特許第6362605号(P6362605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6362605複数の摩擦フェーシングエレメントを1つの摩擦フェーシング支持体に取り付ける方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6362605
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】複数の摩擦フェーシングエレメントを1つの摩擦フェーシング支持体に取り付ける方法および装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 69/04 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
   F16D69/04 A
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-534912(P2015-534912)
(86)(22)【出願日】2013年9月11日
(65)【公表番号】特表2015-530545(P2015-530545A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】DE2013200168
(87)【国際公開番号】WO2014053129
(87)【国際公開日】20140410
【審査請求日】2016年9月9日
(31)【優先権主張番号】102012218018.4
(32)【優先日】2012年10月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン シュタインメッツ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック クネヒト
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−151175(JP,A)
【文献】 特開2005−140256(JP,A)
【文献】 特開2002−181096(JP,A)
【文献】 特開平08−233005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D49/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の摩擦フェーシングエレメント(6,7)を1つの摩擦フェーシング支持体(4)に取り付ける方法において、
摩擦フェーシングエレメント(6,7)を、地球の重力を基準として、水平に保持し、
摩擦フェーシングエレメント(6,7)の被着前に、摩擦フェーシング支持体(4)に上下両側からベース接着コーティングを設け、
以下の後続処理ステップ:すなわち、
a)乾き始めたベース接着コーティングを備えた摩擦フェーシング支持体(4)を上下両側から加熱する;
b)乾き始めたベース接着コーティングに上下両側から溶剤を塗布する;
c)乾き始めたベース接着コーティングに上下両側から粘着剤を塗布する:
のうちの少なくとも1つの後続処理ステップを実施し、
摩擦フェーシングエレメント(6,7)を摩擦フェーシング支持体(4)の互いに逆向きの両面に同時に被着する
ことを含むことを特徴とする、複数の摩擦フェーシングエレメントを1つの摩擦フェーシング支持体に取り付ける方法。
【請求項2】
摩擦フェーシング支持体(4)の互いに逆向きの両面に設けられる摩擦フェーシングエレメント(6,7)を、該摩擦フェーシングエレメント(6,7)を摩擦フェーシング支持体(4)の互いに逆向きの両面に被着する前にまたは被着する間に摩擦フェーシング中間製品(21,22)から形成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
摩擦フェーシング支持体(4)の互いに逆向きの両面に設けられる摩擦フェーシングエレメント(6,7)を、該摩擦フェーシングエレメント(6,7)を摩擦フェーシング支持体(4)の互いに逆向きの両面に被着する前にまたは被着する間に摩擦フェーシング中間製品(21,22)から打ち抜く、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
摩擦フェーシング支持体(4)の互いに逆向きの両面に設けられた摩擦フェーシングエレメント(6,7)を、打抜き時にまたは打抜き後に摩擦フェーシング支持体(4)と共にプレス結合しかつ/または加熱する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
求項1からまでのいずれか1項記載の方法により複数の摩擦フェーシングエレメント(6,7)を1つの摩擦フェーシング支持体(4)に取り付ける装置(1)において、
摩擦フェーシング支持体(4)の互いに逆側に、摩擦フェーシングエレメント(6,7)を摩擦フェーシング支持体(4)の互いに逆向きの両面に同時に被着することができる機械(11,12)が配置されていることを特徴とする、複数の摩擦フェーシングエレメントを1つの摩擦フェーシング支持体に取り付ける装置。
【請求項6】
機械(11,12)が、自動打抜き機として形成されている、請求項記載の装置。
【請求項7】
第1の機械(11)が、地球の重力を基準として、摩擦フェーシング支持体(4)の上側に配置されており、第2の機械(12)が、地球の重力を基準として、摩擦フェーシング支持体(4)の下側に配置されている、請求項または記載の装置。
【請求項8】
装置(1)が、摩擦フェーシングエレメント(6,7)を摩擦フェーシング支持体(4)の互いに逆向きの両面に同時に被着することができる機械(11,12)の間に部分的に配置された円テーブルを有している、請求項からまでのいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の摩擦フェーシングエレメントを1つの摩擦フェーシング支持体に取り付ける方法および装置に関する。
【0002】
欧州特許第0833069号明細書のドイツ語への翻訳文DE69701946T2に基づき、複数のセグメントから成る摩擦フェーシングを備えた摩擦板が公知である。
【0003】
本発明の課題は、1つの摩擦フェーシング支持体への複数の摩擦フェーシングエレメントの取付けを簡略化することである。
【0004】
この課題は、複数の摩擦フェーシングエレメントを1つの摩擦フェーシング支持体に取り付ける方法において、摩擦フェーシングエレメントを摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に同時に被着することによって解決される。摩擦フェーシングエレメントは、好ましくはセグメント分割されていて、摩擦フェーシングパッドとも呼ばれる。摩擦フェーシング支持体は、好ましくは、特に鋼板材料から成る支持金属薄板である。摩擦フェーシング支持体への摩擦フェーシングエレメントの被着時には、摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に摩擦フェーシングエレメントが少なくとも初期接着される。この初期接着は、粘着とも呼ばれる。摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面への摩擦フェーシングエレメントの被着は、1つには、摩擦フェーシング支持体のための手間のかかる反転ユニットを省略することができるという利点を提供する。さらに、摩擦フェーシング支持体への摩擦フェーシングエレメントの両側からの被着によって、力マネージメントが大幅に簡略化される。なぜならば、摩擦フェーシング支持体への摩擦フェーシングエレメントの両側からの被着時に作用する力が相互に相殺されるからである。
【0005】
本発明に係る方法の好適な態様は、摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に設けられる摩擦フェーシングエレメントを、これらの摩擦フェーシングエレメントを摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に被着する前にまたは被着する間に摩擦フェーシング中間製品から形成することを特徴としている。摩擦フェーシングエレメントは、有利には、摩擦フェーシング支持体への被着直前にまたは被着中に形成される。これによって、摩擦フェーシングエレメントの取扱いが大幅に簡略化される。
【0006】
本発明に係る方法の別の好適な態様は、摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に設けられる摩擦フェーシングエレメントを、これらの摩擦フェーシングエレメントを摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に被着する前にまたは被着する間に摩擦フェーシング中間製品から打ち抜くことを特徴としている。特に有利には、摩擦フェーシングエレメントは、その都度ただ1回の運動によって摩擦フェーシング中間製品から打ち抜かれ、摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に被着される。これによって、摩擦フェーシング支持体への摩擦フェーシングエレメントの取付けを大幅に加速させることができる。
【0007】
本発明に係る方法の別の好適な態様は、摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に設けられた摩擦フェーシングエレメントを、打抜き時にまたは打抜き後に摩擦フェーシング支持体と共にプレス結合しかつ/または加熱することを特徴としている。場合によっては、摩擦フェーシングの完全硬化のために必要となる熱エネルギを打抜き時に直接摩擦フェーシングエレメントに供給することが可能である。択一的または付加的には、摩擦フェーシング支持体が、初期接着された摩擦フェーシングエレメントと共に熱間プレス機に供給されてもよく、これによって、最終的な完全硬化が行われるかもしくは摩擦フェーシングエレメントが摩擦フェーシング支持体に結合されるかもしくは摩擦フェーシングエレメント同士が互いに結合される。
【0008】
本発明に係る方法の別の好適な態様は、摩擦フェーシングエレメントを摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に被着する前に、摩擦フェーシング支持体に定着用の媒体を塗布することを特徴としている。定着用の媒体は、たとえば溶剤もしくは感圧性接着剤である。定着用の媒体は、最終的に、たとえば熱間プレス機内で摩擦フェーシングを摩擦フェーシング支持体に不動に結合するかもしくは摩擦フェーシング同士を互いに不動に結合する前に、摩擦フェーシングを摩擦フェーシング支持体に位置決めするために役立つ。定着用の媒体は摩擦フェーシング支持体に、たとえばスプレー法、ジェット法または接触法によって被着することができる。
【0009】
本発明に係る方法の別の好適な態様は、摩擦フェーシングエレメントの被着前に、摩擦フェーシング支持体に両側から、特に上下からベース接着コーティングを設けることを特徴としている。好ましくは金属製の摩擦フェーシング支持体は、両側から接着剤、たとえばフェノール樹脂接着剤でコーティングされる。このコーティングは、ベース接着コーティングとも呼ばれる。接着剤の塗布は、接着剤浴内への摩擦フェーシング支持体の浸漬によって行われてもよいし、少なくとも1つの転動エレメントを用いて行われてもよいし、複数の転動エレメントで行われてもよい。接着剤は塗布後に乾き始め、仮に摩擦フェーシングエレメントに接触したとしても、この段階では摩擦フェーシングエレメントを保持しないかまたは固着しない。
【0010】
本発明に係る方法の別の好適な態様は、ベース接着コーティングを備えた摩擦フェーシング支持体への摩擦フェーシングエレメントの固着または保持を達成するために、以下の後続処理ステップのうちの少なくとも1つの後続処理ステップを実施することを特徴としている。第1の変化態様によれば、乾き始めたベース接着コーティングを備えた摩擦フェーシング支持体を両側から加熱する;この加熱によって、乾き始めたベース接着コーティングが再び液化され、これによって、接着可能な状態が達成される。第2の変化態様によれば、乾き始めたベース接着コーティングに両側から溶剤を塗布する;この溶剤は、たとえば、乾き始めたベース接着コーティングにスプレー塗布され、これによって、ベース接着コーティングが再び液化される。次いで、パッドとも呼ばれる摩擦フェーシングエレメントを被着することができる。溶剤によって、乾き始めたベース接着コーティングの再度の接着可能な状態が発生させられる。第3の変化態様によれば、乾き始めたベース接着コーティングに両側から粘着剤を塗布する;感圧性接着剤は、乾き始めたベース接着コーティングに前置ユニットにおいてスプレー塗布することができる。粘着剤は、たとえば螺線状に被着することができる。粘着剤は、ベース接着コーティングを形成する接着剤に類似していてもよいし、同一であってもよい。粘着剤または感圧性接着剤の塗布によって、乾き始めたベース接着コーティングの再度の接着可能な状態が発生させられる。第4の変化態様によれば、粘着剤または感圧性接着剤を、コーティングされていない摩擦フェーシング支持体に両側から、すなわち、上下から、たとえば螺線状に塗布、特にスプレー塗布する。この第4の変化態様では、ベース接着コーティングの被着を省略することができる。
【0011】
上述した課題は、択一的または付加的には、特に前述した方法により複数の摩擦フェーシングエレメントを1つの摩擦フェーシング支持体に取り付ける装置において、摩擦フェーシング支持体の互いに逆の両側に、摩擦フェーシングエレメントを摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に同時に被着することができる機械が配置されていることによって解決されている。これら両機械は、好ましくは、摩擦フェーシング支持体、特に支持金属薄板が、これに位置決めされた摩擦フェーシングエレメント、特にセグメント分割された摩擦フェーシングと共に熱間プレス機に供給される前に、摩擦フェーシング支持体に摩擦フェーシングエレメントを位置決めするために働く。特に有利には、本発明に係る装置は、摩擦フェーシングエレメントを必要に応じて片側からしか摩擦フェーシング支持体に取り付けないためにも適している。
【0012】
本発明に係る装置の好適な態様は、機械が、自動打抜き機として形成されていることを特徴としている。この自動打抜き機によって、摩擦フェーシングエレメントを摩擦フェーシング中間製品から1回の作業工程で打ち抜くことができ、摩擦フェーシング支持体に取り付けることができる。
【0013】
本発明に係る装置の別の好適な態様は、第1の機械が、地球の重力を基準として、摩擦フェーシング支持体の上側に配置されており、第2の機械が、地球の重力を基準として、摩擦フェーシング支持体の下側に配置されていることを特徴としている。すなわち、摩擦フェーシング支持体が、地球の重力を基準として、両機械の間に配置されている。この配置によって、摩擦フェーシングエレメントを、有利には下側からも上側からも同時に互いに逆向きの供給方向で摩擦フェーシング支持体に位置決めすることができる。
【0014】
本発明に係る装置の別の好適な態様は、装置が、摩擦フェーシングエレメントを摩擦フェーシング支持体の互いに逆向きの両面に同時に被着することができる機械の間に部分的に配置された円テーブルを有していることを特徴としている。この態様では、機械が、有利には半径方向で円テーブルの中心点に向かって走行可能であり、また、円テーブルの中心点から離れる方向に走行可能である。
【0015】
本発明に係る装置の別の好適な態様は、機械が、摩擦フェーシングエレメントもしくは摩擦フェーシング中間製品に媒体を塗布するための少なくとも1つの塗布装置、好ましくは、それぞれ1つの塗布装置に組み合わされていることを特徴としている。媒体は、好ましくは定着用の媒体、たとえば溶剤、または感圧性接着剤である。定着用の媒体は、摩擦フェーシング支持体が、これに位置決めされた摩擦フェーシングエレメントと共に熱間プレス機に供給される前に、摩擦フェーシングエレメントを摩擦フェーシング支持体に初期接着するために役立つ。塗布装置は、たとえばスプレー装置またはジェット装置である。
【0016】
本発明の更なる利点、特徴および詳細は、種々異なる実施の形態を図面を参照しながら詳しく説明する以下の記述から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る装置の簡単な平面図である。
図2図1に示した装置の正面図である。
【0018】
図1および図2には、複数の摩擦フェーシングエレメント6,7を1つの摩擦フェーシング支持体4に取り付けるための装置1が、それぞれ異なる方向から見た図で極めて簡単に示してある。摩擦フェーシング支持体4は、たとえば円テーブル上に回転可能に配置された支持金属薄板である。矢印5によって、摩擦フェーシング支持体4が、図1で見て反時計回り方向に回転可能であることが示してある。摩擦フェーシング支持体4は時計回り方向に回転させられてもよい。
【0019】
摩擦フェーシングエレメント6,7は、摩擦フェーシングパッドとも呼ばれるセグメント分割された摩擦フェーシングである。摩擦フェーシングパッド6,7は、本発明に係る装置1によって摩擦フェーシング支持体4に位置決めされる。摩擦フェーシングエレメント6,7または摩擦フェーシングパッドの位置決めは、初期接着または粘着とも呼ばれる。以下の方法ステップでは、摩擦フェーシング支持体4が、初期接着された摩擦フェーシングエレメント6,7と共に熱間プレス機に供給され、これによって、摩擦フェーシングエレメント6,7が摩擦フェーシング支持体4に不動に結合されるかもしくは摩擦フェーシングエレメント6,7同士が互いに不動に結合される。
【0020】
装置1は、特に有利には摩擦フェーシング支持体4の互いに逆向きの両面に摩擦フェーシングエレメント6,7を被着することができる2つの機械11,12を有している。図2に認められるように、両機械11,12は、摩擦フェーシング支持体4の互いに逆側に配置されている。図1に矢印14によって示したように、両機械11,12は、摩擦フェーシング支持体4の中心点に向かって運動することができ、これによって、図2に認められるように、両機械11,12の間に摩擦フェーシング支持体4の所定の区分またはセグメントが配置されるようになっている。
【0021】
図2には、摩擦フェーシング支持体4の回転軸線20もしくは摩擦フェーシング支持体4が配置された円テーブルの回転軸線20が示してある。摩擦フェーシング支持体4は、矢印5によって示したように、円テーブル上で回転可能である。回転軸線20は地球の重力の作用線に相当している。
【0022】
機械11は、図2で見て左側、すなわち、摩擦フェーシング支持体4の下側に配置されている。機械12は、図2で見て右側、すなわち、摩擦フェーシング支持体4の上側に配置されている。したがって、両機械11,12の間に摩擦フェーシング支持体4の所定の区分またはセグメントが配置されている。
【0023】
機械11,12は自動打抜き機として形成されている。この自動打抜き機11,12に摩擦フェーシングエレメント6,7は摩擦フェーシング中間製品21,22の形態で供給される。矢印31,32によって示したように、この摩擦フェーシング中間製品21,22から機械11,12によって、それぞれ4つの摩擦フェーシングエレメント6,7が打ち抜かれ、摩擦フェーシング支持体4に位置決めされる。
【0024】
本発明の別の態様によれば、前置された円テーブルステーションに、摩擦フェーシング支持体4に媒体を塗布するための塗布装置が配置されている。この塗布装置は、好ましくは、摩擦フェーシング中間製品21,22を自動打抜き機11,12に供給する前に、摩擦フェーシング支持体4の両面に定着剤を塗布するスプレー装置である。定着剤は、摩擦フェーシングエレメント6,7を摩擦フェーシング支持体4に位置決めする粘着剤または感圧性接着剤である。
【0025】
摩擦フェーシング支持体4は、これに初期接着された摩擦フェーシングエレメント6,7と共に熱間プレス機に供給され、これによって、摩擦フェーシングエレメント6,7同士が互いに不動に結合されると共に摩擦フェーシングエレメント6,7が摩擦フェーシング支持体4に不動に結合される。摩擦フェーシングエレメント6,7は摩擦フェーシング支持体4と共に、好ましくは、多板クラッチの湿式の摩擦フェーシング付き薄板を形成するために役立つ。
【0026】
摩擦フェーシングエレメント6,7は、結合剤としてフェノール樹脂を含んでいてよい。結合剤は熱間プレス機において完全硬化させられる。摩擦フェーシングエレメント6,7は、熱硬化性樹脂とエラストマとの材料複合体から形成されていてもよい。さらに、摩擦フェーシングエレメント6,7は、樹脂混合物内に含浸させられた糸から成る巻成された複合体によって製造されてもよい。
【0027】
摩擦フェーシング支持体4は、好ましくは、両面が接着剤、たとえばフェノール樹脂接着剤でコーティングされた金属製の支持エレメントである。コーティングはベース接着コーティングとも呼ばれる。接着剤の被着は、接着剤浴内への支持エレメントの浸漬によって行われてもよいし、1つ以上の転動エレメントによって行われてもよい。接着剤の被着後、後続処理のための4種類の変化形態を実施することができる。
【0028】
第1の変化形態では、乾き始めたベース接着コーティングが温度によって両側から、すなわち、上下から加熱され、再び液化される。加熱による熱によって、ベース接着コーティングの再度の接着可能な状態が発生させられる。
【0029】
第2の変化形態では、乾き始めたベース接着コーティングに両側から溶剤がスプレー塗布され、これによって、ベース接着コーティングが再び液化される。次いで、機械11,12において、パッドとも呼ばれる摩擦フェーシングエレメント6,7を被着することができる。第2の変化形態では、乾き始めたベース接着コーティングの再度の接着可能な状態が、溶剤によって発生させられる。
【0030】
第3の変化形態では、ベース接着コーティングの乾き始めた接着剤に前置ユニットにおいて両側から、スプレー可能な粘着剤または感圧性接着剤がスプレー塗布される。この粘着剤または感圧性接着剤は、たとえば螺線状に塗布することができる。この感圧性接着剤または粘着剤のスプレー塗布によって、乾き始めたベース接着コーティングの再度の接着可能な状態が発生させられる。
【0031】
第4の変化形態では、支持エレメントにベース接着コーティングが設けられない。その代わりに、前述した第3の変化形態の感圧性接着剤または粘着剤が、摩擦フェーシング支持体4のコーティングされていない金属に両側から、すなわち、上下から、たとえば螺線状に塗布、特にスプレー塗布される。感圧性接着剤または粘着剤の塗布によって、接着性の状態が発生させられる。
【0032】
第2の変化形態が特に好適である。上述した全ての変化形態は、円テーブルにおいて実施される。前述した変化形態は、好ましくは、円テーブルの機械11,12の上流側の前置ステーションにおいて実施される。摩擦フェーシング支持体4は、1つの変化形態の実施の間、複数回の回転を実施することができるのに対して、機械11,12は、摩擦フェーシングエレメント6,7もしくはパッドの貼付けが十分に提供されるまで作動させられないままである。その後初めて、機械またはステーション11,12が作動させられる。
【0033】
前述した4つの全ての方法は、摩擦フェーシング支持体4を上方からだけでなく、下方からも処理するために適している。これによって、特に下方からの摩擦フェーシング支持体4の処理が可能となる。なぜならば、上述した変化形態が滴形成なしに実施可能であるからである。前述した変化形態のうちの少なくとも1つの変化形態の実施後、熱間プレスが実施され、これによって、接着剤が引き続き架橋される。この接着剤は、好ましくはフェノール樹脂接着剤である。
【符号の説明】
【0034】
1 装置
4 摩擦フェーシング支持体
5 矢印
6 摩擦フェーシングエレメント
7 摩擦フェーシングエレメント
11 機械
12 機械
14 矢印
20 回転軸線
21 摩擦フェーシング中間製品
22 摩擦フェーシング中間製品
31 矢印
32 矢印
図1
図2