(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1実施例の5分配器1の概略構成を示す回路ブロック図を
図1に示す。
図1に示す第1実施例の5分配器1は、ウィルキンソン型2分配器である4個の第1の2分配器10ないし第4の2分配器13と、1個の整合回路とを組み合わせて構成されており、入力端子J0と、5つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5の特性インピーダンスのインピーダンス値は全て等しくZ0とされている。第1実施例の5分配器1は、第1の2分配器10により入力端子J0から入力された信号電力が2対3に不等分配されて第2の2分配器11と第3の2分配器12に供給される。不等分配する第1の2分配器10の2/5に分配された信号電力が出力される一方の出力端子T10の出力インピーダンスは6Z0/5とされ、3/5に分配された信号電力が出力される他方の出力端子T11の出力インピーダンスは4Z0/5と、分配比の逆数の比率とされている。
【0013】
第1の2分配器10の一方の出力端子T10から出力される2/5に分配された信号電力は、第2の2分配器11において1対1(1/2ずつ)に等分配されて2つの出力端子J1,J2から出力される。このため、出力端子J1,J2から出力される信号電力は1/5ずつに分配された信号電力となる。また、第1の2分配器10の他方の出力端子T11から出力される3/5に分配された信号電力は、第3の2分配器12において1対2に不等分配される。不等分配する第3の2分配器12の1/3に分配された信号電力が出力される一方の出力端子T12の出力インピーダンスは4Z0/3とされ、2/3に分配された信号電力が出力される他方の出力端子T13の出力インピーダンスは2Z0/3と、分配比の逆数の比率とされている。第3の2分配器12の一方の出力端子T12から出力される1/3に分配された信号電力は、整合回路14を介して出力端子J3から出力される。出力端子J3から出力される信号電力は、(3/5)×(1/3)となり1/5に分配された信号電力となる。整合回路14は、一方の出力端子T12の出力インピーダンス(4Z0/3)と出力端子J3のインピーダンスZ0とを整合させている。
【0014】
また、第3の2分配器12の他方の出力端子T13から出力される2/3に分配された信号電力は、第4の2分配器13において1対1(1/2ずつ)に等分配されて2つの出力端子J4,J5から出力される。このため、出力端子J4,J5から出力される信号電力は(3/5)×(2/3)×(1/2)となり1/5ずつに分配された信号電力となる。このように、第1実施例の5分配器1では、入力端子J0から入力された信号電力が1/5ずつに分配されて、出力端子J1,J2,J3,J4,J5から出力される。この5分配器1の理論的な分配損失はいずれの出力端子でも約7dBとなる。
【0015】
次に、本発明の第2実施例の6分配器2の概略構成を示す回路ブロック図を
図2に示す。
図2に示す第2実施例の6分配器2は、ウィルキンソン型2分配器である5個の第1の分配器20ないし第5の2分配器24を組み合わせて構成されており、入力端子J0と、6つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6の特性インピーダンスのインピーダンス値は全て等しくZ0とされている。第2実施例の6分配器2は、第1の2分配器20により入力端子J0から入力された信号電力が2対4に不等分配されて第2の2分配器21と第3の2分配器22に供給される。不等分配する第1の2分配器20の2/6に分配された信号電力が出力される一方の出力端子T20の出力インピーダンスは4Z0/3とされ、4/6に分配された信号電力が出力される他方の出力端子T21の出力インピーダンスは2Z0/3と、分配比の逆数の比率とされている。
【0016】
第1の2分配器20の一方の出力端子T20から出力される2/6に分配された信号電力は、第2の2分配器21において1対1(1/2ずつ)に等分配されて2つの出力端子J1,J2から出力される。このため、出力端子J1,J2から出力される信号電力は1/6ずつに分配された信号電力となる。また、第1の2分配器20の他方の出力端子T21から出力される4/6に分配された信号電力は、第3の2分配器22において2対2(1/2ずつ)に等分配されて2つの出力端子T22,T23から出力される。2つの出力端子T22,T23の出力インピーダンスはそれぞれZ0とされる。第3の2分配器22の一方の出力端子T22から出力される2/4に分配された信号電力は、第4の2分配器23において1対1(1/2ずつ)に等分配されて2つの出力端子J3,J4から出力される。このため、出力端子J3,J4から出力される信号電力は(4/6)×(2/4)×(1/2)となり1/6ずつに分配された信号電力となる。
【0017】
また、第3の2分配器22の他方の出力端子T23から出力される2/4に分配された信号電力は、第5の2分配器24において1対1(1/2ずつ)に等分配されて2つの出力端子J5,J6から出力される。このため、出力端子J5,J6から出力される信号電力は(4/6)×(2/4)×(1/2)となり1/6ずつに分配された信号電力となる。このように、第2実施例の6分配器2では、入力端子J0から入力された信号電力が1/6ずつに分配されて、出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6から出力される。この6分配器2の理論的な分配損失はいずれの出力端子でも約7.8dBとなる。
【0018】
次に、
図1に示す第1実施例の5分配器1の詳細な構成を示す回路ブロック図を
図3(a)に示し、ウィルキンソン型2分配器の構成を示す回路図を
図3(b)に示す。
第1実施例の5分配器1の詳細な構成が
図3(a)に示す5分配器100とされている。5分配器100における不等2分配器101、等2分配器102、不等2分配器103、等2分配器104はウィルキンソン型2分配器とされており、
図1に示す5分配器1の第1の2分配器10、第2の2分配器11、第3の2分配器12、第4の2分配器13にそれぞれ相当している。そして、入力端子J0と、5つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5の特性インピーダンスのインピーダンス値は全て等しくZ0とされている。不等2分配器101は、入力端子J0に一端が接続され、他端が出力端子T103に接続されたインピーダンスZ1の伝送線路111と、入力端子J0に一端が接続され、他端が出力端子T104に接続されたインピーダンスZ2の伝送線路112と、出力端子T103と出力端子T104との間に接続されたアイソレーション抵抗(R1)113とから構成されている。
【0019】
ここで、5分配器100に使用されるウィルキンソン型2分配器を一般化して
図3(b)に2分配器1000として示し、2分配器1000について説明する。
この図に示す2分配器1000は、入力端子N01に一端が接続され、他端が端子T03に接続されたインピーダンスZ01の伝送線路01と、入力端子N01に一端が接続され、他端が端子T04に接続されたインピーダンスZ02の伝送線路02と、端子T03と端子T04との間に接続されたアイソレーション抵抗(R01)03とから構成されている。伝送線路01の入力側の端子T01と、伝送線路02の入力側の端子T02との分配比がa対bとされており、端子T01と端子T02とのインピーダンス比は分配比の逆数の比率とされることから、
T01:T02=b:a (1)
となる。また、端子T01と端子T02とを並列接続したインピーダンスは、入力端子N01のインピーダンスcZ0に等しいから、
cZ0=(T01・T02)/(T01+T02) (2)
となる。上記(1)(2)の2つの式を解いてT01とT02のインピーダンスを求めると、
T01=cZ0(a+b)/a (3)
T02=cZ0(a+b)/b (4)
となる。また、本発明にかかる5分配器および6分配器においては、アイソレーション抵抗を全ての2分配器において2Z0の一種類とすることを前提としている。そして、アイソレーション抵抗が、端子T03のインピーダンスと端子T04のインピーダンスの和とした時に、出力端子の間のアイソレーションが解析により最大となることが求められたことから、
R01=2Z0=T03+T04 (5)
となる。さらに、伝送線路01の出力側の端子T03と伝送線路02の出力側の端子T04とのインピーダンス比は分配比の逆数の比率とされることから、
T03:T04=b:a (6)
となる。上記(5)(6)の2つの式を解いてT03とT04のインピーダンスを求めると、
T03=2Z0・b/(a+b) (7)
T04=2Z0・a/(a+b) (8)
となる。
次に、伝送線路01は入力側の端子T01と出力側の端子T03とを整合させ、伝送線路02は入力側の端子T02と出力側の端子T04とを整合させていることから、伝送線路01,02のインピーダンスZ01,Z02は、次式(9)(10)で求められる。
Z01=√(T01・T03 ) (9)
Z02=√(T02・T04 ) (10)
【0020】
そうすると、不等2分配器101において分配比が2対3で入力端子J0のインピーダンスがZ0(c=1)の場合は、上記(3)(4)式から端子T101のインピーダンスが5Z0/2と算出され、端子T102のインピーダンスが5Z0/3と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T103の出力インピーダンスは6Z0/5と算出され、5分配器1の出力端子T10に相当し、出力端子T104の出力インピーダンスは4Z0/5と算出され、5分配器1の出力端子T11に相当する。さらに、伝送線路111のインピーダンスZ1、伝送線路112のインピーダンスZ2は、上記(9)(10)式から、
Z1=√(T101・T103)=√{(5Z0/2)・(6Z0/5)}=Z0√3
Z2=√(T102・T104)=√{(5Z0/3)・(4Z0/5)}=Z0√(4/3)
と算出される。アイソレーション抵抗113の抵抗値R1は、上記(5)式から、
R1=T103+T104=(6Z0/5)+(4Z0/5)=2Z0
と算出される。
【0021】
5分配器1の第2の2分配器11に相当する等2分配器102は、入力側の端子T105に一端が接続され、他端が出力端子T107に接続されたインピーダンスZ3の伝送線路114と、入力側の端子T106に一端が接続され、他端が出力端子T108に接続されたインピーダンスZ4の伝送線路115と、出力端子T107と出力端子T108との間に接続されたアイソレーション抵抗(R2)116とから構成されている。
等2分配器102は分配比が1対1で、接続されている不等2分配器101の出力端子T103のインピーダンスが6Z0/5(c=6/5)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T105のインピーダンスが12Z0/5と算出され、端子T106のインピーダンスが12Z0/5と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T107の出力インピーダンスはZ0と算出され、出力端子T108の出力インピーダンスもZ0と算出され、出力端子J1,J2のインピーダンスZ0に等しくなる。さらに、伝送線路114のインピーダンスZ3、伝送線路115のインピーダンスZ4は、上記(9)(10)式から、
Z3=√(T105・T107)=√{(12Z0/5)・Z0}=Z0√(12/5)
Z4=√(T106・T108)=√{(12Z0/5)・Z0}=Z0√(12/5)
と算出される。アイソレーション抵抗116の抵抗値R2は、上記(5)式から、
R2=T107+T108=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0022】
5分配器1の第3の2分配器12に相当する不等2分配器103は、入力側の端子T110に一端が接続され、他端が出力端子T112に接続されたインピーダンスZ5の伝送線路117と、入力側の端子T111に一端が接続され、他端が出力端子T113に接続されたインピーダンスZ6の伝送線路118と、出力端子T112と出力端子T113との間に接続されたアイソレーション抵抗(R3)119とから構成されている。
不等2分配器103は分配比が1対2で、接続されている不等2分配器101の出力端子T104のインピーダンスが4Z0/5(c=4/5)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T110のインピーダンスが12Z0/5と算出され、端子T111のインピーダンスが6Z0/5と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T112の出力インピーダンスは4Z0/3と算出され、5分配器1の出力端子T12に相当し、出力端子T113の出力インピーダンスは2Z0/3と算出され、5分配器1の出力端子T13に相当する。さらに、伝送線路117のインピーダンスZ5、伝送線路118のインピーダンスZ6は、上記(9)(10)式から、
Z5=√(T110・T112)=√{(12Z0/5)・(4Z0/3)}=Z0√(16/5)
Z6=√(T111・T113)=√{(6Z0/5)・(2Z0/3)}=Z0√(4/5)
と算出される。アイソレーション抵抗119の抵抗値R3は、上記(5)式から、
R3=T112+T113=4Z0/3+2Z0/3=2Z0
と算出される。
【0023】
整合回路120は伝送線路から構成され、5分配器1の整合回路14に相当し、不等2分配器103の一方の出力端子T112のインピーダンスと出力端子J3のインピーダンスZ0とを整合させている。整合回路120を構成する伝送線路のインピーダンスZ7は、次式で算出される。
Z7=√(T112・Z0)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
【0024】
5分配器1の第4の2分配器13に相当する等2分配器104は、入力側の端子T114に一端が接続され、他端が出力端子T116に接続されたインピーダンスZ8の伝送線路121と、入力側の端子T115に一端が接続され、他端が出力端子T117に接続されたインピーダンスZ9の伝送線路122と、出力端子T116と出力端子T117との間に接続されたアイソレーション抵抗(R4)123とから構成されている。
等2分配器104は分配比が1対1で、接続されている不等2分配器103の出力端子T113のインピーダンスが2Z0/3(c=2/3)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T114のインピーダンスが4Z0/3と算出され、端子T115のインピーダンスが4Z0/3と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T116の出力インピーダンスはZ0と算出され、出力端子T117の出力インピーダンスもZ0と算出され、出力端子J4,J5のインピーダンスZ0に等しくなる。さらに、伝送線路121のインピーダンスZ8、伝送線路122のインピーダンスZ9は、上記(9)(10)式から、
Z8=√(T114・T116)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
Z9=√(T115・T117)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
と算出される。アイソレーション抵抗123の抵抗値R4は、上記(5)式から、
R4=T116+T117=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0025】
以上説明した
図3に示す5分配器100において、不等2分配器101、等2分配器102、不等2分配器103、等2分配器104は
図3(b)に示すウィルキンソン型2分配器とされており、これらの2分配器における伝送線路111,112,114,115,117,118,121,122および整合回路120の伝送線路は、5分配器100の使用周波数の波長をλとした際に、電気長が使用周波数においてλ/4の分布定数線路とされ,そのインピーダンスは上記のように算出されたインピーダンスとされている。伝送線路とされる分布定数線路は、同軸線路、ストリップライン、マイクロストリップライン、コプレナーラインなどとすることができる。5分配器100において、回路部品としてはアイソレーション抵抗(R1〜R4)113,116,119,123が必要となるが、アイソレーション抵抗(R1〜R4)の抵抗値は全て同じ抵抗値(2Z0)とされることから、1種類の部品しか必要とせず低コスト化を図ることができる。
【0026】
ここで、5分配器100の各部の具体的なインピーダンス値の一例について説明する。入力端子J0と、5つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5の特性インピーダンスZ0を50Ωとすると、伝送線路111のインピーダンスZ1は約86.6Ω、伝送線路112のインピーダンスZ2は約57.7Ω、伝送線路114,115のインピーダンスZ3,Z4は約77.4Ω、伝送線路117のインピーダンスZ5は約89.4Ω、伝送線路118のインピーダンスZ6は約44.7Ω、伝送線路121,122のインピーダンスZ8,Z9は約57.7Ω、整合回路120のインピーダンスZ7は約57.7Ωとなる。また、アイソレーション抵抗(R1〜R4)の抵抗値は100Ωとなる。
図3に示す5分配器100のように、ウィルキンソン型電力分配器では耐電力が大きな放熱用フランジ付きのアイソレーション抵抗(R1〜R4)が必要となるが、市販されている大きな放熱用フランジ付きのアイソレーション抵抗の抵抗値は100Ωが、一般的とされている。この理由は、広く一般的に使用されている入出力インピーダンスが50Ωのウィルキンソン型均等2分配器とされ、100Ω(入出力インピーダンスの2倍)の大きな放熱用フランジ付きのアイソレーション抵抗が大量に使用されているためである。本発明にかかる5分配器100では、安価で入手の容易な100Ωのアイソレーション抵抗だけを用いたウィルキンソン型2分配器のみで構成された、入出力インピーダンスが同一で、いずれの出力端子においても電力分配比が等しい5分配器となる。第1実施例の5分配器100における出力端子J1,J2,J3,J4,J5の理論的な分配損失は、いずれの出力端子でも約7dBとなる。
【0027】
次に、
図2に示す第2実施例の6分配器2の詳細な構成を示す回路ブロック図を
図4に示す。
第2実施例の6分配器2の詳細な構成が
図4に示す6分配器200とされている。6分配器200における不等2分配器201、等2分配器202、等2分配器203、等2分配器204、等2分配器205はウィルキンソン型2分配器とされており、
図2に示す6分配器2の第1の2分配器20、第2の2分配器21、第3の2分配器22、第4の2分配器23、第5の2分配器24にそれぞれ相当している。そして、入力端子J0と、6つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6の特性インピーダンスのインピーダンス値は全て等しくZ0とされている。不等2分配器201は、入力端子J0に一端が接続され、他端が出力端子T203に接続されたインピーダンスZ21の伝送線路211と、入力端子J0に一端が接続され、他端が出力端子T204に接続されたインピーダンスZ22の伝送線路212と、出力端子T203と出力端子T204との間に接続されたアイソレーション抵抗(R21)213とから構成されている。
【0028】
不等2分配器201は分配比が2対4で、接続されている入力端子J0のインピーダンスがZ0(c=1)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T201のインピーダンスが3Z0と算出され、端子T202のインピーダンスが3Z0/2と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T203の出力インピーダンスは4Z0/3と算出され、出力端子T204の出力インピーダンスは2Z0/3と算出される。さらに、伝送線路211のインピーダンスZ21、伝送線路212のインピーダンスZ22は、上記(9)(10)式から、
Z21=√(T201・T203)=√{(3Z0)・(4Z0/3)}=2Z0
Z22=√(T202・T204)=√{(3Z0/2)・(2Z0/3)}=Z0
と算出される。アイソレーション抵抗113の抵抗値R21は、上記(5)式から、
R21=T203+T204=(4Z0/3)+(2Z0/3)=2Z0
と算出される。
【0029】
6分配器2の第2の2分配器21に相当する等2分配器202は、入力側の端子T205に一端が接続され、他端が出力端子T207に接続されたインピーダンスZ23の伝送線路214と、入力側の端子T206に一端が接続され、他端が出力端子T208に接続されたインピーダンスZ24の伝送線路215と、出力端子T207と出力端子T208との間に接続されたアイソレーション抵抗(R22)216とから構成されている。
等2分配器202は分配比が1対1で、接続されている不等2分配器201の出力端子T203のインピーダンスが4Z0/3(c=4/3)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T205のインピーダンスおよび端子T206のインピーダンスは共に8Z0/3と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T207のインピーダンスおよび出力端子T208の出力インピーダンスは共にZ0と算出され、それぞれ出力端子J1,J2のインピーダンスZ0に等しくなる。さらに、伝送線路214のインピーダンスZ23、伝送線路215のインピーダンスZ24は、上記(9)(10)式から、
Z23=√(T205・T207)=√{(8Z0/3)・Z0}=Z0√(8/3)
Z24=√(T206・T208)=√{(8Z0/3)・Z0}=Z0√(8/3)
と算出される。アイソレーション抵抗216の抵抗値R22は、上記(5)式から、
R22=T207+T208=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0030】
6分配器2の第3の2分配器22に相当する等2分配器203は、入力側の端子T210に一端が接続され、他端が出力端子T212に接続されたインピーダンスZ25の伝送線路217と、入力側の端子T211に一端が接続され、他端が出力端子T213に接続されたインピーダンスZ26の伝送線路218と、出力端子T212と出力端子T213との間に接続されたアイソレーション抵抗(R23)219とから構成されている。
等2分配器203は分配比が1対1で、接続されている不等2分配器201の出力端子T204のインピーダンスが2Z0/3(c=2/3)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T210のインピーダンスおよび端子T211のインピーダンスは共に4Z0/3と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T212のインピーダンスはZ0と算出され、6分配器2の出力端子T22に相当し、出力端子T213のインピーダンスもZ0と算出され、分配器2の出力端子T23に相当する。さらに、伝送線路217のインピーダンスZ25、伝送線路218のインピーダンスZ26は、上記(9)(10)式から、
Z25=√(T210・T212)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
Z26=√(T211・T213)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
と算出される。アイソレーション抵抗219の抵抗値R23は、上記(5)式から、
R23=T212+T213=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0031】
6分配器2の第4の2分配器23に相当する等2分配器204は、入力側の端子T214に一端が接続され、他端が出力端子T216に接続されたインピーダンスZ27の伝送線路220と、入力側の端子T215に一端が接続され、他端が出力端子T217に接続されたインピーダンスZ28の伝送線路221と、出力端子T216と出力端子T217との間に接続されたアイソレーション抵抗(R24)223とから構成されている。
等2分配器204は分配比が1対1で、接続されている等2分配器203の出力端子T212のインピーダンスがZ0(c=1)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T214のインピーダンスおよび端子T215のインピーダンスは共に2Z0と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T216のインピーダンスおよび出力端子T217のインピーダンスはZ0と算出され、それぞれ出力端子J3,J4のインピーダンスZ0に等しくなる。さらに、伝送線路220のインピーダンスZ27、伝送線路221のインピーダンスZ28は、上記(9)(10)式から、
Z27=√(T214・T216)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
Z28=√(T215・T217)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
と算出される。アイソレーション抵抗223の抵抗値R24は、上記(5)式から、
R24=T216+T217=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0032】
6分配器2の第5の2分配器24に相当する等2分配器205は、入力側の端子T218に一端が接続され、他端が出力端子T220に接続されたインピーダンスZ29の伝送線路224と、入力側の端子T219に一端が接続され、他端が出力端子T221に接続されたインピーダンスZ30の伝送線路225と、出力端子T220と出力端子T221との間に接続されたアイソレーション抵抗(R25)226とから構成されている。
等2分配器205は分配比が1対1で、接続されている等2分配器203の出力端子T213のインピーダンスがZ0(c=1)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T218のインピーダンスおよび端子T219のインピーダンスは共に2Z0と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T220のインピーダンスおよび出力端子T221のインピーダンスはZ0と算出され、それぞれ出力端子J5,J6のインピーダンスZ0に等しくなる。さらに、伝送線路224のインピーダンスZ29、伝送線路225のインピーダンスZ30は、上記(9)(10)式から、
Z29=√(T218・T220)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
Z30=√(T219・T221)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
と算出される。アイソレーション抵抗226の抵抗値R25は、上記(5)式から、
R25=T220+T221=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0033】
以上説明した
図4に示す6分配器200において、不等2分配器201、等2分配器202、等2分配器203、等2分配器204、等2分配器205はウィルキンソン型2分配器とされており、これらの2分配器における伝送線路211,212,214,215,217,218,220,221,224,225の伝送線路は、6分配器200の使用周波数の波長をλとした際に、いずれも電気長が使用周波数においてλ/4の分布定数線路とされ,そのインピーダンスは上記のように算出されたインピーダンスとされる。伝送線路とされる分布定数線路は、同軸線路、ストリップライン、マイクロストリップライン、コプレナーラインなどとすることができる。6分配器200において、回路部品としてはアイソレーション抵抗(R21〜R25)213,216,219,223,226が必要となるが、アイソレーション抵抗(R21〜R25)の抵抗値は全て同じ抵抗値(2Z0)とされることから、1種類の部品しか必要とせず低コスト化を図ることができる。
【0034】
ここで、6分配器200の各部の具体的なインピーダンス値の一例について説明する。入力端子J0と、6つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6の特性インピーダンスZ0を50Ωとすると、伝送線路211のインピーダンスZ21は100.0Ω、伝送線路212のインピーダンスZ22は50.0Ω、伝送線路214,215のインピーダンスZ23,Z24は約81.6Ω、伝送線路217,218のインピーダンスZ25,Z26は約57.7Ω、伝送線路220,221のインピーダンスZ27,Z28は約70.7Ω、伝送線路224,225のインピーダンスZ29,Z30は約70.7Ωとなる。また、アイソレーション抵抗(R21〜R25)の抵抗値は100Ωとなる。
図4に示す6分配器200のように、ウィルキンソン型電力分配器では耐電力が大きな放熱用フランジ付きのアイソレーション抵抗(R21〜R25)が必要となるが、市販されている大きな放熱用フランジ付きのアイソレーション抵抗の抵抗値は100Ωが、一般的とされている。本発明にかかる6分配器200では、安価で入手の容易な100Ωのアイソレーション抵抗だけを用いたウィルキンソン型2分配器のみで構成された、入出力インピーダンスが同一で、いずれの出力端子においても電力分配比が等しい6分配器となる。第2実施例の6分配器200における出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6の理論的な分配損失は、いずれの出力端子でも約7.8dBとなる。
【0035】
次に、第3実施例の6分配器3の概略構成を示す回路ブロック図を
図5に示す。
図5に示す第5実施例の6分配器3は、ウィルキンソン型2分配器である5個の第1の分配器30ないし第5の2分配器36と、2個の整合回路34,35とを組み合わせて構成されており、入力端子J0と、6つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6の特性インピーダンスのインピーダンス値は全て等しくZ0とされている。第3実施例の6分配器3は、第1の2分配器30により入力端子J0から入力された信号電力が1対1(1/2ずつ)に等分配されて第2の2分配器31と第3の2分配器32に供給される。等分配する第1の2分配器30の分配された信号電力が出力される一方の出力端子T30と他方の出力端子T31との出力インピーダンスは等しくZ0とされている。
【0036】
第1の2分配器30の一方の出力端子T30から出力される1/2に分配された信号電力は、第2の2分配器31において2対1に不等分配されて第3の2分配器33と第1の整合回路34に供給される。不等分配する第2の2分配器31の2/3に分配された信号電力が出力される一方の出力端子T32の出力インピーダンスは2Z0/3とされ、1/3に分配された信号電力が出力される他方の出力端子T33の出力インピーダンスは4Z0/3と、分配比の逆数の比率とされている。
第2の2分配器31の一方の出力端子T32から出力される2/3に分配された信号電力は、第4の2分配器33において1対1(1/2ずつ)に等分配されて2つの出力端子J1,J2から出力される。このため、出力端子J1,J2から出力される信号電力は(1/2)×(2/3)×(1/2)となり1/6ずつに分配された信号電力となる。また、第2の2分配器31の一方の出力端子T33から出力される1/3に分配された信号電力は、第1の整合回路34を介して出力端子J3から出力される。出力端子J3から出力される信号電力は(1/2)×(1/3)となり、1/6に分配された信号電力となる。
【0037】
第1の2分配器30の他方の出力端子T31から出力される1/2に分配された信号電力は、第3の2分配器32において1対2に不等分配されて2つの出力端子T34,T35から出力される。不等分配する第3の2分配器32の1/3に分配された信号電力が出力される一方の出力端子T34の出力インピーダンスは4Z0/3とされ、2/3に分配された信号電力が出力される他方の出力端子T35の出力インピーダンスは2Z0/3と、分配比の逆数の比率とされている。第3の2分配器32の一方の出力端子T34から出力される1/3に分配された信号電力は、第2の整合回路35を介して出力端子J4から出力される。出力端子J4から出力される信号電力は(1/2)×(1/3)となり、1/6に分配された信号電力となる。また、第3の2分配器32の他方の出力端子T35から出力される2/3に分配された信号電力は、第5の2分配器36において1対1(1/2ずつ)に等分配されて2つの出力端子J5,J6から出力される。このため、出力端子J5,J6から出力される信号電力は(1/2)×(2/3)×(1/2)となり1/6ずつに分配された信号電力となる。このように、第3実施例の6分配器3では、入力端子J0から入力された信号電力が1/6ずつに分配されて、出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6から出力される。この6分配器3の理論的な分配損失はいずれの出力端子でも約7.8dBとなる。
【0038】
次に、
図5に示す第3実施例の6分配器3の詳細な構成を示す回路ブロック図を
図6に示す。
第3実施例の6分配器3の詳細な構成が
図6に示す6分配器300とされている。6分配器300における等2分配器301、不等2分配器302、不等2分配器303、等2分配器304、等2分配器305はウィルキンソン型2分配器とされており、
図5に示す6分配器3の第1の2分配器30、第2の2分配器31、第3の2分配器32、第4の2分配器33、第5の2分配器36にそれぞれ相当している。そして、入力端子J0と、6つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6の特性インピーダンスのインピーダンス値は全て等しくZ0とされている。6分配器3の第1の2分配器30に相当する等2分配器301は、入力端子J0に一端が接続され、他端が出力端子T303に接続されたインピーダンスZ31の伝送線路311と、入力端子J0に一端が接続され、他端が出力端子T304に接続されたインピーダンスZ32の伝送線路312と、出力端子T303と出力端子T304との間に接続されたアイソレーション抵抗(R31)313とから構成されている。
【0039】
等2分配器301は分配比が1対1で、接続されている入力端子J0のインピーダンスがZ0(c=1)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T301のインピーダンスおよび端子T302のインピーダンスは共に2Z0と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T303のインピーダンスはZ0と算出され、6分配器3の出力端子T30に相当し、出力端子T304のインピーダンスはZ0と算出され、6分配器3の出力端子T31に相当する。さらに、伝送線路311のインピーダンスZ31、伝送線路312のインピーダンスZ32は、上記(9)(10)式から、
Z31=√(T301・T303)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
Z32=√(T302・T304)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
と算出される。アイソレーション抵抗313の抵抗値R31は、上記(5)式から、
R31=T303+T304=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0040】
6分配器3の第2の2分配器31に相当する不等2分配器302は、入力側の端子T305に一端が接続され、他端が出力端子T307に接続されたインピーダンスZ33の伝送線路314と、入力側の端子T306に一端が接続され、他端が出力端子T308に接続されたインピーダンスZ34の伝送線路315と、出力端子T307と出力端子T308との間に接続されたアイソレーション抵抗(R32)316とから構成されている。
不等2分配器302は分配比が2対1で、接続されている等2分配器301の出力端子T303のインピーダンスがZ0(c=1)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T305のインピーダンスが3Z0/2と算出され、端子T306のインピーダンスが3Z0と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T307の出力インピーダンスは2Z0/3と算出され、出力端子T308の出力インピーダンスは4Z0/3と算出される。さらに、伝送線路314のインピーダンスZ33、伝送線路315のインピーダンスZ34は、上記(9)(10)式から、
Z33=√(T305・T307)=√{(3Z0/2)・(2Z0/3)}=Z0
Z34=√(T306・T308)=√{(3Z0)・(4Z0/3)}=2Z0
と算出される。アイソレーション抵抗316の抵抗値R32は、上記(5)式から、
R32=T307+T308=2Z0/3+4Z0/3=2Z0
と算出される。
【0041】
6分配器3の第3の2分配器32に相当する不等2分配器303は、入力側の端子T320に一端が接続され、他端が出力端子T322に接続されたインピーダンスZ38の伝送線路321と、入力側の端子T321に一端が接続され、他端が出力端子T323に接続されたインピーダンスZ39の伝送線路322と、出力端子T322と出力端子T323との間に接続されたアイソレーション抵抗(R34)323とから構成されている。
不等2分配器303は分配比が1対2で、接続されている等2分配器301の出力端子T304のインピーダンスがZ0(c=1)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T320インピーダンスが3Z0と算出され、端子T321のインピーダンスが3Z0/2と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T322の出力インピーダンスは4Z0/3と算出され、出力端子T323の出力インピーダンスは2Z0/3と算出される。さらに、伝送線路321のインピーダンスZ38、伝送線路322のインピーダンスZ39は、上記(9)(10)式から、
Z38=√(T320・T322)=√{(3Z0)・(4Z0/3)}=2Z0
Z39=√(T321・T323)=√{(3Z0/2)・(2Z0/3)}=Z0
と算出される。アイソレーション抵抗323の抵抗値R34は、上記(5)式から、
R34=T322+T323=4Z0/3+2Z0/3=2Z0
と算出される。
【0042】
6分配器3の第4の2分配器33に相当する等2分配器304は、入力側の端子T309に一端が接続され、他端が出力端子T311に接続されたインピーダンスZ35の伝送線路317と、入力側の端子T310に一端が接続され、他端が出力端子T312に接続されたインピーダンスZ36の伝送線路318と、出力端子T311と出力端子T312との間に接続されたアイソレーション抵抗(R33)319とから構成されている。
等2分配器304は分配比が1対1で、接続されている不等2分配器302の出力端子T307のインピーダンスが2Z0/3(c=2/3)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T309のインピーダンスおよび端子T310のインピーダンスは共に4Z0/3と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T311のインピーダンスおよび出力端子T312の出力インピーダンスは共にZ0と算出され、それぞれ出力端子J1,J2のインピーダンスZ0に等しくなる。さらに、伝送線路317のインピーダンスZ35、伝送線路318のインピーダンスZ36は、上記(9)(10)式から、
Z35=√(T309・T311)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
Z36=√(T310・T312)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
と算出される。アイソレーション抵抗319の抵抗値R33は、上記(5)式から、
R33=T311+T312=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0043】
6分配器3の第5の2分配器36に相当する等2分配器305は、入力側の端子T324に一端が接続され、他端が出力端子T326に接続されたインピーダンスZ41の伝送線路325と、入力側の端子T325に一端が接続され、他端が出力端子T327に接続されたインピーダンスZ42の伝送線路326と、出力端子T326と出力端子T327との間に接続されたアイソレーション抵抗(R35)327とから構成されている。
等2分配器305は分配比が1対1で、接続されている不等2分配器303の出力端子T323のインピーダンスが2Z0/3(c=2/3)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T324のインピーダンスおよび端子T325のインピーダンスは共に4Z0/3と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T326のインピーダンスおよび出力端子T327の出力インピーダンスは共にZ0と算出され、それぞれ出力端子J5,J6のインピーダンスZ0に等しくなる。さらに、伝送線路325のインピーダンスZ41、伝送線路326のインピーダンスZ42は、上記(9)(10)式から、
Z41=√(T324・T326)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
Z42=√(T325・T327)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
と算出される。アイソレーション抵抗327の抵抗値R35は、上記(5)式から、
R35=T326+T327=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0044】
伝送線路から構成される整合回路320は、不等2分配器302の出力端子T308に一端が接続され、他端が出力端子J3に接続されて6分配器3の整合回路34に相当し、そのインピーダンスZ37は、次式から算出される。
Z37=√(T308・Z0)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
また、伝送線路から構成される整合回路324は、不等2分配器303の出力端子T322に一端が接続され、他端が出力端子J4に接続されて6分配器3の整合回路35に相当し、そのインピーダンスZ40は、次式から算出される。
Z40=√(T322・Z0)=√{(4Z0/3)・Z0}=Z0√(4/3)
【0045】
以上説明した
図6に示す第3実施例の6分配器300において、等2分配器301、不等2分配器302、不等2分配器303、等2分配器304、等2分配器305はウィルキンソン型2分配器とされており、これらの2分配器における伝送線路311,312,314,315,317,318,321,322,325,326、および、整合回路320,324の伝送線路は、6分配器300の使用周波数の波長をλとした際に、いずれも電気長が使用周波数においてλ/4の分布定数線路とされ,そのインピーダンスは上記のように算出されたインピーダンスとされる。伝送線路とされる分布定数線路は、同軸線路、ストリップライン、マイクロストリップライン、コプレナーラインなどとすることができる。6分配器300において、回路部品としてはアイソレーション抵抗(R31〜R35)313,316,319,323,327が必要となるが、アイソレーション抵抗(R31〜R35)の抵抗値は全て同じ抵抗値(2Z0)とされることから、1種類の部品しか必要とせず低コスト化を図ることができる。
【0046】
ここで、第3実施例の6分配器300の各部の具体的なインピーダンス値の一例について説明する。入力端子J0と、6つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6の特性インピーダンスZ0を50Ωとすると、伝送線路311,312のインピーダンスZ31,Z32は70.7Ω、伝送線路314のインピーダンスZ33は50.0Ω、伝送線路315のインピーダンスZ34は100.0Ω、伝送線路317,318のインピーダンスZ35,Z36は約57.7Ω、伝送線路321のインピーダンスZ38は100.0Ω、伝送線路322のインピーダンスZ39は50.0Ω、伝送線路325,326のインピーダンスZ41,Z42は約57.7Ωとなる。また、整合回路320,324の伝送線路のインピーダンスZ37,Z40は約57.7Ωとなる。さらに、アイソレーション抵抗(R31〜R35)の抵抗値は100Ωとなる。
図6に示す6分配器300のように、ウィルキンソン型電力分配器では耐電力が大きな放熱用フランジ付きのアイソレーション抵抗(R31〜R35)が必要となるが、市販されている大きな放熱用フランジ付きのアイソレーション抵抗の抵抗値は100Ωが、一般的とされている。本発明にかかる6分配器300では、安価で入手の容易な100Ωのアイソレーション抵抗だけを用いたウィルキンソン型2分配器のみで構成された、入出力インピーダンスが同一で、いずれの出力端子においても電力分配比が等しい6分配器となる。第3実施例の6分配器300における出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6の理論的な分配損失は、いずれの出力端子でも約7.8dBとなる。
【0047】
ところで、
図1および
図3に示す第1実施例の5分配器1,100に替えて、第1の2分配器の分配比を1対4として1/5と4/5とに不等分配し、1/5の分配出力を出力端子から出力すると共に、4/5の分配出力を2対2の分配比の第2の2分配器で2/4と2/4とに等分配する。そして、一方の2/4の分配出力を1対1の分配比の第3の2分配器で等分配して出力端子から出力すると共に、他方の2/4の分配出力を1対1の分配比の第4の2分配器で等分配して出力端子から出力する。このような構成によっても、5分配器を実現できる。そこで、この5分配器400の詳細な構成を示す回路ブロック図を
図7に示す。
図7に示す5分配器400における不等2分配器401、等2分配器402、等2分配器403、等2分配器404はウィルキンソン型2分配器とされており、入力端子J0と、5つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5,J6の特性インピーダンスのインピーダンス値は全て等しくZ0とされている。
【0048】
不等2分配器401は、入力端子J0に一端が接続され、他端が出力端子T403に接続されたインピーダンスZ41の伝送線路411と、入力端子J0に一端が接続され、他端が出力端子T404に接続されたインピーダンスZ42の伝送線路412と、出力端子T403と出力端子T404との間に接続されたアイソレーション抵抗(R41)413とから構成されている。
不等2分配器401は分配比が1対4で、接続されている入力端子J0のインピーダンスがZ0(c=1)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T401のインピーダンスが5Z0と算出され、端子T402のインピーダンスが5Z0/4と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T403の出力インピーダンスは8Z0/5と算出され、出力端子T404の出力インピーダンスは2Z0/5と算出される。さらに、伝送線路411のインピーダンスZ41、伝送線路412のインピーダンスZ42は、上記(9)(10)式から、
Z41=√(T401・T403)=√{(5Z0)・(8Z0/5)}=2Z0√2
Z42=√(T402・T404)=√{(5Z0/4)・(2Z0/5)}=Z0√(1/2)
と算出される。アイソレーション抵抗413の抵抗値R41は、上記(5)式から、
R41=T403+T404=(8Z0/5)+(2Z0/5)=2Z0
と算出される。
【0049】
不等2分配器401からの1/5の分配出力は、整合回路414を介して出力端子J1から出力される。伝送線路から構成される整合回路414は、不等2分配器401の出力端子T403に接続された入力側の端子T405(インピーダンス8Z0/5)に一端が接続され、他端が出力端子J1に接続された出力端子T406(インピーダンスZ0)に接続されており、そのインピーダンスZ43は、次式から算出される。
Z43=√(T405・T406) =√{(8Z0/5)・Z0}=Z0√(8/5)
【0050】
また、不等2分配器401からの4/5の分配出力が供給される等2分配器402は、入力側の端子T407に一端が接続され、他端が出力端子T409に接続されたインピーダンスZ44の伝送線路415と、入力側の端子T408に一端が接続され、他端が出力端子T410に接続されたインピーダンスZ45の伝送線路416と、出力端子T409と出力端子T410との間に接続されたアイソレーション抵抗(R42)417とから構成されている。
等2分配器402は分配比が1対1で、接続されている不等2分配器401の出力端子T404のインピーダンスが2Z0/5(c=2/5)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T407のインピーダンスおよび端子T408のインピーダンスは共に4Z0/5と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T409のインピーダンスおよび出力端子T410の出力インピーダンスは共にZ0と算出される。さらに、伝送線路415のインピーダンスZ44、伝送線路416のインピーダンスZ45は、上記(9)(10)式から、
Z44=√(T407・T409)=√{(4Z0/5)・Z0}=Z0√(4/5)
Z45=√(T408・T410)=√{(4Z0/5)・Z0}=Z0√(4/5)
と算出される。アイソレーション抵抗417の抵抗値R42は、上記(5)式から、
R42=T409+T410=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0051】
等2分配器402からの1/2の一方の分配出力が供給される等2分配器403は、入力側の端子T411に一端が接続され、他端が出力端子T413に接続されたインピーダンスZ46の伝送線路418と、入力側の端子T412に一端が接続され、他端が出力端子T414に接続されたインピーダンスZ47の伝送線路419と、出力端子T413と出力端子T414との間に接続されたアイソレーション抵抗(R43)420とから構成されている。
等2分配器403は分配比が1対1で、接続されている等2分配器402の出力端子T409のインピーダンスがZ0(c=1)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T411のインピーダンスおよび端子T412のインピーダンスは共に2Z0と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T413のインピーダンスおよび出力端子T414の出力インピーダンスは共にZ0と算出され、それぞれ出力端子J2,J3のインピーダンスZ0に等しくなる。さらに、伝送線路418のインピーダンスZ46、伝送線路419のインピーダンスZ47は、上記(9)(10)式から、
Z46=√(T411・T413)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
Z47=√(T412・T414)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
と算出される。アイソレーション抵抗420の抵抗値R43は、上記(5)式から、
R43=T413+T414=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0052】
また、等2分配器402からの1/2の他方の分配出力が供給される等2分配器404は、入力側の端子T415に一端が接続され、他端が出力端子T417に接続されたインピーダンスZ48の伝送線路421と、入力側の端子T416に一端が接続され、他端が出力端子T418に接続されたインピーダンスZ49の伝送線路422と、出力端子T417と出力端子T418との間に接続されたアイソレーション抵抗(R44)423とから構成されている。
等2分配器404は分配比が1対1で、接続されている等2分配器402の出力端子T410のインピーダンスがZ0(c=1)とされていることから、上記(3)(4)式から端子T415のインピーダンスおよび端子T416のインピーダンスは共に2Z0と算出される。また、上記(7)(8)式から出力端子T417のインピーダンスおよび出力端子T418の出力インピーダンスは共にZ0と算出され、それぞれ出力端子J4,J5のインピーダンスZ0に等しくなる。さらに、伝送線路421のインピーダンスZ48、伝送線路422のインピーダンスZ49は、上記(9)(10)式から、
Z48=√(T415・T417)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
Z49=√(T416・T418)=√{(2Z0)・Z0}=Z0√2
と算出される。アイソレーション抵抗423の抵抗値R44は、上記(5)式から、
R44=T417+T418=Z0+Z0=2Z0
と算出される。
【0053】
以上説明した
図7に示す5分配器400において、各部の具体的なインピーダンス値について説明する。入力端子J0と、5つの出力端子J1,J2,J3,J4,J5の特性インピーダンスZ0を50Ωとすると、伝送線路411のインピーダンスZ41は約141.4Ω、伝送線路412のインピーダンスZ42は約35.3Ω、整合回路414の伝送線路のインピーダンスZ43は約63.2Ω、伝送線路415,416のインピーダンスZ44,Z45は約44.7Ω、伝送線路418,419,421,422のインピーダンスZ46,Z47,Z48,Z49は約70.7Ωとなる。また、アイソレーション抵抗(R41〜R44)の抵抗値は100Ωとなる。
しかしながら、伝送線路411のインピーダンスZ41は約141.4Ωと極めて高インピーダンスのため同軸線路やストリップラインでの実現が難しくなる。例えば、伝送線路411をプリント基板上に形成したストリップラインで実現する場合、約141.4Ωの伝送線路411を都合良く形成できる電気的特性のプリント基板を使用すると、35.3Ωの伝送線路412の線路幅が極端に太くなってしまうと言った具合に、実用上大きな問題が生じる。
上記したように、ウィルキンソン型2分配器の分配比には実用上の制限があるが、分配比を2対3や1対2とする場合には、ウィルキンソン型2分配器の伝送線路のインピーダンスは高くても100Ω以下となり、同軸線路やストリップラインを用いて十分実現することができる。このように、
図1ないし
図6に示した5分配器および6分配器では実用上の問題を生じることなく実現することができる。