(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
本実施形態の説明において示す方向は、特に断りのない限り、遊技者が遊技機10に正対して視たときの方向、すなわち図に示す遊技機10の正面図における方向とする。
また、以下の説明においては、特に断りのない限り、遊技機10には電源が投入され正常に動作していることを前提として説明する。
【0012】
<遊技機10の概要>
まず、本発明を実施する遊技機10の概要について、
図1、
図6、
図10または
図11を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図6は、メダルセレクタ47に設けられている各センサの位置を示す図である。
図10は、遊技機10の電気構成を示す図である。
図11は、遊技機10の機能ブロック図である。
【0013】
遊技機10は、検知手段と、エラー判定手段と、エラー報知制御手段と、を備える。
検知手段は、所定の領域を通過する遊技媒体を検知する。
エラー判定手段は、検知手段による遊技媒体の検知に基づいて演算処理を実行してカウンタが保持している保持値を更新させ、更新させた保持値に基づいてエラーが発生したか否かを判定する判定処理を実行して判定結果を導出しうる。
エラー報知制御手段は、エラー判定手段によって導出された判定結果に基づいてエラー報知を実行させる
【0014】
上記のエラー判定手段に該当する構成要素には、本実施形態における第一判定部114(第一判定部手段)と第二判定部115(第二判定手段)とが含まれる。
第一判定部114および第二判定部115は、共通の検知手段による検知に基づく演算処理、または判定処理に用いる判定基準の少なくとも一方について異なることによって、互いに判定結果が異なりうることを特徴とする。
上記のような特徴を有しているので、第一判定部114による判定結果と第二判定部115による判定結果が異なりうる。すなわち、共通の状況について異なる観点でエラーであるか否か判定しているので、互いの判定結果に基づくエラー報知に異なる意味合いを持たせることができる。従って、多面的な判定に基づく柔軟なエラー報知が実現される。
【0015】
上記の検知手段に該当する構成要素には、本実施形態におけるセンサレバー47b、レバー検知センサ47c、第一通過センサ47i、第二通過センサ47jが含まれる。
ここで検出手段とは、所定の領域を通過する遊技媒体を検知する構成要素であり、遊技媒体の通過を物理的に検知する物理検知素子であってもよいし、遊技媒体の通過を光学的に検知する光学検知素子であってもよい。
本実施形態に係る検知手段は、投入メダル通路51(所定の領域において遊技媒体が通過する経路)の上流側に設けられている第一検知手段と、投入メダル通路51の下流側に設けられている第二検知手段と、に分けることができる。より具体的には、センサレバー47bとレバー検知センサ47cとが第一検知手段に該当し、第一通過センサ47iや第二通過センサ47jとが第二検知手段に該当する。
ここで所定領域とは、検出手段によって検出可能な領域であり、遊技媒体が通過する経路上に設けられていることが好ましい。本実施形態においては、メダルセレクタ47の内部に構成されている投入メダル通路51に設けられている領域A1、領域A2、領域A3が所定領域に該当する。
ここで物理検知素子とは、いわゆるメカセンサのことであり、本実施形態ではセンサレバー47bとレバー検知センサ47c(第一検知手段)がメカセンサを構成する。
ここで光学検知素子とは、いわゆるフォトカプラセンサであり、第一通過センサ47iや第二通過センサ47j(第二検知手段)が該当する。
なお、本実施形態では、検知手段に該当する構成要素が複数設けられているが、必ずしも複数である必要はなく、検知手段に該当する構成要素が単一である遊技機に本発明が適用されてもよい。
【0016】
上記のカウンタに該当する構成要素には、本実施形態における第一カウンタ部111と第二カウンタ部112とが含まれる。
ここでカウンタとは、検知手段による検知に基づいてエラー判定手段(第一判定部114、第二判定部115)によって実行される演算処理に応じて、保持している保持値が変動する構成要素である。
第一カウンタ部111は、第一判定部114によって実行された演算処理で保持値が更新され、第一判定部114による判定処理に更新された保持値が用いられる。
第二カウンタ部112は、第二判定部115によって実行された演算処理で保持値が更新され、第二判定部115による判定処理に更新された保持値が用いられる。
なお、本実施形態では、カウンタに該当する構成要素が二通り設けられているが、必ずしも複数である必要はなく、カウンタに該当する構成要素が単一である遊技機や三通り以上設けられている遊技機に本発明が適用されてもよい。
【0017】
上記のエラー報知制御手段に該当する構成要素には、本実施形態における第一報知制御部113と第二報知制御部211とが含まれる。
第一報知制御部113は、第一判定部114による判定結果に基づいてエラー報知を行う構成要素であり、メイン基板100に含まれる。
第二報知制御部211は、第二判定部115による判定結果に基づいてエラー報知を行う構成要素であり、サブ基板200に含まれる。
なお、本実施形態では、エラー報知制御手段に該当する構成要素が二通り設けられているが、必ずしも複数である必要はなく、エラー報知制御手段に該当する構成要素が単一である遊技機や三通り以上設けられている遊技機に本発明が適用されてもよい。
【0018】
ここで「共通の検知手段による検知に基づく演算処理」とは、第一判定部114が実行する演算処理の契機となる検知も、第二判定部115が実行する演算処理の契機となる検知も、共通であること表している。すなわち、共通の検知信号を入力することを契機として第一判定部114も第二判定部115も演算処理を実行することを意味している。なお、第一判定部114が実行する演算処理および第二判定部115の実行する演算処理は、互いに相違してもよいし、共通であってもよい。
【0019】
ここで「判定処理に用いる判定基準」とは、第一判定部114および第二判定部115が判定結果を導出するために必要な基準であり、特にその内容については制限されるものではない。例えば、「判定処理に用いる判定基準」は、エラー判定手段によって実行される演算処理の結果を表す数値に対して予め定められた閾値であってもよい。或いは、「判定処理に用いる判定基準」は、エラー判定手段によって実行される演算処理の結果を表す数値と比較するために別途導出された比較値であってもよい。
【0020】
なお、本実施形態に係る遊技機10は回胴式遊技機であるため、本実施形態に係る遊技媒体はメダルとして説明する。
一方、本発明の実施に係る遊技機がパチンコ遊技機である場合には、遊技媒体を遊技球として本発明が実施されてもよい。
【0021】
以上に述べた本発明の実施に関する遊技機10を詳細に説明するため、以下に遊技機10の構造または遊技機10が実行する各処理について、具体的に説明する。
【0022】
<遊技機10の構造について>
遊技機10の構造について、
図1から
図4、
図10または
図11を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図である。
図3は、前面扉20の裏面を示す図である。
図4は、外枠90の内部に設けられた構成要素を示す図である。
図10は、遊技機10の電気構成を示す図である。
図11は、遊技機10の機能ブロック図である。
【0023】
遊技機10は、前面を開口した直方体状の外枠90と、外枠90の左縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉20と遊技機本体部60と、を備えている。
より具体的には、外枠90の左縁側には三つのヒンジ部96(96a、96b、96c)が設けられており、上段ヒンジ部96aと下段ヒンジ部96cによって前面扉20が軸支され、上段ヒンジ部96aと中段ヒンジ部96bによって遊技機本体部60が軸支されている。
【0024】
前面扉20の前面側には、
図1または
図2に示すように、上部パネル21と、下部パネル22と、ベットボタン23と、メニュー選択ボタン24と、状態表示LED25と、スタートレバー26と、ストップボタン27と、メダル投入口31と、精算ボタン32と、メダル返却ボタン33と、ドア錠34と、メダル排出口35と、装飾LED36と、下皿37と、スピーカ口38と、が設けられている。
また、前面扉20の裏面側には、
図3に示すように、装飾LED基板41と、状態表示LED基板42と、ストップボタン基板43と、スタートレバーセンサ44と、ベットボタン基板45と、メニュー選択ボタン基板46と、メダルセレクタ47と、設定変更装置48と、スピーカ49と、投入メダル通路51と、払出メダル通路52と、返却メダル通路53と、が設けられている。
また、前面扉20の他にも
図4に示すように、遊技機10は、遊技機本体部60と、電源装置91と、メダル収納庫93と、メダル補助収納庫95と、を備えている。
【0025】
前面扉20を開扉するためには、ドア錠34にドアキー(図示せず)を差し込んで、前面扉20と外枠90とをロックさせるロック機構(図示せず)を解除する必要がある。
前面扉20を開扉すると、
図4に示すように、遊技機本体部60の下方に電源装置91が備えられている。電源装置91は、遊技機10の各構成要素に対して電力供給するための装置であり、電源スイッチ92の操作によって起動または停止が制御される。
遊技者は、遊技機10の遊技に興じる際には、電源スイッチ92を操作して電源装置91を起動する必要がある。なお、遊技機本体部60は、電源装置91からの電力供給がオフになっても、オフ時に実行していた遊技状態を維持する機能を有していることが好ましい。ボーナス遊技のように遊技者に有利な展開で遊技が進行している最中に電力供給が停止した場合等に、遊技者を失望させないためである。
【0026】
また、開扉した前面扉20の裏面側には設定変更装置48が設けられている。設定変更装置48は、遊技設定値を設定するための装置であり、設定キースイッチ48aと設定変更スイッチ48bと設定表示LED48cと設定キーカバー48dとを含む。設定キースイッチ48aは、設定キー(図示せず)を差し込んで操作することによって設定変更装置48を操作可能にすることができる。設定変更スイッチ48bは、設定キースイッチ48aに設定キーを差し込んだ状態において操作可能なスイッチであって、押下することによって遊技設定値を変更することができる。設定表示LED48cは、設定された遊技設定値を表示するためのLEDであり、本実施形態では7セグメントディスプレイになっている。設定キーカバー48dは、設定キースイッチ48aを覆うカバーであり、これをスライドさせて設定キースイッチ48aを開放することによって、設定キースイッチ48aに設定キーを差し込むことが可能になる。なお、
図3では、設定キーカバー48dが設定キースイッチ48aを覆っている状態を図示している。
ここで遊技設定値とは、遊技者にとって有利な特典(ボーナス遊技等)の付与されやすさを示す値であり、高い値ほど特典が付与されやすく、低い値ほど特典が付与されにくい。なお、遊技者は、遊技機10による遊技を開始する事前に、設定変更装置48を操作して遊技設定値を設定することが好ましい。遊技設定値を変更すると一般的に遊技状態がリセットされてしまうからである。
【0027】
前面扉20は、上部パネル21と下部パネル22とを前面側に有している。
上部パネル21は透明部材で形成されているので、遊技機10の前方に位置する遊技者は、上部パネル21の裏面側に配置されている遊技機本体部60を上部パネル21越しに視認することができる。
また、下部パネル22は、その表面に遊技機10の機種名や機種に関するキャラクター等が表記されており、後方に設置されたバックライト(図示せず)の点灯によって表記された機種名等が視認しやすくなる。
【0028】
遊技機本体部60は、遊技機10によって実行される遊技を制御する主要な構成要素を含んでいる。また、遊技機本体部60は、
図4に図示するとおり、その前面上部に演出表示領域62が形成されており、その前面下部に視認窓64が形成されている。
演出表示領域62は、遊技機本体部60に内蔵された演出表示装置63の表示画面であり、遊技機10の遊技に関する各種演出または各種情報を表示することができる。なお、演出表示装置63としては、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置等を採用することができる。演出表示領域62に表示される演出は、スピーカ49からの音声出力や装飾LED36の発光と連動しており、遊技者の興趣を好適に喚起させることができる。
視認窓64は、遊技機本体部60に内蔵された複数のリール65(65L、65C、65R)の前面側に形成された窓枠で、内部領域と外部領域とに区画されている。視認窓64の内部領域は空洞または透明部材によって形成されており、当該内部領域を介して各リール65の一部が視認可能になっている。また、視認窓64の外部領域は不透明部材(半透明部材や透明部材を着色した部材を含む)で形成されており、当該外部領域を介したリール65の視認を困難としている。
【0029】
リール65は、リール65L、リール65Cおよびリール65Rから構成されており、スタートレバー26に対する遊技者の操作(スタートレバー26がオン状態である旨の検知)に起因して回動を開始する。このとき、前回の図柄変動ゲームにおけるリール65の回動開始時から当該図柄変動ゲームにおけるリール65の回動開始時までの時間が所定の遅延時間、いわゆるウェイト時間を超えていることを要する。すなわち、ウェイト時間が経過する前にスタートレバー26が遊技者の操作を受け付けた場合、ウェイト時間が経過するまで待機した後にリール65は回動を開始する。なお、本実施形態におけるウェイト時間は4.1秒に設定されている。
なお、本実施形態における各リール65が回動している場合、原則としてリール65は上から下へと回動する。本明細書において、リールにおける上から下への回動を「順方向」、下から上への回動を「逆方向」と称する。
【0030】
本実施形態における図柄変動ゲームでは、複数とおりの図柄が表されている複数のリール65を回動させることによってリール65に表されている図柄が変動表示し、回動しているリール65を停止させることによって図柄の組合せが停止表示する。
すなわち、本実施形態における複数のリール65(リール65L、リール65C、リール65R)には、図柄変動ゲームに係る図柄が表されている。
【0031】
リール65の回動制御は、リールセンサ66を用いて実行される。リールセンサ66は、リール65の回動量を検知するセンサである。ここで回動量とは、所定位置を基準とするリール65の回転角度である。
リールセンサ66は各リール65に一つずつ設けられている。具体的には、リール65Lに対してリールセンサ66Lが、リール65Cに対してリールセンサ66Cが、リール65Rに対してリールセンサ66Rが、設けられている。
なお、リール65の回動制御については、後に詳述する。
【0032】
リール65の内部には、リール照明基板67(67L、67C、67R)が設けられており、リール照明基板67に搭載されているLEDの点灯によってリール65に表している各図柄の視認を容易にしている。すなわち、リール照明基板67に搭載されているLEDは、リール65による図柄表示のバックライトとして機能している。
【0033】
スタートレバー26は、図柄変動ゲームにおける変動表示を開始させるための契機として、遊技者の操作を受け付けることができる。スタートレバー26に対する遊技者の操作とは、具体的には初期状態において前面扉20に対して略垂直に設けられているスタートレバー26をいずれかの方向に倒すことである。
スタートレバーセンサ44は、スタートレバー26がオン状態であるかオフ状態であるかを検知することができる。より具体的には、スタートレバーセンサ44は、前面扉20に対して略垂直であるスタートレバー26をオフ状態として検知し、いずれかの方向に倒されているスタートレバー26をオン状態として検知する。
【0034】
本実施形態において、メダルが所定の投入枚数に達していない場合には、スタートレバー26が遊技者の操作を受け付けたとしても図柄変動ゲームが開始されない。所定の投入枚数に到達させるためには、以下の操作または処理の少なくとも一つ、または複数の組合せが必要である。
(i)メダル投入口31からメダルを投入して投入枚数を増やす。
(ii)遊技機10(遊技状態制御部110)に貯留されているメダルを表すクレジットをベットボタン23の押下によって減算させて投入枚数を増やす。
(iii)前回の図柄変動ゲームにおいてリプレイ図柄が停止表示された場合、当該図柄変動ゲームにおいて再遊技処理が実行されて投入枚数が増える。この場合、遊技者が(i)や(ii)の操作を行わずとも、自動的に当該図柄変動ゲームにおける投入枚数が前回の図柄変動ゲームの投入枚数になる。
【0035】
ここでメダルの貯留とは、遊技者の所有するメダルの一部または全部に代えて、その数に相当する数値(クレジット)を遊技状態制御部110で記憶する機能をいう。メダルが貯留される(クレジットが増大する)場合は、例えば(i)所定の投入枚数を超えてメダル投入口31からメダルが投入された場合、(ii)図柄変動ゲームにおいて入賞し、当該入賞の特典としてメダルを獲得した場合、等が挙げられる。
【0036】
上記のメダル投入口31の裏面側には、メダルセレクタ47が設けられている。メダルセレクタ47は、メダル投入口31(開口部47a)から投入されたメダルを、メダル収納庫93またはメダル排出口35のいずれかに導くことができる機構である。
例えば、メダルセレクタ47は、遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口31から投入されたメダルを検知するセンサレバー47b、第一通過センサ47i、第二通過センサ47jを有している。また、第一判定部114または第二判定部115は、センサレバー47b、第一通過センサ47i、第二通過センサ47jの挙動に基づいてメダルセレクタ47に係るエラーを判定し、第一報知制御部113または第二報知制御部211は、メダルセレクタ47に係るエラーを報知させる。メダルセレクタ47は、第一判定部114または第二判定部115によってメダルの投入が正常であると判定された場合、当該メダルがメダル収納庫93に排出されるように当該メダルを導くことができる。また、メダルセレクタ47は、第一判定部114または第二判定部115によってメダルの投入がエラーであると判定された場合、当該メダルがメダル排出口35から排出されるように当該メダルを導くことができる。
なお、メダルセレクタ47に含まれる各構成要素の詳細と、メダルセレクタ47に係るエラー判定と報知の詳細については、後に詳述する。
【0037】
上記のベットボタン23として、遊技機10はベットボタン基板45に搭載されている最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bとを有している。最大ベットボタン23aは1回の押下でクレジットを最大で3つ減算して投入枚数を増やすことができ、単一ベットボタン23bは1回の押下でクレジットを1つ減算して投入枚数を増やすことができる。また、ベットボタン23を押下しても、その図柄変動ゲームにおけるクレジットの減算値が所定の投入枚数に達している場合には、それを超えてクレジットを減算させることはできない。
また、ベットボタン基板45には最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bが押下された旨を検知する最大ベットボタンセンサ45aと単一ベットボタンセンサ45bが、それぞれに対して設けられており、これらのセンサの検知に応じて上記の処理が行われる。
【0038】
また、最大ベットボタン23aは、上記のように操作に応じてクレジットを減算して投入枚数を増やす用途(ベットボタン)として用いられる他に、一部の演出実行時に演出の進行を促す操作を受け付ける用途(プッシュボタン)としても用いられる場合がある。プッシュボタンの操作を伴う演出は、ボタン押下示唆演出とも呼ばれる。
最大ベットボタン23aがベットボタンとして用いられる場合は、投入可能表示LED25fが点灯している状態に限られる。一方、最大ベットボタン23aがプッシュボタンとして用いられる場合は、ボタン押下示唆演出の実行時に必ずしも限られない。例えば、後述するメニュー画面に係る操作において、最大ベットボタン23aがプッシュボタンとして用いられてもよい。
【0039】
ベットボタン基板45には、最大ベットボタン23aがプッシュボタンとして用いられる場合に最大ベットボタン23aの押下を検知するプッシュボタンセンサ45cが設けられており、最大ベットボタンセンサ45aによる検知とは区別される。
最大ベットボタンセンサ45aがメイン基板100に実装されたCPU101によって管理されているのに対して、プッシュボタンセンサ45cはサブ基板200に実装されたCPU201によって管理されている点が異なる。
【0040】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の左側に、メニュー選択ボタン24を備える。メニュー選択ボタン24は、メニュー選択ボタン基板46に搭載されている十字キーボタン24aと十字キーボタン24aの中央に位置する決定ボタン24bによって構成されている。
メニュー選択ボタン24は、メニュー画面に係る操作を受け付ける構成要素である。ここでメニュー画面とは、演出表示領域62に表示される遊技機10の操作方法や遊技の解説情報等を示す画面をいい、上記の所定表示に該当する。
遊技者はメニュー選択ボタン24を操作することによってメニュー画面を閲覧することができる。例えば、インターバル期間において決定ボタン24bが押下されると、メニューの一覧とカーソルが演出表示領域62に表示される。遊技者が十字キーボタン24aを操作することによって任意のメニューを示す位置までカーソルを移動し、カーソルがいずれかのメニューを示している場合に遊技者が決定ボタン24bを押下すると当該メニューが演出表示領域62に表示される。
【0041】
メニュー選択ボタン基板46には、十字キーボタンセンサ46aと決定ボタンセンサ46bとが設けられている。
十字キーボタンセンサ46aは、十字キーボタン24aがいずれの方向(決定ボタン24bの中心を基準として上下左右のいずれかの方向)に押下されたのかを検知することができる。
決定ボタンセンサ46bは、決定ボタン24bが押下された旨を検知することができる。
十字キーボタンセンサ46aおよび決定ボタンセンサ46bは、上述のプッシュボタンセンサ45cと同様に、サブ基板200に実装されたCPU201によって管理されている。
【0042】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の右側に、投入されたメダル数や貯留されているメダル数等を表示する状態表示LED25を備える。状態表示LED25は、状態表示LED基板42に搭載されている複数のLEDまたは7セグメントディスプレイによって構成されている。
状態表示LED25のうち投入枚数表示LED25aは、3つのLEDによって構成されており、投入枚数が一枚増えるごとに、点灯するLEDの数が一つずつ増える。なお、本実施形態において投入枚数表示LED25aによって表される投入枚数は、遊技状態制御部110によって設定される掛け数に等しい。
状態表示LED25のうち貯留枚数表示LED25bは、7セグメントディスプレイによって構成されており、貯留されているメダルの数(クレジット)を数字で表す。
状態表示LED25のうち獲得枚数表示LED25cは、7セグメントディスプレイによって構成されており、入賞によって獲得したメダルの数を数字で表す。
状態表示LED25のうち再遊技表示LED25dは、1つのLEDによって構成されており、図柄変動ゲームにおいてリプレイが停止表示されると点灯する。
状態表示LED25のうち遊技開始表示LED25eは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって図柄変動ゲームの開始可能条件が成立している旨を表す。
状態表示LED25のうち投入可能表示LED25fは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によってメダルの投入が可能である旨を表す。
【0043】
ストップボタン27は、回動しているリール65が停止するための契機となる遊技者の操作を、遊技者から受け付ける。なお、ストップボタン27は、リール65が回動を開始した後に成立する停止可能条件を契機として、停止操作を受け付けることができる。
ストップボタン27に対する遊技者の操作とは、具体的にはストップボタン27を押下することである。また、ここで停止可能条件とは図柄変動ゲームにおける停止表示の契機となる停止操作(ストップボタン27の押下)を受け付けるための条件であり、具体的には、すべてのリール65(65L、65C、65R)の速度が所定速度に到達している場合に停止可能条件が成立する。
【0044】
複数のストップボタン27(27L、27C、27R)は、ストップボタン基板43に搭載されており、各リール65に対して一つずつ設けられている。具体的には、ストップボタン27Lは、リール65Lを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン27Cは、リール65Cを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン27Rは、リール65Rを停止させるための停止操作を受け付ける。
また、ストップボタン基板43には、ストップボタン27L、ストップボタン27C、ストップボタン27Rが押下された旨を検知するストップボタンセンサ43aが、それぞれに対して設けられており、このセンサの検知に応じて各リール65の停止制御が行われる。すなわち、ストップボタン27とストップボタンセンサ43aによって、後述する回動制御部140による複数のリール65の回動を停止させる契機となる遊技者の操作である停止操作を検知する停止操作検知手段を構成する。
なお、ここで挙げたストップボタン27は、遊技者によって任意の順番で操作可能であるが、所定の押し順で操作しないとペナルティが課される場合もありうる。
【0045】
本実施形態におけるストップボタン27は、LEDランプ(図示せず)を内包し、その周囲を光透過性の部材で覆う構成となっている。そして、ストップボタン27は、LEDランプの点灯色で停止可能条件の成立の可否を遊技者に報知する仕様となっている。
このように、ストップボタン27の色によって停止可能条件の成立の可否を判断できるので、遊技者は円滑に停止操作を順次行うことができる。
【0046】
ストップボタン27で受け付けた停止操作に起因して、当該停止操作を受け付けたストップボタン27に対応するリール65が停止する。リール65の停止位置は、ストップボタン27の押下時におけるリール65の位置を基準として最大4コマまで移動しうる。ストップボタン27を押下してからリール65が停止するまでの制御を、一般的にはすべり制御という。
ここでコマとは、リール65の外周に示されている図柄の一つに対して与えられている領域であり、一つの当該領域または一つの当該領域の上下方向の寸法をいう。本実施形態において、リール65の外周は21コマに等分されており、各コマにそれぞれ一つずつ図柄が配列されている。
なお、本実施形態においてリール65の停止とは、所定のコマを基準に1コマ未満の変動幅でリール65が揺動している状態も含むものとする。
【0047】
視認窓64の内部領域は上下方向に3コマ分の寸法となっている。また、各リール65は視認窓64の内部領域の上下方向に3個の図柄が収まるように停止制御され、遊技者は当該3個の図柄を視認窓64の内部領域を介して視認できるようになっている。すなわち、リール65が左右方向に3つ配置されているので、各リール65が停止している場合において、遊技者が3個の図柄×3リール=9個の図柄を視認可能になっている。
【0048】
上述のように各リール65が停止制御されるとき、各リール65において停止する図柄のうち上段・中段・下段に停止する図柄が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をそれぞれラインL1・ラインL2・ラインL3と称す。
また、リール65Lの上段と、リール65Cの中段と、リール65Rの下段に停止する図柄が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL4と称す。リール65Lの下段と、リール65Cの中段と、リール65Rの上段に停止する図柄が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL5と称す。
【0049】
各リール65の回動中(図柄変動ゲームの実行中)は、遊技者の関心を惹きつけて遊技興趣を喚起させるため、演出表示領域62に表示される画像、スピーカ49から出力される音声または装飾LED36の点灯や滅灯等によって構成される多様な演出が実行される。
【0050】
各スピーカ49の前方にはスピーカ口38が設けられている。より具体的には、遊技機の正面から見て右上(
図3においては左上)に位置するスピーカ49aの前方にはスピーカ口38aが設けられている。遊技機の正面から見て左上(
図3においては右上)に位置するスピーカ49bの前方にはスピーカ口38bが設けられている。遊技機の正面から見て左下(
図3においては右下)に位置するスピーカ49cの前方にはスピーカ口38cが設けられている。遊技機の正面から見て右下(
図3においては左下)に位置するスピーカ49dの前方にはスピーカ口38dが設けられている。
各スピーカ口38には多数の空洞が設けられており、スピーカ49から出力される音声を適切に出力することができる。
【0051】
装飾LED36は、演出表示領域62または視認窓64を囲うような配置で配置されている。より具体的には、演出表示領域62の右上側には、装飾LED基板41aに搭載されている装飾LED36aと装飾LED基板41bに搭載されている装飾LED36bとが配置されている。また、演出表示領域62の右下側には、装飾LED基板41cに搭載されている装飾LED36cが配置されている。また、視認窓64の右下側には、装飾LED基板41dに搭載されている装飾LED36dが配置されている。また、視認窓64の左下側には、装飾LED基板41eに搭載されている装飾LED36eが配置されている。また、演出表示領域62の左下側には、装飾LED基板41fに搭載されている装飾LED36fが配置されている。また、演出表示領域62の左上側には、装飾LED基板41gに搭載されている装飾LED36gと装飾LED基板41hに搭載されている装飾LED36hとが配置されている。
各装飾LED36は、単色で点灯してもよいし、複数色で点灯可能であってもよい。
【0052】
図柄変動ゲームの結果として入賞に対応する図柄の組合せが所定の有効ラインに停止表示された場合、当該入賞に対して規定されている枚数のメダルが付与される。
なお、当然ながら、有効ラインには、入賞に対応する図柄の組合せのみならず、上述の再遊技やボーナス遊技に対応する図柄の組合せも停止表示されうる。
【0053】
遊技機10は、付与されたメダルの払出処理の実行中にクレジットが上限値に達した場合、上限値を超える分に相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。また、遊技機10は、精算ボタン32を押下した場合、押下した時点におけるクレジットに相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。
メダル収納庫93に収容されているメダルを払い出す処理は、メダル収納庫93に内蔵されている払出機構(図示せず)によって実行される。より具体的には、払出機構は、メダル収納庫93に収容されているメダルから払出枚数分のメダルを取得し、メダル払出口94から払出メダル通路52に向けて排出させる。払出メダル通路52に排出されたメダルは、メダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0054】
なお、メダル収納庫93からメダルが溢れ出すことを防止するため、メダル収納庫93の脇にはメダル収納庫93に収容されているメダルの一部が流下するメダル補助収納庫95が設けられている。
また、メダル補助収納庫95に収容されているメダルが所定以上に達することを検知する収納庫エラーセンサ(図示せず)が設けられており、この検知に応じて遊技機10はメダル収納庫93やメダル補助収納庫95に収容されているメダルを回収するように促すエラーを報知する。このエラーの報知のために、上述の演出表示領域62や装飾LED36やスピーカ49が用いられてもよい。
【0055】
<遊技機10の電気構成および機能構成>
次に、本実施形態における遊技機10の電気構成および機能構成について、主に
図10または
図11を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1から
図4または
図6に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。
【0056】
遊技機10は、主要な構成要素としてメイン基板100とサブ基板200とを内蔵している。
図10においてメイン基板100またはサブ基板200は単一の電子基板であるかのように図示しているが、必ずしも単一の電子基板である必要はない。すなわち、メイン基板100またはサブ基板200は、複数の電子基板を組み合わせて実現されてもよい。
【0057】
メイン基板100は、各種センサ40aから入力された制御情報に基づいて状態表示LED基板42に含まれる各LEDの表示を制御したり、メダル収納庫93にメダルを払い出させたり、サブ基板200に出力するコマンドを生成したりする。メイン基板100には、CPU101、RAM102またはROM103等の電子部品が実装されており、これらの電子部品や各種センサ40a等の間で授受するデータや制御信号の処理を実行することによって、遊技に関する各種機能を実現している。ここで、各種センサ40aには、上述のスタートレバーセンサ44、ストップボタンセンサ43a、最大ベットボタンセンサ45a、単一ベットボタンセンサ45b、レバー検知センサ47c、第一通過センサ47i、第二通過センサ47j等が含まれる。
サブ基板200は、メイン基板100から入力されたコマンドに基づいて装飾LED基板41、スピーカ49または演出表示装置63等を制御する。サブ基板200も、CPU201、RAM202またはROM203等の電子部品が実装され、これらの電子部品や各種センサ40b等の間で授受するデータや制御信号の処理を実行することによって、演出処理、メニュー画面に係る処理を実現している。ここで、各種センサ40bには、プッシュボタンセンサ45c、十字キーボタンセンサ46a、決定ボタンセンサ46b等が含まれる。
【0058】
メイン基板100によって実現される機能構成には、
図11に示すように、遊技状態制御部110、内部抽選部120、フラグ設定部130、回動制御部140、図柄表示判定部150および指令生成部160が含まれる。
また、サブ基板200によって実現される機能構成には、
図11に示すように、サブ統括部210、演出表示部220、音声出力部230およびLED発光部240が含まれる。
なお、
図11に図示する構成要素は、メイン基板100またはサブ基板200に含まれる機能構成のすべてとは限らず、ここに図示されない機能構成が存在してもよい。
【0059】
遊技状態制御部110は、遊技機10によって実行される遊技(図柄変動ゲーム)に係る遊技状態を管理する。遊技状態制御部110は、少なくとも以下の処理を実行することができる。
【0060】
例えば、遊技状態制御部110は、遊技実行が可能であるか否かを監視しており、遊技不能である場合に遊技を停止(中断)させる。ここで遊技不能である場合としては、(i)前面扉20が開扉している場合、(ii)メダル収納庫93の中にメダルが無い場合、(iii)貯留されているクレジットに相当するメダルを、精算ボタン32の押下に起因してメダル排出口35からメダルを排出する処理が行われている場合等が挙げられる。
【0061】
また、遊技状態制御部110は、状態表示LED基板42に表示される条件、およびストップボタン27に対する停止操作の受付可能条件(上述の停止可能条件)を管理している。ここで、状態表示LED基板42に表示される条件には、メダルの投入枚数、貯留されているメダルの数(クレジット)入賞によって獲得したメダル数、再遊技の有無、図柄変動ゲームの開始可能条件、メダル投入の可能条件が含まれる。
【0062】
また、遊技状態制御部110は、設定変更装置48によって設定される遊技設定値を管理している。遊技設定値は、内部抽選部120によって抽選される入賞役の当選確率、または、サブ基板200によって制御される各種演出の発生確率、等に影響を与える。
【0063】
また、遊技状態制御部110は、通常遊技状態にも、またはボーナス遊技等の遊技者にとって有利な有利遊技状態にも、移行させうる。遊技状態制御部110によって移行されうる有利遊技状態には、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している遊技状態、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している遊技状態が含まれる。
【0064】
また、遊技状態制御部110は、第一カウンタ部111、第二カウンタ部112、第一報知制御部113、第一判定部114、第二判定部115を備えている。
【0065】
第一判定部114は、投入メダル通路51の上流側に位置する第一検知手段(センサレバー47b、レバー検知センサ47c)によるメダル検知に基づいて第一カウンタ部111に保持されている保持値を加算する。
また、第一判定部114は、投入メダル通路51の下流側に位置する第二検知手段(第一通過センサ47i、第二通過センサ47j)によるメダル検知に基づいて第一カウンタ部111に保持されている保持値を減算する。
また、第一カウンタ部111に保持されている保持値が、予め定められた判定基準に照らし合わせてエラー(異常)であると第一判定部114が判定した場合に、第一報知制御部113がエラー報知を実行させる。
本実施形態に係る第一カウンタ部111の保持値は整数であり、1以上でありX以下である場合には第一判定部114によって正常と判定され、零であるか、またはXを超える場合には第一判定部114によってエラーと判定されるものとする。なお、以下説明において、上記の第一判定部114が正常と判定される許容範囲(1以上かつX以下)について、第一範囲と称する場合がある。
【0066】
第二判定部115は、投入メダル通路51の上流側に位置する第一検知手段(センサレバー47b、レバー検知センサ47c)によるメダル検知に基づいて第二カウンタ部112に保持されている保持値を加算する。
また、第二判定部115は、投入メダル通路51の下流側に位置する第二検知手段(第一通過センサ47i、第二通過センサ47j)によるメダル検知に基づいて第二カウンタ部112に保持されている保持値を減算する。
また、第二カウンタ部112に保持されている保持値が、予め定められた判定基準に照らし合わせてエラー(異常)であると第二判定部115が判定した場合に、後述する第二報知制御部211がエラー報知を実行させる。
本実施形態に係る第二カウンタ部112の保持値は整数であり、1以上でありY以下である場合には第二判定部115によって正常と判定され、零であるか、またはYを超える場合には第二判定部115によってエラーと判定されるものとする。なお、以下説明において、上記の第二判定部115が正常と判定される許容範囲(1以上かつY以下)について、第二範囲と称する場合がある。
【0067】
なお、ここで述べた保持値の判定基準(許容範囲)は一例であり、適宜変更してもよい。また、上記のXとYは、本実施形態ではXよりYが小さい値が設定されるものとして説明するが、YよりXが小さい値が設定されてもよいし、XとYとが等しい値として設定されてもよい。
【0068】
上記のように、第一カウンタ部111の保持値に対する加減算処理または第二カウンタ部112の保持値に対する加減算処理は、いずれも共通の検知手段による検知を契機として実行される。
一方で、第一カウンタ部111の保持値に対する加減算処理を実行する主体は第一判定部114であり、第二カウンタ部112の保持値に対する加減算処理を実行する主体は第二判定部115である。詳しくは後述するが、第一判定部114によって実行される保持値に係る加算処理については、第二判定部115によって実行される保持値に係る加算処理と異なる。また、第一判定部114によって実行される保持値に係る減算処理については、第二判定部115によって実行される保持値に係る減算処理と共通である。
【0069】
第一報知制御部113は、第一カウンタ部111の保持値に基づいて第一判定部114がエラーと判定した場合に、エラー報知を実行させる。第一報知制御部113によって行われるエラー報知は、以下の(i)から(iii)の少なくとも一つであればよく、複数を組み合わせたものであってもよい。
(i)メイン基板100(CPU101)によって直接制御可能な構成要素(例えば、状態表示LED25に含まれるLED等)によるエラー報知。
(ii)メイン基板100からサブ基板200にコマンド送信を行い、サブ基板200(CPU201)が制御可能な構成要素(例えば、演出表示装置63、スピーカ49、装飾LED基板41等)によるエラー報知。
(iii)メイン基板100から遊技機10とは異なる装置(例えば、ホール管理システムに含まれる装置等)にコマンド送信を行い、当該装置が有する構成要素によるエラー報知。
【0070】
図11に示すとおり、第一報知制御部113はメイン基板100に含まれる構成要素であるので、エラー報知を実行させる場合には、第一報知制御部113は、メイン基板100によって監視されている操作を規制してもよい。
ここでメイン基板100によって監視されている操作とは、例えば、スタートレバー26、ストップボタン27、ベットボタン23または精算ボタン32の押下、メダル投入口31へのメダル投入等が挙げられる。なお、これらの操作は、遊技(図柄変動ゲーム)の実行に直接関与するものであり、仮に操作が規制された場合には遊技不能となりうる。
【0071】
内部抽選部120は、スタートレバー26の操作(開始操作)の検知を契機として、予め定められている複数とおりの入賞役またはボーナス役の当否を抽選によって判定する。より詳細には、内部抽選部120は、乱数を取得し、ROM103に予め格納されている抽選テーブルを参照して、取得された乱数がいずれの入賞役またはボーナス役に対応付いているかを判定する。
抽選テーブルは、入賞役及びボーナス役に割り振られている置数パターンを格納する。抽選テーブルは、遊技状態毎にそれぞれ設けられていてもよい。ここで置数とは、内部抽選部120の抽選に用いられる抽選テーブルにおいて、入賞役及びボーナス役のそれぞれに対応付けられている乱数の数を示す値である。例えば、その抽選テーブルにおいて用いられる乱数の総数が65536通りである抽選において、2000の置数が割り当てられている入賞役は、2000/65536≒約3%の確率で抽選される。
ここで、入賞役とは、特定の図柄の組み合わせに対応し、入賞又は再遊技の特典を遊技者に付与する。ボーナス役とは、ボーナス遊技の特典を遊技者に付与する特別役物または役物連続作動装置である。本実施形態におけるボーナス役は、ビッグボーナス(BB)役及びレギュラーボーナス(RB)役を含む。
【0072】
本実施形態において、内部抽選部120によって抽選される入賞役及びボーナス役を
図12に例示する。
図12は、本実施形態における入賞役及びボーナス役と、入賞役及びボーナス役に対応するくじ番号とを示す図である。
ここで、くじ番号とは、入賞役及びボーナス役の各々に対応付けられて定められている識別番号である。
また、上位役とはボーナス役(本実施形態ではBBまたはRB)に係る当選の有無を示しており、下位役とは入賞役(入賞または再遊技(いわゆる小役))に係る当選の有無を示している。
また、本実施形態におけるBBとは第一種特別役物に係る役物連続作動装置を示しており、本実施形態におけるRBとは第二種特別役物に係る役物連続作動装置を示している。
例えば、くじ番号「0」は、ボーナス役も小役も非当選である場合に対応している。また、くじ番号「1」は、ボーナス役が非当選であってリプレイの当選である場合に対応している。また、くじ番号「5」は、BBが当選であって小役が非当選である場合に対応している。また、くじ番号「7」は、BBもリプレイも当選である場合に対応している。
このように、本実施形態の遊技機10は、小役にもボーナス役にも同一の図柄変動ゲームで当選しうる(同時当選しうる)遊技性を実現できる。
【0073】
フラグ設定部130は、内部抽選部120によって抽選された入賞役またはボーナス役が成立しうる旨を示す当選フラグを設定する。当選フラグは、入賞役またはボーナス役に当選しているか否かを示すフラグである。ここで入賞役またはボーナス役が成立するとは、内部抽選部120によって抽選された入賞役またはボーナス役に対応している図柄の組合せが、図柄変動ゲームの結果として有効ライン上に停止表示されることをいう。
なお、以下の説明において、内部抽選部120によって抽選された入賞役またはボーナス役に対応する当選フラグが設定されることを「入賞役の当選」または「ボーナス役の当選」と表現する場合があるが、この表現は入賞役またはボーナス役の成立条件の一部である当選フラグの設定が行われており、当該入賞役またはボーナス役の成立が許容されている状態を意味する。
当選フラグは、入賞役用及びボーナス役用に別々に設けられてもよいし、共用されてもよい。フラグ設定部130は、内部抽選部120による抽選で入賞役が当選した場合には、入賞役に当選したことを示す状態となるように当選フラグを設定する。
【0074】
回動制御部140は、リールモータ68を駆動することによってリール65の回動を制御する。回動制御部140の制御には、複数のリール65を回動させることによって図柄変動ゲームを実行する場合(通常回動制御)と、フリーズ演出における図柄の変動表示および停止表示を制御する場合(特別回動制御)と、がある。
ここでフリーズ演出とは、少なくとも一つのリール65が回動しているにも関わらず、回動している当該リール65に対応するストップボタン27が遊技者の操作を受け付けない状態をいう。フリーズ演出において行われる図柄の変動表示や停止表示は図柄変動ゲームではなく、フリーズ演出が直接的に図柄変動ゲームの結果に影響をおよぼすことはない。
【0075】
より詳細には、回動制御部140は、図柄の変動表示の実行期間において、各リール65を所定速度で回動させるようにリールモータ68にパルス信号を出力する。リールモータ68は、ステッピングモータであり、回動制御部140が出力するパルス信号を入力することによって、多様に各リール65を回動させることができる。
なお、リール65の回動角度(移動コマ数)は、回動制御部140が出力したパルス信号の長さに比例して増大する。また、リール65の回動速度は、回動制御部140が出力したパルス信号の周波数に比例して増大する。
【0076】
図柄表示判定部150は、図柄変動ゲームにおいて有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、いずれの入賞役またはボーナス役に対応しているか否かを判定する。
図13及び
図14に示す図は、本実施形態における入賞役またはボーナス役に対応している図柄の組合せの一例である。
【0077】
例えば、
図13には、ベル役に対応している図柄の組合せの一例(PT1)、スイカ役に対応している図柄の組合せの一例(PT2)及びチェリー役に対応している図柄の組合せの一例(PT3)が示されている。
図12の例において、ベル役のくじ番号は「2」であり、スイカ役のくじ番号は「3」であり、チェリー役のくじ番号は「4」である。
これら入賞役に対応している図柄の組合せが有効ラインに停止表示されると、特典として、掛け数及び入賞役に応じた枚数のメダルが15枚を限度として付与される。例えば、有効ラインに三つのベル図柄が停止表示された場合、掛け数が1枚又は2枚のときには、15枚のメダルが付与され、掛け数が3枚のときには、8枚のメダルが付与される。なお、通常遊技状態の掛け数は、1枚、2枚又は3枚であり、ボーナス遊技状態(BB遊技状態またはRB遊技状態の掛け数は、2枚である。つまり、ボーナス遊技状態において有効ラインL1、L2又はL3に三つのベル図柄が停止表示された場合、特典として15枚のメダルが付与される。
【0078】
図14には、ビッグボーナス(BB)役に対応している図柄の組合せの二例(PT11及び12)、レギュラーボーナス(RB)役に対応している図柄の組合せの二例(PT13及び14)及びリプレイ役に対応している図柄の組合せの一例(PT15)が示されている。
図12の例において、BB役のくじ番号は「5」であり、RB役のくじ番号は「6」であり、リプレイ役のくじ番号は「1」である。
リプレイ役に対応している図柄の組合せが有効ラインに停止表示されると、特典として再遊技が付与される。BB役に対応している図柄の組合せが有効ラインに停止表示されると、特典としてBB遊技状態に移行する(第一種特別役物に係る役物連続作動装置を作動させる)。RB役に対応している図柄の組合せが有効ラインに停止表示されると、特典としてRB遊技状態に移行する(第二種特別役物に係る役物連続作動装置を作動させる)。
【0079】
指令生成部160は、メイン基板100からサブ基板200に伝送するコマンドを生成する。指令生成部160によって生成されるコマンドには、サブ基板200によって実行される各演出の決定条件等が含まれる。
【0080】
サブ統括部210は、メイン基板100から伝送されたコマンドに基づいて演出表示部220、音声出力部230またはLED発光部240を制御する。
演出表示部220は、演出表示装置63を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して表示出力による演出を演出表示装置63に実行させる。
音声出力部230は、スピーカ49を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して音声出力による演出をスピーカ49に実行させる。
LED発光部240は、装飾LED基板41に搭載されているLEDを制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して発光出力による演出をLEDに実行させる。
【0081】
また、サブ統括部210は、各種センサ40b(プッシュボタンセンサ45c、十字キーボタンセンサ46a、決定ボタンセンサ46b)から入力される検知信号に応じて、演出表示部220、音声出力部230またはLED発光部240を制御できる。
より具体的には、サブ統括部210は、一部の演出実行中やメニュー画面の表示中に各種センサ40bからの検知信号を入力した場合、演出表示部220に働きかけて演出表示領域62に係る表示を変更させたり、音声出力部230に働きかけてサウンドエフェクトをスピーカ49から出力させたり、LED発光部240に働きかけて特殊な発光パターンで装飾LED基板41に搭載されている装飾LED36を発光させたりできる。
【0082】
また、サブ統括部210は、第二報知制御部211、エラー履歴記憶制御部212、およびエラー履歴表示制御部213を含む。
【0083】
第二報知制御部211は、第二カウンタ部112による計数に基づいて第二判定部115がエラー(異常)と判定した場合にエラー報知を行う。なお、既に説明したように、第二報知制御部211によるエラー報知が行われる場合には、メイン基板100によって制御される遊技(図柄変動ゲーム)が可能な状態が維持される。
【0084】
第二報知制御部211は、第二カウンタ部112の保持値に基づいて第二判定部115がエラーと判定した場合に、エラー報知を実行させる。
第二報知制御部211によって行われるエラー報知は、サブ基板200(CPU201)が制御可能な構成要素(例えば、演出表示装置63、スピーカ49、装飾LED基板41等)によるエラー報知が含まれることが好ましい。ただし、第二演算処理に基づく判定結果(第二判定結果)に起因するエラー報知が、必ずしもサブ統括部210によって制御される構成要素のみによって実行される必要はなく、メイン基板100(CPU101)が制御可能な構成要素(例えば、状態表示LED25に含まれるLED等)によるエラー報知が含まれてもよく、遊技機10とは異なる装置(例えば、ホール管理システムに組み込まれている装置等)が有する構成要素によるエラー報知が含まれてもよい。
【0085】
図11に示すとおり、第二報知制御部211はサブ基板200に含まれる構成要素であるので、エラー報知を実行させる場合には、第二報知制御部211は、サブ基板200によって監視されている操作を規制してもよい。
ここでサブ基板200によって監視されている操作とは、例えば、十字キーボタン24a、決定ボタン24bまたはプッシュボタンの押下等が挙げられる。なお、これらの操作は、遊技(図柄変動ゲーム)の実行に直接関与するものではないので、仮に操作が規制されたとしても遊技が実行可能な状態が維持される。
【0086】
第一報知制御部113または第二報知制御部211が上述したような規制を実行する場合、各々異なる態様になることが好ましい。換言すれば、第一判定部114の判定結果に基づいてエラー報知が実行される場合と、第二判定部115の判定結果に基づくエラー報知が実行される場合とで、第一報知制御部113または第二報知制御部211(エラー報知制御手段)は異なる報知態様でエラー報知を実行させることが好ましい。なぜならば、第一判定部114の判定結果と第二判定部115の判定結果に、それぞれ異なる意味合いを持たせることができるからである。
例えば、重篤なエラーに関する判定結果を第一判定結果として扱い、遊技の実行を不能にしてエラーが発生した旨を第一報知制御部113に報知させてもよい。また、軽微なエラーに関する判定結果を第二判定結果として扱い、遊技が実行可能な状態を維持しつつエラーが発生した旨を第二報知制御部211に報知させてもよい。
このように、エラー発生の状況に応じて柔軟に報知態様を変更することによって、遊技者に不快な思いをさせるリスクを低減しつつ、適切なエラー処理を実現することができる。応じて柔軟な対応が可能になる。
【0087】
<メダルセレクタ47に含まれる各構成要素の詳細について>
続いて、メダルセレクタ47に含まれる各構成要素の詳細について、
図5から
図9を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1から
図4に図示される構成要素または
図10から
図11に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。
図5は、メダルセレクタ47を示す図である。
図6は、メダルセレクタ47に設けられている各センサの位置を示す図である。
図7は、
図5におけるX断面を示す図である。
図8は、メダルブロッカ47eが作動している場合の
図5のY断面を示す図である。
図9は、メダルブロッカ47eが停止している場合の
図5のY断面を示す図である。
なお、
図6は、
図5に図示する構成からオシイタガイド47dやカバープレート47g等を省いた構成になっている。また、
図7から
図9には、X断面上またはY断面上にメダルMDが位置するものとして、仮想的にメダルMDを図示している。
【0088】
メダルセレクタ47は、開口部47aと、センサレバー47bと、レバー検知センサ47cと、オシイタガイド47dと、メダルブロッカ47eと、ブロッカ板部47fと、カバープレート47gと、規制部47hと、第一通過センサ47iと、第二通過センサ47jと、開口部47kと、アンナイプレート47mと、を備えている。
【0089】
開口部47aは、メダル投入口31と連通しており、遊技者がメダル投入口31に投入したメダルは、開口部47aを介してメダルセレクタ47内の第一通路51aに落下してくる。
【0090】
センサレバー47bは、領域A1まで落下してきたメダルが物理的に接触することによって作動するレバーである。また、レバー検知センサ47cは、センサレバー47bの作動に応じて検知信号を生成するセンサである。本実施形態では、センサレバー47bとレバー検知センサ47cとによって、本発明の第一センサを構成する。
【0091】
オシイタガイド47dは、メダル返却ボタン33の押下の有無によって変位する板状の部材である。メダル返却ボタン33が押下されている場合には、オシイタガイド47dはアンナイプレート47mと離間する位置に存在し(
図7参照)、メダル返却ボタン33が押下されていない場合には、オシイタガイド47dはアンナイプレート47mに当接する位置に存在する(
図8、
図9参照)。
オシイタガイド47dとアンナイプレート47mとが当接することによって、メダルMDが円滑に転がる投入メダル通路51(第一通路51a、第二通路51b)が構成される。一方で、オシイタガイド47dとアンナイプレート47mとが離間すると、投入メダル通路51の下方が開放されるので、メダルセレクタ47に投入されたメダルMDは下方側の返却メダル通路53に落下する。返却メダル通路53はメダル排出口35に連通しており、返却メダル通路53に落下したメダルは、メダル排出口35を経由して下皿37に排出される。従って、投入メダル通路51にメダルが滞留した場合には、遊技者はメダル返却ボタン33を押下することによって、滞留しているメダルを返却させることができる。
【0092】
メダルブロッカ47eは、ソレノイドコイルであり、通電することによって磁場を発生させる。
メダルブロッカ47eが通電している場合には、メダルブロッカ47eに生じる磁場によってブロッカ板部47fがメダルブロッカ47eに引き付けられた位置(
図8に示す位置)に延在する。ブロッカ板部47fが
図8の位置に延在している場合、ブロッカ板部47fとオシイタガイド47dとの間隔がメダルMDの直径より小さくなるので、当該間隔からメダルMDが落下することがない。また、ブロッカ板部47fと規制部47hは一体に構成されており、規制部47hはアンナイプレート47mに埋没するように構成されているので、投入メダル通路51(第二通路51b)におけるメダルMDの通過を許容する。従って、
図6に示す領域A3より奧方までメダルMDは通過可能になる。
一方で、メダルブロッカ47eが通電していない場合には、ブロッカ板部47fはメダルブロッカ47eからより離間した位置(
図9に示す位置)に延在する。ブロッカ板部47fが
図9の位置に延在している場合、ブロッカ板部47fとオシイタガイド47dとの間隔がメダルMDの直径より大きくなるので、当該間隔からメダルMDが落下しやすくなる。さらに、この場合、規制部47hはアンナイプレート47mを介して第二通路51bに突出するように構成されており、投入メダル通路51(第二通路51b)を通過しているメダルMDは、規制部47hによって通過を阻害され、
図6に示す領域A3より手前に滞留するか、または返却メダル通路53に落下することになる。
【0093】
上記のように、メダルブロッカ47eが通電している場合、すなわち投入メダル通路51におけるメダルMDの通過が許容される場合について、メダルブロッカ47eの作動と称する。また、メダルブロッカ47eが通電していない場合、すなわち投入メダル通路51におけるメダルMDの通過が阻害される場合について、メダルブロッカ47eの停止と称する。
なお、本実施形態に係るメダルブロッカ47eの作動は投入可能表示LED25fの点灯によって表示され、本実施形態に係るメダルブロッカ47eの停止は投入可能表示LED25fの消灯によって表示される。
【0094】
第二通過センサ47jは、第二通路51bのうち規制部47hが設けられている位置より下流側である領域A2をメダルが通過することを検知する。
第一通過センサ47iは、規制部47hによって通過が阻害されて、規制部47hに当接している位置(領域A3)に滞留するメダルを検知する。
図6に示すとおり、領域A3は、領域A1に比べて投入メダル通路51の下流側に位置し、領域A2に比べて投入メダル通路51の上流側に位置する。
【0095】
開口部47kは収納メダル通路54に連通しており、開口部47kを通過したメダルは収納メダル通路54に到達する。また、収納メダル通路54は、前面扉20が閉扉している状態において、通過したメダルがメダル収納庫93に排出されるように構成されている。従って、開口部47kを通過したメダルはメダル収納庫93に収納されることになる。
【0096】
<第一カウンタ部111または第二カウンタ部112に係る計数処理の処理フローについて>
続いて、第一カウンタ部111または第二カウンタ部112に係る計数処理の処理フローについて、
図15または
図16を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1から
図11に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。
図15は、セレクタチェックに係る手順を示すフローチャートである。
図16は、第一検知手段(センサレバー47b、レバー検知センサ47c)による検知回数と第一カウンタ部111または第二カウンタ部112の保持値との関係を示す図である。
【0097】
ここでセレクタチェックとは、メダルセレクタ47に係るエラーを検知するための一連の処理であり、当該一連の処理には、第一カウンタ部111および第二カウンタ部112に係る計数処理が含まれる。
本実施形態に係るセレクタチェックは、図柄変動ゲームの実行の有無や進行に関わらず割込み処理として実行されるものであり、遊技機10が起動している期間にわたって実行されることが好ましい。なお、割込み処理として実行される処理の事例を、本実施形態ではセレクタチェックのみを挙げるが、他の処理が割込み処理として実行される処理に含まれてもよい。
【0098】
まず、センサレバー47bが作動するとレバー検知センサ47cによって検知信号が生成される(ステップS502のYES)。ステップS502で生成された検知信号は、第一カウンタ部111および第二カウンタ部112にそれぞれ伝送される。
なお、センサレバー47bが作動するとレバー検知センサ47cによって検知信号が生成されない場合には(ステップS502のNO)、セレクタチェックに係る以降の処理は実行されずに、当該処理フローは終了となる。
【0099】
レバー検知センサ47cから検知信号を受け付けた第一判定部114は、第一カウンタ部111の保持値に1を加算し(ステップS504)、加算後の保持値が5以上であるか4以下であるかを判定する(ステップS506)。加算後の保持値が4以下である場合(ステップS506のNO)、第一判定部114は、さらに2を加算する(ステップS508)。また、加算後の値が5以上である場合(ステップS506のYES)、第一判定部114は、その保持値を維持する。
すなわち、第一判定部114は、レバー検知センサ47cから検知信号を受け付けた場合、その時点における第一カウンタ部111の保持値が、4以上の場合は1を加算し、3以下の場合は3を加算する。
【0100】
レバー検知センサ47cから検知信号を受け付けた第二判定部115は、第二カウンタ部112の保持値に1を加算し(ステップS510)、加算後の保持値が3以上であるか2以下であるかを判定する(ステップS512)。加算後の保持値が2以下である場合(ステップS512のNO)、第二判定部115は、さらに1を加算する(ステップS514)。また、加算後の保持値が3以上である場合(ステップS514のYES)、第二判定部115は、その保持値を維持する。
すなわち、第二判定部115は、レバー検知センサ47cから検知信号を受け付けた場合、その時点における第二カウンタ部112の保持値が、2以上の場合は1を加算し、1以下の場合は2を加算する。
【0101】
上記のように、本実施形態に係るセレクタチェックは、ステップS502がYESである場合に、第一カウンタ部111の保持値を加算し、第二カウンタ部112の保持値を加算する処理を含む。これを換言すると、第一検知手段であるセンサレバー47bによる一回の作動(レバー検知センサ47cによる一回の検知)が、第一カウンタ部111および第二カウンタ部112に対する演算処理として第一判定部114および第二判定部115が加算処理を実行する契機になるともいえる。
【0102】
図15に示すように、第一判定部114および第二判定部115は、互いに共通の検知信号を契機として計数処理を実行するが、その計数処理の内容が異なる。従って、第一カウンタ部111の保持値と、第二カウンタ部112による保持値と、は異なる値になりうる。
本実施形態に係る第一検知手段(センサレバー47b、レバー検知センサ47c)による検知回数と第一カウンタ部111または第二カウンタ部112の保持値の対応関係を、
図16に示す。なお、
図16に示す対応関係は、第一判定部114および第二判定部115が、レバー検知センサ47cから生成された検知信号に応じて常に正常に処理すること、および各保持値への減算処理を無視することを前提とするものである。
ここで示すとおり、検知回数が零を超える場合には、第一カウンタ部111の保持値の方が、第二カウンタ部112の保持値より大きくなる。換言すれば、第一カウンタ部111の保持値の方が第二カウンタ部112の保持値より大きくなりやすく、第二カウンタ部112の保持値の方が第一カウンタ部111の保持値より小さくなりやすい。
【0103】
<図柄変動ゲームの処理フローについて>
次に、本実施形態における図柄変動ゲームの処理フローについて、主に
図17から
図25を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1から
図11に図示される構成要素や
図15に図示される処理についても言及するので適宜参照されたい。
【0104】
図17は、本実施形態における図柄変動ゲームのメインフローを示すフローチャートである。なお、本実施形態では
図17に図示される一連の処理を実行される中に一回の図柄変動ゲームの実行が含まれるものとする。
【0105】
遊技状態制御部110は、遊技機10が正常に起動中である場合、当該図柄変動ゲームにおける遊技状態や遊技設定値に関する情報を取得し、取得された情報に応じた遊技状態や遊技設定値に基づいて図柄変動ゲームを開始する(ステップS100)。
なお、ステップS100において取得される遊技状態を示す情報には、再遊技の作動、ボーナス遊技状態の作動などが含まれる。また、ステップS100において、再遊技が作動される場合、遊技状態制御部110は、前回の図柄変動ゲームにおける掛け数に等しい掛け数を設定し、設定した掛け数に相当する数の投入枚数表示LED25aを点灯させる。
【0106】
次に、遊技状態制御部110は、メダルセレクタ47等をチェックして正常にメダル投入を受け付けることが可能である旨を確認した後に、投入可能表示LED25fを点灯させてメダル投入の受付を開始する(ステップS102)。
また、投入可能表示LED25fの点灯中において、第一通過センサ47i、第二通過センサ47jによる検知や最大ベットボタンセンサ45a、単一ベットボタンセンサ45bによる検知を受け付けた場合、遊技状態制御部110は、これらの検知に基づいてメダル管理処理を実行する(ステップS104)。
【0107】
ここで、遊技状態制御部110によるメダル管理処理(
図17のステップS104)を
図18から
図24を用いてより詳細に説明する。
図18から
図20は、図柄変動ゲームにおけるメダル管理処理の手順を示すフローチャートである。
図21から
図23は、メダル管理処理の一部であるメダル投入チェックの手順を示すフローチャートである。
図24は、メダル管理処理の一部である貯留投入の手順を示すフローチャートである。
【0108】
まず、遊技状態制御部110は、投入可能表示LED25fが点灯しているか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202の判定がNOの場合、後に説明する
図19の処理フローに移行する。
また、ステップS202の判定がYESの場合、遊技状態制御部110は、第一カウンタ部111による計数が零であるか否かを判定する(ステップS204)。また、ステップS204の判定がYESであれば、メダルブロッカ47eが予め定められた作動時間を超過しているか否かを判定し(ステップS206)、ステップS206の判定がYESであれば、メダルブロッカ47eを作動させて(ステップS208)次の処理に移行する。
一方で、ステップS204の判定またはステップS206の判定のいずれかがNOである場合には、メダルブロッカ47eを作動させずに次の処理に移行する。
【0109】
次に、遊技状態制御部110は、メダルブロッカ47eが作動しているか否かを判定する(ステップS210)。また、ステップS210の判定がYESであれば、レバー検知センサ47cによってメダルが検知されたか否かを判定し(ステップS212)、ステップS212の判定がYESであれば、遊技開始表示LED25eを消灯して(ステップS214)次の処理に移行する。
一方で、ステップS210の判定またはステップS212の判定のいずれかがNOである場合には、後に説明する
図19の処理フローに移行する。
【0110】
次に、遊技状態制御部110は、その時点で再遊技が作動しているか否かを判定する(ステップS216)。再遊技が作動している場合(ステップS216のYES)、遊技状態制御部110はメダル投入チェックを実行する(ステップS224)。
再遊技が作動していない場合(ステップS216のNO)、遊技状態制御部110は、その時点でボーナス遊技が作動しているか否かを判定する(ステップS218)。ボーナス遊技が作動していれば(ステップS218のYES)、遊技状態制御部110は次の図柄変動ゲームに対する掛け数の上限を2に設定し(ステップS220)、ボーナス遊技状態が作動していなければ(ステップS218のNO)、遊技状態制御部110は次の図柄変動ゲームに対する掛け数の上限を3に設定し(ステップS222)、メダル投入チェックを実行する(ステップS224)。
【0111】
続いて、メダル投入チェック(ステップS224)に係る処理フローについて、
図21から
図23を用いて説明する。
まず、第一通過センサ47iがメダルの通過を検知した場合(ステップS302のYES)には、第一判定部114は、第一カウンタ部111の保持値が第一範囲(1以上かつX以下)に該当するか否かを判定する。また、第二判定部115は、第二カウンタ部112の保持値が第二範囲(1以上かつY以下)に該当するか否かを判定する。
【0112】
本実施形態では、第一カウンタ部111の保持値に基づくエラー判定の下限値と、第二カウンタ部112の保持値に基づくエラー判定の下限値と、が共通の値(1)に設定されている。さらに、
図16に示すとおり、第二カウンタ部112の保持値の方が第一カウンタ部111の保持値より小さくなりやすい。従って、第二カウンタ部112の保持値の方がエラー判定の下限値に到達しやすいともいえる。
【0113】
上記の許容範囲に係る判定は、
図21に示す処理フローにおいては、ステップS304、ステップS306、ステップS308において実行される。
すなわち、第一通過センサ47iがメダルの通過を検知した場合(ステップS302のYES)には、第一判定部114は、第一カウンタ部111の保持値が零であるか否か、または当該保持値がXを超えているか否かを判定する(ステップS304)。
ステップS304の判定がYESである場合、第一判定部114はエラーが発生したものとして、第一報知制御部113にメダル不正通過に係るエラー表示を要求する(ステップS362)。第一報知制御部113は、これに応じてエラー表示処理を実行すると共に、遊技不能に制御して(ステップS364)、メダル投入チェックに係る処理フローは終了となる。
一方で、ステップS304の判定がNOである場合、第二判定部115は、第二カウンタ部112の保持値が零であるか否かを判定し(ステップS306)、または第二カウンタ部112の保持値がYを超えるか否かを判定する(ステップS308)。ステップS306がYESである場合、またはステップS308がYESである場合、第二判定部115はエラーが発生したものとして、第二報知制御部211にエラー報知を要求し(ステップS310)、第二カウンタ部112の保持値をクリアする(ステップS312)。或いは、ステップS306がNOであって、かつステップS308がNOである場合、第二判定部115は、エラー報知を要求することなく、次の処理に移行する。
【0114】
次に、第一判定部114は、第一通過センサ47iまたは第二通過センサ47jによる検知状態の遷移が正常であるか否かを判定する。本実施形態に係る当該検知状態が正常であるパターンは二通りが想定される。
なお、本実施形態に係るメダル投入チェックでは、第一通過センサ47iまたは第二通過センサ47j(第二検知手段)による検知状態の遷移に係るエラー判定は、第一判定部114によって実行され、エラーと判定された場合には、第一報知制御部113によるエラー報知が実行されるように構成されている。
【0115】
一つ目のパターンは、下記の(i)〜(iii)の順に検知状態が遷移する。
(i)第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jが共にオフである(検知していない)検知状態。
(ii)第一通過センサ47iがオンであって(検知していて)、第二通過センサ47jがオフである検知状態。
(iii)第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jが共にオフである検知状態。
このパターンは、メダルブロッカ47eが停止していて投入メダル通路51が通過不能状態にある場合に、投入メダル通路51に投入されたメダルが領域A3で止まって、返却メダル通路53に落下する状況等に行われる検知状態の遷移である。
【0116】
二つ目のパターンは、下記の(iv)〜(viii)の順に検知状態が遷移する。
(iv)第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jが共にオフである検知状態。
(v)第一通過センサ47iがオンであって第二通過センサ47jがオフである検知状態。
(vi)第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jが共にオンである検知状態。
(vii)第一通過センサ47iがオフであって第二通過センサ47jがオンである検知状態。
(viii)第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jが共にオフである検知状態。
このパターンは、メダルブロッカ47eが作動していて投入メダル通路51が通過可能状態にある場合に、投入メダル通路51に投入されたメダルが円滑に投入メダル通路51(開口部47k)から排出される等に行われる検知状態の遷移である。
【0117】
上記の検知状態の遷移に係るパターンは、
図21に示す処理フローにおいては、ステップS302と、ステップS314からステップS326における各判定処理に基づいて判定される。
すなわち、第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jが共にオフである場合(ステップS314のYES)には、上記の(ii)から(iii)に遷移した状況が考えられるので、第一判定部114は、投入されたメダルが返却メダル通路53に排出されたものと判定し、エラー報知をせずに、メダル投入チェックに係る処理フローを終了させる。
第一通過センサ47iまたは第二通過センサ47jの少なくとも一方がオンである場合(ステップS314のNO)には、第一通過センサ47iがオンであるのか否かを判定する(ステップS316)。ステップS316において第一通過センサ47iがオンではないと判定された場合(ステップS316のNO)には、第一通過センサ47iがオフであって、かつ第二通過センサ47jがオンであることが想定され、上記の(v)から(vi)を介さずに(vii)に遷移したことになる。従って、第一判定部114は、このような検知状態の遷移をエラーと判定し、第一報知制御部113にメダル不正通過に係るエラー表示を要求する(ステップS362)。第一報知制御部113は、これに応じてエラー表示処理を実行すると共に、遊技不能に制御して(ステップS364)、メダル投入チェックに係る処理フローは終了となる。
【0118】
ステップS316において第一通過センサ47iがオンであると判定された場合(ステップS316のYES)、第一判定部114は、第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jが共にオンであるか否かを判定する(ステップS318)。
ステップS318の判定がNOである場合には、ステップS302において第一通過センサ47iのONと判定されてから未だ第二通過センサ47jの検知領域(領域A2)にメダルが到達していない状況が考えられるので、再びステップS306の判定に戻る。
ステップS308の判定がYESである場合には、(v)から(vi)に検知状態が遷移したものと考えられるので、次の判定処理に移行する。
【0119】
次に、第一判定部114は、第一通過センサ47iがオフであって第二通過センサ47jがオンであるか否かを判定する(ステップS320)。また、ステップS320がNOである場合には、第一判定部114は、第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jが共にオンであるか否かを判定する(ステップS322)。
ステップS322の判定がYESである場合には、ステップS318において(vi)の検知状態が判定されてから未だ当該検知状態が維持されている状況が考えられるので、再びステップS320の判定に戻る。
ステップS322の判定がNOである場合には、(vi)から(vii)ではない検知状態に遷移したことになるので、第一判定部114はエラーと判定し、第一報知制御部113にメダル不正通過に係るエラー表示を要求する(ステップS362)。第一報知制御部113は、これに応じてエラー表示処理を実行すると共に、遊技不能に制御して(ステップS364)、メダル投入チェックに係る処理フローは終了となる。
【0120】
一方で、ステップS320がYESである場合には、(vi)から(vii)に検知状態が遷移したことになるので、第一判定部114は、第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jが共にオフであるか否かを判定する(ステップS324)。また、ステップS324がNOである場合には、第一判定部114は、第一通過センサ47iがオンであって第二通過センサ47jがオフであるか否かを判定する(ステップS326)。
ステップS326の判定がNOである場合には、ステップS320において(vii)の検知状態が判定されてから未だ当該検知状態が維持されている状況が考えられるので、再びステップS324の判定に戻る。
ステップS326の判定がYESである場合には、(vii)から(v)に遷移したことになるので、第一判定部114はエラーと判定し、第一報知制御部113にメダル不正通過に係るエラー表示を要求する(ステップS362)。第一報知制御部113は、これに応じてエラー表示処理を実行すると共に、遊技不能に制御して(ステップS364)、メダル投入チェックに係る処理フローは終了となる。
【0121】
一方で、ステップS320がYESである場合には、(vii)から(viii)に検知状態が遷移したことになるので、第一判定部114は、投入されたメダルが投入メダル通路51を通過したものと判定し、次の処理を行う。
【0122】
投入されたメダルが投入メダル通路51を正常に通過したものと第一判定部114によって判定された場合、遊技状態制御部110は、セレクタチェックを含む割込み処理を禁止する(ステップS332)。ステップS332より後の処理において、第一カウンタ部111の保持値または第二カウンタ部112の保持値に対して減算処理を行いうるが、仮に割込み処理可能な状態で減算処理を実行すると、前述のセレクタチェックに含まれる第一カウンタ部111または第二カウンタ部112に係る加算処理と、当該減算処理とが同時発生しうる。このような状況においては正しく処理が実行されない虞があるので、ステップS332において割込み処理を禁止する。
ステップS332の処理の後に、第一判定部114は第一カウンタ部111の保持値から1を減算する(ステップS334)。また、第二カウンタ部112の保持値が零ではない場合(ステップS336のNO)には、第二判定部115は当該保持値から1を減算し(ステップS338)、当該保持値が零である場合(ステップS336のYES)には第二判定部115は減算処理を行わない。ステップS336の判定が組み込まれているので、本実施形態に係る第二カウンタ部112の保持値は、原則として負の値にならない。ただし、何らかの不正処理が行われる場合には、第二カウンタ部112の保持値が負の値になることもありうる。
【0123】
上記のように、本実施形態に係るメダル投入チェックにおいては、第一判定部114によって第一通過センサ47iまたは第二通過センサ47jによる検知状態の遷移が正常と判定された場合に、第一カウンタ部111の保持値を減算し、第二カウンタ部112の保持値を減算しうる。これを換言すると、第二検知手段である第一通過センサ47iおよび第二通過センサ47jによる一回の検知が、第一カウンタ部111および第二カウンタ部112に対する演算処理として第一判定部114および第二判定部115が減算処理を実行する契機になるともいえる。
【0124】
第一カウンタ部111の保持値または第二カウンタ部112の保持値の減算処理が済んだ後に、遊技状態制御部110は、セレクタチェックを含む割込み処理を許可する(ステップS340)。
次に、第二判定部115は、第二カウンタ部112の保持値がYを超えるか否かを判定する(ステップS342)。ステップS342がYESである場合、第二判定部115はエラーと判定し、第二報知制御部211にエラー報知を要求し(ステップS344)、第二カウンタ部112の保持値をクリアする(ステップS346)。或いは、ステップS342がNOである場合、第二判定部115は、エラー報知を要求することなく、次の処理に移行する。
【0125】
次に、第一判定部114は、第一カウンタ部111の保持値がXを超えているか否かを判定する(ステップS352)。
ステップS352の判定がYESである場合、第一判定部114はエラーが発生したものとして、第一報知制御部113にメダル不正通過に係るエラー表示を要求する(ステップS362)。第一報知制御部113は、これに応じてエラー表示処理を実行すると共に、遊技不能に制御して(ステップS364)、メダル投入チェックに係る処理フローは終了となる。
一方で、ステップS352の判定がNOである場合、今回投入されたメダル、すなわちステップS302において第一通過センサ47iによって検知されたメダルは正常に投入メダル通路51を通過したものとして扱われる。すなわち、本実施形態に係るメダル投入チェックにおいて、第一判定部114または第二判定部115は、少なくとも第一カウンタ部111または第二カウンタ部112の保持値が許容範囲にあるか否か、および第一通過センサ47iまたは第二通過センサ47jの検知状態の遷移が正常であるか否か、を判定し、これらの判定に基づいて投入されたメダルの通過に係るエラー報知を行うか否かを決定している。
【0126】
上記のように、メダルが正常に投入メダル通路51を通過したものと扱われた場合(ステップS352のNO)、遊技状態制御部110は、再遊技が作動しているか否かを判定し(ステップS354)、設定されている掛け数が掛け数上限に到達しているか否かを判定する(ステップS356)。
ステップS354またはステップS356の判定の少なくとも一方がYESである場合、掛け数を加算することができないので、遊技状態制御部110がクレジット(貯留数)に1を加算し(ステップS360)、メダル投入チェックに係る処理フローは終了となる。
一方で、ステップS354がNOであって、かつステップS356がNOである場合、遊技状態制御部110が設定している掛け数に1を加算し(ステップS358)、メダル投入チェックに係る処理フローは終了となる。
【0127】
続いて、上記のステップS202、ステップS210またはステップS212の判定がNOであって、最大ベットボタン23aが操作された場合(ステップS240のYES)或いは単一ベットボタン23bが操作された場合(ステップS254のYES)について、
図19を用いて説明する。
【0128】
最大ベットボタン23aが操作された時点において、遊技状態制御部110によって設定されている掛け数が零を超える場合(ステップS242のYES)であって、「投入口からの投入の有無」が無であり(ステップS244のNO)、かつ前回操作が単一ベットボタン23bである場合(ステップS246のNO)、遊技状態制御部110は投入枚数表示LED25aを全て消灯させる(ステップS248)。そして、遊技状態制御部110は、設定した掛け数に相当する値をクレジット(貯留数)に加算し(ステップS250)、設定した掛け数を零に戻す(ステップS252)。また、遊技状態制御部110は、ステップS250およびステップS252を行った後に、貯留投入処理を実行する(ステップS260)。貯留投入処理については、後に詳述する。
また、最大ベットボタン23aが操作された時点において、遊技状態制御部110によって設定されている掛け数が零である場合(ステップS242のNO)にも、遊技状態制御部110は投入枚数表示LED25aを全て消灯させ(ステップS248)、遊技状態制御部110はステップS250、ステップS252およびステップS260の処理を実行する。このとき、ステップS248の以前から投入枚数表示LED25aは全て消灯しているので、ステップS248の前後において投入枚数表示LED25aの外観上は変化がない。
さらに、単一ベットボタン23bが操作された時点において、「投入口からの投入の有無」が無であり(ステップS256のNO)、かつ前回操作が最大ベットボタン23aである場合(ステップS258のNO)にも、遊技状態制御部110は投入枚数表示LED25aを全て消灯させ(ステップS248)、遊技状態制御部110はステップS250、ステップS252およびステップS260の処理を実行する。
【0129】
一方で、最大ベットボタン23aが操作された時点において、遊技状態制御部110によって設定されている掛け数が零を超える場合(ステップS242のYES)であって、「投入口からの投入の有無」が有である(ステップS244のYES)、または前回操作が最大ベットボタン23aである(ステップS246のYES)場合には、遊技状態制御部110は上述のステップS250およびステップS252の処理を行わずに貯留投入処理を実行する(ステップS260)。
また、単一ベットボタン23bが操作された時点において、「投入口からの投入の有無」が有である(ステップS256のYES)、または前回操作が単一ベットボタン23bである場合(ステップS258のYES)にも、遊技状態制御部110は上述のステップS250およびステップS252の処理を行わずに貯留投入処理を実行する(ステップS260)。
【0130】
続いて、貯留投入処理(ステップS260)に係る処理フローについて、
図24を用いて説明する。
まず、遊技状態制御部110は、遊技状態制御部110によって設定されている掛け数が、ステップS220またはステップS222において設定された掛け数上限に達しているか否かを判定する(ステップS402)。
遊技状態制御部110によって設定されている掛け数が掛け数上限に達している場合(ステップS402のYES)、貯留投入処理に係る処理フローは終了となる。
【0131】
一方で、遊技状態制御部110によって設定されている掛け数が掛け数上限に達していない場合(ステップS402のNO)、遊技状態制御部110は、遊技状態制御部110によって記憶されているクレジット(貯留数)が零を超えるか否かを判定する(ステップS404)。
遊技状態制御部110によって記憶されているクレジットが零を超えない場合(ステップS404のNO)、遊技状態制御部110が投入可能表示LED25fを点灯させて(ステップS420)、貯留投入処理に係る処理フローは終了となる。なお、投入可能表示LED25fを点灯させる場合、遊技状態制御部110はメダルセレクタ47のメダルブロッカ47eを作動させて、投入メダル通路51におけるメダル通過を許容させることが好ましい。
遊技状態制御部110によって記憶されているクレジットが零を超える場合(ステップS404のYES)、投入可能表示LED25fを消灯させる(ステップS406)。なお、投入可能表示LED25fを消灯させる場合、遊技状態制御部110はメダルセレクタ47のメダルブロッカ47eの作動を停止させて、投入メダル通路51におけるメダル通過を阻害することが好ましい。
【0132】
次に、遊技状態制御部110は、メダル投入待機時間が経過したか否かを判定し、未だ経過していなければ(ステップS408のNO)、メダル投入待機時間が経過するまで待機する。ここでメダル投入待機時間とは、遊技状態制御部110が掛け数を一つずつ加算する処理を行う際に、各加算処理の間に設けられる時間間隔である。メダル投入待機時間を設けることによって、投入枚数表示LED25aを一つずつ点灯させる様子を遊技者が視認させることができる。
メダル投入待機時間が経過した場合(ステップS408のYES)、遊技状態制御部110は、メダル投入待機時間を再設定する(ステップS410)。
【0133】
次に、遊技状態制御部110は、設定している掛け数に1を加算し(ステップS412)、遊技状態制御部110に記憶されているクレジット(貯留数)から1を減算する(ステップS414)。
ステップS412およびステップS414の加減算処理が終了した時点で、設定されている掛け数が、ステップS220またはステップS222において設定された掛け数上限に達している場合には(ステップS416のYES)、遊技状態制御部110が投入可能表示LED25fを点灯させて(ステップS420)、貯留投入処理に係る処理フローは終了となる。
また、当該時点で、設定されている掛け数が掛け数上限に達していない場合には(ステップS416のNO)、遊技状態制御部110は設定要求数に到達しているか否かを判定する(ステップS418)。ここで設定要求数とは、今回の貯留投入処理の契機となったベットボタン23の操作によって要求される掛け数である。より具体的には、最大ベットボタン23aの操作を契機とする場合には設定要求数=3であり、単一ベットボタン23bの操作を契機とする場合には設定要求数=1である。
設定要求数に到達している場合(ステップS418のYES)には、遊技状態制御部110が投入可能表示LED25fを点灯させて(ステップS420)、貯留投入処理に係る処理フローは終了となる。一方で、設定要求数に到達していない場合(ステップS418のNO)には、遊技状態制御部110は、ステップS404の判定に戻って上述の処理フローを継続して実行する。
【0134】
続いて、上記のステップS202、ステップS210またはステップS212の判定がNOであって、最大ベットボタン23aが操作されず(ステップS240のNO)、さらに単一ベットボタン23bも操作されない場合(ステップS254のNO)について、
図20を用いて説明する。
遊技状態制御部110は、精算ボタン32が操作されたか否かを判定する(ステップS262)。
精算ボタン32が操作されていない場合(ステップS262のNO)には、そのままメダル管理処理に係る処理フローは終了となる。
一方で、精算ボタン32が操作された場合(ステップS262のYES)には、遊技状態制御部110は投入可能表示LED25fおよび遊技開始表示LED25eを消灯させる(ステップS264、ステップS266)と共に、精算処理を実行する(ステップS268)。なお、本実施形態に係るステップS268には、遊技状態制御部110によって設定されている掛け数の有無を判定する処理や、遊技状態制御部110によって記憶されているクレジット(貯留数)の有無を判定する処理が含まれており、精算可能な掛け数やクレジットが存在しない(零である)場合にも、遊技状態制御部110によって実行されるものとする。また、投入可能表示LED25fを消灯させる場合、遊技状態制御部110はメダルセレクタ47のメダルブロッカ47eの作動を停止させて、投入メダル通路51におけるメダル通過を阻害することが好ましい。
遊技状態制御部110によって精算処理が実行された場合には(ステップS268)、遊技状態制御部110は、投入可能表示LED25fを点灯させて(ステップS270)、メダル管理処理に係る処理フローは終了となる。なお、投入可能表示LED25fを点灯させる場合、遊技状態制御部110はメダルセレクタ47のメダルブロッカ47eを作動させて、投入メダル通路51におけるメダル通過を許容させることが好ましい。
【0135】
次に、遊技状態制御部110は、図柄変動ゲームの開始可能条件を成立させて(ステップS106)、スタートレバーセンサ44による検知を待機する(ステップS108のNO)。
スタートレバーセンサ44による検知が行われたとき(ステップS108のYES)、内部抽選部120は、内部抽選を実行し(ステップS110)、フラグ設定部130は、ステップS110において抽選された入賞役またはボーナス役に対応している当選フラグを設定する(ステップS112)。
【0136】
続いて、回動制御部140は、前回の図柄変動ゲームから所定のウェイト時間の経過を待って(ステップS114のNO)、所定のウェイト時間の経過後(ステップS114のYES)、今回の図柄変動ゲームにおける変動表示を実行する。所定のウェイト時間は、最短遊技時間に応じて設定される。変動表示の実行において、回動制御部140は、すべてのリール65(65L、65C、65R)が所定速度で順方向に回動するように、リールモータ68にパルス信号を出力する(ステップS116)。
その後、回動制御部140は、すべてのリール65の回動速度が所定速度に到達するまで待つ(ステップS118のNO)。回動制御部140は、すべてのリール65の回動速度が所定速度に到達したとき(ステップS118のYES)、回動停止受付の処理を実行する(S120)。この回動停止受付処理により、全てのリール65の回動が停止し、図柄の組合せが停止表示される。
【0137】
ここで、回動制御部140による回動停止受付処理(
図17のステップS120)を
図25を用いてより詳細に説明する。
図25は、図柄変動ゲームにおける回動停止受付処理の手順を示すフローチャートである。
【0138】
回動制御部140は、最初の停止操作(第一停止操作)を受け付けるまで待機する(ステップS152のNO)。具体的には、回動制御部140は、停止受付可能条件が成立している状態で、ストップボタンセンサ43aにより少なくとも一つのストップボタン27の押下が検知されると、第一停止操作を受け付ける(ステップS152のYES)。本実施形態では、最大ベットボタン23a、単一ベットボタン23b、精算ボタン32及びスタートレバー26が操作されていないことなどを以て、当該停止受付可能条件が成立する。
【0139】
続いて、回動制御部140は、第一停止処理を実行する(ステップS154)。具体的には、回動制御部140は、検知された停止操作に対応するリール65の減速を開始させる。ここでステップS154の停止処理において、最大4コマまでリール65が移動しうる制御(すべり制御)を行うため、ストップボタン27の押下が検知されてからリール65が停止するまでにはタイムラグが生じうる。なお、当該タイムラグは190ms以下になるように設定されている。
【0140】
回動制御部140は、次の停止操作(第二停止操作)を受け付けるまで待機する(ステップS156のNO)。具体的には、回動制御部140は、停止受付可能条件が成立している状態で、ストップボタンセンサ43aにより少なくとも一つのストップボタン27の押下が検知されると、第二停止操作を受け付ける(ステップS156のYES)。本実施形態では、最大ベットボタン23a、単一ベットボタン23b、精算ボタン32、スタートレバー26及び第一停止操作で停止しているリール65に対応するストップボタン27が操作されていないことなどを以て、当該停止受付可能条件が成立する。
【0141】
続いて、回動制御部140は、第二停止処理を実行する(ステップS158)。具体的には、回動制御部140は、検知された停止操作に対応するリール65の減速を開始させる。なお、ステップS158の第二停止処理において、すべり制御が行われるのは、第一停止処理(ステップS154)のときと同様である。
【0142】
回動制御部140は、最後の停止操作(第三停止操作)を受け付けるまで待機する(ステップS160のNO)。具体的には、回動制御部140は、停止受付可能条件が成立した状態で、ストップボタンセンサ43aにより残りの一つのストップボタン27の押下が検知されると、第三停止操作を受け付ける(ステップS160のYES)。本実施形態では、最大ベットボタン23a、単一ベットボタン23b、精算ボタン32、スタートレバー26及び第一停止操作及び第二停止操作で停止しているリール65に対応するストップボタン27が操作されていないことなどを以て、当該停止受付可能条件が成立する。
【0143】
続いて、回動制御部140は、第三停止処理を実行する(ステップS162)。具体的には、回動制御部140は、検知された停止操作に対応するリール65の減速を開始させる。なお、ステップS162の第三停止処理において、すべり制御が行われるのは、第一停止処理(ステップS154)のときと同様である。
【0144】
再び、
図17のフローチャートの説明に戻る。ステップS120の処理が終了した場合(図柄の組合せが停止表示された場合)、図柄表示判定部150による判定処理と、その判定結果に応じた特典の付与などの関連処理が実行される(ステップS122)。
指令生成部160は、ステップS122の処理結果(図柄表示判定の結果)を含むコマンドを生成して、生成されたコマンドをサブ基板200に出力する(ステップS124)。
サブ統括部210は、ステップS124で出力されたコマンドに基づいて演出を実行する。例えば、サブ統括部210は、所定の演出画面を演出表示領域62に表示出力させる。
【0145】
また、ステップS124の処理に起因してメダルの払出処理が必要な場合、すなわち付与されたメダルの数を加算するとクレジットが上限値を超過する場合(ステップS126のYES)、超過した分のメダルをメダル収納庫93に払い出させて(ステップS128)、当該一連の処理は終了となる。
また、ステップS124の処理後にメダルの払出処理が不要な場合(ステップS126のNO)、ステップS128の処理を行わずに、そのまま当該一連の処理は終了となる。
【0146】
<エラー判定に係る許容範囲の詳細について>
続いて、本実施形態に係るエラー判定に係る許容範囲(第一範囲、第二範囲)の設定について、詳細に説明する。
上記のように、第一判定部114に係る判定基準である第一範囲(1以上かつX以下)および第二判定部115に係る判定基準である第二範囲(1以上かつY以下)は、共に上限および下限が定められている。
【0147】
図16に示すとおり、第一カウンタ部111および第二カウンタ部112に対して実行される加算処理の少なくとも一部について、第一カウンタ部111に対する加算値が第二カウンタ部112に対する加算値より大きくなっている。具体的には、第一検知手段による検知回数が1回目については、第一カウンタ部111に対する加算値が3であり、第二カウンタ部112に対する加算値が2である。また、第一検知手段による検知回数が2回目については、第一カウンタ部111に対する加算値が3であり、第二カウンタ部112に対する加算値が1である。すなわち、第一範囲および第二範囲の下限値である1付近においては、第一カウンタ部111の保持値が第二カウンタ部112の保持値より大きくなりがちである。
従って、仮に第二検知手段による検知回数が第一検知手段による検知回数を超える場合には、第一カウンタ部111に保持されている保持値が第一範囲内にあり、かつ第二カウンタ部112に保持されている保持値が第二範囲の下限に達する場合がある。例えば、第一検知手段による検知回数が1回であり、第二検知手段による検知回数が2回である場合には、第一カウンタ部111の保持値が1になり、第二カウンタ部112の保持値が0になる。或いは、第一検知手段による検知回数が2回であり、第二検知手段による検知回数が3回である場合には、第一カウンタ部111の保持値が3になり、第二カウンタ部112の保持値が0になる。
本実施形態に係る第一範囲および第二範囲は上記のような設定になっているので、第一検知手段による検知に比べて第二検知手段による検知の発生頻度が高いものと想定される不正行為に対して、第二判定部115に基づくエラー報知(第二報知制御部211によるエラー報知)が実行されやすくなっている。
【0148】
上記のような第一範囲および第二範囲の設定は、以下のように換言できる。
すなわち、共通の検知手段による検知に基づく演算処理で保持値が更新されている場合において、第一カウンタ部111に保持されている保持値が第一範囲の上限に達するより第二カウンタ部112に保持されている保持値が第二範囲の上限に達する方が遅くなるように設定されている。また、当該場合において、第一カウンタ部111に保持されている保持値が第一範囲の下限に達するより第二カウンタ部112に保持されている保持値が第二範囲の下限に達する方が早くなるように設定されている。
【0149】
上記のように、第二判定部115に基づくエラー報知は、第一検知手段による検知に比べて第二検知手段による検知の発生頻度が高いものと想定される不正行為に対する報知と位置付けられているので、第一判定部114に基づくエラー報知については、逆となるように第一範囲および第二範囲を設定することが好ましい。すなわち、第一判定部114に基づくエラー報知(第一報知制御部113によるエラー報知)は、第二検知手段による検知に比べて第一検知手段による検知の発生頻度が高いものと想定される不正行為に対する報知と位置付けることが好ましい。
なぜならば、第一判定部114に基づくエラー報知と、第二判定部115に基づくエラー報知と、に互いに多面的な意味合いを持たせることができ、柔軟なエラー報知を実現することができるからである。
【0150】
例えば、以下の要件を満たすように第一範囲と第二範囲を設定すれば、上記のような第一判定部114に基づくエラー報知を実現することができる。
この要件とは、第一カウンタ部111に保持されている保持値が初期値から第一範囲の上限に達するまで更新されるために要する第一検知手段による検知の最低回数が、第二カウンタ部112に保持されている保持値が初期値から第二範囲の上限に達するまで更新されるために要する第一検知手段による検知の最低回数より多くなっていることである。
例えば、本実施形態においては、第一範囲の上限を20に設置し、第二範囲の上限を18に設定するとよい。この場合、第一カウンタ部111に保持されている保持値が初期値から第一範囲の上限に達するまで更新されるために要する第一検知手段による検知の最低回数は、
図16に示すとおり、16回である。また、第二カウンタ部112に保持されている保持値が初期値から第二範囲の上限に達するまで更新されるために要する第一検知手段による検知の最低回数は、
図16に示すとおり、17回である。
【0151】
上記のような設定によって、第一判定部114に基づくエラー報知は、メダル投入に係る加算処理が減算処理より多い場合に実行されるエラー報知となる。また、第二判定部115に基づくエラー報知は、メダル投入に係る減算処理が加算処理より多い場合に実行されるエラー報知となる。従って、第一報知制御部113の報知態様と第二報知制御部211の報知態様について、以下のような特徴を持たせることが好ましい。
例えば、第一カウンタ部111に保持されている保持値が第一範囲から外れている場合、第一報知制御部113は、程度が強いエラーが発生した旨を示すエラー報知を実行させることが好ましい。また、第二カウンタ部112に保持されている保持値が第二範囲から外れている場合、第二報知制御部211は、程度が弱いエラーが発生した旨を示すエラー報知を実行させることが好ましい。
すなわち、メダル投入に係る加算処理が減算処理より多くなる場合の方が、メダル投入に係る減算処理が加算処理より多い場合に比べて、いわゆるクレマンゴト行為が行われている疑いが強いので、程度が強いエラーが発生した旨を報知するとよい。
【0152】
ここでエラーの程度の強弱とは、想定されるエラーによる被害が重大である程に強いといえ、想定されるエラーによる被害が軽微である程に弱いといえる。
なお、エラーの程度に合わせて、第一報知制御部113または第二報知制御部211によって実行されるエラー報知の態様についても強弱をつけることが好ましい。
【0153】
<本発明の変形例について>
ここまで
図1から
図25を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
例えば、上記の実施形態に係る遊技機10は回胴式遊技機であるが、本発明の実施はパチンコ遊技機に適用してもよい。なお、この変形例の場合、上述のエラー判定手段はメイン制御基板に実装されている構成要素によって実現されるものであることが好ましい。また、上述の第一報知制御部または第二報知制御手段は、メイン制御基板に実装されている構成要素によって実現されてもよいし、他の基板に実装されている構成要素によって実現されてもよいし、これらの構成要素の組合せによって実現されてもよい。
【0154】
上記の実施形態では、第一判定部114と第二判定部115との差異が、共通の検知手段に基づく加算処理または判定処理に用いる判定基準である実施例について説明したが、これは一例であって、本発明の実施はこれに限られない。
【0155】
上記の実施形態の説明においては各図に図示する機能構成を前提として説明したが、本発明の各構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよい。従って、本発明の遊技機の各構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0156】
上記の実施形態の説明において複数のフローチャートを用いた。これらのフローチャートは、順番に記載された複数のステップを含むものであるが、その記載の順番は複数のステップを実行する順番やタイミングを、図示した一つの態様に限定するものではない。このため、本発明を実施するときには、その複数のステップの順番は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数のステップの実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
【0157】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)所定の領域を通過する遊技媒体を検知する検知手段と、前記検知手段による前記遊技媒体の検知に基づいて演算処理を実行してカウンタが保持している保持値を更新させ、更新させた前記保持値に基づいてエラーが発生したか否かを判定する判定処理を実行して判定結果を導出しうるエラー判定手段と、前記エラー判定手段によって導出された判定結果に基づいてエラー報知を実行させるエラー報知制御手段と、を備え、前記エラー判定手段には第一判定手段と第二判定手段とが含まれており、前記第一判定手段および前記第二判定手段は、共通の前記検知手段による検知に基づく前記演算処理、または前記判定処理に用いる判定基準の少なくとも一方について異なることによって、互いに判定結果が異なりうることを特徴とする遊技機。
(2)前記カウンタには、前記第一判定手段によって実行された前記演算処理で前記保持値が更新され、前記第一判定手段による前記判定処理に更新された前記保持値が用いられる第一カウンタと、前記第二判定手段によって実行された前記演算処理で前記保持値が更新され、前記第二判定手段による前記判定処理に更新された前記保持値が用いられる第二カウンタと、が含まれており、前記第一判定手段に係る前記判定基準である第一範囲および前記第二判定手段に係る前記判定基準である第二範囲は、共に上限および下限が定められており、共通の前記検知手段による検知に基づく前記演算処理で前記保持値が更新されている場合において、前記第一カウンタに保持されている前記保持値が前記第一範囲の上限に達するより前記第二カウンタに保持されている前記保持値が前記第二範囲の上限に達する方が遅く、前記第一カウンタに保持されている前記保持値が前記第一範囲の下限に達するより前記第二カウンタに保持されている前記保持値が前記第二範囲の下限に達する方が早い(1)に記載の遊技機。
(3)前記検知手段には、一回の検知が、前記第一カウンタおよび前記第二カウンタに対する前記演算処理として前記第一判定手段および前記第二判定手段が加算処理を実行する契機になる第一検知手段と、一回の検知が、前記第一カウンタおよび前記第二カウンタに対する前記演算処理として前記第一判定手段および前記第二判定手段が減算処理を実行する契機になる第二検知手段と、が含まれており、前記第一カウンタおよび前記第二カウンタに対して実行される前記加算処理の少なくとも一部について、前記第一カウンタに対する加算値が前記第二カウンタに対する加算値より大きくなっていることによって、前記第一カウンタに保持されている前記保持値が前記第一範囲内にあり、かつ前記第二カウンタに保持されている前記保持値が前記第二範囲の下限に達する場合がある(2)に記載の遊技機。
(4)前記第一カウンタに保持されている前記保持値が初期値から前記第一範囲の上限に達するまで更新されるために要する前記第一検知手段による検知の最低回数が、前記第二カウンタに保持されている前記保持値が初期値から前記第二範囲の上限に達するまで更新されるために要する前記第一検知手段による検知の最低回数より多くなっている(3)に記載の遊技機。
(5)前記第一判定手段の判定結果に基づいて前記エラー報知が実行される場合と、前記第二判定手段の判定結果に基づく前記エラー報知が実行される場合とで、前記エラー報知制御手段は異なる報知態様で前記エラー報知を実行させる(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(6)前記第一検知手段は、前記遊技媒体の通過を物理的に検知する物理検知素子を含み、前記第二検知手段は、前記遊技媒体の通過を光学的に検知する光学検知素子を含み、前記第一カウンタに保持されている前記保持値が前記第一範囲から外れている場合、前記第一報知制御手段は、程度が強いエラーが発生した旨を示す前記エラー報知を実行させ、前記第二カウンタに保持されている前記保持値が前記第二範囲から外れている場合、前記第二報知制御手段は、程度が弱いエラーが発生した旨を示す前記エラー報知を実行させる(3)
または(4)に従属している(5)に記載の遊技機。
(a)前記遊技媒体である遊技メダルが投入されるメダル投入口と、前記メダル投入口から投入された前記遊技メダルを検知するメダルセレクタと、を備え、前記検知手段は、前記メダルセレクタに含まれており、前記第一報知制御手段および前記第二報知制御手段は、前記メダルセレクタに係るエラーを報知させる(1)に記載の遊技機。