(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における切削工具100の正面図である。
図1に示すように、切削工具100は、高速度鋼から形成されると共に切れ刃11を有する第1部材10と、鋼材から形成されると共にシャンク部21を有する第2部材20と、を備えて構成される。なお、本実施形態では、第1部材10及び第2部材20は、それぞれ直径32mmで形成される。
【0017】
次に、
図2を参照して、第1部材10及び第2部材20について説明する。
図2(a)は、第1部材10の上面図であり、
図2(b)は、
図2(a)のIIb−IIb線における第1部材10の部分拡大断面図である。
図2(c)は、第2部材20の底面図であり、
図2(d)は、
図2(c)のIId−IId線における第2部材20の部分拡大断面図である。なお、
図2及び
図3では理解を容易とするために、第1中空孔12及び第2中空孔22の直径を実際よりも小さい寸法で図示している。また、
図4以降の図面においても同様に、第1中空孔12及び第2中空孔22の直径を実際よりも小さい寸法で図示している。
【0018】
図2(a)及び
図2(b)に示すように、第1部材10は、一側から他側に亘って軸方向に貫通した2本の第1中空孔12が形成される。また、第1部材10の一側(
図2(b)上方)の端面には、軸方向に凹んだ溝部13が形成される。
【0019】
第1中空孔12は、切削工具100を使用して被加工物を切削する際に切削液を切削部分に供給する孔であり、他側は、切れ刃11の先端面(すくい面)に開口する(
図1参照)。また、切れ刃11の形状に倣って一側から他側に向かうにつれて、軸周りに回転して形成される。なお、本実施形態では、第1中空孔12の穴径が直径5mmで形成される。
【0020】
溝部13は、上面視において、第1中空孔12の直径と略同一の幅寸法(
図2(a)上下方向寸法)の長穴形状に形成される。さらに、2本の第1中空孔12を連結して形成され、その連結方向(
図2(a)左右方向)は軸と直交する。また、溝部13は、後述する第1部材10及び第2部材20を接合する際に圧接する距離寸法よりも3mmから5mm軸方向に深い距離寸法で形成される。なお、本実施形態では、溝部13の軸方向の深さ寸法が10mmで形成され、第1部材10及び第2部材20を圧接する距離寸法が7mmに設定される。
【0021】
図2(c)及び
図2(d)に示すように、第2部材20は、一側から他側に亘って貫通した第2中空孔22が、軸中心に形成される。なお、第2中空孔22は、切削液が流れるための流路であり、上述した2本の第1中空孔12と連通する孔である。そのため、第1中空孔12の直径よりも大きく、第1中空孔12の直径の略2倍よりも小さな直径に形成されることが好ましい。第2中空孔22の直径が、第1中空孔12の直径よりも大きく形成されることで、第2中空孔22から第1中空孔12に流れる切削液の流量を確保できる。また、第2中空孔22の直径が、第1中空孔12の直径の略2倍に大きく形成されることで、溝部13の形成位置に誤差が生じた際にその誤差を吸収して、第2中空孔22から第1中空孔12に流れる切削液の流量を安定させることができる。ここで、溝部13の形成位置の誤差を吸収するには第2中空孔22の直径をできるだけ大きく形成する方が好ましいが、第2中空孔22の直径を大きく形成すると、その分、第1部材10と第2部材との接合面積が少なくなり第1部材10及び第2部材20の接合強度が低下するところ、第2中空孔22の直径を第1中空孔12の直径の略2倍までの範囲とすることで、第1部材10及び第2部材20の接合面積を確保すると共に、第2中空孔22から第1中空孔12に流れる切削液の流量を確保できる。
【0022】
次に、
図3を参照して、第1部材10及び第2部材20の接合について説明する。
図3(a)から
図3(d)は、切削工具100が摩擦溶接により接合される様子を時系列で図示した第1部材10及び第2部材20の断面図である。なお、
図3(d)は、
図1(a)のIIId−IIId線における切削工具100の断面図に対応する。
【0023】
初めに、
図3(a)に示すように、第1部材10と第2部材20とが図示しない摩擦圧接機構によって隙間を空けて配置される。また、第1部材10と第2部材20とが同軸に配置される。
【0024】
次に、
図3(b)に示すように摩擦圧接機構の第2部材20を第1部材10側に軸方向にスライド移動させると共に、第2部材20を軸中心に周方向に回転させる。これにより、第2部材20の一側(
図3(a)から(d)左方)の端面を第1部材10の一側(
図3(a)から(d)右方)の端面に押し付けることで、第2部材20の一側と第1部材10の一側とに摩擦熱を発生させる。
【0025】
図3(c)に示すように、第1部材10と第2部材20との間に発生した摩擦熱により、第1部材10の一側と第2部材20の一側とが十分に軟化した後に、軸中心に周方向に回転していた第2部材20の回転を急停止させ、第2部材20を第1部材10側へさらに圧接する(押し付ける)。これにより、第1部材10の一側と第2部材20の一側とが塑性変形して接合される。また、摩擦溶接により接合された第1部材10及び第2部材20の接合面には、径方向外側に突出して形成されるバリAと径方向内側に突出して形成されるバリBとが形成される。
【0026】
ここで、上述したように、第1部材10の溝部13の軸方向の凹み寸法が第1部材10と第2部材20との圧接距離寸法(アプセット寸法)よりも深く形成されるので、第1中空孔12と第2中空孔22との間に溝部13が介設される。また、溝部13が軸中心と直交して形成され、第2中空孔22が軸中心に形成されるので、第1中空孔12と第2中空孔22との間に確実に溝部13が介設される。これにより、第1中空孔12と第2中空孔22とが溝部13を介して連通されて、切削工具100の一側から他側に連通開口したオイルホールが形成される。
【0027】
最後に、
図3(d)に示すように、径方向外側に突出したバリAを切削加工によって除去して切削工具100が形成される。一方、径方向内側に突出したバリBは、溝部13の端面(底面)と第2部材20の一側の端面との間に収められる。
【0028】
ここで、径方向内側に突出したバリBが、大きく突出して第1中空孔12を塞いでしまうことが考えられるが、本実施形態の場合、上述したように、溝部13の軸方向の凹み寸法が第1部材10と第2部材20との圧接距離寸法(アプセット寸法)よりも深く形成されるので、バリBと溝部13の端面との間にバリBを収容する隙間を形成できる。これにより、バリBが第1中空孔12を塞ぐことを防止できる。
【0029】
また、第1部材10及び第2部材20の軸中心においては、溝部13の軸方向に凹んだ空間と第2部材20の第2中空孔22の空間とが常に隣合うため摩擦による熱が発生することを抑制できる。これにより、第2部材20の第2中空孔22の周囲が塑性変形することを抑制でき、第2中空孔22の周囲にバリが形成されることを抑制できる。その結果、オイルホール内を切削液が流れる場合に、バリによって切削液の流れが阻害されることを抑制できる。
【0030】
以上のように形成された切削工具100は、溝部13を除く第1部材10の一側の端面(
図2(a)正面側の面)および第2中空孔22を除く第2部材20の端面(
図2(c)正面側の面)を接合面にすることができ、第1部材10と第2部材20との接合面を増やすことができるので、接合面が増加した分、切削工具100の強度を増加することができる。
【0031】
次に、
図4及び
図5を参照して、第2実施形態における切削工具200について説明する。第1実施形態では、第1部材10に溝部13が形成されて、第1部材10及び第2部材20が摩擦圧接される場合を説明したが、第2実施形における切削工具200は、第1部材210の一側の端面中央から軸方向に突出する第1突部が形成され、第2部材220の一側の端面の縁部から突出する第2突部が形成される。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0032】
図4(a)は、第2実施形態における第1部材210の上面図であり、
図4(b)は、
図4(a)のIVb−IVb線における第1部材210の部分拡大断面図である。
図4(c)は、第2部材220の底面図であり、
図4(d)は、
図4(c)のIVd−IVd線における第2部材220の部分拡大断面図である。
【0033】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、第2実施形態の第1部材210は、一側(
図4(b)上方)の端面の外縁が軸方向に凹んだ外縁凹部214が形成される。これにより、第1部材210の軸中央部分に外縁凹部214の端面から軸方向に突出した第1突部215が形成される。すなわち、第1突部215は、上面視において軸中心に円形状に形成される。
【0034】
第1突部215は、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、一側(
図4(b)上方)の端面から軸方向に凹んだ溝部213が形成される。また、溝部213の端面には、2つの第1中空孔12の一側が開口する。
【0035】
溝部213は、上面視において、第1中空孔12の直径よりも大きい幅寸法(
図4(a)上下方向寸法)に形成される。さらに、上述したように2本の第1中空孔12を連結して形成され、その連結方向(
図4(a)左右方向)は軸と直交する。
【0036】
また、溝部213は、2本の第1中空孔12を連結した連結方向の一側と他側とが、第1突部215の径方向外側に開放される。これにより、溝部213と第1突部215との間が部分的に薄くなることを防止して、第1部材210と第2部材220との摩擦溶接の際に第1突部215が破損することを防止できる。なお、本実施形態の溝部213の幅寸法(
図4(a)上下方向寸法)は6mmで形成され、軸方向の凹み寸法(
図4(b)上下方向寸法)が10mmで形成される。
【0037】
外縁凹部214は、溝部213の軸方向の凹み寸法よりも大きい寸法の凹み寸法で形成される。また、外縁凹部214の径方向の凹み寸法は、後述する第2部材220の第2突部223の径方向の厚み寸法よりも大きく形成される。本実施形態では、外縁凹部214の軸方向の凹み寸法が12mmに形成され、径方向の凹み寸法が6mmに形成される。
【0038】
第2部材220は、
図4(c)及び
図4(d)に示すように、軸方向に貫通した第2中空孔22が形成される。また、第2部材220は、一側(
図4(b)の下方)の端面の外縁から軸方向に突出した第2突部223が形成される。すなわち、第2突部223は、底面視において軸中心に円形状に形成される。
【0039】
第2突部223は、突出寸法が外縁凹部214の軸方向の凹み寸法と略同一に形成され、径方向の厚み寸法が上述したように第1部材210の外縁凹部214の径方向の凹み寸法よりも小さく形成される。本実施形態では、第2突部223の径方向の厚み寸法が3mmに形成される。
【0040】
次に、
図5を参照して、第1部材210及び第2部材220の接合について説明する。
図5(a)から
図5(d)は、切削工具200が摩擦溶接により接合される様子を時系列で図示した第1部材210及び第2部材220の断面図である。なお、
図5(d)は、
図3(d)に対応する。
【0041】
初めに、
図5(a)に示すように、第1部材210と第2部材220とが図示しない摩擦圧接機構によって隙間を空けて配置される。また、第1部材210と第2部材220とが同軸に配置される。
【0042】
次に、
図5(b)に示すように、摩擦圧接機構により第2部材220を第1部材210側に軸方向にスライド移動させると共に、第2部材220を軸中心に周方向に回転させる。
よって、上述したように、外縁凹部214の軸方向の凹み寸法と第2突部223の突出寸法とが略同一に形成されるので、第1突部215を第2突部223の内側に挿入すると共に、第2部材220の一側の端面(第2部材220から第2突部223を除いた端面)を第1部材210の一側の端面(第1突部215の端面)に押し付けて、第2部材220の一側と第1部材210の一側との間に摩擦熱を発生させる。
【0043】
さらに、第2部材220の一側の端面(第2部材220から第2突部223を除いた端面)を第1部材210の一側の端面(第1突部215の端面)に押し付けると共に、外縁凹部214の端面に第2突部223の端面を押し付けることができる。よって、外縁凹部214の端面と第2突部223の端面との間に摩擦熱を発生させることができる。
【0044】
図5(c)に示すように、第1部材210の一側の端面および第2部材220の一側の端面と外縁凹部214の端面および第2突部223の端面とが上述した摩擦熱により十分に軟化した後に、軸中心に周方向に回転していた第2部材220の回転を急停止させ、第2部材220を第1部材210側へさらに圧接する(押し付ける)。これにより、第1部材210の一側の端面および第2部材220の一側の端面と外縁凹部214の端面および第2突部223の端面とが塑性変形して、第1部材210と第2部材220とが接合される。また、第1部材210の一側の端面および第2部材220の端面の接合面には、径方向外側に突出したバリDが形成される。外縁凹部214の端面および第2突部223の端面の接合面には、径方向外側に突出したバリCと径方向内側に突出したバリEとが形成される。
【0045】
この場合、第1部材210の溝部213の軸方向の凹み寸法が、第1部材210と第2部材220との圧接距離寸法(アプセット寸法)よりも大きく形成されるので、第1部材210の第1中空孔12と第2部材220の第2中空孔22との間に溝部213が介設される。これにより、第1中空孔12と第2中空孔22とが溝部213を介して連通されて、切削工具100の一側から他側に連通開口したオイルホールが形成される。
【0046】
最後に、
図5(d)に示すように、径方向外側に突出したバリCを切削加工によって除去して切削工具200が形成される。
【0047】
ここで、外縁凹部214の径方向の凹み寸法が、第2突部223の径方向の厚み寸法よりも大きく設定されるので、第1突部215の外周面と第2突部223の内周面との間の空間に隙間240が形成される。隙間240に、第1部材210及び第2部材220の外面よりも内側に形成するバリD及びバリEを収めることで、バリD及びバリEが溝部213の内側に形成されることを防止できる。その結果、バリD及びバリEが第1中空孔12を塞ぐことを防止できる。
【0048】
さらに、隙間240にバリDを収めるので、径方向外側に突出したバリDが第2突部223を径方向外側に押圧して、第2突部223が径方向外側に押し出されることを防止できる。
【0049】
また、溝部213の第1中空孔12を連結した方向(
図5(a)から
図5(d)上下方向)の一側と他側とが第1中空孔12に近接して形成されるので、溝部213の一側と他側とを第1突部215の径方向外側に開放することで、塑性変形する部分がない分、第1中空孔12の近傍にバリが発生することを抑制することができる。これにより、第1中空孔12がバリで塞がれることを防止できる。
【0050】
以上のように形成された切削工具200は、上述したように、第1部材210の一側の端面および第2部材220の一側の端面と外縁凹部214の端面および第2突部223の端面とが塑性変形して、第1部材210及び第2部材220が接合される。その結果、第1部材210及び第2部材220の接合部分を軸方向に異なった位置に2箇所形成できる。そのため、接合部分にかかる応力を軸方向に分散することができ、接合強度を向上でき、切削工具200の強度を向上できる。
【0051】
次に、
図6及び
図7を参照して、第3実施形態における切削工具300について説明する。第2実施形態では、第1部材210に第1突部215が形成される場合を説明したが、第3実施形態では、第1突部215の先端縁部を軸方向に削り取って形成された第3突部316が形成される場合を説明する。
【0052】
図6(a)は、第3実施形態における第1部材310の上面図であり、
図6(b)は、
図6(a)のVIb−VIb線における第1部材310の部分拡大断面図であり、
図6(c)は、
図6(a)のVIc−VIc線における第1部材310の部分拡大断面図である。
【0053】
図6(a)から
図6(c)に示すように、第3実施形態における第1部材310は、第1突部215の端面の径方向外側を軸方向に削り取って、階段状に突出した第3突部316を備えている。すなわち、第3突部316は、第1突部215の外径よりも小さい外径で形成される。
【0054】
第3突部316は、軸方向寸法が第1部材310及び第2部材220の圧接距離寸法(アプセット寸法)よりも小さい寸法で形成される。すなわち、第3突部316は、溝部213の軸方向の凹み寸法よりも小さい寸法で形成される。
【0055】
次に、
図7を参照して、第1部材310及び第2部材220の接合について説明する。
図7(a)から
図7(c)は、切削工具300が摩擦溶接により接合される様子を時系列で図示した第1部材310及び第2部材220の断面図である。なお、
図7(d)は
図3(d)に対応する。
【0056】
ここで、摩擦圧接機構によって第1部材310の端面と第2部材230の端面とを押し付けて摩擦熱を発生させてからさらに第1部材310と第2部材230を押し付けて塑性変形させる工程は、第2実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0057】
図7(a)及び(b)に示すように、第1部材310の一側の端面(第3突部316の端面)及び第2部材220の一側の端面(
図4(c)正面側から第2突部223を除いた面)が圧接されて塑性変形すると、第3突部316が塑性変形した分が第1突部215の径方向外側に突出してバリFを形成する。
【0058】
次に、
図7(b)及び
図7(c)に示すように、第3突部316が塑性変形した後にさらに第1部材310と第2部材220とが圧接されると、第1突部215が塑性変形した分が径方向外側に突出してバリGを形成する。よって、バリFとバリGとを軸方向に位相の異なる位置に形成できるので、塑性変形したバリF及びバリGが径方向へ大きく突出することを抑制できる。その結果、第1部材310及び第2部材220の径方向内側に形成されるバリF及びバリGが、径方向外側に突出しない分、バリF及びバリGが第2突部223を押圧することを効果的に抑制することができる。
【0059】
この場合、径方向にバリが突出しない分、第2実施形態よりも第1突部215と第2突部223との間に形成される隙間240を径方向に狭めることができ、第1部材310と第2部材220との接合面積を増加することができる。その結果、切削工具300の強度を増加することができる。
【0060】
最後に、第2実施形態と同様に径方向外側に突出したバリCを切削加工で除去して切削工具300が形成される。
【0061】
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは、容易に推察できるものである。
【0062】
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成を組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
【0063】
上記各実施形態では、第1部材10,210,310が高速度鋼で形成され、第2部材20,220が鋼材で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1部材10,210,310が超硬合金で形成されるものであっても良い。
【0064】
上記各実施形態では、溝部13,213の幅寸法(
図2(a)及び
図4(a)左右方向)が一側から他側に亘って一定に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、溝部13,213は、軸中心で幅寸法が第2中空孔22の直径と略同一となるように一側および他側から軸中心に向かって幅寸法が大きく形成されても良い。これにより、オイルホールを切削液が流れる場合に第2中空孔22と溝部13,233との流動をスムーズにすることができる。
【0065】
上記各実施形態では、溝部13,213が第1中空孔12を連結する方向(
図2(a)及び
図4(a)左右方向)に直線上に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、溝部13,213は、一側から他側に亘って波形状に曲がって形成されても良い。
【0066】
上記第3実施形態では、第3突部316が第1突部215の外縁を削り取って形成され、バリF及びバリGが径方向外側に突出することを抑制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2突部223の径方向内側を軸方向に削り取って、第2突部223の径方向外側に突出した突出部分を形成しても良い。これにより、第2突部223の端面と外縁凹部214の端面との圧接によって径方向内側に突出するバリを抑制することができる。