特許第6362307号(P6362307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6362307分解性ポリマーゾーンへのバットレスの取り付け
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6362307
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】分解性ポリマーゾーンへのバットレスの取り付け
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20180712BHJP
   A61B 17/115 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   A61B17/072
   A61B17/115
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-154561(P2013-154561)
(22)【出願日】2013年7月25日
(65)【公開番号】特開2014-36842(P2014-36842A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2016年6月28日
(31)【優先権主張番号】13/586,261
(32)【優先日】2012年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド エヌ. ホジキンソン
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−232117(JP,A)
【文献】 特開平06−054857(JP,A)
【文献】 特開2008−289883(JP,A)
【文献】 特表2005−508796(JP,A)
【文献】 特表2007−505708(JP,A)
【文献】 特開2003−603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068−17/072
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ステープラーと一緒に使用するためのエンドエフェクタアセンブリであって、該エンドエフェクタアセンブリは、
組織接触表面を有するステープルカートリッジアセンブリと、
組織接触表面を有するアンビルアセンブリと、
該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つの該組織接触表面の少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされた外科手術バットレスと、
複数の取り付けパッドであって、該複数の取り付けパッドは、少なくとも1つの該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの該組織接触表面のうちの少なくとも1つに固定され、それぞれのバットレス材料を該組織接触表面に保持するように構成された、複数の取り付けパッドと
を含み、
該外科手術バットレスは、該複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されており、
該複数の取り付けパッドは、該ステープルカートリッジアセンブリの該組織接触表面のステープル保持ポケットの中に配置されており、そして該ステープルの発射力からの影響により壊れ、それにより、該外科手術バットレスを該組織接触表面から解放するように構成されている、
エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項2】
前記取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、グリコリド、トリメチレンカーボネート、ラクチド、カプロラクトン、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料から作製される、請求項1に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項3】
前記取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、前記ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの前記組織接触表面のうちの少なくとも1つの凹部の中に置かれている、請求項2に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項4】
前記ステープルカートリッジアセンブリおよび前記アンビルアセンブリは、それを通るナイフ刃の通過を可能にするように構成された、中央の長手方向に延びるスロットを有する、請求項3に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項5】
少なくとも1つの取り付けパッドは、前記中央の長手方向に延びるスロットの近くに位置決めされている、請求項4に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項6】
前記ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々は、少なくとも1つの遠位取り付けパッドが、該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々の第1の外側エッジと前記中央の長手方向に延びるスロットの遠位端との間に位置決めされるように、遠位端を有する、請求項5に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項7】
前記ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々は、少なくとも1つの近位取り付けパッドが、該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々の第1の外側エッジと前記中央の長手方向に延びるスロットの近位端との間に位置決めされるように、近位端を有する、請求項6に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項8】
前記ステープルカートリッジアセンブリ、前記アンビルアセンブリ、および前記外科手術バットレスは、実質的に環状であり、該環状のバットレスは、内側部分と、外側部分と、該内側部分と該外側部分との間に延びる中間部分と、該中間部分に沿って固定された少なくとも1つの取り付けパッドとを含む、請求項3に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
【請求項9】
外科手術ステープル留め装置と一緒に使用するためのステープルカートリッジであって、該ステープルカートリッジは、
複数のステープル保持スロットを規定する組織接触表面を含むカートリッジ本体と、
該カートリッジ本体の各ステープル保持スロット内に配置されたステープルと、
該カートリッジ本体の該ステープル保持スロットの少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされた外科手術バットレスと、
複数の取り付けパッドであって、該複数の取り付けパッドは、該カートリッジ本体の該組織接触表面に固定され、それぞれのバットレス材料を該組織接触表面に保持するように構成された、複数の取り付けパッドと
を含み、
該外科手術バットレスは、該複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されており、
該複数の取り付けパッドは、該カートリッジ本体の該組織接触表面の該ステープル保持スロットの中に配置されており、そして該ステープルの発射力からの影響により壊れ、それにより、該外科手術バットレスを該組織接触表面から解放するように構成されている、
ステープルカートリッジ。
【請求項10】
前記取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、グリコリド、トリメチレンカーボネート、ラクチド、カプロラクトン、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料から作製される、請求項9に記載のステープルカートリッジ。
【請求項11】
前記カートリッジ本体は、それを通るナイフ刃の通過を可能にするように構成された、中央の長手方向に延びるスロットを有する、請求項10に記載のステープルカートリッジ。
【請求項12】
前記カートリッジ本体の少なくとも1つの取り付けパッドは、前記中央の長手方向に延びるスロットの近くに位置決めされている、請求項11に記載のステープルカートリッジ。
【請求項13】
前記ステープルカートリッジは、少なくとも1つの遠位取り付けパッドが、該ステープルカートリッジの第1の外側エッジと前記中央の長手方向に延びるスロットの遠位端との間に位置決めされるように、遠位端を有する、請求項12に記載のステープルカートリッジ。
【請求項14】
前記ステープルカートリッジは、少なくとも1つの近位取り付けパッドが、該ステープルカートリッジの第1の外側エッジと前記中央の長手方向に延びるスロットの近位端との間に位置決めされるように、近位端を有する、請求項13に記載のステープルカートリッジ。
【請求項15】
前記ステープルカートリッジ、および前記外科手術バットレスは、実質的に環状であり、該環状の外科手術バットレスは、内側部分と、外側部分と、該内側部分と該外側部分との間に延びる中間部分と、該中間部分に沿って固定された少なくとも1つの取り付けパッドとを含む、請求項10に記載のステープルカートリッジ。
【請求項16】
外科手術ステープル留め装置であって、該外科手術ステープル留め装置は、
ハウジングと、
該ハウジングに固定されたエンドエフェクタと、組織接触表面を有するステープルカートリッジアセンブリと、組織接触表面を有するアンビルアセンブリと、
該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つの該組織接触表面の少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされた外科手術バットレスと、
複数の取り付けパッドであって、該複数の取り付けパッドは、少なくとも1つの該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの該組織接触表面のうちの少なくとも1つに固定され、それぞれのバットレス材料を該組織接触表面に保持するように構成された、複数の取り付けパッドと
を含み、
該外科手術バットレスは、該複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されており、
該複数の取り付けパッドは、該ステープルカートリッジアセンブリの該組織接触表面のステープル保持ポケットの中に配置されており、そして該ステープルの発射力からの影響により壊れ、それにより、該外科手術バットレスを該組織接触表面から解放するように構成されている、
外科手術ステープル留め装置。
【請求項17】
前記複数の取り付けパッドは、前記ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの前記組織接触表面のうちの少なくとも1つに沿って、凹部内に配置されている、請求項16に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項18】
前記取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、グリコリド、トリメチレンカーボネート、ラクチド、カプロラクトン、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料から作製される、請求項17に記載の外科手術ステープル留め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2011年12月14日に出願された米国特許出願第13/325,481号の一部継続であり、その開示は、これにより、本明細書中で参考として援用される。
【0002】
背景
1. 技術分野
本開示は、外科手術ステープル留め装置に解放可能に取り付けられ得る外科手術バットレスを含む外科手術ステープル留め装置、ならびに特に、外科手術バットレスと同じ材料から作製された取り付けパッドを有する外科手術ステープル留め装置に関する。取り付けパッドは、外科手術ステープル留め装置の発射の際に外科手術バットレスが解放されるように、外科手術バットレスを外科手術ステープル留め装置に接合する。
【背景技術】
【0003】
2. 関連技術の背景
外科手術ステープル留め装置は、身体組織のセグメントを一緒に接合する目的のため、1つ以上のファスナーの列、例えば、ステープルまたは二部のファスナーを連続して、または同時に身体組織に適用するために外科医によって用いられる。そのような装置は、一般に、1対の顎または指のような構造を含み、その間に、接合されるべき身体組織が置かれる。ステープル留め装置が起動するか、または「発射される」場合、長手方向に移動する発射バーは、顎のうちの1つにおいてステープル駆動部材に接触する。ステープル駆動部材は、身体組織を通して、ステープルを形成する反対側の顎におけるアンビルの中に外科手術ステープルを押しつける。組織が除去されるべき場合または分離されるべき場合に、ナイフ刃は、装置の顎において、ステープルの線の間の組織を切断するために提供され得る。
【0004】
多くの外科手術ステープル留め装置は、解放を達成するために、外科手術バットレスのいくらかの部分を切断するナイフ刃に頼る。これらの方法は、代表的に、外科手術ステープル留め装置に対する外科手術バットレスの取り付けを提供するために、外科手術バットレスの他に、二次的な材料または取り付け構造(例えば、縫合糸)を用いる。代表的に、発射力は、外科手術バットレスを解放するためにナイフ刃によって切断されなければならない各材料ごとに増加する。
【0005】
二次的な材料または取り付け構造の必要性なく外科手術ステープル留め装置に解放可能に固定され得、そして外科手術ステープル留め装置から外科手術バットレスを解放するために、バットレスおよび/または二次的な材料もしくは取り付け構造を切断するためのナイフ刃の必要性がなく、それにより、より少ない材料およびより低い発射力を使用することになる外科手術バットレスを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示の1つの局面に従う、外科手術ステープラーと一緒に使用するためのエンドエフェクタアセンブリであって、エンドエフェクタアセンブリは、組織接触表面を有するステープルカートリッジアセンブリと、組織接触表面を有するアンビルアセンブリとを含む。外科手術バットレスは、ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つの組織接触表面の少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされる。複数の取り付けパッドは、少なくとも1つのステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの組織接触表面のうちの少なくとも1つに固定され、それぞれのバットレス材料を組織接触表面に保持するように構成され、外科手術バットレスは、複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されている。取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、グリコリド、トリメチレンカーボネート、ラクチド、カプロラクトン、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料から作製される。
【0007】
実施形態において、取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの組織接触表面のうちの少なくとも1つの凹部の中に置かれ得る。
【0008】
ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリは、それを通るナイフ刃の通過を可能にするように構成された、中央の長手方向に延びるスロットを有する。実施形態において、少なくとも1つの取り付けパッドは、中央の長手方向に延びるスロットの近くに位置決めされる。
【0009】
ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々は、少なくとも1つの遠位取り付けパッドが、ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々の第1の外側エッジと中央の長手方向に延びるスロットの遠位端との間に位置決めされるように、遠位端を有する。さらに、ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々は、少なくとも1つの近位取り付けパッドが、ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々の第1の外側エッジと中央の長手方向に延びるスロットの近位端との間に位置決めされるように、近位端を有する。
【0010】
別の実施形態において、ステープルカートリッジアセンブリ、アンビルアセンブリ、および外科手術バットレスは、実質的に環状であり、環状のバットレスは、内側部分と、外側部分と、内側部分と外側部分との間に延びる中間部分と、中間部分に沿って固定された少なくとも1つの取り付けパッドとを含む。
【0011】
本開示の別の局面において、外科手術ステープル留め装置と一緒に使用するためのステープルカートリッジであって、ステープルカートリッジは、複数のステープル保持スロットを規定する組織接触表面を含むカートリッジ本体と、カートリッジ本体の各ステープル保持スロット内に配置されたステープルとを含む。外科手術バットレスは、カートリッジ本体のステープル保持スロットの少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされる。複数の取り付けパッドは、カートリッジ本体の組織接触表面に固定され、それぞれのバットレス材料を組織接触表面に保持するように構成され、外科手術バットレスは、複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されている。
【0012】
本開示のさらに別の局面において、外科手術ステープル留め装置は、ハウジングと、ハウジングに固定されたエンドエフェクタと、組織接触表面を有するステープルカートリッジアセンブリと、組織接触表面を有するアンビルアセンブリとを含む。外科手術バットレスは、ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つの組織接触表面の少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされる。複数の取り付けパッドは、少なくとも1つのステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの組織接触表面のうちの少なくとも1つに固定され、それぞれのバットレス材料を組織接触表面に保持するように構成され、外科手術バットレスは、複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されている。
【0013】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術ステープラーと一緒に使用するためのエンドエフェクタアセンブリであって、該エンドエフェクタアセンブリは、
組織接触表面を有するステープルカートリッジアセンブリと、
組織接触表面を有するアンビルアセンブリと、
該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つの該組織接触表面の少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされた外科手術バットレスと、
複数の取り付けパッドであって、該複数の取り付けパッドは、少なくとも1つの該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの該組織接触表面のうちの少なくとも1つに固定され、それぞれのバットレス材料を該組織接触表面に保持するように構成された、複数の取り付けパッドと
を含み、
該外科手術バットレスは、該複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されている、
エンドエフェクタアセンブリ。
(項目2)
上記取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、グリコリド、トリメチレンカーボネート、ラクチド、カプロラクトン、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料から作製される、上記項目に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目3)
上記取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、上記ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの上記組織接触表面のうちの少なくとも1つの凹部の中に置かれている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目4)
上記ステープルカートリッジアセンブリおよび上記アンビルアセンブリは、それを通るナイフ刃の通過を可能にするように構成された、中央の長手方向に延びるスロットを有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目5)
少なくとも1つの取り付けパッドは、上記中央の長手方向に延びるスロットの近くに位置決めされている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目6)
上記ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々は、少なくとも1つの遠位取り付けパッドが、該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々の第1の外側エッジと上記中央の長手方向に延びるスロットの遠位端との間に位置決めされるように、遠位端を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目7)
上記ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々は、少なくとも1つの近位取り付けパッドが、該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの各々の第1の外側エッジと上記中央の長手方向に延びるスロットの近位端との間に位置決めされるように、近位端を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目8)
上記ステープルカートリッジアセンブリ、上記アンビルアセンブリ、および上記外科手術バットレスは、実質的に環状であり、該環状のバットレスは、内側部分と、外側部分と、該内側部分と該外側部分との間に延びる中間部分と、該中間部分に沿って固定された少なくとも1つの取り付けパッドとを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のエンドエフェクタアセンブリ。
(項目9)
外科手術ステープル留め装置と一緒に使用するためのステープルカートリッジであって、該ステープルカートリッジは、
複数のステープル保持スロットを規定する組織接触表面を含むカートリッジ本体と、
該カートリッジ本体の各ステープル保持スロット内に配置されたステープルと、
該カートリッジ本体の該ステープル保持スロットの少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされた外科手術バットレスと、
複数の取り付けパッドであって、該複数の取り付けパッドは、該カートリッジ本体の該組織接触表面に固定され、それぞれのバットレス材料を該組織接触表面に保持するように構成された、複数の取り付けパッドと
を含み、
該外科手術バットレスは、該複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されている、
ステープルカートリッジ。
(項目10)
上記取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、グリコリド、トリメチレンカーボネート、ラクチド、カプロラクトン、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料から作製される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のステープルカートリッジ。
(項目11)
上記カートリッジ本体は、それを通るナイフ刃の通過を可能にするように構成された、中央の長手方向に延びるスロットを有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のステープルカートリッジ。
(項目12)
上記カートリッジ本体の少なくとも1つの取り付けパッドは、上記中央の長手方向に延びるスロットの近くに位置決めされている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のステープルカートリッジ。
(項目13)
上記ステープルカートリッジは、少なくとも1つの遠位取り付けパッドが、該ステープルカートリッジの第1の外側エッジと上記中央の長手方向に延びるスロットの遠位端との間に位置決めされるように、遠位端を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のステープルカートリッジ。
(項目14)
上記ステープルカートリッジは、少なくとも1つの近位取り付けパッドが、該ステープルカートリッジの第1の外側エッジと上記中央の長手方向に延びるスロットの近位端との間に位置決めされるように、近位端を有する、上記項目のうちのいずれか1項に記載のステープルカートリッジ。
(項目15)
上記ステープルカートリッジ、および上記外科手術バットレスは、実質的に環状であり、該環状の外科手術バットレスは、内側部分と、外側部分と、該内側部分と該外側部分との間に延びる中間部分と、該中間部分に沿って固定された少なくとも1つの取り付けパッドとを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のステープルカートリッジ。
(項目16)
外科手術ステープル留め装置であって、該外科手術ステープル留め装置は、
ハウジングと、
該ハウジングに固定されたエンドエフェクタと、組織接触表面を有するステープルカートリッジアセンブリと、組織接触表面を有するアンビルアセンブリと、
該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つの該組織接触表面の少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされた外科手術バットレスと、
複数の取り付けパッドであって、該複数の取り付けパッドは、少なくとも1つの該ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの該組織接触表面のうちの少なくとも1つに固定され、それぞれのバットレス材料を該組織接触表面に保持するように構成された、複数の取り付けパッドと
を含み、
該外科手術バットレスは、該複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されている、
外科手術ステープル留め装置。
(項目17)
上記複数の取り付けパッドは、上記ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの上記組織接触表面のうちの少なくとも1つに沿って、凹部内に配置されている、上記項目のうちのいずれか1項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目18)
上記取り付けパッドのうちの少なくとも1つは、グリコリド、トリメチレンカーボネート、ラクチド、カプロラクトン、およびそれらの組み合わせを含む群から選択される材料から作製される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目19)
上記外科手術バットレスは、上記複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接されている、上記項目のうちのいずれか1項に記載の外科手術ステープル留め装置。
【0014】
(摘要)
外科手術ステープラーと一緒に使用するためのエンドエフェクタアセンブリであって、エンドエフェクタアセンブリは、組織接触表面を有するステープルカートリッジアセンブリと、組織接触表面を有するアンビルアセンブリとを含む。外科手術バットレスは、ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つの組織接触表面の少なくとも一部分に実質的に重なるような構成および寸法にされる。複数の取り付けパッドは、少なくとも1つのステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの組織接触表面のうちの少なくとも1つに固定され、それぞれのバットレス材料を組織接触表面に保持するように構成され、外科手術バットレスは、複数の取り付けパッドの各々に超音波溶接される。
【0015】
本開示の相互係止バットレス保持システムの種々の実施形態は、図面を参照して本明細書中に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本開示の実施形態に従う、外科手術ステープル留め装置の斜視図である。
図2図2は、図1の外科手術ステープル留め装置のステープルカートリッジアセンブリの、部品が分離された状態の斜視図であり、それに付随する外科手術バットレスを例示している。
図3図3は、図1の外科手術ステープル留め装置のアンビルアセンブリの、部品が分離された状態の斜視図であり、それに付随する外科手術バットレスを例示している。
図4図4は、ステープルカートリッジアセンブリの斜視図であり、ステープルカートリッジに付着された外科手術バットレスを例示している。
図5図5は、アンビルアセンブリの斜視図であり、アンビルプレートに付着された外科手術バットレスを例示している。
図6図6は、図1の外科手術ステープル留め装置の遠位端の斜視図であり、使用において、組織セクションの周りに位置決めされることが示されている。
図7図7は、図6の7−7を通して見た断面図である。
図8図8は、図6の、ステープル留めされ、分割された組織セクションの斜視図である。
図9A図9Aは、本開示の別の実施形態に従う、外科手術ステープル留め装置の例示的実施形態の斜視図である。
図9B図9Bは、図9Aの外科手術ステープル留め装置の、部分的に切り取られた側面立面図である。
図10A図10Aは、本開示の実施形態に従う、外科手術バットレスを含む、図9Aの外科手術ステープル留め装置の外科手術ステープルカートリッジアセンブリの例示的実施形態の斜視図である。
図10B図10Bは、図10Aに例示されたステープルカートリッジアセンブリおよび外科手術バットレスの上面平面図である。
図11図11は、患者の腸の領域の斜視図であり、図9A図9B、および図10の外科手術ステープル留め装置のアンビルロッドおよびステープルカートリッジアセンブリを、腸の領域内に位置決めする方法を例示している。
図12図12は、図11の腸の領域の概略的な斜視図であり、外科手術ステープル留め装置に取り付けられたアンビルロッドを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の種々の例示的な実施形態は、外科手術ステープル留め装置と一緒に使用するためのバットレスに関して本明細書中で下に議論される。本明細書中に記載されるバットレスは、創傷組織の縁を、少なくとも1つの外科手術バットレスを含む外科手術ステープル留め装置のステープルカートリッジとアンビルプレートとの間で寄せることによって、創傷を密封することにおいて使用され得る。少なくとも1つの外科手術バットレスは、少なくとも1つの取り付けパッドによって、外科手術ステープル留め装置に接合される。取り付けパッドは、外科手術バットレスと同じ材料から作製され、ステープルカートリッジおよびアンビルプレートの各々の組織接触表面と少なくとも1つの外科手術バットレスとの間に位置決めされる。外科手術ステープル留め装置の発射は、少なくとも1つのステープルのレッグを、ステープルカートリッジにおける開口部、組織、アンビルプレート上の凹部の中へ通過させ、外科手術バットレスを組織に固定し、隣接する組織を互いに固定し、組織を密封する。ステープルの発射力は、取り付けパッドに影響を与えて壊し、それにより、外科手術バットレスを織接触表面から解放する。従って、本開示は、外科手術バットレス、上記外科手術バットレスを支持する外科手術ステープル留め装置、ならびにそれらを用いるための方法およびメカニズムを記載する。
【0018】
多様な外科手術ステープル留め装置が、本開示の外科手術バットレスと一緒に利用され得ることが理解されるべきである。例えば、線形のステープラーの構成が利用され得る(例えば、555 Long Wharf Drive,North Haven,CT 06511において主要な事務所を維持するCovidienから入手可能であるTri−StapleTM技術を用いたDuet TRSTMリロードおよびステープラー、ならびに横断吻合ステープラー(例えば、またCovidienから入手可能なEEATM、CEEATM、GIATM、EndoGIATM、およびTATMなど)などが挙げられる)。また、本開示の原理は、代替の構成を有する外科手術ステープラーに等しく適用可能であることが認識されるべきである(例えば、環状のカートリッジおよびアンビルを有する端端吻合ステープラー(例えば、発明の名称「Surgical Fastener Applying Apparatus」の共有に係る米国特許第5,915,616号を参照のこと。その内容全体は、本明細書中でこの参考として援用される);腹腔鏡ステープラー(例えば、それぞれ発明の名称「Surgical Stapling Apparatus」の共有に係る米国特許第6,330,965号および同第6,241,139号を参照のこと。そのそれぞれの内容全体は、本明細書中でこの参考として援用される);ならびに、横断吻合ステープラー(例えば、それぞれ発明の名称「Surgical Fastener Applying Apparatus」の共有に係る米国特許第5,964,394号および同第7,334,717号を参照のこと。そのそれぞれの内容全体は、本明細書中でこの参考として援用される)など)。
【0019】
本開示の外科手術バットレスおよび外科手術ステープル留め装置の実施形態は、次に、類似の参照番号が同様または同一の要素を識別する図面を参照して詳細に記載される。以下の議論において、用語「近位」および「トレーリング」は、交換可能に用いられ得、適切な使用の間、臨床医により近い構造の一部分を指していると理解されるべきである。用語「遠位」および「リーディング」はまた、交換可能に用いられ得、適切な使用の間、臨床医からより遠い構造の一部分を指していると理解されるべきである。本明細書中で用いられる場合、用語「患者」は、ヒト被験体または他の動物を指していると理解されるべきであり、用語「臨床医」は、医師、看護師、または他の世話をする人を指していると理解されるべきであり、援助要員を含み得る。
【0020】
次に図1を参照すると、組織をステープル留めし、バットレス材料または、外科手術バットレスを組織に適用することにおいて使用するための例示的な外科手術ステープル留め装置または外科手術ステープラー10が開示される。このタイプの外科手術ステープル留め機器の例は、米国特許第7,128,253号に開示され、その開示全体は、本明細書中で参考として援用される。
【0021】
外科手術ステープル留め装置10は、一般に、ハンドル12から遠位方向に延びる細長い管状部材14を有するハンドル12を含む。エンドエフェクタアセンブリ16は、細長い管状部材14の遠位端18に取り付けられる。エンドエフェクタアセンブリ16は、その中にステープルカートリッジ32を受け取るように構成された第1の顎またはステープルカートリッジアセンブリ200と、第2の顎またはアンビルアセンブリ300とを含む。エンドエフェクタアセンブリ16は、細長い管状部材14に永久的に付着され得るか、または着脱可能であることによって、新しいエンドエフェクタアセンブリ16と置換可能であり得る。ステープルカートリッジは、取り外し可能および置換可能であり得ることも企図される。ステープルカートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300のうちの1つは、エンドエフェクタアセンブリ16の遠位端18に移動可能に取り付けられ、互いに離して間隔を空けられた開口した位置と互いに実質的に隣接した閉鎖した位置との間を移動可能である。アンビルアセンブリ300は、アンビルプレート302を支持し、金属材料(ステンレス鋼、チタン、チタン合金などが挙げられ、これらに限定されない)から製作される。ステープルカートリッジ32の少なくとも組織接触表面は、金属以外の材料(プラスチック、熱可塑性物質、樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられ、これらに限定されない)から製作される。
【0022】
外科手術ステープル留め装置10は、図1に示されるように、ハンドル12に移動可能に取り付けられたトリガー33をさらに含む。トリガー33の起動は、第1の顎および第2の顎を、開口した位置と閉鎖した位置との間で移動させるように初めは作動し、同時に、外科手術ステープル留め装置10を起動してステープルの線を組織に適用する。ステープル留めされるべき組織に対してエンドエフェクタアセンブリ16を適切に配向させるために、外科手術ステープル留め装置10は、ハンドル12に取り付けられた回転ノブ34をさらに備える。ハンドル12に対する回転ノブ34の回転は、ステープル留めされるべき組織に対してエンドエフェクタアセンブリ16を適切に配向させるために、ハンドル12に対して細長い管状部材14およびエンドエフェクタアセンブリ16を回転させる。
【0023】
図6および図7に見られるように、ドライバー36は、第1の顎またはステープルカートリッジアセンブリ200および第2の顎またはアンビルアセンブリ300を開口した位置から閉鎖した位置まで寄せて移動させるために提供される。ドライバー36は、アンビルアセンブリ300のアンビルプレート302の中に形成された長手方向スロット338(図3)を通って移動する。ナイフ刃31を有するナイフ30は、ドライバー36に付随して、ドライバー36がスロット338通過するときに、ステープルカートリッジアセンブリ200とアンビルアセンブリ300との間に捕捉された組織を切断する。
【0024】
例示的な外科手術ステープル留め装置10の構築および作動の詳細な議論について、上で参照された共有に係る米国特許第5,915,616号、同第6,330,965号、および同第6,241,139号が参照され得る。
【0025】
ステープルカートリッジアセンブリ200および/またはアンビルアセンブリ300は、外科手術バットレス500を備え得る。外科手術バットレス500は、外科手術ステープル留め装置10によって組織に適用されるステープルの線を強化するため、および密封するために提供される。外科手術バットレス500は、任意の外科手術ステープル留め、締付け、または発射の装置に適合させるために適した任意の形状、サイズ、または寸法に構成され得る。
【0026】
より詳細に以下に記載される様式で、ステープルカートリッジアセンブリ200は、カートリッジバットレス500aを備え、アンビルアセンブリ300は、アンビルバットレス500bを備える。バットレス500a、500bは、任意の生体適合性の天然または合成の材料から作製され得る。バットレス500a、500bが形成される材料は、生体吸収性または非生体吸収性であり得る。天然材料、合成材料、生体吸収性材料、および非生体吸収性材料の任意の組み合わせが、バットレス材料を形成するために使用され得ることが理解されるべきである。バットレス500a、500bは、多孔層または非多孔層、多孔層および非多孔層の組み合わせであり得る。非多孔バットレス500a、500bは、周囲の組織からの組織の内方成長を遅らせるか、または防止し、それにより、接着バリアとして働き、望まれない瘢痕組織の形成を防止するように利用され得る。
【0027】
本明細書中に開示される外科手術ステープル留めデバイスと一緒に使用するための外科手術バットレス500a、500bのためのさらなる例示的な材料は、同一人に譲渡された米国特許第5,542,594号;同第5,908,427号;同第5,964,774号;および同第6,045,560号、ならびに2006年4月20日に出願された、同一人に譲渡された米国出願公開第2006/0085034号、および2006年6月22日に出願された、同第2006/0135992号に明記され、それらの各々の内容全体は、本明細書中で参考として援用される。
【0028】
本実施形態に例示されるように、ならびに図2および図3に示されるように、外科手術バットレス500は、下に詳細に議論されるように、外科手術バットレス500a、500bをステープルカートリッジ32および/またはアンビルプレート302の内側に向いた表面または組織接触表面220、320に付着させる有利に位置決めされた取り付けパッド240、340によって、ステープルカートリッジアセンブリ200および/またはアンビルアセンブリ300に解放可能に取り付けられる。取り付けパッド240、340は、外科手術バットレス500a、500bと同じ分解性ポリマーから作製される。取り付けパッド240、340および外科手術バットレス500a、500bを同じ材料から構成することは、取り付けパッド240、340および外科手術バットレス500a、500bが、同じ融解温度および化学特性を有するので、より容易な結合を可能にする。
【0029】
図2を参照すると、ステープルカートリッジアセンブリ200のカートリッジバットレス500aは、組織接触表面220の近位端260と遠位端262との両方の上に位置決めされた少なくとも1つの取り付けパッド240によって、ステープルカートリッジ32の組織接触表面220に作動可能に固定されるか、または、接着される。取り付けパッド240は、カートリッジバットレス500aと組織接触表面220との間に配置される。ステープルカートリッジアセンブリ200は、第1の外側エッジ248aと第2の外側エッジ248bとをさらに含む。図2に示されるように、遠位取り付けパッド240aは、第1の外側エッジ248aと、ステープルカートリッジアセンブリ200の中央長手方向スロット238の遠位端との間に配置される。同様に、遠位取り付けパッド240aは、第2の外側エッジ248bと中央長手方向スロット238の遠位端との間に配置される。近位取り付けゾーン240bは、第1の外側エッジ248aと中央長手方向スロット238の近位端との間、および第2の外側エッジ248bと中央長手方向スロット238の近位端との間に配置される。この実施形態において、中央取り付けパッド240cは、組織接触表面220の近位端260と遠位端262との間で、第1の外側エッジ248aと央長手方向スロット238との間、および第2の外側エッジ248bと中央長手方向スロット238との間に配置される。複数の取り付けパッド240が組織接触表面220に沿って、様々な位置に配置される他の実施形態が企図される。
【0030】
図3を参照すると、カートリッジバットレス500aと同様に、アンビルバットレス500bは、組織接触表面320の近位端360および遠位端362の両方の上に位置決めされた少なくとも1つの取り付けパッド340によって、アンビルアセンブリ300のアンビルプレート302の組織接触表面320に作動可能に固定または接着される。遠位取り付けパッド340aは、外側エッジ348a、348bと、中央長手方向スロット338の遠位端との間に配置される。近位取り付けパッド340bは、外側エッジ348a、348bと中央長手方向スロット338の近位端との間に配置される。さらに、中央取り付けゾーン340cは、近位端360と遠位端362との間で、外側エッジ348a、348bと中央長手方向スロット338との間に位置決めされる。
【0031】
取り付けパッドは、円形、長円形、長方形であり得るか、または任意の形状を有し得、本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものにおいて、エンドエフェクタアセンブリの組織接触表面のうちの少なくとも1つの上に提供され得る。
【0032】
実施形態において、取り付けパッド240、340が、オーバー成形、射出成形によって、またはそれぞれの組織接触表面220、320に予備成形された部品をスナップばめし、固定することによって、ステープル保持ポケット52およびステープル形成ポケット68の中に配置されることが企図される。図4および図5は、ステープルカートリッジ32およびアンビルプレート302に配置されたバットレス500a、500bをそれぞれ例示する。図4に示されるように、取り付けパッド240は、ステープルカートリッジ200の組織接触表面220に沿って、選択的に位置決めされたステープル保持ポケット52内に配置され得る。同様に、図5に示されるように、取り付けパッド340は、アンビルプレート302の組織接触表面320に沿って、ステープル形成ポケット68内に配置される。
【0033】
組み立て中、バットレス500a、500bは、ステープルカートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300の組織接触表面220、320の各々の上にそれぞれ置かれる。超音波溶接は、バットレス500a、500bをそれぞれの取り付けパッド240、340に結合し、従って、それぞれの組織接触表面220、320に結合するために使用される。他の結合方法(例えば、レーザー溶接、溶剤結合、または熱圧)も想定される。上に記載されるように、バットレス500a、500bは、取り付けパッド240、340と同じ材料から作製されるので、バットレスと取り付けパッド240、340との間の結合力および解放力は、組織操作中およびステープラー位置決め中にバットレス材料が組織接触表面220、320に固定されたままであるように釣り合っている。本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものにおいて、取り付けゾーンまたはパッドが、アンビルプレートの長手方向スロット、ステープルカートリッジ32の長手方向スロット、または両方に配置され得ることも企図される。
【0034】
図6に例示されるように、外科手術ステープル留め装置10の使用中、その上に充填された外科手術バットレス500a、500b(上に記載されるように)を有する、第1の顎またはステープルカートリッジアセンブリ200、および第2の顎またはアンビルアセンブリ300は、外科手術部位のいずれかの側面に位置決めされる。ステープルカートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300の組織接触表面220、320は、互いに締付けられるべき組織「T」の層に隣接して位置決めされる。
【0035】
図7に示されるように、ステープルカートリッジアセンブリ200は、ステープルカートリッジ32の個々のステープル保持スロット52内に位置決めされた外科手術ステープル50を含む。ステープル50は、従来のタイプのものであり、バックスパン54から延びる1対のレッグ56および58を有するバックスパン54を含む。レッグ56および58は、組織貫通先端60および62においてそれぞれ終端する。プッシャー64は、ステープル保持スロット52内に位置し、ステープル50とウェッジ形状のそり66の経路との間に位置決めされる。
【0036】
例示された実施形態において、外科手術ステープル留め装置10は、ハンドル12(図1)に対するトリガー33の移動によって最初に起動され、ドライバー36を矢印「A」(図6)の方向に、アンビルプレート302の傾斜したエッジ21に対して移動させ、それによりアンビルアセンブリ300をステープルカートリッジアセンブリ200に対して閉鎖した位置に移動させる。駆動バー36がステープルカートリッジ32内を遠位方向に前進すると、駆動バー36は、ウェッジ形状のそり66と相互作用して、ステープル50のバックスパン54に対して上方方向にプッシャー64を促し、ステープル50のレッグ56および58を、カートリッジバットレス500a、組織「T」、およびアンビルバットレス500bを通して、アンビルアセンブリ300のアンビルプレート302中のステープル形成ポケットまたは凹部68に向かって駆動する。ステープルレッグ56および58の組織貫通先端60および62は、バックスパン54が組織「T」に対して外科手術バットレス500を固定した状態で、アンビルプレート302中のステープル形成ポケット68内で曲げられる。
【0037】
図7における実施形態に示されるように、取り付けゾーン240、340は、ステープルカートリッジ32およびアンビルプレート302のそれぞれの組織接触表面220、320とカートリッジバットレス500aおよびアンビルバットレス500bとの間にそれぞれ置かれる。発射後にエンドエフェクタアセンブリ16を開口することは、カートリッジバットレス500aと取り付けゾーン240との間の結合を解放し、それにより、カートリッジバットレス500aをステープルカートリッジ32の組織接触表面220から解放する。同様に、アンビルバットレス500bと取り付けゾーン340との間の結合は壊され、アンビルバットレス500bは、アンビルプレート302の組織接触表面320から解放される。上に記載されるように、バットレス500a、500bは、同じ材料から作製されるので、外科手術バットレス500a、500bとステープルカートリッジ32およびアンビルプレート302との間の結合の解放の際に、任意の非分解性材料をステープルカートリッジ32またはアンビルプレート302のいずれかから身体の中に移動させる、より少ないリスクが存在する。本明細書中で開示される実施形態のうちの任意のものにおいて、バットレスが取り付けゾーンまたはパッドと異なる材料から作製され得、生分解性、生体吸収性、生体再吸収性、または非生体吸収性であり得ることも企図される。生分解性材料、生体吸収性材料、生体再吸収性材料、または移植可能材料で作製される取り付けパッドまたはゾーンが好ましい。本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものにおいて、バットレス、取り付けパッドもしくはゾーン、または両方は、水、血液などへの曝露に応答して、身体の中ですばやく分解し、バットレスが機器から分離されることを可能にする材料から作製され得る。デンプン、糖、または塩が使用され得る。
【0038】
本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものにおいて、バットレスおよび取り付けパッドまたはゾーンは、同じかまたは同様の材料へのバットレスの容易な溶接を可能にするために、同じかまたは同様の材料から作製されることが企図される。パッドまたはゾーンに同じかまたは同様の材料を用いることには、バットレス着脱中にパッドまたはカートリッジから外れ得る外来非分解性材料が身体に入る懸念を避ける意図がある。
【0039】
外科手術ステープル留め装置10の完全な起動の際に、外科手術ステープル留め装置10に付随し、ドライバー36によって運ばれるナイフ30(図7)は、そのとき形成されたステープル50の列の間の組織「T」ならびに外科手術バットレス500a、500bを切断するために利用され得る。アンビルアセンブリ300の、ステープルカートリッジアセンブリ200から離して間隔が空けられた開口した位置への移動の際に、バットレス500a、500bは、それぞれのステープルカートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300のそれぞれの組織接触表面220、320から引っ張られて離される。
【0040】
ステープル50でステープル留めして閉鎖され、分割された、結果として生じる組織「T」が、図8に例示される。特に、外科手術バットレス500a、500bは、ステープル50のレッグ56、58およびバックスパン54によって組織「T」に対して固定される。従って、外科手術バットレス500a、500bは、組織「T」に対してステープル留めされ、それにより、ステープル50によって作り出されるステープルの線を密閉し、強化する。
【0041】
次に図9Aおよび図9Bを参照すると、本開示の外科手術バットレス124と一緒に使用するための輪状の外科手術ステープル留め装置110が示される。外科手術ステープル留め装置110は、少なくとも1つの旋回可能な起動ハンドル部材133、および前進部材135を有するハンドルアセンブリ112を含む。ハンドル部材112から延びている、その長さに沿って湾曲した形状を有するように構築され得る管状本体部分114が提供される。本体部分114は、ステープル保持スロット152の各々に配置されたステープル150を有するステープル保持スロット152の1対の輪状の並びを含むステープルカートリッジアセンブリ122において終端する。ステープルカートリッジ122の遠位に位置決めされた、アンビル部材121と、アンビルアセンブリ120をステープル留め装置110の遠位端部分に取り外し可能に接続するための、アンビル部材121に作動可能に付随するシャフト123とを含むアンビルアセンブリ120が提供される。
【0042】
ステープルカートリッジアセンブリ122は、管状本体部分114の遠位端に固定して接続され得るか、または管状本体部分114の遠位端内に同心に嵌まるように構成され得る。ステープルカートリッジアセンブリ122は、ほぼ円錐台の形状を有する近位部分と、周方向に間隔が空けられたフィンガー(示されない)の2つの同心リングを規定する遠位部分とを含むステープルプッシャー164を含み、そのフィンガーの各々は、それぞれのステープル保持スロット152内に受け取られる。
【0043】
ナイフ130は、実質的に開いた杯の形態であり、そのリムがナイフ刃131を規定し、ステープルカートリッジアセンブリ122内に配置され、ステープルプッシャー164の遠位表面に取り付けられる。ナイフ130は、ステープル150の1対の輪状の並びの、半径方向に内方に配置される。従って、使用において、ステープルプッシャー164が前進すると、ナイフ130も軸方向に遠位方向に前進する。
【0044】
図10Aに見られるように、外科手術バットレス124は、外科手術バットレス124とステープルカートリッジアセンブリ122の組織接触表面134との間に配置された取り付けパッド140において、ステープルカートリッジアセンブリ122に解放可能に取り付けられる。本明細書中で上に記載されるように、取り付けパッド140は、外科手術バットレス124を組織接触表面134に結合させる。外科手術バットレス124は、輪状の構成で提供され、それを通してアンビルアセンブリ120のシャフト123を受け取るために中央アパーチャ125を含む。
【0045】
外科手術バットレス124は、さらに、または代替的に、ステープルカートリッジアセンブリ122に取り付けられる外科手術バットレス124と同様の様式で、アンビルプレート121の組織接触表面に取り付けられ得るか、または接着され得ることが想定される。
【0046】
図10Bに示されるように、外科手術バットレス124は、外科手術バットレス124の内側部分または周縁エッジ160、および外側部分または周縁エッジ162に沿って、ステープルカートリッジ122に固定され得るか、または接着され得る。外科手術バットレス124をステープルカートリッジアセンブリ122に保持するために他の構成(例えば、ステープルカートリッジ32に関して議論されたように取り付けパッド140をステープル保持スロット内に配置すること、またはステープル保持スロット152間で取り付けゾーン140を交換すること、または当業者の知識の範囲内である他の構成の中で)が利用され得ることが想定される。
【0047】
外科手術ステープル留め装置110および着脱可能なアンビルアセンブリ120は、腸のセクション50と52とを接合することを達成するための吻合手順において使用される。吻合手順は、代表的に、最小限に侵襲性の外科手術技術(腹腔鏡の手段および機器が挙げられる)を用いて実施される。図11に示される手順の時点において、病的な腸のセクションは予め取り除かれており、アンビルアセンブリ120(必要に応じて、その上に外科手術バットレス124を含む)は、外科手術切開を介してか、または経肛門のいずれかで手術部位に適用され、腸のセクション52内に位置決めされ、外科手術ステープル留め装置110(必要に応じて、その上に外科手術バットレス124を含む)の管状本体部分114が、腸のセクション50に経肛門挿入されている。図12に例示されるように、従来の手段(例えば、巾着縫合「P」)によって、それらのそれぞれの構成要素(例えば、アンビルアセンブリ120のシャフト123、および管状本体部分114の遠位端)の周りに一時的に固定された腸のセクション50および52も示される。
【0048】
その後、臨床医は、シャフト123の近位端が外科手術ステープル留め装置110の管状本体部分114の遠位端に挿入されるまでアンビルアセンブリ120を操り、管状本体部分114の遠位端内の取り付け構造(示されない)が、取り付けを達成するためにシャフト123を係合する。アンビルアセンブリ120および管状本体部分114は次に、腸のセクション50、52を寄せるために寄せられる。外科手術ステープル留め装置110は次に発射される。ナイフ(示されない)は、ナイフの半径方向に内方に配置された組織および外科手術バットレス124の部分を切断して、吻合を完了する。外科手術バットレス124が腸のセクション50および52にステープル留めされた状態で、アンビルアセンブリ120およびステープルカートリッジアセンブリ122の開口する力は、取り付けパッド140において外科手術バットレス124を解放させ、それにより、組織接触表面134から外科手術バットレス124を解放する。
【0049】
本明細書中に具体的に記載され、添付の図面に例示されるデバイスおよび方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、ならびに記載、開示、および図面が、特定の実施形態の単なる例示であると解釈されるべきであることを当業者は理解する。例えば、外科手術機器が、本明細書中に開示された実施形態のうちの任意のものにおいて、手動で、またはモータの動力を備え得ることが企図される。従って、本開示は、記載される正確な実施形態に限定されないこと、ならびに種々の他の変化および改変が、本開示の範囲または趣旨から外れることなく、当業者によって達成され得ることが理解されるべきである。さらに、1つの例示的な実施形態に関して例示されるか、または記載される要素および特徴が、本開示の範囲から外れることなく、別の例示的な実施形態の要素および特徴に組み合わせられ得ること、ならびにそのような改変およびバリエーションがまた、本開示の範囲に含まれることが意図されることが想定される。従って、本開示の主題は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、特に示され、記載されたことによって限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0050】
10 外科手術ステープラー
16 エンドエフェクタアセンブリ
120、300 アンビルアセンブリ
124、500a、500b バットレス
134、220、320 組織接触表面
140、240、340 取り付けパッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12