(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6362427
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】サッシュ接続構造及びサッシュ接続方法
(51)【国際特許分類】
B60J 5/04 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
B60J5/04 M
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-112161(P2014-112161)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-224014(P2015-224014A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】590001164
【氏名又は名称】シロキ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085187
【弁理士】
【氏名又は名称】井島 藤治
(72)【発明者】
【氏名】巻田 純
(72)【発明者】
【氏名】奥村 祐
(72)【発明者】
【氏名】榎 寛史
【審査官】
三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−019285(JP,A)
【文献】
特開2014−094729(JP,A)
【文献】
特開2010−012924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/04
B60J 10/76 − 10/767
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインドガラスの側辺部を支持する立柱と、
全閉状態の前記ウインドガラスの上辺部を支持するアッパサッシュと、
からなるドアフレームにおける、前記立柱の長手方向と交差する方向の接続断面と前記アッパサッシュの長手方向と交差する方向の接続断面とを突き合わせ、該突き合わせ部分を溶接してなるサッシュ接続構造であって、
前記立柱と、前記アッパサッシュのうちの少なくとも一方の部材は、
前記ウインドガラスを支持するチャンネル部材と、
該チャンネル部材に接続され、前記チャンネル部材と協同して袋部を形成するインナ部材とからなり、
前記チャンネル部材と前記インナ部材とは、長手方向に沿って接合される接合部を有し、
前記チャンネル部材と、前記インナ部材との少なくとも一方の部材の接合部の他方の部材と接合される面は、メッキが施され、
前記チャンネル部材と前記インナ部材の接合部は、
他方の部材に密着する密着部と、
前記立柱の接続断面と前記アッパサッシュの接続断面との接続部に一部がかかり、他方の部材に密着しない非密着部と、
を有し、
前記非密着部は、前記インナ部材の意匠部と袋部形成部とを連絡する連絡部と、該連絡部に対向する前記チャンネル部材の基部とにある
ことを特徴とするサッシュ接続構造。
【請求項2】
前記チャンネル部材の接合部と、前記アッパサッシュの接合部の内、少なくとも一方の部材の前記非密着部は、
他方の部材の接合部から離れる方向に曲げられた曲げ部であることを特徴とする請求項1記載のサッシュ接続構造。
【請求項3】
前記チャンネル部材の接合部と、前記アッパサッシュの接合部の内、少なくとも一方の部材の前記非密着部は、
切り欠き部であることを特徴とする請求項1記載のサッシュ接続構造。
【請求項4】
前記チャンネル部材はロール成形されていることを特徴とする請求項2に記載のサッシュ接続構造。
【請求項5】
前記立柱と、前記アッパサッシュとの接続部で、
前記立柱の接続断面と前記アッパサッシュ接続断面とは当接していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のサッシュ接続構造。
【請求項6】
前記突き合わせ部分の溶接ビードが前記インナ部材にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のサッシュ接続構造。
【請求項7】
ウインドガラスの側辺部を支持する立柱と、
全閉状態の前記ウインドガラスの上辺部を支持するアッパサッシュと、
からなるドアフレームにおける、前記立柱の長手方向と交差する方向の接続断面と前記アッパサッシュの長手方向と交差する方向の接続断面とを突き合わせて、該突き合わせ部分を溶接してなるサッシュ接続方法であって、
前記立柱と、前記アッパサッシュのうちの少なくともどちらか一方の部材が、前記ウインドガラスを支持するチャンネル部材と、該チャンネル部材に取り付けられ、前記チャンネル部材と協同して袋部を形成するインナ部材とからなり、
前記チャンネル部材と前記インナ部材とは、長手方向に沿って接合される接合部を有し、
前記チャンネル部材と、前記インナ部材との少なくとも一方の部材の接合部の他方の部材に接合される面は、メッキが施され、
前記チャンネル部材と前記インナ部材との接合部は、他方の部材に密着する密着部と、前記立柱の接続断面と前記アッパサッシュの接続断面との接続部に一部がかかり、他方の部材に密着せず、前記インナ部材の意匠部と袋部形成部とを連絡する連絡部,該連絡部に対向する前記チャンネル部材の基部にある非密着部と、を有するように形成し、前記チャンネル部材の接合部の密着部と前記インナ部材の接合部の密着部とを取り付け、前記非密着部が前記接続部にかかるように前記チャンネル部材、前記インナ部材を切断し、長手方向と交差する方向の切断面を形成すると共に、前記立柱と、前記アッパサッシュのうちの他方の部材の長手方向と交差する接続断面を形成する第1工程と、
前記立柱の接続断面と、前記アッパサッシュの接続端面とを突き合わせ、該突き合わせ部分を溶接で接続する第2工程と、
からなることを特徴とするサッシュ接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインドガラスの側辺部を支持する立柱と、全閉状態の前記ウインドガラスの上辺部を支持するアッパサッシュと、からなるドアフレームにおける、前記立柱の端部と前記アッパサッシュの端部とのサッシュ接続構造及びサッシュ接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両ボディのドア開口を開閉する車両ドアは一般に、ドア本体(インナパネルとアウタパネル)の上部に、窓開口を形成するドアサッシュを一体に設けている。ドアサッシュは、金属製の立柱とアッパサッシュとからなっており、立柱の上端部にアッパサッシュの端部を接続している。
【0003】
また、立柱やアッパサッシュは、ウインドガラスを支持するチャンネル部材と、チャンネル部材に取り付けられ、チャンネル部材と協同して袋部を形成するインナ部材との2つの部材からなるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−105531
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
立柱やアッパサッシュを2つの部材から構成する場合、車両ボディの外側に位置する部材には、防錆のためのメッキを施す場合がある。
しかし、2つの部材が密着した箇所を溶接し、しかも、2つの部材のうちの少なくとも一方の部材がメッキ部材である場合、溶接によりメッキ蒸気が発生し、爆飛が発生する。
【0006】
このため、2つの部材が密着し、溶接される箇所のメッキ層を削り取る工程が必要であった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、工程を省略できるサッシュ接続構造およびサッシュ接続方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映したサッ
シュ接続構造は、
ウインドガラスの側辺部を支持する立柱と、
全閉状態の前記ウインドガラスの上辺部を支持するアッパサッシュと、
からなるドアフレームにおける、前記立柱の長手方向と交差する方向の接続断面と前記アッパサッシュの長手方向と交差する方向の接続断面とを突き合わせ、該突き合わせ部分を溶接してなるサッシュ接続構造であって、
前記立柱と、前記アッパサッシュのうちの少なくとも一方の部材は、
前記ウインドガラスを支持するチャンネル部材と、
該チャンネル部材に接続され、前記チャンネル部材と協同して袋部を形成するインナ部材とからなり、
前記チャンネル部材と前記インナ部材とは、長手方向に沿って接合される接合部を有し、
前記チャンネル部材と、前記インナ部材との少なくとも一方の部材の接合部の他方の部材と接合される面は、メッキが施され、
前記チャンネル部材と前記インナ部材の接合部は、
他方の部材に密着する密着部と、
前記立柱の接続断面と前記アッパサッシュの接続断面との接続部に一部がかかり、他方の部材に密着しない非密着部と、
を有
し、
前記非密着部は、前記インナ部材の意匠部と袋部形成部とを連絡する連絡部と、該連絡部に対向する前記チャンネル部材の基部とにある
ことを特徴とする。
【0008】
また、上述した課題のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映し
たサッシュ接続方法は、
ウインドガラスの側辺部を支持する立柱と、
全閉状態の前記ウインドガラスの上辺部を支持するアッパサッシュと、
からなるドアフレームにおける、前記立柱の長手方向と交差する方向の接続断面と前記アッパサッシュの長手方向と交差する方向の接続断面とを突き合わせて、該突き合わせ部分を溶接してなるサッシュ接続方法であって、
前記立柱と、前記アッパサッシュのうちの少なくともどちらか一方の部材が、前記ウインドガラスを支持するチャンネル部材と、該チャンネル部材に取り付けられ、前記チャンネル部材と協同して袋部を形成するインナ部材とからなり、
前記チャンネル部材と前記インナ部材とは、長手方向に沿って接合される接合部を有し
前記チャンネル部材と、前記インナ部材との少なくとも一方の部材の接合部の他方の部材に接合される面は、メッキが施され、
前記チャンネル部材と前記インナ部材との接合部は、他方の部材に密着する密着部と、前記立柱の接続断面と前記アッパサッシュの接続断面との接続部に一部がかかり、他方の部材に密着
せず、前記インナ部材の意匠部と袋部形成部とを連絡する連絡部,該連絡部に対向する前記チャンネル部材の基部にある非密着部とを有するように形成し、前記チャンネル部材の接合部の密着部と前記インナ部材の接合部の密着部とを取り付け、前記非密着部が前記接続部にかかるように前記チャンネル部材、前記インナ部材を切断し、長手方向と交差する方向の切断面を形成すると共に、前記立柱と、前記アッパサッシュのうちの他方の部材の長手方向と交差する接続断面を形成する第1工程と、
前記立柱の接続断面と、前記アッパサッシュの接続端面とを突き合わせ、該突き合わせ部分を溶接で接続する第2工程と、
からなることを特徴とする。
【0009】
本発明の他の特徴は、以下に述べる発明を実施するための形態並びに添付の図面から一層明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0010】
本発明のサッシュ接続構造によれば、
前記チャンネル部材と、前記インナ部材との少なくとも一方の部材の接合部の他方の部材と接合される面は、メッキが施され、
前記チャンネル部材と前記インナ部材の接合部は、
他方の部材に密着する密着部と、
前記立柱の接続断面と前記アッパサッシュの接続断面との接続部に一部がかかり、他方の部材に密着しない非密着部と、
を有することにより、
前記チャンネル部材の前記接続断面と前記インナ部材の前記接続断面とを突き合わせ、該突き合わせ部分を溶接で接続する場合、溶接される箇所のメッキ層を削り取る工程が不要となり、工程を省略できる。
【0011】
本発明のサッシュ接続方法によれば、
前記チャンネル部材と、前記インナ部材との少なくとも一方の部材の接合部の他方の部材に接合される面は、メッキが施され、
前記チャンネル部材と前記インナ部材との接合部は、他方の部材に密着する密着部と、前記立柱の接続断面と前記アッパサッシュの接続断面との接続部に一部がかかり、他方の部材に密着しない非密着部とを有するように形成し、前記チャンネル部材の接合部の密着部と前記インナ部材の接合部の密着部とを取り付け、前記非密着部が前記接続部にかかるように前記チャンネル部材、前記インナ部材を切断し、長手方向と交差する方向の切断面を形成すると共に、前記立柱と、前記アッパサッシュのうちの他方の部材の長手方向と交差する接続断面を形成する第1工程を有することで、
前記立柱の前記接続断面と、前記アッパサッシュの前記接続端面とを突き合わせ、該突き合わせ部分を溶接で接続する第2工程の前に、溶接される箇所のメッキ層を削り取る工程が不要となり、工程を省略できる。
【0012】
本発明の他の効果は、以下に述べる発明を実施するための形態並びに添付の図面から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図2の立柱とアッパサッシュとの分解斜視図である。
【
図2】本実施形態のサッシュ接続構造及びサッシュ接続方法が用いられた車両ドアを有する車両の側面図である。
【
図6】
図1の分解斜視図の部品を組み付け時の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を用いて、本発明の実施形態を説明する。
最初に、
図2を用いて、本実施形態のサッシュ接続構造及びサッシュ接続方法が用いられた車両ドアを説明する。
図2は本実施形態のサッシュ接続構造及びサッシュ接続方法が用いられた車両ドアを有する車両の側面図である。
【0015】
フロントドア1のドア本体(インナパネルとアウタパネル)3の上部には、窓開口を形成するドアサッシュ5を一体に設けている。ドアサッシュ5は、立柱(Aピラー)7、立柱(Bピラー)9と、アッパサッシュ11とからなっており、立柱7、立柱9の上端部にアッパサッシュ11の端部を突き合わせ接続している。
【0016】
リアドア13のドア本体(インナパネルとアウタパネル)15の上部には、窓開口を形成するドアサッシュ17を一体に設けている。ドアサッシュ17は、立柱(Bピラー)19、立柱(Cピラー)21と、アッパサッシュ23とからなっており、立柱19、立柱21の上端部にアッパサッシュ23の端部を突き合わせ、突き合わせ部分を’溶接することで接続している。
【0017】
各接続部分(図において部分ハッチングを施した部分)の構造及び接続方法は、同一なので、フロントドア1の立柱(Bピラー)9と、アッパサッシュ11との接続部分(図においてIII部分)を用いて、サッシュの接続構造、サッシュ接続方法の説明を行う。
【0018】
ここで、
図1、
図3−
図8を用いて、立柱(Bピラー)9と、アッパサッシュ11の説明を行う。
図1は
図2の立柱とアッパサッシュとの車外から見た分解斜視図、
図3は
図2のIII部分の拡大図、
図4は
図3の切断線IV−IVでの断面図、
図5は
図3の切断線V−Vでの断面図、
図6は
図1の分解斜視図の部品を組み付け時の斜視図、
図7は
図6の一部を破断した図、
図8は
図6を車内側から見た斜視図である。
【0019】
図4に示すように、立柱9は、ウインドガラスを支持するチャンネル部材31と、チャンネル部材31に取り付けられ、チャンネル部材31と協同して袋部33を形成するインナ部材35とからなっている。
【0020】
本実施形態でのチャンネル部材31とインナ部材35とは、金属の薄板材をロール成形またはプレス成形して製造した。
また、インナ部材35は、金属の薄板として亜鉛メッキ鋼板を用いた。
【0021】
チャンネル部材31は、ウインドガラスの表面と対向し、車外に露出する表側ウインドガラス対向部31aと、ウインドガラスの裏面と対向する裏側ウインドガラス対向部31bと、ウインドガラスの側端部と対向し、表側ウインドガラス対向部31a,裏側ウインドガラス対向部31bとに接続された基部31cとからなり、断面形状は、略コ字形となっている。
【0022】
インナ部材35は、車外に露出する意匠部35aと、チャンネル部材31の裏側ウインドガラス対向部31bと協同して閉断面の袋部33を形成する袋部形成部35bと、意匠部35aと袋部形成部35bとを連絡し、チャンネル部材31の基部31cと密着される連絡部35cとからなっている。
【0023】
即ち、チャンネル部材31の基部31cと、インナ部材35の連絡部35cとは、長手方向に沿って接合される接合部となっている。
本実施形態では、チャンネル部材31の基部31cは、インナ部材35の連絡部35cと密着する密着部31eと、密着しない非密着部31dとからなっている。
【0024】
又、本実施形態のインナ部材35の連結部35cは、チャンネル部材31の密着部31eに密着する密着部35eと、チャンネル部材31の未密着部31dと対向する非密着部35dとからなっている。
【0025】
インナ部材35の車外に露出する意匠部35a、チャンネル部材31の車外に露出する意匠部31aには、装飾用の樹脂製のガーニッシュ(図示せず)が装着される。
また、チャンネル部材31の断面形状は、上端部、下端部を除いて一様断面形状である。
【0026】
さらに、インナ部材35は、意匠部35aが、下方に行くに従って幅寸法(
図4においてWで示す)が徐々に大きくなるように形成されている。尚、意匠部35a以外の断面形状は、上端部、下端部を除いて一様断面形状である。
【0027】
又、
図5に示すように、アッパサッシュ11は、金属の薄板材をロール成形して製造され、閉断面の袋部37を形成する袋部形成部11aと、ウインドガラスを支持するチャンネル部11bとからなっている。
【0028】
図1を用いて、立柱9と、アッパサッシュ11との接続方法を説明する。
立柱9のチャンネル部材31の基部31cの密着部31eとインナ部材35の連結部35cの密着部35eと密着させ、スポット溶接等で一体化する前に、チャンネル部材31の基部31cの上端部をインナ部材35の連絡部35cから離れる方向に曲げることにより非密着部(曲げ部)31dを形成する。同時に、インナ部材35の連絡部35cのチャンネル部材31の非密着部(曲げ部)31dと対向する部分が非密着部35dとなる。さらに、チャンネル部材31の上端側の表側ウインドガラス対向部31aを切り欠く。
【0029】
そして、立柱9のチャンネル部材31の基部31cの密着部31eとインナ部材35の連結部35cの密着部35eと密着させ、スポット溶接等で一体化する。
チャンネル部材31の非密着部(曲げ部)31dと、インナ部材35の非密着部
35dとが接続部にかかるようにチャンネル部材31、インナ部材35を切断し、長手方向と交差する方向の接続断面S1を形成する。
【0030】
また、アッパサッシュ11も切断され、長手方向と交差する方向の接続断面S2を形成する(第1工程)。
立柱9の接続断面S1とアッパサッシュ11の接続断面S2とを突き合わせ、
図6、
図7、
図8に示すように、接続部51の外側からアーク溶接等の手法で、両者を接続する。尚、立柱9の接続断面S1、アッパサッシュ11の接続断面S2とは、当接した状態で溶接される(第2工程)。
【0031】
なお、
図7,
図8には、接続部51に形成された溶接ビード53が現れている。
上記構成及び接続方法によれば、以下のような効果が得られる。
(1) チャンネル部材31の基部31cに、非密着部(曲げ部)31dを形成したことにより、立柱9の接続断面S1とアッパサッシュ11の接続断面S2とを突き合わせて、溶接で接続する場合、接続部51のメッキ層を削り取る工程が不要となり、工程を省略できる。
【0032】
(2) 立柱9のチャンネル部材31の基部31cと、インナ部材35の連絡部35cと密着させ、スポット溶接等で一体化する前に、チャンネル部材31の基部31cの上端部に、インナ部材35の連絡部35cから離れる方向に曲げられた非密着部(曲げ部)31dを形成したことにより、溶接される箇所のメッキ層を削り取る工程が不要となり、工程を省略できる。
【0033】
(3) 立柱9の接続断面S1、アッパサッシュ11の接続断面S2とは、当接した状態で溶接されることにより、立柱9の接続断面S1、アッパサッシュ11の切断断面S2から錆びることを防止できる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施形態に限定するものではない。
上記実施形態では、非密着部として機能する曲げ部をチャンネル部材31の基部31cに形成したが、インナ部材35の連絡部35cに形成してもよい。
【0035】
また、非密着部として機能する曲げ部を形成したが、切り欠き部であってもよい。
さらに、チャンネル部材とインナ部材との2部材からなるのは、立柱9としたが、アッパサッシュ11であっても良い。
【0036】
またさらに、メッキを施したのは、インナ部材35であったが、チャンネル部材31の方にメッキを施してもよい。
さらに、インナ部材35は、金属の薄板として亜鉛メッキ鋼板を用いたことにより、インナ部材35全体にメッキが施されているが、少なくとも、連絡部(密着部)35cのチャンネル部材31の基部(密着部)31cに密着する面にメッキが施されていればよい。
【符号の説明】
【0037】
9 立柱
11 アッパサッシュ
31 チャンネル部材
31c 基部(密着部)
31d 曲げ部(非密着部)
35 インナ部材
35c 連絡部(密着部)