特許第6362492号(P6362492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6362492-ナースコールシステム 図000002
  • 特許6362492-ナースコールシステム 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6362492
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20180712BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20180712BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20180712BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20180712BHJP
【FI】
   H04M9/00 J
   A61G12/00 E
   G06Q50/22
   G06Q50/10
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-191343(P2014-191343)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2016-63464(P2016-63464A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】楠 浩和
(72)【発明者】
【氏名】永田 将基
(72)【発明者】
【氏名】柴田 龍成
(72)【発明者】
【氏名】服部 真嗣
【審査官】 松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−352875(JP,A)
【文献】 特開2009−267567(JP,A)
【文献】 特開2006−279792(JP,A)
【文献】 特開2009−077235(JP,A)
【文献】 特開2008−172348(JP,A)
【文献】 特開2014−117439(JP,A)
【文献】 特開2010−200066(JP,A)
【文献】 特開2013−207644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G9/00−15/12
99/00
G06F19/00
G06Q10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−99/00
G08B19/00−31/00
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナースコール呼出を行う子機と、前記子機からの呼出を親機通話部から音響的に報知する複数の親機と、親機及び子機の通話路を制御する制御装置とを備えたナースコールシステムにおいて、
前記複数の親機のうちの任意の親機が故障した際には故障していない他の親機から任意の親機が故障した旨の機器異常を鳴動するものであって、
前記親機の全てが機器異常を鳴動できない際には、前記制御装置が前記機器異常を鳴動するための音響装置を備えたことを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記音響装置が鳴動する際に、機器異常メールを送信するためメールアドレスを記憶する記憶部を備えたことを特徴とする請求項1記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナースコール親機が故障した際に、故障通知を的確に利用者に通知することができるナースコールシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナースコールシステムでは、ナースコールシステム内の何らかの機器が故障して、ナースコールの通信に異常が発生したことを検出すると、ナースコール親機の報知手段を用いて報知動作することができるシステムが提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−352875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のシステムでは、ナースコール親機自身が故障すると、報知手段がなくなってしまい報知することができなくなってしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の難点を解消するためになされたもので、ナースコール親機が故障した際に、ナースコールシステムに複数のナースコール親機が接続されていれば、故障していない全てのナースコール親機の親機スピーカから機器異常警報を鳴動するとともに、全てのナースコール親機が故障した際には制御装置に備えられた音響装置が機器異常を鳴動するものである。
また、本発明は、通常時は複数のユニット単位で構成され、他のユニットからのナースコール呼出を受けつけない設定において、他のユニットのナースコール親機が故障した際には、当該ユニットのナースコール親機の親機スピーカから機器異常警報を鳴動するものである。
また、本発明は、制御装置に備えられた音響装置が機器異常を鳴動する際には、予め制御装置で設定されたメールアドレスに機器異常通知メールを送信するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のナースコールシステムによれば、親機故障時に他の親機で故障通知ができるとともに、回線異常等で全ての親機と通信ができなくなったとしても制御装置から警報音を鳴動することによって、故障の発生を的確に知ることができる。
また、通常時は独立して運用されている他のユニットの機器についても、故障時のみ機器異常警報を鳴動することにより、故障の事実を素早く知らせることができる。
また、全ての親機が故障した際には緊急度が高くなるため、直ちにメールで通知することによって利用者に故障を素早く知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明のナースコールシステムの構成図である。
図2図2は、本発明のナースコールシステムにおける制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のナースコールシステムを適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例によるナースコールシステムの構成図であり、病室に設置され患者が看護師を呼出して通話を行うための呼出ボタン11を有するナースコール子機1と、ナースステーションに設置され患者からの呼出しに応答した看護師が通話を行うナースコール親機2と、病室の入口に設置されてナースコール子機1の呼出を報知する廊下灯4と、ナースコール子機1及びナースコール親機2の呼出や通話を制御する制御装置5を備えており、ナースコール親機2、廊下灯4、制御装置5は接続線Lでそれぞれ接続されている。
【0009】
ナースコール親機2は、ナースコール子機1からの呼出を画像情報で通知する20インチ以上の親機ディスプレイ21と、ナースコール子機1からの呼出を音響的に通知し、看護師の操作により通話を行なう親機通話部22を有している。
制御装置5は、図2のように、ナースコール子機1からの呼出に応じて呼出を行うナースコール親機2を選択する制御部51と、ナースコール親機2の故障を報知するためのアンプ、スピーカ等からなる音響装置52と、後述するメールアドレスを記憶する記憶部53とを有している。
【実施例1】
【0010】
次に、このように構成された本発明の一実施例によるナースコールシステムの呼出、通話動作について説明する。
【0011】
図1において、病室に居る患者によりナースコール子機1の呼出ボタン11が操作されると、ナースコール子機1は廊下灯4、接続線Lを介して制御装置5に対して呼出信号を送信する。呼出信号を受信した制御装置5は、当該ナースコール子機1の設置された病室及びベッドの位置を特定し、呼出信号をナースコール親機2へ送信する必要があることを認識して、ナースコール親機2に呼出信号を送信する。
【0012】
呼出信号を受信したナースコール親機2は、機器の設置された病室及びベッドの位置からナースコール子機1の呼出を行った患者氏名を特定し、当該患者氏名を親機ディスプレイ21に拡大表示するとともに、親機通話部22から呼出音を鳴動する。ナースステーション内の看護師は、呼出音及び親機ディスプレイ21の拡大表示から呼出を認識し、応答操作(詳述せず)を行なうことでナースコール親機2とナースコール子機1の通話が成立する。
【0013】
ナースコール親機2が正常動作している場合には上記のような動作を行うが、ナースコール親機2が故障した場合には以下のような動作となる。
【0014】
制御装置5の制御部51は、ナースコール親機2に呼出信号を送信すると、ナースコール親機2から応答がないことから、制御部51はナースコール親機2が故障していることを検知する(あるいは、呼出時ではなく、定期診断によって異常が検出された場合も以下同様の動作となる)。故障を検知した制御部51は、システム内に他のナースコール親機2が存在するか否かを確認し、他のナースコール親機2が存在する場合には、当該ナースコール親機2に機器異常警報を送信する。他のナースコール親機2が機器異常警報に応答して機器異常警報を報知することにより、看護師は故障しているナースコール親機2が存在することを認識することができる。
【0015】
また、システム内に他のナースコール親機2がいない、あるいは配線異常等で他のナースコール親機2が全て通信できなくなっていることを検知した制御部51は、音響装置52を用いて自らが故障を報知することによって、看護師は全てのナースコール親機2が故障していることを認識することができる。
【0016】
なお、制御装置5は、一般的に人通りの少ない場所や、ロッカー内部に設置されることが多いため、音響装置52の音声が聞こえない場合がある。これを補完するため、制御部51は、記憶部53に予め記憶されたナースコールのメンテナンス担当者のメールアドレスを読み出し、当該メールアドレスに対してナースコール親機2が故障している旨のメールを作成し、制御部51、接続線Lを介して図示しないメールサーバーに接続することによりメールを送信する。これにより、制御装置5の近くに人がいない場合でもナースコール親機2が故障していることを認識することができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
なお、本実施例ではナースコール親機が故障した例を示したが、ナースコール子機が故障した場合にナースコール親機が機器異常警報を報知することももちろん好適である。
【0018】
また、本実施例では音響装置のスピーカは機器に内蔵している例を示したが、接続線L以外の専用配線で接続されていれば、制御部と一体化されていなくても同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0019】
1 子機(ナースコール子機)
2 親機(ナースコール親機)
22 親機通話部
4 廊下灯
5 制御装置
52 音響装置
53 記憶部
図1
図2