(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、ローミングネットワークアクセス方法および装置を提供する。これは、ユーザ機器によって、ローミングエリアから最初にネットワークにアクセスするための時間を短縮する。
【0007】
第1の態様によれば、本発明の実施形態は、ローミングネットワークアクセス方法を提供する。この方法は、
ユーザ機器によって、ローミングエリアにおける少なくとも1つの利用可能なネットワークを探索するステップと、
ユーザ機器によって、履歴ローミング情報を獲得するステップであって、履歴ローミング情報は、ユーザがローミングしている場合に、登録の試みがなされたネットワークに関する情報を記録するために使用される、獲得するステップと、
ユーザ機器によって、履歴ローミング情報に従って、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を調節するステップと、
ユーザ機器によって、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの調節された優先度の降順で、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークを、登録の試みがなされたネットワークとして、連続的に選択し、登録の試みがなされたネットワークへの登録を試みるステップと、を含む。
【0008】
第1の態様によれば、第1の態様の第1の可能な実施方式では、履歴ローミング情報は、第1のローミングネットワークリストを含む。第1のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合に、正しく登録されたネットワークに関する情報を記録するために使用され、
ユーザ機器によって、履歴ローミング情報に従って、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を調節するステップは、ユーザ機器によって、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークが第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定するステップと、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているのであれば、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を維持または増加させるステップと、を含む。
【0009】
第1の態様の第1の可能な実施方式によれば、第1の態様の第2の可能な実施方式では、登録の試みがなされたネットワークへ登録を試みるステップの後、この方法はさらに、ユーザ機器によって、登録が成功したか否かを判定するステップと、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークへ正しく登録されなかったと判定されると、ユーザ機器によって、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されたか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されていると判定された場合、第1のローミングネットワークリストから、登録の試みがなされたネットワークのレコードを削除するステップ、または、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークに正しく登録されていると判定されると、ユーザ機器によって、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されていないと判定された場合、登録の試みがなされたネットワークのレコードを、第1のローミングネットワークリストへ追加するステップ、を含む。
【0010】
第1の態様、および、第1の態様の第1および第2の可能な実施方式のいずれかによれば、第1の態様の第3の可能な実施方式では、履歴ローミング情報は、第2のローミングネットワークリストを含む。第2のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合に、正しく登録されなかったネットワークに関する情報を記録するために使用され、
ユーザ機器によって、履歴ローミング情報に従って、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を調節するステップは、ユーザ機器によって、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワーク内のネットワークであって、第2のローミングネットワークリストに記録されているネットワークの優先度を、第2のローミングネットワークリストに記録されていないネットワークの優先度よりも低く設定するステップ、を含む。
【0011】
第1の態様の第3の可能な実施方式によれば、第1の態様の第4の可能な実施方式では、登録の試みがなされたネットワークへ登録を試みるステップの後、この方法はさらに、ユーザ機器によって、登録が成功したか否かを判定するステップと、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークへ正しく登録されなかったと判定されると、ユーザ機器によって、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されていないと判定された場合、登録の試みがなされたネットワークのレコードを、第2のローミングネットワークリストへ追加するステップ、または、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークに正しく登録されていると判定されると、ユーザ機器によって、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されていると判定された場合、第2のローミングネットワークリストから、登録の試みがなされたネットワークのレコードを削除するステップ、を含む。
【0012】
第1の態様、すなわち、第1の態様の第1乃至第4の可能な実施方式のうちのいずれか1つによれば、第1の態様の第5の可能な実施方式では、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶される。
【0013】
第1の態様の第5の可能な実施方式によれば、第1の態様の第6の可能な実施方式では、履歴ローミング情報のバックアップが、クラウドに記憶され、
ユーザ機器によって、履歴ローミング情報を獲得するステップは、ユーザ機器によって、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されているか否かを検出するステップと、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されていないのであれば、クラウドに記憶された履歴ローミング情報を、ユーザ機器によって獲得するステップ、または、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されているのであれば、ユーザ機器によって、履歴ローミング情報をクラウドへ同期させるステップと、を含む。
【0014】
第1の態様の第6の可能な実施方式によれば、第1の態様の第7の可能な実施方式では、この方法はさらに、
履歴ローミング情報が更新された後、ユーザ機器によって、履歴ローミング情報をクラウドへ同期させるステップを含む。
【0015】
第1の態様、すなわち、第1の態様の第1乃至第4の可能な実施方式のうちのいずれか1つによれば、第1の態様の第8の可能な実施方式では、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュールに記憶される。
【0016】
第1の態様の第8の可能な実施方式によれば、第1の態様の第9の可能な実施方式では、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュールに記憶されることは特に、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュール内の履歴ローミング情報基本ファイルEFに記憶されることである。
【0017】
第1の態様の第9の可能な実施方式によれば、第1の態様の第10の可能な実施方式では、履歴ローミング情報EFは、有効時間を含み、
この方法はさらに、有効時間が終了した場合、履歴ローミング情報EFから履歴ローミング情報を削除するステップを含む。
【0018】
第2の態様によれば、本発明の実施形態は、ローミングネットワークアクセス装置を提供する。この装置は、
ローミングエリアにおける少なくとも1つの利用可能なネットワークを探索するように構成された探索モジュールと、
履歴ローミング情報を獲得するように構成された獲得モジュールであって、履歴ローミング情報は、ユーザがローミングしている場合に、登録の試みがなされたネットワークに関する情報を記録するために使用される、獲得モジュールと、
獲得モジュールによって獲得された履歴ローミング情報に従って、探索モジュールによって発見された利用可能なネットワークの優先度を調節するように構成された調節モジュールと、
少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの、調節モジュールによって調節された、優先度の降順で、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークを、登録の試みがなされたネットワークとして、連続的に選択し、登録の試みがなされたネットワークへの登録を試みるように構成された登録モジュールと、を含む。
【0019】
第2の態様によれば、第2の態様の第1の可能な実施方式では、履歴ローミング情報は、第1のローミングネットワークリストを含み、第1のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合に、正しく登録されたネットワークに関する情報を記録するために使用され、
調節モジュールは特に、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているのであれば、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を維持または増加させるように構成される。
【0020】
第2の態様の第1の可能な実施方式によれば、第2の態様の第2の可能な実施方式では、登録モジュールはさらに、登録の試みがなされたネットワークへの登録の試みがなされた後、登録が成功したか否かを判定し、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークへ正しく登録されなかったと判定されると、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されていると判定された場合、第1のローミングネットワークリストから、登録の試みがなされたネットワークのレコードを削除し、または、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークに正しく登録されていると判定されると、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されていないと判定された場合、登録の試みがなされたネットワークのレコードを、第1のローミングネットワークリストへ追加するように構成される。
【0021】
第2の態様、すなわち、第2の態様の第1および第2の可能な実施方式のうちのいずれか1つによれば、第2の態様の第3の可能な実施方式では、履歴ローミング情報は、第2のローミングネットワークリストを含み、第2のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合に、正しく登録されなかったネットワークに関する情報を記録するために使用され、
調節モジュールは特に、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワーク内のネットワークであって、第2のローミングネットワークリストに記録されているネットワークの優先度を、第2のローミングネットワークリストに記録されていないネットワークの優先度よりも低く設定するように構成される。
【0022】
第2の態様の第3の可能な実施方式によれば、第2の態様の第4の可能な実施方式では、登録モジュールはさらに、登録の試みがなされたネットワークへの登録の試みがなされた後、登録が成功したか否かを判定し、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークへ正しく登録されなかったと判定されると、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されていないと判定された場合、登録の試みがなされたネットワークのレコードを、第2のローミングネットワークリストへ追加し、または、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークに正しく登録されていると判定されると、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されていると判定された場合、第2のローミングネットワークリストから、登録の試みがなされたネットワークのレコードを削除するように構成される。
【0023】
第2の態様、すなわち、第2の態様の第1乃至第4の可能な実施方式のうちのいずれか1つによれば、第2の態様の第5の可能な実施方式では、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶される。
【0024】
第2の態様の第5の可能な実施方式によれば、第2の態様の第6の可能な実施方式では、履歴ローミング情報のバックアップが、クラウドに記憶され、
獲得モジュールは特に、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されているか否かを検出し、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されていないのであれば、クラウドに記憶された履歴ローミング情報を獲得し、または、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されているのであれば、履歴ローミング情報をクラウドへ同期させるように構成される。
【0025】
第2の態様の第6の可能な実施方式によれば、第2の態様の第7の可能な実施方式では、獲得モジュールはさらに、履歴ローミング情報が更新された後、履歴ローミング情報をクラウドへ同期させるように構成される。
【0026】
第2の態様、すなわち、第2の態様の第1乃至第4の可能な実施方式のうちのいずれか1つによれば、第2の態様の第8の可能な実施方式では、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュールに記憶される。
【0027】
第2の態様の第8の可能な実施方式によれば、第2の態様の第9の可能な実施方式では、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュールに記憶されることは特に、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュール内の履歴ローミング情報基本ファイルEFに記憶されることである。
【0028】
第2の態様の第9の可能な実施方式によれば、第2の態様の第10の可能な実施方式では、履歴ローミング情報EFは、有効時間を含み、
登録モジュールはさらに、有効時間が終了した場合、履歴ローミング情報EFから履歴ローミング情報を削除するように構成される。
【0029】
本発明のこの実施形態において使用されるローミングネットワークアクセス方法および装置では、ユーザのユーザ機器が、ローミングエリアからネットワークに最初にアクセスした場合、ユーザが過去においてローミングした場合に登録の試みがなされたネットワークに関する情報が、発見された利用可能な各ネットワークのための優先度をユーザ機器が設定した場合に包括的に考慮され、これによって、ユーザが正しく登録できる利用可能なネットワークが、比較的高い優先度を有し、ユーザ機器による登録のために優先的に試みられることが可能となり、したがって、ユーザ機器によってローミングエリアからネットワークへ最初にアクセスするための時間を短縮し、ユーザ経験を改善する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の実施形態に従うローミングネットワークアクセス方法のフローチャートである。
図1に図示されるように、この方法は、以下のステップを含む。
【0032】
101. ユーザ機器が、ローミングエリアにおける少なくとも1つの利用可能なネットワークを探索する。
【0033】
102. ユーザ機器が、履歴ローミング情報を獲得する。履歴ローミング情報は、ユーザがローミングしている場合に、登録の試みがなされたネットワークに関する情報を記録するために使用される。
【0034】
ステップ101とステップ102との間に厳密な時間シーケンスはない。ステップ101は、ステップ102の前に実行され得るか、または、ステップ102の後に実行され得るか、または、ステップ101とステップ102とが同時に実行され得る。
【0035】
ユーザ機器は、ローカル記憶ユニットからリストを獲得し得るか、または、別のデバイスまたはネットワークからリストを獲得し得る。
【0036】
103. ユーザ機器は、履歴ローミング情報に従って、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を調節する。
【0037】
104. ユーザ機器は、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの調節された優先度の降順で、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークを、登録の試みがなされたネットワークとして、連続的に選択し、登録の試みがなされたネットワークへの登録を試みる。
【0038】
オプションとして、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の加入者識別モジュール(SIM)および/または不揮発性メモリ(non-volatile memory)に記憶される。
【0039】
特に、本発明のこの実施形態において提供されるローミングネットワークアクセス方法は、ユーザのユーザ機器がローミングエリア内のローミングから最初にネットワークにアクセスするシナリオに適用され得る。ユーザ機器は、セルラー電話(cellular phone)およびタブレットコンピュータのようなワイヤレス通信デバイスであり得る。ネットワークに関する情報は、PLMNおよび/またはRATを含む。
【0040】
本発明のこの実施形態において提供される、使用されるローミングネットワークアクセス方法では、ユーザ機器が、ローミングエリアからネットワークに最初にアクセスした場合、ユーザ機器が、ローミング状態にあることが判定されると、ユーザが過去においてローミングした場合に登録の試みがなされたネットワークに関する情報が、発見された利用可能な各ネットワークのための優先度をユーザ機器が設定した場合に包括的に考慮され、これによって、ユーザが正しく登録できる利用可能なネットワークが、比較的高い優先度を有し、ユーザ機器による登録のために優先的に試みられることが可能となり、したがって、ユーザ機器によってローミングエリアからネットワークへ最初にアクセスするための時間を短縮し、ユーザ経験を改善する。
【0041】
オプションとして、本発明のこの実施形態において提供されるローミングネットワークアクセス方法に基づいて、加入者識別モジュールに履歴ローミング情報を記憶する実現可能な実施方式は、新たな基本ファイル(Elementary File、略してEF)、履歴ローミング情報基本ファイル(EF-Roam)をSIMへ追加することである。ここで、EF-Roamは、ユーザの履歴ローミング情報を記憶するために使用される。
【0042】
ユーザ機器が、ローミングエリアにおけるローミングから、ネットワークに最初にアクセスした場合。
【0043】
登録成功メッセージまたは位置更新成功メッセージを受信した後、ユーザ機器は、EF-Roamに、ユーザ機器が現在正しく登録されている利用可能なネットワークに関する情報を記憶する。
【0044】
ユーザ機器の登録要求が拒否された場合、たとえば、拒否の理由は、PLMNが利用可能ではない(PLMNが許可されていない)ことであり、ユーザ機器は、ユーザ機器が登録されることに現在失敗している利用可能なネットワークが、EF-Roamに記録されているか否かを判定し、ユーザ機器が登録されることに現在失敗している利用可能なネットワークが、EF-Roamに記録されているのであれば、ユーザ機器が登録されることに現在失敗している利用可能なネットワークをEF-Roamから削除する。
【0045】
オプションとして、有効時間フィールドが、EF-Roam内に設定される。有効時間が終了した場合、履歴ローミング情報は、EF-Roamから削除される。あるいは、利用可能なネットワークに関する情報がEF-Roamへ追加された場合、有効時間が同時に測定され始め、有効時間が終了した場合、利用可能なネットワークに関する情報が、EF-Roamから自動的に削除される。
【0046】
オプションとして、本発明のこの実施形態において提供されるローミングネットワークアクセス方法に基づいて、履歴ローミング情報は、第1のローミングネットワークリストを含み、第1のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合に、正しく登録されたネットワークに関する情報を記録するために使用される。
【0047】
ユーザ機器によって、履歴ローミング情報に従って、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を調節するステップは、ユーザ機器によって、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークが第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定するステップと、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているのであれば、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を維持または増加させるステップと、を含む。たとえば、ユーザ機器は、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークにあり、第1のローミングネットワークリストに記録されているネットワークの優先度を、維持または増加させ得、これによって、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークにあり、ユーザが過去にローミングした場合に、ユーザ機器が正しく登録されたネットワークの優先度が、第1のローミングネットワークリストに記録されていないネットワークの優先度よりも低くないようになり、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークにあり、第1のローミングネットワークリストに記録されたネットワークが、ユーザ機器による登録のために優先的に試みられ得、したがって、ユーザ機器によってローミングエリアからネットワークへ最初にアクセスするための時間を短縮し、ユーザ経験を改善する。
【0048】
さらに、ユーザ機器は、登録を試みた結果に従って、第1のローミングネットワークリストをリアルタイムで更新し得る。
【0049】
図2は、本発明の実施形態に従う第1のローミングネットワークリストを更新するフローチャートである。本発明のこの実施形態は、
図1に図示された方法実施形態に基づいて実施される。さらに、本発明のこの実施形態における方法はさらに、ユーザの履歴ローミング情報をどのように更新するかを記述している。
図2に図示されるように、この方法は、以下のステップを含む。
【0050】
201. ユーザ機器は、ローミングエリアにおけるローミングから、ネットワークに最初にアクセスした場合、登録の試みがなされたネットワークへの登録を試みる。
【0051】
202. ユーザ機器は、登録が成功したか否かを判定し、ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークへ正しく登録されなかったと判定されると、ステップ203へ進むか、または、ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークに正しく登録されていると判定されると、ステップ205へ進む。
【0052】
203. ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているのであれば、ステップ204へ進むか、または、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されていないのであれば、更新手順が終了する。
【0053】
204. 第1のローミングネットワークリストから、登録の試みがなされたネットワークのレコードを削除し、更新手順が終了する。
【0054】
205. ユーザ機器は、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されていないのであれば、ステップ206へ進み、または、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているのであれば、更新手順が終了する。
【0055】
206. 登録の試みがなされたネットワークのレコードを、第1のローミングネットワークリストへ追加し、更新手順が終了する。
【0056】
オプションとして、本発明のこの実施形態において提供されるローミングネットワークアクセス方法に基づいて、履歴ローミング情報は、第2のローミングネットワークリストを含み、第2のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合に、正しく登録されなかったネットワークに関する情報を記録するために使用される。
【0057】
ユーザ機器によって、履歴ローミング情報に従って、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を調節するステップは、ユーザ機器によって、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワーク内のネットワークであって、第2のローミングネットワークリストに記録されているネットワークの優先度を、第2のローミングネットワークリストに記録されていないネットワークの優先度よりも低く設定するステップを含み、これによって、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークにあり、ユーザが過去にローミングした場合に、ユーザ機器が登録されることに失敗したネットワークの優先度が、第2のローミングネットワークリストに記録されていないネットワークの優先度よりも低くなる。これは、第2のローミングネットワークリスト内のネットワークへの登録を優先的に試みることによって占有される無意味な待ち時間を回避し、したがって、ユーザ機器によってローミングエリアからネットワークへ最初にアクセスするための時間を短縮し、ユーザ経験を改善する。
【0058】
さらに、ユーザ機器は、登録を試みた結果に従って、第2のローミングネットワークリストをリアルタイムで更新し得る。
【0059】
図3は、本発明の実施形態に従う第2のローミングネットワークリストを更新するフローチャートである。本発明のこの実施形態は、
図1に図示された方法実施形態に基づいて実施される。さらに、本発明のこの実施形態における方法はさらに、ユーザの履歴ローミング情報をどのように更新するかを記述している。
図3に図示されるように、この方法は、以下のステップを含む。
【0060】
301. ユーザ機器は、ローミングエリアにおけるローミングから、ネットワークに最初にアクセスした場合、登録の試みがなされたネットワークへの登録を試みる。
【0061】
302. ユーザ機器は、登録が成功したか否かを判定し、ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークへ正しく登録されなかったと判定されると、ステップ303へ進むか、または、ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークに正しく登録されていると判定されると、ステップ305へ進む。
【0062】
303. ユーザ機器は、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されていないのであれば、ステップ304へ進むか、または、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているのであれば、更新手順が終了する。
【0063】
304. 登録の試みがなされたネットワークのレコードを、第2のローミングネットワークリストへ追加し、更新手順が終了する。
【0064】
305. ユーザ機器は、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているのであれば、ステップ306へ進むか、または、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されていないのであれば、更新手順が終了する。
【0065】
306. 第2のローミングネットワークリストから、登録の試みがなされたネットワークのレコードを削除し、更新手順が終了する。
【0066】
オプションとして、本発明のこの実施形態において提供されるローミングネットワークアクセス方法に基づいて、ユーザの履歴ローミング情報を記憶するために、ユーザ機器が、ユーザ機器の不揮発性メモリを使用するシナリオにおいて、履歴ローミング情報のバックアップが、クラウドに記憶され得る。クラウドは、少なくとも1人のユーザの履歴ローミング情報を記憶し、各ユーザの識別子に従って、各ユーザの履歴ローミング情報を個別に記憶するために使用され、この識別子は、クラウドアカウントまたはユーザの電話番号、またはユーザ機器のIMEIシリアル番号のような、ユーザの識別情報を表す情報であり得る。ユーザが、ユーザ機器を喪失したか、または、ユーザ機器を変更した場合、変更されたユーザ機器は、クラウドから、ユーザの履歴ローミング情報を獲得し得、さらに、ローミングエリアから、最初にネットワークにアクセスした場合、履歴ローミング情報を使用し得、したがって、ユーザ機器によって、ローミングエリアからネットワークへ最初にアクセスするための時間を短縮し、ユーザ経験を改善する。
【0067】
ユーザ機器が、履歴ローミング情報を獲得する必要がある場合、ユーザ機器は先ず、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されているか否かを検出する。
【0068】
履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されているのであれば、ユーザ機器は、ユーザ機器の不揮発性メモリから履歴ローミング情報を獲得し、履歴ローミング情報をクラウドへ同期させ、これによって、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶された履歴ローミング情報の(同期識別子およびタイムスタンプのような)バージョン情報が、クラウドに記憶された履歴ローミング情報のものと整合するようになる。
【0069】
履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されていないのであれば、ユーザ機器は、クラウドから、履歴ローミング情報を獲得する。
【0070】
さらに、履歴ローミング情報が変更された後、ユーザ機器は、クラウドに記憶された履歴ローミング情報、およびバージョン情報を更新できるように、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶された履歴ローミング情報と、バージョン情報とを更新し、履歴ローミング情報をクラウドへ同期させ、履歴ローミング情報の変更をクラウドへ同時にアップロードする。
【0071】
図4は、本発明の実施形態に従うローミングネットワークアクセス装置の概要構成図である。
図4に図示されるように、本発明のこの実施形態において提供されるローミングネットワークアクセス装置400は、
ローミングエリアにおける少なくとも1つの利用可能なネットワークを探索するように構成された探索モジュール401と、
履歴ローミング情報を獲得するように構成された獲得モジュール402であって、履歴ローミング情報は、ユーザがローミングした場合、登録の試みがなされたネットワークに関する情報を記録するために使用される、獲得モジュール402と、
探索モジュール401によって発見された利用可能なネットワークの優先度を、獲得モジュール402によって獲得された履歴ローミング情報に従って調節するように構成された調節モジュール403と、
少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの、調節モジュール403によって調節された優先度の降順で、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークを、登録の試みがなされたネットワークとして、連続的に選択し、登録の試みがなされたネットワークへの登録を試みるように構成された登録モジュール404と、を含む。
【0072】
本発明のこの実施形態において提供されるローミングネットワークアクセス装置400は、ユーザ機器に配置され得る。ローミングネットワークアクセス装置400は、
図1に図示される方法実施形態における技術的解決策を実行するように構成され得る。その実施原理および技術的効果は類似しており、詳細は本明細書において再度記述されない。
【0073】
オプションとして、履歴ローミング情報は、第1のローミングネットワークリストを含み、第1のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合、正しく登録されたネットワークに関する情報を記録するために使用される。
【0074】
調節モジュール403は特に、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークが第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークが第1のローミングネットワークリストに記録されているのであれば、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を維持または増加させるように構成される。
【0075】
さらに、登録モジュール404はさらに、登録の試みがなされたネットワークへの登録の試みがなされた後、登録が成功したか否かを判定し、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークへ正しく登録されなかったと判定されると、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されていると判定された場合、第1のローミングネットワークリストから、登録の試みがなされたネットワークのレコードを削除し、または、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークに正しく登録されていると判定されると、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されていないと判定された場合、登録の試みがなされたネットワークのレコードを、第1のローミングネットワークリストへ追加する、ように構成される。
【0076】
オプションとして、履歴ローミング情報は、第2のローミングネットワークリストを含み、第2のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合、正しく登録されなかったネットワークに関する情報を記録するために使用される。そして、
調節モジュール403は特に、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワーク内のネットワークであって、第2のローミングネットワークリストに記録されているネットワークの優先度を、第2のローミングネットワークリストに記録されていないネットワークの優先度よりも低く設定するように構成される。
【0077】
さらに、登録モジュール404はさらに、登録の試みがなされたネットワークへの登録の試みがなされた後、登録が成功したか否かを判定し、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークへ正しく登録されなかったと判定されると、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されていないと判定された場合、登録の試みがなされたネットワークのレコードを、第2のローミングネットワークリストへ追加するか、または、
ユーザ機器が、登録の試みがなされたネットワークに正しく登録されていると判定されると、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、登録の試みがなされたネットワークが、第2のローミングネットワークリストに記録されていると判定された場合、第2のローミングネットワークリストから、登録の試みがなされたネットワークのレコードを削除するように構成される。
【0078】
前述した実施形態に基づいて、履歴ローミング情報が、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶される。
【0079】
さらに、履歴ローミング情報のバックアップが、クラウドに記憶され、
獲得モジュール402は特に、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュールに、または、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されているかを検出し、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュールに、または、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されていないのであれば、クラウドに記憶された履歴ローミング情報を獲得し、または、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュールに、または、ユーザ機器の不揮発性メモリに記憶されているのであれば、履歴ローミング情報をクラウドへ同期させるように構成される。
【0080】
さらに、獲得モジュール402はさらに、履歴ローミング情報が更新された後、履歴ローミング情報をクラウドへ同期させるように構成される。
【0081】
あるいは、前述した実施形態に基づいて、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュールに記憶される。
【0082】
さらに、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュールに記憶されることは特に、履歴ローミング情報が、加入者識別モジュール内の履歴ローミング情報基本ファイル(EF)に記憶されることである。
【0083】
さらに、履歴ローミング情報EFは、有効時間を含み、
登録モジュール404はさらに、有効時間が終了した場合、履歴ローミング情報EFから履歴ローミング情報を削除するように構成される。
【0084】
図5は、本発明の実施形態に従うローミングネットワークアクセス装置の別の概要構成図である。
図5に図示されるように、本発明のこの実施形態において提供されるローミングネットワークアクセス装置500は、入力ユニット501、プロセッサユニット502、出力ユニット503、通信ユニット504、記憶ユニット505、周辺インターフェース506、および電源507のような構成要素を含む。これら構成要素は、1つまたは複数のバスを使用することによって通信を実行する。当業者は、
図5に図示されるローミングネットワークアクセス装置500の構造が、本発明における限定を構成しないことを理解し得る。この構造は、バス構造であり得るか、または、スター構造であり得、さらに、
図5に図示されるものよりも多いまたは少ない構成要素を含み得、または、いくつかの部品を組み合わせ得、または、異なる部品配置を有し得る。本発明の実施方式では、ローミングネットワークアクセス装置500は、任意のモバイルまたはポータブルな通信デバイスであり得、限定されないがモバイル電話、モバイルコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、メディアプレーヤ、スマートテレビ、および前述した2つ以上のアイテムの組合せを含み得る。
【0085】
入力ユニット501は、ユーザとローミングネットワークアクセス装置500との間のインタラクション、および/または、ローミングネットワークアクセス装置500への情報入力を、実施するように構成される。たとえば、入力ユニット501は、ユーザ設定または機能制御に関連する信号入力を生成できるように、ユーザによって入力されたデータまたはキャラクタ情報を受信し得る。本発明の特定の実施方式では、入力ユニット501は、タッチ制御パネルであり得、実質的な入力キーおよびマイクロホンのような別のヒューマン-マシンインタラクションインターフェースであり得、または、カメラのような別の外部情報獲得装置であり得る。タッチスクリーンとも称されるタッチパネ
ルは、たとえば、指またはスタイラスのような任意の適切なオブジェクトまたはアクセサリを使用することによって、タッチパネル上において、または、タッチパネルの近傍の位置において、ユーザによって実行されるオペレーション動作のように、ユーザによるタッチまたは接近のオペレーション動作を収集し得る。そして、対応する接続装置が、あらかじめ設定されたプログラムに従って駆動される。オプションとして、タッチパネルは、2つの部分、タッチ検出装置およびタッチコントローラを含み得る。タッチ検出装置は、ユーザのタッチオペレーションを検出し、検出されたタッチオペレーションを電気信号へ変換し、この電気信号をタッチコントローラへ送信し、タッチコントローラは、タッチ検出装置から電気信号を受信し、この電気信号を、タッチポイント座標へ変換し、その後、このタッチポイント座標を、プロセッサユニット502へ送信する。タッチコントローラはさらに、プロセッサユニット502から伝えられたコマンドを受信し実行し得る。それに加えて、タッチパネルは、抵抗性タイプ、容量性タイプ、赤外線(Infrared)、および表面弾性波のような多くのタイプで実施され得る。本発明の別の実施方式では、入力ユニット501によって使用される実質的な入力キーは、限定されないが、物理的なキーボード、(ボリュームコントロールキーまたは電力キーのような)ファンクションキー、トラックボール、マウス、オペレーティングレバー、等のうちの1つまたは複数を含み得る。マイクロホンの形態の入力ユニットは、ユーザまたは環境によって入力された音声を収集し得、この音声を、電気信号の形態であり、プロセッサユニット502によって実行され得るコマンドへ変換し得る。
【0086】
本発明の他の実施方式では、入力ユニット501はさらに、検出および制御を実行するために、力、トルク、圧力、応力、位置、変位、速度、加速度、角度、角速度、回転量、回転速度、および、動作ステータスが変化する時間のような、ローミングネットワークアクセス装置500の物理量を検出し、この物理量を、電力へ変換するように構成されたHall構成要素のような様々なタイプの感知構成要素であり得る。他の感知構成要素はさらに、重力センサ、3軸加速度計、ジャイロスコープ等を含み得る。
【0087】
プロセッサユニット502は、ローミングネットワークアクセス装置500のコントロールセンタであり、様々なインターフェースおよびラインを使用することによって、ローミングネットワークアクセス装置500全体の様々な部分へ接続され、記憶ユニット505に記憶されたソフトウェアプログラムおよび/またはモジュールを動作させるまたは実行し、ローミングネットワークアクセス装置の様々な機能を実行し、かつ/またはデータを処理できるように、記憶ユニット505に記憶されたデータを起動する。プロセッサユニット502は、集積回路(Integrated Circuit、略してIC)を含み得、たとえば、単一のパッケージされたICを含み得、または、同じ機能または異なる機能を備えた多くのパッケージされたICを含み得る。たとえば、プロセッサユニット502は、中央処理装置(Central Processing Unit、略してCPU)のみを含み得るか、または、通信ユニット504におけるGPU、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、略してDSP)、および制御チップ(たとえば、ベースバンドチップ)の組合せであり得る。本発明のこの実施形態では、CPUは、単一のコンピューティングコアであり得るか、または、多くのコンピューティングコアを含み得る。
【0088】
通信ユニット504は特に、ローミングネットワークアクセス装置500と別のデバイスとの間で通信するように構成され、通信ユニット504を使用することによってデータパケットが受信または送信され得る。通信ユニット504は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、略してwireless LAN)モジュール、Bluetooth(登録商標)モジュール、およびベースバンド(Base Band)モジュールのような通信モジュールと、通信モジュールに対応する無線周波数(Radio Frequency、略してRF)回路とを含み得る。ここで、RF回路は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信、Bluetooth(登録商標)通信、赤外線通信、および/または、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access、略してW-CDMA(登録商標))および/または高速ダウンロードパケット接続(High Speed Downlink Packet Access、略してHSDPA)のようなセルラー通信システム通信を実行するように構成される。通信モジュールは、ローミングネットワークアクセス装置500における構成要素間の通信を制御するように構成され、ダイレクトメモリアクセス(Direct Memory Access)をサポートし得る。
【0089】
本発明の異なる実施方式では、通信ユニット504における各通信モジュールは一般に、集積回路チップ(Integrated Circuit Chip)の形態で表され、すべての通信モジュールおよび対応するアンテナグループを含める必要なく、選択的に組み合わされ得る。たとえば、通信ユニット504は、セルラー通信システムにおける通信機能を提供できるように、ベースバンドチップ、無線周波数チップ、および対応するアンテナのみを含み得る。ローミングネットワークアクセス装置500は、ワイヤレスローカルエリアネットワークアクセスまたはWCDMA(登録商標)アクセスのような通信ユニット504によって確立されたワイヤレス通信接続を通じて、セルラーネットワーク(Cellular Network)またはインターネット(Internet)へ接続され得る。本発明のいくつかのオプションの実施方式では、たとえば、通信ユニット504のベースバンドモジュールのような通信モジュールは、典型的には、クゥアルコム(Qualcomm)社によって提供されるAPQ+MDMシリーズプラットフォームのようなプロセッサユニット502へ統合され得る。
【0090】
特に、本発明のこの実施形態では、通信ユニット504は、ローミングエリアにおける少なくとも1つの利用可能なネットワークを探索する。オプションとして、通信ユニット504はさらに、ネットワークサーバから履歴ローミング情報を獲得するように構成され、履歴ローミング情報は、ユーザがローミングした場合に、登録の試みがなされたネットワークに関する情報を記録するために使用される。
【0091】
出力ユニット503は、限定されないが、画像出力ユニットおよび音声出力ユニットを含む。画像出力ユニットは、テキスト、写真、および/または、ビデオを出力するように構成される。画像出力ユニットは、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)、OLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)、フィールドエミッションディスプレイ(field emission display、略してFED)等のような形態で構成された表示パネルを含み得る。または、画像出力ユニットは、たとえば、電気泳動(electrophoretic)ディスプレイまたは、光の干渉変調(Interferometric Modulation of Light)技術を使用したディスプレイのような反射型ディスプレイを含み得る。画像出力ユニットは、単一のディスプレイ、または、異なるサイズからなる多くのディスプレイを含み得る。本発明の特定の実施方式では、前述した入力ユニット501によって使用されるタッチ制御パネルはまた、出力ユニット503の表示パネルとしても使用され得る。たとえば、タッチ制御パネルに対するタッチまたはアプローチジェスチャオペレーションを検出した後、タッチ制御パネルは、タッチイベントのタイプを決定できるように、ジェスチャオペレーションをプロセッサユニット502へ送信し、その後、プロセッサユニット502は、タッチイベントのタイプに従って、表示パネル上に、対応する視覚的な出力を提供する。明らかに、
図5では、ローミングネットワークアクセス装置500の入力機能および出力機能を実施するために、入力ユニット501と出力ユニット503とが、2つの独立な部分として使用されているが、いくつかの実施形態では、ローミングネットワークアクセス装置500の入力機能および出力機能を実施するために、タッチパネルおよび表示パネルが統合され得る。たとえば、画像出力ユニットは、グラフィックユーザインターフェースを、仮想制御構成要素として使用できるように、様々なグラフィックユーザインターフェース(Graphical User Interface、略してGUI)を表示し得、グラフィックユーザインターフェースは、限定されないが、ウィンドウ、スクロールバー、アイコン、およびクリップボードを含み、これによって、ユーザは、タッチ方式で操作できるようになる。
【0092】
本発明の特定の実施方式において、画像出力ユニットは、プロセッサユニット502によって出力されたビデオをフィルタリングし、増幅するように構成されたフィルタおよび増幅器を含む。オーディオ出力ユニットは、プロセッサユニット502によって出力されたオーディオ信号をデジタルフォーマットからアナログフォーマットへ変換するように構成されたアナログ-デジタル変換器を含む。
【0093】
記憶ユニット505は、ソフトウェアプログラムおよびモジュールを記憶するように構成され得る。そして、プロセッサユニット502は、ローミングネットワークアクセス装置500の様々な機能アプリケーションを実行し、データ処理を実施するために、記憶ユニット505に記憶されたソフトウェアプログラムおよびモジュールを動作させる。記憶ユニット505は、主として、プログラム記憶エリアおよびデータ記憶エリアを含む。プログラム記憶エリアは、オペレーティングシステムと、音再生プログラムまたは画像再生プログラムのような少なくとも1つの機能によって必要とされるアプリケーションプログラムとを記憶し得る。そして、データ記憶エリアは、ローミングネットワークアクセス装置500等の使用に従って生成された(オーディオデータまたは電話帳のような)データを記憶し得る。本発明の特定の実施方式において、記憶ユニット505は、不揮発性ダイナミックランダムアクセスメモリ(Non-volatile Random Access Memory、略してNVRAM)、相変化ランダムアクセスメモリ(Phase Change RAM、略してPRAM)または、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(Magetoresistive RAM、略してMRAM)のような揮発性メモリを含み得、さらに、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置デバイス、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、略してEEPROM)のような不揮発性メモリ、または、たとえば、NORフラッシュメモリ(NOR flash memory)またはNANDフラッシュメモリ(NAND flash memory)のようなフラッシュメモリデバイスを含み得る。不揮発性メモリは、プロセッサユニット502によって実行されるオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。プロセッサユニット502は、不揮発性メモリから、動作しているプログラムおよびデータをメモリへロードし、デジタルコンテンツを、大容量記憶装置に記憶する。オペレーティングシステムは、メモリ管理、記憶デバイスの制御、および電力管理のような通常のシステムタスクを制御および管理するように構成され、様々なソフトウェアおよびハードウェア間の通信を容易にする、様々な構成要素および/またはドライバを含む。本発明のこの実施形態では、オペレーティングシステムは、Google社のAndroidシステム、Apple社によって開発されたiOSシステム、Microsoft社によって開発されたWindowsオペレーティングシステム等、またはVxworksのような埋込型オペレーティングシステムであり得る。
【0094】
アプリケーションプログラムは、ローミングネットワークアクセス装置500にインストールされた任意のアプリケーションを含み、限定されないが、ブラウザ、電子メール、インスタントメッセージングサービス、テキスト処理、バーチャルキーボード、ウィンドウウィジェット(Widget)、暗号化、電子著作権管理、音声認識、音声複製、(全地球測位システムによって提供される機能のような)位置決め、音楽再生、等を含む。
【0095】
特に、本発明のこの実施形態において、オプションとして、記憶ユニット505は、履歴ローミング情報を記憶し得、履歴ローミング情報は、ユーザがローミングした場合、登録の試みがなされたネットワークに関する情報を記録するために使用される。記憶ユニット505は、プログラムデータを記憶し、プロセッサユニット502は、記憶ユニット505に記憶された履歴ローミング情報または通信ユニット504によって獲得された履歴ローミング情報に従って、通信ユニット504によって発見された利用可能なネットワークの優先度を調節するようにプログラムデータを実行する。通信ユニットはさらに、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの、前述されたプロセッサユニット502によって調節された優先度の降順で、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークを、登録の試みがなされたネットワークとして、連続的に選択し、登録の試みがなされたネットワークへの登録を試みるように構成される。
【0096】
さらに、記憶ユニット505に記憶された履歴ローミング情報が、第1のローミングネットワークリストを含むか、または、通信ユニット504によって獲得された履歴ローミング情報が、第1のローミングネットワークリストを含む。第1のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合、正しく登録されたネットワークに関する情報を記録するために使用される。プロセッサユニット502は、通信ユニット504によって発見された利用可能なネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているか否かを判定し、通信ユニット504によって発見された利用可能なネットワークが、第1のローミングネットワークリストに記録されているのであれば、少なくとも1つの発見された利用可能なネットワークの優先度を維持または増加させることができるように、記憶ユニット505に記憶されたプログラムデータを実行する。
【0097】
オプションとして、記憶ユニット505に記憶された履歴ローミング情報が、第2のローミングネットワークリストを含むか、または、通信ユニット504によって獲得された履歴ローミング情報が、第2のローミングネットワークリストを含み、第2のローミングネットワークリストは、ユーザがローミングした場合に、正しく登録されなかったネットワークに関する情報を記録するために使用される。プロセッサユニット502は、通信ユニット504によって発見された利用可能なネットワークにあり、第2のローミングネットワークリストに記録されていないネットワークの優先度よりも低いように第2のローミングネットワークリストに記録されている、ネットワークの優先度を設定できるように、記憶ユニット505に記憶されたプログラムデータを実行する。
【0098】
電源507は、異なる部分の動作を維持するために、ローミングネットワークアクセス装置500の異なる部分へ電力を供給するように構成される。一般に、電源は、一般的なリチウム-イオンバッテリまたはニッケル水素バッテリのような内蔵型バッテリであり得、ACアダプタのように、ローミングネットワークアクセス装置500へ電力をダイレクトに供給する外部電源をも含み得る。本発明のいくつかの実施方式では、電源507はさらに、より広い定義を有し得る。たとえば、電源507はさらに、電力管理システム、充電システム、電力故障検出回路、電力変換器またはインバータ、(発光ダイオードのような)電力ステータスインジケータ、および、ローミングネットワークアクセス装置500の電力の発生、管理、および分配に関連付けられた他の任意の構成要素を含み得る。
【0099】
本明細書における「および/または」という用語は、関連付けられたオブジェクトを記述するための関連付け関係のみを記述しており、3つの関係が存在し得ることを表すことが注目されるべきである。たとえば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する、AとBとの両方が存在する、および、Bのみが存在するという3つのケースを表し得る。それに加えて、本明細書におけるキャラクタ「/」は、一般に、関連付けられたオブジェクト間の「または」関係を示す。前述した実施形態では、各実施形態の記述は、それぞれの焦点を有する。実施形態において詳細に記述されていない部分のために、他の実施形態では、関連する記述への参照がなされ得る。それに加えて、「第1」および「第2」のような関連性を示す用語は単に、あるエンティティを別のエンティティから区別するために使用され、これらエンティティの間に実際の関係またはシーケンスが存在していることを、必ずしも要求も示唆もしていない。
【0100】
当業者であれば、方法実施形態のステップのすべてまたはいくつかは、関連するハードウェアに指示するプログラムによって実施され得る。プログラムは、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶され得る。プログラムが動作する場合、方法実施形態のステップが実行される。前述した記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクのようなプログラムコードを記憶し得る任意の媒体を含む。
【0101】
最後に、上記各実施形態は、本発明の技術的解決策を記述するためにのみ区別され、各実施形態において提供される技術的解決策は、相互に参照または組み合わされ得る。本発明は、前述した実施形態を参照して詳細に記述されているが、当業者は、本発明の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、依然として、前述した実施形態に記述された技術的解決策に対する変更を行い得ること、または、そのいくつかの技術的特徴への等価な置換を行い得ること、を理解するべきである。