特許第6362755号(P6362755)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6362755複合コンテンツデータ閲覧システム及び複合コンテンツデータ閲覧方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6362755
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】複合コンテンツデータ閲覧システム及び複合コンテンツデータ閲覧方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20180712BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20180712BHJP
【FI】
   G06F13/00 550A
   G06F21/62 318
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-209833(P2017-209833)
(22)【出願日】2017年10月30日
【審査請求日】2018年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517193453
【氏名又は名称】株式会社廣川鉄男事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100125933
【弁理士】
【氏名又は名称】野上 晃
(72)【発明者】
【氏名】廣川 鉄男
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−118773(JP,A)
【文献】 特開2008−20961(JP,A)
【文献】 特開2010−277012(JP,A)
【文献】 特開2013−3622(JP,A)
【文献】 特開2016−154027(JP,A)
【文献】 特開2003−67100(JP,A)
【文献】 特開2004−110492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線網を通じたユーザー端末からの閲覧要求に応じて複合コンテンツデータを当該ユーザー端末にて閲覧可能にする複合コンテンツデータ閲覧システムであって、
前記ユーザー端末からの信号を受け取る入力部と、
ユーザー情報が予め登録管理され、当該ユーザー情報と入力部を介した前記ユーザー端末からの閲覧要求の都度入力されるユーザー情報との照合によりユーザーの同一性認証を担うユーザー情報管理部と、
前記複合コンテンツデータごとに付与される識別符号が登録管理され、当該登録管理された識別符号と前記閲覧要求の際に入力された識別符号との照合により前記複合コンテンツデータの閲覧許否の判断を行う識別符号管理部と、
前記複合コンテンツデータに関する書誌情報が登録管理される書誌情報管理部と、
前記各表示画面単位に含まれる1又は複数のコンテンツが登録管理されるとともに、前記各コンテンツに関連するコンテンツ関連情報のリンク先が1つ又は複数登録管理可能であるコンテンツ登録管理部と、
前記コンテンツが前記各表示画面単位ごとに配置されたレイアウトを画像化してレイアウト画像とし、当該レイアウト画像と、前記コンテンツ登録管理部に登録されている前記コンテンツ関連情報のリンク先についての選択可能な表示とで主に前記表示画面単位ごとの表示画面を作成する表示画面作成部と、
当該表示画面及び前記書誌情報を前記表示画面単位ごと閲覧要求のあった前記ユーザー端末にて閲覧可能に出力する出力部と、を含むことを特徴とする複合コンテンツデータ閲覧システム。
【請求項2】
前記複合コンテンツデータは、テキスト及び画像から構成されるものである請求項1に記載の複合コンテンツデータ閲覧システム。
【請求項3】
前記複合コンテンツデータは電子書籍、電子雑誌又は電子カタログである請求項1に記載の複合コンテンツデータ閲覧システム。
【請求項4】
前記複合コンテンツデータが印刷物としての書籍が電子化された電子書籍である場合、前記識別符号は、前記印刷物としての書籍の区分コードである全4桁の英数字列、前記印刷物としての書籍の刷り番号を表す1ケタ又は2ケタの数字列及び制作部数のナンバリングを表す所定の桁数の数字列を一定の規則性を持って並び替えて一連に表した英数字列である請求項3に記載の複合コンテンツデータ閲覧システム。
【請求項5】
ユーザー端末からの通信回線網を通じた複合コンテンツデータ閲覧装置に対する閲覧要求に応じて特定複合コンテンツデータを当該ユーザー端末にて閲覧可能にする複合コンテンツデータ閲覧方法であって、
前記閲覧要求の都度、当該ユーザー端末の操作者のユーザー情報と予め登録管理されているユーザー情報との照合により、ユーザーの同一性認証を担うユーザー情報管理工程と、前記複合コンテンツデータごとに付与される識別符号を登録管理し、当該登録管理にかかる識別符号と前記閲覧要求の際に入力された識別符号との照合により、当該識別符号を有する特定の複合コンテンツデータの閲覧許否の判断を行う識別符号管理工程と、
前記識別符号管理工程によって閲覧が許された前記特定の複合コンテンツデータにおいて、各表示画面単位に予め登録管理されている1又は複数のコンテンツのレイアウトを画像化
したレイアウト画像、及び
前記表示画面単位ごとのコンテンツのそれぞれにコンテンツ関連情報のリンク先が登録されている場合に当該リンク先についての選択可能な表示、
から主に構成される表示画面を前記各表示画面単位ごとに生成する表示画面生成工程と、当該表示画面を前記ユーザー端末にて閲覧可能に送信する表示画面送信工程と、
を含むことを特徴とする複合コンテンツデータ閲覧方法。
【請求項6】
前記複合コンテンツデータは、テキスト及び画像から構成されるものである請求項5に記載の複合コンテンツデータ閲覧方法。
【請求項7】
前記複合コンテンツデータは電子書籍、電子雑誌又は電子カタログである請求項5に記載の複合コンテンツデータ閲覧方法。
【請求項8】
前記複合コンテンツデータが印刷物としての書籍が電子化された電子書籍である場合、前記識別符号は、前記印刷物としての書籍の区分コードである全4桁の英数字列、前記印刷物としての書籍の刷り番号を表す1ケタ又は2ケタの数字列及び制作部数のナンバリングを表す所定の桁数の数字列を一定の規則性を持って並び替えて一連に表した英数字列である請求項7に記載の複合コンテンツデータ閲覧方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合コンテンツデータ閲覧システムとして機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項5〜8のいずれか1項に記載の複合コンテンツデータ閲覧方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求9又は10に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項12】
複合コンテンツデータが印刷物としての書籍が電子化された電子書籍である場合、前記印刷物としての書籍の区分コードである全4桁の英数字列、前記印刷物としての書籍の刷り番号を表す1ケタ又は2ケタの数字列及び制作部数のナンバリングを表す所定の桁数の数字列を一定の規則性を持って並び替えて一連に表した英数字列からなる識別符号をユーザー端末からの閲覧要求の許否に用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合コンテンツデータ閲覧システムにて用いられる閲覧許否の判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線網を通じてアクセスされたユーザー端末からの閲覧要求に応じて複合コンテンツデータを当該ユーザー端末にて閲覧可能にする複合コンテンツデータ閲覧システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどの通信回線網やコンピュータ、特にスマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどの携帯型コンピュータの普及に伴い、文字、音声、画像などの電子化が進み、これらの電子データを組み合わせた複合コンテンツデータを通信回線網を介して携帯端末に配信したり、複合コンテンツデータを再生する携帯型端末が開発されている。特に、電子書籍のような複合コンテンツデータに関して、いくつか表示装置に関する提案がなされている。
【0003】
例えば特許文献1に係る提案は、ディスプレイに表示中に、コンテンツにおいて、コメントが対応付けられているコメント対応箇所の閲覧が完全に終了したか否かを判定し、コメント対応箇所の閲覧が完全に終了したと判定したとき、コメント対応箇所に対応付けられているコメントを、ディスプレイ上に表示するコンテンツ表示装置に関するものである。そして、同文献は、このような構成により、コンテンツ表示装置を操作するユーザは、例えばコンテンツとしての電子書籍を読む過程において、各コメントを読み飛ばすことなく、確実に目にすることができる、などの効果が得られることを開示している。
【0004】
前記提案は、確かにコンテンツが電子書籍の場合、前記提案は電子書籍を読みながら、所定の条件を具備したら種々のコメントを見ることができる点では優れる。しかし、電子書籍及びコメントの各データベースを内蔵し、また電子書籍を構成するテキストについては、ページ単位、行単位、文字単位でコメント対応箇所を指定するとされていることから、コンテンツ表示装置には直接、テキストデータ自体をコンテンツとして表示させることを同提案は想定しているものと推察される。そうすると、新たな電子書籍やコメントをデータバースに格納したりする場合には、その権利関係に配慮が必要となるし、コンテンツの不正使用の問題も生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−20961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みなされたものであり、従来のような専用の閲覧装置やビューワアプリでなくとも、インターネットなどの通信回線網のある環境でブラウザ機能を用いて複合コンテンツデータを閲覧できる新しい複合コンテンツデータ閲覧技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は、本発明の一局面によれば、通信回線網を通じたユーザー端末からの閲覧要求に応じて複合コンテンツデータを当該ユーザー端末にて閲覧可能にする複合コンテンツデータ閲覧システムであって、ユーザー情報が登録管理され、当該ユーザー情報と入力部を介した前記ユーザー端末からの閲覧要求の都度入力されるユーザー情報との照合によりユーザーの同一性認証を担うユーザー情報管理部と、前記複合コンテンツデータごとに付与される識別符号が登録管理され、当該登録管理された識別符号と前記閲覧要求の際に入力された識別符号との照合により前記複合コンテンツデータの閲覧許否の判断を行う識別符号管理部と、前記複合コンテンツデータに関する書誌情報が登録管理される書誌情報管理部と、前記各表示画面単位に含まれる1又は複数のコンテンツが登録管理されるとともに、前記各コンテンツに関連するコンテンツ関連情報のリンク先が1つ又は複数登録管理可能であるコンテンツ登録管理部と、前記コンテンツが前記各表示画面単位ごとに配置されたレイアウトを画像化してレイアウト画像とし、当該レイアウト画像と、前記コンテンツ登録管理部に登録されている前記コンテンツ関連情報のリンク先についての選択可能な表示とで主にページごとの表示画面を作成する表示画面作成部と、当該表示画面を前記表示画面単位ごと閲覧要求のあった前記ユーザー端末にて閲覧可能に出力する出力部と、を含むことを特徴とする複合コンテンツデータ閲覧システムによって達成される。
【0008】
前記目的はまた、本発明の別の局面によれば、ユーザー端末からの通信回線網を通じた複合コンテンツデータ閲覧装置に対する閲覧要求に応じて特定複合コンテンツデータを当該ユーザー端末にて閲覧可能にする複合コンテンツデータ閲覧方法であって、前記閲覧要求の都度、当該ユーザー端末の操作者のユーザー情報と予め登録管理されているユーザー情報との照合により、ユーザーの同一性認証を担うユーザー情報管理工程と、前記複合コンテンツデータごとに付与される識別符号を登録管理し、当該登録管理にかかる識別符号と前記閲覧要求の際に入力された識別符号との照合により、当該識別符号を有する特定の複合コンテンツデータの閲覧許否の判断を行う識別符号管理工程と、前記識別符号管理工程によって閲覧が許された前記特定の複合コンテンツデータにおいて、各表示画面単位に予め登録管理されている1又は複数のコンテンツのレイアウトを画像化したレイアウト画像、及び前記表示画面単位ごとのコンテンツのそれぞれにコンテンツ関連情報のリンク先が登録されている場合に当該リンク先についての選択可能な表示から主に構成される表示画面を前記各表示画面単位ごとに生成する表示画面生成工程と、当該表示画面を前記ユーザー端末にて閲覧可能に送信する表示画面送信工程と、を含むことを特徴とする複合コンテンツデータ閲覧方法によって達成される。
【0009】
本発明の複合コンテンツデータ閲覧システム及び複合コンテンツデータ閲覧方法において、複合コンテンツデータとは、印刷物としての専門書や教科書などが電子化された電子書籍、書籍に限定されないカタログ、プレゼンテーション資料、大学・専門学校や企業などの組織内資料、動画、静止画、写真集、新聞、絵画、音声などの電子データ、又は前記した電子書籍及び電子データに音声が追加された電子視聴データなどを指している。また、本発明における表示画面単位とは、電子書籍や電子データのうち、ページとして数えられるものはそのページまたは見開き2ページを、静止画データの場合は1枚1枚をいう。なお、動画データの場合には一概には言えないが、同一場面の間又は一定の時間を表示画面単位として設定できる。
【0010】
本発明における複合コンテンツデータは、好ましくは全体としてテキスト及び画像(静止図画)などのコンテンツで構成されているものがよい(「全体として」との記載は、表示画面単位では見ない、即ちすべての表示画面単位でテキストと画像とで構成されている必要はなく、テキストのみで構成されていてもよい、という意味である。)。このような複合コンテンツデータのうちでは、電子書籍、電子雑誌又は電子カタログなどが特に好ましい。
【0011】
前記目的はまた、本発明のさらに別の局面によれば、コンピュータを前記複合コンテンツデータ閲覧システムとして機能させるためのプログラムによって達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複合コンテンツデータにおける各表示画面単位のレイアウトを画像化したレイアウト画像と当該各表示画面単位に含まれるそれぞれのコンテンツに関連情報がある場合の当該関連情報のリンク先についての選択可能な表示とを通信回線網を介してユーザー端末にてブラウザ機能を用いて閲覧可能とする一方、前記各表示画面単位に含まれるコンテンツ、例えばテキストデータを別途保有するように構成している。これにより、以下の優れた発明の効果を有する。
(1)ユーザー端末がブラウザ機能を備えていれば、特定の複合コンテンツデータをダウンロードすることなくその閲覧が可能であり、専用のビューワアプリも不要である。特定の複合コンテンツデータ自体をユーザー端末に格納する必要はないため、コンテンツに関する権利関係に配慮できる。
(2)特定の複合コンテンツデータの各表示画面単位のレイアウトは画像化されているため、このレイアウト画像に印刷やコピーの制限を設けることで、コンテンツの不正使用の問題も生じない。
(3)各表示画面単位についてみると、レイアウト画像のほかに、当該レイアウトを構成するテキストなどのコンテンツを別に保有するようにしたので、テキスト検索や適宜の章や節への移動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の複合コンテンツデータ閲覧システムの一実施形態の概要を示すブロック図である。
図2図1に示す実施形態を実現するコンピュータのハードウエア構成例を示す図である。
図3図1に示すコンテンツ情報管理部に格納されるデータの一例を示す図である 。
図4】本発明の複合コンテンツデータ絵閲覧方法実行の前提となる新規ユーザー登録方法の一例を示す図である。
図5】本発明の複合コンテンツデータ絵閲覧方法に付随するユーザー情報変更登録方法の一例を示す図である。
図6】本発明の複合コンテンツデータ閲覧システムへの書籍名及び識別符号の追加方法の一例を示す図である。
図7】本発明の複合コンテンツデータ閲覧方法の一例を示す図である。
図8】複合コンテンツデータの選択画面の一例を示す模式図である。
図9】表示画面の一例として、表紙を示す図である。
図10】複合コンテンツデータの表示画面の一例を示す図である。
図11】複合コンテンツデータについてテキスト検索結果の一例を示す図である。
図12】複合コンテンツデータの表示画面の別の例を示す図である。
図13図12に示す表示画面中、関連情報選択ボタンから動画を選択した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の複合コンテンツデータ閲覧システム
以下、添付の図1及び図2を参照しながら、本発明の複合コンテンツデータ閲覧システムの一実施形態について詳細に説明する。本発明において、複合コンテンツデータとしては、前記の通り専門書や教科書などが電子化された電子書籍などが好ましいので、以下では電子書籍を例にとって説明することとする。さらに、本実施形態では、前記電子書籍は、すでに発刊されている印刷物の書籍と同じ内容であり、レイアウトも違和感なく同一視できるものとする。
【0015】
[システムの構成]
図1及び図2を参照しながら、本実施形態の複合コンテンツデータ閲覧システムの構成について説明する。ここで、図1は、本発明の複合コンテンツデータ閲覧システムの一実施形態のブロック図である。この図に示すように、本実施形態の複合コンテンツデータ閲覧システム1は、複合コンテンツデータ閲覧装置2(以下、単に閲覧装置2ということがある。)とユーザ端末3とが通信回線網4を介して接続されて構成されている。また、図2は、図1に示す実施形態の閲覧装置2を実現するコンピュータのハードウエア構成例を示す図である。なお、図1及び図2において共通する各部については、同一の符号を用い、重複した説明は省略する。
【0016】
閲覧装置2は、ハードウェア構成として、図2に示すように、制御部6、記憶部21、入力部5及び出力部16を少なくとも含み、これら各部が内部バス25を介して相互に接続されている。記憶部21には、ユーザー情報格納部8、書誌情報格納部10、コンテンツ情報格納部12及び識別符号格納部14を備える(これらの格納部は、相互にリレーショナルデータベース(RDB)の一部のテーブルとして構築されていてもよい。)。これとともに、これらの格納部8,10、12、14をそれぞれ管理するユーザー情報管理部7、書誌情報管理部9、コンテンツ情報管理部11及び識別符号管理部13、並びに表示画面生成部15の各部の機能を閲覧装置2に実行させ、複合コンテンツデータ閲覧システムを構築する(複合コンテンツデータ閲覧システムとして機能させ、複合コンテンツデータ閲覧方法を実行する)ためのプログラムが格納されている。このプログラムは、例えばCD−ROM、DVDなどの記憶媒体に従来公知の方法で記録され、閲覧装置2に当該プログラムを提供するようにしてもよい。以下では、まずこの記憶部21に格納されている各部について説明した上で、入力部5、制御部6及び出力部16について説明する。
【0017】
ユーザー情報管理部7は、ユーザー情報を登録可能なユーザー情報格納部8を備え、ユーザー情報の管理を担う。ユーザー情報としては、最低限の項目としてメールアドレス、パスワード及びID(メールアドレスをIDとしてもよい。)を含むテーブルであれば、管理は可能である。さらに、このテーブルには、ユーザー氏名、性別、年齢、住所などの個人情報のほか、印刷物としての書籍名や識別符号などを含めることもできる。前記したRDBが構築されている場合には、IDだけでなく、書籍名又は識別符号を主キーとして設定できる。
【0018】
また、ユーザー端末3からユーザー情報を有する新たなユーザー登録要求があった場合に、入力を受けた当該ユーザー情報をユーザー情報格納部8に登録するとともに、ユーザー端末からの複合コンテンツデータの閲覧要求などがあった場合、その都度ユーザーが入力したユーザー情報と登録されているユーザー情報との同一性認証を行う。その結果、また、ユーザー端末3からユーザー情報の一部又は全部の変更要求がある場合に、それに対応する機能も備えている。詳細は後述する。
【0019】
書誌情報管理部9は、書誌情報格納部10を備え、印刷物としての書籍の書誌情報の登録及び管理を行う。この書誌情報には、出版社独自の書籍コード及び書籍名などが挙げられる。さらに、前記したIDなどもRDBの主キーとして書誌情報に含めることができる。新たな書籍を追加する場合には、閲覧装置2の管理者がその書誌情報は追加的に登録可能である。また、印刷物としての書籍の書誌情報に変更が生じた場合にも、登録管理されている書誌事項の変更、更新が可能である。
【0020】
コンテンツ情報管理部11は、コンテンツ情報格納部12を備え、複合コンテンツデータの各表示画面単位(ページ)に含まれる1又は複数のコンテンツを当該各ページごと登録、管理する。図3は、閲覧装置2の表示装置(不図示)に表示されるコンテンツ情報格納部12におけるテーブルの一例をそれぞれ示している。コンテンツ情報としては、まず図3に示すテーブルの区分(本文、表扉、表紙など)、頁番号、章番号、章タイトル、節タイトル、項タイトルなどのほか、例えば各表示画面単位(ページ)に配置される本文のテキストデータや当該各ページのレイアウトを画像化したレイアウト画像などが含めることができる。このように、各ページのレイアウト画像とともに、当該各ページのテキストデータをコンテンツ情報として含めることで、ユーザー端末3にてレイアウト画像を閲覧しながら、テキスト検索も可能となる利点がある。
【0021】
また、コンテンツ情報管理部11には、各コンテンツに関連する1又は2以上のコンテンツ関連情報のリンク先がページごと登録管理可能とされている。この関連情報のリンク先には、閲覧装置2の記憶部に格納されている他の複合コンテンツデータの適宜のページ、画像又は動画の名称及びリンク先のアドレス、web上の情報タイトル及びURLなどが挙げられる。各ページの関連情報のリンク先は、ユーザー端末3の表示装置にて、ページごとのレイアウト画像とともに、関連情報のリンク先の名称やweb上の情報タイトルなどが選択可能に表示されるように構成されている。また、関連情報のリンク先は、コンテンツ情報管理部11を介してコンテンツ情報格納部12に登録することで、いつでも追加することができ、ユーザー端末3においても追加された関連情報はそれまでに表示されていた関連情報のリンク先と同様、選択可能に表示させることができる。
新たな複合コンテンツデータが登録される場合には、コンテンツ情報管理部11において、当該復号コンテンツデータの各ページに含まれる各種コンテンツ(テキスト、レイアウト画像など)及び当該各種コンテンツに関連する1又は2以上のコンテンツ関連情報のリンク先がページごとに登録され、管理されることになる。
【0022】
識別符号管理部13は、識別符号格納部14を備え、複合コンテンツデータごとに付与されている識別符号の登録及び管理を担うとともに、登録された識別符号とユーザーからの閲覧要求の際にユーザー端末より出力された識別符号とを照合し、ユーザー端末3からの閲覧要求の許否判断を行う。このように識別符号は、複合コンテンツデータの閲覧要求に対し閲覧装置2が許否を判断するために用いられるものである。そして、本実施形態のように複合コンテンツデータである電子書籍が印刷物としての書籍の電子化されたものである場合、例えば印刷物としての書籍の区分コードである全4桁の英数字列、前記印刷物としての書籍の刷り番号を表す1ケタ又は2ケタの数字列及び制作部数のナンバリングを表す所定の桁数の数字列を一定の規則性を持って並び替えて一連に表した英数字列である。
ここで、規則性とは、例えば区分コート゛英数字列の末尾にナンバリングの数字列を、さらにその末尾に刷り番号の数字列を配列したり、区分コードの英数字列を1ケタ飛ばしに奇数番目に配列した上で、ナンバリングの数字列を空いている偶数番目のケタにそれぞれ1ケタずつ入れ込み、得られる英数字列の末尾に刷り番号の数字列を配列するといったことをいう。この識別符号は、印刷物としての書籍の1冊ごとに付属させることができる。付属の方法としては書籍の購入者以外の者が識別符号を視認できないようにされていれば特に制限はなく、例えば書籍の本文中に識別符号を印刷した用紙を挟み込んで綴じたり、本文中の任意の空白ページに識別符号を印刷したシールを貼付するなどの方法を採用することができる。
【0023】
表示画面生成部15は、各ページに配置された1又は複数のコンテンツを複合コンテンツデータのレイアウトをページごと画像化してレイアウト画像とし、当該レイアウト画像と前記コンテンツ関連情報のリンク先についての選択可能な表示とを主に含む表示画面を作成する。このようにして得られた表示画面レイアウトは、制御部6の制御下、出力部16から通信回線網4を介してユーザー端末3に出力される。
【0024】
記憶部21には、前記各部を格納するほか、さらにOSなどの制御プログラム、必要に応じて制御部20によって読み出されて実行され、後述する機能をコンピューターにるプログラムや各種データなどを一時的又は恒久的に格納する。記憶部21は、各種RAMなどの揮発メモリ、ハードディスクドライブなどの磁気ディスク、光ディスク、不揮発性メモリなどの副記憶装置で構成されている。記憶部21には、図2に示すように、ユーザー情報、書誌情報、コンテンツ情報及び識別符号のデータベースのそれぞれ(ユーザー情報格納部、書誌情報格納部、コンテンツ情報格納部及び識別符号格納部)があらかじめ追加更新可能に記憶されている。なお、前記したプログラムや各種データは、例えばCD―R、DVD−Rなどの記録媒体に保存され、演算制御部20によって当該記録媒体から必要に応じて読み出されて実行されるようにしてもよい。
【0025】
演算制御部20は、CPU、MPU、ROM及びRAM(主記憶装置)など(いずれも不図示)を含む演算制御装置で構成される。CPUは、記憶部21、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、内部バス25を介して接続される各装置を駆動制御し、コンピュータが行う各種処理を実現する。これらによって各部に対する各種制御を担う。また、ROMには、コンピュータの起動用プログラムなどのプログラム、データ等を恒久的に保持されている。さらに、RAMは、記憶部21やROMなどからロードされる前記各管理部のプログラムやデータなどを一時的に保持し、上記の制御部20の各種処理を行うためのワークエリアを備える。制御部20では、このような構成により、本発明の複合コンテンツデータ閲覧装置2の電源ON後にROMに記憶されている起動用プログラムが実行され、記憶部21内に格納されているオペレーティングシステム(OS)、各種処理ドライバ及び前記機能を実行するためのプログラム及び各種データをRAMに読み込み、またRAMに展開された表示情報を出力部16を介して出力したりする。
【0026】
本実施形態における入力部5は、通信回線網4を介してユーザー端末3から送られてくる種々の要求やデータの入力を受ける通信インタフェース24を備えるほか、例えば、周辺機器として、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー、タッチパネルなどの入力装置を閲覧装置2と接続して両者間でデータ(信号)の授受を行うための周辺機器インタフェース(不図示)を備えることもできる。これらの入力装置は、例えば閲覧装置2の管理者などが使用可能とされる。なお、この周辺機器インタフェースとしては、USB、IEEE1394又はRS−232Cなどで構成される。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
【0027】
また、本実施形態における出力部16は、通信回線網4を介してユーザー端末3からの要求に対して各種表示を出力する通信インタフェース24を備えるほか、周辺機器として、ディスプレー、CRTなどの表示装置やプリンター装置を接続して両者間でデータ(信号)の授受を行うための周辺機器インタフェースを備えることができる。これらの表示装置は、例えば閲覧装置2の管理者が使用可能とされる。なお、この周辺機器インタフェースとしては、USB、IEEE1394又はRS−232Cなどで構成される。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
【0028】
以上の構成を備える閲覧装置2は、出版社、教育関連会社、これらの会社が保有するサービスセンターなどのほか、本発明の複合コンテンツデータ閲覧システム1を管理する管理会社などに設置される。なお、これら各社を「閲覧装置2の管理者」と呼ぶ点は前記の通りである。
【0029】
本発明の複合コンテンツデータ閲覧方法
次に、添付の図4ないし図13を参照しながら、本発明の複合コンテンツデータ閲覧方法の一例について詳細に説明する。図4は、本発明の複合コンテンツデータ絵閲覧方法実行の前提となる新規ユーザー登録方法の一例を示し、図5はユーザー情報変更登録方法の一例を示している。また、図6は、本発明の複合コンテンツデータ閲覧システムへの書籍名及び識別符号の追加方法の一例を示している。さらに、図7は、本発明の複合コンテンツデータ閲覧方法の一例を示している。以下、これらの図に示す例を順次説明する。
【0030】
(新規ユーザー登録方法)
図4を参照しながら、新規ユーザー登録方法について説明する。複合コンテンツデータ閲覧システム1(以下、単に閲覧システム1という。)に新規ユーザー登録するために、ユーザー端末3ではまず、通信回線網4に接続可能な状態でブラウザを起動し、当該閲覧システム1の呼出し要求を送信する(ステップS01)。これに対し、閲覧装置2から閲覧システム1のサイトのフロントページをユーザー端末3に返す。
【0031】
次に、ユーザー端末3の表示画面上に表示された閲覧システム1のフロントページ上で「新規ユーザー登録」を選択し、ユーザー登録画面表示を要求する(ステップS02)。これに対し、閲覧装置2はユーザー登録画面表示をユーザー端末3に送信する。ユーザーは、ユーザー端末3を操作し、その表示画面に表示されたメールアドレス、パスワード、パスワード(確認用)、保有する書籍名及びこれに付属する識別符号(以下では、シリアルナンバー又はシリアルNo.と記載することがある。)の各入力欄にそれぞれ入力を行った上で、送信し、ユーザー登録をの要求を行う(ステップS03)。
【0032】
閲覧装置2では、これらのデータを有するユーザー登録要求をユーザー情報管理部7が受理する(ステップS04)。ユーザー情報管理部7は、ユーザー情報格納部8に対し受け付けたメールアドレス、パスワード及び保有する書籍名を送り、ユーザー登録を要求する。登録完了後にユーザー情報格納部8からユーザー情報管理部7に対し登録完了を回答する。
【0033】
また、ユーザー端末3からの書籍名についてはまた、書誌情報管理部9が受付ける。書誌情報管理部9では、書誌情報格納部10に対して予め管理者などによって登録されている書類名を照会要求を行う(ステップS05)。その要求に応え、書誌情報格納部10は予め登録されている書籍名群を返す。書誌情報管理部9は、登録された書籍名群のなかに同一の書籍名が存在するか否か判定する(ステップS06)。その結果、書誌情報管理部9は、同一の書類名が登録されていない場合には、その旨をユーザー端末3に通知し、登録されている場合には、識別符号管理部13に対して書籍名を送る。
【0034】
さらに、識別符号は、識別符号管理部13が受付け、識別符号格納部14に対して識別符号の照会要求を行う(ステップS07)。その要求に応え、識別符号格納部14では、予め書誌情報管理部9から受け取った書籍名について登録されている識別符号群を返す。識別符号管理部13は、登録された識別符号群とユーザー端末3からの識別符号とを照合し、後者が前者の中に存在するか否か判定する。その結果、同一識別符号が存在しない場合には、ユーザー端末3に対しシリアルナンバーの登録がない旨の通知を行い、同一の識別符号が存在する場合には、閲覧許可の通知を行う(ステップS08)。書籍名、識別符号の登録がない場合には、再度ユーザー端末3では、書籍名、識別符号などを再入力できる(ステップS09)。
【0035】
(ユーザー情報変更方法)
図5を参照しながら、ユーザー情報の変更方法について説明する。ユーザー情報を変更する場合、ユーザー端末3では、通信回線網4に接続可能な状態でブラウザを起動し、当該閲覧システム1の呼出し要求を送信する(ステップS11)。これに対し、閲覧装置2から閲覧システム1のサイトのフロントページをユーザー端末3に返す。
【0036】
次に、ユーザー端末3の表示画面上に表示された閲覧システム1のフロントページ上で「ユーザー情報変更」を選択し(図8参照)、ユーザー情報変更画面の表示要求を行う(ステップS12)。これに対し、閲覧装置2はユーザー情報変更画面表示をユーザー端末3に返す。ユーザーは、ユーザー端末3を操作し、その表示画面に表示されたメールアドレス、パスワード及び保有する書籍名の各項目のうち修正の必要な項目のみ修正内容の入力を行い、送信する(ステップS13)。
【0037】
閲覧装置2では、修正データを有するユーザー情報変更要求をユーザー情報管理部7が受理し、ユーザー情報格納部8に対し受け付けた修正内容を送り、ユーザー情報変更を要求する(ステップS14)。登録完了後にユーザー情報格納部8からユーザー情報管理部7に対し変更登録完了を回答する。
回答を受けたユーザー情報管理部7は、ユーザー端末3に対し、変更登録が完了したことを通知する。
【0038】
(保有書籍名及び識別符号の追加方法)
図6を参照しながら、保有書籍名及び識別符号の追加方法について説明する。保有書籍名及び識別符号を追加する場合、ユーザー端末3では、通信回線網4に接続可能な状態でブラウザを起動し、当該閲覧システム1の呼出し要求を送信する(ステップS16)。これに対し、閲覧装置2から閲覧システム1のサイトのフロントページをユーザー端末3に返す。
【0039】
次に、ユーザー端末3の表示画面上に表示された閲覧システム1のフロントページ上で「書籍情報追加」を選択し(図8参照)、保有書籍名などの追加画面の呼出し要求を行う(ステップS17)。これに対し、閲覧装置2は書籍名などの追加画面表示をユーザー端末3に返す。ユーザーは、ユーザー端末3を操作し、その表示画面に表示された書籍名の項目に追加する書籍名の入力を行い、送信するとともに(ステップS18)。また、ユーザー端末3では、追加する識別符号の入力を行い、送信する(ステップS20)。
【0040】
閲覧装置2では、書籍名追加確認要求(ステップS18参照)を書誌情報管理部9が受け付ける。書誌情報管理部9では、書誌情報格納部10に対して予め登録されている書類名を照会要求を行う(ステップS19)。その要求に応え、書誌情報格納部10は書誌情報管理部9に対し登録されている書類名群を返す。書誌情報管理部9は、登録された書籍名群のなかに同一の書籍名が存在するか否か判定する(ステップS20)。その結果、書誌情報管理部9は、同一の書類名が登録されていない場合には、その旨をユーザー端末3に通知し、ユーザー端末3にて再入力できるようにする(ステップS21)。登録されている場合には、識別符号管理部13に対して書籍名を送る。
【0041】
識別符号管理部13は、追加する識別符号のデータを有する追加要求(ステップS22参照)を受け取り、識別符号格納部14に対し識別符号の照会要求を行う(ステップS23)。識別符号格納部14では、予め書誌情報管理部9から受け取った書籍名について登録されている識別符号群を返す。識別符号管理部13は、登録された識別符号群とユーザー端末3から追加要求のあった識別符号とを照合し、後者が前者の中に存在するか否か判定する。その結果、同一識別符号が存在しない場合には、ユーザー端末3に対し識別符号の登録がない旨の通知を行い、同一の識別符号が存在する場合には、閲覧許可の通知を行う(ステップS08)。識別符号の登録がない場合には、再度ユーザー端末3では、書籍名、識別符号などを再入力できる(ステップS25)。
【0042】
(本発明の複合コンテンツデータ閲覧方法)
図7を参照しながら、本発明の複合コンテンツデータ閲覧方法の一例について説明する。ユーザー端末3ではまず、通信回線網4に接続可能な状態でブラウザを起動し、当該閲覧システム1の呼出し要求を送信し、閲覧装置2から閲覧システム1のサイトのフロントページをユーザー端末3に返し、表示画面上にフロントページを表示させる。なお、この点は、前記の繰り返しとなるため、ここでは省略する。
【0043】
次に、ユーザー端末3の表示画面上に表示された閲覧システム1のフロントページ上で「ログイン」を選択し、ログイン画面を呼び出し、ID及びパスワードを入力する(ステップS30)。閲覧装置2は、ユーザー端末3からのログイン要求をユーザー情報管理部7が受付け、ユーザー情報格納部8にユーザー情報の照会を行い(ステップS31)、その結果についての回答を受ける。ユーザー情報管理部7は、その結果について判定を行い(ステップS32)、結果が不一致の場合、ユーザー端末3に対し不一致のため認証不可の通知を行い、結果が一致する場合、書誌情報格納部10からのデータにより表示画面生成部15が生成した複合コンテンツデータの選択画面表示をユーザー端末3に対し返す。この選択画面表示は、図9に示すように閲覧可能な複合コンテンツデータは明瞭な画像として表示され選択可能であり、閲覧権限を有しない複合コンテンツデータは網掛けが施され、選択できないようになっている。
【0044】
ユーザーは、ユーザー端末3の表示画面上に表示されている複合コンテンツデータの中から選択可能な特定複合コンテンツデータを選択し、この特定複合コンテンツデータの閲覧要求を発する(ステップS33)。この要求を受けた閲覧装置2では、コンテンツ情報管理部11がコンテンツ情報格納部12に対し、また書誌情報管理部9及びコンテンツ情報管理部11がコンテンツ情報格納部12に対し、それぞれより書誌情報及びコンテンツ情報を要求する(ステップS34)。書誌情報格納部10及びコンテンツ情報格納部12から前記データを受けた書誌情報管理部9及びコンテンツ情報管理部11は受け取ったデータを表示画面生成部15に送る。表示画面生成部15では、特定複合コンテンツデータの表紙及び本文の表示画面単位ごとにレイアウト画像及び関連情報のリンク先を含む表示画面を生成し(図9図10及び図12参照)、ユーザー端末3での閲覧に供すべく出力する。これにより、ユーザー端末3では、ブラウザ上で特定複合コンテンツデータの閲覧が可能になる(ステップS35)。このとき、表示画面上のレイアウト画像は、ユーザー端末3での操作によりコピーや印刷ができないよう制限を設けることができる。
【0045】
特定コンテンツデータの閲覧中、ユーザーが任意の表示画面単位にて関連情報を確認したい場合、関連情報のリンク先より確認したい関連情報を選択して選択した関連情報の閲覧を要求する(ステップS36)。この関連情報の閲覧要求を受けたコンテンツ情報管理部11では、コンテンツ情報格納部12に対して当該関連情報の呼出しを行い(ステップS37)、表示画面生成部15経由でユーザー端末3での当該関連情報の閲覧が可能となるように出力する(図13参照)。
【0046】
以上説明したように、本発明の複合コンテンツデータ閲覧システム及び複合コンテンツデータ閲覧方法によれば、以下のような利点がある。
(1)ユーザー端末がブラウザ機能を備えていれば、特定複合コンテンツデータをダウンロードすることなくその閲覧が可能であり、専用のビューワアプリも不要である。特定複合コンテンツデータ自体をユーザー端末に格納する必要はないため、コンテンツに関する権利関係に配慮できる。
(2)特定複合コンテンツデータの各表示画面単位のレイアウトは画像化されているため、このレイアウト画像に印刷やコピーの制限を設けることで、コンテンツの不正使用の問題も生じない。
(3)各表示画面単位についてみると、レイアウト画像のほかに、当該レイアウトを構成するテキストなどのコンテンツを別に保有するようにしたので、テキスト検索、適宜の章や節への異動が可能となる(キーワードを「心臓」とするテキスト検索結果の例として、図11参照)。
(4)複合コンテンツデータの各表示画面単位にある関連情報のリンク先は、その閲覧権限を制限することで、閲覧権限を有するユーザーのみが閲覧可能なように絞ることができる。これにより、例えば大学・専門学校や企業などの組織内資料などの不用意な流出を防止することができる。
(5)複合コンテンツデータの閲覧は識別符号の照合によって可能になるので、この識別符号のみを何らかの方法で配布できれば、配布を受けたユーザーも当該復号コンテンツデータの閲覧が可能となる。
【符号の説明】
【0047】
1・・・複合コンテンツデータ閲覧システム、 2・・・複合コンテンツデータ閲覧装置、 3・・・ユーザー端末、 4・・・通信回線網、 5・・・入力部、 6・・・制御部、 7・・・ユーザー情報管理部、
8・・・ユーザー情報格納部、 9・・・書誌情報管理部、 10・・・書誌情報格納部、 11・・・コンテンツ情報管理部、 12・・・コンテンツ情報格納部、 13・・・識別符号管理部、 14・・・識別符号格納部、 15・・・表示画面作成部、 16・・・出力部、 21・・・記憶部、 24・・・通信インタフェース

【要約】      (修正有)
【課題】通信回線網のある環境で、ユーザー端末へのダウンロードの必要なく複合コンテンツデータを閲覧できる複合コンテンツデータ閲覧技術を提供する。
【解決手段】本発明の複合コンテンツデータ閲覧技術は、複合コンテンツデータごとに付与され予め登録管理されている識別符号と、ユーザー端末からの閲覧要求の際に入力された識別符号との照合により前記複合コンテンツデータの閲覧許否の判断を行う機能、複合コンテンツデータに関する書誌情報、その各表示画面単位に含まれる1又は複数のコンテンツ、及び各コンテンツに関連する1と又は複数のコンテンツ関連情報のリンク先を登録管理する機能と、前記コンテンツが前記各表示画面単位ごとに配置されたレイアウトを画像化してレイアウト画像とし、当該レイアウト画像と、登録されている前記コンテンツ関連情報のリンク先についての選択可能な表示とで主にページごとの表示画面を作成する機能とを備えている。
【選択図】図1
図1
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図10
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図13