(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のトランジスタは、前記複数の画素領域のうち前記第1のトランジスタが配置される第1の画素領域の前記活性領域と、前記第1の画素領域の前記活性領域から見て前記第1の画素領域の前記一方および他方の浮遊容量領域側に隣り合う第2の画素領域の前記活性領域との間に配置される、請求項1に記載の半導体装置。
前記第1のトランジスタは、前記2つの転送トランジスタからの電気信号を増幅する増幅トランジスタと、前記転送トランジスタの蓄積する電気信号をリセットするリセットトランジスタとの双方を含む、請求項1に記載の半導体装置。
前記第1のトランジスタは、前記2つの転送トランジスタからの電気信号を増幅する増幅トランジスタと、前記転送トランジスタの蓄積する電気信号をリセットするリセットトランジスタとの双方を含む、請求項11に記載の半導体装置。
前記第1のトランジスタは、前記画素領域内において、2つの前記光電変換素子のうち一方の前記光電変換素子と他方の前記光電変換素子との並ぶ方向に関して前記一方の光電変換素子と前記他方の光電変換素子との間に配置される、請求項1に記載の半導体装置。
前記第1のトランジスタは、前記2つの転送トランジスタからの電気信号を増幅する増幅トランジスタと、前記転送トランジスタの蓄積する電気信号をリセットするリセットトランジスタとの双方を含む、請求項16に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず一実施の形態の半導体装置の半導体基板の主表面における各素子形成領域の配置について
図1〜
図2を用いて説明する。
【0011】
図1を参照して、半導体装置は、半導体基板SUBをベースとする半導体ウェハSCWに形成されている。半導体ウェハSCWには、複数のCMOSセンサ用のチップ領域IMCが形成されている。複数のチップ領域IMCの各々は矩形の平面形状を有し、行列状に配置されている。また複数のチップ領域IMCの間には、ダイシングライン領域DLRが形成されている。
【0012】
図2を参照して、各々のチップ領域IMCは画素部と周辺回路部とを有している。画素部はチップ領域IMCの中央部に形成され、周辺回路部は画素部の周囲を取り囲む領域に形成されている。
【0013】
図3および
図4を参照して、本実施の形態の第1例においては、
図2の画素部にはフォトダイオードPDと、転送トランジスタTXと、増幅トランジスタAMIと、リセットトランジスタRSTと、選択トランジスタSELを主に有しており、これらにより構成される画素領域が複数、行列状に配置されている。すなわち
図3において点線で区画される矩形状(または正方形状)の領域が画素領域に相当する。
【0014】
なお
図3において点線で区画される各画素領域の境界部上にリセットトランジスタRSTの一部などが重畳するように載置されているが、これは一例であり、各画素領域の境界部はたとえばその内部の画素領域内にすべてのトランジスタがはみ出ることなく配置されるように設けられてもよい。
【0015】
各画素領域を構成するベースである半導体基板SUBには、たとえば平面視において矩形状を有する活性領域ARが形成されている。ここでは画素領域とは、単一の活性領域ARおよびその内部に形成されるフォトダイオードPD、ならびに当該フォトダイオードPDと接続される上記の転送トランジスタTX、増幅トランジスタAMI、リセットトランジスタRSTなどにより形成される構成単位を意味するものと定義する。上記のように画素部にはこの画素領域が複数、行列状に配置されている。
【0016】
活性領域ARはたとえば半導体基板SUB内に導電性不純物が注入された領域として形成されている。活性領域AR内には、たとえば
図3の左右方向に関して互いに間隔をあけて複数、たとえば2つのフォトダイオードPDが配置されている。ここでフォトダイオードPDは、光を受けることにより光電変換により電荷を発生することが可能な光電変換素子を意味しており、後述するように半導体基板SUB内にp型の不純物領域とn型の不純物領域とがpn接合された構成を有している。なお活性領域AR内に3つ以上のフォトダイオードPDが配置されてもよい。
【0017】
各画素領域内には、2つのフォトダイオードPDのそれぞれと間隔をあけて、たとえば活性領域ARと同様に導電性不純物が注入された領域としてのフローティング拡散領域FDが形成されている。フローティング拡散領域FDは、フォトダイオードPDから出力される電気信号(フォトダイオードPDの光電変換により得られる電荷の信号)を取り出し蓄積することが可能な浮遊容量領域であり、2つのフォトダイオードPDのそれぞれからの電気信号を蓄積可能とすべく、各画素領域内に2つのフローティング拡散領域FDが配置されている。
【0018】
平面視においてフォトダイオードPDとフローティング拡散領域FDとの間には、転送ゲート電極Tgが配置されており、フォトダイオードPDとフローティング拡散領域FDと転送ゲート電極Tgとにより、転送トランジスタTXが構成されている。転送ゲート電極Tgは各画素領域内の2つのフォトダイオードPDと2つのフローティング拡散領域FDとの間に(2つ)配置されている。このため各画素領域内には2つのフォトダイオードPD、2つのフローティング拡散領域FDおよび2つの転送ゲート電極Tgのそれぞれにより、2つの転送トランジスタTXが配置されている。
【0019】
図3および
図4においてはフォトダイオードPDおよびフローティング拡散領域FDは図の上下方向に延びる平面形状を有しており、フォトダイオードPDとフローティング拡散領域FDとは図の上下方向に関して(転送ゲート電極Tgを介在して)ほぼ一直線上に並ぶように配置されている。また転送ゲート電極Tgはこれらに交差するように図の左右方向に延びる平面形状を有している。ただし上記の平面形状は一例でありこれに限られない。
【0020】
これらのフォトダイオードPD、フローティング拡散領域FDおよび転送ゲート電極Tgにより、転送トランジスタTXが構成されている。転送トランジスタTX内において、フォトダイオードPDは電荷を供給する電界効果トランジスタのソース領域として、フローティング拡散領域FDは電荷を受けて蓄積し、さらに他のトランジスタなどに当該電荷を供給するドレイン領域として、転送ゲート電極Tgはゲート電極として機能する。このため転送ゲート電極Tgは部分的にこれに隣接するフォトダイオードPDおよびフローティング拡散領域FDと重なることが好ましい。
【0021】
画素領域内においては、上記の転送トランジスタTXは、たとえば図中の配線M1などを介在して、フォトダイオードPDからの電荷を、画素領域内における転送トランジスタTXの外側に配置される他のトランジスタである増幅トランジスタAMI、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELに転送する。
【0022】
増幅トランジスタAMIは、ソース/ドレイン領域としての増幅活性領域Aaと、ゲート電極としての増幅ゲート電極Agとを有する電界効果トランジスタの一種である。同様に、リセットトランジスタRSTは、ソース/ドレイン領域としてのリセット活性領域Raと、ゲート電極としてのリセットゲート電極Rgとを有し、選択トランジスタは、ソース/ドレイン領域としての選択活性領域Saと、ゲート電極としての選択ゲート電極Sgとを有する、電界効果トランジスタの一種である。
【0023】
増幅トランジスタAMIは、フォトダイオードPDの光電変換による信号電荷を増幅するための電界効果トランジスタである。リセットトランジスタRSTは、行リセット線に電圧印加してオン状態とすることにより、転送トランジスタTXのフローティング拡散領域に接続されるノードに蓄積された電荷を周期的にリセットするための電界効果トランジスタである。また選択トランジスタSELは、行列状に配置された画素が接続される行選択線のうち任意の1行を選択し、当該1行の行選択線に接続される画素を選択するための電界効果トランジスタである。
【0024】
図3および
図4においては2つの転送トランジスタTXのそれぞれが同じ方向に(2つの転送トランジスタTXのいずれもが図の上側にフォトダイオードPDが、下側にフローティング拡散領域FDが並ぶように)配置されている。このため2つの転送トランジスタTXのうち一方の転送トランジスタTXのフローティング拡散領域FDと他方の転送トランジスタTXのフローティング拡散領域FDとは
図3などの左右方向に並ぶように配置されている。これにより、
図3および
図4においては、第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIが、平面視において左右方向に並ぶ、画素領域内の2つの転送トランジスタTXのうち一方のフローティング拡散領域FDと他方のフローティング拡散領域FDの間に配置されている。
【0025】
図3および
図4においては特に、2つのフローティング拡散領域FDのそれぞれと、それらの間の第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIとが、平面視において図の左右方向に一直線に並ぶように配置されている。
【0026】
第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIは、単一の画素領域あたり1つ配置されており、これがその図の左側および右側の双方に配置される2つの転送トランジスタTXにより共用される。ここで共用とは、単一の画素領域内の2つの転送トランジスタTXの双方からの電気信号がこれらの間に配置された上記の単一の増幅トランジスタAMIに送られ、単一の増幅トランジスタAMIが当該電気信号を受けて増幅する処理を行なうことを意味する。言い換えれば単一の画素領域内の2つの転送トランジスタTXの双方が、当該単一の増幅トランジスタAMIを共有している。
【0027】
本実施の形態においては、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELともに(増幅トランジスタAMIと同様に)、単一の画素領域あたり1つ配置されている。
図3および
図4の選択トランジスタSELが配置される位置はあくまで一例であり、これに限られない。
【0028】
リセットトランジスタRSTは、平面視において2つのフローティング拡散領域FDとこれらの間の増幅トランジスタAMIとを結ぶ一直線の(
図3および
図4の右側の)延長線上に配置されている。言い換えればリセットトランジスタRSTは2つのフローティング拡散領域FDのそれぞれと、平面視において一直線上に並んでいる。そして上記の2つのフローティング拡散領域FDのそれぞれと、これらの間の増幅トランジスタAMIのたとえば増幅ゲート電極Agと、リセットトランジスタRSTのリセット活性領域Raとが、たとえばコンタクトCTを介在して図の左右方向に一直線状に延びる配線M1に電気的に接続される。これにより、第2のトランジスタとしてのリセットトランジスタRSTは第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIから出力される電気信号を受けることを可能とする。
【0029】
なお
図4においては説明の便宜上、2つのフローティング拡散領域FDを結ぶ領域のみに配線M1が示されているが、実際には図示されないが他の領域にも配線M1が引き回されている。
【0030】
図3および
図4においては増幅ゲート電極Agは(転送ゲート電極Tgと同様に)図の左右方向に延びる平面形状を有し、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELの各ゲート電極は図の上下方向に延びる平面形状を有している。しかしこの配置は一例でありこれに限られない。たとえば転送ゲート電極Tgとリセットゲート電極Rgとが互いにほぼ平行に延びるように配置されていてもよい。
【0031】
さらに本実施の形態の各画素領域における第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIは、当該画素領域内において、2つの転送ゲート電極Tgのうち一方の転送ゲート電極Tgと他方の転送ゲート電極Tgとの並ぶ図の左右方向に関して、一方の転送ゲート電極Tgと他方の転送ゲート電極Tgとの間に配置されている。ここで一方の転送ゲート電極Tgと他方の転送ゲート電極Tgとの間とは、厳密にたとえば一直線上における2つのゲート電極Tgに挟まれた領域に限らず、図の左右方向に関する座標が一方の転送ゲート電極Tgと他方の転送ゲート電極Tgとの間であり厳密に1対のゲート電極Tgを結んでなる一直線上から外れた領域を含むものとする。実際ここでは当該画素領域内の増幅トランジスタAMIは、2つの転送ゲート電極Tgよりもやや下方に配置されている。
【0032】
ただし、ここでたとえば
図4の上下方向に並ぶ2つの画素領域のように、(特にある転送トランジスタTXのフォトダイオードPDとフローティング拡散領域FDとを結ぶ図の上下方向に関して)互いに隣り合う2つの画素領域を考える。このとき、(図の上下方向に関して)当該2つの画素領域のうち一方の第1の画素領域の(フォトダイオードPDが形成される)活性領域ARと、当該2つの画素領域のうち他方の第2の画素領域の(フォトダイオードPDが形成される)活性領域ARとの間に、上記の第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIが配置されることが好ましい。
【0033】
さらに本実施の形態の各画素領域における第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIは、当該画素領域内において、2つのフォトダイオードPDのうち一方のフォトダイオードPDと他方のフォトダイオードPDとの並ぶ図の左右方向に関して、一方のフォトダイオードPDと他方のフォトダイオードPDとの間に配置されている。ここで一方のフォトダイオードPDと他方のフォトダイオードPDとの間とは、厳密にたとえば一直線上における2つのフォトダイオードPDに挟まれた領域に限らず、図の左右方向に関する座標が一方のフォトダイオードPDと他方のフォトダイオードPDとの間であり厳密に1対のフォトダイオードPDを結んでなる一直線上から外れた領域を含むものとする。実際ここでは当該画素領域内の増幅トランジスタAMIは、2つのフォトダイオードPDよりもやや下方に配置されている。
【0034】
ただしフォトダイオードPDについても転送ゲート電極Tgの場合と同様、(図の上下方向に関して)2つの画素領域のうち一方の第1の画素領域の(フォトダイオードPDが形成される)活性領域ARと、当該2つの画素領域のうち他方の第2の画素領域の(フォトダイオードPDが形成される)活性領域ARとの間に、上記の増幅トランジスタAMIが配置されることが好ましい。
【0035】
図5および
図6を参照して、本実施の形態の第2例においては、フォトダイオードPDなどの個々の構成要素は基本的に
図3および
図4の本実施の形態の第1例と同様の材質および形状などを有するように形成されている。ただし
図5および
図6においては、フローティング拡散領域FDが、
図5および
図6におけるその上側の(第1の)画素領域内のフォトダイオードPD、転送ゲート電極Tgおよびその下側の(第2の)画素領域内のフォトダイオードPD、転送ゲート電極Tgにより共用(共有)されている。
【0036】
すなわち当該第2例においては、図の上下方向に関して隣り合う第1および第2の画素領域を跨ぐように、単一のフローティング拡散領域FDが配置されており、第1および第2の画素領域のそれぞれのフォトダイオードPDおよび転送ゲート電極Tgと当該フローティング拡散領域FDとにより、2つの転送トランジスタTXが配置される構成を有している。
【0037】
ただし図の左右方向に並ぶ1対のフローティング拡散領域FDの間に増幅トランジスタAMIが挟まれる構成であること、2つのフローティング拡散領域FDの外側にリセットトランジスタRSTが配置されること、構成要素FD,AMI,RSTが一直線に並んでいることなどは
図3および
図4の第1例と同様である。このため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0038】
図7を参照して、
図3および
図4の第1例、
図5および
図6の第2例ともに、回路図で表せば概ね同様の構成となっている。すなわちたとえば
図5および
図6のそれぞれに示す上側の画素領域内の2つのフォトダイオードPDのうちの一方(PD1)を含む転送トランジスタTX(TX1)と他方(PD2)を含む転送トランジスタTX(TX2)とが、2つのフローティング拡散領域FDの間の増幅トランジスタAMI(増幅ゲート電極Ag)に接続されている。その増幅ゲート電極Agは、リセットトランジスタRSTのリセット活性領域Raに接続されている。また増幅トランジスタAMIと選択トランジスタSELとの活性領域同士が接続されている。リセットトランジスタRSTと増幅トランジスタAMIとの活性領域の一部(ソース/ドレイン領域のいずれか)には電圧Vddが印加される。
【0039】
次に
図8の概略断面図を参照して、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタTXなどの平面構造の上方の積層構造について説明する。
【0040】
図8(A)、(B)を参照して、ここでは半導体基板SUBはたとえばp型不純物を含むシリコンからなるものとする。フォトダイオードPDは、表面p型領域SPRと、n型領域NRとを有している。表面p型領域SPRは半導体基板SUBの主表面に形成されたp型の不純物領域であり、半導体基板SUBの主表面に沿うように広がっている。一方、n型領域NRは半導体基板SUBの主表面に形成されたn型の不純物領域であり、表面p型領域SPRとの間でpn接合を構成するように、たとえば表面p型領域SPRの下側に接触するように配置される。
【0041】
フォトダイオードPDを含む転送トランジスタTXは、上記のようにソース領域としてフォトダイオードPDを有し、かつドレイン領域としてたとえばn型の不純物領域からなるフローティング拡散領域FDを有している。また増幅トランジスタAMIは(
図8に示されないが)ソース/ドレイン領域としてたとえばn型の不純物領域からなる増幅活性領域を有し、リセットトランジスタRSTはソース/ドレイン領域としてたとえばn型の不純物領域からなるリセット活性領域Raを有している。
【0042】
転送トランジスタTXは、たとえばシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜GIと、ゲート絶縁膜GIの一方の主表面上に(一方の主表面に接するように)配置された転送ゲート電極Tgと、転送ゲート電極Tgの側壁の少なくとも一部を覆うたとえばシリコン酸化膜からなる側壁絶縁膜SWとを主に有している。
【0043】
同様に、増幅トランジスタAMIは、たとえばシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜GIと、ゲート絶縁膜GIの一方の主表面上に(一方の主表面に接するように)配置された増幅ゲート電極Agと、増幅ゲート電極Agの側壁の少なくとも一部を覆うたとえばシリコン酸化膜からなる側壁絶縁膜SWとを主に有している。リセットトランジスタRSTは、たとえばシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜GIと、ゲート絶縁膜GIの一方の主表面上に(一方の主表面に接するように)配置されたリセットゲート電極Rgと、リセットゲート電極Rgの側壁の少なくとも一部を覆うたとえばシリコン酸化膜からなる側壁絶縁膜SWとを主に有している。また
図8の断面図には現れていないが、選択トランジスタSELも基本的にリセットトランジスタRSTと同様の構成を有している。
【0044】
半導体基板SUBの主表面において、転送トランジスタTX、増幅トランジスタAMI、リセットトランジスタRST(および図示されない選択トランジスタSEL)のそれぞれは、素子分離膜SPTにより互いに電気的に分離されている。
【0045】
上記の各種トランジスタを覆うように層間絶縁膜II1が形成され、層間絶縁膜II1を覆うように層間絶縁膜II2が、層間絶縁膜II2を覆うように層間絶縁膜II3が、層間絶縁膜II3を覆うように層間絶縁膜II4が形成されている。
図8においては上記のように層間絶縁膜が4層積層されているが、層間絶縁膜の積層される数は任意である。
【0046】
層間絶縁膜II1の上面の一部に接するように配線M1が形成され、同様に層間絶縁膜II2の上面の一部に接するように配線M2が、層間絶縁膜II3の上面の一部に接するように配線M3が、それぞれ形成されている。これらの配線はたとえばアルミニウムの薄膜により形成されるがこれに限られない。またここでは便宜上、配線M1は、増幅ゲート電極Agに接続される配線M1aと、リセットゲート電極Rgに接続され配線M2に接続される配線M1bと、リセット活性領域Raから配線M2,M3に通じる配線M1cとに分類される。異なる層間の配線の電気的接続は、各層間絶縁膜を厚み方向に延びるコンタクトCTによりなされている。
【0047】
配線M3は、特に転送トランジスタTXの真上において、フォトダイオードPDへの光の入射を抑制する遮光膜として形成されている。さらに配線M3の開口部(フォトダイオードPDの真上)における層間絶縁膜II4の上面にはカラーフィルタFLTおよびレンズLNSが形成されている。
【0048】
レンズLNSはフォトダイオードPDに入射する光を取り込む機能を有する。カラーフィルタFLTはフォトダイオードPDに入射する光を赤、緑または青のいずれかの波長の光に変換するためのフィルタである。すなわち画素部に配列される複数の固体撮像素子の間で、赤、緑または青のそれぞれのカラーフィルタFLTが一定の個数割合で配列される。また遮光膜としての配線M3は、レンズLNS以外の領域からフォトダイオードPDへの光の入射を抑制するために、レンズLNSの真下(フォトダイオードPDの真上)以外の領域に形成されている。
【0049】
次に、
図9〜
図14および
図8を参照しながら、上記本実施の形態の半導体装置の製造方法を、特に
図8(A)、(B)の断面図に示す領域に重点をおいて説明する。
【0050】
図9(A)、(B)を参照して、まずたとえばシリコンからなる、n型またはp型の導電性不純物を含む半導体基板SUBが準備される。次に一般公知の方法により、半導体基板SUBの主表面S1の一部に、転送トランジスタの形成される領域(フォトダイオードの形成される領域を含む)、増幅トランジスタの形成される領域およびリセットトランジスタの形成される領域のそれぞれに分けるための素子分離膜SPTが形成される。
【0051】
その後、特に
図9(A)を参照して、転送トランジスタの形成される領域においては、フォトダイオードの形成される領域を含むように、半導体基板SUB内にフォトダイオードの形成される領域(活性領域AR)が、たとえば通常の写真製版技術およびイオン注入技術により形成される。また図示されないが、必要に応じて半導体基板SUB内にはウェル領域が形成されてもよい。
【0052】
さらに通常の写真製版技術およびイオン注入技術により、必要に応じて半導体基板SUB内の主表面S1の近傍には、
図9に示されないチャネル領域が形成される。このチャネル領域は、たとえば転送トランジスタのゲート電極などが形成される領域の真下の領域に形成される、微量の不純物が注入された領域である。
【0053】
図10(A)、(B)を参照して、次に、たとえば通常の熱酸化法により、半導体基板SUBの主表面(素子分離膜SPTの上面を除く)にはシリコン酸化膜からなる絶縁膜が形成される。次に、たとえば通常のCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、絶縁膜および素子分離膜SPTを覆うように、導電性不純物を含む多結晶シリコンの薄膜が形成される。通常の写真製版技術およびエッチング技術により、公知の感光剤を用いたフォトレジストのパターンが形成される。このフォトレジストのマスクを用いて、多結晶シリコンの薄膜がエッチングされ、転送ゲート電極Tg、増幅ゲート電極Agおよびリセットゲート電極Rgが形成される。この多結晶シリコンの薄膜のエッチングは、たとえば通常のRIE(Reactive Ion Etching)法によりなされる。その後、上記のフォトレジストが除去される結果、転送ゲート電極Tgなどの真下以外の絶縁膜は除去され、転送ゲート電極Tgなどの真下に残った絶縁膜はゲート絶縁膜GIとなる。
【0054】
図11を参照して、通常の写真製版技術およびイオン注入技術により、フォトダイオードの形成される領域(活性領域AR)における半導体基板SUB内には、n型領域NRおよび表面p型領域SPRがこの順に形成され、これらによりフォトダイオードPDが形成される。
【0055】
図12を参照して、通常の写真製版技術およびイオン注入技術により、たとえばn型の導電性不純物を含むイオン注入領域としてのフローティング拡散領域FD、リセット活性領域Ra、および図示されない増幅活性領域、選択活性領域が形成される。次にたとえば通常のCVD法およびエッチバックにより、たとえばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜とがこの順に積層された構成を有する側壁絶縁膜SWが形成される。
【0056】
図13を参照して、たとえばCVD法を用いて、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜II1が形成される。その後、当該層間絶縁膜II1がCMP(Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれる化学機械的研磨法により上面が平坦となるように研磨される。さらに通常の写真製版技術およびエッチング技術により、転送ゲート電極Tg、増幅ゲート電極Ag、リセットゲート電極Rg、フローティング拡散領域FD、リセット活性領域Raなどに達するように層間絶縁膜II1にビアホールが形成される。層間絶縁膜II1(シリコン酸化膜)とゲート電極Tg,Ag,Rg(多結晶シリコン)とのエッチング選択比の差を利用して、ゲート電極Tg,Ag,Rgの上面に達したところでエッチングが終了することにより、ビアホールが形成される。
【0057】
次に、ビアホールの内部にたとえばタングステンよりなる導電膜が充填されることにより、ビアホールの内部にはコンタクトCTが形成される。この処理においてはたとえばCVD法が用いられ、層間絶縁膜II1上にもタングステンの薄膜が形成される。層間絶縁膜II1上のタングステンの薄膜はCMPにより除去される。
【0058】
図14を参照して、層間絶縁膜II1上にはたとえばアルミニウムからなる薄膜が、たとえばスパッタリングにより形成される。そして通常の写真製版技術およびエッチング技術により、コンタクトCTの真上にはたとえばアルミニウムからなる配線M1が形成される。
【0059】
図8を参照して、次に、層間絶縁膜II1および配線M1を覆うようにシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜II2が形成され、所望の領域(配線M1の特に配線M1b,M1c上)に、配線M1上に達するように上記のビアホールと同様のビアホールが形成される。次に
図12の工程と同様にそのビアの内部にたとえばタングステンよりなる導電膜が充填されることによりコンタクトCTが形成される。
【0060】
さらに上記と同様の工程により、層間絶縁膜II2のコンタクトCTの真上にはたとえばアルミニウムからなる配線M2が形成され、層間絶縁膜II2および配線M2を覆うようにシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜II3が形成される。
【0061】
層間絶縁膜II3上にはたとえばアルミニウムやタングステンなどの光に対する透過性の低い金属材料の薄膜が、たとえばスパッタリングにより形成される。そして通常の写真製版技術およびエッチング技術により、フォトダイオードPDの真上以外の領域に残存するように当該金属材料の薄膜がパターニングされ、遮光膜としての機能を兼ねる配線M3が形成される。
【0062】
その後、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜II4が形成され、層間絶縁膜II4上のフォトダイオードPDの真上にはカラーフィルタFLTおよびレンズLNSが形成される。以上の各工程により一実施の形態の固体撮像素子を有する半導体装置が形成される。
【0063】
次に、比較例としての
図15を参照しながら、本実施の形態の作用効果を説明する。
図15を参照して、当該比較例の半導体装置においても本実施の形態と同様に、行列状に並ぶ複数の画素領域のそれぞれに活性領域ARが形成され、当該活性領域AR内には互いに間隔をあけて、2つのフォトダイオードPDが配置されている。また2つのフォトダイオードPDのそれぞれからの電気信号を蓄積可能とすべく、各画素領域内に2つのフローティング拡散領域FDが配置されている。この点において、
図15は
図4に示す本実施の形態の第1例の構成と同様である。
【0064】
ただし比較例においては、一の画素領域内のリセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMIともに、画素領域内の2つの転送トランジスタTX(特に2つのフローティング拡散領域FD)から離れた位置に配置されており、少なくとも図の左右方向に関して一方および他方のフローティング拡散領域FD(または転送ゲート電極Tg,フォトダイオードPD)の間に配置されていない。この場合、図中に示すようにフローティング拡散領域FDからリセット活性領域Raまでを電気的に接続するために引き回される配線M1,M2の長さが非常に長くなる。このため当該配線M1,M2とこれに隣接する層間絶縁膜とにより形成される配線容量が大きくなる。この配線容量はたとえば寄生容量として、半導体装置の動作に意図しない影響を及ぼす可能性がある。
【0065】
なお
図15の比較例においては選択トランジスタSEL、増幅トランジスタAMIおよびリセットトランジスタRSTが平面視において図の上下方向に一直線状に並んでおり、その一直線の延長上に接地パッドGNDが配置されている。また
図15においては選択トランジスタSELと増幅トランジスタAMIとが活性領域SAaを共有しており、増幅トランジスタAMIとリセットトランジスタRSTとが活性領域ARaを共有している。しかし
図15の比較例における各構成要素の配置はこのような態様に限られない。
【0066】
そこで本実施の形態においては、
図3〜
図6に示すように、単一の画素領域内の2つの転送トランジスタTXのそれぞれのフローティング拡散領域FDの並ぶ左右方向に関する一方と他方との間に、増幅トランジスタAMIが配置される。第1の画素領域の増幅トランジスタAMIは必ずしも2つのフローティング拡散領域FDと一直線に並ぶように配置されなくてもよいが、少なくとも図の上下方向に関して(たとえば下側に)隣り合う第2の画素領域内の活性領域よりも、第1の画素領域側(たとえば上側)に配置される。
【0067】
図4、
図6のように転送トランジスタTXから電気信号が出力されるドレイン領域に相当する、1対のフローティング拡散領域FDの間に第1のトランジスタ(増幅トランジスタAMI)が配置されることにより、ドレイン領域と増幅トランジスタAMI(のたとえば増幅ゲート電極Ag)との電気的な接続に用いる配線M1の長さを、
図15の比較例よりも大幅に短くすることができる。このため配線容量を小さくすることができる。
【0068】
また本実施の形態においては、上記増幅トランジスタAMIは、単一の画素領域内の1対の転送トランジスタTXの2つの転送ゲート電極Tgの並ぶ方向に関する両者の間に配置され、かつ単一の画素領域内の1対の転送トランジスタTXの2つのフォトダイオードPDの並ぶ方向に関する両者の間に配置される。これによっても、上記同様に、配線M1の長さを、
図15の比較例よりも大幅に短くすることができる。このため配線容量を小さくすることができる。
【0069】
特に本実施の形態のように、1対のフローティング拡散領域FDのそれぞれと、第1のトランジスタ(増幅トランジスタAMI)とが平面視において一直線上に並ぶように配置されれば、上記配線をいっそう短くすることができる。またチップ領域IMC内における各構成要素のレイアウト効率を高めることができ、半導体装置をいっそう高集積化することができる。
【0070】
本実施の形態においては、上記の増幅トランジスタAMIが、これを挟む1対の転送トランジスタTXにより共用される。すなわち単一の画素領域内に、転送トランジスタTXが2つ配置されるのに対し、増幅トランジスタAMIは1つのみ配置されている。このため、たとえば1つの転送トランジスタTXごとに1つの(すなわち画素領域内に2つの)増幅トランジスタAMIが配置される場合に比べて、チップ領域IMC内に配置される構成要素の数を減少させることができる。これによりチップ領域IMCを小さくし、半導体装置をいっそう高集積化することができる。
【0071】
また本実施の形態においては、複数の画素領域のそれぞれが第2のトランジスタとしてリセットトランジスタRSTを備え、これが画素領域内の1対のフローティング拡散領域FDのそれぞれと平面視において一直線上に並ぶ。これにより、第2のトランジスタと第1のトランジスタとを接続する配線M1をいっそう短くすることができる。またチップ領域IMC内における各構成要素のレイアウト効率を高めることができ、半導体装置をいっそう高集積化することができる。
【0072】
さらに、たとえば
図5および
図6の第2例のように互いに隣り合う第1および第2の画素領域のそれぞれの転送トランジスタTX(フォトダイオードPD)がフローティング拡散領域FDを共用する構成(いわゆる対向型)が考えられる。この場合、
図3および
図4の第1例のように個々の転送トランジスタTXが1つずつのフローティング拡散領域FDを保有する構成(いわゆる並列型)に比べて、チップ領域IMC内における各構成要素のレイアウト効率を高めることができ、半導体装置をいっそう高集積化することができる。
【0073】
(実施の形態2)
図16および
図17を参照して、本実施の形態の第1例の半導体装置は、基本的に
図3および
図4の実施の形態1の第1例と同様に、いわゆる並列型の構成を有している。しかし本実施の形態においては、リセットトランジスタRST(第2のトランジスタ)のリセット活性領域Raの一部、すなわちリセットトランジスタRSTのソース/ドレイン領域のいずれかの少なくとも一部が、そのリセットトランジスタRSTが配置される画素領域内の2つのフローティング拡散領域FDのいずれかと平面視において重なっている。
【0074】
図18および
図19を参照して、本実施の形態の第2例の半導体装置は、基本的に
図5および
図6の実施の形態1の第2例と同様に、いわゆる対向型の構成を有している。しかし本実施の形態においては、リセットトランジスタRSTのリセット活性領域Raの一部、すなわちリセットトランジスタRSTのソース/ドレイン領域のいずれかの少なくとも一部が、そのリセットトランジスタRSTが配置される画素領域内の2つのフローティング拡散領域FDのいずれかと平面視において重なっている。
【0075】
上記の第1例、第2例ともに、重なったフローティング拡散領域FDおよびリセット活性領域Raは、コンタクトCTを介在して、配線M1と接続されている。その重なったフローティング拡散領域FDおよびリセット活性領域Raから、それと反対側のフローティング拡散領域FDまで、たとえば一直線上に、配線M1が延びている。当該反対側のフローティング拡散領域FDは、コンタクトCTを介在して、配線M1と接続されている。配線M1は増幅ゲート電極Agとも、コンタクトCTを介在して接続されている。
【0076】
図20を参照して、この概略断面図の構成は、リセットトランジスタRSTのソース/ドレイン領域Raとフローティング拡散領域FDとが少なくとも部分的に重なる点を除き、基本的に
図8(B)の実施の形態1と同様の構成を有している。このため
図20の配線M1aは
図8(B)の配線M1aよりも図の左右方向の長さが短くなっている。なお本実施の形態における
図8(A)の断面図と同じ方向に関する断面図は、
図8(A)と同様となるため省略している。また本実施の形態の構成の回路図は
図7と同様となるため省略している。
【0077】
なお、これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0078】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態のようにリセットトランジスタRSTのソース/ドレイン領域Raとフローティング拡散領域FDとが少なくとも部分的に重なることにより、たとえば実施の形態1(
図3〜
図6)におけるリセットトランジスタRSTのソース/ドレイン領域Raとフローティング拡散領域FDとを結ぶ配線M1を省略することができる。このため本実施の形態の配線M1は実施の形態1の配線M1よりも短くなるため、配線M1による配線容量をいっそう低減させることができる。
【0079】
なお本実施の形態においては、増幅トランジスタAMIの増幅ゲート電極Agはたとえば
図16〜
図19における左右方向に延び、リセットトランジスタRSTのリセットゲート電極Rgはたとえば
図16〜
図19における上下方向に延びている。すなわち本実施の形態においては、増幅トランジスタAMIの増幅ゲート電極Ag(第1のゲート電極)とリセットトランジスタRSTのリセットゲート電極Rg(第2のゲート電極)とは、平面視において互いに交差(たとえば直交)する方向に延びている。またフローティング拡散領域FDはたとえば
図16〜
図19における上下方向に延びているため、フローティング拡散領域FDとリセットゲート電極Rgとは平面視において互いにほぼ平行に沿うように延びている(フローティング拡散領域FDと増幅ゲート電極Agとは平面視において互いに交差する方向に延びている)。このようにすれば、リセット活性領域Raとフローティング拡散領域FDとが重なるレイアウトを容易に設計することができる。
【0080】
(実施の形態3)
図21および
図22を参照して、本実施の形態の第1例においては、基本的に
図3および
図4の実施の形態1の第1例と同様に、いわゆる並列型の構成を有している。しかし本実施の形態においては、第1のトランジスタとしての2つのリセットトランジスタRSTが、平面視において左右方向に並ぶ、画素領域内の2つの転送トランジスタTXのうち一方のフローティング拡散領域FDと他方のフローティング拡散領域FDの間に配置されている。そして当該2つのリセットトランジスタRSTが、画素領域内の2つの転送トランジスタTXのそれぞれ(のフローティング拡散領域FD)に接続されるように配置されている。
【0081】
画素領域内の2つのリセットトランジスタRSTのうち一方のリセット活性領域Raと他方のリセット活性領域Raとは部分的に領域RRaにおいて重なり、両者は一直線上に並ぶように配置されている。ただしこのような配置は一例であり、必ずしもこのような構成を有さなくてもよい。
【0082】
以上の点において本実施の形態は、第1のトランジスタとして単一の増幅トランジスタAMIが、画素領域内の2つの転送トランジスタTXのうち一方のフローティング拡散領域FDと他方のフローティング拡散領域FDの間に配置される実施の形態1とは構成が異なっている。
【0083】
図21および
図22においては特に、2つのフローティング拡散領域FDのそれぞれと、それらの間の第1のトランジスタとしての2つのリセットトランジスタRSTとが、平面視において図の左右方向に一直線に並ぶように配置されている。
【0084】
増幅トランジスタAMIは、平面視において2つのフローティング拡散領域FDとこれらの間の2つのリセットトランジスタRSTとを結ぶ一直線の(
図21および
図22の左側および右側の)延長線上に1つずつ(単一の画素領域あたり2つ)配置されている。言い換えれば2つの増幅トランジスタAMIが2つのフローティング拡散領域FDのそれぞれと、平面視において一直線上に並んでいる。そして上記の2つのフローティング拡散領域FDのそれぞれと、これらの間の2つのリセットトランジスタRSTのたとえばリセット活性領域Raとが、平面視において重なるように接続されている。また上記2つのフローティング拡散領域FDのそれぞれとこれに隣り合う増幅トランジスタAMIのたとえば増幅ゲート電極Agとが、たとえばコンタクトCTを介在して図の左右方向に一直線状に延びる配線M1に電気的に接続される。
【0085】
たとえば
図22においては配線M1が2本に分かれて配置されている。ただし
図21,22の左側の増幅ゲート電極Agと2つのフローティング拡散領域FDと右側の増幅ゲート電極Agとが、単一の直線状の配線M1によりすべて接続される態様であってもよい。
【0086】
つまり本実施の形態においては、単一の画素領域内の2つの転送トランジスタTXのそれぞれに対して1つずつのリセットトランジスタRSTおよび増幅トランジスタAMIが割り当てられている。また
図21および
図22に示すように、本実施の形態においては単一の画素領域内に2つの選択トランジスタSELが配置されている。ここでは
図3などと同様に選択ゲート電極Sgが図の上下方向に延びるように配置されているが、この配置は一例でありこれに限られない。
【0087】
なお本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、各画素領域における第1のトランジスタとしての1対のリセットトランジスタRSTは、当該画素領域内において、2つの転送ゲート電極Tgのうち一方の転送ゲート電極Tgと他方の転送ゲート電極Tgとの並ぶ図の左右方向に関して、一方の転送ゲート電極Tgと他方の転送ゲート電極Tgとの間に配置されている。また本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、各画素領域における第1のトランジスタとしての1対のリセットトランジスタRSTは、当該画素領域内において、2つのフォトダイオードPDのうち一方のフォトダイオードPDと他方のフォトダイオードPDとの並ぶ図の左右方向に関して、一方のフォトダイオードPDと他方のフォトダイオードPDとの間に配置されている。
【0088】
図23および
図24を参照して、本実施の形態の第2例においては、
図21および
図22と同様の構成を、
図5および
図6の実施の形態1の第2例と同様に、いわゆる対向型の構成に適用した例である。並列型の構成から対向型の構成に変更され、図の上下方向に隣り合う2つの画素領域の転送トランジスタTX間で増幅トランジスタAMIおよびリセットトランジスタRSTが共用される点を除き、
図23および
図24の構成は基本的に
図21および
図22の構成と同様である。このため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0089】
図25を参照して、
図21および
図22の第1例、
図23および
図24の第2例ともに、回路図で表せば概ね同様の構成となっている。ただし上記のように、単一の転送トランジスタTXに対して1つずつのリセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMIおよび選択トランジスタSELが割り当てられる点において、
図25は
図7と異なっている。
【0090】
図26を参照して、この概略断面図の構成は、2つのフローティング拡散領域FD(の一部と平面的に重なるようにリセット活性領域Raが配置されてもよい)の間に2つのリセットトランジスタRSTが、また2つのフローティング拡散領域FDの外側に2つの増幅トランジスタAMIが配置される。また配線M1として、配線M1a,M1bのほかに、増幅トランジスタAMIのさらに外側の選択トランジスタSELに向けて延びる配線M1dが配置される。なお本実施の形態における
図8(A)の断面図と同じ方向に関する断面図は、
図8(A)と同様となるため省略している。
【0091】
なお、これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0092】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態のように、図の左右方向に関して2つのフローティング拡散領域FD(転送ゲート電極Tg、フォトダイオードPD)に挟まれた第1のトランジスタは、リセットトランジスタRSTであってもよい。またリセットトランジスタRSTが各転送トランジスタTXごとに1つずつ割り当てられることにより、1つの画素領域内の2つの転送トランジスタTX(フォトダイオードPD)のそれぞれからの電気信号のリセットトランジスタRSTへの伝送を好みのタイミングで行なうことができる。つまりたとえば、1つの画素領域内の2つの転送トランジスタTXのうち一方からの電気信号と、他方からの電気信号とを同一のタイミングでリセットトランジスタRSTへ伝送させることができる。
【0093】
このため本実施の形態においては、たとえば1つのリセットトランジスタRSTが2つの転送トランジスタTXに共用されるため2つの転送トランジスタTXのそれぞれから異なるタイミングでリセットトランジスタRSTへ伝送する必要がある実施の形態1などに比べて、電気信号の伝送の処理を迅速に行なうことができる。
【0094】
(実施の形態4)
図27および
図28を参照して、本実施の形態の第1例においては、基本的に
図3および
図4の実施の形態1の第1例と同様に、いわゆる並列型の構成を有している。しかし本実施の形態においては、第1のトランジスタとして、増幅トランジスタAMIとリセットトランジスタRSTとの双方が1つずつ、平面視において左右方向に並ぶ、画素領域内の2つの転送トランジスタTXのうち一方のフローティング拡散領域FDと他方のフローティング拡散領域FDの間に配置されている。そして当該増幅トランジスタAMIおよびリセットトランジスタRSTが、画素領域内の2つの転送トランジスタTXのそれぞれ(のフローティング拡散領域FD)に接続されるように配置されている。この点において本実施の形態は、第1のトランジスタとして増幅トランジスタAMIまたはリセットトランジスタRSTのいずれかのみが、画素領域内の2つの転送トランジスタTXのうち一方のフローティング拡散領域FDと他方のフローティング拡散領域FDの間に配置される実施の形態1〜3とは構成が異なっている。
【0095】
図27および
図28においては特に、2つのフローティング拡散領域FDのそれぞれと、それらの間の第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIおよびリセットトランジスタRSTとが、平面視において図の左右方向に一直線に並ぶように配置されている。また上記2つのフローティング拡散領域FDのそれぞれとこれに隣り合う増幅トランジスタAMIの増幅ゲート電極AgとリセットトランジスタRSTのリセット活性領域Raとが、たとえばコンタクトCTを介在して図の左右方向に一直線状に延びる配線M1に電気的に接続される。
【0096】
2つのフローティング拡散領域FDの間の増幅トランジスタAMIの増幅活性領域Aaと、リセットトランジスタRSTのリセット活性領域Raとが部分的に(領域RAaにて)重なっているが、これは一例であり、必ずしもこのような構成を有さなくてもよい。
【0097】
以上より、本実施の形態においては実施の形態1と同様に、リセットトランジスタRSTおよび増幅トランジスタAMIは、単一の画素領域あたり1つ配置されている。
【0098】
なお選択トランジスタSELは、上記の増幅トランジスタAMIとリセットトランジスタRSTとなどを結ぶ一直線の延長線上に配置されてもよいが、当該一直線の延長線上とは異なる領域に配置されてもよい。また単一の画素領域中に1つ配置されても2つ配置されてもよい。
【0099】
なお本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、各画素領域における第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIおよびリセットトランジスタRSTは、当該画素領域内において、2つの転送ゲート電極Tgのうちの一方と他方との並ぶ図の左右方向に関して、一方の転送ゲート電極Tgと他方の転送ゲート電極Tgとの間に配置されている。また本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、各画素領域における第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIおよびリセットトランジスタRSTは、当該画素領域内において、2つのフォトダイオードPDのうちの一方と他方との並ぶ図の左右方向に関して、一方のフォトダイオードPDと他方のフォトダイオードPDとの間に配置されている。
【0100】
図29および
図30を参照して、本実施の形態の第2例においては、
図27および
図28と同様の構成を、
図5および
図6の実施の形態1の第2例と同様に、いわゆる対向型の構成に適用した例である。並列型の構成から対向型の構成に変更され、図の上下方向に隣り合う2つの画素領域の転送トランジスタTX間で増幅トランジスタAMIおよびリセットトランジスタRSTが共用される点を除き、
図29および
図30の構成は基本的に
図27および
図28の構成と同様である。このため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0101】
図31を参照して、この概略断面図の構成は、2つのフローティング拡散領域FDの間に増幅トランジスタAMIとリセットトランジスタRSTとが配置され、増幅ゲート電極Agとリセット活性領域Raとフローティング拡散領域FDとがコンタクトCTを介在して配線M1に接続される点を除き、基本的に
図8(B)の実施の形態1と同様の構成を有している。なお本実施の形態における
図8(A)の断面図と同じ方向に関する断面図は、
図8(A)と同様となるため省略している。また本実施の形態の構成の回路図は
図7と同様となるため省略している。
【0102】
なお上記においては2つのフローティング拡散領域FDの間に配置される第1のトランジスタとしてリセットトランジスタRSTおよび増幅トランジスタAMIを挙げて説明したが、第1のトランジスタとして選択トランジスタSELが配置されてもよい。
【0103】
これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0104】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においては、増幅トランジスタAMIとリセットトランジスタRSTとの双方が2つのフローティング拡散領域FD(転送ゲート電極Tg、フォトダイオードPD)の間に配置され、2つのフローティング拡散領域FDの外側には増幅トランジスタAMIなどが配置されない。このため増幅トランジスタAMIとリセットトランジスタRSTとの少なくとも一方が2つのフローティング拡散領域FDの外側に配置される実施の形態1などに比べて、第1のトランジスタとフローティング拡散領域とを接続する配線M1の長さをいっそう短くすることができる。このため、配線M1による配線容量をいっそう低減させることができる。
【0105】
(実施の形態5)
これまでに説明した各実施の形態はすべて、転送トランジスタTXが、フォトダイオードPDと転送ゲート電極Tgとフローティング拡散領域FDとが一直線上に(各平面図の上下方向に)並ぶように配置された構成を有している。しかし
図32を参照して、転送トランジスタTXが、平面視において、フォトダイオードPDと転送ゲート電極Tgとを結ぶ直線の延びる方向に対して屈曲した方向にフローティング拡散領域FDを有する構成であってもよい。
【0106】
またこれまでに説明した各実施の形態はすべて、第1のトランジスタとしての増幅トランジスタAMIなどが、画素領域内の2つのフローティング拡散領域FDを結ぶ直線上に配置されている。しかし
図32を参照して、当該第1のトランジスタとしてのたとえば増幅トランジスタAMIは、画素領域内の2つのフローティング拡散領域FDを結んでなる一直線上から外れた領域に配置されていてもよい。
図32においては、当該画素領域内の増幅トランジスタAMIは、2つのフローティング拡散領域FDを結んでなる直線よりもやや下方に配置されている。また
図32のように転送ゲート電極Tgの一部が、2つのフローティング拡散領域FDを結んでなる直線上に配置されてもよいが、転送ゲート電極Tgが当該直線上から外れた領域に配置されてもよい。
【0107】
たとえば複数の画素領域のうちの一つである第1の画素領域内に配置される第1のトランジスタは、第1の画素領域の(フォトダイオードPDが内蔵される)活性領域ARと、そこから見てその中の2つのフローティング拡散領域FD側(つまり
図32および他の各実施の形態における下側)に隣り合う第2の画素領域の活性領域ARとの間に配置されることが好ましい。言い換えれば、
図32において、第1のトランジスタに相当する増幅トランジスタAMIは、少なくとも上側(第1の画素領域)の活性領域ARと下側(第2の画素領域)の活性領域ARとの間に配置されていることが好ましい。
【0108】
なお
図32においては第1のトランジスタとして増幅トランジスタAMIを挙げているが、第1のトランジスタとしては上記の各実施の形態に示すようにリセットトランジスタRSTが配置されてもよく、増幅トランジスタAMIとリセットトランジスタRSTとの双方が配置されてもよい。
【0109】
また第2のトランジスタとして
図32においてはリセットトランジスタRSTが、2つのフローティング拡散領域FDを結ぶ直線から外れた領域(当該直線の下側)に配置されているが、この第2のトランジスタについてもたとえば増幅トランジスタAMIが配置されてもよい。
【0110】
また第2のトランジスタの配置される位置および(ゲート電極の延在する)方向についても
図32に示す態様に限られない。たとえば
図32においては転送ゲート電極Tgは図の上下方向に、増幅ゲート電極Agおよびリセットゲート電極Rgは図の左右方向に延在しているが、たとえば増幅ゲート電極Agおよびリセットゲート電極Rgも図の上下方向に延在してもよい。
【0111】
これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0112】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態のように、必ずしも第1のトランジスタが1対のフローティング拡散領域FDの結ぶ直線上に配置されなくても、少なくとも隣り合う1対の活性領域ARの間の領域に配置されていれば、フローティング拡散領域FDから第1のトランジスタに引き回す配線M1の長さが(たとえば
図15の比較例のように)過剰に長くなる不具合を抑制することができる。このため配線容量を小さくすることができる。
【0113】
また本実施の形態を許容することにより、半導体装置を構成する各トランジスタのレイアウトの適用可能範囲を広くすることができ、設計の自由度が高められる。
【0114】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。