特許第6362414号(P6362414)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6362414
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】電流センサおよび測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/18 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
   G01R15/18 D
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-105853(P2014-105853)
(22)【出願日】2014年5月22日
(65)【公開番号】特開2015-222182(P2015-222182A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】山岸 君彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 健太
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第02154806(GB,A)
【文献】 特開平06−325945(JP,A)
【文献】 特開2000−058357(JP,A)
【文献】 特開平09−269337(JP,A)
【文献】 実開昭63−024819(JP,U)
【文献】 米国特許第07050602(US,B2)
【文献】 特開平06−089806(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0257061(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2589827(EP,A1)
【文献】 特開2000−131343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコア部が連結されて環状に構成されると共に測定対象導体が内部に挿通される環状コア、および予め規定されたターン数でn個(nは2以上の整数)ずつ前記複数のコア部のそれぞれに巻回された複数の巻線を備え、
前記複数のコア部に巻回されているすべての前記巻線は、同じ当該コア部に巻回されている巻線同士が他の当該コア部に巻回されている巻線を介在させた状態で直列に接続されている電流センサ。
【請求項2】
前記すべての巻線は、前記各コア部に巻回されている前記n個の巻線のうちの前記環状コアの周方向に沿った同じ一方の側からj(jは1以上n以下の各整数)番目の当該巻線同士が直列接続されてn個の直列巻線に構成され、
前記n個の直列巻線は、全体として直列に接続されている請求項1記載の電流センサ。
【請求項3】
請求項1または2記載の電流センサであって前記測定対象導体に流れる交流電流の電流値に応じて電流値が変化する検出電流を出力する電流センサを備えている測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象導体に流れる交流電流の電流値に応じて電流値が変化する検出電流を出力する電流センサ、この電流センサを備えた測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の電流センサとして、下記の特許文献1に開示されている電流センサ(CT:カレントトランス)が知られている。図7に示すように、この電流センサ51は、半円状の一側大径コア片部52aの内側に半円状の一側小径コア片部52bを配置することによって全体としても半円状に形成された一方のコア部52と、半円状の他側大径コア片部53aの内側に半円状の他側小径コア片部53bを配置することによって全体としても半円状に形成された他方のコア部53と、巻線54とを備えている。この電流センサ51では、一方のコア部52と他方のコア部53とが連結されることにより、測定対象導体61が内部に挿通される環状コアRCが形成される。また、巻線54は、一方のコア部52に巻回された巻線54aと、他方のコア部53に巻回された巻線54bとに分割されると共に、この2つの巻線54a,54bが直列に接続されて構成されている。なお、この種の通常の電流センサ(環状コアに巻線が巻回されて構成された電流センサ)では、環状コアRCを構成する各コア部(上記の電流センサ51での各コア部52,53)は、それぞれ1つのコア材で構成されている。
【0003】
この電流センサ51では、各コア部52,53で構成される環状コアの内部に挿通された測定対象導体61に流れる交流電流Iの電流値に応じて電流値が変化する検出電流Idが巻線54から出力される。このため、この電流センサ51によれば、この検出電流Idを電流電圧変換部55で電圧信号Viに変換することにより、この電圧信号Viに基づいて、交流電流Iの電流値を測定することが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−57294号公報(第7−8頁、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の電流センサでは、その感度の周波数帯域は、巻線のインダクタンス値Lと巻線の寄生容量(線間容量)の容量値Cとで規定される共振周波数(f=1/2π√(L・C))で上限側(高周波側)が制限される。具体的には、上記の電流センサ51のように複数のコア部(上記の例では2つコア部52,53)を連結することによって環状コアが形成され、かつ各コア部に巻線が分割して巻回されている構成の電流センサでは、各コア部の接合部位(図7では符号Xで示す部位)での磁気抵抗がコア部自体の磁気抵抗と比較して大きいことから(接合部位Xの存在に起因して各コア部が磁気結合の弱い状態で連結される構成となることから)、各コア部52,53に巻回されている巻線54a,54bのそれぞれの等価回路は、各巻線54a,54bのインダクタンス値をそれぞれL1とし、各巻線54a,54bの寄生容量の容量値をそれぞれC1としたときに、インダクタンス値L1のコイルとこのコイルに並列に接続された容量値C1のコンデンサとで構成されるLC回路で表される。
【0006】
したがって、各巻線54a,54bが直列接続されて構成される巻線54全体の等価回路は、上記のLC回路がコア部の数分だけ(各コア部に分割して巻回された巻線の数分だけ)直列に接続された構成となる。このため、この電流センサ51についての感度の周波数特性は、図8に示すように、1つのコア部に巻回されている巻線のインダクタンス値L1とこの巻線の寄生容量の容量値C1とで規定される共振周波数(f1=1/2π√(L1・C1))で上限側が制限される。つまり、この電流センサ51では、周波数f1までの交流電流Iを測定することが可能になっている。
【0007】
しかしながら、測定対象導体61に流れる交流電流Iの高周波化に伴い、より高い周波数の交流電流Iについても測定したいという要請がある。この場合、電流センサの簡単な構成の変更により、この要請に対応し得るのが好ましい。
【0008】
本発明は、かかる要請に鑑みてなされたものであり、簡単な構成の変更により、より高い周波数の交流電流を検出し得る電流センサを提供することを主目的とする。また、この電流センサを備えた測定装置を提供することを他の主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、請求項1記載の電流センサは、複数のコア部が連結されて環状に構成されると共に測定対象導体が内部に挿通される環状コア、および予め規定されたターン数でn個(nは2以上の整数)ずつ前記複数のコア部のそれぞれに巻回された複数の巻線を備え、前記複数のコア部に巻回されているすべての前記巻線は、同じ当該コア部に巻回されている巻線同士が他の当該コア部に巻回されている巻線を介在させた状態で直列に接続されている。
【0010】
請求項2記載の電流センサは、請求項1記載の電流センサにおいて、前記すべての巻線は、前記各コア部に巻回されている前記n個の巻線のうちの前記環状コアの周方向に沿った同じ一方の側からj(jは1以上n以下の各整数)番目の当該巻線同士が直列接続されてn個の直列巻線に構成され、前記n個の直列巻線は、全体として直列に接続されている。
【0011】
請求項3記載の測定装置は、請求項1または2記載の電流センサであって前記測定対象導体に流れる交流電流の電流値に応じて電流値が変化する検出電流を出力する電流センサを備えている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の電流センサによれば、各コア部にn個ずつ巻線を巻回し、各コア部に巻回されているすべての巻線を、同じコア部に巻回されている巻線同士が他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で直列に接続するという極めて簡単な構成の変更により、コイルとコンデンサとが並列接続された等価回路で表される各巻線についてのこのコイルのインダクタンス値とコンデンサの容量値とをそれぞれ小さくすることができることから、検出感度を維持したままで、この感度の周波数帯域の上限周波数を規定する各巻線についての等価回路の共振周波数を、同じコア部に巻回されている巻線が直接接続されて直列に接続される従来の構成のときの感度の周波数帯域の上限周波数よりも高くすることができ、これによって感度の周波数帯域を高域側に広げることができる。
【0013】
また、請求項2記載の電流センサによれば、各コア部に巻回されているn個の巻線のうちの環状コアの周方向に沿った同じ一方の側からj番目の巻線同士が直列接続されてn個の直列巻線に構成され、さらにこのn個の直列巻線が全体として直列に接続されるという分かり易い手順(理解し易い規則性を持った手順)での製造が可能な構成のため、この製造のための手順を容易に把握することができる。
【0014】
請求項3記載の測定装置によれば、感度の周波数帯域が高域側に広がった電流センサを備えたことにより、より高い周波数の交流電流についても、その電流値を正確に測定することができると共に、この測定した電流値に基づいて、測定対象導体についてのより高い周波数の物理量についても正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電流センサ1の構成を示す構成図である。
図2】電流センサ1、電流センサ1を備えた電流測定装置21、並びに電流測定装置21および電圧測定装置41を備えた電力測定装置31の各構成を示す構成図である。
図3】電流センサ1Aの構成を示す平面図である。
図4】電流センサ1Aの構成を示す構成図である。
図5】電流センサ1Bの構成を示す平面図である。
図6】電流センサ1Bの構成を示す構成図である。
図7】電流センサ51の構成を示す構成図である。
図8】電流センサ1および電流センサ51の感度についての周波数特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、電流センサおよび測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0017】
まず、図1,2を参照して、電流センサの一例としての電流センサ1の構成について説明する。電流センサ1は、複数(2個、3個、4個などのm個)のコア部(本例では一例として、2個のコア部2,3)が連結されて環状に構成されると共に内部に測定対象導体61が挿通される環状コアRC、および複数のコア部(本例ではコア部2,3)のそれぞれに、各コア部の長さ方向に沿って分離した状態で、n個(nは、2,3,4,・・・などの2以上の整数)ずつ巻回(形成)された複数の巻線(本例では一例として、2個のコア部2,3に3(=n)個ずつ巻回された6(=2×3)個の巻線11a,11b,11c,12a,12b,12c)を備えている。
【0018】
また、すべての巻線11a〜12cは、同じ種類の線材(例えば絶縁被覆電線)を用いて、同じピッチ(例えば密巻き)で、かつ同じターン数(例えば5ターン)ずつ巻回されて形成されている。また、すべての巻線11a〜12cは、コア部2,3が環状コアRCに構成された状態において、環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側が巻き始め端部(図1,2において●を付した端部)となるように巻回されている。また、すべての巻線11a〜12cは、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で(言い換えれば、同じコア部に巻回されている巻線同士が直接接続されない状態で)直列に接続されている。
【0019】
一例として、この電流センサ1では、すべての巻線11a〜12cが、図1に示すように、各コア部2,3にそれぞれ巻回されている3(=n)個の巻線のうちの環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側からj(jは1以上n以下の各整数)番目の巻線同士が直列接続されてn個の直列巻線に構成され、このn個の直列巻線が全体として直列に接続されることにより、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で直列に接続されている。
【0020】
具体的には、図1,2に示すように、コア部2に巻回されている3個の巻線11a,11b,11c、およびコア部3に巻回されている3個の巻線12a,12b,12cのうちの環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側から、1(=j)番目の巻線11a,12a同士が直列に接続され、2(=j)番目の巻線11b,12b同士が直列に接続され、かつ3(=j)番目の巻線11c,12c同士が直列に接続されて、3(=n)個の直列巻線(11a,12a),(11b,12b),(11c,12c)に構成され、さらにこの3(=n)個の直列巻線(11a,12a),(11b,12b),(11c,12c)がこの順で互いに直列に接続されることにより、すべての巻線11a〜12cが、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態(巻線11a,12a,11b,12b,11c,12cの順)で直列に接続されている。
【0021】
なお、上記のように、すべての巻線11a〜12cを、各コア部2,3にそれぞれ巻回されている3(=n)個の巻線のうちの環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側からj番目の巻線同士を直列接続することによって3(=n)個の直列巻線にするという構成は、各コア部2,3に巻回されている3(=n)個の巻線を環状コアRCの周方向に沿った同じ側から順に接続するという分かり易い手順で製造し得る構成のため、製造の容易性の面から最も好ましいが、直列接続する巻線の組み合わせはこれに限定されるものではない。
【0022】
例えば、直列巻線(11a,12b),(11b,12c),(11c,12a)のように組み合わせてもよいし、直列巻線(11a,12c),(11b,12b),(11c,12a)のように組み合わせてもよいなど、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態(コア部に巻回されている巻線同士が直接接続されない状態)であれば、任意に組み合わせることができる。また、1つの直列巻線の組の中で、接続する順番を入れ替えてもよいのは勿論である。例えば、直列巻線(11a,12b)を例に挙げると、図1,2に示す構成に代えて、巻線12b,11aの順に直列接続してもよい(つまり、巻線12bの巻き終わり端部を巻線11aの巻き始め端部に接続することで、直列接続してもよい。 )
【0023】
以上のように構成された電流センサ1(図1,2に示す構成の電流センサ)では、同図に示すように、一対の出力端子CN1,CN2のうちの一方の出力端子CN1(本例では一例として、直列に接続されたすべての巻線11a〜12cのうちの巻線11aの巻き始め端部)が基準電位(例えば、グランドG)に接続され、かつ他方の出力端子CN2(本例では一例として、巻線12cの巻き終わり端部)が電流電圧変換部22(図1では一例として、出力端子CN2と基準電位との間に接続された抵抗)に接続されることにより、環状コアRCの内部に挿通された測定対象導体61に流れる交流電流Iの電流値に応じて電流値が変化する検出電流Idを出力端子CN1,CN2間に出力する。また、このようにして電流センサ1から出力される検出電流Idは、電流電圧変換部22において、検出電流Idの電流値に応じて電圧値が変換する電圧信号Viに変換される。
【0024】
この場合、背景技術で説明した図7に示す電流センサ51と比較して、コア部52,53とコア部2,3の磁気的特性(コア部に使用されている磁性材料、並びに環状コアに連結したときの長さおよび断面積)が同一であり、かつ巻線54a,54b全体のターン数と巻線11a,11b,11c,12a,12b,12c全体のターン数が同一(より具体的には、特性の同じ各コア部に巻回されている巻線54aのターン数が巻線11a,11b,11c全体のターン数と同一で、かつ巻線54bのターン数が巻線12a,12b,12c全体のターン数と同一)であるという条件(つまり、交流電流Iの検出感度が同じという条件)下において、電流センサ1では、電流センサ51よりも巻線の分割数が多いことから、各巻線54a,54bよりもターン数の少ない(つまり、各巻線54a,54bのインダクタンス値L1よりもインダクタンス値L2が小さく、かつ各巻線54a,54bの寄生容量の容量値C1よりも寄生容量の容量値C2が小さい)各巻線11a,11b,11c,12a,12b,12cが、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態(磁気抵抗が大きい接合部位Xを挟んで異なるコア部に巻回されている巻線が直接接続された状態)で直列に接続されている。
【0025】
したがって、電流センサ1の巻線11a〜12c全体の等価回路は、インダクタンス値L2のコイルとこのコイルに並列に接続された容量値C2のコンデンサとで構成されるLC回路が、各コア部2,3に分割して巻回された巻線11a,11b,11c,12a,12b,12cの数分だけ直列に接続された構成となる。このため、この電流センサ1についての感度の周波数特性は、図8に示すように、各巻線11a,11b,11c,12a,12b,12cのインダクタンス値L2(<L1)とこの巻線の寄生容量の容量値C2(<C1)とで規定される共振周波数(f2=1/2π√(L2・C2)>f1)で上限側が制限される。すなわち、電流センサ1は、電流センサ51よりも、より高い周波数の交流電流Iまで検出することが可能(広い周波数帯域の電流センサ)に構成されている。
【0026】
次に、上記の電流センサ1を備えた測定装置の一例としての図2に示す電流測定装置21の構成、および電流測定装置21を備えた測定装置の一例としての図2に示す電力測定装置31の構成について説明する。
【0027】
電力測定装置31は、電流測定装置21および電圧測定装置41を備えて、測定対象導体61に供給されている電力Wの電力値W1を測定する。
【0028】
電流測定装置21は、一方の出力端子CN1が基準電位に接続された電流センサ1と、電流センサ1の出力端子CN1,CN2間から出力される(本例では、他方の出力端子CN2から出力される)検出電流Idを電圧信号Viに変換して出力する電流電圧変換部22と、電圧信号Viに基づいて交流電流Iの電流値I1などを測定する処理部23と、測定された電流値I1を出力する出力部24とを備えている。
【0029】
この場合、電流電圧変換部22は、図1に示すように、出力端子CN2と基準電位との間に接続された抵抗で構成することもできるし、また、図示はしないが、反転入力端子が出力端子CN2に接続され、非反転入力端子が基準電位に接続され、かつ反転入力端子と出力端子との間に電流電圧変換用の抵抗が帰還抵抗として接続された演算増幅器などの任意の回路で構成することができる。
【0030】
処理部23は、例えば、アナログ信号としての電圧信号Viを第1デジタル信号に変換するA/D変換器、アナログ信号としての後述する電圧信号Vvを第2デジタル信号に変換するA/D変換器、および第1デジタル信号に基づいて交流電流Iの電流値I1を算出すると共に第2デジタル信号に基づいて測定対象導体61に印加されている交流電圧Vの電圧値V1を算出し、かつ電流値I1と電圧値V1とに基づいて測定対象導体61に供給されている電力Wの電力値W1を算出するコンピュータを備えて、電流測定装置21の一部の構成要素である電流測定部として機能すると共に、電圧測定装置41の一部の構成要素である電圧測定部、および電力測定装置31の一部の構成要素である電力測定部としても機能する。
【0031】
出力部24は、本例では一例としてLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置で構成されて、処理部23で測定された電流値I1、電圧値V1および電力値W1を画面上に表示する。なお、出力部24は表示装置に限定されず、例えば、外部装置への情報(データ)の送信を行う送信装置で構成することもできる。この構成のときには、出力部24は、処理部23で測定された電流値I1、電圧値V1および電力値W1を外部装置に出力する。
【0032】
電圧測定装置41は、測定対象導体61に印加されている交流電圧Vの電圧波形を非接触で検出すると共に、検出した電圧波形に基づいて交流電圧Vの電圧値V1(基準電位の電圧を基準とする電圧値)を測定する。本例では一例として、電圧測定装置41は、測定対象導体61の交流電圧Vについての電圧波形を非接触で検出し得る公知の構成(例えば、特開2012−137496号公報に開示の電圧検出部の構成)と同等に構成されて、測定対象導体61と容量結合する検出電極42と、測定対象導体61および検出電極42間に流れる電流に基づいて測定対象導体61に印加されている交流電圧Vと同電圧で、かつ同位相の参照電位信号(交流電圧Vの電圧波形を示す信号)を生成すると共に、この参照電位信号を後段の処理部23で処理し得る電圧値の電圧信号Vvに降圧して出力する電圧検出部43と、電圧信号Vvに基づいて交流電圧Vの電圧値V1を測定する処理部23と、測定された電圧値V1を出力する出力部24とを備えている。
【0033】
なお、電圧測定装置41が測定対象導体61に印加されている交流電圧Vの電圧値V1を非接触で測定する構成について上記したが、電圧測定装置41は、測定対象導体61に電気的に接触するプローブおよび基準電位に電気的に接触するプローブを備えて、この両プローブ間の電圧を測定することで交流電圧Vの電圧値V1を測定する構成(接触型の電圧測定装置の構成)を採用することもできる。
【0034】
続いて、電流センサ1、電流測定装置21および電力測定装置31の動作について説明する。なお、環状コアRCの内部に測定対象導体61が挿通され、かつこの測定対象導体61に対して検出電極42が一定の距離を空けて配置されている(つまり、測定対象導体61と容量結合している)ものとする。
【0035】
この状態において、測定対象導体61に交流電圧Vが印加されて交流電流Iが流れると(測定対象導体61に電力Wが供給されると)、電流センサ1は、CTとして機能して、測定対象導体61のターン数(例えば1ターン)に対する巻線11a〜12cの全ターン数の比率に応じた振幅(電流値)の検出電流Idを巻線11a〜12cに発生させて、他方の出力端子CN2から出力する。
【0036】
電流測定装置21では、電流電圧変換部22が、この検出電流Idを電圧信号Viに変換して処理部23に出力する。一方、電圧測定装置41では、電圧検出部43が、測定対象導体61に印加されている交流電圧Vを検出して、この交流電圧Vよりも低電圧で、かつ同位相の電圧信号Vvを処理部23に出力する。
【0037】
処理部23は、この電圧信号Viに基づいて交流電流Iの電流値I1を算出すると共に、この電圧信号Vvに基づいて交流電圧Vの電圧値V1を算出する。また、処理部23は、測定した電流値I1および電圧値V1に基づいて、測定対象導体61に供給されている電力Wの電力値W1を算出する。また、処理部23は、測定した電流値I1、電圧値V1および電力値W1を、一例として表示装置で構成された出力部24に出力して、画面上に表示させる。電流測定装置21による交流電流Iについての電流値I1の測定と、この電流測定装置21を備えた電力測定装置31による電力Wについての電力値W1の測定とが完了する。
【0038】
このように、この電流センサ1では、複数のコア部(一例として、2つのコア部2,3)が連結されて環状コアRCが構成され、各コア部2,3のそれぞれに予め規定されたn個(一例として3個)ずつ巻線(本例では、巻線11a,11b,11cと、巻線12a,12b,12c)が巻回され(設けられ)、かつ各コア部2,3に巻回されているすべての巻線11a,11b,11c,12a,12b,12cは、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で(言い換えれば、同じコア部に巻回されている巻線同士が直接接続されない状態で)直列に接続されている。
【0039】
これにより、この電流センサ1では、同じコア部に巻回されている巻線が直接接続されて直列に接続される従来の構成(つまり、共通のコア部2に巻回されている巻線11a,11b,11c同士が互いに磁気的結合の強い状態で直列接続されて、全体として大きなインダクタンス値L1の1つのコイルに大きな容量値C1の1つのコンデンサが並列接続された等価回路で表される1つの巻線に構成され、共通のコア部3に巻回されている巻線12a,12b,12c同士が互いに磁気的結合の強い状態で直列接続されて、全体として大きなインダクタンス値L1の1つのコイルに大きな容量値C1の1つのコンデンサが並列接続された等価回路で表される1つの巻線に構成され、さらにコア部2側の巻線とコア部3側の巻線とが直列に接続される構成)とは異なり、各巻線11a,11b,11c,12a,12b,12cが、より小さなインダクタンス値L2の1つのコイルに、より小さな容量値C2の1つのコンデンサが並列接続された等価回路で表される巻線にそれぞれ構成されて、これらが直列に接続されている。
【0040】
したがって、この電流センサ1によれば、各コア部2,3のそれぞれにn個(本例では3個)ずつ巻線11a,11b,11cと巻線12a,12b,12cとを分離して巻回し(設け)、これらの巻線11a,11b,11c,12a,12b,12cを、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で直列に接続するという極めて簡単な構成の変更(各コア部2,3への巻線の巻回構造と、各巻線の接続構造とを変えるという極めて簡単な構成の変更)により、検出感度を維持したままで、この感度の周波数帯域の上限周波数を規定する各巻線11a,11b,11c,12a,12b,12cについての上記の等価回路の共振周波数f2(=1/2π√(L2・C2))を、同じコア部に巻回されている巻線が直接接続されて直列に接続される従来の構成のときの感度の周波数帯域の上限周波数f1(=1/2π√(L1・C1))よりも高くすることができ、これによって感度の周波数帯域を高域側に広げることができる。
【0041】
また、この電流センサ1によれば、すべての巻線11a,11b,11c,12a,12b,12cを、各コア部2,3にそれぞれ巻回されている3(=n)個の巻線のうちの環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側からj番目の巻線同士を直列接続するという分かり易い手順(理解し易い規則性を持った手順)で製造し得る構成のため、この製造のための手順を容易に把握することができる。
【0042】
また、この電流センサ1を備えた電流測定装置21によれば、従来の構成の電流センサを備えた構成よりも、より高い周波数の交流電流Iについても、その電流値I1を正確に測定することができる。また、この電流測定装置21を備えた電力測定装置31によれば、より高い周波数の交流電流Iについても、その電力値W1を正確に測定することができる。
【0043】
なお、上記の例では、2個のコア部2,3を連結して環状コアRCを構成しているが、上記したように、3個、4個など、さらに多くのコア部を連結して環状コアRCを構成するようにしてもよい。以下において、一例として、3個のコア部2,3,4を連結して環状コアRCを構成した電流センサ1Aと、4個のコア部2,3,4,5を連結して環状コアRCを構成した電流センサ1Bについて説明する。
【0044】
まず、図3,4を参照して、電流センサ1Aについて説明する。
【0045】
電流センサ1Aは、3個のコア部2,3,4が連結されて環状に構成された環状コアRC、および各コア部2,3,4のそれぞれに、各コア部の長さ方向に沿って分離した状態で、n個(本例では3個)ずつ巻回された巻線(3個のコア部2,3,4に3個ずつ巻回された9(=3×3)個の巻線11a,11b,11c,12a,12b,12c,13a,13b,13c)を備えている。
【0046】
また、すべての巻線11a〜13cは、同じ種類の線材を用いて、同じピッチで、かつ同じターン数ずつ巻回されて形成されている。また、すべての巻線11a〜13cは、コア部2,3,4が環状コアRCに構成された状態において、環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側が巻き始め端部(図3,4において●を付した端部)となるように巻回されている。また、すべての巻線11a〜13cは、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で(言い換えれば、同じコア部に巻回されている巻線同士が直接接続されない状態で)直列に接続されている。
【0047】
一例として、この電流センサ1Aでは、すべての巻線11a〜13cが、図4に示すように、各コア部2,3,4にそれぞれ巻回されている3(=n)個の巻線のうちの環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側からj(jは1以上n以下の各整数)番目の巻線同士が直列接続されてn個の直列巻線に構成され、このn個の直列巻線が全体として直列に接続されることにより、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で直列に接続されている。
【0048】
具体的には、図4に示すように、コア部2に巻回されている3個の巻線11a,11b,11c、コア部3に巻回されている3個の巻線12a,12b,12c、およびコア部4に巻回されている3個の巻線13a,13b,13cのうちの環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側から、1(=j)番目の巻線11a,12a,13a同士が直列に接続され、2(=j)番目の巻線11b,12b,13b同士が直列に接続され、かつ3(=j)番目の巻線11c,12c,13c同士が直列に接続されて、3(=n)個の直列巻線(11a,12a,13a),(11b,12b,13b),(11c,12c,13c)に構成され、さらにこの3(=n)個の直列巻線(11a,12a,13a),(11b,12b,13b),(11c,12c,13c)がこの順で互いに直列に接続されることにより、すべての巻線11a〜13cが、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態(巻線11a,12a,13a,11b,12b,13b,11c,12c,13cの順)で直列に接続されている。なお、図3では、各巻線11a〜13cを接続する配線を示す線分の図示を省略している。
【0049】
この電流センサ1Aにおいても、図7に示す電流センサ51と比較して、コア部52,53とコア部2,3,4の磁気的特性(コア部に使用されている磁性材料、並びに環状コアに連結したときの長さおよび断面積)が同一であり、かつ巻線54a,54b全体のターン数と巻線11a〜13c全体のターン数が同一であるという条件(つまり、交流電流Iの検出感度が同じという条件)下において、各巻線54a,54bよりもターン数が少ない(つまり、各巻線54a,54bのインダクタンス値L1よりもインダクタンス値が小さく、かつ各巻線54a,54bの寄生容量の容量値C1よりも寄生容量の容量値が小さい)各巻線11a〜13cが、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態(磁気抵抗が大きい接合部位Xを挟んで異なるコア部に巻回されている巻線が直接接続された状態)で直列に接続されている。
【0050】
したがって、電流センサ1Aの巻線11a〜13c全体の等価回路は、インダクタンス値L1よりも小さいインダクタンス値のコイルとこのコイルに並列に接続された容量値C1よりも小さい容量値のコンデンサとで構成されるLC回路が、各コア部2,3,4に分割して巻回された巻線11a〜13cの数分だけ直列に接続された構成となる。このため、この電流センサ1Aについての感度の周波数帯域の上限周波数についても、上記の電流センサ1と同様にして、電流センサ51の感度についての周波数帯域の上限周波数f1よりも、より高い周波数(さらには、電流センサ1の上限周波数f2よりも高い周波数)にすることができる。これにより、この電流センサ1Aによれば、電流センサ51よりも、さらには電流センサ1よりも、高い周波数の交流電流Iまで検出することができる。
【0051】
なお、電流センサ1Aでは、各直列巻線(11a,12a,13a),(11b,12b,13b),(11c,12c,13c)については、それぞれの中での巻線の接続の順番を入れ替えることもできる。一例として、直列巻線(11a,12a,13a)を例に挙げて説明すると、巻線11a、巻線12aおよび巻線13aの順に直列接続する構成に代えて、巻線11a、巻線13aおよび巻線12aの順や、巻線13a、巻線12aおよび巻線11aの順など、任意の順に直列接続する構成を採用することができる。
【0052】
次に、図5,6を参照して、電流センサ1Bについて説明する。
【0053】
電流センサ1Bは、4個のコア部2,3,4,5が連結されて環状に構成された環状コアRC、および各コア部2,3,4,5のそれぞれに、各コア部の長さ方向に沿って位置的に分離した状態で、n個(本例では2個)ずつ巻回された巻線(本例では、4個のコア部2,3,4,5に2個ずつ巻回された8(=4×2)個の巻線11a,11b,12a,12b,13a,13b,14a,14b)を備えている。
【0054】
また、すべての巻線11a〜14bは、同じ種類の線材を用いて、同じピッチで、かつ同じターン数ずつ巻回されている。また、すべての巻線11a〜14bは、コア部2,3,4,5が環状コアRCに構成された状態において、環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側が巻き始め端部(図5,6において●を付した端部)となるように巻回されている。また、すべての巻線11a〜14bは、同じコア部に巻回されている巻線同士が直接接続されない状態で(言い換えれば、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で)直列に接続されている。
【0055】
この電流センサ1Bでも、図示はしないが、上記した電流センサ1,1Aのように、すべての巻線11a〜14bが、各コア部2,3,4,5にそれぞれ巻回されている2(=n)個の巻線のうちの環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側からj(jは1以上n以下の整数)番目の巻線同士が直列接続されてn個の直列巻線に構成され、このn個の直列巻線が全体として直列に接続されることにより、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で直列に接続される構成、つまり、2(=n)個の直列巻線(11a,12a,13a,14a),(11b,12b,13b,14b)をこの順で直列に接続することにより、すべての巻線11a〜14bが、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態(巻線11a,12a,13a,14a,11b,12b,13b,14bの順)で直列に接続される構成を採用することができる。
【0056】
また、この電流センサ1Bのように、コア部2,3,4,5の個数が4以上の偶数の場合には、以下において説明する方法により、結果として、上記の例と同様にして、各コア部2,3,4,5に巻回されているすべての巻線11a〜14bが、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で直列に接続される構成にすることもできる。
【0057】
この方法は、まず、複数のコア部を、環状コアRCの周方向に沿った前半側のコア部(前半側コア部群ともいう)と、後半側のコア部(後半側コア部群ともいう)とに同じ数ずつ分け、次いで、前半側コア部群に含まれる巻線と、後半側コア部群に含まれる巻線とについて、環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側からj番目の巻線同士を直列接続することにより、それぞれ2つの巻線が直列接続して形成された(n×コア部の数/2)個の最初の直列巻線を構成する。
【0058】
具体的には、電流センサ1Bでは、図6に示すように、前半側コア部群(この例では、コア部2,3で構成される群)と、後半側コア部群(この例では、コア部4,5で構成される群)とに分けて、前半側コア部群に含まれる11a,11b,12a,12bと、後半側コア部群に含まれる13a,13b,14a,14bとについて、環状コアRCの周方向に沿った同じ一方の側から1(=j)番目の巻線11a,13a同士を直列に接続して1つの直列巻線を構成し、2(=j)番目の巻線11b,13b同士を直列に接続して1つの直列巻線を構成し、3(=j)番目の巻線12a,14a同士を直列に接続して1つの直列巻線を構成し、4(=j)番目の巻線12b,14b同士を直列に接続して1つの直列巻線を構成する。
【0059】
次いで、上記の複数の直列巻線について、各コア部2,3,4,5に巻回されている巻線が1つずつ含まれるように直列接続することにより、2(=n)個の直列巻線を構成する。具体的には、2つの直列巻線(11a,13a,12a,14a),(11b,13b,12b,14b)を構成する。最後に、この2(=n)個の直列巻線を直列接続する。これにより、すべての巻線11a〜14bが、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態で直列に接続される。具体的には、巻線11a,13a,12a,14a,11b,13b,12b,14bの順に直列接続される。なお、図5では、各巻線11a〜14bを接続する配線を示す線分の図示を省略している。
【0060】
この電流センサ1Bにおいても、図7に示す電流センサ51と比較して、コア部52,53とコア部2,3,4,5の磁気的特性(コア部に使用されている磁性材料、並びに環状コアに連結したときの長さおよび断面積)が同一であり、かつ巻線54a,54b全体のターン数と巻線11a〜14b全体のターン数が同一であるという条件(つまり、交流電流Iの検出感度が同じという条件)下において、各巻線54a,54bよりもターン数が少ない(つまり、各巻線54a,54bのインダクタンス値L1よりもインダクタンス値が小さく、かつ各巻線54a,54bの寄生容量の容量値C1よりも寄生容量の容量値が小さい)各巻線11a〜14bが、他のコア部に巻回されている巻線を介在させた状態(磁気抵抗が大きい接合部位Xを挟んで異なるコア部に巻回されている巻線が直接接続された状態)で直列に接続されている。
【0061】
したがって、電流センサ1Bの巻線11a〜14b全体の等価回路は、インダクタンス値L1よりも小さいインダクタンス値のコイルとこのコイルに並列に接続された容量値C1よりも小さい容量値のコンデンサとで構成されるLC回路が、各コア部2,3,4,5に分割して巻回された巻線11a〜14bの数分だけ直列に接続された構成となる。このため、この電流センサ1Bについての感度の周波数帯域の上限周波数についても、上記の電流センサ1と同様にして、電流センサ51の感度についての周波数帯域の上限周波数f1よりも、より高い周波数にすることができる。これにより、この電流センサ1Bによれば、電流センサ51よりも、より高い周波数の交流電流Iまで検出することができる。
【0062】
また、上記の各電流センサ1での複数の巻線11a〜12cは、同じ種類の線材を用いて、同じピッチで、かつ同じターン数ずつ巻回されることにより、同じ等価回路になるように構成されているが、同じ等価回路になる限り、異なる種類の線材を用いたり、ピッチを変えたり、ターン数を若干変更するなどしてもよいのは勿論である。
【0063】
また、電流測定装置21を備えた測定装置の一例として、測定対象導体61の物理量の一例である電力Wの電力値W1を測定する電力測定装置31について上記したが、電流測定装置21を備えた測定装置では、測定対象導体61についての電力W以外の物理量、例えば、測定対象導体61のインピーダンスについても測定することができる。つまり、上記した電力測定装置31と同じ構成により、電流測定装置21を備えたインピーダンス測定装置を実現することができる。
【0064】
また、電流センサ1,1A,1Bは、上記の例のようにしてCT単体として使用することができると共に、零フラックス型センサにも使用することができる。この場合、環状コアRCを構成する各コア部の接合部位Xの少なくとも1つに、ホールセンサなどの磁気センサを配置すると共に、この磁気センサの出力に基づいて環状コアRC内の磁束を打ち消す電流を発生して各コア部に巻回された巻線全体(帰還巻線)に供給するアンプを設ける。これにより、上記の電流センサ1,1A,1Bは、交流電流の検出と併せて、直流電流を含む低い周波数帯域に含まれる交流電流の検出も可能となる。
【0065】
また、このように直流電流および交流電流の検出を可能とした電流センサ1,1A,1Bを電流測定装置に適用することにより、直流から高い周波数の交流までの広い周波数帯域内の電流についての電流値を正確に測定可能な電流測定装置を実現することができる。また、このような電流測定装置を電力測定装置に使用することにより、直流から高い周波数の交流までの広い周波数帯域内の電流についての電流値に基づいて、測定対象導体61に供給されている交流電力だけでなく、直流電力についても正確に測定可能な電力測定装置を実現することができる。同様にして、測定対象導体61のインピーダンスだけでなく、抵抗値を測定し得る抵抗測定装置を実現することもできる。
【0066】
また、電流センサ1,1A,1Bを組み込み、これらの電流センサ1,1A,1Bから出力される検出電流Idを利用して、回転を測定する回転計、位相差を測定する位相差計、および周波数を測定する周波数計などの各種の測定装置を構成することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 電流センサ
2,3 コア部
11a,11b,11c,12a,12b,12c 巻線
61 測定対象導体
CR 環状コア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8