(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記容器とは別の容器の口部に螺着されているキャップの筒部に、少なくとも該キャップのアウターシールと前記筒部の内周面と前記口部の外周部とで区画された第二空間に連通する第二孔部を形成する第二穿設ステップと、
前記第二孔部を介して、前記第二空間に染料を注入する第二注入ステップと、
前記第二注入ステップで染料が注入された前記別の容器のキャップに対して内圧を付与する第二与圧ステップと、
前記第二与圧ステップ後に前記別の容器内への染料の漏洩の有無を確認する第二確認ステップと、
前記評価ステップは、前記第一確認ステップと、前記第二確認ステップの確認結果に基づいて前記密封性を評価することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
前記第一与圧ステップは、少なくとも前記容器を逆さまにした状態で放置する第一放置ステップ、または、前記容器に対して所定の外力を印加する第一印加ステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
前記第一与圧ステップは、少なくとも前記容器を逆さまにした状態で放置する第一放置ステップ、または、前記容器に対して所定の外力を印加する第一印加ステップを備え、
前記第二与圧ステップは、少なくとも前記別の容器を逆さまにした状態で放置する第二放置ステップ、または、前記別の容器に対して所定の外力を印加する第二印加ステップを備えていることを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
前記保持部は、前記第一保持部及び第二保持部を、前記第一方向に沿って、前記穿設部と前記注入部との並設距離と等しい距離で並設固定する固定部を備えていることを特徴とする請求項7に記載の補助装置。
前記第一支持部は、前記穿設部と対向する位置で、または、前記注入部と対向する位置で、前記保持部が前記第一方向への相対的に移動することを規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の補助装置。
【背景技術】
【0002】
ペットボトル等の容器の口部に螺着されるキャップとして、天面部と、天面部の周縁から垂下する筒部と、天面部の内面に形成された、前記口部の外周面と接触するシール(以下、アウターシールという。)と、同じく天面部の内面に、前記アウターシールよりも天面部からの垂直距離が長く形成された、前記口部の内周面と接触するシール(以下、インナーシールという。)とが樹脂により一体形成され、前記アウターシール及び前記インナーシールで前記口部を挟持することによって、前記口部を密封するものが広く使用されている。
【0003】
内容物の品質保持等の観点から、キャップのアウターシールやインナーシールには、特にインナーシールには、少なくともキャップが未開封の状態において確実な密封性が要求されている。
【0004】
キャップのアウターシールやインナーシールの密封性の検査方法として、容器に内容物となる液体を充填してキャップで密封した後、容器をキャップの側が下方となるような状態で放置して、容器内の液体の外部への漏洩の有無を調べる方法が知られている。なお、該検査方法は、特許文献1にも記載される従来技術であるため、特許文献等の先行技術文献は示さない。
【0005】
特許文献1には、キャップのシール部付近を非導電性の材料で形成し、シール部をはさんだキャップの中心部と周辺部とをそれぞれ導電性の材料で形成して、内容物の漏洩を、導電性の材料で形成した中心部と周辺部との電流の流れの基づいて検知する技術が提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、ボトル口部を密封するインナーリング部が一体形成されたキャップ部を被嵌した状態のボトルをそのネック部で切断し、その切断による開放端から前記キャップ部が被嵌された口部内に検査用超音波センサを挿入して、前記インナーリング部による密封部検査位置に指向させて、所定条件でスキャンして、該密封部のエコー画像を得ることにより密封性を検査する技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した従来の検査方法では、インナーシールに密封性がなくてもアウターシールに密封性があれば液体の漏洩が発生しないため、確実な密封性が要求されるインナーシールの密封性の評価を適切にすることができないという問題があった。
【0009】
特許文献1の技術では、全てのキャップを部位によって、導電性、非導電性にする必要があるため無駄なコストがかかるという問題があった。
特に、例えばペットボトル入り飲料の新商品の開発や既存の商品の改良等にあたり、新規にキャップや口部を設計し、該キャップの密封性を評価して前記新規設計のキャップや口部が採用された場合に、その後商品として流通するペットボトル入り飲料について個別に密封性の評価を行わないにもかかわらず、前記採用されたものと同一のコストの高いキャップを製造する必要がある。
【0010】
特許文献2の技術では、ネック部を切断して検査するので、ペットボトルが未開封であるときに、その内圧がキャップ部内面やネック部内面、特にインナーリング部に及ぼす影響が除外されてしまう。
例えばペットボトル入り飲料が、ホットパック充填されたものである場合には、ペットボトル内の飲料の温度変化に起因する内圧の変化の影響や、ペットボトル入り飲料を自動販売機で販売する際のストッカーから商品取出し口に落下したときの衝撃の影響が判断できなかった。すなわち、実際に流通するペットボトル入り飲料のようにキャップが未開封であるときと、検査とで密封性の評価結果に乖離が生じる虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述したような問題点を解決するためのものであり、容器の密封性の信頼性の高い検査方法、及び、前記検査方法の一部のステップを熟練を要することなく実行することができる補助装置を提供することを目的としている。
【0012】
上述の目的を達成するため、本発明による検査方法の第一の特徴構成は、液体が充填されている容器の口部と、天面部と、前記天面部の周縁から垂下するとともに、内周面に前記口部の外周面との螺合部が形成された筒部と、前記天面部の内面に形成された、前記口部の外周面と接触する樹脂製のアウターシールと、同じく前記天面部の内面に形成された、前記口部の内周面と接触する樹脂製のインナーシールと、を備えたキャップとの密封性の検査方法であって、容器の口部に螺着されているキャップの天面部に、該キャップのインナーシールとアウターシールと前記口部の周縁部とで区画された第一空間に連通する第一孔部を形成する第一穿設ステップと、前記第一孔部を介して、前記第一空間に染料を注入する第一注入ステップと、前記第一注入ステップで染料が注入された前記容器のキャップに対して内圧を付与する第一与圧ステップと、前記第一与圧ステップ後に前記容器内への染料の漏洩の有無を確認する第一確認ステップと、前記第一確認ステップの確認結果に基づいて前記密封性を評価する評価ステップを備えている点にある。
【0013】
例えばインナーシールの密封性が悪く、第一空間に注入した染料がインナーシールを介して容器内に漏洩したとすると、容器内の液体の色が染料の影響により変化するため、漏洩の有無を目視確認することが容易となる。容器の内部に内容物としての液体を充填した状態での、キャップのインナーシールの密封性を確実に評価することができる。特に、商品として流通する容器には、商品の流通時や販売時の物理的な衝撃や、周囲環境、例えば温度や気圧の変化等に起因する様々な圧力が作用する。第一与圧ステップで、被検査対象の容器のキャップに対して、所定の内圧を印加した上で、キャップの密封性の評価を行うことで、検査結果の信頼性を向上させることができる。
なお、第一与圧ステップとしては、第一注入ステップで染料が注入された容器を逆さまにした状態で放置する第一放置ステップや、第一注入ステップで染料が注入された容器に対して所定の外力を印加する第一印加ステップが好適に例示できる。外力を印加するとは、前記容器を落としたり、握ったり、温めたりする等、前記容器の内圧が高まるようなことをするこという。
キャップの天面部に、インナーシールとアウターシールと容器の口部の周縁部とで区画された第一空間に連通する第一孔部が形成された容器は、一つに限らず複数であってもよい。
【0014】
同第二の特徴構成は、前記容器とは別の容器の口部に螺着されているキャップの筒部に、少なくとも該キャップのアウターシールと前記筒部の内周面と前記口部の外周部とで区画された第二空間に連通する第二孔部を形成する第二穿設ステップと、前記第二孔部を介して、前記第二空間に染料を注入する第二注入ステップと、前記第二注入ステップで染料が注入された前記別の容器のキャップに対して内圧を付与する第二与圧ステップと、前記第二与圧ステップ後に前記別の容器内への染料の漏洩の有無を確認する第二確認ステップと、前記評価ステップは、前記第一確認ステップと、前記第二確認ステップの確認結果に基づいて前記密封性を評価する点にある。
【0015】
第二空間に注入した染料が該別の容器内に漏洩したとすると、アウターシール及びインナーシールの密封性が悪いと評価することができる。第一確認ステップで、インナーシールの密封性が悪いと評価された場合であっても、第二空間に注入した染料が該別の容器内に漏洩しない場合には、アウターシールの密封性は良いことが評価できる。染料が第一空間に注入された容器と染料が第二空間に注入された容器に対して、染料の注入箇所以外は、同様のステップを行うので、結果の信頼性が向上する。
なお、第二与圧ステップとしては、前記別の容器を逆さまにした状態で放置する第二放置ステップや、前記別の容器に対して所定の外力を印加する第二印加ステップが好適に例示でき、第一与圧ステップと同様のステップであることが好ましい。
キャップの筒部に、少なくとも該キャップのアウターシールと前記筒部の内周面と前記口部の外周部とで区画された第二空間に連通する第二孔部が形成された容器は、一つに限らず複数であってもよく、前記第一孔部が形成された容器と同数であることが好ましい。
【0016】
同第三の特徴構成は、前記第一与圧ステップは、少なくとも前記容器を逆さまにした状態で放置する第一放置ステップ、または、前記容器に対して所定の外力を印加する第一印加ステップを備えている点にある。
【0017】
同第四の特徴構成は、前記第一与圧ステップは、少なくとも前記容器を逆さまにした状態で放置する第一放置ステップ、または、前記容器に対して所定の外力を印加する第一印加ステップを備え、前記第二与圧ステップは、少なくとも前記別の容器を逆さまにした状態で放置する第二放置ステップ、または、前記別の容器に対して所定の外力を印加する第二印加ステップを備えている点にある。
【0018】
同第五の特徴構成は、前記液体は、ホットパック充填により容器に充填されている点にある。
【0019】
液体の容器への充填には、加熱殺菌した液体を高温のまま容器に充填するホットパック充填と、液体を事前に高温殺菌、冷却してから、無菌状態のもとで常温で充填するアセプティック充填が広く用いられている。
ホットパック充填では、中味が熱い状態でキャップを閉め、充填後、直ちに冷水シャワーで冷却し、液体がその後常温に戻ると、容器内の気体部分の体積が小さくなり、容器内は負圧の状態となるため、インナーシールの密封性がより重要視される。
しかし、ホットパック充填すると、充填される液体の温度がキャップに伝わり、樹脂製のインナーシールやアウターシールが暖められ、その後常温に戻るときに、インナーシールは口部の内周面から離間する方向に収縮する虞がある。また、アウターシールは口部の外周面に密着する方向に収縮するが、アウターシールは、インナーシールより短く設計されているため、口部への密着が不安定になることが多い。
本発明による検査方法は、ホットパック充填により液体が充填される容器に対して好適に用いられ、容器のキャップの、特にインナーシールの信頼性の高い評価が可能となる。
【0020】
本発明による補助装置の第一の特徴構成は、上述した第一または第三の特徴構成を備えた検査方法が備える第一穿設ステップ及び第一注入ステップを実行するための補助装置であって、液体が充填されている容器の保持部と、前記保持部に保持された容器の口部に螺着された、天面部と、前記天面部の周縁から垂下するとともに、内周面に前記口部の外周面との螺合部が形成された筒部と、前記天面部の内面に形成された、前記口部の外周面と接触する樹脂製のアウターシールと、同じく前記天面部の内面に形成された、前記口部の内周面と接触する樹脂製のインナーシールと、を備えたキャップに所定深さの孔部を形成する穿設部と、前記穿設部に並設され、前記孔部へ所定量の染料を注入する注入部と、少なくとも前記保持部、または、前記穿設部及び前記注入部を、前記穿設部及び前記注入部の並設方向に沿った第一方向に、少なくとも前記穿設部及び前記注入部との間で、相対的に移動可能に支持する第一支持部と、前記第一方向と水平面内で直交する第二方向に、少なくとも前記穿設部が前記孔部を穿設する穿設位置及び前記注入部が前記孔部へ染料を注入する注入位置と、前記穿設部及び前記注入部が前記キャップと離間する離間位置の間で、相対的に移動可能に支持する第二支持部と、を備え、前記保持部は容器を、前記キャップの天面部が前記穿設部または前記注入部に対向するように、水平姿勢で保持する第一保持部を備え、前記穿設部は、前記第一保持部に保持された容器の口部に螺着されているキャップの天面部に、該キャップのインナーシールとアウターシールと前記口部の周縁部とで区画された第一空間に連通する第一孔部を形成可能に配設されている点にある。
【0021】
本発明による検査方法が備える第一穿孔ステップや第一注入ステップにおいて、キャップに形成する孔部の位置や深さや、染料の注入量にばらつきがあると、検査結果にばらつきが生じる虞がある。上述の補助装置によると、キャップの天面部の所定位置に所定深さの第一孔部の形成という熟練を要する作業を誰でも簡単に行うことができるようになる。被検査対象の容器に形成される孔部の位置や深さ等のばらつきが軽減できるので、検査結果の信頼性を向上することができる。
【0022】
同第二の特徴構成は、上述した第二または第四の特徴構成を備えた検査方法が備える第一及び第二穿設ステップ並びに第一及び第二注入ステップを実行するための補助装置であって、液体が充填されている容器の保持部と、前記保持部に保持された容器の口部に螺着された、天面部と、前記天面部の周縁から垂下するとともに、内周面に前記口部の外周面との螺合部が形成された筒部と、前記天面部の内面に形成された、前記口部の外周面と接触する樹脂製のアウターシールと、同じく前記天面部の内面に形成された、前記口部の内周面と接触する樹脂製のインナーシールと、を備えたキャップに所定深さの孔部を形成する穿設部と、前記穿設部に並設され、前記孔部へ所定量の染料を注入する注入部と、少なくとも前記保持部、または、前記穿設部及び前記注入部を、前記穿設部及び前記注入部の並設方向に沿った第一方向に、少なくとも前記穿設部及び前記注入部との間で、相対的に移動可能に支持する第一支持部と、前記第一方向と水平面内で直交する第二方向に、少なくとも前記穿設部が前記孔部を穿設する穿設位置及び前記注入部が前記孔部へ染料を注入する注入位置と、前記穿設部及び前記注入部が前記キャップと離間する離間位置の間で、相対的に移動可能に支持する第二支持部と、を備え、前記保持部は容器を、前記キャップの天面部が前記穿設部または前記注入部に対向するように、水平姿勢で保持する第一保持部と、前記第一保持部に保持された容器とは別の容器を、前記キャップの筒部が前記穿設部または前記注入部に対向するように、垂直姿勢で保持する第二保持部を備え、前記穿設部は、前記第一保持部に保持された容器の口部に螺着されているキャップの天面部に、該キャップのインナーシールとアウターシールと前記口部の周縁部とで区画された第一空間に連通する第一孔部を形成可能、かつ、前記第二保持部に保持された容器の口部に螺着されているキャップの筒部に、少なくとも該キャップのアウターシールと前記筒部の内周面と前記口部の外周部とで区画された第二空間に連通する第二孔部を形成可能に配設されている点にある。
【0023】
本発明による検査方法が備える第一穿孔ステップ及び第二穿孔ステップや第一注入ステップ及び第二注入ステップにおいて、キャップに形成する孔部の位置や深さや、染料の注入量にばらつきがあると、検査結果にばらつきが生じる虞がある。上述の補助装置によると、キャップの天面部の所定位置に所定深さの第一孔部の形成や、キャップの筒部の所定位置に所定深さの第二孔部の形成という熟練を要する作業を誰でも簡単に行うことができるようになる。被検査対象の容器に形成される孔部の位置や深さ等のばらつきが軽減できるので、検査結果の信頼性を向上することができる。
【0024】
さらに補助装置は、前記保持部が、前記第一保持部及び第二保持部を、前記第一方向に沿って、前記穿設部と前記注入部との並設距離と等しい距離で並設固定する固定部を備えていることが好ましく、固定部により第一保持部及び第二保持部は一体的に移動させることができる。
【0025】
さらに補助装置は、前記第一支持部が、前記穿設部と対向する位置で、または、前記注入部と対向する位置で、前記保持部が前記第一方向への相対的に移動することを規制する規制部を備えていることが好ましく、規制部により孔部の形成時や、染料の注入時に、容器を穿設部に対向する所定位置、または、注入部に対向する所定位置に固定することできるので、穿孔作業や注入作業が容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明による容器の密封性の検査方法及び補助装置の実施形態について説明する。
【0028】
図1には、本発明の第一の実施形態による補助装置10が示されている。
補助装置10は、基板11の上に、キャップ110が螺着されていた容器100を水平姿勢で保持する保持部20と、保持部20に保持された容器100のキャップ110に向けて穿設部の一例としてのドリルビット41を有する電動のドリル40や注入部の一例としての注射針51を有する注射器50等を備えている。容器100としてはペットボトルが好ましく例示できる。なお、容器100とは容器100の本体のみをいうこともあるし、その口部101にキャップ110が螺着された容器100の全体をいうこともある。
また、容器100が、ホットパック充填により内容物である液体が充填されているものを例に説明する。
【0029】
キャップ110は、
図5に示すように、天面部111と、天面部111の周縁から垂下するとともに、内周面に口部101の外周面との螺合部113が形成された筒部112と、天面部111の内面に形成された、口部101の外周面と接触するアウターシール114と、同じく天面部111の内面に形成された、口部101の内周面と接触するインナーシール115とを備えている。本実施形態では、キャップ110は、全体が樹脂により一体成形されたピルファープルーフキャップである。なお、
図5では図示の簡略化のためにタッパーエビデンスバンドの記載を省略している。
【0030】
補助装置10の各部の構成について詳述する。
保持部20は、平板状の基部21の前方(
図1中Y方向(第二方向)に沿って注射器50を向く方向)上面に、容器100のキャップ110を、その天面部111が前記前方を向くように嵌挿可能なキャップ固定部22と、基部21の後方上面に、容器100の底面を前記前方に向けて押圧可能な押圧部25が備えられた押圧台24と、基板21の前方裏面に、補助装置10の基板11に配設された支持部60の基部61,61間に、X方向(第一方向)に沿って配設された一対のレール62,62に沿って移動するための一対のレールガイド28,28等とを備えている。
つまり、保持部20が、容器100を、キャップ110の天面部111が、ドリルビット41または注射針51に対向するように、水平姿勢で保持する第一保持部を構成し、支持部60が、保持部20を、ドリル40及び注射器50の並設方向に沿ったX方向に、少なくともドリル40及び注射器50との間で、相対的に移動可能に支持する第一支持部を構成する。
【0031】
キャップ固定部22は、後方からキャップ110を嵌挿可能なキャップ固定孔23と、キャップ固定孔23に対して嵌挿されたキャップ110の所定位置に対応する位置にガイド孔22h(
図5参照)を備えている。ガイド孔22hによって、ドリルビット41及び注射針51はキャップ110の所定位置に確実に案内される。
なお、キャップ110の所定位置とは、例えば
図5に示されるように、キャップ110の天面部111のうち、キャップ110のインナーシール115とアウターシール114と口部101の周縁部とで区画された第一空間S1に連通することができる位置をいう。
【0032】
基部21の後方中央には、Y方向に沿って基板21の表裏を貫通した長孔が形成されており、押圧台24は、基部21の下面に配設された移動レバー27と、長孔に挿通された寸切りボルトを介して連結されている。移動レバー27を回動させて寸切りボルトを緩めると押圧台24は基部21に対してY方向に沿って移動可能となり、移動レバー27を回動させて寸切りボルトを締めると押圧台24は基部21に固定される。このようにして保持される容器100のサイズに応じて、押圧台24とキャップ固定部22間の距離が可変となっている。
【0033】
押圧台24には、押圧レバー26の操作に応じて、Y方向に沿って前後移動可能な押圧部25が備えられている。キャップ固定部22にキャップ110を嵌挿した容器100に対して、押圧台24を適当な位置まで前進させて固定した後、押圧レバー26を操作して押圧部25により容器100の底部を前方へ押圧することで、容器100はキャップ固定部22と押圧台24間で確実に保持される。
【0034】
一対のレール62,62の間には、位置決め部材63が配設されている。位置決め部材63の天面には所定間隔Tをあけて2箇所にV字状の係合切欠64,64が形成されている。
基部21の、位置決め部材63と対応する位置には、X方向に係合ピン65を配設するための延設部が備えられ、該延設部に係合切欠64,64に係合可能な下端部66を有する係合ピン65が立設されている。係合ピン65の下端部66が係合切欠64に係合することで、基部21のX方向に沿った移動が規制され、係合ピン65の下端部66を係合切欠64から離間させて係合を解除することで、基部21のX方向に沿った移動が許容される。
つまり、位置決め部材64の係合切欠64,64と、それに係合する保持部20に備えられた係合ピン65とが、ドリルピット41と対向する位置で、または、注射針51と対向する位置で、保持部20がX方向への相対的に移動することを規制する規制部を構成する。
【0035】
さらに、基板11には、ドリル40及び注射器50を支持するための支持部70,70が配設されている。各支持部70は、基板11に固定される基礎部71と、ドリル40や注射器50を保持する保持部72と、保持部72を基礎部71に対して、Y方向に沿った前後方向への摺動を許容する摺動部73を備えている。
【0036】
ドリル40及び注射器50は、支持部70,70よりドリルビット41と注射針51が同一の高さであり、その中心間距離が所定距離Tとなるように基板11上に並設される。さらに、ドリル40及び注射器50は、保持部72の基礎部71に対する摺動に伴って、夫々の先端がキャップ110に対して所定深さまで侵入し得る位置まで前進可能に支持される。なお、所定深さとは、例えば
図5に示されるように、キャップ110の天面部111のうち、キャップ110のインナーシール115とアウターシール114と口部101の周縁部とで区画された第一空間S1と連通することができる深さをいう。
【0037】
つまり、支持部70が、ドリル40及び注射器50を、X方向と水平面内で直交するY方向に、少なくともドリルビット41がキャップ110に孔部116を穿設する穿設位置及び注射針51が孔部116へ染料を注入する注入位置と、ドリルビット41及び注射針51がキャップ110と離間する離間位置の間で、相対的に移動可能に支持する第二支持部を構成する。
【0038】
ドリル40は、電動式または手動式であってよく、ドリルビット41は、キャップ110に1.0mm程度の孔部を形成できるものであればよい。注射器50は、染料52の容量が数ccから数十cc程度のシリンジを備えたものであればよい。
【0039】
基板11には、ドリル40及び注射器50の下方に、ドリルビット41によるキャップ110の削り屑や、注射針51から垂れた染料52を受ける受け皿12が載せ置かれている。
【0040】
補助装置10が備える基部21、キャップ固定部22、押圧台24、レールガイド28,28、支持部60、基部61,61、レール62,62、位置決め部材63、支持部70,70、受け皿12等の各部は、アルミニウムやステンレス鋼等の金属を適宜切削加工等して得られ、各部はネジ等によって適宜締結される。
【0041】
次に、本発明による容器の密封性の検査方法について説明する。
該検査方法は、液体充填後に約15℃の環境に最低16時間おかれている容器100の口部101に螺着されているキャップ110の天面部111に、該キャップ110のインナーシール115とアウターシール114と口部101の周縁部とで区画された第一空間S1に連通する直径1.0mm程度の第一孔部116を形成する第一穿設ステップと、第一孔部116を介して、第一空間S1に染料52を注入する第一注入ステップと、前記第一注入ステップで染料52が注入された容器100のキャップ110に対して内圧を付与する第一与圧ステップの一例として容器100を放置する第一放置ステップと、前記第一放置ステップ後に容器100内への染料52の漏洩の有無を確認する第一確認ステップと、前記第一確認ステップの確認結果に基づいて前記密封性を評価する評価ステップを備えている。
【0042】
上述した補助装置10によると、本発明による検査方法のうち前記第一穿設ステップ及び前記第一注入ステップを熟練を要することなく実行することができる。
【0043】
すなわち、容器100を保持部20に保持させた後、保持部20に保持された容器100をドリル40に対向させ、ドリル40を
図1に示すY方向に沿って容器100へと前進させて、ドリルビット41で容器100のキャップ110の天面部111(
図5参照)の所定位置に所定深さの孔部116(
図5参照)を形成することで前記第一穿設ステップが実行され、ドリル40を
図1に示すY方向に沿って容器100から後退させた後、次に容器100を
図1に示すX方向に沿って注射器50に対向する位置まで移動させ、注射器50をY方向に沿って容器100へと前進させて、ドリルビット41が形成した孔部116に注射針51によって所定量の染料52を注入することで前記第一注入ステップが実行される。
【0044】
前記第一放置ステップは、前記第一印加ステップを経ていない容器100、または、前記第一印加ステップを経た容器100を、キャップ110が底面となるように逆さまにした状態で、所定条件で、例えば約5℃の環境で3日間放置するステップである。
なお、第一放置ステップでの放置時間は、前記3日間に限らず、第一放置ステップを開始してから漏洩を確認するのに足る適当な時間として例えば予め設定された数秒から数十時間のような時間であってもよいし、前記時間のように予め設定されたものではなく第一放置ステップを開始してから漏洩が確認されるまでの時間であってもよい。
【0045】
前記第一確認ステップは、前記第一放置ステップを経た容器100内に、染料52の漏洩が認められるか否かを確認するステップである。つまり、容器100内の液体が染料52の色を帯びていれば、漏洩が認められ、そうでなければ漏洩が認められないことが確認される。
【0046】
評価ステップは、前記第一確認ステップの結果に基づいて、容器100の密封性の評価をするステップである。前記第一確認ステップで、染料52の漏洩が認められない場合は、少なくともインナーシール115の密封性があることがわかり、染料52の漏洩が認められる場合は、少なくともインナーシール115の密封性がないことがわかる。
【0047】
なお、前記第一与圧ステップは、前記第一放置ステップに替えて、または、前記第一注入ステップと、前記第一放置ステップの間に、容器100に対して、所定の外力を印加する第一印加ステップを備えていてもよい。
【0048】
前記第一印加ステップは、
図7に示すように、第一注入ステップが終了した容器100をキャップ100を下方に向けた状態で、所定高さから落下させ、天面部に例えば10度の傾斜面を有する金属製のインゴット14の前記天面部に衝突させるステップである。なお、所定高さとは、容器100の大きさによって予め好ましい高さが設定され、例えば容器100が600mL以下の容量のペットボトルであれば、1.0m程度が好ましく、容器100が600mLより大きい、例えば1.0Lや2.0Lの大容量のペットボトルであれば、0.5m程度が好ましく採用される。該第一印加ステップは、ペットボトル入り飲料を自動販売機で販売するような場面で、商品のストッカーから商品取出し口に落下したときの衝撃を想定して、検査結果の信頼性を向上させるために行われる。
【0049】
以上のように、容器100の内部に商品となる液体を充填した状態で、新規設計のペットボトル等の容器100の口部101と、口部101に螺着自在なキャップ110に備えられたインナーシール115との密封性を確実に評価することができる。なお、容器100は、一つに限らず複数であってもよい。複数の新規設計のパターンがある場合には、前記パターン毎に一つないし複数が準備されてもよい。
【0050】
次に、本発明の別実施形態について説明する。
図2には、本発明の第二の実施形態による補助装置10が示されている。
上述の第一の実施形態による補助装置10と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この第二の実施形態による補助装置10は、
図1に示す第一の実施形態による補助装置10の保持部20の横に、さらに、容器100を、キャップ110の筒部112がドリルビット41または注射針51に対向するように、垂直姿勢で保持する保持部30を備えている。なお、保持部20と保持部30は、断面L字状のステー13により一体的に固定されている。つまり、ステー13が、保持部20及び保持部30を、X方向に沿って、所定距離Tで並設固定する固定部を構成する。
【0051】
保持部30は、平板状の基部31の前方上面に、容器100のキャップ110の天面部111が下方を向くように嵌挿可能なキャップ固定部32と、基部31の中央上面に立設された立上部39と、立上部39の上方に容器100の底面を前記下方に向けて押圧可能な押圧部35が備えられた押圧台34と、基板31の裏面に、一対のレール62,62に沿って移動するための一対のレールガイド38,38等とを備えている。
つまり、保持部30が、容器100を、キャップ110の天面部111が、ドリルビット41または注射針51に対向するように、垂直姿勢で保持するに第二保持部を構成する。
【0052】
キャップ固定部32は、上方からキャップ110を嵌挿可能なキャップ固定孔33と、キャップ固定孔33に対して嵌挿されたキャップ110の所定位置に対応する位置にガイド孔32h(
図8参照)を備えている。ガイド孔32hによって、ドリルビット41及び注射針51はキャップ110の所定位置に確実に案内される。
なお、キャップ110の所定位置とは、例えば
図8に示されるように、キャップ110の筒部112のうち、少なくとも該キャップ110のアウターシール114と筒部112の内周面と口部101の外周部とで区画された第二空間S2に連通することができる位置をいう。
【0053】
立上部39の上方中央には、垂直方向に沿って立上部39の表裏を貫通した長孔が形成されており、押圧台34は、立上部39の裏面に配設された移動レバー37と、長孔に挿通された寸切りボルトを介して連結されている。移動レバー37を回動させて寸切りボルトを緩めると押圧台34は立上部39に対して上下方向に沿って移動可能となり、移動レバー37を回動させて寸切りボルトを締めると押圧台34は立上部39に固定される。保持される容器100のサイズに応じて、押圧台34とキャップ固定部32間の距離が可変となっている。
【0054】
押圧台32には、押圧レバー36の操作に応じて、上下方向に沿って移動可能な押圧部35が備えられている。キャップ固定部32にキャップ110を嵌挿した容器100に対して、押圧台34を適当な位置まで下降させて固定した後、押圧レバー36を操作して押圧部35により容器100の底部をキャップ110方向へ押圧することで、容器100はキャップ固定部32と押圧台34間で確実に保持される。
【0055】
本実施形態では、一対のレール62,62の間に配設された位置決め部材63の天面には、所定間隔Tをあけて3箇所にV字状の係合切欠64,64,64が形成されている。
基部31の、位置決め部材63と対応する位置に、係合切欠64,64,64に係合可能な下端部66を有する係合ピン65が立設されている。この場合、基部21には係合ピン65を備える必要はない。
係合ピン65が左の係合切欠64に係合する位置では、保持部20がドリル40に対向し、係合ピンが中央の係合切欠64に係合する位置では、保持部20が注射器50に、保持部30がドリル40に夫々対向し、係合ピン65が右の係合切欠64に係合する位置では、保持部30が注射器50に対向する。
【0056】
補助装置10が備えるステー13、基部31、キャップ固定部32、押圧台34、レールガイド38,38、立上部39の各部は、アルミニウムやステンレス鋼等の金属を適宜切削加工等して得られ、各部はネジ等によって適宜締結される。
【0057】
以上のように構成された補助装置10によると、上述した検査方法の各ステップに加えて、さらに液体充填後約15℃の環境に最低16時間おかれた容器であって、第一の空間に染料が注入される容器100とは別の容器100の口部101に螺着されているキャップ110の筒部112に、少なくとも該キャップ110のアウターシール114と筒部112の内周面と口部101の外周部とで区画された第二空間S2に連通する直径1.0mm程度の第二孔部117を形成する第二穿設ステップと、第二孔部117を介して、第二空間S2に染料52を注入する第二注入ステップと、前記第二注入ステップで染料52が注入された容器100のキャップ110に対して内圧を付与する第二与圧ステップの一例として容器100を放置する第二放置ステップと、前記第二放置ステップ後に容器100内への染料52の漏洩の有無を確認する第二確認ステップと、前記第二確認ステップの確認結果に基づいて前記密封性を評価する評価ステップを備えた本発明による検査方法のうち、さらに前記第二穿設ステップ及び前記第二注入ステップを熟練を要することなく実行することができる。
【0058】
すなわち、容器100を保持部30に保持させた後、保持部30に保持された容器100をドリル40に対向させ、ドリル40を
図2に示すY方向に沿って容器100へと前進させて、ドリルビット41で容器100のキャップ110の筒部112(
図9参照)の所定位置に所定深さの孔部117(
図9参照)を形成することで前記第二穿設ステップが実行され、ドリル40を
図2に示すY方向に沿って容器100から後退させた後、次に容器100を
図10に示すX方向に沿って注射器50に対向する位置まで移動させ、注射器50をY方向に沿って容器100へと前進させて、ドリルビット41が形成した孔部117に注射針51によって所定量の染料52を注入することで前記第二注入ステップが実行される。
【0059】
さらに、本発明よる検査方法は、前記第二注入ステップで染料52が注入された容器110を容器100を放置する第二放置ステップと、前記第二放置ステップ後に容器100内への染料52の漏洩の有無を確認する第二確認ステップを備え、前記評価ステップは、前記第一確認ステップ及び前記第二確認ステップの確認結果に基づいて前記密封性を評価する。なお、前記第二放置ステップは、前記第一放置ステップと同様の処理が実行される。従って、第二放置ステップでの放置時間も、第一放置ステップでの放置時間と同様に、第二放置ステップを開始してから漏洩を確認するのに足る適当な時間として例えば予め設定された数秒から数十時間のような時間であってもよいし、前記時間のように予め設定されたものではなく第二放置ステップを開始してから漏洩が確認されるまでの時間であってもよい。第二確認ステップは、前記第一確認ステップと同様の処理が実行される。
【0060】
なお、第二与圧ステップには、前記第一与圧ステップが前記第一印加ステップを備える場合には、前記第二注入ステップと、前記第二放置ステップの間に、容器100に対して、所定の外力を印加する第二印加ステップを備えていてもよい。前記第二印加ステップは、
図7に示す第一印加ステップと同様の処理が実行される。
【0061】
前記評価ステップは、前記第一確認ステップ及び前記第二確認ステップの結果に基づいて、容器100の密封性の評価をすることができる。前記第一確認ステップで、染料52の漏洩が認められない場合は、少なくともインナーシール115の密封性があることがわかり、染料52の漏洩が認められる場合は、少なくともインナーシール115の密封性がないことがわかる。そして、前記第一確認ステップでインナーシール115の密封性がない場合に、第二確認ステップでも染料52の漏洩が認められない場合は、アウターシール114については密封性があることがわかり、前記第二確認ステップでも染料52の漏洩が認められた場合は、アウターシール114の密封性がないことがわかる。
【0062】
以上のように、新規設計のペットボトル等の容器100の口部101と、口部101に螺着自在なキャップ110に備えられたインナーシール115との密封性の検査に加えて、口部101と、アウターシール114との密封性の検査を行うことができる。なお、第一空間に連通する第一孔部が形成される容器100及び第二空間に連通する第二孔部が形成される容器100は、それぞれ一つに限らず複数であってもよい。複数の新規設計のパターンがある場合には、前記パターン毎に一つないし複数が準備されてもよい。また、第一空間に連通する第一孔部が形成される容器100及び第二空間に連通する第二孔部が形成される容器100は同数であってもよいし、異なっていてもよい。
【0063】
上述した説明では、容器100がホットパック充填により内容物である液体が充填されているものを例に説明したが、容器100は内容物である液体を事前に高温殺菌、冷却してから、無菌状態のもとで常温で充填するアセプティック充填により液体が充填されるものであってもよい。また、容器100がペットボトルである場合を例に説明したが、容器100はペットボトルに限らず、アルミやスチール等の金属製であってもよい。容器100のキャップ110も樹脂により一体成形されたワンピースキャップに限らず、キャップ本体の内面に、インナーシール及びアウターシールが樹脂により一体成形されたシール本体が配設されたツーピースキャップであってもよく、さらに、アルミやスチール等の金属製のキャップ本体の内面にンナーシール及びアウターシールが樹脂により一体成形されたシール本体が配設されている構成であってもよい。
【0064】
上述した実施形態は、いずれも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能である。