【実施例】
【0087】
特に記載がない限り、実施例における部、割合、比率などはいずれも重量基準である。実施例では、「%T」は、透過率パーセントを意味し、「%H」は、ヘイズパーセントを意味し、「分(minute(s))」は、「min」として略記され、「時間(hour(s))」は、「hr(s)」として略記される。
【0088】
材料:
NALCO 1115(4nm)、NALCO 1050(20nm)、及びNALCO DVSZN004(45nm)のコロイド状シリカは、Nalco Chemical Company(Naperville、Illinois)から、それぞれの商品名NALCO 1115、NALCO 1050、及びNALCO DVSZN004コロイド状シリカで入手した。
【0089】
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(50マイクロメートル厚)は、E.I.du Pont de Nemours(Wilmington、Delaware)から、商品名MELINEX 618で入手した。
【0090】
ソーダ石灰ガラススライドは、VWR international(West Chester、Pennsylvania)から入手し、SOLITEガラスは、Swift Glass Inc.(Elmira Heights、New York)から入手した。これらのガラススライドは、VWR I nternationalのALCONOXクレンザーによる穏やかな擦り洗いによって前処理され、その後、使用前に脱イオン水で十分に洗浄された。
【0091】
TiOSO
4・2H
2Oは、NOAH Technologies Corporation(San Antonio、Texas)から入手した。
【0092】
Zn(NO
3)
2・6H
2Oは、Mallinckrodt Baker,Inc.(Phillipsburg、New Jersey)から入手した。
【0093】
Cu(NO
3)
2・3H
2Oは、Morton Thiokol Inc.(Danvers、Massachusetts)から入手した。
【0094】
SnCl
4・5H
2Oは、Sigma−Aldrich Co.(Saint Louis、Missouri)から入手した。
【0095】
メチレンブルーは、Mallinckrodt Inc.(Paris、Kentucky)から入手した。
【0096】
ガラス及びプラスチック基材のためのコーティング手順
コーティングされたサンプルを、R D Specialties(Webster、New York)の#6巻線コーティングロッド又は242.6mm/minの引き上げ速度でのディップコータのいずれかを使用して、分散溶液をコーティングすることによって生成した。公称湿式コーティング厚=14マイクロメートルであった。乾式コーティング厚は、約100nm〜300nmであった。ガラス基材については、コーティングされたサンプルは、指示通り、120℃で10分間加熱され、続いて300℃〜700℃の温度で2分間加熱された。PET基材については、コーティングされたサンプルは、120℃で10分間加熱された。
【0097】
ガラス基材上にメチレンブルーをコーティングするための手順
メチレンブルーを、脱イオン水に溶解し、1mg/mLに希釈した。メチレンブルー溶液を、242.6mm/minの引き上げ速度でディップコータを使用して、ガラス基材上のチタン変性されたシリカコーティングされた表面及びシリカ上にコーティングした。
【0098】
PETフィルム基材上にメチレンブルーをコーティングするための手順
メチレンブルーを、脱イオン水に溶解し、1ミリグラム/ミリリットル(mg/mL)の濃度に希釈した。メチレンブルー溶液を、#6巻線コーティングロッドを使用して、PET基材上のチタン変性されたシリカコーティングされた表面及びシリカ上にコーティングした。
【0099】
光触媒性試験に使用されるUVランプチャンバ
UVチャンバA:365nmにおいて最大のスペクトル出力を有するUVランプチャンバは、The Southern New England Ultraviolet,Inc.(New Haven、Connecticut)から入手可能な、16個の低圧水銀球を装備するRayonetチャンバリアクタ(RPR−100型)であった。照射されるサンプルは、光反応器の中央に定置した。
【0100】
UVチャンバB:254nmにおいて最大のスペクトル出力を有するUVランプチャンバは、3インチ(7.6cm)の中央部の上に離間された6つの殺菌ランプ(Philips TUV G15T8殺菌球、低圧水銀、15W、254nm、Royal Philips Electronics(Amsterdam、The Netherlands)により市販)の平面的なバンク(bank)であった。サンプルは、殺菌ランプまで3インチ(7.6cm)の距離の位置へ定置した。
【0101】
メチレンブルーの光触媒性劣化試験
コーティングされたガラススライド又はPETフィルムを、光触媒性能試験(上記)のために指示されたUVランプチャンバに入れた。照射時間は、指示通り15分〜5時間であった。
【0102】
透過率、ヘイズ及び吸光度測定
透過率及びヘイズ測定は、BYK−Gardner USA(Columbia、MD、USA)から購入したHAZE−GUARD PLUSを使用して行った。300nm〜900nmの波長における透過率及び吸光度は、PerkinElmer Inc.(Waltham、Massachusetts、USA)のUV−Visスペクトロメータを使用して行った。
【0103】
コーティング溶液の調製
酸性化されたシリカナノ粒子分散液:(複数種類の)コロイド状シリカNALCO 1115、NALCO 1050、及びNALCO DVSZN004を、脱イオン水で10〜3重量パーセントに希釈し、濃縮された水性HNO
3で、pH=2.0〜3.0に個々に酸性化した。
【0104】
酸性化された混合シリカナノ粒子分散液:(複数種類の)コロイド状シリカNALCO 1115、NALCO 1050、及びNALCO DVSZN004を、脱イオン水で希釈し、所望の比率で混合した。その後、溶液混合物を、pH=2〜3に酸性化した。所望の量の金属化合物を、シリカ溶液に添加した。
【0105】
チタン変性されたシリカコーティング溶液の調製
チタン変性されたシリカコーティング溶液を、TiOSO
4・2H
2Oの水性溶液を酸性化されたシリカナノ粒子溶液懸濁液に添加することによって調製した。
【0106】
比較実施例A
NALCO 1115(4nm)及びNALCO 1050(20nm)を、個別に、脱イオン水で10重量パーセントに希釈した。それらを、3:7のそれぞれの重量比で混合し、続いて、得られた分散液を、HNO
3を使用して、pH=2〜3に酸性化した。酸性化された分散液を、#6巻線コーティングロッドを使用して、閃光灯処理したPETフィルム上にコーティングした。コーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。
【0107】
(実施例1)
比較実施例A(2.0g)を、脱イオン水において、10重量パーセントのTiOSO
4・2H
2O溶液0.8571gと混合した。得られた酸性化された分散液は、TiOSO
4・2H
2Oを29.7重量パーセント含有し、この分散液を、#6巻線コーティングロッドを使用して、閃光灯処理したPETフィルム上にコーティングした。コーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。
【0108】
(実施例2)
比較実施例A(2.0g)を、脱イオン水において、10重量パーセントのTiOSO
4・2H
2O溶液4.6667gと混合した。得られた酸性化された分散液は、TiOSO
4・2H
2Oを69.3重量パーセント含有し、この分散液を、#6巻線コーティングロッドを使用して、閃光灯処理したPETフィルム上にコーティングした。コーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。
【0109】
比較実施例A及び実施例1〜2を、#6巻線コーティングロッドを使用して、脱イオン水(1mg/mL)中のメチレンブルー(MB)の溶液でコーティングし、室温で乾燥させた。染料コーティングされたサンプルを、UVチャンバAに入れ、365nmで照射した。サンプルを、1時間毎にチャンバから取り出し、透過率パーセント及びヘイズパーセントを測定した。結果を表1に報告する。結果は、チタンドープシリカコーティングが、シリカコーティング自体よりも、MBのより高い劣化率を有することを示している。
【0110】
【表1】
【0111】
比較実施例B
NALCO 1115(4nm)及びNALCO DVSZN004(45nm)を、個別に、脱イオン水で10重量パーセントに希釈した。それらを、1:2のそれぞれの重量比で混合し、続いて、得られた分散液を、HNO
3を使用して、pH=2〜3に酸性化した。酸性化された分散液を、#6巻線コーティングロッドを使用して、閃光灯処理したPETフィルム上にコーティングした。コーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。
【0112】
(実施例3)
比較実施例B(2.0g)を、脱イオン水中の10重量パーセントのTiOSO
4・2H
2O溶液0.8571gと混合した。得られた酸性化された分散液は、TiOSO
4・2H
2Oを29.7重量パーセント含有し、この分散液を、#6巻線コーティングロッドを使用して、閃光灯処理したPETフィルム上にコーティングした。コーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。
【0113】
比較実施例B及び実施例3を、#6巻線コーティングロッドを使用して、脱イオン水(1mg/mL)脱イオン水溶液中のメチレンブルー(MB)の溶液でコーティングし、室温で乾燥させた。メチレンブルーでコーティングされなかった比較実施例Bのサンプルもまた使用した。染料コーティングされたサンプルを、UVチャンバAに入れ、365nmで照射した。サンプルを、1時間毎にチャンバから取り出し、透過率パーセント及びヘイズパーセントを測定した。結果を表2に報告する。結果は、チタンドープシリカコーティングが、シリカコーティング自体よりも、MBのより高い劣化率を有することを示している。
【0114】
比較実施例B及び実施例3を、#6巻線コーティングロッドを使用して、脱イオン水(1mg/mL)中のメチレンブルー(MB)溶液でコーティングし、室温で乾燥させた。メチレンブルーでコーティングされなかった比較実施例Bのサンプルもまた使用した。染料コーティングされたサンプルを、UVチャンバBに入れ、254nmで照射した。サンプルを、15分毎にチャンバから取り出し、透過率パーセント及びヘイズパーセントを測定した。結果を表3に報告する。結果は、チタンドープシリカコーティングが、シリカコーティング自体よりも、MBのより高い劣化率を有することを示している。
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
(実施例4)
比較実施例B(180グラム)を、45.0グラムのTiOSO
4・2H
2O溶液(10重量パーセント)と混合し、TiOSO
4・2H
2Oを19.8重量パーセント含有する10重量パーセント溶液分散液を得た。50グラムの上記混合物を、脱イオン水により100グラムに希釈し、5固体重量パーセントの分散液が得られた。得られた酸性化された分散溶液は、全固形分の19.8重量パーセントのTiOSO
4・2H
2Oを含有した。
【0118】
比較実施例B及び実施例4のそれぞれの3つのサンプルを、242.6mm/minの引き上げ速度で、SOLITEガラス基材上にディップコーティングした。コーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。比較実施例B及び実施例4のサンプルを、600℃で2分間、更に加熱した。比較実施例B及び実施例4の異なるサンプルを、それらの120℃での10分間の初期加熱の後、700℃で2分間加熱した。得られた6つのサンプルを、同じ速度のディップコータを使用して、1mg/mLの脱イオン水溶液の濃度のメチレンブルー(MB)によってコーティングし、室温で乾燥させた。
【0119】
MBコーティングされたサンプルを、UVチャンバAに入れた。サンプルを、1時間毎にチャンバから取り出し、透過率を測定した。結果を表4に報告する。結果は、チタンドープシリカコーティングが、低温及び高温処理後、シリカコーティング自体よりも、大きい透過率の変化を有することを示している。
【0120】
【表4】
【0121】
(実施例5)
比較実施例B(100g)を、40.920グラムのTiOSO
4・2H
2O(脱イオン水中の10重量パーセント)と混合した。得られた10固体重量パーセントの酸性化分散溶液は、全固形分の28.8重量パーセントのTiOSO
4・2H
2Oを含有した。
【0122】
(実施例6)
実施例5(45g)を、45グラムの脱イオン水と混合した。得られた5個体重量パーセントの酸性化分散溶液は、全固形分の28.8重量パーセントのTiOSO
4・2H
2Oを含有した。
【0123】
実施例5〜6のチタンドープシリカコーティングサンプルを、#6巻線コーティングロッドを使用して、分散溶液実施例5及び実施例6をコーティングすることによって、PET基材上に生成した。全てのコーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。実施例5及び実施例6のサンプルを、#6巻線コーティングロッドを使用して、脱イオン水(1mg/mL)中のメチレンブルー溶液で更にコーティングし、室温で乾燥させた。実施例5及び実施例6のMBコーティングされたサンプルを、UVチャンバA又はBに入れ、光触媒活性試験を行った。サンプルは、UVチャンバBのサンプルについては15分毎に、UVチャンバAのサンプルについては1時間毎にチャンバから取り出し、透過率測定を行った。表5及び6に結果を報告する。
【0124】
比較実施例C
比較実施例B(100g)を、45.478グラムのZn(NO
3)
2・6H
2O(脱イオン水中10重量パーセント)と混合した。得られた10固体重量パーセントの酸性化分散溶液は、全固形分の30.6重量パーセントのZn(NO
3)
2・6H
2Oを含有した。
【0125】
(実施例7)
比較実施例C(45g)を、45グラムの脱イオン水と混合した。得られた5固体重量パーセントの酸性化分散溶液は、全固形分の30.6重量パーセントのZn(NO
3)
2・6H
2Oを含有した。
【0126】
比較実施例C及び実施例7を、#6巻線コーティングロッドを使用して、PET基材上にコーティングした。全てのコーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。比較実施例Cの2つのコーティングされたサンプル及び実施例6の2つのコーティングされたサンプルを、#6巻線コーティングロッドを使用して、脱イオン水(1mg/mL)中のメチレンブルー溶液によって更にコーティングし、室温で乾燥させた。MBコーティングされたサンプルを、UVチャンバA又はUVチャンバBに入れ、光触媒活性試験を行った。MBコーティングされたサンプルを、UVチャンバBのサンプルについては15分毎に、UVチャンバAのサンプルについては1時間毎にチャンバから取り出し、透過率測定を行った。表5及び6に結果を報告する。
【0127】
(実施例8)
比較実施例B(100グラム)を、40.920グラムのTiOSO
4 TiOSO
4・2H
2O(脱イオン水中10固体重量パーセント)及び22.739グラムのZn(NO
3)
2・6H
2O(脱イオン水中10固体重量パーセント)と混合した。得られた10重量パーセントのコーティング溶液は、TiOSO
4・2H
2O(24.7重量パーセント)及びZn(NO
3)
2・6H
2O(13.6重量パーセント)を含有した。
【0128】
(実施例9)
実施例8(45.0g)を、45.0グラムの脱イオン水で希釈した。得られた5固体重量パーセントのコーティング溶液は、全固形分の24.7重量パーセントのTiOSO
4・2H
2O及び全固形分の13.6重量パーセントのZn(NO
3)
2・6H
2Oを含有した。
【0129】
(実施例10)
比較実施例B(100g)を、40.920グラムのTiOSO
4・2H
2O(脱イオン水中10固体重量パーセント)及び45.478グラムのZn(NO
3)
2・6H
2O(脱イオン水中10固体重量パーセント)と混合した。得られた10固体重量パーセントのコーティング溶液は、TiOSO
4・2H
2O(全固形分の21.7重量パーセント)及びZn(NO
3)
2・6H
2O(全固形分の23.9重量パーセント)を含有した。
【0130】
(実施例11)
実施例10(45.0g)を、45.0グラムの脱イオン水で希釈した。得られた5固体重量パーセントのコーティング溶液は、TiOSO
4・2H
2O(全固形分の21.7重量パーセント)及びZn(NO
3)
2・6H
2O(全固形分の23.9重量パーセント)を含有した。
【0131】
実施例8〜11を、#6巻線コーティングロッドを使用して、PETフィルム基材上にコーティングした。全てのコーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。実施例8〜11のそれぞれの2つのコーティングされたサンプルを、#6巻線コーティングロッドを使用して、脱イオン水(1mg/mL)中のメチレンブルー(MB)溶液で更にコーティングし、室温で乾燥させた。
【0132】
MBコーティングされたサンプルを、UVチャンバA及びBに別々に入れ、光触媒活性試験を行った。コーティングされたサンプルを、UVチャンバBのサンプルについては15分毎に、UVチャンバAのサンプルについては1時間毎にチャンバから取り出し、透過率測定を行った。照射後のコーティングサンプルの透過率の変化を、表5(UVチャンバBを使用)及び表6(UVチャンバAを使用)に報告する。結果は、バイメタルの亜鉛及びチタンドープシリカコーティングが、チタンドープシリカコーティングのみよりも良好な光触媒性能を有することを示している。
【0133】
【表5】
【0134】
【表6】
【0135】
比較実施例B〜Cのコーティングされたサンプル、及びソーダ石灰ガラススライド上の実施例5〜11を、242.6mm/minの引き上げ速度でディップコータを使用して、普通のガラス基材上に製造した。全てのコーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。サンプルを、脱イオン水(1mg/mL)中のメチレンブルー(MB)溶液で更にディップコーティングし、室温で乾燥させた。
【0136】
MBコーティングされたサンプルを、UVチャンバA及びBに別々に入れ、光触媒活性試験を行った。コーティングされたサンプルを、UVチャンバBのサンプルについては15分毎に、UVチャンバAのサンプルについては1時間毎にチャンバから取り出し、透過率測定を行った。照射後のコーティングサンプルの透過率の変化を、表7(UVチャンバBを使用)及び表8(UVチャンバAを使用)に報告する。結果は、バイメタルの亜鉛及びチタンドープシリカコーティングは、チタンドープシリカコーティングのみよりも良好な光触媒性能を有することを示している。結果は、ガラス基材上のバイメタルの亜鉛及びチタンドープシリカコーティングは、チタンドープシリカコーティングのみよりも良好な光触媒性能を有することを示している。
【0137】
【表7】
【0138】
【表8】
【0139】
比較実施例Cのコーティングされたサンプル、並びにソーダ石灰ガラススライド上の実施例5、8、及び10を、242.6mm/minの引き上げ速度でディップコータを使用して、ソーダ石灰ガラス基材上に製造した。全てのコーティングされたサンプルを、120℃で10分間、続いて、700℃で2分間加熱した。コーティングされたサンプルを、脱イオン水(1mg/mL)中のメチレンブルー(MB)溶液で更にディップコーティングし、室温で乾燥させた。
【0140】
MBコーティングされたサンプルを、UVチャンバA及びBに別々に入れ、光触媒活性試験を行った。コーティングされたサンプルを、UVチャンバBのサンプルについては15分毎に、UVチャンバAのサンプルについては1時間毎にチャンバから取り出し、透過率測定を行った。照射後のコーティングサンプルの透過率の変化を、表9(UVチャンバBを使用)及び表10(UVチャンバAを使用)に報告する。結果は、バイメタルの亜鉛及びチタンドープシリカコーティングは、チタンドープシリカコーティングのみよりも良好な光触媒性能を示すことを示している。結果は、ガラス基材上の亜鉛/チタンドープシリカコーティングは、700℃での高温処理後、チタンドープシリカコーティングのみよりも良好な光触媒性能を有することを示している。
【0141】
【表9】
【0142】
【表10】
【0143】
(実施例12)
比較実施例B(100g)を、40.920グラムのTiOSO
4・2H
2O(脱イオン水中10固体重量パーセント)及び14.767グラムのSnCl
4・5H
2O(脱イオン水中10固体重量パーセント)と混合した。得られた10重量パーセントのコーティング溶液は、TiOSO
4・2H
2O(全固形分の26.0重量パーセント)及びSnCl
4・5H
2O(全固形分の9.3重量パーセント)を含有した。
【0144】
(実施例13)
比較実施例B(100g)を、40.920グラムのTiOSO
4・2H
2O(脱イオン水10固体重量パーセント)及び29.534グラムのSnCl
4・5H
2O(脱イオン水中10固体重量パーセント)と混合した。得られた10重量パーセントのコーティング溶液は、TiOSO
4・2H
2O(全固形分の23.8重量パーセント)及びSnCl
4・5H
2O(全固形分の17.0重量パーセント)を含有した。
【0145】
実施例5、12、及び13を、#6巻線コーティングロッドを使用してPETフィルム上に、かつ、242.6mm/minの引き上げ速度でディップコータを使用して、ソーダ石灰ガラススライド上にコーティングした。全てのコーティングされたサンプルを、120℃で10分間加熱した。コーティングされたサンプルを、#6巻線コーティングロッドを使用して、脱イオン水(1mg/mL)中でメチレンブルー(MB)溶液で更にコーティングし又はディップコーティングして、室温で乾燥させた。
【0146】
MBコーティングされたサンプルを、UVチャンバA及びBに別々に入れ、光触媒活性試験を行った。コーティングされたサンプルを、UVチャンバBのサンプルについては15分毎に、UVチャンバAのサンプルについては1時間毎にチャンバから取り出し、透過率測定を行った。照射後のコーティングサンプルの透過率の変化を、表11(UVチャンバBを使用)及び表12(UVチャンバAを使用)に報告する。結果は、表11〜12において報告される。結果は、錫/チタンドープシリカコーティングは、チタンドープシリカコーティングのみよりも良好な光触媒性能を有することを示している。
【0147】
【表11】
【0148】
【表12】
【0149】
X線散乱分析のための試験方法
反射配置データは、PANalytical Empyrean回折計、銅K
α放射線、及び散乱放射線のPIXcel検出器レジストリを使用することにより、サーベイスキャンの形態で収集した。回折計には、可変入射ビームスリット及び回折ビームスリットが装着されていた。0.04度の刻み幅及び1200秒のドウェル時間を用いて、5〜80度(2θ)の結合連続モードで、サーベイスキャンを行った。40kV及び40mAのX線発生装置設定を使用した。
【0150】
実施例14〜16及び比較実施例D
実施例14〜16は、#6巻線コーティングロッド(公称湿式コーティング厚=14マイクロメートル)を使用して、コーティング金属ドープシリカ分散液をソーダ石灰ガラス基材(Brin Northwestern GlassCompany(Minneapolis、Minnesota)から入手)にコーティングすることによって調製した。金属ドープコロイド状シリカ分散液は、NALCO 1115シリカゾルを脱イオン水で10固体重量パーセントに希釈し、希釈されたシリカゾルを濃縮されたHNO
3で約2〜3のpHに酸性化し、続いて所望の量の水性金属化合物溶液(10重量パーセントのSnCl
4・5H
2O、TiOSO
4・2H
2O、又はZn(NO
3)
2・6H
2O)を添加することによって調製した。実施例14〜16のそれぞれのコーティング組成物に添加された金属陽イオンの量及び種類を、以下の表13に要約する。コーティングされたサンプルは、続いて室温で乾燥させ、その後、120℃で10分間更に硬化させた。最終的なコーティングされたサンプルは、光学的に透明であり、かつ透き通っていた。分析のための粉末を、コーティングをガラス基材から削り取ることによって収集した。このように調製されたサンプルを、上記のX線散乱分析の試験方法に従って分析した。その結果を以下の表13に報告する。
【0151】
比較実施例Dは、#6巻線コーティングロッド(公称湿式コーティング厚=14マイクロメートル)を使用して、シリカ分散液をソーダ石灰ガラス基材上にコーティングすることによって調製した。シリカ分散液は、NALCO 1115シリカゾルを脱イオン水で10固体重量パーセントに希釈し、希釈されたシリカゾルを濃縮されたHNO
3で約2〜3のpHに酸性化することによって調製した。コーティングされたサンプルは、続いて室温で乾燥させ、その後、120℃で10分間更に硬化させた。最終的なコーティングされたサンプルは、光学的に透明であり、かつ透き通っていた。粉末を、コーティングをガラス基材から削り取ることによって収集し、続いて、実施例16と同じ比のシリカ/金属化合物を有するように所望の量の固形分のTiOSO
4・2H
2O粉末と混合した。
【0152】
【表13】
【0153】
当業者であれば、より詳細に添付の特許請求の範囲に記載される本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく本開示に対する他の改変及び変更を実施することが可能である。様々な実施形態の態様を様々な実施形態の他の態様と部分的若しくは全体的に互換すること又は組み合わせることが可能であることが理解される。特許証のための上記の出願において引用された、参照文献、特許、又は特許出願はいずれも一貫性を有するようにそれらの全容を参照することにより本明細書に援用される。これらの援用文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、上記の説明文における情報が優先するものとする。特許請求される開示を当業者が実施することを可能ならしめるために示される上記の説明は、特許請求の範囲及びその全ての均等物によって規定される本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。