特許第6362466号(P6362466)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6362466
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】基板保持検査方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20180712BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20180712BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/30 569C
   H01L21/30 564C
   H01L21/304 648Z
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-150368(P2014-150368)
(22)【出願日】2014年7月24日
(65)【公開番号】特開2016-25293(P2016-25293A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】佐野 洋
(72)【発明者】
【氏名】秩父 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】波多野 章人
【審査官】 小山 満
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−152052(JP,A)
【文献】 特開2013−110270(JP,A)
【文献】 米国特許第09039863(US,B1)
【文献】 特開2004−047654(JP,A)
【文献】 特開2008−300394(JP,A)
【文献】 特開2007−173387(JP,A)
【文献】 特開2013−229552(JP,A)
【文献】 特開2009−032832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/027
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板保持部により基板を略水平姿勢に保持する保持工程と、
前記基板保持部に保持される前記基板を前記基板保持部とともに鉛直軸周りに回転させる回転工程と、
回転している前記基板の撮像を、水平方向から互いに異なるタイミングで複数回実行して複数の第1画像を取得する撮像工程と、
前記基板保持部による前記基板の保持状態を示す特徴量を前記複数の第1画像から求め、前記特徴量に基づいて前記基板保持部により前記基板が適正に保持されているか否かを判定する検査工程と
を備えることを特徴とする基板保持検査方法。
【請求項2】
請求項に記載の基板保持検査方法であって、
前記検査工程は、
前記基板保持部により適正に保持されたときの前記基板から上方に位置する検査領域に対応する第2画像を前記第1画像から切り出す切出工程と、
前記第2画像に基づいて前記特徴量を求め、前記特徴量に基づいて前記判定を行う判定工程と
を有する基板保持検査方法。
【請求項3】
請求項に記載の基板保持検査方法であって、
前記判定工程は、
前記複数の第2画像の各々について平均濃度値を求めるとともに前記複数の平均濃度値の標準偏差を前記特徴量として求め、
前記標準偏差が基準値よりも小さいときには前記基板保持部により前記基板が適正に保持されていると判定する一方、
前記標準偏差が基準値以上であるときには前記基板保持部により前記基板が適正に保持されていないと判定する基板保持検査方法。
【請求項4】
請求項に記載の基板保持検査方法であって、
鉛直軸が延びる方向が鉛直軸方向であり、
前記検査工程は、
前記第1画像毎の前記鉛直軸方向における濃度分布を示す濃度プロファイルを求めるとともに、複数の前記濃度プロファイルの変化を示す指標値を前記特徴量として求める特徴量導出工程と、
前記特徴量導出工程で導出された前記特徴量に基づいて前記判定を行う判定工程と
を有する基板保持検査方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の基板保持検査方法であって、
前記回転工程を開始した後で前記基板保持部の撮像を互いに異なるタイミングで複数回実行して複数の第3画像を取得するとともに前記複数の第3画像を比較して前記基板の回転を確認する回転確認工程をさらに備え、
前記撮像工程および前記検査工程は、前記回転確認工程により前記基板の回転が確認された後で実行される基板保持検査方法。
【請求項6】
基板保持部により略水平姿勢に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板に対して処理を実行する基板処理装置であって、
前記基板保持部に保持された状態で回転している前記基板を水平方向から互いに異なるタイミングで複数回実行して複数の第1画像を取得する撮像部と、
前記撮像部により撮像された前記複数の第1画像に基づいて前記基板保持部による前記基板の保持状態を示す特徴量を求め、前記特徴量に基づいて前記基板保持部により前記基板が適正に保持されているか否かを検査し、検査結果に応じて前記処理の実行を制御する制御部と
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板保持部により基板が適正に保持されているか否かを検査する基板保持検査方法および当該基板保持検査方法を用いて基板処理を行う基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板に対し例えば洗浄処理やコーティング処理などの各種処理を施す技術として、基板保持部によって基板を略水平姿勢に保持して回転させながら処理を行う基板処理装置がある。この基板処理装置では、基板の高速回転を可能とするために、例えば特許文献1に記載された基板保持技術が用いられている。ここでは、基板保持部は4つの基板保持部材を有している。これらの基板保持部材は基板の外周形状に対応する円周上で適当な間隔をあけて設けられている。このうちの2つが固定ピンで構成され、残りの2つが可動ピンで構成されている。そして、可動ピンが基板側に移動することにより全ての基板保持部材が基板の周縁部に当接して当該基板を挟持する。これにより、基板が略水平姿勢に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−45029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板保持部材による基板の保持が不完全であったり、回転軸に対して傾いた状態に保持されていると、回転により基板が脱落して破損したり装置を損傷させるなどの問題が生じ得る。このような不完全な保持は、基板保持部に基板が載置される際の位置ずれ等の不適切な操作によって生じるほか、薬剤による腐食や機械的な損傷によって基板保持部が基板を適正に保持する機能を失ったことが原因となる場合もあり得る。
【0005】
そこで、上記のような問題を回避するために、従来では可動ピンの基板側への移動をセンサにより検知することで基板が適正に保持されたことを検知している。しかしながら、このように可動ピンの位置によって基板が適正に保持されているか否かを間接的に検査しているにすぎず、基板保持を高い信頼性で検査することのできる技術の確立が求められる。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板保持の検査を高い信頼性で行うことができる基板保持検査方法、ならびに当該基板保持検査方法を用いて基板に対する処理を安定的に行うことができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一態様は、基板保持検査方法であって、基板保持部により基板を略水平姿勢に保持する保持工程と、基板保持部に保持される基板を基板保持部とともに鉛直軸周りに回転させる回転工程と、回転している基板の撮像を、水平方向から互いに異なるタイミングで複数回実行して複数の第1画像を取得する撮像工程と、基板保持部による基板の保持状態を示す特徴量を複数の第1画像から求め、特徴量に基づいて基板保持部により基板が適正に保持されているか否かを判定する検査工程とを備えることを特徴としている。
【0008】
また、この発明の他の態様は、基板保持部により略水平姿勢に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板に対して処理を実行する基板処理装置であって、基板保持部に保持された状態で回転している基板を水平方向から互いに異なるタイミングで複数回実行して複数の第1画像を取得する撮像部と、撮像部により撮像された複数の第1画像に基づいて基板保持部による基板の保持状態を示す特徴量を求め、特徴量に基づいて基板保持部により基板が適正に保持されているか否かを検査し、検査結果に応じて処理の実行を制御する制御部とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板保持部に保持されている基板を水平方向から撮像し、これによって基板保持部による基板の保持状態を反映した第1画像が取得される。そして、当該第1画像に基づいて基板保持が直接的に検査される。したがって、基板保持の検査を高い信頼性で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明にかかる基板保持検査方法を適用可能な基板処理装置を具備する基板処理システムの概略構成を示す図である。
図2図1の基板処理システムを構成する一の基板処理ユニットの構造を示す上面図である。
図3図2のA−A矢視断面および基板処理ユニットの制御部の構成を示す図である。
図4】チャックピンの構成を模式的に示す図である。
図5】基板処理ユニットの動作を示すフローチャートである。
図6】カメラにより撮像された水平画像の一例を示す図である。
図7】カメラにより撮像された水平画像の一例を示す図である。
図8】回転速度とフレームレートの違いによる検査領域の画像変化の様子を模式的に示す図である。
図9】本発明にかかる基板保持検査方法の第2実施形態における特徴量の算出方法を示す図である。
図10】本発明にかかる基板保持検査方法の第2実施形態における特徴量の算出方法を示す図である。
図11】本発明にかかる基板保持検査方法の第2実施形態における特徴量の算出方法を示す図である。
図12】本発明にかかる基板保持検査方法の第3実施形態における特徴量の算出方法を示す図である。
図13】本発明の第4実施形態にかかる基板保持検査方法を含む基板処理動作を示すフローチャートである。
図14】本発明の第4実施形態にかかる基板保持検査動作を模式的に示す図である。
図15】本発明にかかる基板保持検査方法の第5実施形態での基板保持検査を説明するための図である。
図16】本発明にかかる基板保持検査方法の第6実施形態での基板保持検査を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.第1実施形態
以下、本発明にかかる基板保持検査方法の第1実施形態を適用可能な基板処理装置を具備する基板処理システムの概要について説明する。図1は基板処理システムの概略構成を示す図である。より詳しくは、図1は本発明を好適に適用可能な基板処理システムの一態様の上面図である。この基板処理システム1は、それぞれが互いに独立して基板に対し所定の処理を実行可能な基板処理ユニット1A、1B、1C、1Dと、これらの基板処理ユニット1A〜1Dと外部との間で基板の受け渡しを行うためのインデクサロボット(図示省略)が配置されたインデクサ部1Eと、システム全体の動作を制御する制御部80(図3)とを備えている。なお、各図における方向を統一的に示すために、図1左下に示すようにXYZ直交座標軸を設定する。ここでは、XY平面が水平面、Z軸が鉛直軸を表しており、Z軸が延びている方向が本発明の「鉛直軸方向」に相当している。
【0012】
基板処理ユニット1A〜1Dは、基板処理システム1における配設位置に応じて各部のレイアウトが一部異なっているものの、各ユニット1A〜1Dが備える構成部品およびその動作は互いに同一であり、本発明にかかる基板保持検査方法を適用可能となっている。そこで、以下ではこれらのうち1つの基板処理ユニット1Aについてその構成および動作を説明し、他の基板処理ユニット1B〜1Dについては詳しい説明を省略する。なお、基板処理ユニットの配設数は任意であり、1つの基板処理ユニットにより基板処理システムを構成してもよい。また、N個(Nは2以上の自然数)の基板処理ユニットのうち1ないし(N−1)個のみに対して本発明にかかる基板保持検査方法を適用可能となっている構成であってもよい。また、図1に示すように水平方向配置された4つの基板処理ユニットを1段分として、これが上下方向に複数段積み重ねられた構成であってもよい。
【0013】
図2は一の基板処理ユニットの構造を示す上面図である。また、図3図2のA−A矢視断面および基板処理ユニットの制御部の構成を示す図である。基板処理ユニット1Aは、半導体ウエハ等の円盤状の基板Wに対して処理液による洗浄やエッチング処理などの湿式処理を施すための枚葉式の湿式処理ユニットである。この基板処理ユニット1Aでは、チャンバー90の天井部分にファンフィルタユニット(FFU)91が配設されている。このファンフィルタユニット91は、ファン911およびフィルタ912を有している。したがって、ファン911の作動により取り込まれた外部雰囲気がフィルタ912を介してチャンバー90内の処理空間SPに供給される。基板処理システム1はクリーンルーム内に設置された状態で使用され、処理空間SPには常時クリーンエアが送り込まれる。
【0014】
チャンバー90の処理空間SPには基板保持部10が設けられている。この基板保持部10は、基板表面を上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるものである。この基板保持部10は、基板Wよりも若干大きな外径を有する円盤状のスピンベース111と、略鉛直方向に延びる回転支軸112とが一体的に結合されたスピンチャック11を有している。回転支軸112はモータを含むチャック回転機構113の回転軸に連結されており、制御部80のチャック駆動部85からの駆動によりスピンチャック11が回転軸(鉛直軸)回りに回転可能となっている。これら回転支軸112およびチャック回転機構113は、円筒状のケーシング12内に収容されている。また、回転支軸112の上端部には、スピンベース111が一体的にネジなどの締結部品によって連結され、スピンベース111は回転支軸112により略水平姿勢に支持されている。したがって、チャック回転機構113が作動することで、スピンベース111が鉛直軸回りに回転する。制御部80は、チャック駆動部85を介してチャック回転機構113を制御して、スピンベース111の回転/回転停止ならびに回転速度を調整することが可能である。
【0015】
スピンベース111の周縁部付近には、基板Wの周端部を把持するための複数個のチャックピン114が立設されている。チャックピン114は、円形の基板Wを確実に保持するために3つ以上設けてあればよく(この例では6つ)、スピンベース111の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン114のそれぞれは、基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
【0016】
図4はチャックピンの構成を模式的に示す図である。各チャックピン114は、図4に示すように、保持ベース115、水平支持ピン116および基板当接部117を有している。保持ベース115はスピンベース111の周縁部から鉛直上方に延設されるシャフト118に支持され、スピンベース111に対して回動軸PA回りに回動自在となっている。また、この回動軸線PAに沿って水平支持ピン116が保持ベース115の上面から鉛直上方に突設され、基板Wの下面周縁部を下方より支持可能となっている。このため、スピンベース111に対して基板Wが受け渡しされる際には、複数のチャックピン114のそれぞれを解放状態とし、基板Wは水平支持ピン116上に載置される。
【0017】
保持ベース115の上面には水平支持ピン116以外にも基板当接部117が水平支持ピン116よりも基板Wの径方向外側に立設されて基板Wの周端面と当接自在となっている。基板当接部117は柱状に形成されており、スピンベース111の回転軸線側に開いた側面視V字状の当接部位119を有している。そして、基板Wを回転させて所定の処理を行う際には、複数のチャックピン114のそれぞれを押圧状態とする。このとき、保持ベース115がスピンベース111に対して回動軸PA回りに回動して基板当接部117が基板Wに近接し、水平支持ピン116上に載置された基板Wは、その周端面が当接部位119の下側傾斜面によって案内されながら、基板受け渡し高さ(水平支持ピン116で支持されている高さ位置)から処理高さへとせり上がる。そして、上記押圧状態に達すると、図4に示すように、基板Wは当接部位119に入り込み、その周縁部が当接部位119の上側傾斜面と下側傾斜面とに挟まれ、これによって基板Wはその表面を上方に向け、裏面を下方に向けた状態でスピンベース111から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持される。なお、基板を保持する機構としてはチャックピンに限らず、例えば基板裏面を吸引して基板Wを保持する真空チャックを用いてもよい。
【0018】
図3に戻って説明を続ける。ケーシング12の周囲には、スピンチャック11に水平姿勢で保持されている基板Wの周囲を包囲するようにスプラッシュガード20がスピンチャック11の回転軸に沿って昇降自在に設けられている。このスプラッシュガード20は回転軸に対して略回転対称な形状を有しており、それぞれスピンチャック11と同心円状に配置されて基板Wから飛散する処理液を受け止める複数段の(この例では2段の)ガード21と、ガード21から流下する処理液を受け止める液受け部22とを備えている。そして、制御部80に設けられたガード駆動部86がガード21を段階的に昇降させることで、回転する基板Wから飛散する薬液やリンス液などの処理液を分別して回収することが可能となっている。また、後述するように、処理液のよる基板処理に先立ってスピンチャック11による基板Wの保持が適正か否かを検査するときには、ガード駆動部86が図3に示すようにガード21を降下させてカメラによる基板Wの水平撮影を可能とする。
【0019】
スプラッシュガード20の周囲には、エッチング液等の薬液、リンス液、溶剤、純水、DIW(脱イオン水)など各種の処理液を基板Wに供給するための液供給部が少なくとも1つ設けられる。この例では、図2に示すように、3組の処理液吐出部30,40,50が設けられている。処理液吐出部30は、制御部80のアーム駆動部83により駆動されて鉛直軸周りに回動可能に構成された回動軸31と、該回動軸31から水平方向に延設されたアーム32と、アーム32の先端に下向きに取り付けられたノズル33とを備えている。アーム駆動部83により回動軸31が回動駆動されることで、アーム32が鉛直軸周りに揺動し、これによりノズル33は、図2において二点鎖線矢印で示すように、スプラッシュガード20よりも外側の退避位置(図3に実線で示す位置)と基板Wの回転中心の上方位置との間を往復移動する。ノズル33は、基板Wの上方に位置決めされた状態で、制御部80の処理液供給部84から供給される所定の処理液を吐出し、基板Wに処理液を供給する。
【0020】
同様に、処理液吐出部40は、アーム駆動部83により回動駆動される回動軸41と、これに連結されたアーム42と、アーム42の先端に設けられて処理液供給部84から供給される処理液を吐出するノズル43とを備えている。また、処理液吐出部50は、アーム駆動部83により回動駆動される回動軸51と、これに連結されたアーム52と、アーム52の先端に設けられて処理液供給部84から供給される処理液を吐出するノズル53とを備えている。なお、処理液吐出部の数はこれに限定されず、必要に応じて増減されてもよい。
【0021】
スピンチャック11の回転により基板Wが所定の回転速度で回転した状態で、これらの処理液吐出部30,40,50がノズル33,43,53を順次基板Wの上方に位置させて処理液を基板Wに供給することにより、基板Wの洗浄処理が実行される。処理の目的に応じて、各ノズル33,43,53からは互いに異なる処理液が吐出されてもよく、同じ処理液が吐出されてもよい。また、1つのノズルから2種類以上の処理液が吐出されてもよい。基板Wの回転中心付近に供給された処理液は、基板Wの回転に伴う遠心力により外側へ広がり、最終的には基板Wの周端部から側方へ振り切られる。基板Wから飛散した処理液はスプラッシュガード20のガード21によって受け止められて液受け部22により回収される。
【0022】
さらに、チャンバー90の処理空間SP内には、処理空間SP内を照明する照明部71と、スピンチャック11により保持された基板Wを水平方向から撮像して基板Wの画像を取得するカメラ72とが設けられている。このカメラ72は本発明の「撮像部」として機能するものであり、以下においてはカメラ72により撮像された画像を「水平画像」と称する。
【0023】
照明部71は例えば白色LEDランプを光源とするものであり、カメラ72による撮像を可能とするために必要な照明光を処理空間SP内に供給する。カメラ72は処理空間SP内でスピンチャック11に保持された基板Wとほぼ同一の高さに配置されて基板Wを水平方向から撮像可能に構成している。なお、ガード21との干渉を回避するために、カメラ72はスピンチャック11に対してガード21よりも外側に配置されており、ガード21が図3に示すように干渉回避位置まで降下しているタイミングでのみ基板Wの撮像が可能となっている。一方、ガード21が基板Wを取り囲んで処理を行うタイミングでは、カメラ72と基板Wとの間にガード21が位置してカメラ72の汚染が確実に防止される。なお、本実施形態では、図2に示すように、カメラ72の撮像方向に対して約90゜をなす方向から白色光を照明しているが、光源の種類や照明光の照射方向についてはこれに限定されるものではなく、例えばカメラ72と照明部71とが基板Wを挟んで対向するように配置して逆光状態で撮像するように構成したり、カメラ72と照明部71とを並べて配置して基板Wからの直接反射光を受光して撮像するように構成してもよい。
【0024】
カメラ72により取得された水平画像は制御部80の画像処理部87に与えられる。画像処理部87は水平画像に対して所定の画像処理を施して、基板Wの保持状態を判定するために必要な情報を取得する。
【0025】
上記の他、この基板処理システム1の制御部80には、予め定められた処理プログラムを実行して各部の動作を制御して基板Wの保持状態の検査および基板処理を行うCPU81と、CPU81により実行される処理プログラムや処理中に生成されるデータ等を記憶保存するためのメモリ82と、処理の進行状況や異常の発生などを必要に応じてユーザに報知するための表示部88とを備えている。なお、制御部80は基板処理ユニット1A〜1Dごとに個別に設けられてもよく、また基板処理システム1に1組だけ設けられて各基板処理ユニット1A〜1Dを統括的に制御するように構成されてもよい。また、CPU81が画像処理部87としての機能を兼ね備えていてもよい。
【0026】
次に、以上のように構成された基板処理ユニット1Aの動作について説明する。なお、説明を省略するが、他の基板処理ユニット1B〜1Dも同じように動作する。基板処理ユニット1Aは、インデクサ部1Eを介して外部から搬入される基板Wを受け入れて、基板Wの保持状態を検査し、それが良好であることを確認した上で基板Wを回転させながら各種の処理液を供給して湿式処理を実行する。湿式処理としては各種の処理液を用いた多くの公知技術があり、それらの任意のものを適用可能であるので、湿式処理の内容については説明を省略する。
【0027】
図5は基板処理ユニットの動作を示すフローチャートである。この動作は、CPU81が予め定められた処理プログラムを実行することにより実現される。基板Wが基板処理ユニット1Aに搬入されると、スピンチャック11、より具体的にはスピンベース111の周縁部に設けられた複数のチャックピン114の水平支持ピン116に載置される(ステップS101)。基板Wが搬入される際にはスピンベース111に設けられたチャックピン114は解放状態となっており、基板Wが載置された後、チャックピン114が押圧状態に切り替わって基板Wが当接部位119の上側傾斜面と下側傾斜面とに挟まれ、これによって基板Wはその表面を上方に向け、裏面を下方に向けた状態でスピンベース111から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持される(ステップS102:保持工程)。
【0028】
このとき、例えば基板Wの載置位置が不適切であった等の理由で、チャックピン114による基板Wの保持が不完全となることがあり得る。例えば基板Wがいずれかのチャックピン114に乗り上げた状態で載置され、これにより基板Wが水平姿勢から傾いた状態で保持されることがある。また例えば、チャックピン114が薬液による腐食で形状が次第に変化し、これにより基板Wを保持することができなくなったり、基板Wが偏心した状態で保持されてしまったりすることがある。
【0029】
このような状態で基板Wが回転されると、基板Wがスピンチャック11から脱落して破損したり、チャンバー90内の構成部品に衝突して装置が損傷するおそれがある。また、脱落には至らなくても、傾いたり偏心した状態で基板Wが回転することで、装置に異常振動が発生するおそれがある。このような問題を未然に防止するために、この基板処理ユニット1Aでは、スピンチャック11により基板Wの回転が行われることを確認した上で、カメラ72により撮像される水平画像を用いてスピンチャック11による基板Wの保持状態、つまり基板Wがスピンチャック11に対して適正に保持されている否かを判定する。このように回転確認工程と検査工程とを2段階で行う。
【0030】
具体的には、チャック駆動部85を作動させてスピンチャック11を低速で回転させながら(ステップS103:回転工程)、カメラ72により基板Wを一定のフレームレートで連続的に撮像する(ステップS104)。例えばフレームレートを30[fps(=Frame Per Second)]に設定し、回転停止状態から500[rpm/s]で加速して1回転する間に約15枚の水平画像を取得することができる。こうして取得された連続水平画像のうちN番目に撮像された水平画像(以下「第N番目水平画像」という)の一例を図示したものが図6である。なお、同図、後で説明する図7および図9における符号IHは水平画像を示しており、符号IcpおよびIwはそれぞれ水平画像IHに含まれるチャックピン114の像(以下「チャックピン像」という)および基板Wの像(以下「基板像」という)を示している。また、符号R1は次に説明するようにスピンチャック11の回転を判定するために用いる回転開始判定領域、より詳しくはチャックピン像Icpの一部(本実施形態では保持ベース115)が映り込む領域である。さらに、符号R2は検査工程を行うために用いる検査領域、より詳しくはスピンチャック11により適正に保持されたときの基板Wから上方に位置する領域であり、予め設定されている。
【0031】
次のステップS105では、第1番目水平画像から回転開始判定領域R1の画像を切り出し、当該画像を回転判定用基準画像としてメモリ82に記憶する。また、第2番目水平画像から回転開始判定領域R1の画像を切り出し、当該画像を構成する画素毎に当該画素と当該画素に対応する回転判定用基準画像の画素との濃度差の絶対値を求め、それらの積算値を算出する。さらに、回転開始判定領域R1の面積で積算値を除算することで濃度差分の平均値を回転判定値として算出する。つまり、次式にしたがって回転判定値(濃度差分の絶対値平均)を算出する。
【数1】
【0032】
こうして求めた回転判定値は回転開始判定領域R1の画像が相違することにより発生する平均濃度値あるいは幅を意味している。よって、回転判定値が一定の基準値以上となることでスピンチャック11が停止状態から回転状態に移行したと判定することができる。そこで、本実施形態では、回転判定値が基準値以上であるときには回転開始完了と判定して検査工程(ステップS107)に移行する一方で、回転判定値が基準値未満であるときには回転停止であると判定し、ステップS105に戻って第3番目以降についても回転判定用基準画像との間で回転判定値を算出し、回転判定を行う(ステップS106)。
【0033】
このように本実施形態では、検査工程を行う前に回転開始判定領域R1の画像に基づいてスピンチャック11の回転を検出して基板Wの回転を判定している(回転確認工程)。したがって、次に説明するように基板Wが回転していることを前提として行われる基板保持検査を確実に行うことが可能となっている。なお、本実施形態では、回転開始判定領域R1の画像、つまりチャックピン114の保持ベース115の画像を本発明の「第3画像」として用いて回転確認工程(ステップS104〜S106)を行っているが、それ以外の部位の画像を用いてもよい。また、回転確認工程の適用範囲は第1実施形態に限定されるものではなく、基板を回転させる技術全般に適用することができる。
【0034】
次のステップS107では、スピンチャック11の回転を継続させたまま、カメラ72により基板Wを一定のフレームレートで連続的に撮像する(撮像工程)。ここでは、フレームレートを30[fps]に設定し、上記回転確認工程の完了時点から基板Wが1周する間に15枚の水平画像を連続的に取得する。そして、水平画像を取得する毎に水平画像から検査領域R2の画像(以下「検査画像」という)を切り出し、当該検査画像の平均濃度値を次式に基づいて求め、さらに15個の検査画像の濃度値の標準偏差をスピンチャック11による基板Wの保持状態を示す特徴量として次式に基づいて求める(ステップS108:特徴量導出工程)。
【数2】
【0035】
このように本実施形態では、水平画像IHおよび検査画像がそれぞれ本発明の「第1画像」および「第2画像」の一例に相当しており、上記のように水平画像IHから検査画像を切り出す工程が本発明の「切出工程」に相当している。なお、本実施形態では、上記標準偏差を特徴量としているが、その理由は以下のとおりである。検査領域R2は図6に示すようにスピンチャック11により適正に保持されたときの基板Wから上方に位置している。このため、基板Wが適正に保持されているときには、連続水平画像のいずれにおいても、例えば図7(a)に示すように検査領域R2への基板Wの映り込みはなく、検査領域R2に映り込む画像は均一な背景となる。したがって、上記標準偏差は比較的小さな値となる。逆に、基板Wが適正に保持されていないときには、基板Wの回転位置によっては図7(b)に示すように検査領域R2に基板Wの映り込むことがあり、上記標準偏差は適正保持時の値よりも大きくなる。なお、図7中の2点鎖線はスピンチャック11により基板Wが適正に保持されたときの基板Wの位置を示している。
【0036】
このように基板Wが適正に保持されているか否かによって検査画像の濃度値の標準偏差が大きく異なる。よって、当該標準偏差を特徴量として算出し、この特徴量が許容範囲内にあるか否かによって基板Wの保持状態を正確に判定することができる。そこで、本実施形態では、ステップS108で求められた特徴量(検査画像の濃度値の標準偏差)が許容範囲内か否かを判定する(ステップS109:判定工程)。このステップS109で「YES」と判定される、つまり基板Wが適正に保持されていることが確認されると、基板Wを取り囲んで処理を行う位置までガード21を上昇させる(ステップS110)。そして、基板Wの回転速度を湿式処理用の規定値まで増加させ(ステップS111)、続いて予め定められた湿式処理を実行する(ステップS112)。湿式処理の内容については説明を省略する。
【0037】
一方、ステップS109で「NO」と判定される、つまり基板Wの保持が不適正である、つまりチャックミスが発生したことが確認されると、直ちにスピンチャック11の回転駆動を中止して基板Wの回転を停止させ、スピンチャック11による基板Wの保持において異常がある旨を示すメッセージを表示部88に表示してユーザに報知する(ステップS113)。メッセージの表示に代えて、あるいはこれに加えて、例えば警告音による異常報知を行ってもよい。これらの点は他の実施形態においても同様である。
【0038】
以上のように、基板Wを低速で回転させながら水平方向からカメラ72により基板Wを撮像することで、スピンチャック11による基板Wの保持状態を反映した水平画像IHを取得している。そして、当該水平画像IHに基づいて基板保持が適正か否かを判定しているため、基板保持の検査を高い信頼性で行うことが可能となっている。したがって、基板Wがスピンチャック11により適正に保持された状態でのみ基板処理が実行されるため、基板Wを適正に処理することができる。また、不適正な保持状態のまま基板Wが高速回転されて基板Wや装置が損傷することを確実に回避することができる。
【0039】
また、上記第1実施形態では、基板Wが適正に保持されているときには検査画像(検査領域R2の画像)の濃度は均一であることを前提とし、基板Wの一部が検査領域R2に映り込んで検査領域R2の平均濃度が変動することによって基板Wの保持が不適正であると判断している。このような前提下では、フレームレートを比較的遅い値に設定することは好適である。その理由について図8を参照しつつ説明する。
【0040】
図8は回転速度とフレームレートの違いによる検査領域の画像変化の様子を模式的に示す図である。本実施形態では、図4に示すようにチャックピン114は基板Wとの当接位置(当接部位119)よりも上方に延設されている。このため、基板Wが適正に保持されているか否かを問わず、チャックピン114の頂部が検査領域R2に位置して検査画像I2に映り込むことがある。基板Wの回転が停止されているときには、例えば図8(a)に示すように水平画像IHにはチャックピン114が比較的明確に映り込んでおり、当該水平画像IHから切り出される検査画像I2にチャックピン像Icpが背景像の濃度値と大きく異なる濃度値を有しており、検査画像I2にくっきりと映り込んでいる。
【0041】
基板保持の検査を行う際には基板Wは低速回転しており、その低速回転状態で一定のフレームレートで撮像される。ここで、比較的速いフレームレート、例えば200[fps]でカメラ72により撮像すると、例えば図8(b)に示すように検査画像I2に映り込むチャックピン像Icpは水平方向(同図の左右方向)に多少ぼけるものの背景像との濃度差は依然として大きく、検査画像I2の平均濃度値はチャックピン像Icpが含まれている分だけ背景像の濃度値から大きく異なることがある。これに対し、フレームレートを遅くする、例えば30[fps]に設定すると、図8(c)に示すように水平方向(同図の左右方向)に大きくぼけ、背景像との濃度差も小さくなる。その結果、検査画像I2の平均濃度値はチャックピン像Icpが含まれるものの背景像の濃度値との差は大幅に減少する。よって、フレームレートを比較的遅くすることで、チャックピン像Icpの影響を抑制し、基板保持検査を高精度に、しかも安定して行うことができる。
【0042】
B.第2実施形態
ところで、上記第1実施形態では、基板Wが一周する間にカメラ72により連続的に撮像された水平画像IHの各々から切り出した15個の検査画像I2の濃度値について標準偏差を求め、これを特徴量として用いているが、特徴量はこれに限定されるものではない。例えば、以下に説明する第2実施形態では、カメラ72により連続的に撮像された各水平画像IHでの鉛直軸方向Zにおける濃度分布を示すデータ、つまり濃度プロファイルに基づいて特徴量を算出している。なお、本発明にかかる基板保持検査方法の第2実施形態を適用可能な基板処理装置の構成は基本的に上記基板処理ユニット(基板処理装置)1Aと同一である。この点に関しては、後で説明する実施形態においても同様である。また、当該基板処理ユニット1Aで実行される動作のうち特徴量の内容、算出方法および判定方法を除く動作についても第1実施形態と同一であり、この点に関しては後で説明する第2実施形態および第3実施形態においても同様である。したがって、以下のおいては相違点を中心に説明し、同一構成および動作については同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
図9ないし図11は本発明にかかる基板保持検査方法の第2実施形態における特徴量の算出方法を示す図である。第2実施形態では、一定のフレームレートでカメラ72により撮像された15枚の水平画像IH(0)、IH(1)、…、IH(14)毎に、鉛直軸方向Zにおける濃度プロファイルを導出する。各水平画像IHは図9(a)に示すようにX方向およびZ方向にマトリックス状に配列された(m×n)個の画素で構成されている。そして、第2実施形態では、鉛直軸方向Zの各位置、つまりZ座標位置「0」、「1」、…「n−1」について、全画素の濃度の平均値(以下、「平均濃度値」という)を演算する。つまり、各Z座標位置における平均濃度値AD(0)、AD(1)、…、AD(n-1)を次式
AD(0)={D(0,0)+D(1,0)+…+D(m-1,0)}/m
AD(1)={D(0,1)+D(1,1)+…+D(m-1,1)}/m

AD(n−1)={D(0,n-1)+D(1,n-1)+…+D(m-1,n-1)}/m
に基づいて算出する。こうして濃度プロファイルが得られ、水平画像IH毎に上式で算出された各Z座標位置に対する平均濃度値ADをプロットすることにより、例えば図9(b)〜(d)に示す濃度プロファイルのグラフが得られる。なお、図9(b)〜(d)中の各曲線が一の水平画像IHに含まれる鉛直軸方向Zにおける濃度プロファイルを示しており、図9(b)〜(d)の各々において15本の濃度プロファイルが図示されている。これらの濃度プロファイルはいずれも凹の谷形状を有しているが、当該谷形状部分が鉛直軸方向Zでの基板Wの位置を示している。
【0044】
ここで、基板Wがスピンチャック11により適正に保持されて略水平姿勢となっているときには、図9(b)に示すようにいずれの水平画像IHにおいても濃度プロファイルはほぼ同一形状であり、しかも谷形状部分もほぼ一致している。一方、基板Wが適正に保持されないと、図9(c)、(d)に示すように、水平画像IH毎に濃度プロファイルの形状が相互に異なり、しかも谷形状部分の位置も大きく変動する。つまり、基板Wが適正に保持されているときには濃度プロファイルの変化は小さいのに対し、基板Wが適正な保持状態から外れていくにしたがって濃度プロファイルの変化は大きくなる。このような定性的な現象を第2実施形態では次の2段階の工程を経て定量化し、それを特徴量として求めている。
【0045】
第1段目の工程は、水平画像IH毎に図10(a)〜(c)に示す手順にて濃度プロファイルから3つの特徴点A〜Cを導出し、これら特徴点A〜Cで構成される三角形ABCを特定する工程である。濃度プロファイルの谷形状となる点Cを求める。つまり、一の濃度プロファイル、例えば水平画像IH(0)において図10(a)に示すように平均濃度値ADが最も小さいときのZ座標を求め、これらにより特徴点Cを導出する。また、始点(0、AD(0))と特徴点Cとを通る仮想線VL1を算出した後で、濃度プロファイルにおいて当該仮想線VL1から最も離れた点を特徴点Aとして導出する。さらに、終点(n−1、AD(n-1))と特徴点Cとを通る仮想線VL2を算出した後で、濃度プロファイルにおいて当該仮想線VL2から最も離れた点を特徴点Bとして導出する。なお、特徴点A〜Cの導出が完了すると、図10(b)、(c)に示すように水平画像IH(0)において特徴点A〜Cで規定される三角形TR(0)を特定する。このような工程を他の水平画像IH(1)〜IH(14)について行って14個の三角形TR(0)、…を求める。
【0046】
次の第2段目の工程では、図11に示すように上記14個の三角形TR(0)、…の論理積を演算し、その結果として得られる三角形TR(AND)の面積を導出する。基板Wがスピンチャック11により適正に保持されているとき(図9(b))、第1段目の工程で導出された各三角形TR(0)、…とほぼ同一形状を有し、しかも水平画像IHにおける位置もほぼ一致しており、その結果、三角形TR(AND)も各三角形TR(0)、…とほぼ一致する。一方、図9(c)や図(d)に示すように基板Wの保持状態が不適正な場合には、三角形TR(0)、…の形状や位置は相互に変化しており、その結果、三角形TR(AND)の面積は小さくなる。つまり、スピンチャック11による基板Wの保持が適正な状態から不適正な状態に移行すると、三角形TR(AND)が縮小して面積が小さくなる。これらのことから、三角形TR(AND)の面積が濃度プロファイルの変化を示す指標となっており、ひいては基板保持状態の適正度合を示している。
【0047】
種々の保持状態での三角形TR(AND)の面積を本願発明者が検証したところ、適正な保持状態で導出された三角形TR(AND)の最大面積を100[%]としたとき、基板処理に支障がなく適正にスピンチャック11に保持されているときの三角形TR(AND)の面積は86〜100[%]であったのに対し、基板処理に支障を来すときの三角形TR(AND)の面積は45[%]以下に低下した。
【0048】
そこで、第2実施形態では、カメラ72による基板Wの水平画像IHの連続撮像が完了する(ステップS107:撮像工程)と、上記した手順によって三角形TR(AND)の面積を特徴量として導出し(ステップS108:特徴量導出工程)、特徴量が60[%]を超えているか否かを判定する(ステップS109)。そして、特徴量が60[%]を超えており、基板保持が適正であると判断すると、ガード21の上昇(ステップS110)および基板Wの回転速度の増加(ステップS111)を行うのに続いて湿式処理を実行する(ステップS112)。一方、特徴量が60[%]以下であるとき(ステップS109で「NO」)、チャックミスが発生したと判断する。そして、直ちにスピンチャック11の回転駆動を中止して基板Wの回転を停止させ、スピンチャック11による基板Wの保持において異常がある旨を示すメッセージを表示部88に表示してユーザに報知する(ステップS113)。なお、本実施形態では、上記検証に基づいて60[%]を判定基準値として設定しているが、判定基準値はこれに限定されるものではなく、取扱う基板の種類や装置構成などに応じて適宜変更するのが望ましい。
【0049】
以上のように、第2実施形態においても、濃度プロファイルの変化を示す指標値として機能する三角形TR(AND)の面積を複数の水平画像IHから特徴量として導出し、当該特徴量に基づいて基板保持が適正か否かを判定しているため、第1実施形態と同様の作用効果、つまり基板保持検査の高信頼性、適切な基板処理および基板Wや装置の損傷の未然回避などの作用効果が得られる。また、図9(b)〜(d)に示すように基板保持状態に起因する定性的な現象を定量化し、これを特徴量としているため、基板保持検査の信頼性をさらに高めることができるとともに基板保持検査の自動化を容易なものとなっている。
【0050】
C.第3実施形態
上記第2実施形態では、鉛直軸方向Zにおける濃度プロファイルから特徴点A〜Cを導出するとともに当該特徴点A〜Cで規定される三角形を用いて特徴量を導出しているが、例えば図12に示すように水平画像IH間での平均濃度値ADの最大変動量ΔADを特徴量として導出してもよく、第2実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、既に図9(b)〜(d)を用いて説明したように、基板保持が適正状態であるときにはいずれの水平画像IHにおいても濃度プロファイルは同一形状でしかも同一位置にある。そのため、水平画像IH間での平均濃度値ADの変動量はゼロあるいはそれに近い値となる。これに対し、不適正状態になると水平画像IH毎に濃度プロファイルの形状が相互に異なり、しかも谷形状部分の位置も大きく変動する。このため、例えば図12に示すように平均濃度値ADが水平画像IH間で変動する領域が発生し、当該変動領域では比較的大きな変動量ΔADが観測される。つまり、最大変動量ΔADが濃度プロファイルの変化を示す指標値として機能する。
【0051】
そこで、第3実施形態では、最大変動量ΔADを特徴量として用いている。つまり、第3実施形態では、カメラ72による基板Wの水平画像IHの連続撮像が完了する(ステップS107:撮像工程)と、水平画像IH毎に鉛直軸方向Zにおける濃度プロファイルを導出した後で水平画像IH間での平均濃度値ADの最大変動量ΔADを特徴量として導出し(ステップS108:特徴量導出工程)、特徴量(最大変動量ΔAD)が所定値未満であるか否かを判定する(ステップS109)。そして、特徴量が所定値未満であり、基板保持が適正であると判断すると、ガード21の上昇(ステップS110)および基板Wの回転速度の増加(ステップS111)を行うのに続いて湿式処理を実行する(ステップS112)。一方、特徴量が所定値以上であるとき(ステップS109で「NO」)、チャックミスが発生したと判断する。そして、直ちにスピンチャック11の回転駆動を中止して基板Wの回転を停止させ、スピンチャック11による基板Wの保持において異常がある旨を示すメッセージを表示部88に表示してユーザに報知する(ステップS113)。
【0052】
D.第4実施形態
上記第1実施形態ないし第3実施形態では、水平画像IHから特徴量を導出し、当該特徴量に基づいてスピンチャック11により基板Wが適正に保持されているか否かを検査しているが、水平画像IHから基板Wのエッジに関する情報(以下「エッジ情報」という)を求め、さらにエッジ情報から特徴量を導出してもよい。以下、図13および図14を参照しつつ本発明の第4実施形態について説明する。
【0053】
図13は本発明の第4実施形態にかかる基板保持検査方法を含む基板処理動作を示すフローチャートである。また、図14は第4実施形態にかかる基板保持検査動作を模式的に示す図である。この基板処理動作は、CPU81が予め定められた処理プログラムを実行することにより実現される。基板Wが基板処理ユニット1Aに搬入されると、特徴量に基づき基板保持検査を行う場合(第1実施形態ないし第3実施形態)と同様に、スピンベース111の周縁部に設けられた複数のチャックピン114の水平支持ピン116で載置される(ステップS401)。その後で、表面を上方に向けるとともに裏面を下方に向けた状態でスピンベース111から所定間隔を隔てた略水平姿勢で基板Wが保持される(ステップS402)。
【0054】
このとき、例えば基板Wの載置位置が不適正であった等の理由で、チャックピン114による基板Wの保持が不完全となることがあり得るため、第4実施形態にかかる基板保持検査動作(ステップS403〜S407)を実行する。すなわち、この第4実施形態にかかる基板保持検査方法では、スピンチャック11で保持された基板Wを静止した状態でカメラ72により基板Wを撮像して静止水平画像を取得する(ステップS403)。そして、静止水平画像に対してエッジ検出処理を施して基板Wのエッジ座標(X座標位置、Z座標位置)を複数個取得する(ステップS404)。ここで、エッジ検出処理としては従来より多用されているものを利用することができるが、本実施形態ではX座標位置毎に(+Z)方向から(−Z)方向に向けて濃度を調べて当該濃度が大きく変動した時点のZ座標位置を鉛直軸方向Zにおける基板Wのエッジ座標として検出している。こうして得られた基板Wのエッジ座標をプロットした一例が図14(a)に示すグラフである。
【0055】
基板Wはチャックピン114で保持されているためにチャックピン114の影響を受け、また電気的な外乱を受けることがある。このため、これらの要因によりノイズ成分がエッジ座標データに含まれてしまうことは不可避である。そこで、本実施形態では、Z座標位置について一のエッジ座標をX方向において隣接するエッジ座標と比較し、Z座標位置が一定値以上離れているエッジ座標についてはノイズ成分と見なして当該一のエッジ座標を取り除く。このようなノイズ除去処理をステップS404で検出された全エッジ座標について実行する(ステップS405)。こうして得られたノズル除去済のエッジ座標を示すエッジ座標データを本明細書では「エッジプロファイル」と称し、当該エッジプロファイルによって水平画像IHでの鉛直軸方向Zにおける基板Wのエッジ位置を示すこととし、それらをプロットした一例が図14(b)に示すグラフである。このようにエッジプロファイルが本発明の「エッジ情報」の一例に相当している。
【0056】
それに続いて、次のステップS406ではノズル除去済のエッジ座標データに基づいて直線近似式で示される直線近似線(基板Wの表面側のエッジ)を本発明の「特徴量」として導出する(特徴量導出工程)。ここで、基板Wがスピンチャック11に適正に保持されているときには、例えば図14(c)中の実線で示す直線近似線Lが基板Wの表面側のエッジとして導出され、当該直線近似線Lは鉛直軸方向Zにおいて一定幅を有する許容バンドBD内に収まる。一方、スピンチャック11による基板保持が不適正であるときには、例えば図14(c)中の1点鎖線で示すように導出された直線近似線Lは許容バンドBDからはみ出る。
【0057】
そこで、本実施形態では、ステップS407で導出された直線近似線Lが許容バンドBD内に収まっているか否かによって基板Wの保持状態を正確に判定する。そして、このステップS407で「YES」と判定される、つまり基板Wが適正に保持されていることが確認されると、基板Wを取り囲んで処理を行う位置までガード21を上昇させ(ステップS408)、基板Wの回転を開始して回転速度が湿式処理用の規定値まで増加させる(ステップS409)のに続いて予め定められた湿式処理を実行する(ステップS410)。
【0058】
一方、ステップS407で「NO」と判定される、つまり基板Wの保持が不適正である、つまりチャックミスが発生したことが確認されると、第1実施形態と同様の処理を実行する。つまり、当該判定後、直ちにスピンチャック11の回転駆動を中止して基板Wの回転を停止させ、スピンチャック11による基板Wの保持において異常がある旨を示すメッセージを表示部88に表示してユーザに報知する(ステップS411)。
【0059】
以上のように、第4実施形態においても、第1実施形態ないし第3実施形態と同様に、基板保持の検査を高い信頼性で行うことが可能となっている。したがって、基板Wがスピンチャック11により適正に保持された状態でのみ基板処理が実行されるため、基板Wを適切に処理することができる。また、不適正な保持状態のまま基板Wが高速回転されて基板Wや装置が損傷することを確実に回避することができる。
【0060】
なお、第4実施形態で行っているノイズ除去方法の代わりに別のノイズ除去方法を用いてもよい。例えばエッジ検出処理により得られたエッジ座標から直線近似法やロバスト推定法などを用いて基板Wの姿勢を示す直線式を求めた後、エッジ座標データのうち当該直線式から大きく離れたデータを含む一定の範囲内で最大画素値を有する画素、つまり最大画素を検出する。そして、当該最大画素が一定の画素値以上の場合にはエッジとみなす一方、そうでない場合にはノイズとして除去してもよい。
【0061】
また、チャックピン114の影響を排除するために次の方法を採用してもよい。ここでは、鉛直軸方向Zにおいてチャックピン114は基板Wよりも高く、チャックピン114が存在するX座標位置はエッジ検出不可部分であると考えられる。そこで、エッジ検出されたZ座標位置の下に基板Wの高さ以上で、しきい値画素以上の画素値が連続する場合、検出不可部分とみなし、当該検出不可部分のエッジ座標データを削除することができる。これらのノイズ除去方法を用いることは、第4実施形態および以下の第5実施形態や第6実施形態における基板保持検査の信頼性を高めることに寄与し、好適である。
【0062】
E.第5実施形態
上記第4実施形態では、1枚の水平画像IHに基づいてエッジ検出を行っているが、基板Wを低速回転させながら複数の水平画像IHを撮像するとともに、水平画像IH毎にエッジプロファイル(図14(b)参照)を求め、さらに複数のエッジプロファイルを統計的に解析して基板保持検査を行ってもよい。以下、第4実施形態と相違する点を中心に説明し、同一構成については説明を省略する。
【0063】
図15は本発明にかかる基板保持検査方法の第5実施形態での基板保持検査を説明するための図である。同図における横軸はエッジプロファイルを識別するためのファイル番号であり、縦軸は各エッジプロファイルにおけるZ座標の平均値および標準偏差である。基板Wがスピンチャック11に適正に保持されて略水平姿勢を有している場合には同図(a)に示すようにZ座標の平均値および標準偏差ともに大きく変動することはないのに対し、基板保持が不適正であり、例えば基板Wの一部がチャックピン114に乗り上げている場合には同図(b)に示すようにZ座標の平均値および標準偏差が大きく変動する。
【0064】
そこで、第5実施形態では、Z座標の平均値を求め、さらに当該平均値における最大値と最小値との差異(以下「平均値変動量」という)およびZ座標の標準偏差における最大値と最小値との差異(以下「偏差変動量」という)を本発明の「特徴量」として導出する(特徴量導出工程)。さらに、これらの差異に基づいて基板保持検査を行う。より具体的には、平均値変動量および偏差変動量がともに所定範囲内であるときには基板Wが適正に保持されていると判定する一方、平均値変動量および偏差変動量のうち少なくとも一方が所定範囲を外れているときには基板Wの保持が不適正でありチャックミスが発生していると判定する。
【0065】
F.第6実施形態
図16は本発明にかかる基板保持検査方法の第6実施形態での基板保持検査を説明するための図である。同図(a)における横軸は鉛直軸方向Zにおけるエッジ座標を示しており、ここでは水平画像IHの鉛直軸方向Zの幅を0.1刻みに分割し、各エッジ座標の出現頻度を求めてヒストグラム化した。また、こうして得られたヒストグラムを任意のエッジ座標幅で平均化することでエッジ座標の出現頻度の平均を求めてプロットしたものが同図(b)である。同図(b)において出現頻度の平均が最大となるエッジ座標(以下「ピーク座標」という)が当該水平画像IHに映り込んだ基板Wの鉛直軸方向Zにおけるエッジに相当する。このようにヒストグラム手法を用いることで鉛直軸方向Zにおける基板Wのエッジを求めることができ、基板Wがスピンチャック11に適正に保持されている場合には、他の水平画像IHに基づき上記ヒストグラム手法により導出される鉛直軸方向Zにおける基板Wのエッジ(出現頻度の平均が最大となるエッジ座標)も大きく変動することはない。これに対し、基板保持が不適正である場合には、水平画像IH毎に大きく変動してしまう。
【0066】
そこで、第6実施形態では、複数の水平画像IHの各々に基づいて上記ヒストグラム手法により導出されるピーク座標を求め、それらのピーク座標の変動量を本発明の「特徴量」として求める(特徴量導出工程)。さらに、これに基づいて基板保持検査を行う。より具体的には、ピーク座標の変動量が所定範囲内であるときには基板Wが適正に保持されていると判定する一方、ピーク座標の変動量が所定範囲を外れているときには基板Wの保持が不適正でありチャックミスが発生していると判定する。
【0067】
G.その他
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、第1実施形態以外の実施形態では、水平画像IHをそのまま本発明の「第1画像」として用いているが、水平画像IHの一部を抽出し、当該抽出画像を本発明の「第1画像」とし、これに基づいて特徴量やエッジ情報などを導出してもよい。
【0068】
また、上記第4実施形態を除く実施形態では、基板Wを低速回転させながら基板Wが1周する間に水平画像IHを複数枚撮像しているが、基板Wを間欠的に回転させて複数の水平画像IHを撮像してもよい。また、水平画像IHを撮像する間に基板Wの回転量は1周に限定されるものではなく、例えば半周あるいは1周以上回転させながら複数の水平画像IHを撮像してもよい。
【0069】
また、上記第2実施形態および第3実施形態では、Z座標位置「0」、「1」、…「n−1」毎の平均濃度値を求めることで濃度プロファイルを導出しているが、平均濃度値以外の値、例えば濃度積算値を求めて濃度プロファイルを導出してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、処理室(処理空間SP)に照明光を導入するための「照明手段」としての照明部71を設けているが、基板処理システム1が明るい室内に設置された状況では、チャンバー90の一部に導光窓を設けて外光を処理空間SP内に導入するだけでも、カメラ72による撮像を行うのに十分な照明光量が得られる場合もあり得る。このような場合、照明部を設けず(あるいは点灯させず)に導光窓から入射する外光を照明光として用いてもよい。この場合、導光窓が上記「照明手段」としての機能を有することになる。
【0071】
また、上記実施形態では、照明部71およびカメラ72を処理空間SP内に設置しているが、例えばこれらの少なくとも一方をチャンバー90の外部に設置し、チャンバー90に設けられた透明窓を介して処理空間SP内を照明または撮像する構成であってもよい。このような構成では、照明手段や撮像手段に処理液が付着することが回避される。
【0072】
また、上記実施形態は基板Wに対し湿式処理を行う基板処理システム1に本発明を適用したものであるが、基板に対して行われる処理はこのような湿式処理に限定されず任意である。すなわち、この発明は、基板を保持して回転させるための構成を有する各種の基板処理装置に対して適用可能である。また、処理対象となる基板は半導体基板に限定されず、例えばプリント配線基板やガラス基板等、種々のものを使用可能である。また、基板の形状も上記のような円形のものに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この発明は、基板を略水平姿勢に保持して回転させるときに上記基板が適正に保持されているか否かを検査する基板保持検査方法および当該基板保持検査方法を用いて基板処理を行う基板処理装置に対して適用することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1A〜1D…基板処理ユニット(基板処理装置)、
10…基板保持部、
11…スピンチャック、
72…カメラ(撮像部)、
80…制御部、
81…CPU、
I2…検査画像(第2画像)、
IH…水平画像(第1画像)、
R1…回転開始判定領域、
R2…検査領域、
W…基板
図1
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図16