいて会話の内容を選択し、両選択を合わせてユーザの個性を反映した対話情報を選択することのできるルールである。
対話形式には、丁寧語、口語、ギャル語、大阪弁、京都弁、博多弁、名古屋弁、北海道弁、沖縄弁などの各地方の方言、等形式的に事前に登録してある一般的対話情報選択ルールから選択してユーザ別対話情報選択ルールとする方法と、ユーザの会話情報から全てオリジナルに組み立てる方法が考えられる。
ユーザがより身近な、かつ生身の存在であるかのように本件対話式健康促進システムを認識できるのは、ユーザの個性をより強く反映できる、対話形式をオリジナルに組み立てる方式である。しかし、ユーザが本件対話形式健康促進システムを使い始めた段階では、ユーザの個性を分析するための外部情報の蓄積量が少ない。したがって、ユーザの個性に応じたオリジナルの形式を選択するためのルールを獲得するのに十分な情報がない場合には自動的にデフォルトの形式を選択する。例えばユーザに対話形式を選択登録させることでユーザの好みの対話形式で開始するように構成することが考えられる。また、ユーザの属性に応じて適切な対話形式を自動的に選択するように構成しもよい。ユーザの属性とは、年齢、性別、出身地、現住所地、国籍、使用言語、SNSでの会話(対話)形式、SNSでの友人の会話(対話)形式、好みの服装種別、好みの映画種別、好みの書籍種別、好みの有名人種別(タレント、俳優、政治家、著述家、歌手、芸人、歴史上の人物、アナウンサー、キャラクター)などである。
対話情報選択ルールの獲得に十分なユーザの外部情報が蓄積されたら、ユーザの個性に応じた形式を対話情報蓄積部から選択するような固有のユーザ別対話情報選択ルールを構成する。
【0032】
ユーザのSNSの会話情報から対話情報の形式を分析するうえで、単にユーザの発言形式のみにとらわれるのではなく、ユーザが頻繁にやりとりを行っている友人や家族の会話形式を分析して、ユーザ別対話情報選択ルールを組み立てることが考えられる。ユーザが実際に日常的に会話をしている会話相手の話し方を分析して反映させることで、友人や家族と話して言うような安心感を与えることが可能となる。したがって、ユーザに対してより強く、あたかもユーザのことを心配している生身の人間とやり取りをしているかのような気持ちを抱かせることが可能となり、ユーザに、誰かに励まされている、見守られている、応援されている、情けない所を見られたくない、褒めてもらえて嬉しい、上手くできなくて情けない、悲しい、といった、人間が努力を反復継続させるうえで欠かせない感情を持続的に抱くことが可能となる。
また、普段から悩みを相談しアドバイスをしてくれる人物に似ている者からのアドバイスであれば、これに素直に従いやすくなり、ユーザが本件対話式健康促進システムからのアドバイスに従って健康促進行動をとりやすくなることも期待できる。
【0033】
<実施形態1 対話情報選択部>
「対話情報選択部」は、取得した健康状況情報と保持されているユーザ別対話情報選択ルールと、に基づいて対話情報を対話情報蓄積部から選択する。
対話形式の違いごとに対話情報蓄積部に対話情報が蓄積されている場合には、ユーザ別対話情報選択ルールで選択された対話形式と対話内容に合致する対話情報を選択することになる。
対話情報蓄積部に、対話形式の違いごとに対話情報が蓄積されておらず、対話形式にこだわらず対話の内容の意味ごとに対話情報を蓄積している場合には、ユーザ別対情報選択ルールによって指定された対話内容に従って対話情報蓄積部から基本となる対話情報を選択し、選択した対話情報をユーザ別対話情報選択ルールに指定された対話形式に合致する対話形式に変換する。以上の作業が対話情報の選択となる。この選択はコンピュータによって瞬時に行われうるように構成する。具体的には、SNSを介してユーザからの入力を受付けるとそのユーザがSNSの画面を閉じる余裕を与えないでその画面に返信が表示されるていどの速度である。一例としては、平均して1秒以内程度である。
【0034】
<実施形態1 対話情報出力部>
「対話情報出力部」は、選択した対話情報をユーザ識別情報で識別されるユーザに対して前記SNSを介して出力する。前述のように対話情報出力部が対話情報を出力する速度は、必要な場合にはユーザの入力に即座に応答する速度である。ユーザがSNS画面を閉じてしまうと、システム側からの発信が既読にならないで放置されるリスクが高まるからである。なお、常に即座に応答する必要はなく、時間をおいて出力される種の発信があってもよい。例えばアドバイスの結果を聞くような会話の場合である。出力するは、ユーザの携帯端末である。出力するSNSは、本件対話式健康促進システム専用のアプリケーションでもよいし、ユーザが日常的に利用している対話式健康促進システム専用ではない、別のシステムによって管理提供されているSNSサービスであってもよい。出力の形式は、文字、イラスト、音声、画像、動画等、情報をユーザに伝達できる手法であれば形式は限定されない。あたかも生身の人間と話しているように感じさせるためには、専用アプリケーションを用いるよりも、日常的に生身の人間とのやり取りで利用しているSNSサービスを利用するほうが、他の人のやり取りの中に混じって自然に本件対話式健康促進システムからの健康促進アドバイスが表示されることになり、効果的である。効果的とは、本件対話式健康促進システムからの健康促進アドバイスが、日常的に自然に目につくので、システムと対話するという意識を強く抱かせないという点と、意識してアプリを起動させなくても、必然的に本件対話式健康促進アドバイスからの健康促進アドバイスが目につくので、本件対話式健康促進システムとの対話が習慣化しやすく、継続することにつながるという点から効果的であることをいう。本件対話式健康促進システムからの出力は、出力先のSNSサービスから非表示設定にしたり出力があったことを通知しないように設定することができないように構成されていると、上記効果を確実化することができるので、より効果的となる。
さらに、いつも同じ方法による出力形式ではなく、文字、イラスト、音声、画像、動画等、複数の出力方法を組み合わせることが、生身の人間とのやりとりに近似して、より効果的となる。
健康促進アドバイスとして出力される対話情報は、健康療法に基づく運動を促す対話情報であったり、運動の習慣化を促すような対話情報であったり、あるいは、サプリや薬を定期的に摂取するように摂取の時間が来た旨のお知らせや摂取を促すような対話情報であったり、ユーザの健康促進をさらに効率よくするために運動用品、サプリメント、薬などの購入を促すような対話情報等、健康促進につながるすべてのアドバイスがこれに含まれる。
【0035】
対話情報のSNSを介した出力は、SNSに参加しているユーザの友達等の発言としての出力である。従って、できるだけユーザに対してユニークに見える友達等としての会話であることが好ましいことから、多数のネーミングを利用してできるだけユーザ間で同じネーミングが重ならないようにすることが好ましい。あるいはネーミングは最初のユーザ登録時に自由に設定できるようにしてもよい。また、会話選択に利用される要素を決定する属性をユーザ登録時に自由に設定できるようにしてもよい。例えば、システムである友達等の性別、年齢、性格、アバター、服装、生活リズム、趣味、などである。さらにシステムである友達等は必ずしも一人である必要はなく、複数の友達等が一のユーザに対して会話するように設計してもよい。そして、選択される会話には、ユーザとシステムである友達等との間の会話のみならず、システムである友達等間での会話がなされてもよい。この場合にはユーザは友達等の間で交わされる会話から健康維持、促進のための動機付け等を得られるようになされる。また、ユーザ端末の位置情報システムなどと連携して、位置情報に応じてシステムである友達等の発言を切換えるように構成してもよい。例えば、大阪に出かけたときには大阪弁の友達等が現れ、九州に出かけたときには九州弁の友達等が現れるといった具合である。この際には大阪の友達等は、前回大阪に出かけたときから久しぶりに会った、というようなシチュエーション(面会タイミングシチュエーション)を前提として会話を選択するように構成してもよい。例えば、「前会った時からずいぶん太ったねー」などという会話である。また、複数のユーザにわたって共通のシステムである友達等を設定することも効果的である場合がある。例えば「前回一緒に運動した後、田中さんは3キロやせたそうだけど、あなたは〜?」のような比較会話や、「今から田中さんがマラソンするらしいけど一緒にやってみたら〜?」のような勧誘会話が可能となるからである。なお、友達等は必ずしもアバターが人である必要はなく、哺乳類、魚、虫、物、などいろいろ設定してよい。また、アバターは設定に応じて写真、動画、ピクチャーなどをユーザに送信するように設定してもよい。例えば食事の写真、風景写真、理想的な体の写真、運動の仕方を説明する動画、などである。さらに、利用を進める器具、サプリメント、などの情報を送ってきてもよい。さらに、システムである友達等は、アクシデントに見舞われる、人生の階段を上る、と言うような時間経過に応じて出来事を設定したアバタースケジュールを用いて臨場感、温かみ、人間味を出してもよい。例えば、風邪をひいた、学校に入学した、学校を卒業した、恋人ができた、恋人にふられた、結婚した、離婚した、ギックリ腰になった、太った、やせた、手術した、遅刻した、乗り間違えた、寝坊した、飲みすぎた、食べ過ぎた、子供が生まれた、昇進した、転職した、定年になった、孫が生まれた、などである。
【0036】
<実施形態1 ハードウェア構成>
図4は実施形態1のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように本発明は、基本的に汎用コンピュータとプログラム、各種デバイスで構成することが可能である。コンピュータの動作は基本的に不揮発性メモリに記録されているプログラムを主メモリにロードして、主メモリとCPUと各種デバイスとで処理を実行していく形態をとる。デバイスとの通信は、バス線と繋がったインターフェイスを介して行われる。
この図にあるように実施形態1のハードウェア構成も不揮発性メモリに、ユーザ識別情報保持プログラム、SNSユーザ関連情報取得プログラム、分析ルール保持プログラム、健康状況情報分析取得プログラム、対話情報蓄積プログラム、ユーザ別対話情報選択ルール保持プログラム、対話情報選択プログラム、対話情報出力プログラムと、が保持されており、一連のプログラムの実行命令に基づいてこれらのプログラムが実行される。なお、データとしては、ユーザ識別情報、外部情報、SNSユーザ関連情報、分析ルール、健康状況情報、対話情報、ユーザ別対話情報選択ルール、選択した対話情報、図示しない通信など各種の設定情報等が不揮発性メモリに保持され、主メモリにロードされ、一連のプログラム実行に際して参照され、利用される。なおこのコンピュータは不揮発性メモリ、主メモリ、CPU、インターフェイスがバスラインに接続されて相互に通信可能に構成される。
【0037】
<実施形態1 処理の流れ>
図5は、実施形態1の最も基本的な構成の処理の流れを示す図である。この図に示すように、ユーザが利用している一以上のSNSの識別情報を保持するユーザ識別情報保持ステップ(0501)、外部情報であるユーザのSNS関連情報を取得するためのSNSユーザ関連情報取得ステップ(0502)、外部情報からユーザの健康状況を分析するためのルールである分析ルールを保持する分析ルール保持ステップ(0503)、外部情報と分析ルールとからユーザの健康状況情報を取得するための健康状況情報分析取得ステップ(0504)、インターネット上等で用いられている無数の言語や会話に関する情報を蓄積するための対話情報蓄積ステップ(0505)、外部情報から獲得されるユーザの個性を反映して、ユーザの健康状況情報に則した健康促進アドバイスを選択するためのユーザ別対話情報選択ルールを保持するためのユーザ別対話情報選択ルール保持ステップ(0506)、対話情報蓄積部に蓄積された対話情報とユーザ別対話情報選択ルール保持部が保持するユーザ別対話情報選択ルールとから、ユーザの健康状況と個性に適した対話情報を選択するための対話情報選択ステップ(0507)、対話情報選択部によって選択された対話情報をユーザの形態端末等に出力するための対話情報出力ステップ(0508)と、からなる。
【0038】
<実施形態2>
<実施形態2 概要>
本実施形態における対話式健康促進システムは、実施形態1の構成に加えて、外部情報としてユーザのブラウザ検索履歴に関する情報を取得することができる。
【0039】
<実施形態2 発明の構成>
実施形態2の対話式健康促進システムの構成の一例は、
図6に示すように、ユーザ識別情報保持部(0601)、SNSユーザ関連情報取得部(0602)、ブラウザ検索履歴ユーザ関連情報取得部(0603)、分析ルール保持部(0604)、健康状況情報分析取得部(0605)、対話情報蓄積部(0606)、ユーザ別対話情報選択ルール保持部(0607)、対話情報選択部(0608)、対話情報出力部(0609)と、からなる。以下では、実施形態1との共通の説明は省略し、本実施形態に特徴的な構成について説明する。
【0040】
<実施形態2 構成の説明>
<実施形態2 ブラウザ検索履歴ユーザ関連情報取得部>
「ブラウザ検索履歴ユーザ関連情報取得部」は、ユーザ識別情報と関連付けて、ユーザが本件対話式健康促進システムを利用している携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、等の通信端末を用いて、ユーザが行ったブラウザ検索履歴を外部情報として取得する。
「ブラウザ検索履歴ユーザ関連情報」には、ユーザがネットを介して購入した商品の情報や、購入しないまでも閲覧していた商品の情報、検索していたサイト情報、検索していた検索ワード、検索していた場所やイベントに関する情報、といった、ユーザが通信端末を用いて行ったありとあらゆる活動内容が情報として含まれている。
ブラウザ検索履歴ユーザ関連情報を取得し、健康状況情報として分析することで、例えば、ユーザの買い物量が増えている場合には、ストレスが溜まっている傾向にあるという健康状況情報を取得することができる。例えば、ユーザのブラウザ検索履歴によると、季節限定フェアの食べ物の情報を頻繁に検索している場合には、カロリー摂取量が過多になっている傾向があるので、肥満傾向にあるとの健康状況情報を取得することができる。例えば、ユーザが腰痛や肩こり対策といった情報サイトを検索している情報が取得された場合には、ユーザが腰や肩に痛みを感じている状態にある、あるいは、腰や肩に違和感を持っている状態にある、という健康状況情報を取得することができる。ブラウザ検索履歴ユーザ関連情報からは、ユーザがその時気になっていること、悩んでいること、興味を持っていること、その日にやろうと思っていること、といった、まさにその時であったりその周辺時点でのユーザの行動や状態を示す外部情報が取得できる。さらにブラウザ検索の活動は、ユーザ以外の者が関与しない閉鎖された空間として実行される物なので、ユーザ自身も気づかないような心の状態や、人に話すほどではない、あるいは人に話すことができないようなユーザの心の状態や体の状態についての情報を取得することが可能となる。ブラウザ検索履歴ユーザ関連情報を本件対話式健康促進システムが獲得することによって、ユーザの深層心理に働きかける、より効果的な対話情報を出力することが可能となる。
【0041】
レストランの検索サイトを利用した履歴がある場合には、その検索サイトで訪問したレストラン(例えば、「行ってみたい」でなく「行った」のタグが関連付けられているレストラン、ネット上から予約をしたレストラン)の情報を取得して摂取食品成分の予測に利用する。摂取食品成分は、例えばその検索サイト上に掲示されている食品の写真や、メニューを分析して予測に利用する。従ってこの分析には画像分析などの手段を用いる。
旅行の検索サイトを利用した履歴がある場合には、実際の申し込みを検出して、その申し込みを行った旅行の道程を分析し消費カロリーや摂取カロリー、摂取食品成分を分析し健康状況情報の取得に役立てる。例えば旅行の道程に参道の登り降りがある場合には、地図情報を利用してその高低差で消費されるエネルギーを予測する。また旅行に定められた食事メニューがある場合にはそのメニューから摂取カロリーや摂取食品成分を予測する。
また、移動のために公共交通機関(電車、バス、飛行機、徒歩での出発地から目的地への移動計画)の検索サイトを利用する場合には、決定された検索ルートの移動のために消費されるカロリーなどを予測して健康状況情報の取得に役立てる。
さらにネット上で購入した商品情報に基づいて予測することも考えられる。例えばネットスーパーの購買履歴によって、所定期間に消費されるであろう食品の情報から摂取カロリー情報や、摂取食品成分情報を取得できる。またネット上で購入した運動関連具(腹筋を鍛える道具、筋肉をつける道具、ダイエットに利用される道具、その他)の情報に基づいて一日の平均消費エネルギーの予測をすることも考えられる。
その他ブラウザ検索履歴ではないが、キーボードのタイピング量を取得して消費カロリーを予測することも考えられる。
【0042】
<実施形態2 ハードウェア構成>
図7は実施形態2のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように実施形態2のハードウェア構成も不揮発性メモリに、ユーザ識別情報保持プログラム、SNSユーザ関連情報取得プログラム、ユーザのブラウザ検索履歴を外部情報として取得するためのブラウザ検索履歴ユーザ関連情報取得プログラム、分析ルール保持プログラム、健康状況情報分析取得プログラム、対話情報蓄積プログラム、ユーザ別対話情報選択ルール保持プログラム、対話情報選択プログラム、対話情報出力プログラムと、が保持されており、一連のプログラムの実行命令に基づいてこれらのプログラムが実行される。なお、データとしては、ユーザ識別情報、外部情報、SNSユーザ関連情報、ブラウザ検索履歴ユーザ関連情報、分析ルール、健康状況情報、対話情報、ユーザ別対話情報選択ルール、選択した対話情報、図示しない通信など各種の設定情報等が不揮発性メモリに保持され、主メモリにロードされ、一連のプログラム実行に際して参照され、利用される。なおこのコンピュータは不揮発性メモリ、主メモリ、CPU、インターフェイスがバスラインに接続されて相互に通信可能に構成される。
【0043】
<実施形態2 処理の流れ>
図8は、実施形態2の最も基本的な構成の処理の流れを示す図である。この図に示すように、ユーザ識別情報保持ステップ(0801)、SNSユーザ関連情報取得ステップ(0802)、外部情報としてユーザのブラウザ検索履歴を取得するためのブラウザ検索履歴ユーザ関連情報取得ステップ(0803)、分析ルール保持ステップ(0804)、健康状況情報分析取得ステップ(0805)、対話情報蓄積ステップ(0806)、ユーザ別対話情報選択ルール保持ステップ(0807)、対話情報選択ステップ(0808)、対話情報出力ステップ(0809)と、からなる。
【0044】
<実施形態3>
<実施形態3 概要>
本実施形態における発明は、実施形態1又は実施形態2の構成に加えて、ユーザに関連するニュース情報を取得する。
【0045】
<実施形態3 発明の構成>
実施形態3の対話式健康促進システムの構成の一例は、
図9に示すように、ユーザ識別情報保持部(0901)、SNSユーザ関連情報取得部(0902)、ニュースユーザ関連情報取得部(0903)、分析ルール保持部(0904)、健康状況情報分析取得部(0905)、対話情報蓄積部(0906)、ユーザ別対話情報選択ルール保持部(0907)、対話情報選択部(0908)、対話情報出力部(0909)と、からなる。以下では、実施形態1又は実施形態2との共通の説明は省略し、本実施形態に特徴的な構成について説明する。
【0046】
<実施形態3 構成の説明>
<実施形態3 ニュースユーザ関連情報取得部>
「ニュースユーザ関連情報取得部」は、ユーザ識別情報と関連付けてニュース情報を外部情報として取得する。ニュースユーザ関連情報は、SNSユーザ関連情報から取得されたユーザが興味のある出来事に関するニュースや、ユーザの住居の近く、会社の近く等の活動の拠点となる地区の近隣での出来事に関するニュースや、ユーザが登録している情報提供サイトのニュース、ユーザが所在する地域の天候ニュース(天気予報を含む)等が考えられる。
ニュースユーザ関連情報は、対話の形式や健康状況情報に直接関連するものではないが、ユーザの健康状態を多次元的に分析する上で重要な役割を果たす情報である。例えば、「インフルエンザの流行が始まった」とのニュースがある場合には、分析ルールに基づいて得られる健康状況情報の一例としては、「インフルエンザに感染するリスクがある。」「疲れが溜まっているので、インフルエンザに感染するリスクが高い。」などである。「花粉の飛散量が過去最大」とのニュースがある場合には、分析ルールに基づいて得られる健康状況情報としては、「花粉症の症状が例年より悪化するリスクあり」「新たな花粉症の症状を発症するリスクあり」などである。「PM2.5の発生がある。」とのニュースがある場合には、分析ルールに基づいて得られる健康状況情報の一例としては、「喘息を発症するリスクあり。」などである。「O−157が発生した。」とのニュースがある場合に分析ルールに基づいて得られる健康状況情報としては、「生ものを食べる時には、O−157の感染リスクがある。」「感染原因となる店舗の系列店舗での食事は、O−157の感染リスクが高い。」などである。「黄砂が日本に届く。」とのニュースがある場合には、分析ルールに基づいて得られる健康状況情報の一例としては、「喘息を発症するリスクがあります。」「普段の喘息の症状がさらに悪化するリスクがある。」などである。「ひ蟻が発見された。」とのニュースがある場合には、分析ルールに基づいて得られる健康状況情報の一例としては、「素足を出すサンダルなどを着用すると、ひ蟻に刺されるリスクがある。」などである。
【0047】
ニュースユーザ関連情報は、健康状況情報とは直接関係しないが、健康促進アドバイスの内容に反映させることも有効である。ユーザが興味を持っている分野に関係するイベントや関係する出来事と関連付けた健康促進アドバイスであれば、ユーザがアドバイスに従って健康促進行為を行う可能性が高まる。また、ユーザの住居の近くでお祭りがあったり、フリーマーケットがあったり、花火大会があったりといったイベントごとがある場合には、いつものランニングルートに通行規制があったり、人通りが多くて思うようにランニングができない可能性が有るので、別のルートでのランニングを提案したり、その日はランニングをせずに室内でストレッチや筋肉トレーニングを行うことをアドバイスするといったことが考えられる。あるいは、ユーザが登録しているショップや雑誌などの情報提供サイトに、新商品の案内などが出ている場合には、新商品を見に行く途中に寄り道をして散歩をすることを進めてみたり、近場にある健康食品を販売しているお店でランチをすることをアドバイスするといったことが考えられる。
単にユーザに運動やおすすめの食事をアドバイスするだけでは、やり取りに面白みがなく、ユーザが本件対話式健康促進システムから人間らしさを感じにくかったり、いつも同じやり取りに本件健康促進システムの利用を継続できなくなってしまう恐れがある。しかし、身近なイベントごとや、ユーザの気になっている事柄に結び付けて、休日の過ごし方のモデル提案や、おすすめのお出かけスポット等と絡めた健康促進アドバイスをできるように構成しておくと、ユーザが楽しんで健康促進行動をとることが可能となるし、機械的なやりとりではなく人間らしいやり取りをしているようにユーザに認識させやすくなる。
【0048】
また、例えばニュースユーザ関連情報として、ユーザが所在する地域の天候情報を取得する場合には、その日の気温や、晴れ、雨、強風といった情報を健康状況情報の分析に利用することになる。例えば天候情報が「本日は晴天、最高気温は35度摂氏、湿度が高め」である場合には、分析ルールに基づいて得られる健康状況情報の一例としては、「昼間の外出時には熱中症になるリスクがある。」、「昼間の外出時には体内水分が不足するリスクがある。」などである。「本日は曇天、最高気温は5度摂氏、湿度が低め」である場合には分析ルールに基づいて得られる健康状況情報としては、「低体温症のリスクがある。」、「風邪気味なので、さらに悪化するリスクがある。」、「喉を傷めるリスクがある。」などである。「本日の天候は台風による強風と、豪雨がある。」という場合には、「飛散物による外傷のリスクあり。」、「川の氾濫によりさらわれるリスクあり。」などである。
健康状況情報とは直接関係しないが、健康促進アドバイスの内容に反映させることも有効である。雨の日や、強風の日に、散歩や外出して運動することを進めても、実行することができないアドバイスとなってしまう。雨の日や、強風の日には、室内でヨガをすることを勧めたり、室内で筋肉トレーニングをすることを勧めたり、ゆっくりとお風呂に入ってリラックスすることを勧める、アロマを焚いて趣味の時間を過ごすことでリラックスすることを勧めるなど、実行できる行為をアドバイスすることが望ましい。天候情報を取得することによって、まさにユーザが存在している場所のその時の天候に応じた健康促進アドバイスをすることが可能となる。さらに、天候に応じて変動するユーザの肉体的健康、精神的健康を分析することが可能となる。例えば、雨の日には片頭痛が起きるとか、体が重くなるとか、暑い日にはよく脱水症状を起こしている、といったユーザ特有の天候と条件づけることができる健康状況に関する情報があるときには、雨の予報や真夏日の予報が出ているときに、予防するようにアドバイスをすることが可能になる。
対話の形式や健康状況情報に直接関連するものではないが、天候情報は、ユーザの健康状態を多次元的に分析する上で重要な役割を果たす情報である。
【0049】
<実施形態3 ハードウェア構成>
図10は実施形態3のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように実施形態3のハードウェア構成も不揮発性メモリに、ユーザ識別情報保持プログラム、SNSユーザ関連情報取得プログラム、外部情報としてユーザに関連するニュース情報を取得するためのニュースユーザ関連情報取得プログラム、分析ルール保持プログラム、健康状況情報分析取得プログラム、対話情報蓄積プログラム、ユーザ別対話情報選択ルール保持プログラム、対話情報選択プログラム、対話情報出力プログラムと、が保持されており、一連のプログラムの実行命令に基づいてこれらのプログラムが実行される。なお、データとしては、ユーザ識別情報、外部情報、SNSユーザ関連情報、ニュースユーザ関連情報、分析ルール、健康状況情報、対話情報、ユーザ別対話情報選択ルール、選択した対話情報、図示しない通信など各種の設定情報等が不揮発性メモリに保持され、主メモリにロードされ、一連のプログラム実行に際して参照され、利用される。なおこのコンピュータは不揮発性メモリ、主メモリ、CPU、インターフェイスがバスラインに接続されて相互に通信可能に構成される。
【0050】
<実施形態3 処理の流れ>
図11は、実施形態3の最も基本的な構成の処理の流れを示す図である。この図に示すように、ユーザ識別情報保持ステップ(1101)、SNSユーザ関連情報取得ステップ(1102)、外部情報としてユーザに関連するニュース情報を取得するためのニュースユーザ関連情報取得ステップ(1103)、分析ルール保持ステップ(1104)、健康状況情報分析取得ステップ(1105)、対話情報蓄積ステップ(1106)、ユーザ別対話情報選択ルール保持ステップ(1107)、対話情報選択ステップ(1108)、対話情報出力ステップ(1109)と、からなる。
【0051】
<実施形態4>
<実施形態4 概要>
本実施形態の発明は、実施形態1から実施形態3のいずれかの構成に加えて、ユーザのライフログを取得することができる。
【0052】
<実施形態4 発明の構成>
実施形態4の対話式健康促進システムの構成の一例は、
図12に示すように、ユーザ識別情報保持部(1201)、SNSユーザ関連情報取得部(1202)、ライフログユーザ関連情報取得部(1203)、分析ルール保持部(1204)、健康状況情報分析取得部(1205)、対話情報蓄積部(1206)、ユーザ別対話情報選択ルール保持部(1207)、対話情報選択部(1208)、対話情報出力部(1209)と、からなる。以下では、実施形態1から実施形態3のいずれか一との共通の説明は省略し、本実施形態に特徴的な構成について説明する。
【0053】
<実施形態4 構成の説明>
<実施形態4 ライフログユーザ関連情報取得部>
「ライフログユーザ関連情報取得部」は、ユーザ識別情報と関連付けてユーザの端末に記録されているライフログであるライフログユーザ関連情報を外部情報として取得する。
ライフログとは、携帯端末などで取得できる情報又は別の外部機器によって取得された情報である、その日の歩数、移動距離、血圧、脈拍、心拍数、血糖値、水分量、体脂肪率、体重、身長、筋肉量バランス、骨密度、呼吸数、肺活量、血液検査の結果、MRSの検査結果、尿検査、血中アルコール濃度、等である。
従来の技術は、ライフログから取得される数値的な情報を数値的に分析して健康状況を促進していた。したがって、数値的な情報の獲得経緯や獲得する数値的な情報の内容の特殊性が問題となっていた。一方、本件対話式健康促進システムでは、ライフログから取得される情報を数値的に分析するのではなく、そういった行動あるいは状態にあるユーザの「気持ち」の健康を分析する。前述のとおり、本件対話式健康促進システムは、健康状況情報を肉体的健康と精神的健康とから取得する。この肉体的健康が数値的な健康であり、精神的健康が「気持ち」の健康にあたる。例えば、精神的に不安定な時には、脈拍が早くなったり、不整脈が出たり、呼吸が浅くなり呼吸数が増えたり、心拍数が早くなったり、体温が急上昇したりする。脈拍数の変化、呼吸数の変化、心拍数の変化、体温の変化、といった数値的な変動を、数値の異常性として肉体的健康状況に異変があると分析するために用いるのではなく、「落ち着きがない」「不安がある」「焦っている」といった、ユーザの気持を分析するために用いる。例えば、非常に晴れやかな心で気持ちが落ち着いているときは、脈拍数が1分間に60回程度で一定の速さとなり、呼吸数が1分間に12回程度で一定の速さとなり、心拍数が1分間に60回程度で一定の速さとなり、体温が36度前後の温度となり急な変動をしない。この数値を、単に平均的な数値であるから肉体的健康状況に異常なしと分析するために用いるのではなく、「気持ちが落ち着いている」「晴れやかな気持ちである」という気持ちを分析するために利用する。
【0054】
<実施形態4 ハードウェア構成>
図13は実施形態4のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように実施形態4のハードウェア構成も不揮発性メモリに、ユーザ識別情報保持プログラム、SNSユーザ関連情報取得プログラム、外部情報としてユーザに関連するライフログ情報を取得するためのライフログユーザ関連情報取得プログラム、分析ルール保持プログラム、健康状況情報分析取得プログラム、対話情報蓄積プログラム、ユーザ別対話情報選択ルール保持プログラム、対話情報選択プログラム、対話情報出プログラムと、が保持されており、一連のプログラムの実行命令に基づいてこれらのプログラムが実行される。なお、データとしては、ユーザ識別情報、外部情報、SNSユーザ関連情報、ライフログユーザ関連情報、分析ルール、健康状況情報、対話情報、ユーザ別対話情報選択ルール、選択した対話情報、図示しない通信など各種の設定情報等が不揮発性メモリに保持され、主メモリにロードされ、一連のプログラム実行に際して参照され、利用される。なおこのコンピュータは不揮発性メモリ、主メモリ、CPU、インターフェイスがバスラインに接続されて相互に通信可能に構成される。
【0055】
<実施形態4 処理の流れ>
図14は実施形態4のもとも基本的な構成の処理の流れを示す図である。この図に示すように実施形態4のハードウェア構成も不揮発性メモリに、ユーザ識別情報保持ステップ(1401)、SNSユーザ関連情報取得ステップ(1402)、外部情報としてユーザに関連するライフログ情報を取得するためのライフログユーザ関連情報取得ステップ(1403)、分析ルール保持ステップ(1404)、健康状況情報分析取得ステップ(1405)、対話情報蓄積ステップ(1406)、ユーザ別対話情報選択ルール保持ステップ(1407)、対話情報選択ステップ(1408)、対話情報出力ステップ(1409)と、からなる。
【0056】
<実施形態5>
<実施形態5 概要>
本実施形態における発明は、実施形態1から実施形態4に記載の構成に加えて、ユーザからの応答を取得することができる。
【0057】
<実施形態5 発明の構成>
実施形態5の対話式健康促進システムの構成の一例は、
図15に示すように、ユーザ識別情報保持部(1501)、SNSユーザ関連情報取得部(1502)、分析ルール保持部(1503)、健康状況情報分析取得部(1504)、対話情報蓄積部(1505)、ユーザ別対話情報選択ルール保持部(1506)、対話情報選択部(1507)、対話情報出力部(1508)、応答対話情報取得部(1509)と、からなる。以下では、実施形態1から実施形態4との共通の説明は省略し、本実施形態に特徴的な構成について説明する。
【0058】
<実施形態5 構成の説明>
<実施形態5 応答対話情報取得部>
「応答対話情報取得部」は、出力された対話情報に対する応答対話情報を取得する応答対話情報取得部をさらに有する。応答対話情報とは、本件対話式健康促進システムから出力された健康促進アドバイスに対するユーザの応答のことをいい、SNSへの発信や、本件対話式健康促進システムへ直接入力される応答や、健康促進アドバイス後にユーザがとった行動に関するライフログなどが、応答対話にあたる。したがって、応答対話情報は、言語情報に限らず、行動情報や血圧や血糖値等の数値情報等も含まれる。
【0059】
<実施形態5 ハードウェア構成>
図16は実施形態5のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように実施形態5のハードウェア構成も不揮発性メモリに、ユーザ識別情報保持プログラム、SNSユーザ関連情報取得プログラム、分析ルール保持プログラム、健康状況情報分析取得プログラム、対話情報蓄積プログラム、ユーザ別対話情報選択ルール保持プログラム、対話情報選択プログラム、対話情報出力プログラム、出力した対話情報に対するユーザの応答対話情報を取得するための応答対話情報取得プログラムと、が保持されており、一連のプログラムの実行命令に基づいてこれらのプログラムが実行される。なお、データとしては、ユーザ識別情報、外部情報、SNSユーザ関連情報、分析ルール、健康状況情報、対話情報、ユーザ別対話情報選択ルール、選択した対話情報、応答対話情報、図示しない通信など各種の設定情報等が不揮発性メモリに保持され、主メモリにロードされ、一連のプログラム実行に際して参照され、利用される。なおこのコンピュータは不揮発性メモリ、主メモリ、CPU、インターフェイスがバスラインに接続されて相互に通信可能に構成される。
【0060】
<実施形態5 処理の流れ>
図17は、実施形態5の最も基本的な構成の処理の流れを示す図である。この図に示すように、ユーザ識別情報保持ステップ(1701)、SNSユーザ関連情報取得ステップ(1702)、分析ルール保持ステップ(1703)、健康状況情報分析取得ステップ(1704)、対話情報蓄積ステップ(1705)、ユーザ別対話情報選択ルール保持ステップ(1706)、対話情報選択ステップ(1707)、対話情報出力ステップ(1708)、出力した対話情報に対するユーザの応答対話情報を取得するための応答対話情報取得ステップ(1709)と、からなる。
【0061】
<実施形態6>
<実施形態6 概要>
本実施形態における発明は、実施形態5に記載の構成に加えて、本件対話式健康促進システムから提供された対話情報がユーザに対して有効な対話情報であったかを、対話情報に対するユーザの応答から判断する機能を有している。
【0062】
<実施形態6 発明の構成>
実施形態6の対話式健康促進システムの構成の一例は、
図18に示すように、ユーザ識別情報保持部(1801)、SNSユーザ関連情報取得部(1802)、分析ルール保持部(1803)、健康状況情報分析取得部(1804)、対話情報蓄積部(1805)、ユーザ別対話情報選択ルール保持部(1806)、対話情報選択部(1807)、対話情報出力部(1808)、応答対話情報取得部(1809)、有効性判断ルール保持部(1810)、対話情報有効性判断部(1811)と、からなる。以下では、実施形態5との共通の説明は省略し、本実施形態に特徴的な構成について説明する。
【0063】
<実施形態6 構成の説明>
<実施形態6 有効性判断ルール保持部>
「有効性判断ルール保持部」は、出力された対話情報に対して取得された応答対話情報が有効であったか判断するルールである有効性判断ルールを保持する。有効性判断ルールは、出力した対話情報によって指定、提案された内容と一致する健康促進行動をユーザが行っている場合にのみ、出力した対話情報が有効であると判断し、それ以外の健康促進行動であったり、健康を促進する行動をとらなかった場合には、出力は有効ではなかったと判断することになる。
有効性判断ルールは、健康状況情報に基づいてどのように健康状況を改善ないしは維持すればよいかという背景目的があり、その背景目的を達成するためにプラスの影響を与える行動ないし思索があったか、という観点から判断をするルールである。従って、背景目的に応じてプラスの影響を与えた、ないしは影響を与えなかった、ないしは、逆効果であった、と判断すべき単語や写真、映像、フレーズ、ライフログ(差分も含む)が蓄積されており、応答対話情報のコンテンツ(対話、写真、映像、ライフログ)を蓄積されている単語等で検索して有効性を判断するように構成されている。また、単語が含まれているかのみならず、文脈解析を行って、その背景目的に対してプラスであるかマイナスであるか判断するように構成することができる。ここで「背景目的」は、本システムを利用するないしは設計する者がその哲学に基づいて設定する者であるが、一般的には「人が健康」である状態を定義した情報を指す。この定義は各種生理情報の値ないしは値の範囲であってもいし、健康な人なら発するであろう言葉ないしは発するであろう言葉の発生頻度であってもよいし、健康な人ならするであろうしぐさ、ないしはしぐさの発生頻度であってもよい。
背景目的の具体例としては生理情報の値では、「血圧目標値」として、血圧の上側を140以下にする。血圧の下側を90以下にする、「BMI値」を25以下にする、「腹囲」を、男性だと85センチメートル以下にする、女性だと90センチメートル以下にする、内臓脂肪を100平方センチメートル以下とする、「体脂肪率」を男性だと20%以下にする、女性だと28%以下にする、「視力」を0.7から2.0の間にする、「眼圧」を10ミリHgから20ミリHgにする、「肺機能」を%肺活量を80%以上で1秒率70%以上にする、「尿検査値」で尿たんぱくを(+−)ケトン体を(−)尿糖を(−)潜血反応を(+−)ウロビリノーゲンを(+−)尿比重を1.0101から1.025の間、phを4.8から7.5の間、尿最近を(−)にする、尿アルブミン定量検査値を30ミリグラム/グラム未満にする、「便検査値」を便潜血検査(二日法)で(−)にする。便虫卵検査(−)にする、「血液生化学検査値」を総ビリルビン0.2ミリグラム/デシリットルから1.2ミリグラム/デシリットルの間にする、ZTT(クンケル試験)を2.0単位から12.0単位の間にする、TTT(チモール混濁反応)を0単位から4単位の間にする、ALP(アルカリフォスファターゼ)を110lU/lから354lU/lの間に、CK(CKP)(クレアチンキナーゼ)を男性だと38lU/lから196lU/lの間、女性だと30lU/lから172lU/lの間に、LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)30lU/lから70lU/lの間に、LDH(乳酸脱水素酵素)121lU/lから245lU/lの間に、γ―GTを80lU/l以下に、コリンエステラーゼを213lU/lから501lU/lの間に、AST(GOT)を35lU/l以下に、ALT(GPT)を40lU/l以下に、総コレステロールを140ミリグラム/デシリットルから219ミリグラム/デシリットルの間に、中性脂肪(トリグリセライド)を30ミリグラム/デシリットルから149ミリグラム/デシリットルの間に、HDLコレステロールを40ミリグラム/デシリットルから119ミリグラム/デシリットルの間に、LDLコレステロールを60ミリグラム/デシリットルから139ミリグラム/デシリットルに、血清アミラーゼを38lU/lから136lU/lの間に、尿酸を2.1ミリグラム/デシリットルから7.0ミリグラム/デシリットルの間に、尿素窒素を8ミリグラム/デシリットルから22ミリグラム/デシリットルの間に、総蛋白を6.5グラム/デシリットルから9.0グラム/デシリットルの間に、血清アルブミンを4.0グラム/デシリットル以上、蛋白A/G比、蛋白分画を、A/G比を1.5から2.5、Albを60.2%から71.4%、α―1を1.9%から3.3%、α−2を5.7%から9.7%、βを6.9%から10.7%、γを10.5%から20.3%の間に、クレアチニンを男性は1・0ミリグラム/デシリットル以下に、女性は0.7ミリグラム/デシリットル以下に、eGFRを60ミリリットル/分/1.73平方メートル以上に、TSH(甲状腺刺激ホルモン)0.54μU/mlから4.54μU/mlの間に、血清鉄58マイクログラム/デシリットルから188マイクログラム/デシリットルの間に、BNP(ヒト脳性ナトリウム 利尿ペプチド)を18.4pg/ml以下に、Na(ナトリウム)を、135mEq/lから150mEq/lの間に、K(カリウム)を、3.5mEq/lから5.3mEq/lの間に、Ca(カルシウム)を8.4ミリグラム/デシリットルから10.2ミリグラム/デシリットルの間に、Cl(クロール)を98mEq/lから110mEq/lの間に、P(無機リン)を2.5ミリグラム/デシリットルから4.5ミリグラム/デシリットルの間に、総ホモシステインを3.7nmol/mlから13.5nmol/mlの間に、とする、などである。
また、精神的健康に関する背景目的としては、発する言葉が、「安心」、「精神的安定」「リラックス」などの状態であることを推定させる言葉やしぐさが外部情報として取得される状況を作り出すこと、状況を維持すること、を挙げることができる。
また、精神的健康状況は良い、悪いのみでなく、安心、不安、感謝、驚愕、興奮、好奇心、性的好奇心、冷静、焦燥 (焦り)、不思議 (困惑)、幸運、リラックス、緊張、名誉、責任、尊敬、親近感 (親しみ)、憧憬 (憧れ)、欲望 (意欲)、恐怖、勇気、快感、後悔、満足、不満、無念、嫌悪、恥、軽蔑、嫉妬、罪悪感、殺意、期待、優越感、劣等感、怨み、苦しみ、悲しみ、切なさ、感動、怒り、諦め、絶望、憎悪、空虚などの精神的状況を格付け、点数化して保持するような構成が考えられる。
例えば精神的健康状況情報として、不安が最も悪いランクから2番目のDである場合に、背景目的としては精神的健康状況情報の不安ランクは真ん中よりも一つ上であるBランク以上、という具合である。
また、SNSの写真や映像を分析して、肩をすぼめる、ぽかんとしている、せっかちな様子、渋い顔でいる、あきれている、しりごみしている、ひっかかっている、むっつりしている、ふくれっ面をしている、顔をしかめている、もじもじしている、断固としている、戸惑っている、ひるんでいる、おそるおそるしている、苦々しくしている、じーんとしている、一心不乱にしている、いてもたってもいられないようにしている、動揺している、なげいている、おどけている、うんざりしている、気もそぞろにしている、切ないようにしている、おろおろしている、あぜんとしている、ろうばいしている、ほがらかにしている、おどおどしている、うしろめたそうにしている、開き直っている、わずらわしそうにしている、いぶかしそうにしている、うろたえている、ひがんでいる、ちゅうちょしている、圧倒されている、おおらかにしている、照れている、うらめしそうにしている、あざけている、いきどおっている、しおらしくしている、心もとなさそうにしている、やましそうにしている、あざ笑っている、哀れんでいる、リラックスしている、控え目にしている、いたいけにしている、やり場のない様子にしている、まんざらでもない様子にしている、有頂天になっている、しみじみとしている、気さくにしている、歓喜している、力を抜いて楽にしている、喜んでいる、孤独そうにしている、失望している、妥協している、冷酷にしている、臆病にしている、称賛している、軽蔑している、柔和にしている、大胆にしている、繊細にしている、同調している、平静にしている、憤慨している、ひたむきにしている、という感情を取得し、これからさらに精神的健康状況情報をランキングや数値化して取得するようにルールを定めてもよい。
なお、これらの上位概念は体を日常生活の習慣を改善することによって健康な体にし、それを維持する、という上位概念目的である。
ユーザに関連して得られる外部情報は、上記背景目的の観点から評価可能な情報に変換される。
この背景目的と蓄積された応答対話情報分析コンテンツは多対多の関係で関連付けられるように構成される。例えば、「よく寝た」は、通常の睡眠時間帯であればプラスに判断され、就業時間中の行為であればマイナスに判断されるというようなものである。なお、写真や映像を分析する場合には写真分析プログラム、映像分析プログラムが利用される。多数の写真や映像を意味情報と関連付けて蓄積しておき、各写真や映像と応答対話情報に含まれる写真や映像とのN次元空間内での距離を測定する。N次元とは、その写真や映像の特徴量の種類の数であり、この次元数が大きいほどより正確な推定が可能である。従って、写真や映像の意味をより正確に取得することができ、その後の有効性判断ルールの判断もより正確になる。このように有効性判断は、意味の取得、取得した意味の有効性を背景目的との関係で評価、という手順で行われる。
【0064】
<実施形態6 対話情報有効性判断部>
「対話情報有効性判断部」は、出力された対話情報とこの対話情報に対して取得された応答対話情報と、有効性判断ルールとに基づいて対話情報の有効性を判断する。
獲得される対話情報有効性は、例えば、5段階評価などの数値によって獲得されることが考えられる。対話情報は複数のアドバイスを含んだ文章として出力されることがあり得るが、対話情報有効性は、出力されたアドバイス毎に判断されるべきである。AというアドバイスとBというアドバイスを同時に対話情報として出力してCという効果を期待していた場合に、Aには従ったが、Bには従わなかったということがあり得る。この場合、Aというアドバイスは有効であったが、Bというアドバイスは有効ではなかったことになる。その場合、Cという効果を獲得するために、AとBの両方を入れ替える必要はなく、AとDにする、AとEにする、というように同じ効果を獲得できる可能性のある、別のAとの組み合わせを試すことが有効性の高い対話情報を獲得する上で最短の方法となる。
【0065】
アドバイスした行為ごとの対話情報有効性の他に、複数のアドバイスを組み合わせた対話情報毎を単位として、複合的な対話情報有効性を獲得する構成も可能である。
対話情報有効性判断部によって獲得される対話情報有効性の積み重ねによって、後述するように、ユーザ別対話情報選択ルールがより最適なユーザ別対話情報を選択できるように、選択の確度を高めていくことになる。対話情報の有効性はより細かく分析されていることが好ましく、アドバイスした行為ごとの対話情報有効性を判断するように構成しておくことが好ましいが、組み合わせによって、相乗効果が生じていたり、逆に組み合わせによって有効性が阻害されることもあり得るので、複合的な視点による対話情報有効性の判断も重要である。したがって、アドバイス毎の対話情報有効性と、複合的な対話情報有効性のいずれの対話情報有効性も判断できるように構成しておくことが好ましい。
【0066】
例えば、「暑い日ですから、水分をたくさん取りましょう。水分補給時は、お茶やコーヒーといった利尿作用のあるものは避けてください。」といったアドバイスを対話情報として出力した場合に、ユーザが「水分補給は、こまめに実行したよ」という応答対話情報を取得し、かつ、携帯端末を使って、アイスコーヒーを数回購入している履歴が応答対話情報として取得された場合には、水分補給せよというアドバイスには従っているが、お茶やコーヒーを避けるように、とのアドバイスにはしたがっていないことになる。したがって、出力した対話情報のうち、「暑い日ですから、水分をたくさん取りましょう」という対話情報の有効性は高いが、「水分補給時はお茶やコーヒーといった利尿作用のあるものは避けてください」という対話情報の有効性は低いことになる。対話情報有効性は「暑い日ですから水分をたくさん取りましょう」については4点、「水分補給時はお茶やコーヒーといった利尿作用のあるものは避けてください」については0点、と判断される。全体の対話情報の有効性は、2点と判断される(加重平均をとっている)。あるいは、「近くの公園で桜が満開のようですよ。花見をしながら散歩をしてはどうでしょうか。」といったアドバイスを対話情報として出力した場合に、ユーザが複数の公園を回って桜の写真をたくさん撮影した写真の撮影記録が応答対話情報として取得され、かつ、SNSを使って桜の写真を複数枚発信していることが応答対話情報として取得された場合には、ユーザはアドバイスにしたがって、花見を楽しみながら十分な距離の散歩を行っていることが確認できる。したがって、出力した対話情報の有効性は非常に高いことになる。「花見をしながら散歩をしてはどうでしょうか。」という対話情報有効性は4点と判断される。推薦した近くの公園のみならず、複数の公園を回っているので、全体の対話情報の有効性は5点と判断される。あるいは、「今日の仕事、頑張りましょう。ダイエットも、頑張りましょう。」というアドバイスを対話情報として出力した場合に、「外回り中に、ビール飲んじゃった」という応答対話情報を取得した場合には、仕事もダイエットも全く頑張っていなかったことになる。したがって、「今日の仕事、頑張りましょう」という対話情報も、「ダイエットも、頑張りましょう。」という対話情報も、有効性は全くないことになる。対話情報有効性は、「今日の仕事、頑張りましょう」についても、「ダイエットも頑張りましょう」についても、0点と判断される。全体の対話情報有効性は0点と判断される。
【0067】
<実施形態6 ハードウェア構成>
図19は実施形態6のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように実施形態6のハードウェア構成も不揮発性メモリに、ユーザ識別情報保持プログラム、SNSユーザ関連情報取得プログラム、分析ルール保持プログラム、健康状況情報分析取得プログラム、対話情報蓄積プログラム、ユーザ別対話情報選択ルール保持プログラム、対話情報選択プログラム、対話情報出力プログラム、応答対話情報取得プログラム、対話情報がユーザにとって有効であったかを応答対話情報から判断する有効性判断ルールを保持するための有効性判断ルール保持プログラム、応答対話情報と有効性判断ルールとから、出力した対話情報の有効性を判断するための対話情報有効性判断プログラムと、が保持されており、一連のプログラムの実行命令に基づいてこれらのプログラムが実行される。なお、データとしては、ユーザ識別情報、外部情報、SNSユーザ関連情報、分析ルール、健康状況情報、対話情報、ユーザ別対話情報選択ルール、選択した対話情報、応答対話情報、有効性判断ルール、出力した対話情報、有効性判断結果、図示しない通信など各種の設定情報等が不揮発性メモリに保持され、主メモリにロードされ、一連のプログラム実行に際して参照され、利用される。なおこのコンピュータは不揮発性メモリ、主メモリ、CPU、インターフェイスがバスラインに接続されて相互に通信可能に構成される。
【0068】
<実施形態6 処理の流れ>
図20は、実施形態6の最も基本的な構成の処理の流れを示す図である。この図に示すように、ユーザ識別情報保持ステップ(2001)、SNSユーザ関連情報取得ステップ(2002)、分析ルール保持ステップ(2003)、健康状況情報分析取得ステップ(2004)、対話情報蓄積ステップ(2005)、ユーザ別対話情報選択ルール保持ステップ(2006)、対話情報選択ステップ(2007)、対話情報出力ステップ(2008)、応答対話情報取得ステップ(2009)、応答対話情報から対話情報の有効性を判断するための対話情報有効性判断ステップ(2010)と、からなる。
【0069】
<実施形態7>
<実施形態7 概要>
本実施形態における発明は、実施形態6の構成に加えて、AIを用いて、出力した健康促進アドバイスの有効性から、健康促進アドバイスを選択するルールを更新する機能を有する。
図21は、本実施形態におけるAIの働きの概要を示す概念図である。本件対話式健康促進システムは、個人の特性を反映させたユーザ別対話情報選択ルールを保持している。ここに反映されるユーザごとの個人の特性は、会話の際の言葉遣いという対話情報の形式、健康状況情報に対応する健康促進アドバイス内容である対話情報の内容の、両方に反映されることになる。
例えば、ユーザXについて、健康状況情報Aが取得されているとき、ルール1に従った「今日のランチは食べ過ぎないようにね。」(対話情報A)というアドバイスが選択される。対話情報Aに対して、ユーザからの応答対話として、「今日のランチは春雨にしたよ。カロリー控えめ!」(応答対話情報A)との応答対話情報が取得された場合、ユーザはカロリー摂取量が増えないようにする行動をとっている。食べ過ぎないということと、カロリー摂取量を控えることは、ほとんど同義であるから、対話情報AはユーザXに対して有効性が高いことになる。
図22は、複数ある対話情報の中から、一つの対話情報を選択し、その選択に対するユーザの対応に応じて選択のルールが変更される過程を概念的に示す図である。図に示すように、対話情報群を横軸(2201)にして、対話情報の有効性を縦軸(2202)にすると、対話情報の有効性は凸凹した波型(2203)で表現される。最も有効度の高い対話情報の有効度が、複数ある波の山の最も高い頂点(2204)となる。山の頂点の周辺の対話情報は、同義の対話情報であり、頂点から離れるにしたがって徐々に有効度が低くなる。対話情報選択ルールでは、まず大まかな対話情報として、どの対話情報群の領域(2205)の対話情報を選択するかを決定し、選択された対話情報群領域の中で最も有効度が高いものを選択する。対話情報を選択して出力した後、ユーザの応答対話情報を取得することで、選択した対話情報の有効性を獲得することができる。対話情報蓄積部に蓄積されているその他の対話情報に比して、応答対話情報から有効が確認された選択肢は、選択の有効性の確度が高くなる。したがって、山の頂点がさらに高い位置(2206)になるように、選択ルールが更新される。対話情報蓄積部に蓄積されているその他の対話情報に比して、応答対話情報から有効ではないことが確認された選択肢は、選択の有効性の確度が低くなる。したがって、山の頂点が選択前より低い位置(2207)になるように、選択ルールが更新される。
あるいは、例えばユーザXについて未だルールを取得していない健康状況情報が取得された場合には、健康状況情報が類似するすでに取得しているルールを組み合わせることによって、対話情報の選択を行う(疑似的に対話情報群及び有効性の山を形成し、頂点の対話情報を選択する)。出力した対話情報に対する応答結果に対応する新しいルールが獲得される(疑似的な対話情報群及び有効性の山を実際の応答対話情報に則して修正、再構成する)。
【0070】
<実施形態7 発明の構成>
実施形態7の対話式健康促進システムの構成の一例は、
図23に示すように、ユーザ識別情報保持部(2301)、SNSユーザ関連情報取得部(2302)、分析ルール保持部(2303)、健康状況情報分析取得部(2304)、対話情報蓄積部(2305)、ユーザ別対話情報選択ルール保持部(2306)、対話情報選択部(2307)、対話情報出力部(2308)、応答対話情報取得部(2309)、有効性判断ルール保持部(2310)、対話情報有効性判断部(2311)、ユーザ別対話情報選択ルール更新部(2312)と、からなる。以下では、実施形態6との共通の説明は省略し、本実施形態に特徴的な構成について説明する。
【0071】
<実施形態7 構成の説明>
<実施形態7 ユーザ別対話情報選択ルール更新部>
「ユーザ別対話情報選択ルール更新部」は、有効性判断結果に基づいてユーザ別対話情報選択ルール保持部に保持されているユーザ別対話情報選択ルールを更新する。
図21に示すように、ユーザX(2101)について、健康状況情報A(2102)のとき、「今日のランチは食べ過ぎないようにね。」という対話情報を選択するルール1(2103)、健康状況情報B(2104)のとき、「気分転換に1つ先の駅まで歩こう。」という対話情報を選択するルール2(2005)、健康状況情報C(2006)のとき、「硬派無理しないでしっかりご飯を食べて、早く休もう。」という対話情報を選択するルール3(2107)がユーザ別対話情報選択ルールとして保持されているとする。
健康状況情報Aの具体的内容は、「肉体的健康3、精神的健康2、時間帯11、接種カロリー3、気温25、睡眠時間7」であり、健康状況情報Bの具体的な内容は、「肉体的健康4、精神的健康2、時間帯18、接種カロリー4、気温21、睡眠時間8」であり、健康状況情報Cの具体的な内容は「肉体的健康1、精神的健康4、時間帯19、接種カロリー2、気温18、睡眠時間5」である。この時、初めて取得する健康状況情報である健康状況情報D(2108)として、具体的な健康状況情報「肉体的健康3、精神的健康3、時間帯18、接種カロリー4、気温18、睡眠時間6」が取得された場合、本件対話式健康促進システムは同じ健康状況情報についてのユーザ別対話情報選択ルールを保持していない。したがって、健康状況情報Dと類似する健康状況情報に関するルールを組み合わせることによって、ユーザ別対話情報の選択を行うことになる。
健康状況情報Dの具体的な内容は、健康状況情報Bの具体的な内容と、肉体的健康の差が1、精神的健康の差が1、睡眠時間に2の違いがあるが、あとは一致している。一方、健康状況情報Aの具体的な内容とは、肉体的健康が一致しており、あとは異なっている。健康状況情報Cの具体的内容とは、睡眠時間が一致し精神的健康の数値が近く、あとは異なっている。以上の情報から、関連するルールとしてルール1、ルール2、ルール3を挙げることができるが、最も情報に類似性の多いルール2を基本として、「気分転換に1つ先の駅まで歩いて帰ろう。」という対話情報(2109)を選択して出力する。
出力された対話情報に対して、応答対話情報取得部が「帰り道、いい感じのバーを見つけて飲んじゃった」という応答対話情報(2110)を取得した時には、気分転換はしているが、散歩してカロリー消費を促したこととの関係では有効性が低いので、対話情報有効性判断結果として2点(2111)が取得される。この対話情報有効性判断結果を受けて、健康状況情報Dが取得された時には「気分転換に1つ先の駅まで歩いて帰ろう。寄り道しないでね!」という対話情報を選択するという新しいルール(2112)が取得されることになり、更新ユーザ別対話情報選択ルールが取得され、ユーザ別対話情報選択ルール保持部保持されているユーザ別対話情報選択ルールが更新される。
【0072】
<実施形態7 ハードウェア構成>
図24は実施形態7のハードウェア構成を示す図である。この図にあるように実施形態7のハードウェア構成も不揮発性メモリに、ユーザ識別情報保持プログラム、SNSユーザ関連情報取得プログラム、分析ルール保持プログラム、健康状況情報分析取得プログラム、対話情報蓄積プログラム、ユーザ別対話情報選択ルール保持プログラム、対話情報選択プログラム、対話情報出力プログラム、応答対話情報取得プログラム、有効性判断ルール保持プログラム、対話情報有効性判断プログラムと、取得された対話情報有効性判断結果をもとにユーザ別対話情報選択ルールの更新を行うユーザ別対話情報選択ルール更新プログラム、とが保持されており、一連のプログラムの実行命令に基づいてこれらのプログラムが実行される。なお、データとしては、ユーザ識別情報、外部情報、SNSユーザ関連情報、分析ルール、健康状況情報、対話情報、ユーザ別対話情報選択ルール、選択した対話情報、応答対話情報、有効性判断ルール、出力した対話情報、有効性判断結果、更新ユーザ別対話情報選択ルール、図示しない通信など各種の設定情報等が不揮発性メモリに保持され、主メモリにロードされ、一連のプログラム実行に際して参照され、利用される。なおこのコンピュータは不揮発性メモリ、主メモリ、CPU、インターフェイスがバスラインに接続されて相互に通信可能に構成される。
【0073】
<実施形態7 処理の流れ>
図25は、実施形態7の最も基本的な構成の処理の流れを示す図である。この図に示すように、ユーザ識別情報保持ステップ(2501)、SNSユーザ関連情報取得ステップ(2502)、分析ルール保持ステップ(2503)、健康状況情報分析取得ステップ(2504)、対話情報蓄積ステップ(2505)、ユーザ別対話情報選択ルール保持ステップ(2506)、対話情報選択ステップ(2507)、対話情報出力ステップ(2508)、応答対話情報取得ステップ(2509)、対話情報有効性判断ステップ(2510)、取得した対話情報有効性判断結果をもとにユーザ別対話情報選択ルールを更新するユーザ別対話情報選択ルール更新プログラム(2511)と、からなる。
【0074】
<実施形態8>
<実施形態8 概要>
本実施形態における発明は、SNSを利用するユーザを識別するユーザ識別情報を保持するユーザ識別情報保持部と、ユーザ識別情報と関連付けて外部情報を健康状況の把握の観点で分析して健康状況情報を取得するためのルールである分析ルールを保持する分析ルール保持部と、ユーザ識別情報に関連づけて取得した健康状況情報に応じて発信すべき対話情報を蓄積した対話情報蓄積部と、取得した健康状況情報に基づいて蓄積されている対話情報を選択するユーザ識別情報に関連付けられたルールであるユーザ別対話情報選択ルールを保持するユーザ別対話情報選択ルール保持部と、を有する対話式健康促進システムの動作方法である。
【0075】
<実施形態8 発明の構成>
図26は、実施形態8の対話式健康促進システムの動作方法の最も基本的な構成を示す図である。図に示すように、SNSユーザ関連情報取得ステップ(2601)、健康状況情報分析取得ステップ(2602)、対話情報選択ステップ(2603)、対話情報出力ステップ(2604)と、からなる。
【0076】
<実施形態8 構成の説明>
<実施形態8 SNSユーザ関連情報取得ステップ>
「SNSユーザ関連情報取得ステップ」は、ユーザ識別情報と関連付けてユーザが利用するSNSのユーザの発言を含むユーザ関連情報であるSNSユーザ関連情報を外部情報として取得するステップである。
【0077】
<実施形態8 健康状況情報分析取得ステップ>
「健康状況情報取得ステップ」は、ユーザ識別情報に関連付けられている取得した外部情報と同じユーザ識別情報に関連付けられている分析ルールとに基づいて健康状況情報を取得するステップである。
【0078】
<実施形態8 対話情報選択ステップ>
「対話情報選択ステップ」は、取得した健康状況情報と保持されているユーザ別対話情報選択ルールと、に基づいて対話情報を対話情報蓄積部から選択するステップである。
【0079】
<実施形態8 対話情報出力ステップ>
「対話情報出力ステップ」は、選択した対話情報をユーザ識別情報で識別されるユーザに対して前記SNSを介して出力するためのステップである。
【0080】
<実施形態9>
<実施形態9 概要>
本実施形態における発明は、SNSを利用するユーザを識別するユーザ識別情報を保持するユーザ識別情報保持部と、ユーザ識別情報と関連付けて外部情報を健康状況の把握の観点で分析して健康状況情報を取得するためのルールである分析ルールを保持する分析ルール保持部と、ユーザ識別情報に関連づけて取得した健康状況情報に応じて発信すべき対話情報を蓄積した対話情報蓄積部と、取得した健康状況情報に基づいて蓄積されている対話情報を選択するユーザ識別情報に関連付けられたルールであるユーザ別対話情報選択ルールを保持するユーザ別対話情報選択ルール保持部と、を有する対話式健康促進システムの動作方法プログラムである。
【0081】
<実施形態9 発明の構成>
実施形態9の対話式健康促進システムの動作プログラムの最も基本的な構成は、実施形態8と同様、
図26に示すように、SNSユーザ関連情報取得ステップ(2601)、健康状況情報分析取得ステップ(2602)、対話情報選択ステップ(2603)、対話情報出力ステップ(2604)と、からなる。以下では、実施形態と構成が共通のため説明を省略する。
【課題】現在利用されている健康促進アプリにおいては、専用のアプリ内でのシステムとの機械的なやりとりのみによって健康促進情報の収集や、健康促進のためのアドバイスをするのみであり、利用者は人間と話しているような温かみを実感することが出来なかった。利用者は、誰かに励まされている、見守られている、といった、人間が努力を反復継続させるうえで欠かせない感情を持続的に抱くことが困難であり、健康改善への意欲は、利用開始から時間が経過するごとに減退していき、システムの利用を長期間継続することが困難であった。
【解決手段】システムの利用者に、システムとのやり取りを通じて人間が努力を反復継続させるうえで欠かせない感情を持続的に抱かせるために、利用者のSNS関連情報等を分析利用し、SNSを通じてアドバイスを行うことで、あたかも人間と話しているかのような温かみのある対話を行える対話式健康促進システムの提供をする。