(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
変換ルール保持部は、変換ルールとして外部からネットワークを介して受信した取引情報を変換したバイブレーション出力時のノイズ耐性を高めるために、外部からネットワークを介して受信した取引情報に対して冗長化した変換をするためのルールである冗長化変換ルールを保持する冗長化変換ルール保持手段を有し、
変換部は、冗長化変換ルール保持手段が保持する冗長化変換ルールに基づいて取引情報を変換する冗長化変換手段を有する請求項1又は2に記載の変換電子機器。
変換ルール保持部は、変換ルールとして外部からネットワークを介して受信した取引情報を変換した超音波出力時のノイズ耐性を高めるために、外部からネットワークを介して受信した取引情報に対して冗長化した変換をするためのルールである超音波冗長化変換ルールを保持する超音波冗長化変換ルール保持手段を有し、
超音波変換部は、超音波冗長化変換ルール保持手段が保持する超音波冗長化変換ルールに基づいて取引情報を変換する超音波冗長化変換手段を有する請求項4又は5に記載の変換電子機器。
コード情報である取引情報をバイブレーション発生信号に変換するルールである変換ルールを保持する変換ルール保持部と、外部からネットワークを介して受信した前記取引情報を表示するための情報表示部を有する計算機である変換電子機器のためのプログラムであって、
バイブレーション発生信号に基づいてバイブレーションを発生させるバイブレーション発生ステップと、
コード情報である取引情報を外部からネットワークを介して受信する情報受信ステップと、
情報受信ステップにて外部からネットワークを介して受信した前記取引情報を変換ルール保持部に保持されている変換ルールに基づいてバイブレーション発生信号に変換する変換ステップと、
変換ステップにて変換されたバイブレーション発生信号に基づいてバイブレーション発生ステップを制御するバイブレーション発生制御ステップと、
バイブレーション発生ステップにてバイブレーションを発生させると同時に音波、超音波、静止画、動画のいずれか一以上であって変換ステップにて変換されたバイブレーションのみならず併せてこれが適正である場合にのみ適正な取引であると判断するために前記取引情報と関連付けられていない情報である付随情報を発生させる付随情報発生ステップと、
外部からネットワークを介して受信した取引情報であって,バイブレーション発生ステップにて発生させたバイブレーションと関連付けられた取引情報と同じ内容の取引情報を情報表示部にて表示する情報表示ステップと、
を計算機である変換電子機器に読取実行可能とした変換電子機器用プログラム。
情報表示ステップは、外部からネットワークを介して受信した取引情報をコードとして表示するコード表示サブステップを有する請求項7に記載の変換電子機器用プログラム。
変換ルール保持部は、変換ルールとして外部からネットワークを介して受信した取引情報を変換したバイブレーション出力時のノイズ耐性を高めるために、外部からネットワークを介して受信した取引情報に対して冗長化した変換をするためのルールである冗長化変換ルールを保持する冗長化変換ルール保持手段を有し、
変換ステップは、冗長化変換ルール保持手段が保持する冗長化変換ルールに基づいて取引情報を変換する冗長化変換サブステップを有する請求項7又は8に記載の変換電子機器用プログラム。
コード情報である取引情報を超音波発生信号に変換するルールである超音波変換ルールを保持する超音波変換ルール保持部と、外部からネットワークを介して受信した前記取引情報を表示するための情報表示部を有する計算機である変換電子機器のためのプログラムであって、
超音波発生信号に基づいて超音波を発生させる超音波発生部ステップと、
コード情報である取引情報を外部からネットワークを介して受信する情報受信ステップと、
情報受信ステップにて外部からネットワークを介して受信した前記取引情報を超音波変換ルール保持部に保持されている超音波変換ルールに基づいて超音波発生信号に変換する超音波変換ステップと、
超音波変換ステップにて変換された超音波発生信号に基づいて超音波発生ステップを制御する超音波発生制御ステップと、
超音波発生ステップにて超音波を発生させると同時に音波、超音波、静止画、動画のいずれか一以上であって超音波変換ステップにて変換された超音波のみならず併せてこれが適正である場合にのみ適正な取引であると判断するために前記取引情報と関連付けられていない情報である付随情報を発生させる付随情報発生ステップと、
外部からネットワークを介して受信した取引情報であって,超音波発生ステップにて発生させた超音波と関連付けられた取引情報と同じ内容の取引情報を情報表示部にて表示する情報表示ステップと、
を計算機である変換電子機器に読取実行可能とした変換電子機器用プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態について図面と共に説明する。実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は、主に請求項1、6、11、16、30、31などに対応する。実施形態2は、主に請求項2、7、12などに対応する。実施形態3は、主に請求項3、4、8、9、13、14などに対応する。実施形態4は、主に請求項5、10、15などに対応する。実施形態5は、主に請求項17、21、25、29、30、31などに対応する。実施形態6は、主に請求項18、19、22、23、26、27などに対応する。実施形態7は、主に請求項20、24、28などに対応する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
【0014】
本実施形態の変換電子機器は、外部からネットワークを介して受信した取引情報に基づいたバイブレーションを発生させることを特徴としている。当該バイブレーションを発生させ、近接した範囲で当該バイブレーションを読み取らせることにより、第三者から個人情報等センシティブな取引情報を送受信する際の通信を傍受されるリスクを軽減することができる。
【0015】
<機能的構成>
図1は、本実施形態の変換電子機器の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「変換電子機器」0100は、「バイブレーション発生部」0101と、「情報受信部」0102と、「変換ルール保持部」0103と、「変換部」0104と、「バイブレーション発生制御部」0105と、を有する。
【0016】
なお、以下に記載する変換電子機器の機能ブロックは、いずれもハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、メモリカードなどの記憶媒体とそれらの媒体の読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、タッチパネル、マイク、スピーカ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置、バイブレータなどの振動発生装置、超音波発生装置その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられ、これらを用いた携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末、テレビ、ラジオなどの装置により実現することが考えられる。そして、メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0017】
なお、本発明は一または複数の装置との組み合わせによりシステムとしても実現可能である。そして、このような装置の一部をソフトウェアとして構成することも可能である。さらに、そのようなソフトウェアが記録された記憶媒体も当然に本発明の技術的な範囲に含まれる(本実施形態に限らず、逆変換装置に関する記載を含め本明細書の全体を通じて同様である。)。
【0018】
「バイブレーション発生部」0101は、バイブレーション発生信号に基づいてバイブレーションを発生させるように構成されている。ここでいう「バイブレーション」とは、物理的な振動のうち、近接した範囲で通常の機能を有するマイクでのみ検出が可能なものであって、伝播性のある音波や超音波はここでいうバイブレーションに含まない(ただし、バイブレーションに代えて超音波を発生させることでも本発明の効果を得ることは可能である)。基本的にはバイブレータなどの振動発生装置により発生させ、その発生回数としては、およそ4000〜10000rpm程度とすることが考えられるが、例えば圧電素子に電圧を加えることにより低周波の振動を発生する構成を採用してもよい。「近接した範囲」としては、例えば半径30cm以内の範囲でのみ読取が可能なバイブレーションであることが望ましい。当該構成をとることにより、発生したバイブレーションの検出可能範囲がバーブレーション発生部からごく近接した範囲内に限定され、傍受の危険が低減される。なお、具体的なバイブレーション発生の制御方法については、バイブレーション発生制御部と関連させて後ほど詳しく説明する。
【0019】
なお、バイブレーションに代えて超音波を発生させる構成を採用する場合には、超音波は基本的にはスピーカなどの超音波発生装置によって発生され、その周波数としては18000〜20000Hz程度とすることが好ましい。当該構成を採用することにより、発生させた超音波を逆変換電子機器として用いるPOS端末やスマートフォンなどの機器に通常備えられているマイクでも検出することが可能となる。
【0020】
超音波は、発生させる方向に対して特に指向性が強くなるように発生させることが好ましい。具体的には、単一指向性または鋭指向性を有することが望ましい。当該構成を採用することにより、超音波を限られた範囲でのみ検出可能とすることができるため、発生させた超音波を第三者に傍受され悪用される懸念を減らすことができる。
【0021】
「情報受信部」0102は、取引情報を外部からネットワークを介して受信するように構成されている。具体的には、取引を特定するために用いられる一または複数の情報である取引情報を受信する。一例としては、特定の商品の販売価格を割引くための情報である割引情報であったり、ECサイト利用に伴う代金決済のための情報である決済情報であったりを受信することが考えられる。具体的な受信態様としては、ネットワークを介して外部のサーバから送信された取引情報を受信することが考えられ、例えば割引情報であれば商品製造会社や販売会社の管理するサーバから、決済情報であればECサイトの管理者が管理するサーバなどから送信された直接的にもしくは間接的に各取引情報を受信する。
【0022】
「変換ルール保持部」0103は、取引情報をバイブレーション発生信号に変換するルールである変換ルールを保持するように構成されている。「取引情報をバイブレーション発生信号に変換するルール」とは、短時間(例えば数秒程度以下)の時間長内にバイブレーションのON時間長とOFF時間長とを長短をつけて繰り返すことで複数種類のON時間長又は/及びOFF時間長の組合せから有意味な情報を表現するためのルールをいう。
またこれに加えてバイブレーションの振動数(周波数)又は/及びバイブレーションの強さを複数種類組み合わせることで有意味な情報を表現するようなルールであってもよい。
取引情報はデジタル情報として受信されるので、バイブレーションによる有意味な情報によって数字、記号、文字などが表現される。つまりデジタル情報として受信される情報が再現される。従ってこの「変換ルール」は数字、記号、文字に対してどのようにバイブレーションの複数種類のON時間長又は/及びOFF時間長の組合せを割り当てるかまたこれに加えてバイブレーションの振動数(周波数)又は/及びバイブレーションの強さの組合せを割り当てるかを定めるルールとなる。
【0023】
なお、変換ルールは複数保持されてもよい。この場合は例えば、「コンビニが取引相手方の場合には変換ルールAを選択する」「家電量販店が取引相手方の場合には変換ルールBを選択する」といった具合に、保持されている複数の変換ルールのうち取引情報と関連付けられた変換ルールを選択する選択部が設けられていることが考えられる。当該構成を採用すれば、取引情報の内容に応じて異なるバイブレーションを発生させることができ、情報が漏えいした際に当該情報が流用されるリスクをさらに軽減できる。
【0024】
ここで変換ルールの一例を示すために
図2AないしCを示す。これらの図はいずれも変換ルール保持部にて保持される変換ルールの一例と当該変換ルールに基づいて発生させるバイブレーションの一例を示す図である。まず
図2Aに示した例には、取引情報を構成する数値それぞれに対しバイブレーションを継続して発生させる時間を定める変換ルールが記載されている。具体的には、同図上部に示されているように、数値「0」に対しては0.1秒バイブレーションを継続して発生させ、数値「4」に対しては0.5秒バイブレーションを継続して発生させる。そして各数値に対応して発生するバイブレーションの振動回数がそれぞれ定められている(同図の例の場合でいえば、9600rpm)。なお、取引情報を示すバイブレーションの発生開始時と発生終了時には、発生開始および終了を意味する内容のバイブレーションを所定時間発生させ(同図の例の場合、発生開始時は0.55秒、発生終了時には0.25秒それぞれ継続して発生させる)、各数値に対応したバイブレーション発生の間には、バイブレーションを発生させない時間を所定時間(例えば0.15秒)設けることが考えられる。
【0025】
また、
図2Bに示した例は、取引情報であるバーコードをバイブレーション発生信号に変換する様子を表したものである。バイブレーションは所定の時間間隔(例えば、1秒間隔、3秒間隔程度)で繰り返し出力されるように構成される。同図上段で示されているように、バーコードを構成する黒色バー(Black)と白色バー(White)をバイブレーションにて表現するため、白色バー部分についてはバイブレーションを生じさせず、黒色バー部分についてはバイブレーションを生じさせることを内容とする変換ルールが保持されている。
【0026】
さらに
図2Cには、白色バー部分については周波数80Hzのバイブレーションを生じさせ、黒色バー部分については周波数100Hzのバイブレーションを発生させることを内容とする変換ルールが保持されている様子が示されている。
【0027】
なお、変換ルールとして、
図2Aを用いて説明したようなバイブレーションの発生開始及び発生終了を表すために、あるいは黒色バー部分と白色バー部分のようにバイブレーションの態様が切り替わることを表すために、これら情報内容の変化を示すためのバイブレーションを発生させるルールである情報内容変化ルールを変換ルールの内容として設けてもよい。当該内容を含む変換ルールに基づいて変換されたバイブレーションを取引に用いることで、バイブレーションの読取精度を高めることが可能になる。
【0028】
「変換部」0104は、情報受信部にて外部からネットワークを介して受信した取引情報を変換ルール保持部にて保持されている変換ルールに基づいてバイブレーション発生信号に変換するように構成されている。変換処理は、バイブレーション発生部にてバイブレーションを発生させる直前に行うことが望ましい。当該構成を採用すれば、ユーザの誤操作などにより本来必要のないタイミングでバイブレーションを発生させ、取引に支障がでてしまう事態の発生を防ぐことができる。
【0029】
「バイブレーション発生制御部」0105は、変換部にて変換されたバイブレーション発生信号に基づいてバイブレーション発生部を制御するように構成されている。具体的には、
図2AないしCを用いて説明した例のように、取引情報に応じたバイブレーションを発生させるように制御を行う。より具体的な制御態様の一例としては、バイブレーション発生信号に基づいたバイブレーションを所定回数繰り返して出力することが考えられる。この場合には、バイブレーションを検出させる装置に対し、所定の時間間隔で同じ内容のバイブレーションを複数回繰り返し発生させ検出させることが考えられる。そうすることによって、出力されたバイブレーションを検知する際の検出装置側の検出確度を向上させることができる(詳しくは実施形態4以下で説明する)。
【0030】
(実施例1)
以上のような構成を採用する変換電子機器の一例としては、携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末であることが考えられる。この場合、外部サーバ装置等から取引情報を取得してバイブレーションや超音波に変換してPOS端末等に対し出力することにより、店舗にて第三者による取引情報の傍受や流用を恐れることなく、安心して取引を行うことが可能になる。
【0031】
(実施例2)
なお変換電子機器の別の一例として、テレビやラジオ、パソコンなどの装置を挙げることも可能である。この場合には、メーカや商品販売店舗側から送信される取引情報を取得して超音波に変換して携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末等に対して出力することにより、特定の商品に関する取引情報や特定の店舗での取引において用いることが可能な取引情報を不特定多数の消費者に対して提供し、店舗に足を向けてもらうための販促情報として用いることが可能になる。
【0032】
(実施例3)
さらに変換電子機器としての一例としてユーザの保有する端末や店舗等の管理する端末とは独立した外部サーバを挙げることも可能である。この場合、ユーザの保有する端末等から取引情報を取得してバイブレーションや超音波に変換し、POS端末等に対しバイブレーションや超音波を発生させる。ここでバイブレーションや超音波の発生態様の一例としては、ウェブブラウザなどのユーザエージェントを用いる構成などが考えられる。当該構成を採用することにより、ユーザの保有する端末や店舗等の管理する端末に特別なアプリケーションを導入することなく、ウェブブラウザ等のユーザエージェントが利用可能な環境であればどのような端末であっても取引を行うことができる。
【0033】
<具体的な構成>
図3は、本実施形態の変換電子機器の機能的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。この図にあるように、本実施形態の変換電子機器は、各種演算処理を実行するための「CPU」0301と、「記憶装置(記憶媒体)」0302と、「メインメモリ」0303と、「ネットワークインターフェース」0360と、「入力インターフェース」0370と、「出力インターフェース」0380と、を備え、ネットワークインターフェースを介して、例えば「外部装置」0361と、入出力インターフェースを介して、例えば「タッチパネル」0371や「マイク」0372、「スピーカ」0381、「ディスプレイ」0382、そして振動発生機などの「バイブレーション発生部」0383といった周辺装置とそれぞれ情報の送受信を行う。ちなみに、本実施形態の変換電子機器は、バイブレーション発生部やスピーカ、ディスプレイ等の周辺装置を介して後述する「逆変換電子機器」0390と情報の送受信を行う。なお、記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0399などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0034】
(情報受信部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「情報受信プログラム」0320をメインメモリに読み出して実行し、外部装置から送信された取引情報を受信し、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0035】
(変換部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「変換プログラム」0330をメインメモリに読み出して実行し、情報受信プログラムの実行により得られた取引情報を変換ルールに基づいてバイブレーション発生信号に変換し、その結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する処理を行う。
【0036】
(バイブレーション発生制御の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「バイブレーション発生制御プログラム」0340をメインメモリに読み出して実行し、変換プログラムの実行により得られたバイブレーション発生信号に基づいてバイブレーション発生部を制御する処理を行う。
【0037】
(バイブレーション発生部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「バイブレーション発生プログラム」0310をメインメモリに読み出して実行し、バイブレーション発生信号に基づいてバイブレーションを発生させる処理をおこなう。
【0038】
<処理の流れ>
図4は、本実施形態の変換電子機器における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0401では、取引情報を受信する(情報受信ステップ)。その後ステップS0402にてバイブレーションを発生させるかどうかを判断する。発生させるとの判断結果である場合にはステップS0403の処理に移行し、発生させないとの判断結果である場合にはその後の処理を行わない。ステップS0403では、情報受信ステップにて外部からネットワークを介して受信した取引情報を所定の変換ルールに基づいてバイブレーション発生信号に変換する(変換ステップ)。
【0039】
そしてステップS0404で変換ステップにて変換されたバイブレーション発生信号に基づいてバイブレーション発生部を制御するための処理をおこなう(バイブレーション発生制御ステップ)とともに、ステップS0405では、バイブレーション発生信号に基づき、バイブレーション発生制御ステップにて定められたようにバイブレーションを発生させる(バイブレーション発生ステップ)。なおステップS0406にてその後再びバイブレーションを発生させるかどうかを判断し、発生させるとの判断結果である場合にはさらにステップS0404以降の処理を行う。発生させないとの判断結果である場合にはその後の処理を行わない。
【0040】
なお、上記処理の流れのうち、変換ステップは受信した情報に基づくバイブレーションを発生させるかどうかのステップS0402における判断を行う前に実行されてもよい。
【0041】
<効果>
以上の構成を有する変換電子機器を利用することにより、情報の送信元が送信先からの情報漏えいを懸念することなく、安全かつ円滑に取引情報を送信することが可能となる。
【0043】
本実施形態の変換電子機器は、基本的に実施形態1の変換電子機器と同様であるが、音波、超音波、静止画、動画のいずれか一以上をバイブレーション発生部がバイブレーションを発生させると同時に発生させる付随情報発生部をさらに有する点を特徴としている。当該構成をとることにより、取引情報検出者の側で、バイブレーション発生の真正を他の手段で確認しダブルチェックを行うことができる。
【0044】
<機能的構成>
図5は、本実施形態の変換電子機器の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「変換電子機器」0500は、「バイブレーション発生部」0501と、「情報受信部」0502と、「変換ルール保持部」0503と、「変換部」0504と、「バイブレーション発生制御部」0505と、「付随情報発生部」0506と、を有する。基本的な構成は実施形態1の
図1を用いて説明した変換電子機器と共通するため、以下では相違点である「付随情報発生部」0506の機能について説明する。
【0045】
「付随情報発生部」0506は、音波、超音波、静止画、動画のいずれか一以上をバイブレーション発生部がバイブレーションを発生させると同時に発生させるように構成されている。「バイブレーションを発生させると同時に発生させるように」とは、バイブレーション発生部がバイブレーションを発生させている間に音波、超音波、静止画、動画のいずれか一以上を発生させることを意味しており、バイブレーションが発生している間絶え間なく音波、超音波、静止画、動画のいずれか一以上を発生させる必要はない。また、バイブレーションが発生するタイミングと音波、超音波、静止画、動画のいずれか一以上が発生するタイミングが同一である必要もない。なお、取引情報と関連付けられた超音波を発生させる場合には、当該超音波とは周波数の異なる超音波を付随情報として発生させることが考えられる。
【0046】
なお、付随情報発生部にて発生される音波、超音波、静止画、動画はいずれも特定の取引とは関連付けられている必要のない情報であり、これまで説明してきた取引情報とは区別される。すなわち、本実施形態の構成を採用することにより、変換電子機器の利用者および当該利用者の相手方には、特定の取引情報と関連付けられている情報と、特定の取引情報と関連付けられていない情報とが同時に提供される。そのため取引相手としては、バイブレーションのみならず、当該付随情報をもあわせ、そのいずれもが適正である場合にのみ適正な取引であるとの判断が可能になり、より慎重に取引相手の適正を判断することが可能になる。
【0047】
ちなみに、付随情報発生部にて発生するのが音波の場合には、バイブレーション発生部にて発生するバイブレーションよりも高い可聴周波数(例えば1kHzなど)にて音波を発生することが望ましい。当該構成をとることによれば、バイブレーションが発生している間付随情報として音波が発生して周辺に伝播するため、バイブレーションが周囲に伝播し第三者に当該バイブレーションを複製されるなど悪用される懸念を相対的に低くすることができる。
【0048】
<具体的な構成>
本実施形態の変換電子機器のハードウェア構成は、基本的には
図3を用いて説明した実施形態1の変換電子機器のハードウェア構成と同様である。そこで以下では、これまで説明していない「付随情報発生部」の具体的な処理について説明する。
【0049】
(付随情報発生部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「付随情報発生プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、音波、静止画、動画のいずれか一以上をバイブレーション発生部がバイブレーションを発生すると同時に発生させる。
【0050】
<処理の流れ>
図6は、本実施形態の変換電子機器における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0601では、取引情報を受信する(情報受信ステップ)。その後ステップS0602にてバイブレーションを発生させるかどうかを判断する。発生させるとの判断結果である場合にはステップS0603の処理に移行し、発生させないとの判断結果である場合にはその後の処理を行わない。ステップS0603では、情報受信ステップにて外部からネットワークを介して受信した取引情報を所定の変換ルールに基づいてバイブレーション発生信号に変換する(変換ステップ)。
【0051】
そしてステップS0604で変換ステップにて変換されたバイブレーション発生信号に基づいてバイブレーション発生部を制御するための処理をおこなう(バイブレーション発生制御ステップ)とともに、ステップS0605では、バイブレーション発生信号に基づき、バイブレーション発生制御ステップにて定められたようにバイブレーションを発生させる(バイブレーション発生ステップ)。なおステップS0606では、バイブレーション発生ステップにてバイブレーションを発生させると同時に音波、超音波、動画、静止画のいずれか一以上を発生させる(付随情報発生ステップ)。ここで、バイブレーション発生ステップと付随情報発生ステップはその処理の順番が逆になってもかまわない。
【0052】
そしてステップS0607にてその後再びバイブレーションを発生させるかどうかを判断し、発生させるとの判断結果である場合にはさらにステップS0604以降の処理を行う。発生させないとの判断結果である場合にはその後の処理を行わない。
【0053】
<効果>
本実施形態の構成をとれば、第三者が不正に取引情報を取得しバイブレーションに変換し発生することができたとしても、これを音波、超音波、静止画、動画と同時に発生させない限りバイブレーション発生の真正を相手に認識させることができないことから、取引情報検出者の側で、より慎重に取引相手の真正を確認することが可能になる。
【0055】
本実施形態の変換電子機器は、基本的に実施形態1または2に記載の変換電子機器と同様であるが、外部からネットワークを介して受信した取引情報を表示する情報表示部をさらに有する点を特徴として備えている。取引情報をバイブレーションと異なる態様にて出力する当該構成を採用することにより、第三者に対し、取引情報の真正をより慎重に判断させることが可能になる。
【0056】
<機能的構成>
図7は、本実施形態の変換電子機器の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「変換電子機器」0700は、「バイブレーション発生部」0701と、「情報受信部」0702と、「変換ルール保持部」0703と、「変換部」0704と、「バイブレーション発生制御部」0705と、「情報表示部」0706と、を有する。基本的な構成は実施形態1の
図1を用いて説明した変換電子機器と共通するため、以下では相違点である「情報表示部」0706の機能について説明する。
【0057】
「情報表示部」0706は、外部からネットワークを介して受信した取引情報を表示するように構成されている。外部からネットワークを介して受信した取引情報をそのままの態様にて表示する場合のほか、たとえば、外部からネットワークを介して受信した取引情報をコードとして表示することも考えられる。当該構成をとれば、表示したコード(バーコードや二次元コード等)をコードリーダ等の読取装置を用いて簡易に読取ることが可能になる。
【0058】
情報表示部にて表示する情報は取引情報である必要があり、実施形態2で説明した付随情報発生部にて発生する静止画や動画はここでいう表示対象からは除かれる。ただ情報表示部では、バイブレーション発生部にて発生されるバイブレーションと関連付けられた情報と同じ内容の取引情報を表示させてもよいし、一部または全部が異なる内容の取引情報を表示させてもよい。異なる内容の取引情報を表示させる場合の一例としては、外部からネットワークを介して受信した取引情報の一部については情報表示部にて表示し、他の一部についてはバイブレーション発生部にてバイブレーションを発生させるようにすることが考えられる。
【0059】
このように、一の取引情報の一部をバイブレーション発生部と情報表示部とでそれぞれ分割して発生する場合、バイブレーション発生制御部に外部からネットワークを介して受信した情報のうち表示されるべき情報以外の情報についてバイブレーションを発生させるよう制御する部分バイブレーション発生制御手段を備えていることが望ましい。
【0060】
また、バイブレーション発生部におけるバイブレーションの発生と情報表示における情報の表示は、必ずしも同時に行われる必要はない。したがって例えば、バイブレーションの発生と情報の表示のどちらかの処理を先に行い、当該発生結果を外部装置に検知させ、当該検知結果が適正に処理された旨の信号を受信した後に他方の発生ないし表示の処理を行うよう制御する順次発生制御部を設けてもよい。これらの構成を採用すると、表示とバイブレーションという異なる出力態様で取引情報を提示することができるため、どちらか一方の態様にて出力された情報が外部に漏えいしても、当該情報が悪用される事態を防ぐことが可能になる。また、当該構成をとると、取引情報の検出機器として、従来からコード情報を読取る機器が備える機能を有するPOS端末等のような装置を本発明に流用することが可能になる。
【0061】
<具体的な構成>
本実施形態の変換電子機器のハードウェア構成は、基本的には
図3を用いて説明した実施形態1の変換電子機器のハードウェア構成と同様である。そこで以下では、これまで説明していない「情報表示部」の具体的な処理について説明する。
【0062】
(情報表示部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「情報表示プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、情報受信プログラムの実行により得られた取引情報を表示出力する。この場合、所定のルールにより定められた一部の情報についてのみ表示出力する構成を採用してもよい。
【0063】
<処理の流れ>
図8は、本実施形態の変換電子機器における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0801では、取引情報を受信する(情報受信ステップ)。その後ステップS0802にてバイブレーションを発生させるかどうかを判断する。発生させるとの判断結果である場合にはステップS0803の処理に移行し、発生させないとの判断結果である場合にはその後の処理を行わない。ステップS0803では情報受信ステップにて外部からネットワークを介して受信した取引情報を表示し(情報表示ステップ)、ステップS0804では、情報受信ステップにて外部からネットワークを介して受信した取引情報を所定の変換ルールに基づいてバイブレーション発生信号に変換する(変換ステップ)。
【0064】
そしてステップS0805で変換ステップにて変換されたバイブレーション発生信号に基づいてバイブレーション発生部を制御するための処理をおこなう(バイブレーション発生制御ステップ)とともに、ステップS0806では、バイブレーション発生信号に基づき、バイブレーション発生制御ステップにて定められたようにバイブレーションを発生させる(バイブレーション発生ステップ)。なおステップS0807ではその後再びバイブレーションを発生させるかどうかを判断し、発生させるとの判断結果である場合にはさらにステップS0805以降の処理を行う。発生させないとの判断結果である場合にはその後の処理を行わない。
【0065】
なお、情報表示ステップの処理の順番は上記以外にも、例えばバイブレーション発生ステップの後に処理されてもよい。
【0066】
<効果>
取引情報をバイブレーションと異なる態様にて出力する上記の構成を採用することにより、第三者に対し、取引情報の真正をより慎重に判断させることが可能になる。
【0068】
本実施形態の変換電子機器は、基本的に実施形態1から3のいずれか一に記載の変換電子機器と同様であるが、変換ルール保持部が、変換ルールとして外部からネットワークを介して受信した取引情報を変換したバイブレーション出力時のノイズ耐性を高めるために、外部からネットワークを介して受信した情報に対して冗長化した変換をするためのルールである冗長化変換ルールを保持する冗長化変換ルール保持手段を有し、変換部が、冗長化変換ルール保持手段が保持する冗長化変換ルールに基づいて取引情報を変換する冗長化変換手段を有することをさらなる特徴として備えている。当該構成をとることにより、ノイズの生じやすい環境下においても、より的確に情報の送受信を行うことができる。
【0069】
<機能的構成>
図9は、本実施形態の変換電子機器の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「変換電子機器」0900は、「バイブレーション発生部」0901と、「情報受信部」0902と、「変換ルール保持部」0903と、「変換部」0904と、「バイブレーション発生制御部」0905と、を有しており、変換ルール保持部は「冗長化変換ルール保持手段」0906を、変換部は「冗長化変換手段」0907を、それぞれ有している。基本的な構成は実施形態1の
図1を用いて説明した変換電子機器と共通するため、以下では相違点である「冗長化変換ルール保持手段」0906および「冗長化変換手段」0907の機能について説明する。
【0070】
「冗長化変換ルール保持手段」0906は、変換ルール保持部にて、変換ルールとして外部からネットワークを介して受信した取引情報を変換したバイブレーション出力時のノイズ耐性を高めるために、外部からネットワークを介して受信した情報に対して冗長化した変換をするためのルールである冗長化変換ルールを保持するように構成される。例えば同一の取引情報を複数のバイブレーション信号に変換することを内容とする冗長化変換ルールを保持することが考えられる。ここでいう複数のバイブレーション信号とは、複数態様のバイブレーション(振動、超音波、音波など)を発生させることを内容とする場合のほか、同一の種類のバイブレーションを異なる態様にて発生させることをも内容とする場合がある。いずれにせよ、当該構成を採用することにより、何らかの理由によりバイブレーションが適切に発生しなかった場合でも、他の手段によって適切なバイブレーション発生信号に基づきバイブレーションが発生できるため、逆変換電子機器にてより確実にバイブレーションを検出することが可能になる。
【0071】
「冗長化変換手段」0907は、変換部にて、冗長化変換ルール保持手段が保持する冗長化変換ルールに基づいて取引情報を変換するように構成されている。具体的な変換の態様としては、既に冗長化変換ルール保持手段の説明で触れたものと同様である。
【0072】
<具体的な構成>
本実施形態の変換電子機器のハードウェア構成は、基本的には
図3を用いて説明した実施形態1の変換電子機器のハードウェア構成と同様である。そこで以下では、これまで説明していない「冗長化変換手段」の具体的な処理について説明する。
【0073】
(冗長化変換手段の具体的な処理)
CPUは、変換プログラムの実行に際して記憶装置から「冗長化変換サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、保持されている冗長化変換ルールに基づいて取引情報を変換する処理を行う。
【0074】
<処理の流れ>
図10は、本実施形態の変換電子機器における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1001では、取引情報を受信する(情報受信ステップ)。その後ステップS1002にてバイブレーションを発生させるかどうかを判断する。発生させるとの判断結果である場合にはステップS1003の処理に移行し、発生させないとの判断結果である場合にはその後の処理を行わない。ステップS1003では、情報受信ステップにて外部からネットワークを介して受信した取引情報を所定の変換ルールに基づいてバイブレーション発生信号に変換する(変換ステップ)。なおこのとき、外部からのネットワークを介して受信した取引情報に対応して冗長化した変換をする為のルールである冗長化変換ルールに基づいて取引情報をバイブレーション発生信号に変換する(冗長化変換サブステップ)。
【0075】
そしてステップS1004で変換ステップにて変換されたバイブレーション発生信号に基づいてバイブレーション発生部を制御するための処理をおこなう(バイブレーション発生制御ステップ)とともに、ステップS1005では、バイブレーション発生信号に基づき、バイブレーション発生制御ステップにて定められたようにバイブレーションを発生させる(バイブレーション発生ステップ)。なおステップS1006にてその後再びバイブレーションを発生させるかどうかを判断し、発生させるとの判断結果である場合にはさらにステップS1004以降の処理を行う。発生させないとの判断結果である場合にはその後の処理を行わない。
【0076】
なお、上記処理の流れのうち、変換ステップは受信した情報に基づくバイブレーションを発生させるかどうかのステップS1002における判断を行う前に実行されてもよい。
【0077】
<効果>
以上の構成を有する変換電子機器を利用することにより、ノイズの生じやすい環境下においても、より的確に情報の送受信を行うことができる。
【0078】
<<逆変換電子機器の機能的構成等>>
【0080】
本実施形態の逆変換電子機器は、実施形態1から4のいずれかにて説明した変換電子機器の発生したバイブレーションを検出して、取引情報に変換することを特徴としている。同装置を用いることで、第三者に取引情報を漏えいさせることなく取引を遂行することが可能になる。具体的にはPOSレジ端末によって実現することが可能であるが、POSレジ端末と接続することで用いられる別個の装置であっても同じ効果を享受することは可能である。
【0081】
<機能的構成>
図11は、本実施形態の逆変換電子機器の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「逆変換電子機器」1100は、「振動信号検出部」1101と、「逆変換ルール保持部」1102と、「逆変換部」1103と、「バイブレーション逆変換情報出力部」1104と、を有する。
【0082】
以下に記載する逆変換電子機器の機能ブロックもまた、変換電子機器と同様いずれもハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶媒体とそれらの媒体の読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、タッチパネル、バーコードリーダ等の光学読取装置、マイク、スピーカ、振動センサ等のセンサ装置その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。そして、メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0083】
逆変換電子機器もまた、一または複数の装置との組み合わせによりシステムとしても実現可能である。そして、このような装置の一部をソフトウェアとして構成することも可能である。さらに、そのようなソフトウェアが記録された記憶媒体も当然に本発明の技術的な範囲に含まれる。
【0084】
「振動信号検出部」1101は、実施形態1から4のいずれかにて説明した変換電子機器の発生したバイブレーションを振動信号として検出するように構成されている。具体的な検出態様はバイブレーションの発生態様に対応しており、バイブレーションが例えば振動であれば振動センサを用いて検出することが考えられるが、マイク等の集音装置を用いてバイブレーションの振動音を検出してもよい。
【0085】
振動信号の検出は所定のタイミングで繰り返し行われることが望ましい。具体的な例としては、一定時間内に(例えば1秒間、3秒間)検出されたバイブレーションのうち、一の周期で繰り返し発生されているバイブレーションを一の振動信号であると判断して検出する。変換電子機器にて所定間隔で同じ内容のバイブレーションが繰り返し発生している場合にこのような構成を採用すると、バイブレーションの検出し漏れを回避することが可能になる。
【0086】
「逆変換ルール保持部」1102は、検出された振動信号を取引情報に変換するルールである逆変換ルールを保持するように構成されている。ここで保持されている逆変換ルールは、変換電子機器の変換ルール保持部にて保持されている変換ルールと関連付けられており、具体的にいえば、
図2AないしCにおいて例示した変換ルールと関連付けられている。当該関連付けがなされていることにより、検出した振動信号を変換電子機器の変換部にてバイブレーション発生信号に変換された取引情報に復号するためのルールとして逆変換ルールを用いることができる。
【0087】
「逆変換部」1103は、振動信号検出部にて検出した振動信号を逆変換ルール保持部にて保持された逆変換ルールに従って取引情報に逆変換するように構成されている。具体的な逆変換のための処理は、適宜のプログラムにより実行されてよい。
【0088】
「バイブレーション逆変換情報出力部」1104は、逆変換部にて逆変換された取引情報を出力するように構成されている。具体的な出力先は当該取引情報の内容に応じて適宜異なり、例えば取引情報が決済情報である場合には、当該決済の相手方であるECサイト運営者等事業者の管理するサーバに出力し、決済処理を行う。取引情報が割引情報であればPOS端末に対して当該取引情報を出力し、対象となる商品等の価格を割り引くための処理を行う。
【0089】
(実施例3)
以上のような構成を採用する逆変換電子機器の一例としては、POS端末のような決済に用いるための機器であることが考えられる。この場合、消費者が利用する変換電子機器である携帯端末から発生されたバイブレーションや超音波を検出して取引に用いることで、消費者の取引情報が不当に第三者に漏えいする事態を防ぎ、安全な取引環境を提供することが可能になる。
【0090】
(実施例4)
なおテレビやラジオ、パソコンなどの装置が変換電子機器である場合には、上述した消費者の携帯端末等が逆変換電子機器となりうる。これらの変換電子機器から発生されたバイブレーションや超音波を検出した携帯端末等は、その検出結果に基づき取引情報を取得し、更にはPOS端末等に対して当該取得した取引情報を出力し取引に用いることができる。
【0091】
<具体的な構成>
図12は、本実施形態の逆変換電子機器の機能的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。この図にあるように、本実施形態の逆変換電子機器は、各種演算処理を実行するための「CPU」1201と、「記憶装置(記憶媒体)」1202と、「メインメモリ」1203と、「出力インターフェース」1204と、「入力インターフェース」1205と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「タッチパネル」1206や「マイク」1207、「コードリーダ」1208、そして「ディスプレイ」1209などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。なお、記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」1299などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0092】
(振動信号検出部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「振動信号検出プログラム」1210をメインメモリに読み出して実行し、変換電子機器の発生したバイブレーションを振動信号として検出する処理を行う。
【0093】
(逆変換部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「逆変換プログラム」1220をメインメモリに読み出して実行し、振動信号検出プログラムの実行により得られた振動信号を逆変換ルールに従って取引情報に変換する処理を行う。
【0094】
(バイブレーション逆変換情報出力部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「バイブレーション逆変換情報出力プログラム」1230をメインメモリに読み出して実行し、逆変換プログラムの実行により得られた取引情報を出力する処理を行う。
【0095】
<処理の流れ>
図13は、本実施形態の逆変換電子機器における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1301では、変換電子機器の発生したバイブレーションを振動信号として検出する(振動信号検出ステップ)。そののちステップS1302では振動信号検出ステップにて検出した振動信号を逆変換ルールに従って取引情報に変換する(逆変換ステップ)。そしてステップS1303では逆変換ステップにて逆変換された取引情報を出力する(バイブレーション逆変換情報出力ステップ)。
【0096】
<効果>
以上の構成を有する逆変換電子機器を利用することにより、悪意ある第三者に対する情報の漏えいや情報の流出といった事態の発生を未然に防ぐことが容易になる。
【0098】
本実施形態の逆変換電子機器は、基本的には実施形態5の逆変換電子機器と同様であるが、おもに実施形態3などにて説明した変換電子機器の表示したコードを読み取り、その読み取ったコードを取引情報に逆変換して出力する点を特徴として備えている。振動検知とコード読取との双方の手段を用いることができる当該構成をとることにより、より確度の高いあるいは秘密性の高い情報の送受信を行うことが可能になる。
【0099】
<機能的構成>
図14は、本実施形態の逆変換電子機器の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「逆変換電子機器」1400は、「振動信号検出部」1401と、「逆変換ルール保持部」1402と、「逆変換部」1403と、「バイブレーション逆変換情報出力部」1404と、「コード読取部」1405と、「コード逆変換部」1406と、「コード逆変換情報出力部」1407と、を有する。基本的な構成は実施形態5の
図11を用いて説明した逆変換電子機器と共通するため、以下では相違点である「コード読取部」1405と、「コード逆変換部」1406と、「コード逆変換情報出力部」1407の機能について説明する。
【0100】
「コード読取部」1405は、変換電子機器の表示したコードを読み取るように構成されている。具体的にはコードリーダによって実現され、変換電子機器のディスプレイ等に表示されたコード情報であるバーコードや二次元コードなどを読み取る。
【0101】
「コード逆変換部」1406は、コード読取部にて読み取ったコードを取引情報に逆変換するように構成されている。具体的には、コードを取引情報に逆変換するためのルールであるコード逆変換ルールを保持しておき、当該ルールに基づいてコードを取引情報に逆変換する構成が考えられる。この場合、コード逆変換ルールは変換電子機器から受信しておく構成が好ましい。当該構成をとれば、コードを読み取った際、変換電子機器等外部装置との通信を行うことなく、コードと関連付けられている取引情報を把握することが可能になる。
【0102】
「コード逆変換情報出力部」1407は、コード逆変換部にて逆変換された取引情報を出力するように構成されている。具体的な出力先としては、実施形態5のバイブレーション逆変換情報出力部の出力先と同様であることが考えられる。
【0103】
なお、この場合コード逆変換情報出力部における取引情報の出力は、バイブレーション逆変換情報出力部における取引情報の出力が終了し、出力先において所定の処理が終了した後に行われることが好ましい。ここでいう所定の処理とは、適正な取引情報であるかの判断処理などが考えられる。この場合、コード逆変換情報出力部からの情報出力後にバイブレーション逆変換情報出力部からの情報出力がなされてもかまわない。このような構成をとると、取引情報の適正の判断が二段階で可能になり、より確度の高いあるいは秘密性の高い取引を行うことが可能になる。
【0104】
なお、何らかの事情により、コード読取部がコードを正常に読み取れない場合やコード逆変換部がコード読取部にて読み取ったコードを正常に逆変換できない場合、そしてコード逆変換部にて逆変換された取引情報を正常に出力できない場合である読取エラーのいずれか一以上が発生させるような場合が考えられる。そこで当該読取エラーが発生したかどうかを判断する読取エラー検出部を備え、読取エラー検出部が読取エラーが発生したと判断した場合に、バイブレーションの発生を促すための情報であるバイブレーション促進取引情報を出力するバイブレーション促進情報出力部をさらに設ける構成をとってもよい。
【0105】
このときバイブレーション促進情報出力部から出力された情報は変換電子機器にて受信され、当該取引情報を受信した変換電子機器では前記コードと関連付けられていた取引情報を変換部にてバイブレーション発生信号に変換して、当該バイブレーション発生信号に基づいてバイブレーションとして出力する。当該構成をとることにより、変換電子機器の情報表示部や逆変換電子機器のコード読取部等に不具合が生じても代替可能な機能を利用し情報の送受信を行うことが可能になる。
【0106】
<具体的な構成>
本実施形態の逆変換電子機器のハードウェア構成は、基本的には
図12を用いて説明した実施形態5の逆変換電子機器のハードウェア構成と同様である。そこで以下では、これまで説明していない「コード読取部」と、「コード逆変換部」と、「コード逆変換情報出力部」の具体的な処理について説明する。
【0107】
(コード読取部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「コード読取プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、変換電子機器の表示したコードを読取るための処理を行う。
【0108】
(コード逆変換部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「コード逆変換プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、コード読取プログラムの実行により得られたコードを情報に逆変換する処理を行う。
【0109】
(コード逆変換情報出力部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「コード逆変換情報出力プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、コード逆変換プログラムの実行により得られた取引情報を出力する。
【0110】
なお、CPUは、記憶装置から「読取エラー検出プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、コード読取プログラム、コード変換プログラム、およびコード逆変換プログラムのいずれか一以上が正常に実行できず読取エラーが生じていないかどうかを判断する処理を行うことが可能であり、その場合処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。そして同プログラムの実行結果が読取エラーが生じているとの内容である場合には、CPUは記憶装置からメインメモリに読み出した「バイブレーション促進情報出力プログラム」を実行し、変換電子機器に対しバイブレーションの発生を促すための情報であるバイブレーション促進取引情報を出力する。
【0111】
<処理の流れ>
図15は、本実施形態の逆変換電子機器における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1501では、振動信号の検出が可能かどうかを判断する。ここで検出可能との判断結果である場合にはステップS1301以下の処理に移行する。検出不可との判断結果である場合には、ステップS1502以下の処理に移行する。ステップS1502では、変換電子機器の発生したコードを読取るための処理を行う(コード読取ステップ)。そしてステップS1503ではコード読取ステップにて読み取ったコードを情報に逆変換し(コード逆変換ステップ)、ステップS1504ではコード逆変換ステップにて逆変換された取引情報を出力する(コード逆変換情報出力ステップ)。
【0112】
<処理の別の流れ>
図16は、本実施形態の逆変換電子機器における処理の流れの別の一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1601では、振動信号の検出が可能かどうかを判断する。ここで検出可能との判断結果である場合にはステップS1301以下の処理に移行する。検出不可との判断結果である場合には、ステップS1602以下の処理に移行する。ステップS1602では、変換電子機器の発生したコードを正確に読取ることが可能かどうかを判断する(読取エラー検出ステップ)。ここで読取可との判断結果である場合には、ステップS1604として当該コードを読取るための処理を行う(コード読取ステップ)。読取不可との判断結果である場合には、ステップS1603の処理に移行する。ステップS1603では、バイブレーションの発生を促すための取引情報を出力する(バイブレーション促進情報出力ステップ)。
【0113】
ステップS1604の処理が行われると、次にステップS1605としてコード読取ステップにて読み取ったコードを正常に逆変換できるかどうかを判断する(読取エラー検出ステップ)。ここで逆変換可能との判断結果である場合には、ステップS1606として読み取ったコードを逆変換する(コード逆変換ステップ)。逆変換不可との判断結果である場合にはステップS1603の処理に移行する。
【0114】
そしてステップS1606の処理が行われると、次にステップS1607としてコード逆変換ステップにて逆変換された取引情報を正常に出力できるかどうかを判断する(読取エラー検出ステップ)。ここで出力可との判断結果である場合には、ステップS1608として逆変換された取引情報を出力する(コード逆変換情報出力ステップ)。出力不可との判断結果である場合にはステップS1603の処理に移行する。
【0115】
<効果>
振動検知とコード読取との双方の手段を用いることができる以上の構成をとることにより、実施形態5の逆変換電子機器に比べより確度の高いあるいは秘密性の高い情報の送受信を行うことが可能になる。
【0117】
本実施形態の逆変換電子機器は、基本的には実施形態5の逆変換電子機器と同様であるが、振動信号検出部が振動信号を正常に検出できない場合、逆変換部が振動信号検出部にて検出した振動信号を正常に逆変換できない場合、逆変換部にて逆変換された取引情報を正常に出力できない場合である検出エラーのいずれか一が発生したかどうかを判断し、もし検出エラーが発生したと判断される場合には、コードの表示を促すための取引情報を出力する点を特徴として備えている。当該構成をとることにより、仮に振動検出がうまくいかなくても、代替手段としてコード読取のための処理を促し、より確実に情報の送受信を行う手段を確保することが可能になる。
【0118】
<機能的構成>
図17は、本実施形態の逆変換電子機器の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「逆変換電子機器」1700は、「振動信号検出部」1701と、「逆変換ルール保持部」1702と、「逆変換部」1703と、「バイブレーション逆変換情報出力部」1704と、「検出エラー検出部」1705と、「コード表示促進情報出力部」1706と、を有する。基本的な構成は実施形態5の
図11を用いて説明した変換電子機器と共通するため、以下では相違点である「検出エラー検出部」1705と、「コード表示促進情報出力部」1706との機能について説明する。
【0119】
「検出エラー検出部」1705は、振動信号検出部が振動信号を正常に検出できない場合、逆変換部が振動信号検出部にて検出した振動信号を正常に逆変換できない場合、逆変換部にて逆変換された取引情報を正常に出力できない場合である検出エラーのいずれか一が発生したかを判断するように構成されている。「正常に検出できない場合」や「正常に逆変換できない場合」、「正常に出力できない場合」とはいずれも、各機能の不具合や故障等の異常がある場合が考えられる。
【0120】
「コード表示促進情報出力部」1706は、検出エラー部が検出エラーが発生したと判断した場合に、コードの表示を促すための情報であるコード表示促進取引情報を出力するように構成されている。
【0121】
<具体的な構成>
本実施形態の逆変換電子機器のハードウェア構成は、基本的には
図12を用いて説明した実施形態5の逆変換電子機器のハードウェア構成と同様である。そこで以下では、これまで説明していない「検出エラー検出部」と、「コード表示促進情報出力部」との具体的な処理について説明する。
【0122】
(検出エラー検出部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「検出エラー検出プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、振動信号検出プログラム、逆変換プログラム、バイブレーション逆変換情報出力プログラムのいずれか一以上が正常に実行できず検出エラーが生じていないかどうかを判断する処理を行う。
【0123】
(コード表示促進情報出力部の具体的な処理)
検出エラー検出プログラムの実行により検出エラーが生じているとの判断結果が得られた場合には、CPUは、記憶装置からメインメモリに読み出した「コード表示促進情報出力プログラム」を実行し、変換電子機器に対しコードの表示を促すための取引情報を出力する。
【0124】
<処理の流れ>
図18は、本実施形態の逆変換電子機器における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1801では、変換電子機器の発生したバイブレーションを振動信号として正常に検出できるかどうかを判断する(検出エラー検出ステップ)。ここで検出可能との判断結果である場合には、ステップS1803としてバイブレーションを振動信号として検出する(振動信号検出ステップ)。検出不可との判断結果である場合には、ステップS1802として変換電子機器に対しコードの表示を促すための取引情報を出力する(コード表示促進情報出力ステップ)。
【0125】
ステップS1803の処理が行われると、ステップS1804として振動信号検出ステップにて検出した振動信号を逆変換ルールに従って情報に逆変換できるかどうかを判断し(検出エラー検出ステップ)、逆変換可能との判断結果である場合には、ステップS1805として当該振動信号の逆変換をおこなう(逆変換ステップ)。逆変換不可との判断結果である場合には、ステップS1802の処理に移行する。
【0126】
ステップS1805の処理が行われると、ステップS1806として逆変換ステップにて逆変換された取引情報を正常に出力できるかどうかを判断する(検出エラー検出ステップ)。ここで出力可能との判断結果である場合には、ステップS1807として当該逆変換された取引情報を出力する(バイブレーション逆変換情報出力ステップ)。出力不可との判断結果である場合には、ステップS1802の処理に移行する。
【0127】
<効果>
以上の構成をとることにより、仮に振動検出がうまくいかなくても、代替手段としてコード読取のための処理を促し、より確実に情報の送受信を行う手段を確保することが可能になる。