(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
(発明の詳細な説明)
本明細書および添付される請求項において使用されるように、冠詞「a」、「an」、および「the」は、明確かつ明解に1つの指示物に限定されない限り、複数の指示物を含む。
【0007】
加えて、本明細書の目的には、別様に示されない限り、本明細書において使用される原料の量、反応条件、および他の性質またはパラメータを表す全ての数字は、全ての事例において、用語「約」によって修飾されていると理解されたい。故に、別様に示されない限り、以下の明細書および添付される請求項に記載される数値のパラメータは、近似値であることを理解されたい。少なくとも、本請求項の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、数値のパラメータは、報告された有効数字の数および通常の端数処理技法の適用に照らして読み取られるべきである。
【0008】
本明細書における全ての数値の範囲は、全ての数値および記載される範囲内の全ての数値の範囲を含む。さらに、本発明の広さの範囲を呈示する数値の範囲およびパラメータは、本明細書で議論されるように、近似値である。しかしながら、そのような数値は、測定機器および/または測定技法からもたらされる特定の誤差を本質的に含むことを理解されたい。
【0009】
本開示は、種々の例示的実施形態を参照して、本発明のいくつかの異なる特徴および側面を説明する。しかしながら、本発明は、本明細書に説明される異なる特徴、側面、および実施形態のいずれかを、当業者が有用であろうと見出す任意の組み合わせにおいて組み合わせることによって遂行され得る、多数の代替実施形態を包含することを理解されたい。
【0010】
前述されるように、本発明は、(a)2つの
反対の表面を有する、光学基板と、(b)1つが他から離間され、基板の表面上に配置される、少なくとも2つの電極と、(c)少なくとも2つの電極(b)および基板(a)の表面と接触する、少なくとも1つの電気活性材料層とを備える、電気活性光学デバイスであって、印加される電圧の大きさに応答して、可変の光透過率を有する電気活性光学デバイスを提供する。
【0011】
(光学基板)
光学基板(a)は、光学デバイスにおいて使用するために好適な多種多様な基板のいずれかを含むことができる。例えば、基板は、溶融シリカおよび溶融石英等のガラスを含むことができる。そのようなガラス基板は、例えば、ハンドヘルド電子デバイスのためのタッチスクリーンとして使用されるもの等のアルカリアルミノケイ酸ガラスを含むことができる。
【0012】
さらに、光学基板は、ポリマー基板材料を含むことができる。好適なポリマー基板は、限定ではないが、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレタン(尿素)、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(環式)オレフィン、ポリエポキシ、それらのコポリマー、または前述のいずれかの混合物を含むことができる。ポリマー基板は、前述の基板のいずれかの組み合わせを、例えば、多層積層体の形態で含むことができる。ポリマー基板は、キャスティングまたは成形技法、例えば、射出成形等の当技術分野で公知である任意の製造手段によって形成されることができる。本発明の特定の実施形態では、ポリマー基板は、ポリカーボネート、ポリ(環式)オレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリメタクリレート、前述の材料のいずれかのコポリマー、または前述のいずれかの混合物を含む。
【0013】
加えて、光学基板(a)は、光学デバイスの製造において使用するために公知であるもの等のポリマーフィルム(すなわち、薄いが自己支持するポリマーフィルム)を含むことができる。そのようなポリマーフィルムの好適な実施例は、材料が透明または光学的にクリアであることを前提として、種々の熱硬化性および熱可塑性材料のいずれかを含むことができる。例えば、ポリマーフィルムは、ポリカーボネート、多環式アルケン、ポリウレタン、ポリ(尿素)ウレタン、ポリチオウレタン、ポリチオ(尿素)ウレタン、ポリオール(アリルカーボネート)、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリオレフィン、それらのコポリマー、または該フィルムの組み合わせを、例えば、多層もしくは積層体構築物で含むことができる。
【0014】
光学基板(a)は、非染色基板と、染色基板と、フォトクロミック基板と、染色フォトクロミック基板と、直線偏光基板とを含むことができる。
【0015】
少なくとも2つの電極(b)が適用または添着される光学基板の表面は、平坦表面または曲率を有する表面であり得る(すなわち、凹状または凸状であり得る)ことを理解されたい。
【0016】
(電極)
前述されるように、本発明の電気活性光学デバイスは、1つが他から相互に離間され、前述されるような平らな平坦平面または曲率を有する表面であり得る光学基板(a)の少なくとも1つの表面上に配置される、少なくとも2つの電極(b)を備える。電極は、典型的には、本明細書で以下に議論されるもののいずれか等の、透明導電性材料を含む。電極を形成するために使用される透明導電性材料は、基板表面上に直接適用されることができるか、または基板表面に事前に適用されている、1つまたはそれを上回るコーティング層、例えば、障壁コーティング層、接着助長層、および/またはプライマ層の表面に適用されてもよい。光学デバイスの技術分野で公知である任意のタイプの障壁コーティング、プライマコーティング、または接着助長層が、所望される場合、本デバイスの全体的光学性質がそのような適用によって悪影響を受けないことを前提として、基板表面に適用されることができる。当然ながら、これらの介在するコーティングは、前記基板表面と順応する。
【0017】
さらに、電極を形成するために使用される透明の導電性材料は、電極がトポグラフィに一致するように基板表面に適用されることに留意されたい。例えば、基板表面が平らな平坦平面である場合、電極は、平らな平坦平面上に直接、または電極と基板表面との間に介入される前述のコーティングのうちの1つもしくはそれを上回るものの表面上のいずれかに配置され、それらと「同一平面内」にある。代替として、基板表面が曲率を有する表面である場合、電極は、曲率に一致し、曲面上に直接、または電極と湾曲した基板表面との間に介入される前述の順応コーティングのうちの1つもしくはそれを上回るものの表面上のいずれかに配置される。
【0018】
電極を形成するために使用される透明導電性材料は、当技術分野で公知である種々のパターニング技法によって適用されることができる。好適な技法は、限定ではないが、リソグラフィ(とりわけ、接触フォトリソグラフィ、顕微鏡投影フォトリソグラフィ、およびマイクロレンズアレイ還元フォトリソグラフィを含む)、シルク印刷、エッチングロールツーロールプロセス、およびインクジェット印刷技法を含むことができる。前述の技法のいずれかの組み合わせもまた、想定される。透明導電性材料は、例えば、化学蒸着、噴霧熱分解、パルス化レーザ堆積、有機金属分子ビーム堆積、スパッタ堆積、化学補助下蒸着、エアロゾル補助下蒸着、有機金属化学蒸着、マグネトロンスパッタリング、電界補助下マグネトロンスパッタリング、パルス化直流スパッタリング、および同等物によって適用されることができる。
【0019】
透明導電性材料は、少なくとも2つの電極(b)を形成するために、導電性材料の多層または「スタック」において適用されることができ、例えば、電極は、インジウムスズ酸化物/銀/インジウムスズ酸化物等の連続して適用される導電性材料のスタックから成ることができる。
【0020】
多くの場合、基板の表面上に電極を形成するために使用される透明導電性材料のために選択されるパターニング技法は、採用される特定の基板に依存し得る。明白なこととして、ポリマー基板の使用は、高い処理温度を求めないパターニング技法を要求するであろう。
【0021】
本発明は、少なくとも2つの電極を形成するための透明導電性材料のパターニングが、基板上のバスバーパターンの形成を含むことを想定する。
【0022】
電極は、本デバイスの動作中のショート(すなわち、短絡)を防止するように、1つが他から離間される。所望される電気活性反応をもたらすように、電圧の印加に応じて、(1)ショートが存在しない、および(2)電極と接触する電気活性材料を通して流れる十分な電流が存在することを前提として、任意のパターンが、電極を形成するために使用されてもよい。
【0023】
少なくとも2つの電極を形成するために使用される導電性材料は、例えば、エレクトロクロミックデバイスの分野で広く公知であるもののいずれかから選択されることができる。透明導電性材料の非限定的な例は、カーボンナノチューブ、グラフェンプレートレット、金、スズ酸化物、フッ素ドープスズ酸化物、インジウムスズ酸化物、および/または1つもしくはそれを上回る導電性ポリマーから選択されるものを含むことができる。前述の導電性材料は、適用可能である場合、少なくとも2つの電極(b)を形成するためにパターニングされる、ポリマーコーティング内に存在してもよい。好適な導電性ポリマーの非限定的な例は、ポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(アニリン)、ポリ(フルオレン)、ポリ(ピリジン)、ポリ(インドール)、ポリ(カルバゾール)、ポリ(アジン)、ポリ(キノン)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリテトラチアフルバレン、ポリナフタレン、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、および/またはポリ(パラ−フェニレンビニレン)を含むことができる。好適な導電性ポリマーの詳細な議論に関しては、「Handbook of Conducting Polymers」(第2版、改訂版、Marcel Dekker,Inc., New York、1998年)を参照されたい。
【0024】
(電気活性材料)
(エレクトロクロミック材料)
前述されるように、本発明の電気活性光学デバイスはさらに、上記で説明される少なくとも2つの電極(b)および電極が配置される基板(a)の表面に(直接または1つもしくはそれを上回る介在する層を通してのいずれかで)接触する、少なくとも1つの電気活性材料層(c)を含む。電気活性材料層は、電気活性材料を含むポリマーコーティング層の形態、または電気活性材料を含むゲルの形態であり得る。
【0025】
電気活性材料層(c)は、(エレクトロクロミック−二色性材料を含む)エレクトロクロミック材料を含むことができる。電気活性材料層(c)を形成するために使用されるエレクトロクロミック材料は、例えば、ジヒドロフェナジン化合物等のフェナジン化合物および/またはビピリジニウム(すなわち、ビオロゲン)化合物を含む、当技術分野で公知であるエレクトロクロミック化合物のいずれかを含むことができる。そのようなフェナジン化合物およびその調製の好適かつ非限定的な例は、米国第6,020,987号の第31欄の第43行目、第34欄の第7行目、および米国第4,902,108号の第13欄の第49行目〜第15欄の第42行目(それらの引用される部分は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるものを含むことができる。ビオロゲン化合物の好適かつ非限定的な例は、米国第6,020,987号の34段の8〜55行目(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるものを含む。また、「Electrochromism and Electrochromic Devices」(Monk et al., Cambridge University Press 2007年、11章、341−373ページ)(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)も参照されたい。好適なアノードのエレクトロクロミック染料の具体的な例は、限定ではないが、5,10−ジヒドロ−5,10−ジメチルフェナゼン、N,N,N,N'−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、10−メチルフェノチアジン、10−エチルフェノチアジン、テトラチアフルバレン、フェロセンおよびそれらの誘導体、ならびに/またはトリアリールアミンおよびそれらの誘導体を含むことができる。好適なカソードのエレクトロクロミック染料の具体的な例は、限定ではないが、1,1'−ジフェニル−4,4'−ビピリジニウムジフルオロボレート、1,1'−ジ(n−ヘプチル)−4,4´ビピリジニウムジフルオロボレート、1,1'−ジベンジル−4,4'ビピリジニウムジフルオロボレート、および/または1,1'−ジ(n−プロピルフェニル)−4,4'−ビピリジニウムジフルオロボレートを含むことができる。加えて、エレクトロクロミック材料は、多くの場合、「PEDOT」と称されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等のポリ(チオフェン)等の導電性ポリマーだけではなく、特定のプルシアンブルー系を含むことができる。
【0026】
加えて、エレクトロクロミック材料はまた、ポリマーマトリクスを含む、溶媒(例えば、極性非プロトン性溶媒)、吸光剤、光安定剤、熱安定剤、抗酸化剤、増粘剤または粘度調整剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、および自立ゲル等の他の材料を含んでもよい。エレクトロクロミック材料は、適切である場合、溶媒を含むことができる。例えば、好適な溶媒は、プロピレンカーボネート、ベンゾニトリル、フェノキシアセトニトリル、ジフェニルアセトニトリル、スルホラン、スルホネート、および/またはホスホルアミドを含むことができる。他の有用な溶媒は、限定ではないが、トリクレジルフォスフェート、クレシルホスフェート、および同等物等のリン酸エステル、N,N−ジ−メチルホルムアミド、メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、ジエチルホルムアミド、テトラメチル尿素、および同等物等のアミド、アセトニトリル等のニトリル、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジオクチル、および同等物等のエステル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、および同等物等のカーボネート、ガンマブチロラクトン等のラクトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、および同等物等のケトンを含むことができる。前述の溶媒のいずれかが、単独または任意の組み合わせで使用されてもよい。加えて、エレクトロクロミック材料はまた、材料にイオン導電性を提供するために、電解質、例えば、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートおよび/またはテトラブチルアンモニウムブロミドを含むことができる。本目的のために好適な電解質材料が、当技術分野で周知である。
【0027】
エレクトロクロミック材料はまた、例えば、WO
3、MoO
3、V
2O
5、Nb
2O
5、および同等物等の金属酸化物を含むこともできる。そのような材料の堆積は、典型的には、真空蒸発、スパッタリング、または他の蒸着プロセスを要求する。金属酸化物におけるエレクトロクロミックプロセスは、光学原子価間電荷移動に起因するエレクトロクロミック吸収帯に対応する、不定比性レドックス状態への電気化学的切替を伴う。
【0028】
エレクトロクロミック材料はまた、複数のレドックス状態にアクセスすることが可能である、共役ポリマーおよびコポリマー等のあるクラスの材料を含むこともできる。π共役有機ポリマーと名付けられる、これらの系は、構造的および機能性制御を介して、機械的可撓性および容易に調整されるバンドギャップ色を提供する。そのようなπ共役ポリマーおよびコポリマーは、Beaujuge, P.M.およびJ.R. Reynoldsの「Color Control in pi−conjugated Organic Polymers for Use in Electrochromic Devices」(Chemical Reviews、2010年、110(1):268−320ページ)(その引用される部分は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0029】
(二色性および整合材料)
前述のエレクトロクロミック材料に加えて、電気活性材料層はまた、二色性材料を含むこともできる。本明細書で使用されるように、用語「二色性」は、2つの直交平面の、他方よりも強く偏光した、少なくとも透過された放射の成分のうちの1つを吸収することが可能であることを意味する。好適な二色性材料の非限定的実施例は、限定ではないが、アゾメチン、インジゴイド、チオインジゴイド、メロシアニン、インダン、キノフタロニック染料、ペリレン、フタロペリン、トリフェノジオキサジン、インドロキノキサリン、イミダゾ−トリアジン、テトラジン、アゾおよび(ポリ)アゾ染料、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、(ポリ)アントラキノン、アントラピリミジノン、ヨウ素、および/またはヨウ素酸等の化合物を含むことができる。本明細書で使用されるように、用語「化合物」は、2つまたはそれを上回る要素、成分、原料、または部分の結合によって形成される物質を意味し、限定ではないが、2つまたはそれを上回る要素、成分、原料、もしくは部分の結合によって形成される、分子および高分子(例えば、ポリマーおよびオリゴマー)を含む。二色性材料はまた、重合性二色性化合物を含むこともできる。つまり、二色性材料は、重合されることが可能である少なくとも1つの基(すなわち、「重合性基」)を含むことができる。例えば、本明細書において限定されないが、二色性化合物は、少なくとも1つの重合性基で終端される、少なくとも1つのアルコキシ、ポリアルコキシ、アルキル、またはポリアルキル置換基を有し得る。
【0030】
二色性材料はまた、フォトクロミック−二色性化合物を含むこともできる。用語「フォトクロミック−二色性」は、特定条件下で、フォトクロミックおよび二色性(すなわち、直線偏光する)性質の両方を示すことを意味し、その性質は、器具類によって少なくとも検出可能である。故に、「フォトクロミック−二色性化合物」は、特定条件下で、フォトクロミックおよび二色性(すなわち、直線偏光する)性質の両方を示す化合物であり、その性質は、器具類によって少なくとも検出可能である。したがって、フォトクロミック−二色性化合物は、少なくとも化学線に応答して変動する、少なくとも可視光放射に対する吸収スペクトルを有し、2つの直交平面の他方よりも強く偏光した、少なくとも透過された放射の成分のうちの1つを吸収することが可能である(すなわち、二色性を呈することが可能である)。加えて、従来のフォトクロミック化合物と同様に、本明細書に開示されるフォトクロミック二色性化合物は、熱的に可逆的であり得る。つまり、フォトクロミック二色性化合物は、化学線に応答して、第1の状態から第2の状態に切り替わり、熱エネルギーに応答して、第1の状態に逆戻りすることができる。
【0031】
例えば、本明細書に開示される種々の非限定的な実施形態によると、フォトクロミック−二色性化合物は、第1の吸収スペクトルを有する第1の状態、第1の吸収スペクトルと異なる第2の吸収スペクトルを有する第2の状態を有することができ、少なくとも化学線に応答して、第1の状態から第2の状態に切り替わり、熱エネルギーに応答して、第1の状態に逆戻りするように適合されることができる。さらに、フォトクロミック−二色性化合物は、第1の状態および第2の状態の一方または両方において、二色性(すなわち、直線偏光する)であり得る。例えば、要求されないが、フォトクロミック−二色性化合物は、活性化状態において直線偏光することができ、漂白または退色(すなわち、活性化されていない)状態において非偏光性であり得る。本明細書で使用されるように、用語「活性化状態」は、十分な化学線に暴露されると、フォトクロミック−二色性化合物の少なくとも一部を第1の状態から第2の状態に切り替えさせる、フォトクロミック−二色性化合物を指す。さらに、要求されないが、フォトクロミック−二色性化合物は、第1および第2の状態の両方において二色性であり得る。本明細書において限定されないが、例えば、フォトクロミック二色性化合物は、活性化状態および漂白状態の両方において、可視光放射を直線偏光させることができる。さらに、フォトクロミック二色性化合物は、活性化状態において、可視光放射を線形に偏光させることができ、漂白状態において、UV放射を線形に偏光させることができる。
【0032】
本発明において使用するために好適なフォトクロミック二色性化合物の実施例は、限定ではないが、米国特許出願公開第2005/0012998A1号の段落[0089]〜[0339](その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳細に説明されるものを含むことができる。
【0033】
二色性材料は、2つの直交平面の偏向した、透過された放射の成分のうちの1つを優先的に吸収することが可能であるが、二色性材料の分子が好適に位置付けられない(すなわち、配向されない)場合、透過された放射の正味線形偏光は、全く達成されないことに留意されたい。つまり、二色性材料の分子の無作為位置付けに起因して、個々の分子による選択的吸収は、キャンセルされ、正味の、または全体的な直線偏光効果は、達成されない。したがって、概して、正味の直線偏光を達成するために、二色性材料の分子を別の材料との整合によって、好適に位置付けるか、または配列することが必要である。
【0034】
本発明のさらなる実施形態では、電気活性材料層は、(印加される電圧に応答して、エレクトロクロミックと二色性の両方である単一化合物であり得る)電気活性−二色性材料、またはエレクトロクロミック材料と二色性材料の混合物を含む。好適なエレクトロクロミック二色性材料は、限定ではないが、延伸ポリアニリンフィルム、延伸ポリピロール、延伸ポリチオフェン、ビオロゲン等の構造的に修正および配向されたエレクトロクロミック材料、液晶内二色性染料等を含むことができる。
【0035】
そのような実施形態では、電気活性材料層はさらに、異方性材料を含んでいてもよい。本発明の目的には、「異方性材料」とは、少なくとも異なる方向において測定されるとき、値が異なる少なくとも1つの性質を有する材料である。本発明の電気活性光学デバイスにおいて使用するために好適な異方性材料の非限定な例は、種々の液晶材料のいずれかを含むことができる。そのような液晶材料の好適な例は、米国特許第7,256,921B2号の第68欄の第8行目〜第69欄の第33行目(その引用される部分は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳細に開示される。
【0036】
また、本発明の電気活性光学デバイスはさらに、二色性材料および/または異方性材料の配向もしくは整列を促進し、直線偏光をもたらすために、整合(または配向)手段を備えてもよい。本明細書で使用されるように、用語「整合手段」は、用語「配向手段」と同義的に使用される。整合手段(または配向手段)とは、1つまたはそれを上回る他の構造の少なくとも一部に直接および/または間接的に暴露される、他の構造の(所望される方向または順序における)位置付けを促進し得る機構である。好適な整合/配向手段は、限定ではないが、米国特許第7,256,921B2号の第67欄の第7行目〜第71欄の65行目(その引用される部分は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳細に説明されるものを含むことができる。
【0037】
(付加的コーティング層)
本発明の電気活性光学デバイスはさらに、硬質コートおよび/または耐摩耗コーティング、反射防止(「AR」)コーティング、防曇コーティング、酸素障壁コーティングおよび/または赤外(IR)吸収コーティング
および/またはIR反射性コーティング、および/または従来の反射性コーティング等の1つもしくはそれを上回る保護コーティングを備えることができる。コーティングは、必要ではないが、電気活性材料層(c)の表面全体、および/または電気活性層(c)
および電極(b)を備える表面とは反対の光学基板(a)の表面を被覆し得ることに留意されたい。
【0038】
ARコーティングの好適かつ非限定的な例は、金属酸化物、金属フッ化物、または他のそのような材料の単層コーティングもしくは多層コーティングを含むことができ、これは、当技術分野で周知であるような真空堆積技法およびスパッタリング技法等の適用手段を通して、基板(i)および/もしくは(ii)の外面上に堆積されるか、または代替として、基板外面(単数または複数)に適用される自己支持フィルム上に堆積されてもよい。IR反射性コーティングの好適かつ非限定的な例は、例えば、PVD金属化方法によって適用される、NiCrおよび/または金層等の非常に薄く、部分的に透明な金属層を含むことができる。そのような材料および適用手段は、Creavac Vakuumbeschechtung GmbH(Dresden, Germany)から入手可能である。IR反射性コーティングの好適な例(例えば、Laser GoldおよびLaser Black)はまた、Epner Technology, Inc.からも入手可能である。また、好適なIR反射性コーティングは、CPFilms Inc.(Canoga Park, CA)から、AgHT
TMという商品名で入手可能な銀系コーティングおよびAuARE
TMという商品名で入手可能な金系コーティングを含むことができる。IR吸収コーティングの好適かつ非限定的な例は、IR吸収染料材料、例えば、周囲光条件の下で光化学的に安定的であり、スペクトルの近IR領域内の光を吸収するもの、例えば、(約830nmでピークIR吸収を提供する)5,5'−ジクロロ−11−ジフェニルアミノ−3,3'−ジエチル−10,12−エチレンチアトリカルボシアニンパークロレート、(約780〜約800nmでピークIR吸収を提供する)2,4ジ−3−グアイアズレニル−1,3−ジヒドロキシシクロブテンジイリウムジヒドロキシド,ビス(分子内塩)、および(約900〜約1,000nmでピークIR遮断を提供する)1−ブチル−2−[2−[3[(1−ブチル−6−クロロベンズ[cd]インドル−2(1H)−イリデン)エチリデン]−2−クロロ−5−メチル−1−シクロヘキセン−1−yl]エテニル]−6−クロロベンズ[cd]インドリウムテトラフルオロボレートを含むコーティングである。
【0039】
遷移コーティングもまた、採用されてもよい。本明細書で使用されるように、用語「遷移コーティング」は、2つのコーティング間で性質の勾配をもたらすことを補助するコーティングを意味する。例えば、本明細書において限定されないが、遷移コーティングは、比較的硬質のコーティングと比較的軟質のコーティングとの間で硬度の勾配をもたらすことを補助することができる。遷移コーティングの例は、放射硬化アクリレート系薄フィルムを含む。
【0040】
保護コーティングの好適な例は、限定ではないが、オルガノシランを含む耐摩耗コーティング、放射硬化アクリレート系薄フィルムを含む耐摩耗コーティング、シリカ、チタニア、および/またはジルコニア等の無機材料に基づく耐摩耗コーティング、紫外線硬化可能なタイプの有機耐摩耗コーティング、酸素障壁コーティング、UV遮蔽コーティング、ならびにそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、保護コーティングは、放射硬化アクリレート系薄フィルムの第1のコーティングと、オルガノシランを含む第2のコーティングを含むことができる。商業的に入手可能な保護コーティング製品の非限定的な例は、それぞれ、SDC Coatings, Inc.およびPPG Industries, Inc.から入手可能である、SILVUE(登録商標)124およびHI−GARD(登録商標)コーティングを含む。
【0041】
本発明の電気活性光学デバイスはまた、電極が電気活性層(c)と電気連通したままであることが前提であるが、基板(a)表面と少なくとも2つの電極(b)との間、または少なくとも2つの電極(b)と電気活性層(c)との間のいずれかに介入される、付加的コーティング層を備えることもできる。前述のコーティングのいずれかだけではなく、障壁コーティングおよび/またはプライマ層も、本目的のために使用されることができる。
【0042】
上記で議論されるように、本発明の電気活性光学デバイスは、印加される電圧の大きさに応答して、可変の光透過率を有する。概して、光学基板(a)の表面上に配置される(透明の導電性材料から形成される)少なくとも2つの電極は、それに電圧を印加することによって電気活性材料層を通電するように動作可能であるコントローラと電気連通する、対向導電性電極としての役割を果たす
【0043】
印加される電圧の印加に応じて、電気活性材料層は、第1の吸収状態から第2の吸収状態に可逆的に変化する。第1の吸収状態は、可視スペクトル領域、すなわち、410nm〜800nmにおいて吸収を本質的に有さない。
【0044】
電気活性光学デバイスは、眼科用(度入り)およびプラノ(度なし)を含む光学レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、保護レンズ、およびバイザー等の光学物品、ディスプレイ物品(例えば、タッチスクリーンおよびセキュリティ要素を含む)、窓、鏡、ならびに能動および受動両方の液晶セルとして、またはそれらの生産において有用である。
【0045】
本発明の特定の実施形態が、例証の目的で上記に説明されたが、本発明の詳細の多数の変形例が、添付される請求項に定義されるような本発明から逸脱することなく成され得ることが、当業者に明白であり得る。